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マウス腹腔マクロファージの赤血球貪食能に関する研究

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(1)修士論文. マウス腹腔マクロファージの 赤血球貧食能に関する研究.  兵庫教育大学大学院修士課程. 教科領域教育専攻 自然系コース.  学籍番号:M85280F 寺田 仁.

(2) 目次 II,材料と方法 Ill.結果.   実験条件の設定.   ブルタールの赤血球に対する貧食能への影響   各種刺激剤のチック赤血球貧食能への影響 IV.考察. −  ■3 f  ワ1 ﹃0 1ユ ←ワ8    ワ  乙σー. 1.序論. 旨辞献版 要謝文図.

(3) (略語). BL  :フ“ルタール. C3 :補体第三成分 CR−receptor:補体受容体 DG :1,2−diacylglycerol E :チック赤血球 EC :わ。ソニン化チック赤血球. Fn :fibrenectin i.p.:i’nterperitoneally LPS :リホ。ホ。’Jサッカライト“. PBS:燐酸緩衝生理食塩水 PDA :phorbol 12,13−diacetate. PI :面食指数 PM :腹腔マ冗ファージ. PM(lday cultured):Resident PM were cultured in RPMI−1640.          medium containing 10 percent fetal carf          serum(heat−inactivated). PMA :phorbol 12−myristate 13−acetate SAP :serum amyloid P−compgnent S.E.:standard errors. TG :チオグリコレート溶液.

(4) 1.序論  マクロファージは単核食細胞系に属する細胞である。その分布は リンパ系組織,肝臓,肺,結合組織,血液中など体内のあらゆる場 所にわたる。マクロファージの機能は、つぎの4っに大別され、いず れも生体防御にはたらいている(柏木登 1985;河合忠 1980;大 沢利昭1971;狩野恭一1975;Douglas,S.D.1976. and others)。.  1)異物を認識し、これを取り込む作用(endocytesis);細胞表層の.   疎水構造などが関与する非免疫的認識またはオプソニンが関与   して異物を認識し(免疫的認識)、レセプターとリガンドとの   結合で食胞(phagosome)・飲食胞(pinosome)を形成、異物を消化。.  2)細胞障害性エフェクター機能;正常自己細胞とは異なる腫瘍細   胞などを破壊、除去。.  3)分泌活性;リソゾーム酵素,補体成分,インターフェロンなど   の分泌。.  4)生体機能の非特異的な調節作用;血管の新生や創傷治癒などで   の調節的役割。. このような機能をもつマクロファージの活性のレベルを知るには、  1)endocytosisの程度の測定(GoodNin,B.J.1983;島田孝吉1984.   and others).  2)分泌活性;1ysosomal enzyme, hydrogen peroxidaseなどの活性   の測定(Mantovani,B.1975.;Nathan,C.F. et a1.,1970. and.   others).  3)形態的な変化;大きさ,仮足ののびの測定(Rabinovitch,M.   et al.,1973; Moland,B. et al.,1977. and others). などがある。これらの手法を用い、マクロファージの生体防御にお ける作用機序が明らかになるにつれ、そのはたらきが重要視されて きた(North,R.J.,1978;Nathan,C.F.,1980. and others)。これらの. 研究で、マクロファージ活性物質一一一LPS(1ipopolysaccaride) (Skidmore,B.J. et al.,1975; Gewurz,H. et al.,1968. and othe一一. 一1一一.

(5) rs), laminin(Bohnsack,J.F.1985. and others), F n (fibronect− in)(van de Water,L. et al.,1983. and others), S AP(serum. amyloid P−component)(Wright,S.D. et al.,1983.), lymphokine(. Gresham,H.D.&Griffin 1984;Cohn,Z.A.1978. and others),ホル ボールェステル(Castagna,M. et a1.,1982. and others) など一一一. が見いだされた。しかし、これらの物質のマクロファージ活性化の 作用機序については、ほとんど解明されていない。  ブルターールはマクロファージ活性化物質として見いだされたが、. ブルタールのマクロファージに対する生理活性はほとんどわかって いない(篠田1985)。そこで、本研究では、生体防御における感染初 期一一特異抗体が存在せず、補体および自然抗体の存在する正常血清 条件下一一一を想定し(Winkelstein,J.A. et a1.,1975.)、ブルタール. とブルタール以外のマクロファージ刺激物質とのマクロファージの チック赤血球貧食能、形態的観察をとうして、ブルタールのマクロ ファージに対する活性の特性について検討した。. 一2一.

(6) II.材料と方法. 動物.  マウス腹腔マクロファージ(PM)はddy系マウス(日本動物kk. 大阪)の25∼35㌘の成体より得た。.  赤血球はブロイラー用ひな(ホワイト コーニッシュ(♂)とホ ワイト ロック(♀)の雑種第1代,兵庫農産.兵庫県加東郡社町) の生後1週間程度のものより得た。. 赤血球.  チック赤血球(E)はチックけい部より採血した(宇津木ら 19 82) o.  採血した赤血球はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Dulbecco,R .&Vogt 1954)で懸濁,遠心分離(400g.5min.)の操作を4回行い、. 滅菌処理したPBSで体積濃度10%に懸濁し、4℃で保存、5日以内 に使用した。また、使用に際しては2%にPBSで希釈した。 培養液  培養液は動物組織培養用培地(RPMI・一1640,日水製薬kk,東京)を使 用した。. 血清.  牛胎児1血清はWhittaker H.A.Bioproducts,Walkersvilleのものを 使用した。.  マウス血清は宇津木らの方法にしたがいddy系マウスより得た(宇 津木ら 1982)。なお、保存は一80℃で行った。. マクロファージ活性物質.  ブルタール(コンドロイチン硫酸鉄コロイド液(BL))は大日 本製薬kk(大阪)のものを使用した。. 一3一一.

(7)  チオグリコレート溶液(TG)はDifco Laboratories(Detroit, Mich)のものを使用した。使用に際しては2.4%水溶液とした(Conr− ad,R.E.1981)..  リポポリサヅカライド(LPS)E.coli O26:B6 Phenol ext− ract(Nowacowski,M. et al 1980),コンドロイチン硫酸(from Wha−. le Cartilage), phorbo112−myristate 13−acetate(PMA)およ. びphorbol−12,13−diacetate(PDA)はSigma Chemica1 Co即any (St.Louis,USA)のものを使用した。使用に際しては生理的食塩水で 希釈した(Cooper,P.H. et a1.,1984)。. マクロファージ  常在性マクロファージ(resident PM)は基本的にはCohnとBensonの 方法に従い採取した(C。hn,Z.A.&Benson 1965)。 すなわち、約4℃. の培養液3mlをマウス腹腔に注入後、よくマッサージを行い、これを. 腹水液として取り出し、直径15mmのガラス製カバースリヅプを3枚入 れた培養皿(35mm polystyrene製 Tissue Culture dish,Corning. N.Y.)に入れ、37℃ 20分間のインキュベートでカバースリヅプに付. 着させた後、約4℃の培養液で2回洗浄した。  培養は10%非働化(56℃30min.)牛胎児血清、 100U/m1 ペニシリ. ンおよび100μg/mlストレプトマイシン(明治製薬kk,東京)を含ん. だ培養液中で37℃の条件で無菌的に数日間行った(日本組織細胞学会 編 1984)。 また、in vitroでのマクロファージの活性化能試験に. ついては、常在性PMを前述の培養液中で1日培養したマクロファー ジ(1day cultured)を使い、これと同じ新しい培養液に各刺激剤を加 えて培養し、活性を調べた(Bianco,C. et a1.,1976)。.  誘発マクロファージ(elicited PM)は前述の方法でマクロファージ. を回収する数日前に各刺激剤を適量マウス腹腔に注射して得た(Gr− iffin,F.M.Jr. et al.,1975. 1 , II).. 一4一.

(8) 赤血球のオプソニン処理.  10%マウス血清を含む培養液に体積濃度で1%になるようにEを添 加、懸濁し、37℃ 20分間インキュベートした。これを遠心分離 (4⑪⑪gsmin.)し、上清を除去し100倍容量の培養液を添加し再懸濁し. た。これらの操作を3回繰り返して、最終的に体積濃度で2%の赤血 球懸濁液とした。以上の操作によってオプソニン化された赤血球は ECと呼称した(Ross,G.D. et a1.,1983)。. 位相差顕微鏡及び光学顕微鏡観察法  カバースリップ上でのマクロファージ及びEは2.5%glutalaldet−. hyde(日本生化学学会編 1984)及び中性等張ホルマリン液て固定し (黒田 1974)、位相差顕微鏡で観察した。また、BLを取り込んだマ. クロファージはベルリン ブルー反応とハリス ヘマトキシリン液 で染色後(影山ら 1984)、光学顕微鏡で観察した。また、メタノー ル固定、ギムザ染色も場合により用いた(日本組織培養学会 1982)。. 観察測定法.  マクロファージが付着したガラス製カバースリヅプは培養該で2農 洗浄した後、2%E及びECを培養液加1あたりOユ湿加え誓℃てご葭問培. 養した。その後10謝醸。環で貧食されなかった赤血球を濤血こせ1 室温、鎗磁n.♪、培養蔽で2度洗浄後、固定、検鏡した。な記、1条 件について少なくても9検体を調べた(漉掘an,S.L。 eta1.,19お)。.  また、マクロファージの形態観察は、各種の甦理の後、37℃て1時 間上記培養液にインキュベートして位相差顕微鏡で観察した(松橋ら 1984;湯∼垂ミ  1977)。. 貧食能の表示法.  取り込み率は300個以上のマクロファージについて赤血球を1っ以 上取り込んでいるマクロファージの百分率で示した。  貧食指数(PI)は、赤血球を取り込んでいるマクロファージ100細胞. 一5一.

(9) あたりの取り込み赤血球数と取り込み率をかけた(Bianco,C. et al .,1975; Wright,S.D. et al.,1984.and others).. 一6一.

(10) III.結果. 実験条件の設定.  常在性マクロファージをガラス製カバースリップ及び、ラテック ス製カバースリップ(Lux、三光純薬kk、東京)上で3日間RPM工一1640. 培養液中で培養した後の形態的変化については、常在性マクロファ ージは丸くてコンパクトな形態を示すか、3日間の培養によってマク ロファージは薄状の仮足をのばした。ガラス製カバースリップ上で. 3日間培養したマクロファージは樹枝状に仮足をのばすものが多いの に対し、ラテックス製のカバースリヅプ上で3日間培養したマクロフ ァージは平らにひろがるものが多かった。また、これらのマクロフ. ァージのECに対する取り込みは3日後までのRPMI−1640培養液での 培養において差異は認められなかった(Fig.1)。なお、取り込んだ赤. 血球の計測において材料と方法に記したようにNH・C1による低張処理. を固定前におこなった。これによってマクロファージ膜表面に付着 している赤血球及び細胞外の赤血球を溶血させた。一般に、マクロ ファージ膜表面に付着している赤血球によって、取り込んでいる赤 血球数の計測は困難だが、この処理によって解消される。なお、こ の処理によってマクロファージ及び貧食された赤血球には影響はな い。.  マクロファージのチック赤血球に対する貧食能に及ぼすECとの 接触時間を調べた。この実験では、3日前に0.1m1のBLをマウス腹 腔に注入して得たBL誘発マクロファージを使った。その結果、培. 養1時間でPIが142となり、後はほぼプラトーとなり大きな変化は なかった。そこで、マクロファージとチック赤血球との培養時間を 2時間とした(Fig.2)。.  牛胎児血清の添加が、常在性マクロファージのRPMI−1640培養液で の培養後のチック赤血球に対する貧食能に及ぼす影響を調べた。マ. クロファージのECに対する寅食能は、培養2日後まで差異はみら れなかった。しかし、3日後では、血清添加培養マクロファージは. 一7一.

(11) 血清無添加培養対照群に対して約2.2倍のPIを示した。また、Eに 対する貧食能においては、血清添加培養マクロファージ群は血清無 添加培養群に対して約4.8倍のPIを示した(Fig.3)。したがって、. in vitroでの培養における各種マクロファージの二食能試験に際し ては原則的に培養日数を4日間までとした。  マウス血清の添加が、常在性マクロファージのRPMI−1640培養液で の培養後のチック赤血球に対する混食能に及ぼす影響を調べた(Fig. .4)。マクロファージのECに対する二食能は、培養1日後まで有意. な差はなく、漸増した。2日後、3日後には血清無添加培養対照群 に大きな変化が見られないのに対し、マウス血清添加培養群でのE Cの取り込みはかなり増加し、1日後と3日後の比は1:2.8であり、 3日後の対照群との比は1:3.1であった。また、Eに対する取り込み. の傾向は、1日後においてECに対する二食と同じであった。しか し、2日後には対照群の3.1倍のPIを示し、差が認められた。3日 後のEに対する二食能は2日後にくらべやや減少し(2日後の15.5% 減)、対照群との比は1:4.1であった。このように、マウス血清添加. による培養は2日間から3日間の培養においてマクロファージのE Cに対する取り込みに促進的な効果を及ぼした。.  マウス血清及び牛胎児血清の添加が、常在性マクロファージのRP MI−1640培養液での培養後のECに対する二食能に及ぼす影響につい てみると、両者とも培養時間と共に、マクロファージの負食能を同 様に増加させた。マウス血清添加培養液で培養したマクロファージ. の方が牛胎児血清添加培養液で培養したマクロファージよりやや高 い二食能を示すが、有意な差は認められなかった(Fig.5)。.  牛胎児血清あるいはマウス血清添加による、RPMI−1640培養液中で 培養したマクロファージの形態的変化については、両者の間に大き な差異はみられなかった。すなわち、どちらの場合でも常在性マク ロファージより表面積はかなり広がり、細胞突起ののびたものがよ く観察された。. 一8一.

(12) ブルター一・一ルの赤血球に対する貧食能への影響. 〈in vivo の場合〉.  マウス腹腔にBLO.1mlを注入し、4日後まで1日毎に材料と方 法に記したように腹腔よりBL誘発マクロファージを採取し、赤血 球に対する三食能を調べた(Fig.6)。なお、対照群では。.9%生理的. 食塩水0.lmlを使い、 Bしと同様の操作をおこなった。その結果、 B. L誘発マクロファージのEに対する二食能が大きく上がらないのに. 対し、ECに対する貧食能が顕著に上昇した(EC貧食言の対照群 との比は 1日後で1:27 2日後で1:60 3日後で1:33 4日後で 1:111) o. 〈in vitro の場合〉.  つぎにこのようなBしのin vivoにおけるマクロファージへの作 用はin vitroにおいても現れるかを検討した。常在性マクロファー ジのチック赤血球貧食能に対するBしの影響は(Table I)に示した。. マウス腹水液量を約1mlと推定して、in vivoでの誘発(後述)には 0.1ml(腹水液に対し10%)のBLを注入しているので、 in vitro. におけるこの実験ではBL添加量を培i養液との容積比で10%と20% に設定した。すなわち、培養液に対し10%または20%となるようB. Lを加えた培養液中で常在性マクロファージを3日間対照群と共に. 培養し、1日毎にE及びECに対する貧食能を調べた。その結果、 対照群のEはほとんど取り込まれないのに対し、ECに対する二食 能は培養日数が進むにつれて漸増の傾向が見られた。10%及び20%. BL添加培養液で培i養したマクロファージのE及びECに対する三 食能は、培養日数とともに同様の変化を示し、10%と20%での濃度 差によるチック赤血球に対する二食能への影響は見られなかった。. 10%BL添加培養液で培i養したマクロファージのEに対する二食能. は1日後より、対照群の8倍となり効果がみられた。2日後にPI は最高となり、対照群との比はほぼ1:10であった。10%BL添加培. 一9一.

(13) 養液で培養したマクロファージのECに対する貧食能は1日後で大 きく増加し、対照群の9.8倍であった。そして、2日後および3日後 はほぼプラトーであった(Fig.7)。.  また、それぞれの条件でのマクロファージによるECに対する貧 食において、わずかではあるが非特異的な二食がみられた。そこで、. それぞれのECを与えた際のPI値からEを与えた際のPI値をひ くことによりそれぞれの条件下での正味のマクロファージのオプソ. ニン関与の取り込み指数を求めた。これによると10%及び20%BL 添加培養液における培養マクロファージは1日後で飛躍的に増加し、. 3日後までは漸増の傾向がみられた。この事実よりBLは、常在性 マクロファージに24時間作用させるとECに対する貧食素を顕著に 活性化させることが明らかになった。.  Fig.6に示したin viv。におけるBしの赤血球貧食能に及ぼす影響. と比較すると、そのECの三食能は1日後で ほぼ1:1、2日後で1 :1.3、3日後で1:L8とin vivoにおける活性の方が高かった。なお. in vitroでのBL処理によるマクロファージのECに対する二食能 に及ぼす影響は、1日後ではほとんど変わらず、2日後および3日 後ではin vivoの場合においてマクロファージの貧食能はさらに促 進され、in vitroの場合を上回った。.  ところで、腫瘍促進物質であるホルボールェステルは10分間前 後というごく短い時間でマクロファージの赤血球に対する減食能を 上げるという報告がなされている(Wright,S.D. et a1.,1982)。そこ. でBしの作用がこのような速効性のものかどうかを検討した。まず、. マクロファージは常在性マクロファージを前述の方法に従って24 時間培養することにより、マクロファージの性質を安定化させた。 これによって、in vitroにおける各種刺激剤処理による常在牲マク. ロファージの赤血球二食のPI値の変動をおさえた。そして、培養. 液に対し10%のBLを加え前述の前培養を施したマクロファージ を数時間さらに培養し、ECに対する貧食能を調べた(Fig.8)。その. 結果、BLを添加して9時間後には対照群との差がはっきり現れ(9. 一10一.

(14) 時間後で1:6.5)、BLを添加して12時間後には48時間後のPI のおよそ半分の値を示した。このようなBL処理による、マクロフ. ァージのECに対する二食能への促進効果は48時間後まで観察さ れた。.  ここでBしの主成分であるコンドロイチン硫酸について、常在性 マクロファージの赤血球二食能に対する効果を検討した(Fig.9)。コ. ンドロイチン硫酸ナトリウムを10、30、60%容積濃度になるよう生理. 的食塩水にとかし、これを培養液にそれぞれ10%容量加えて1日 培養して安定化させたマクロファージに作用させた。その結果、同 一一. 件での10%Bしによるマクロファージのチック赤血球貧食能. に対する効果は5%のコンドロイチン硫酸溶液による場合とほぼ等 しく、in vitroにおけるBしの常在性マクロファージの貧食能に対 する効果は主としてコンドロイチン硫酸成分によることが明らかに なった。.  BL添加RPMI−1640培養液で3日間培養したマクロファージの形態 的変化に関しては、BL添加培養液で培養したマクロファージの方 がやや樹枝状の細胞突起をのばしたものが多く観察された(Fig.10)。. 各種刺激剤のチック赤血球貧食能への影響. 〈in vivOの場合〉.  内毒素LPSがマクロファージを活性化させることはよく知られ ている(Cooper,P.H. et a1.,1984;Wilton,J.M. et a1.,1975)。そ. こで、LPSがマウス腹腔マクロファージの赤血球三食能におよぼ す効果をBしの場合と比較検討した。LPSはリンパ球に作用して、 間接的にマクロファージの生理活性に影響を及ぼす(Og鵬undsdottir ,H.M. et al.,1980. and others)と報告されているので、 in vivo. におけるLPS投与量とマクロファージのチック赤血球二食能との 関係をはじめに検討した(Fig.11)。Fig.6の対照群(EC)の3日後と三. 一11一.

(15) 較すると10ngのLPSでその活性効果が現れ、1μgまで顕著に伸び ている。そして、10μgから300μgまではややゆるやかな増加を示し. た。したがって、LPSは小量でマクロファージの活性を高めるこ とを確認した。以後LPSをマクロファージの実験に使用する際は、 充分量と推定される100μgを用いた。.  TG誘発マクロファージは、マクロファージの生理活性能実験に よく用いられる量である1.Om1のTGをマウス腹腔に注入して誘発さ せた(Griffin,F.M.Jr. et a1.,1975.1;Norin,A.J. et a1.,1986.. and others)。誘発マクロファージはBしやLPSの場合と同様にし てマクロファージのチック赤血球貧食能を検討した。.  このようにして、BL,LPS,TGそれぞれの刺激剤によって 誘発して得たマクロファージのチック赤血球貧食能を比較した。. Fig.12にみられるようにBL誘発マクロファージのEC貧食能が最. も高く、それぞれのECに対するPIの比は BL誘発マクロファ ーー. W:LPS誘発マクロファージ:TG誘発マクロファージ=5.1:. 3.7:1であった。また、非特異三二三二に関しては、BL誘発マクロ. ファージ:LPS誘発マクロファージ:TG誘発マクロファージ= 8.4:7.2:1であった。Fig.6の対照群3日後と比較すると、Ecの貧. 食能はBL誘発マクロファージでは33倍、LPS誘発マクロファ ージでは23.6倍、TG誘発マクロファージでは6.4倍であった。Eに. 対する二食能は低い(PIは35以下)が、同様の傾向がみられた。  in vivoにおける各刺激剤のマクロファージのチヅク赤血球貧食 能に及ぼす経時的な影…響をFig.13,14に示した。ECに対する二食能. については、24時間後にBL誘発マクロファージ,TG誘発マクロ ファージよりもLPS誘発マクロファージの方が高い活性を示し、. 2日後でやや減少した後、3日後、4日後で再び増加の傾向を示し. た。以上の結果より、本研究ではLPSが他の2っの刺激剤とくら べてやや速効性のあることが確かめられた。また、BL誘発マクロ ファーージは4日後にその混食能は2.8倍になり、日数と共に畷らかに. 増加した。TG誘発マクロファーージの4日後の三食能は1日後とく. 一12一.

(16) らべて2.8倍であり、BL誘発マクロファージとくらべるとかなり低 い伸びを示した。.  また、Eに対するマケロファージの貧食能は非常に弱いが、 Eに 対する二食能については1.日後においてどの刺激剤処理によるマク. ロファージでも大きな差はみられなかった。2日後ではBL誘発マ. クロファージとLPS誘発マクロファージの両者のEに対する貧食 能は、TG誘発マクロファージの場合と対照的に増加の傾向があっ た(Fig.14)。一方、誘発マクロファージのECに対する付着能に関. しては、3種類の刺激剤による誘発マクロファージの中では、TG 誘発マクロファージが最も高い赤血球付着能を示した(データ省略) 0.  3種類の刺激剤で誘発されたマクロファージの形態的変化をFig. 15に示した。BL誘発マクロファージは、細胞内穎粒が多数現れ、. 全体的な形は平らに広がった。LPS誘発マクロファージは、樹枝 状に著しく伸びた形態のものが多かった。TG誘発マクロファージ は、細胞内に多数の液胞があらわれ、全体的に広がったものが多か った。. 〈in vitro の場合〉.  次に上記三種の刺激剤で誘発されたマクロファージをin vitroで 培養し、このマクロファージの赤血球に対する貧食能の持続牲につ いて検討した(Fig.16,17)。BL誘発マクロファージのECに対する. 貧食能は2日後にはかなりその活性が上昇するが、3日後には活性. が2日後とほぼ同じ水準になった。TG誘発マクロファージのEC に対する貧二二は培養3日間をとうしてやや増加した。しかし、対. 照群もやや漸増の傾向にあることから、実質的なTG誘発マクロフ ァージのECに対する二食能はほとんど変わらないと推定される。. LPS誘発マクロファージのECに対する貧三二は漸増の傾向がみ られた。.  また、Eに対する貧食能は、Fig。17に示した。BL誘発マクロフ. 一13一.

(17) アージを数日間培養後のEに対する貧食能は、培養1日後でやや増 加がみられ、その後漸減した。TG誘発マクロファージの培養にお けるEに対する貧食能は低いままほとんど変化しなかった(データ. 省略)。LPS誘発マクロファージの培養におけるマクロファージ のEに対する貧食能は、2日後までほとんど変化せず、3日後でや. や低下し、ECに対する貧食能は1日後まで微増であり、2日後に ははっきりした増加があった(データ省略)。. <ホルボールェステルのチック赤血球貧食能への影響>.  LPSは、リンパ球の介在でマクロファージを活性化することか ら、これらを免疫学的活性剤(immunologic activators)と呼び、. PMAなどのホルボールェステルは、マクロファージに直接働きか けて活性化することから、薬理学的活性剤(pharmacological act− ivators)とに分類されている(Wright,S.D. et a1.,1985)。 PMA. はマクロファージとの短時間(45min.)のインキュベーションでCR−. receptor(補体受容体)関与の食作用を促進することが知られてい る(Wright,S.D. et a1.,1982)。そこで、マウスマクロファージの. 赤血球三食能に対するホルボールェステルの効果を検討した。  血液から取り出したばかりのhu田an 恥onocytesの場合、 CR−rece−. ptor関与の貧食はほとんど行われないことが報告されている(Wrig− ht,S.D. eta1.,1982)。本研究では既述のように常在性マクロファ. ージを24時間培養後、PDA(100ng/m1)を添加した培養液との処理 時間を検討した(Fig.18)。その結果、 PDAは60分間処理でマクロ. ファージのECに対する貧食能に効果を及ぼすのに充分であること. が明らかになった。以後、マクロファージとPDAとの反応時間は 60分とした。.  PDAの濃度がマクロファージの赤血球二食能に及ぼす影響は Fig.19に示した。これによるとわずか3ng/mlで活性が現れ始め、濃. 度を増す毎にマクロファージのECに対する貧食能が上昇した。  次に、培養時間とホルボールェステルが常在性マクPファージの. 一14一一.

(18) 赤血球貧食能に及ぼす効果を検討した。腹腔から採取した後、ただ ちにマクロファージを PDA(100ng/ml)を添加したRPMI−1640培養 液中で培養した。Table IIはその結果を示したものである。マクロフ. ァージは培養1日後で対照群の18.1倍のEC三食能を示した。また、. さらに長い日数培養してもマクロファージのECに対する貧食能は. むしろ少し低下するので、PDAの作用は短時間で現れることを示 している。.  ホルボールェステルの中でよく使用されるPMAとPDAのそれ ぞれについて、マクロファージのチック赤血球貧食能におよぼす影. 響を比較検討した。Fig.20にみられるようにPDAはPMAに比較 して貧食能促進効果がやや低く、PMAの活性能の約70%から80% の値を示した。また、それぞれのホルボールェステルがマクロファ. ージのECに対する貧食能に及ぼす効果は類似していた。  腹腔マクロファージのECに対する貧食能は各種の刺激剤やホル ポ・・一・一ルェステルなどによって促進されたが、それぞれの物質はマク. Ptファージのどのような細胞構造や反応過程に作用するかを検討し. た。そこで、各種刺激剤で誘発させたマクロファージをPDAと反 店させ、その効果を調べた(Fig.21∼24)。まず、0.1mlのBLをマウ. ス腹腔に注入してから4日後まで1日毎にマクロファージを取り出 し、これをPDA(100ng/m1)を添加したRP班一1640培養液中で1時間. インキュベートし(PDA処理)、チック赤血球に対する貧食能を 調べた。.  Bしで活性化されたマクロファージの三食能は、PDA処理によ っていずれもPI値で約35ずつ増えた。これは対照群の場合のEC に対する三食能と比較すると14%∼44%増であった。また、Eに対. する三食能はPDA処理を施しても対照群との間に有意な差は認め られなかった(Fig.21)。.  TG誘発マクロファー・一ジの場合は、マクロファージのECに対す. る二食能に関してPDA処理群が対照群に比較してPI値で12∼22 高い値を示した。これは対照群のECに対する二食能の29%∼100%. 一15一.

(19) 増であった。また、マクロファージのEに対する貧食能に関しては PDA処理の効果はみられなかった(Fig.22)。.  LPSで誘発させたマクロファージの場合(Fig.23)は、マクロフ. ァージのECに対する貧食能に関してはPDA処理群に比較してP I値で47∼76の増加を示した。これは対照法のECに対する二食能 の43∼78%増であった。また、マクロファージのEに対する三食能. に関してはPDA処理の効果はみられなかった。  Fig.24は、3種類の刺激剤注入後、3日後に採取した誘発マクロ. ファージにPDA処理を施した場合のマクロファージのECに対す る貧食能を示した。TG誘発マクロファージに関しては 対照群に. 対するPDA処理群の増加率が1日後及び2日後は100%であった。 しかし、誘発日数がたっと増加率は29%までに低下した。LPSに. おける誘発2日後及び3日後の誘発マクロファージに対するPDA 処理群の増加率は70%台だが、誘発1日後及び4日後の増加率は40. %台であった。BLは他の刺激剤と比べてPDA処理によるマクロ ファージの二食能に対する効果がやや低かった。また、誘発日数を 追うごとに増加率は低下した(一部データ省略)。  Fi9.8は、 B しのin vitroにおける常在性マクロファージの赤血. 球二食能に対する反応時間について検討した結果を示した。Fig.25. では10%BLを添加したRPMI−1640培養液で培養したマクロファージ. (BL培養マクロファージ)にPDAを作用させた。その結果、P DAの作用は比較的短時間で、Bしのみの場合よりマクロファージ. のECに対する貧二二をより効果的に高めた。すなわち、BL培養. マクロファージにPDAを作用させるとBL培養マクロファージの ECに対する貧食能をさらに高め相乗効果が認められた。.  BL添加RPNI−1640培養液で3日間培養したマクロファージにPM A処理を施したマクロファージの形態的変化に関しては、PDA処 理の有無によるマクロファージの形態的変化に大きな差異はみられ なかった。すなわち、どちらの場合でも樹枝状の細胞突起をのばし たものが観察された。. 一16一.

(20) IV 考察.  マクロファージと培養基二間の接着は細胞フラグメントが媒介し (Bohnsack,J.F.1986.)、 human monocyteはガラス上での培養とプ. ラスチック上での培養の違いによって形態的に後者の方がよく広が ることが報告されている(Newman,S.L. et al.,1980.)。また、同じ. くhuman monocyteについて ガラス上での培養とcollagenをコー トした基質上での培養によるマクロファージの細胞膜上の変化につ いて報告されている(Newman,S.L. et a1.,1980,1982.)。すなわち、. 培養初めのmonocyteには、抗ヒト単球モノクローナル抗体1D5,63D3 で判別される単球表面上に存在する抗原がある。ところが、ガラス 上で培養したmon。cyteは培養を続けると抗原が消失してしまい、コ. ラーゲン上で培養したmonocyteは培養を続けると1D5抗体に対する抗 原のみ残る(Kaplan,G. et a1.,1982.)。これらの報告からマウスマ. クロファージについてもその培養基質の違いによって形態及びその. 機能が変化することが予測された。そこで、Bしや刺激剤によるマ クロファージの貧食能の変化を調べる前に、ガラス製カバースリッ. プとラテックス製カバースリップ上でマクロファージを培養し、そ の形態的変化及び赤血球に対する三食能を検討した。その結果、両 者の間に有意な差は認められなかった。.  また、マクロファージの培養における血清について、一般的には 非二化牛胎児血清が用いられる。しかし、human monocyteについて、. ヒトの血清を添加した培養液中で培養すると、その広がりが最高に なる(Johnson,W.D. et a1.,1977.)。また、ハムスターの肺のマクロ. ファージについて、血清を添加した培養液中で培養すると、赤血球. の付着、取り込みが向上し、多形核白血球は血清を添加しない培養 液中で培養した方が、添加した場合よりも10倍取り込みが増加する (Parod,R.J. et a1。,1986.)。このように食細胞はその存在する部位、. 環境などによって二食能などの機能が著しく多様であり、血清添加 の影響によっても変わることが知られている。. 一17一.

(21)  そこで、本研究でもマウスマクロファージの血清添加培養がその 貧食能にもたらす影響について検討した。その結果、培養における 血清の添加がマクロファージの赤血球減食能向上に有効であり、牛 胎児血清とマウス血清の違いが、マクロファージの赤血球二食能に 影響しないことが明らかになった。.  本研究において、細胞外マトリックスの主成分であるコンドロイ チン硫酸を含有するBLは、 CR−receptor関与の赤血球貧食を向上す ることが明らかになった。また、この活性は in vitroにおいて、 約9時間後に現れ始めた。したがって、Bしによるマクロファy・・一ジの. 赤血球貧食能活性化にはLPSのようにリンパ球の介在を必要とし ない。なお、Bしがマクロファージの赤血球に対する付着能向上に 有効であることは篠田によって報告されている(篠田、1985)。.  Bしによる活性がin vivoとin vitroでは1日後でほとんど変わ らず、2日以降でin vivoの方が促進された(Fig.6 and Table I)。. これはリンホカインの影響などが原因であろう。.  前述したように、LPSの活性には従来よりTリンパ球が必要で あることが知られている(Christie,G.H. et aL,1975;Griffin,」. A.et al.,1985. and others)。そこで、 L P Sのin vivoにおける. マクロファージの赤血球貧食上に及ぼす影響についてBしと比較す るためにその活性を調べた。.  LPSは小量でマクロファ・一ジの活性を高めるというCooperらの 報告(Cooper,P.H. et a1.,1984;Ghaffer,A.&Cullen,R.T.1976). と同様に、本研究ではわずか10ngで活性効果が現れた(Fig.11)。.  また、その活性効果の生じる時間については、Tリンパ球共存下. のinvitroにおけるLPS存在下の培養で24時間でピークを迎え、 以後減少していくことが知られている(Skidmore,B.J. et aL,1975 ;Cooper,P.H. et a1.,1984)。 in vivoにおける本研究(Fig.13)で. は、24時間後で高かった活性が一度わずかに低下した後、3,4日後で. 再び増加している。これは新しく浸出したマクロファージの増加と 関係があると考えられる。. 一18一.

(22)  BLは一日後ではLPSよりもやや低い活性であったが、日数を 経る毎に活性が高まった(Figs.16 and 17)。これらのことより、L. PSのin vivo における速効性が確認され、 BLはLPSほどin vivoにおいて速効性がないことが明らかになった。.  コンドロイチン硫酸と同様に細胞外マトリックスの成分であるFn をプラスチック皿にコートして、あらかじめ1週間培養したヒト単球 を37℃、45分間拡散させて、門門能を測定するとオプソニン化した赤 血球貧食を高めるという報告がある(Bohnsack,」.F. et al.,1986)。. Bしおよびコンドロイチン硫酸は可溶性の状態で作用し、効果の発. 現に最低9時間を要する点で、FnやSAPの作用機序と異なる。  マクロファージのCR−receptorの活性化のシステムとしてはC−ki−. naseの関与が報告されているが詳細は明らかではない。  Fig.26に示すように細胞膜におけるphosphatidylinosito1の代謝 回転によるC一・kinaseの活性化の様式が報告されている(Michell,R. H.1975;高井1983 and others)。1,2・一diacylglycero1(DG)は細胞. 膜には通常ほとんど存在せず、細胞外シグナルがその受容体に作用 してはじめてphosphatydilinosito1から産生される。 C−kinaseは Ca2“によって細胞膜のリン脂質(phoshatidylserine)に結合しており、. 細胞外シグナルがその受容体に作用するとDGが産生され、これが引 金となってC−kinaseのCa2+およびリン脂質に対する親和性が増大し、. その結果酵素活性が現れると考えられている。このC−kinaseの活性 は、細胞内の繊維の重要な成分であるマイクロフィラメントや微小. 管と関係するタンパク質をリン酸化すること(高井1983)が知られ ており、マクロファージの貧食作用との関連性が示唆されている。.  ところで、常在性マクロファージはオプソニン化した赤血球を付 着するにもかかわらず取り込み能は非常に弱い。しかし、in vivo またはTリンパ球と共存下でのin vitroにおいて、 L P Sなどで刺 激したマクロファージは、取り込み能を有すること(Mantovani,B. et al.,1972; Griffin,F.H.Jr. et al.,1980; Griffin,J.A. et al. .,1979,1981;Mich1,J. et a1.,1979)が報告されている。また、活. 一19一.

(23) 性化マクロファージはマクロファージ膜表面上においてreCeptorの 移動が可能であり、常在性マクロファージのreceptorは移動できな い(Griffin,F.M.Jr. et al.,198511)という報告やcyc1。heximideの. ようなタンパク質合成阻害剤の存在のもとでもPMAによってマク ロファージのCR−receptorは活性化されることからPMAによるマク ロファージの貧食能活性化は、リセプター自体が新しく作られてお こるものではないこと(Griffin,J.A。 et a1.,1979;Wright,S.D.. eta1.,1982)が知られている。また、 PMAによるマクロファージ のCR−receptorの活性化はcolchicineで抑制することができる(Gr− iffin,J.A. et a1.,1979;Wright,S.D. et al.,1982)ので、微小管. がこの貧食に関与していることが示唆される。さらに、活性あるい. は活性化されていないマクロファージの表面に、C3bとC3bi ( 補体第三成分誘導体)receptorに対する蛍光モノクローナル抗体を つけたところ、どちらも数量的に変わりはないこと(Wright,S.D. et a1.,1984.)が報告されており、マクUファージのCR−recePtorの. 活性化は量的変化ではなく、receptorの移動すなわち質的変化が活 性化の本質であると考えられている(Griffin,F.M.Jr., and Mulli− nax,P.J. 1985)..  しかし、LPSのマクロファージに対する直接作用を示唆する報 告もみられる(Schubert,R.D. et a1.,1980)。すなわち、マウスマク. ロファージのLPSとの結合部位の発現が、マクロファージの存在 する組織によって異なり(赤川ら1985)、さらにLPSと腹腔マク ロファージとの結合は、リピドA部分と特異的に結合するポリミキ. シンBにより阻害されることから腹腔マクロファージとLPSとの 間に特異的な結合が存在するという報告もある(Tokunaga,T. et al.,1985) ..  一方、in vivoにおけるLpsのマクロファージへの刺激は、 T リンパ球を介したりンホカインによる間接的な作用であるという報 告がある(Christie,G.H. et a1.,1975. and others)。そして、リ. ンホカインとPMAは同じようにDGの代替物としてマクロファー. 一20一.

(24) ジのC−kinaseに作用し(Castagna,M. et a1.,1982.)、その効果はイ. ンターロイキン1の産生をはじめ、LPSによる効果と類似してい る(Unanue,E.R. et a1.,1986)。.  各刺激剤で誘発したマクロファージをin vitro で培養すると、. BL誘発マクロファージとLPS誘発マクロファージは、培養時間 が長くなるに伴い赤血球に対する二食能がやや増加した(Figs.16 and 17)。これは、 in vivoで活性化されたマクロファージでのCR−. receptor活性化システムの形成がin vitroにおいても持続している ことも考えられる。しかし、human monocyteにおいて7日間培養し た結果、培養していないものの2倍から4倍のFc−receptor(IgG抗体に 対するリセブ。ター)媒介の取り込みの増加がみられたという報告がある (Newman,S.L. et a1.,1980)。 常在性マウスマクロファージのCR−. receptorを介する赤血球三食においてもFig.5に示したように培養に よる活性の増加が確認されている。したがって、マクロファージの 培養による貧食活性の増加はin vivoでの刺激剤による活性化のシ ステムとは違ったシステムが作動している可能性もある。  PMAが、マクロファージのCR・一 receptor媒介の貧食能にもたらす. 効果にはいくつかの特色がある。まず、PMAはマクロファージと の短時間の反応でCR−receptor媒介の貧食を促進する(Wright,S.D.. etal.,1982)。本研究においても、常在性マクロファージを1日培. 養したマクロファージに、60分間PDAと処理することにより同様 の効果を確認した(Fig.18)。また、ボルボールェステルのマクロフ. ァージに対する活性化はホルボールェステルの立体構造に左右され る(Wright,S.D. eta1.,1984)。本実験に使用したPDAとPMA は、両者ともマクロファージの赤血球三食に対して活性能を示した (Fig.20)。その貧二二に対する効果の違いは構造の違い、すなわち. PMAはPDAにくらべ膜透過性がよいことによると考えられる。 また、ホルボールェステルのうち、腫瘍促進能をもつ誘導体だけが、 マクロファージの赤血球三食能を活性化させること(Wright,S.B.. eta1.,1982)は、細胞骨格系を介する細胞の運動機構が両機能にお. 一21一.

(25) いて関与していることを示唆している。 さらに、PMAの刺激に よるCR−receptorの活性化は可逆的なものであり、1時間以内に活性か ら不活性へ、あるいはその逆に転換することができる(Wright,S.D. et a1.,1984)。したがってCR−receptorの活性化自体がタンパク質加. 水分解のような非可逆的なものによっておこるものでない。また、. PMAで活性化されたマクロファージはPBSで洗浄すると活性化 が低下することから、CR−receptor介在の貧食活性はPMAに対し可 逆的である(Wright,S.D. et aL,1984)と報告されている。.  ところで、Bしの刺激によって活性化されたマクロファージのCR −receptor依存性二食はPDAの添加によってさらに活性が上がって いる(Fig.25)。また、in vitroにおける、 B しのマクロファージの. 赤血球貧食能へ及ぼす影響はPDAのようにごく短時間に作用する ものでないことから(Fig.8)、 BLはPDAとは異なる反応過程に作 用していると考えられる。.  なお、Fig.21∼24に示したように、マクロファージのオプソニン. 化していない赤血球に対する三食能はPDAにより変化していない ことから、非特異的な取り込みにはPDAは関与しないと推定され る。.  本研究では、樹枝状に細胞突起を出したマクロファージに、オプ. ソニン化赤血球に対する二食能の高い傾向にあった。しかし、PD Aによって活性化され、赤血球三食能の高まったマクロファージの. 形態は、PDA処理前とほとんど変わらないので、形態変化からマ クロファージの貧三三性能を正確に推定することは困難である。. 一22一.

(26) Summury. 1 have examined the stimulant activity of chondreitin sulfate−Fe collo− id(Blutal) on the erythrophagocytosis of the mouse peritoneal macropha一一 ges(PM). 1 derived three major conclusions fom these studies. a) Blutal. enhance erythrephagocytosis mediated by the CR−recepters of PM in vivo and in vitro. b) Morphology of activated PM by various stimulants is. not correlated with their ability to ingest complement−coated erythroc− ytes. c) The mechanism of action of C−kinase on CR−receptors of activa一一. ted PM differ in Blutal and phorbolesters..

(27) 謝 辞.  この研究は1985年4月より1986年12月まで兵庫教育大学自然系細胞 生理研究室でおこなったものである。終始懇切丁寧にご指導頂いた 稲葉耕三教授に謹んで感謝の意を表します。.  また、実験用ヒナを長期にわたって提供して頂いた兵庫農産株式 会社の皆様に感謝の意を表します。.

(28)                            文献. 1)赤川清子 徳川徹 免疫細胞における受容体 現代化学増刊4    1985. 2) Bianco,C.,Griffin,F,M.Jr. and Silverstein,S.C. 1975..    Study of macrophage complement receptor: Alteration of    receptor function upon macrophage activation. J.Exp.Med.    141:1278. 3) Bianco,C.A.,Eden.,and Cohn,Z.A. 1976. The induction of.    macrophage spreading: role of coagulation factors and the    complement system. J.Exp,Med. 144:1531. 4) Bohnsack,J.F. lg85. Connective tissie proteins and pha−    gocytic cell function: Laminine enhances complement一 and    Fc一 mediated phagecytosis by cultured human macrophages.    J.Exp.Med.161:912. 5) Bohnsdck,J.F. 1966. lnteraction of culture−derived macro−.    phages with the fibrobrast−binding domain of fibronectin    is an enhancement of CRI−mediated phagocytosis. J.lmmuno.    136:3793. 6) Castagna,M.,Takai,Y.,and Kaibuti,K. 1982. Direct activat−.    ion of calcium−activated, phospholipid−pdependent protein    kinase by tumor−promoting phorbolesters. J.Bio.Chem.257:    7847. 7) Christie,G.H.,and Bomford,R. 1975. Mechanisms of macroph−.    age activation by Corynebacterium parvum. ln vitro exper・一    iments. Ce11.Immuno.17:141. 8) Conrad,R.E. 1981. lnduction and collectien of peritoneal.    exudate macrophages. rn Manual of Macrsphage Methodology.    Edited by H.B.Herscowitz et al., Marcel Dekker,INC. N.Y.6. 9) Cooper,P.H.,Mayer,P.and Baggiolini,M. 1984. Stimulation.

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(36)                           Table I. Effect of BL on erythrophagocytosis by resident macrophages                          in vitro.;;t. control. Days in. culture E. lo o/, BL. EC. E. 凸∪¶より乙り9.  0. 6±3. (6).  0. 3±1. 8±3. (5). 25 ±8. 3±1. 10±2. (7). 6±2. 21±5. (15). 20 o/, BL. EC. E. EC. (5).  0. 78 ± 13. (53). 26±8. so±lg. (54). 31±8. 92 ± 16. (61). 20±5. 82±12. (62). 20 ± IO. 90 ± 20. (70). 22±10. 86±16. (64). 5±4. 7±4. (7). * Resident−PM were harvested as described in Katerials and Methods.. The resulting macrophages were cultured with RPMI−1640 medium contain− ing 100/o, 200/o of BL and none, binding and phagocytosis assays as des−. cribed in Naterials and Methods. Values were the mean ±S.E. of nine experiments. Figures in parenthesis are differences between EC・一 and E− values..

(37)                      Table II. Effect of PDA on erythrophagocytosis of resldent PM                    in vitro.*. control. Days in. culture. E. PDA EC. E. EC. −←り乙り9. 3.0±L1. 8.1±2.6. 5.2±1.3. 147 ± 14. 2.5±e.9. 10.e±2.0. 6.6±1.0. 138 ± 10. 5.8±2.1. 21.1±4.7. 9.9±4.1. 120 ± 12. * Resident一一PM were harvested as described in Materials and Methods,. and cultured with RPMI−1640 medium containing 100ng/ml of PDA. Prepa− ration of coverslips, culture conditions, binding, and phagocytosis. assays as described in Materials and Methods. Values were the mean ±S.E. of nine experiments..

(38) V pm,evtns・.    ら. 1. LJ・.  .. 叩、i膨. 露.  .●      .●・.  一. ・c. ・《り)  ゼ. 6’〉.   .’.h. a.   り り.  轡. ︾ヤ ‘.﹂劉劃.  ら     笥. 三一姦,、考・夢 ヤ ・  ﹁ .幽﹁.,. 匿鯉 ゴサワ. け σΨ. 臓. ‘i.  亀     げ ”一. 継.セら ゴ. 輔の !:1 ,.g//’ ’. ncNi. 催1難. b.

(39) 300. ×o℃ε り塙︾りoO6よ住. 200. 100. o.    1     2. 3. Days in cutture. Fig.1 Comparison of the erythrophagocytosis by BL−eiicited peritoneal macrophages(PM) cultivated on glass or latex coverslips. Peiriteneal macrophages obtained from mice injected interperitoneally(i.p.) with O.lml of BL three days before harvest are designed BL−elicited PK. The resulting macrophages were cultured on the g}ass(e) or latex(O) cov− ersllps for the indicated periods of time, incubated with EC, and pha−. gocytBsis assays as described ln Materials and Methods. Each values represents the mean ±S.E.(standard errors) of ten samp1es..

(40) 200 x③で⊆旧。二﹀り006‘巳. 100.     0.          1 2 3 4 5                       1ncubation time(hr). Fig.2 Effect of incubation time of BL−elicited PM with EC. PM ebtain− ed from mice injected i.p. with O.lml of BL three days befere harvest.. The resulting macrophages were then incubated with EC, and phagocytos− is assays as described in Materials and Methods. Each values represe一一 nts the mean ±S.E. of nine samples..

(41) 30. ×9≦り;>8σ而£血. 20. 10. A. B c. o.       O 1 2 3                        Days in culture. Fig.3 Effect of fetal carf serum on erythrophagocytosis of resident PM. Resident PK were harvested as described in Materials and Methods. The resultir,g macrophages were cultured with RPMI−1640 medium in pre:.一 ence or absence of 100/o fetal carf serum(heat−inactlvated>, for the in−. dicated periods of time. Preparation of bindiitg, and phagocy‘Losis ass一一 ays as described in Materials and Y,ethods. Each value$ rrepi?.sc−nts the 灘弓an 士S.ε. of nir!e sa魏Ples.. A, $erum+EC; B, control+EC; C, serum+E; D, contrel+E. D.

参照

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