■タイ トル■ メキンコの看護教育における社会奉仕実習 ■著者■ 群馬大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程 ■ リー ド■ 中南米 にお ける医師や看護師な どの専門職教育では、卒業前の一定期 間、「社会奉仕実習」 として、地域や 民間の施設で の保健 医療業務 に従事 す る ことが義務付 け られて いる。 これ を最初 に制度化 した といわれ るメキ シコでは、学士課 程の看護学生 の場合、基礎教育課程 を終 えた後 に
1年
間の看護実習が行われて いる。 ■本文■ 社会奉 仕実習 の実際 メキ シコ首都 にある某国立大学付属看護師・助産師校 は2005年
度、国内で も最貧州 とい われ るチ アパ ス州 に23名の実習生を配置 した。実習は現地 に丸 1年間住 み込む形で行 われ るが 、配置先 には保健医療従事者がお らず、大学教員 による巡回指導 もない。そ こで実習 生た ちは、それ まで学 んで きた経験 的な知識・ 技術 を手がか りに、配置先の施設やそ の近 隣集落 の人々へ の一般 的な傷病 の手 当てや健康教育 、母子保健、環境衛 生等 の保健衛 生活 動 に試行錯誤す る。 とはいえ、都会育 ちの実習 生たち に とっては、水道や電気が十分 に整 備 されて いな い地方で の生活や言葉 も習慣 も違 う先住 民へ のアプ ローチ に戸 惑 いを隠せな い。 社会奉 仕実習 の 目的 メキ シコの保健医療教育で行 われ る社会奉 仕実習 は、元来 、貧 困な地域へ医療 人材 を配 置 し、都市 との医療格差 をな くす 目的で 開始 された。保健 医療体 制が未整備 な地方で は、 必 然的 に予 防 を主 とした看護業務が 中心 とな る。 しか し、近年 、都市部 の高度化・ 専 門化 した保健医療施設での人材要請の高 ま りと共 に、臨床でよ り専門的な技術 を身 につ けたい と希望す る実習生 自体 も増加 し、メキ シコ保健省 によれば1996年
か ら2002年
までの間に 地方へ配置 された実習生は全体 の2割
にも満たない等、社会奉仕実習はその 目的 と現状 に 矛盾が生 じて いる。そ んな 中、チ アパ ス州での実習 をあえて志願 してきた実習生たちは「私 た ち にとって は未知 の文化や 人々を知 る ことこそが重要だ」「ここで学ぶ ことが ある限 り、 私 たちは人材補てんではな い」 と主張す る。 しか し 「で も、 もしここに医師 を迎 え るため の予算がな くて、 自分たちが あてがわれた とした ら、それ は人材補てん といえるか もしれな い」 と声 を小 さ くす る。 社会奉仕実習後 のゆ くえ 結局、チアパス州での実習 を