推論による社会認識を促す中学校社会科歴史的分野の学習材開発とその評価
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(2) 必要はなく、規則、事例にあたる知識を一つずつ. た演線的推論による説明的知識(結果)の認識。. 設定することで検証が可能となる。授業で認識さ. 開発した学習材を用いた授業の、生徒による評. せたい説明的知識は一般性の高い概念的知識と、. 価は以下の通りである。現行教科書とのイメージ. 授業で扱う具体的事象とを結びつけた知識である. 比較では、特に大きな差の出た項目2「必要かつ. という特性をもとに規則と事例から演線的に推論. 十分な量の知識が示されている。」、項目6「授業. し、結果を認識させる展開である。よって本研究. 中に教科書をどう使うのかがわかりやすい。」をは. では、規則(概念的知識)と事例(記述的・分析. じめ8項目すべてで現行教科書を上回る高評価を. 的知識)をもとに結果(説明的知識)を導き出す. 得ることができ、概ね学習材の機能の有効性を証. という演繹的推論の形を重視する。. 明することができた。項目2が高く評価されたこ とや「資料によって理解しやすかった」「必要な資. (2)学習材の機能. 開発した学習材の機能は、①冒頭に規則(概念. 料が探しやすかった」などの自由記述から、本文. 的知識)にあたる社会のしくみを提示する。②こ. とアクティビティとのつながりの中で資料を重要. の規則をもとに事例(記述的・分析的知識)であ. な知識として認識させることができたと考えられ. る歴史的事象を’つひとつ捉えていく。③規則と. る点も大きな成果である。学習材高評価の理由か. 事例をもとに結果(説明的知識)を導き出すアク. らも、項目3r歴史の調べ方や資料の扱い方がよ. ティビティを提示する。④全体の記述には、アク. く理解できる。」は65.7%、項目4「考えながら. ティビティを解くのに必要な文章や資料を組み込. 歴史を理解することができる。」は63.9%の支持. む。⑤アクティビティを解くことで、規則と事例. を受けた。学習材の機能によって、考えながら歴. をもとに推論という思考を働かせ、結果(説明的. 史を理解できたと子どもに感じさせられたと考え. 知識)を認識できるようにする、というものであ. られ、推論による歴史認識を促すことができたと 評価できる。. る。. (3)今後の課題. 5 研究の成果と課題 (1)概念探究過程の実践可能性を高める推論の. 学習材の積極的高評価群とその他の2群に分け. 形の提案. た分析により、総合評価に影響を与えた要因は学. 演繹的推論を用いて知識の構造を捉えやすくす. 習材の活用の仕方が伝わらなかった点であること. る授業展開を考えた。この授業展開は、概念探究. がわかった。高評価群にも学習材の機能が伝わっ. 型社会科の実践可能性を高め、検証過程を充実さ. ていないため十分な学習効果が生まれなかった可. せることになるものである。. 能性がある。よって、よりわかりやすい構成や授 業での活用法の改善が課題である。また、子ども. (2)学習材の開発、それを用いた授業の実践と. その評価. の社会認識レベルに課題が残る。これから教員と. 思考に基づく社会認識を促す手立てとして、演. して現場で実践を重ねていくなかで、授業による. 縄的推論を促す機能を持った学習材を開発した。. 社会認識のレベルを検証し、その改善策を考え、. そして、学習材を用いた授業を以下の展開で実践. 本研究で開発した学習材を用いた授業による社会. した。①社会のしくみ(規則)の概念的認識。②. 認識のレベルを高めていくことが課題である。. 学習課題を認識させるための情報の提示。③学習. 修学指導教員 増澤康男. 課題の認識。④その時代の事例認識。⑤社会のし. 溝邊和成. くみ(規則)と認識した事象(事例)をもとにし. 指導教員 吉水裕他. 一35一.
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