歩行者が街中でナビゲーションを行った時に見られる視線―道に迷う人と迷わない人の視線の違い―
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(2) 46. 6.. Go NAKAZAWA and Tetsushi NONAKA. いた. 今回の実験では確認した迷った地点の個数. 到着したグループ」 (以下「短距離グループ」)にグループ. は, 短距離で到達した群が平均3地点, 長距離で到. 分けして, 2 グループ間の固視ポイント割合を比較した. 達した群が平均 5.5 地点だった.. (Figure 3).. それぞれの群から, 道に迷った地点周辺で見せる視 線にどんな差があるかを分析する.. グループ分けは, 被験者の歩行距離が平均以上の被験 者を「長距離グループ」,歩行距離が平均以下の被験者を 「短距離グループ」に分類した.. Figure 1 実験エリア 3 実験結果 実験には 13 名の被験者が参加した. ナビゲーションに. Figure 3 「長距離」「短距離」グループ別, 経路全 体の固視ポイント割合. かかった最長の時間は 27 分 28 秒で, 最短の時間は 10:20 だった. ナビゲーションにかかった最長の歩行距離は 1622m で, 最短の歩行距離は 767m だった.. Figure 2 被験者の歩行経路 また, 視線計測機から得た視線データ(固視ポイント) に, 具体的な対象名や構造物(看板・標識, 高所遠方, 振 り返り, 等)のタグを付与した. 次に, 被験者を「目的地まで長距離かけて到着したグル ープ」 (以下「長距離グループ」)と「目的地まで短距離で. 「長距離グループ」は, 看板・標識を比較的多く見ている ことが分かった. 「短距離グループ」は, 線路・高架を比 較的多く見ていることが分かった. 次に, 被験者全員について,実験エリアを「路地」 「大通 り」「屋内」にグループ分け, 経路全体と, その3エリア の固視ポイント割合をプロットした.. Figure 4 「エリア全体」 「路地」 「大通り」 「屋内」エリア 別の固視ポイント割合. その結果, 路地エリアにおいて,「看板・標識」と「分岐 路の先」の固視ポイント割合が多い一方, 大通りエリアに おいては「人・車」と「分岐路の先」の固視ポイント割合 が多く, 屋内エリアにおいては,「看板標識」と「振り返.
(3) 歩行者が街中でナビゲーションを行った時に見られる視線. り」と「分岐路の先」の固視ポイント割合が多いことが分 った. 次に, 近道グループ同士の視線パターンの類似度と遠 回りグループ同士の視線パターンの類似度を DTW によっ て算出し, プロットした.. Figure 5 近道グループと遠回りグループの類似度. その結果, 近道グループ同士の視線パターンは類似し ている事が分り, 一方で遠回りグループ同士の視線パタ ーンは類似していない事が分かった. 最後に, 同じナビゲーション実験をスマートフォンで 動作する AR ナビアプリを使用しながら行った実験を5名 の被験者に行ってもらい, ナビアプリ無しの被験者と AR ナビアプリを使用した被験者のナビゲーション中の固視 ポイント割合を比較した.. Figure 6. ナビ無しグループと AR ナビグループの固視ポ イント割合. 47. に見ていることが分かった. 4. 考察. 本研究では, 大阪駅周辺の 800m 四方のエリアで, 人が 目的地までの経路をナビゲートする時の視線データと GPS データを計測し, 「短距離グループ」と「長距離グル ープ」が迷ったポイントで見た対象の割合を比較した. その結果, 長距離グループは看板・標識, を比較的多く 見ていることが分かり, 「短距離グループ」は高所遠方と 線路・高架を比較的多く見ていることが分かった. 「短距離グループ」に分類された 4 名の被験者は全員近 道を発見し近道を進むことが出来た一方で, 「長距離グル ープ」に分類された被験者 4 名のうち 3 名は近道を発見す ることが出来ず, 実験前に案内した経路に沿ったナビゲ ーションを行った. 「短距離グループ」が近道を発見できた考察として, 高 所遠方と線路・高架を比較的多く見ている事に起因してい ると考える. 一方, 「長距離グループ」は看板・標識を比 較的多く見ていたことから, 身近にある手掛かりを道標 としてナビゲーションに活用していた事が考えられる. 被験者によって迷った地点は異なるが, 迷った地点と して特に多かったのは「路地エリア」に侵入する直前や, 「屋内エリア」だった. この事から, 上記エリアは都市 の中でも迷いやすい環境であると考えられる. 視線パターン類似度について, 近道グループ同士の視 線パターンは類似している事から, 近道を発見する歩行 者のナビゲーショ戦略は共通している事が示唆された.そ の一方で遠回りグループ同士の視線パターンは類似して いない事から, 遠回りする歩行者のナビゲーショ戦略は それぞれ異なる可能性が高い事が示唆された. 固視ポイントについて, 迷った時点において「分岐路の 先」を見る割合が有意に増加したことから, 「分岐路の先」 への視線割合が増加する現象は人が迷った時に見られる 兆候として考えられる. その一方で, 迷う事が1度もな かった AR ナビアプリを使用したグループの固視ポイント 割合にも「分岐路の先」は一定存在していたことから, 「分 岐路の先」は迷った時の兆候としてだけではなく, ナビゲ ーションにおいて別の役割も果たしていると考えられる. 引用文献 Foo, P., Warren, W.H., Duchon, A., & Tarr, M.J. (2005). “Do Humans Integrate Routes Into a Cognitive Map? Map- Versus Landmark-Based Navigation of Novel Shortcuts”, Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 31,(2), 195-215. Zhao, M., & William H. Warren, W.H. (2015). “How You Get There From Here: Interaction of Visual Landmarks and Path Integration in Human Navigation”, Psychological Science, 26(6), 915 –924. Warren, W.H. (2019) “Non-Euclidean navigation”, Journal of Experimental Psychology, 222, jeb187971. doi:10.1242/jeb.187971. その結果, ナビ無しグループと比較すると AR ナビグル ープは「高所遠方」を見ず, 「人・車」「看板・標識」を 殆ど見ない代わりに「AR ナビ」を頻繁に見ることが分か った. また, 道に迷った時に固視ポイントが増加した「分 岐路の先」は, AR ナビアプリを使用したグループも頻繁. Copyright © 2021, The Japanese Society for Ecological Psychology.
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