第1章
環境施策の方向
第2章
リーディングプロジェクト
環境施策の
方向
第1章
環境施策の方向
望ましい環境像や基本目標の実現に向けた施策の大綱を示します。
施策の大綱の提示にあたっては、環境項目ごとに現状と課題を示し、これら課題の解 決に向けた環境目標及び施策の方向性を示します。
また、環境目標達成の目安として、数値化が可能なものを、環境指標として設定して います。
第2章
リーディングプロジェクト
今後、推進していく計画のシンボルとして、計画全体を先導していくような取組みを リーディングプロジェクトとして示します。
第1章
環境施策の方向
安心して暮らせる生活環境が保たれ、
健やかに暮らせるまち
第 1 節
大 気 環 境
1
現状と課題
本市には、大気汚染源となるような大規模な工場や事業所は少ないものの、東京都と の大動脈である首都高速湾岸線や国道 357 号線が市の中央を東西に貫らぬいているほ か、やなぎ通り、市川浦安バイパスなどにおいて1日平均約 20 万台を超える交通量が あり、自動車の排気ガスを発生要因とした大気汚染が見られます。
市では、これらの大気汚染の状況を把握するため、猫実測定局(郷土博物館内 )で常 時監視を行っているほか、年 1 回主要幹線道路において、自動車排気ガス、振動、騒音、 交通量調査を行っています。また、千葉県においても、美浜自動車排気ガス測定局(美 浜東第三児童公園内)を設置し常時監視を行っています。
(
1
)
大気質(一般環境大気)
最近5年間(平成 10 年度から平成 14 年度まで)の猫実測定局における大気汚染測定 結果は、次のとおりとなっています。
■ 最 近 5 年 間 に 見 る 猫 実 測 定 局 ( 常 時 監 視 ) に お け る 環 境 基 準 の 達 成 状 況
年度 物質
H10 年度 H11 年度 H12 年度 H13 年度 H14 年度
二酸化硫黄(SO
2) ○ ○ ○ ○ ○
浮遊粒子状物質(SPM) × ○ ○ ○ ○
二酸化窒素(NO
2) × ○ ○ ○ ○
光化学オキシダント( Ox ) × × × × ×
一酸化炭素(CO) ○ ○ ○ ○ ○
注)1.光化学オキシダントは短期的評価、それ以外は長期的評価による。 2.○印は環境基準に適合、×印は環境基準に不適合であることを示す。
① 二 酸 化 硫 黄 ( S O
2)、 一 酸 化 炭 素 ( C O )
環境基準が定められている5物質のうち、二酸化硫黄(SO
2)、一酸化炭素(CO)
については、全ての年度で環境基準値を達成しています。
0. 000 0. 005 0. 010 0. 015 0. 020 0. 025 0. 030 0. 035 0. 040 0. 045
10 11 12 13 14(年) (ppm)
環境基準
日平均値の2%除 外値(長期的評 価) 年平均値
0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 4. 0 5. 0 6. 0 7. 0 8. 0 9. 0 10. 0 11. 0
10 11 12 13 14 (年) (ppm)
環境基準
日平均値の 2%除外値 (長期的評 価) 年平均値
1
② 二 酸 化 窒 素 ( N O
2)、 浮 遊 粒 子 状 物 質 ( S P M )
二酸化窒素、浮遊粒子状物質についても、平成 10 年度をのぞき、平成 11 年度以降環 境基準を達成しています。
③ 光 化 学 オ キ シ ダ ン ト (O
x)
光化学オキシダントは、全ての年度で環境基準を達成していませんが、この物資の評 価方法が短期的評価で長期的評価より厳しい評価方法であることと、一般に都市部にお いては達成することが難しい状況にあります。
平成 14 年度は、葛南地域において、光化学スモッグ注意報が17 回発令され、また千 葉県としては、28 年ぶりの警報が同地域において1回発令され、近年としては発令回 数が非常に多い年でした。
■ 二 酸 化 窒 素 の 経 年 変 化
■ 光 化 学 オ キ シ ダ ン ト の 経 年 変 化
■ 浮 遊 粒 子 状 物 質 の 経 年 変 化
環境基準の評価方法
環境基準の評価方法には、短期的評価と 長期的評価があります。
環境庁通達では、二酸化硫黄、一酸化炭 素、浮遊粒子状物質 、二酸化窒素について は 短 期 的 評 価 と 長 期 的 評 価 の 二 つ の 方 法 が、光化学オキシダントについては短期的 評価が定められています。
一般的に、二酸化硫黄、二酸化窒素、浮 遊粒子状物質については、健康に慢性的影 響をおよぼすことから短期的評価に加えて 長期的評価が使われ、一酸化炭素および光 化学オキシダントについては、急性影響を お よ ぼ す こ と か ら 短 期 的 評 価 が 使 わ れ ま す。
0. 000 0. 005 0. 010 0. 015 0. 020 0. 025 0. 030 0. 035
10 11 12 13 14(年) ( ppm)
0 10 20 30 40 50 60 70 (日)
昼間の1時間値が 0. 06ppmを超えた日 数
昼間の1時間値の 年平均値(短期的 評価) 0. 000 0. 010 0. 020 0. 030 0. 040 0. 050 0. 060 0. 070
10 11 12 13 14(年) (ppm)
環境基準
日平均値の 年間98%値 (長期的評 価) 年平均値
0. 000 0. 020 0. 040 0. 060 0. 080 0. 100 0. 120 0. 140
10 11 12 13 14( 年 ) ( mg / m )
環境基準
日平均値の 2%除外値 (長期的評 価) 年平均値
1
第1節
大気環境
二酸化硫黄( S O
2)、 一 酸 化 炭 素 ( C O )、 二 酸 化 窒 素 ( N O2)、 浮 遊 粒 子 状 物 質 ( S P M )、 光 化
学 オ キ シダ ン ト (O
(
2
)
自動車排出ガス
本市では、千葉県が市内美浜において常時監視を、市が市内主要道路において毎年調 査を行っています。
県が美浜で行っている常時監視による測定物質の環境基準の達成状況は下記のよう になっています。
■ 最 近 5 年 間 に 見 る 美 浜 測 定 局 ( 常 時 監 視 ) に お け る 環 境 基 準 の 達 成 状 況
年度 物質
H10 年度 H11 年度 H12 年度 H13 年度 H14 年度
一酸化炭素(CO) ○ ○ ○ ○ ○
浮遊粒子状物質(SPM) × × ○ ○ ○
二酸化窒素(NO
2) × ○ ○ ○ ×
注)1.長期的評価による。
2.○印は環境基準に適合、×印は環境基準に不適合であることを示す。
3.一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素の環境基準値については、P22を参照。
これによると、一酸化炭素は、最近 5 年間では、全ての年度で環境基準を達成してい ますが、二酸化窒素は平成 10 年度と平成 14 年度が未達成でした。
浮遊粒子状物質については、平成 10 年度と平成 11 年度は未達成でしたが、ここ3年 間は環境基準を達成しています。
また、平成 14 年度に市が行った市内主要道路における 4 日間の現地測定結果の環境 基準の達成状況等は、下記のようになっています。
■ 平 成 1 4 年 度 の 市 内 主 要 道 路 に お け る 短 期 測 定 の 環 境 基 準 の 達 成 状 況 等
調査項目
調査地点名称
二酸化窒素 浮遊粒子状物質 ベンゼン
やなぎ通り ×*1 ○ ×
大三角線 ○ ○ ×
市道幹線 6 号( 舞浜 2 丁目) ○ ○ ×
湾岸道路東行き(東野 1 丁目 357 号線) ×*2 ○ ×
シンボルロード ○ ○ ×
中央公園通り ○ ○ ×
湾岸道路西行き(弁天4丁目 357 号線) ○ ○ ×
市道幹線 6 号(舞浜 3 丁目) ○ ○ ×
注) 1.二酸化窒素と浮遊粒子状物質は短期的評価。ベンゼンの評価方法には短期的評価がないため、環境基準との比較による参考。 2.○印は 4 日間の全測定日数において環境基準に適合していることを示す。
3.上記*1は全4日の測定日数のうち2日が不適合。*2は全4日の測定日数のうち 1 日が不適合。 4.ベンゼンの環境基準値については、P22 を参照。
これによると、浮遊状粒子物資は全ての地点で環境基準を達成し、二酸化窒素は2ケ 所を除き同様の傾向となっています。ベンゼンは全地点で環境基準を上回る傾向を示しました。
自動車排出ガス対策は、広域的な取り組みが必要であり、都市が抱える共通の課題で すが、8都県市で実施する冬期自動車交通量抑制対策や千葉県窒素酸化物冬期対策と歩 調を合わせた市独自の対応等も求められています。
1
(
3
)
ダイオキシン類
化学工業の進歩により、多様な未規制化学物質が工場・事業場等の広い分野で使用さ れている状況にあり、ダイオキシン類や内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)などの 有害化学物質による環境汚染や人体への影響が懸念されています。
ダイオキシン類は、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられる過程で自然にできてしまう 副生成物で、ごみ焼却による燃焼や、たばこの煙、自動車排出ガスなど発生源は様々で す。
本市では、平成 10 年度から当代島公民館、市役所、堀江中学校、今川記念館の4ヶ 所で大気中のダイオキシン類濃度の調査を実施していますが、これまでの5年間で環境 基準の値を超えたことはありません。しかしながら、ダイオキシン類は、人の生命及び 健康に重大な影響を与えるおそれがある物質であることから、引き続き実態把握及び関 係法令に基づく事業者への指導徹底を図っていく必要があります。
1
2
目
標
(
1
)
環境目標
先に示した現状と課題を踏まえ、環境目標を次のように定めます。
(
2
)
環境指標
上記の環境目標達成の目安として、次を環境指標として設定します。
項 目 指 標 値 ( 環 境 上 の 条 件 )
二酸化硫黄(SO2)
1時間値の1日平均値が 0.04ppm 以下であり、かつ、1時間値が 0.1ppm 以下で あること
浮遊粒子状物質(SPM)
1時間値の1日平均値が 0.10mg/ m 3
以下であり、かつ、1時間値が 0.20mg/ m 3
以 下であること
二酸化窒素(NO2)
1時間値の1日平均値が0.04ppmから 0.06ppmまでのゾーン内、またはそれ以下 であること
光化学オキシダント(Ox) 1時間値が 0.06ppm 以下であること
一酸化炭素(CO)
1時間値の1日平均値が 10ppm 以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が 20ppm 以下であること
※ 環境指標は、国の定めた環境基準とします。
項 目 指 標 値
ダイオキシン類 年平均値が 0.6pg- T E Q/ m 3
以下であること
※ 環境指標は、国の定めた環境基準とします。
項 目 指 標 値
ベンゼン 年平均値が 0.003mg/ m3以下であること
※ 環境指標は、国の定めた環境基準とします。
さ わ や か で 、 す が す が し い 大 気 環 境 を 確 保 す る
1
第1節
大気環境
① 大気汚染物質の環境基準の達成をめざします。
② ダイオキシン類の大気環境基準を維持します。
3
施策の方向
先に示した環境目標及び環境指標の達成に向けて、次の施策の方向を定め、総合的・ 計画的に各種の施策・事業を展開します。
(
1
)
大気監視体制の充実
○ 一般環境大気測定、自動車排出ガス測定及びダイオキシン・ベンゼン等の有害大気 汚染物質の測定により、地域の実状に応じた監視網を形成し、データ結果を公表していきま す。
○ 監視データの整理及び解析の迅速化に努めるとともに、必要に応じて監視設備の充 実に努めます。
(
2
)
自動車排出ガス対策
① 低 公 害 車 の 普 及 促 進
○ 市の低公害車の導入を促進するとともに、市民・事業者への低公害車の導入、普及 促進を図ります。
○ 「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減 等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)」、「千葉県ディーゼル条例」等に基 づき、粒子状物質の排出を抑制するための措置を市が率先して講じるとともに、市 民・事業者への周知徹底を図ります。
② エ コ ド ラ イ ブ の 推 進
○ 自動車駐停車時におけるアイドリング・ストップの徹底を図ります。 ○ 自動車の急発進、急加速をしない等のエコドライブの実践を推進します。
( 1 ) 大 気 監 視 体 制 の 充 実
( 2 ) 自 動 車 排 出 ガ ス 対 策
( 3 ) 固 定 発 生 源 対 策 等の 推 進 さ わ や か さ で
す が す が し い 大 気 環 境 を
確 保 す る
施 策 の 方 向 環 境 目 標
1
③ 交 通 渋 滞 解 消
○ 道路や公共交通網の整備の促進等により、交通渋滞の解消を図ります。
④ 自 動 車 交 通 へ の 依 存 を 抑 制 し た ラ イ フ ス タ イ ル の 形 成
○ バス利用の促進を図るため、定例的にバス事業者と協議を行い、市内の路線バス運 行の充実を図ります。
○ おさんぽバス等により、移動しやすい交通環境の整備をさらに進めていきます。 ○ 自転車を利用しやすい環境の整備を進めることにより、自転車利用の促進を図りま
す。
⑤ 大 気 汚 染 防 止 に 関 す る 啓 発
○ 市が率先して大気汚染防止に取り組むとともに、市民・事業者・滞在者等へ大気汚 染防止に関する啓発を行い、意識の向上を図っていきます。
(
3
)
固定発生源対策等の推進
① ば い 煙 等 発 生 施 設 等 の 指 導
○ 「大気汚染防止法」、「市条例」に基づき、事業所等に対して、排出基準の遵守の徹 底・指導を県と協力して推進します。
② 簡 易 焼 却 炉 等 に 対 す る 指 導
○ 小規模焼却炉を有する事業所に対する指導の充実を図ります。
○ 廃棄物の野外での焼却など屋外での燃焼行為の規制 に関する周知徹底を図るとと もに、指導に努めます。
1
1
第 2 節
水 環 境
1
現状と課題
(
1
)
水
質
市内には境川、猫実川、堀江川、見明川の4河川が流れています。
近年、特に生活排水による水質汚濁が問題となっており、本市の水質汚濁状況を把握 するため、東京湾、旧江戸川、市内に流れる4河川の水質検査を定期的に行っています。
水質の環境基準は、人の健康の保護に関する環境基準と生活環境の保全に関する環境 基準が定められており、本市の生活環境の保全に関する環境基準の水域類型は、東京湾 が海域B類型、旧江戸川が河川C類型に指定されています。
①
河
川
旧江戸川については、水素イオン濃度(pH)、浮遊物質(SS)、生物化学的酸素要 求量(BOD)、溶存酸素(DO)の4項目を測定していますが、最近5年間では全て の項目において環境基準を達成しています。
また、最近5年間の猫実川、堀江川、境川、見明川の生物化学的酸素要求量(BOD) の年平均値の推移は、次のようになっています。
猫実川、堀江川については、定常的な水源がなく、降雨や生活排水が水源となってい
るため、流量が少なく水質汚濁が他の河川に比べ進み、BODの値が高くなっています。 そのため、猫実川は旧江戸川から、堀 江川は境川から河川水を導水し、水質の改善に努
めています。
境川・見明川は他の河川と比べ、BODの値は低い値で推移しています。
今後とも、下水道の整備状況を踏まえつつ、今後も水質汚濁の推移を把握していく必 要があります。
1
■ 河 川 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 ( B O D ) 年 間 平 均 値 の 推 移
【猫実川・堀江川】
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0
10 11 12 13 14
(年度) (mg/㍑)
猫実川 掘江川
【境川(A地点)・境川(B地点)・見明川】
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0
10 11 12 13 14
(年度)
(mg/㍑)
境川(A地点) 境川(B地点) 見明川
1
②
海
域
東京湾については、水素イオン濃度(pH)、化学的酸素要求量(COD)、溶存酸素 (DO)の3項目について測定されています。
これによると、溶存酸素(DO)は最近5年間で全ての年度で環境基準を達成してい ます。
一方、水素イオン濃度(pH)については、平成 10 年度から平成 13 年度は達成して いたものの、平成 14 年度は未達成でした。化学的酸素要求量(COD)については、 最近3年間は環境基準を達成していません。
このようなことから、環境基準の達成に向けた生活排水対策や広域的な取組み等が必 要となっています。
■ 最 近 5 年 間 に み る 東 京 湾 水 質 汚 濁 に 係 る 環 境 基 準 の 達 成 状 況
水域・測定地点 類型 項目 平成 10 年度 平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度
pH 〇 〇 〇 〇 ×
COD 〇 〇 × × ×
東京湾
(浦安南高校)
B類型
DO 〇 〇 〇 〇 〇
1
第2節
水環境
(
2
)
生活排水
河川の水質汚濁の主な原因は、河川への生活排水の流入によるものです。
生活排水による河川の水質への負荷を低減させるための方法には、大きく分けると二 つあり、一つは公共下水道による方策と、もう一つは、生活排水の汚濁負荷を低減させ る方策です。
市では、計画的な公共下水道の整備の推進を図っており、下水道の供用が開始された 区域の「人口普及率」は、平成 14 年度で 96. 8%、供用が開始された区域内で下水道に 接続した人口を表す「水洗化率」においては、平成 14 年度で 90. 6%と他市と比較して も高い数値を示しています。
本市の下水道を通った汚水は、市川市福栄にある江戸川左岸流域下水道の第二終末処 理場で処理され、川から海に戻されています。
市では、引き続き、下水道の整備を進めるとともに、処理区域内で下水道に接続され ていない世帯の接続を促進し、水洗化率を高めていく必要があります。
また、下水処理場は、汚水を完全に浄化できるものではないため、環境に及ぼす影響 を踏まえた生活排水の汚濁の低減を継続的に市民に啓発していく必要があります。
1
2
目
標
(
1
)
環境目標
先に示した現状と課題を踏まえ、環境目標を次のように定めます。
(
2
)
環境指標
上記の環境目標達成の目安として、次を環境指標として設定します。
項 目 指 標 値
カドミウム 0.01mg/ L 以下
全シアン 検出されないこと
鉛 0.01mg/ L 以下
六価クロム 0.05mg/ L 以下
砒素 0.01mg/ L 以下
総水銀 0.0005mg/ L 以下
アルキル水銀 検出されないこと
ポリ塩化ビフェニル(PCB) 検出されないこと
ジクロロメタン 0.02mg/ L 以下
四塩化炭素 0.002mg/ L 以下
1,2- ジクロロエタン 0.004mg/ L 以下
1,1- ジクロロエチレン 0.02mg/ l 以下
シス- 1,2- ジクロロエチレン 0.04mg/ L 以下
1,1,1- トリクロロエタン 1mg/ L 以下
1,1,2- トリクロロエタン 0.006mg/ L 以下
トリクロロエチレン 0.03mg/ L 以下
テトラクロロエチレン 0.01mg/ L 以下
1,3- ジクロロプロペン 0.002mg/ L 以下
チウラム 0.006mg/ L 以下
シマジン 0.003mg/ L 以下
チオベンカルブ 0.02mg/ L 以下
ベンゼン 0.01mg/ L 以下
セレン 0.01mg/ L 以下
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/ L 以下
ふっ素 0.8mg/ L 以下
ほう素 1mg/ L 以下
※ 環境指標は、国の定めた環境基準とする(海域については、ふっ素及びほう素の基準値は適用しない)
清 ら か で 美 し い 海 と 川 を 確 保 す る
① 人の健康の保護に係る環境基準の維持を目指します。
1
水域・測定地点 類型 項目 指標値
pH 6. 5 以上 8. 5 以下
SS 50mg/ L 以下
BOD 5mg/ L 以下
旧江戸川
C類型
DO 5mg/ L 以上
※ 環境指標は、国の定めた環境基準とします。
水域・測定地点 類型 項目 指標値
pH 7. 8 以上 8. 3 以下
COD 3mg/ L 以下
東京湾
B類型
DO 5mg/ L 以上
※ 環境指標は、国の定めた環境基準とします。
※ 生活排水処理率=(下水道水洗化人口+合併浄化槽人口)÷ 行政人口
※ 資料:平成14年策定「浦安市一般廃棄物処理基本計画」より
※ 下水道人口普及率=処理区域内人口÷ 行政人口
※ 下水道整備率=処理区域面積÷ 行政区域
② 河川の生活環境の保全に係る環境基準の維持を目指します。
③ 海域の生活環境の保全に係る環境基準の維持を目指します。
④ 生活排水処理率 (平成 15 年 3 月末)89.1% → 95. 4%(平成 22 年度)
⑤下水道人口普及率 (平成 15 年 3 月末)96. 8% → 100%(平成 29 年度)
⑥下水道整備率 (平成 15 年 3 月末)81. 0% → 100%(平成 29 年度)
1
3
施策の方向
先に示した環境目標及び環境指標の達成に向けて、次の施策の方向を定め、総合的・ 計画的に各種の施策、事業を展開します。
(
1
)
水質監視体制の充実
① 公 共 用 水 域 に 関 わ る 水 質 調 査 ・ 監 視 体 制 の 充 実
○ 東京湾、旧江戸川及び市内4河川における水質測定を定期的に実施し、データ結果 を公表していきます。
② 地 下 水 質 に 係 わ る 水 質 調 査 ・ 監 視 体 制 の 充 実
○ 地下水の水質測定を実施し、把握に努めます。
( 1 ) 水 質 監 視 体 制 の 充 実
( 2 ) 生 活 排 水 ・ 事 業 所 排 水 対 策
( 3 ) 河 川 の 水 質 改 善 対 策 清 ら か で 美 し い
海 と 川 の 確 保 を 確 保 す る
施 策 の 方 向 環 境 目 標
1
(
2
)
生活排水・事業所排水対策
① 公 共 下 水 道 の 整 備
○ 公共下水道の整備については、引き続き未整備地区の整備に努め、供用区域の拡大 を図ります。
○ 公共下水道の未整備区域においては、合併浄化槽による排水処理を行うよう、啓発 に努めるとともに、合併浄化槽の適正な管理を促進します。
② 生 活 排 水 ・ 事 業 所 排 水 対 策 の 意 識 啓 発
○ 廃食油の回収など家庭でできる生活排水対策に関する普及・啓発を推進します。 ○ 事業所等においての有害物質や油等の流出を未然に防止するため、排水対策に関す
る普及・啓発を推進します。
③ 事 業 所 等 に 対 す る 監 視 ・ 指 導 の 強 化
○ 「水質汚濁防止法」に基づき、事業所等に対する排水基準の遵守の徹底・指導を県 と協力して努めます。
(
3
)
河川の水質改善対策
① 河 川 の 水 質 改 善 対 策
○ 県の協力により、河川の浚渫や境川における水生植物の設置を行うなど、引き
続き河川の水質改善に努めます。
② 河 川 の 水 量 の 確 保
○ 堀江川に境川の河川水を導水するなど水量の確保を進めます。
③ 川 を き れ い に す る 市 民 活動 へ の 支 援
○ 川をきれいにする市民の活動を積極的に協力していきます。
1
第 3 節
そ の 他 生 活 環 境
1
現状と課題
(
1
)
騒音・振動
騒音・振動は、都市の過密化や生活様式の多様化が進行する中で、日常生活に極めて 関係の深い身近な環境問題となっており、その発生源も、工場・事業場、建設作業等に 加えて、近年では、飲食店におけるカラオケなどのいわゆる近隣騒音なども増えており、 多岐にわたっています。
本市における騒音・振動に関する苦情は、工事に伴うものが最も多く、近年では、近 隣騒音についての苦情も多く寄せられており、建設作業などにおける騒音・振動防止対 策や騒音防止意識の啓発を進めていく必要があります。
<自動車騒音・振動>
市では、自動車騒音・振動の現状を把握するため、市内の幹線道路において毎年48 時間に及ぶ調査を行っています。
平成 14 年度の「騒音規制法」に基づく要請限度(道路周辺の生活環境が損なわれて いる場合に関係機関に改善措置を要請)の達成状況は、次のとおりとなっています。湾 岸道路東行き(東野1丁目 357 号線)の夜間、やなぎ通り及び湾岸道路西行き(弁天4 丁目 357 号線)の2日目の夜間は要請限度を上回っていますが、その他の地点・時間帯 は要請限度値を下回っています。
また、平成 14 年度の振動の要請限度の達成状況については、全ての地点・時間帯で 要請限度値を下回っていますが、騒音については、要請限度を上回る地点もあることか ら、今後も、自動車騒音・振動の監視を行っていく必要があります。
■ 平成 14 年度の市内主要道路における騒音の要請限度の達成状況
時間帯
調査地点名称
12 月 14 日 22 時 ∼15 日6時
12 月 15 日6時 ∼15 日 22 時
12 月 16 日 22 時 ∼17 日6時
12 月 17 日6時 ∼17 日 22 時
やなぎ通り ○ ○ × ○
大三角線 ○ ○ ○ ○
市道幹線 6 号( 舞浜 2 丁目) ○ ○ ○ ○
湾岸道路東行き(東野 1 丁目 357 号線) × ○ × ○
シンボルロード ○ ○ ○ ○
中央公園通り ○ ○ ○ ○
湾岸道路西行き(弁天4丁目 357 号線) ○ ○ × ○
市道幹線 6 号(舞浜 3 丁目) ○ ○ ○ ○
1
<航空機騒音>
航空機騒音は、騒音レベルが高く、またその影響が広範囲に及ぶことから、空港周 辺地域において航空機騒音問題を引き起こしています。
現在、本市の周辺には、羽田空港(東京国際空港)への着陸のための飛行コースが 設定されているため、特に南風の多い夏季に航空機騒音が発生しています。また、北 海道・東北方面に向かう飛行機が市内上空を通過し、飛行機騒音が発生しています。
このようなことから、千葉県が平成 13 年 12 月に市内2ケ所に固定局を設置し、平 成 14 年1月から航空機騒音の連続測定を開始しています。これにより年間測定デー タを用いて環境基準の評価を行っています。
平成 14 年の固定局での測定結果は、下表のとおりとなっており、住宅用に供され る地域の環境基準 70WECPNL(本市は、平成 15 年度現在で環境基準類型未指定) を下回っています。
現在、国は羽田空港再拡張事業により新滑走路の建設を計画しています。
国土交通省は、当初、再拡張後の飛行ルートとして、着陸機が本市の上空を低空で 通過するものと考えていましたが、平成 16 年5月 25 日に飛行ルート案を修正し、そ れは回避されました。
しかしながら、着陸機は、本市の上空は飛行しないものの、本市の沖合を低空で 通過していきます。
そのため、今後は、市独自で航空機騒音の実態などを把握する調査などを実施し、 航空機騒音を監視していく必要があります。
■ 平 成 1 4 年 度 航 空 機 騒 音 固 定 局 測 定 結 果 ( 千 葉 県 )
騒音発生回数(回/日)
ピークレベル (dB)
固定局 WECPNL
最大日
WECPNL
最大 最小 平均
騒音発生
回数
(回/年)
最大 最小
高洲
(浦安南高校)
60.3 69.0 278 6 89.5 32,650 81.1 47.4
当代島
(当代島公民館)
54.3 65.7 126 0 22.8 8,328 86.5 52.9
注)WECPNL(Wei ght ed Equi val ent Cont i nuous Per c ei ved Noi s e Level ) 加重等価平均感覚騒音レベル。1日に通過する全航空機の騒音のうるささを評価する 尺度で、騒音が発生する頻度や時間帯を考慮したものである。
1
(
2
)
多様化する公害問題
①
地 盤 沈 下
千葉県葛南地域の地盤沈下の推移は、急激な産業の発展、人口の増加に伴う地下水の 採取量や天然ガスかん水採取量の増加により、一時著しい地盤沈下が見られましたが、 「工業用水法」、「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」等の規制により、全体的 に沈静化の傾向を示しています。
本市においては、17 ヶ所の地盤沈下観測用の精密水準点が設置され、県による監視 が行われ、最近の地下水位は上昇傾向にあり、地盤沈下は沈静化傾向にあります。
また、近年、市内において、温泉掘削を計画する事業者が増えてきていますが、温泉 掘削による地盤沈下への影響も懸念されており、規制指導の徹底を図る必要があります。
②
悪
臭
悪臭は、騒音や振動と同様に感覚公害の一種で、嗅覚という人の感覚に直接知覚され る公害です。また、悪臭物質は、一般的に微量でも感知され、また様々な悪臭物質が複 合している場合が多いことから、原因を特定することが困難な場合があります。
市内には、悪臭の発生源となる施設は少ないものの、事業活動や日常生活に伴う廃棄 物の野外焼却が依然見受けられ、引き続き周知及び指導を図る必要があります。
また、市外の発生源による悪臭や東京湾上のタンカーによるガス抜き(ガスフリー) が原因と思われる悪臭も発生しており、関係機関との広域的な連携を図る必要がありま す。
1
③
土
壌
土壌汚染は、工場や事業所などの事業活動によって化学物質が地下に浸透することが 主な原因となり引き起こされ、近年、社会問題化しています。
市では、県と連携し、「水質汚濁防止法」の特定施設や「土壌汚染対策法」の指定区 域の把握などを行い、地下水の保全対策と併せて土壌汚染の未然防止に努める必要があ ります。
また、近年では、都市化の進展に伴い、各種建設工事等が展開され、建設土、いわゆ る「残土」が発生しています。県では、「土砂等の埋立て等による土壌汚染及び災害の 発生の防止に関する条例(残土条例)」を制定し、汚染された土砂等の埋立てによる土 壌汚染の防止、無秩序な埋立てによる土砂の崩落、流出等の災害防止のための規制を定 めていますが、土地への埋立て等の面積が 3, 000 平方メートル以上の事業を対象として いることから、3, 000 平方メートル未満の事業に対する規制について、今後、市で定め ていく必要があります。
④
化 学 物 質 等 に よ る 生 活 環 境 問 題
近年、多種多様な化学物質が日常生活や事業活動において使用されるようになってい ます。その中で内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)をはじめ、人の健康や環境への 影響が懸念されている化学物質も増えています。
環境ホルモンはダイオキシンなどの物質も含み、近年問題はシックハウスなどの問題 も身近で起こっています。
問題が顕在化しているにも関わらず、これらの化学物質の有害性などについては、化 学的に未解明な部分も多くなっています。
国においては、これらの実態把握を進めるとともに、事業者の自主的な化学物質の管 理改善を促進することを目的とした「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
(PRTR法)」を平成11年に制定し、化学物質による環境保全上の未然防止に努 めています。
市としても、化学物質に関する適正な使用をはじめとする情報の収集を行い、対策の 検討を進めていく必要があります。
1
(
3
)
身近な生活環境問題
①
建 築 物 等 に よ る 生 活 環 境 問 題
近年では、都市化の進展に伴い、中高層建築物等の増加によるテレビ電波障害、ビル 風害や屋外照明による光害といった建造物による新たな環境問題が発生しています。ま た、都市部の気温が高くなるヒートアイランド現象など、生活環境への支障の防止に努 めていく必要があります。
② 環 境 衛 生 問 題
生活様式の変化や都市化の進展によって、ねずみや衛生害虫等の問題をはじめ、カラ スによる生活被害や不法投棄の問題まで広範囲で多様化しています。
また、近年では、愛玩としてペットを飼育する世帯が急増しており、ペットの適正な 飼育と愛護を推進するとともに、狂犬病やウィルスなど感染予防への啓発指導を強化す る必要があります。
このため、環境衛生に対する市民意識の醸成を図るとともに、地域と一体となった環 境美化活動を展開していくことが必要です。
1
2
目
標
■
環境目標
先に示した現状と課題を踏まえ、環境目標を次のように定めます。
3
施策の方向
先に示した環境目標及び環境指標の達成に向けて、次の施策の方向を定め、総合的・ 計画的に各種の施策、事業を展開します。
(
1
)
騒音・振動防止対策
① 事 業 所 等 の 騒 音 ・ 振 動 対 策
○ 事業所等や建設作業の騒音・振動については、「騒音規制法」、「振動規制法」による 規制に加え、市条例により、地域の特性を考慮した規制を行います。
○ 建設作業に伴う騒音・振動については、低騒音・低振動型の機械や工法の採用、防 音対策、作業時間の制限など、引き続き指導に努めます。
静 け さ や 心 地 よ さ が 保 た れ 、 健 全 に 暮 ら せ る
生 活 環 境 を 確 保 す る
1
第3節
その他生活環境
( 1 ) 騒 音 ・ 振 動 防 止 対 策
( 2 ) 多 様 化 す る 公 害 問 題 へ の 対 策
( 3 ) 身 近 な 生 活 環 境 問 題 へ の 対 策 静 け さ や 心 地 よ さ が 保 た れ 、
健 全 に 暮 ら せ る 生 活 環 境 を
確 保 す る
② 自 動 車 等 の 騒 音 ・ 振 動 対 策
○ 自動車交通への依存を抑制したライフスタイルの形成を促進することにより、自動 車交通量の抑止に努めます。
○ 主要な道路については、低騒音舗装の導入を推進します。
③ 航 空 機 騒 音
○ 県固定局での航空機騒音測定及び本市独自の実態調査に努めるとともに、必要に応 じて、データ結果を公表していきます。
○ 国、県、他自治体の情報収集と近隣自治体との連携を図ります。
○ 航空機騒音により、生活環境が著しく損なわれる、または損なうおそれがあると認 められるときは、国などの関係機関への改善を要請します。
④ 近 隣 騒 音 対 策
○ 拡声機・深夜営業等に伴う騒音に対して、啓発や指導に努めます。
⑤ 調 査 監 視 体 制 の 充 実
○ 市内主要幹線道路における道路交通環境調査を実施し、現状把握を努めるとともに、 必要に応じてデータ結果を公表していきます。
○ 監視データの整理及び解析の迅速化に努めるとともに、必要に応じて監視設備の充 実に努めます。
○ 自動車による騒音・振動の要請限度を超えるなど道路周辺の生活環境が著しく損な われていると認められるときは、国・県などの関係機関へ改善を要請します。
1
(
2
)
多様化する公害問題への対策
① 地 盤 沈 下 防 止 対 策
【地下水採取の規制・指導】
○ 「工業用水法」、「建築物地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)」、「千葉県 環境保全条例」、市公害防止条例など関係法令の遵守徹底を図ります。
【温泉掘削に関する指導要綱の策定等】
○ 温泉掘削に関する指導要綱を策定し、事業者等への指導を行うとともに、広く情報 収集に努めます。
【地盤沈下の観測】
○ 県が行う地盤沈下の監視測定(地盤沈下観測用の精密水準点の設置等)によるデー タの把握を行い、県と連携してデータを公表していきます。
② 悪 臭 防 止 対 策
【事業者等の悪臭対策指導】
○ 事業者に対し、「悪臭防止法」等関係法令の周知及び遵守の徹底を図ります。 ○ 悪臭を発生する恐れのある施設に対して、啓発・指導を行い、発生防止を図ります。 ○ 東京湾広域異臭などに対しては、関係機関への指導を県に要請します。
③ 土 壌 環 境対 策
【事業者等への土壌汚染対策指導・情報収集】
○ 事業者に対し、「土壌汚染対策法」等関係法令の周知及び遵守の徹底を図ります。 ○ 土壌については、県と連携しながら、情報の把握と指導を行います。
【建設残土への対応】
○ 土地への埋立て等の面積が 3,000 平方メートル未満の事業に対しては、「千葉県土 砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例(県残土条 例)」の対象外となるため、市残土条例の制定などにより、土壌汚染・土砂の崩落等 の災害防止を図ります。
④ 化 学 物 質 へ の 対 応
○ 事業者に対し、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(PRTR法)」等 関係法令の遵守及び周知の徹底を図るとともに、化学物質等に係る情報を収集、提 供への対策・適切な利用及び指導を推進します。
1
(
3
)
身近な生活環境問題への対策
① 建 造 物 等 影 響 の 防 止 対 策
○ 中高層建築物等によるテレビ電波障害の未然防止のための指導を行います。 ○ ビル風害及び光害については、関係機関との協議をとおして、抑制に努めます。 ○ ヒートアイランドについては、公共用地・民有地の緑化を推進することにより、そ
の抑制に努めます。
② 環 境 衛 生問 題 対 策
○ 「浦安市空き缶等の散乱防止等に関する条例」に基づき、ポイ捨てキャンペーン等 の啓発活動を引き続き行います。
○ 不法投棄防止パトロールを引き続き行います。
○ 「浦安市空き地に係る雑草等の除去に関する条例」に基づき、民有地の雑草、枯草 等の管理の指導を行います。
○ 狂犬病予防注射の実施及び正しい飼い方の指導を推進します。 ○ ねずみ、衛生害虫などの除去のための施策を推進します。
○ カラスよけネットの配布や被害防止対策の啓発等により、カラスによる生活環境被 害対策を行います。
○ レンタサイクル実証実験を行うなど、駐輪場の有効活用を検証し、放置自転車の削 減に努めます。
1
第3節
1
その他生活環境
第1章
環境施策の方向
水と緑や歴史・文化とふれあえる、
潤いと安らぎのあるまち
第 1 節
身 近 な 水 辺
1
現状と課題
本市は、三方を水に囲まれるとともに、市内に川が流れるなど、水との関わりが非常 に大きいまちです。しかし、市内の河川、旧江戸川や海岸線も、風水害対策を主目的と した護岸に囲まれ、市民が水と直接ふれあう場所が少ない状況にあります。
水辺は、本来、生態系が息づく場所であり、自然の恵みを受けたり、自然と親しむこ とにより、心を豊かにしてくれる場所です。また、都市機能面においては、レクリエー ションの場や防災機能など多様な機能を持ちます。
市としては、近年、進めている親水性や景観などの生活環境の快適さを高めるととも に、自然環境に配慮した河川や海岸の環境整備を進めます。さらに、今後も、河川や海 岸に流れる水質の改善、市民がより自然とふれあえる機会の創出に努めるとともに、三 番瀬の保全・活用に関する施策、事業に取り組んでいくことが必要となっています。
(
1
)
海辺、河川を活かした水と緑の環境づくり
高洲海岸部では、県が中心になり、親水性の高い海浜空間の創出と防災機能の強化を 目的とした海岸環境整備事業が行われています。
また、旧江戸川においては、高潮対策事業により下流部から緩傾斜護岸の整備が進め られています。また、河川環境と水質の改善を図るため、境川水辺空間整備事業や猫実 川河川環境整備事業等に取り組んでいるところですが、今後も海岸部・河川を対象に親 水性の高い水辺空間の創出と水質の改善など、自然環境に配慮した整備を関係機関と連 携を図りながら取り組んでいくことが必要となっています。
また、国が舞浜地先において行う「東京湾奥部海域環境創造事業」の環境影響などの 把握をはじめ、関係機関と調整を図りながら対応を検討する必要があります。
さらに、本市は水辺環境が多いという特性からも、*「水と緑のネットワーク」の形 成を今後とも推進する必要があります。
注)*水と緑のネットワーク
公園、緑地の整備を図ると同時に、公園を結ぶ沿道の緑化や緑地、海岸、河川等の空間を保全し、うるおい のある緑豊かな環境の創出を図ること。
2
(
2
)
三番瀬の保全・活用
東京湾全域に広く存在した干潟や浅海域の多くが、海面の埋め立てにより消失しまし た。その中で三番瀬も一部が埋め立てられましたが、市川二期等の埋立計画は、社会的 状況の変化により、何度も検討の対象となってきました。
平成 13 年 4 月、千葉県が市川二期等の埋立計画を白紙撤回したことにより、本市、 市川市、船橋市に囲まれた三番瀬が海域として残ることになりました。そして、平成 14 年 1 月、千葉県に三番瀬再生計画検討会議(通称:三番瀬円卓会議)が設置され、県民 参加による三番瀬の再生計画づくりが進められ、平成 16 年 1 月、同三番瀬再生計画案 が県知事に提出されました。
三番瀬再生計画では、海域をこれ以上狭めないことを原則として、かつての干潟を中 心とした三番瀬の環境を出来る限り復活することや、保全・活用のための制度づくりや ラムサール条約への登録促進などを提言しています。
本市は、市民の意見や要望を聴取し庁内での検討等を経て、平成 15 年 7 月に「三番 瀬の保全及び水辺の活用に関する浦安市の基本方針」を策定しました。
この基本方針を踏まえ、県、関係市、国などの関係機関との連携を図りながら、その 保全・活用に関する施策、事業を推進していく必要があります。
(
3
)
自然とのふれあい
本市は、かつては広大な浅海域である三番瀬に面し、陸域と水域が、干潟で連続する など、豊かな干潟環境と生態系が存在するとともに、自然と人の生活が結びついていま した。
豊かな生態系は豊かな漁場を育み、昭和 30 年代後半までの浦安は、漁業のまちでし た。集落の南と東には海岸まで水田が開け、周囲の河川や、海岸の堤の外には、洲が連 なり、いずれもアシやカヤが茂っており、そのなかにはカモやシギなどの水鳥が生息し ていました。
遠浅の海では、ノリやアサリ、ハマグリの養殖が行なわれ、魚類も豊富で東京湾の内 湾一の浅海漁業地として栄えていました。
しかしながら、公害などによる水質の悪化、昭和 40 年代以降進んだ市域の海面と接 する部分の埋め立て、人工的な護岸整備などにより、陸と海の自然としてのつながりが 失われるとともに、豊かだった生態系や人と自然とのふれあいも減ることになりました。
今後の水辺の整備にあたっては、河川の水質改善、河川整備により、水辺における生 物の生息環境の向上に努めるとともに、生物の生息状況の実態把握や市民が自然にふれ あえる機会の創出を図る必要があります。
2
2
目
標
■
環境目標
先に示した現状と課題を踏まえ、環境目標を次のように定めます。
3
施策の方向
先に示した環境目標及び環境指標の達成に向けて、次の施策の方向を定め、総合的・ 計画的に各種の施策、事業を展開します。
(
1
)
海辺、河川を活かした水と緑の環境づくり
① 水 辺 環 境 の 総 合 的 な 活 用 の 推 進
○ 関係機関と協議を行いながら、防災機能、親水性、自然環境に配慮した水際線の整 備基本計画を策定し、水辺空間の活用に取り組みます。
② 海 岸 環 境 整 備 の 推 進
○ 高洲、日の出、明海地区の海岸部における高洲海浜公園や総合公園などの公園整備 と連携し、舞浜地区の海岸部における護岸と周辺緑地部分の一体的整備などに向け て関係機関と協議を進めます。
身 近 で 親 し み や す い 豊 か な 水 辺 空 間 を 創 出 す る
2
第1節
身近な水辺
( 1 )海 辺 、 河 川 を 活 か し た 水 と 緑 の 環 境 づ く り
( 2 )三 番 瀬 の 保 全 ・ 活 用
( 3 ) 自 然 と の ふ れ あ い の 推 進 身 近 で 親 し み や す い
豊 か な 水 辺 空 間 を
創 出 す る 。
③ 河 川 環 境 整 備 の 推 進
○ 修景、親水性、水質の向上、自然環境への配慮をしながら、旧江戸川と市内全河川 の整備を進めます。
○ 境川におけるプレジャーボートの不法係留対策を含む浦安漁港の秩序ある環境づく りのため、公共桟橋の架け替え、沈船・廃船の除去、桟橋の有料化を進めます。
④ 河 川 ・ 海 の 水 質 改 善 の 推 進
○ 下水道整備、生活排水対策、その他施策により、河川、海の水質の改善を推進します。
○ 国が舞浜地区において行う「東京湾奥部海域環境創造事業」の環境影響などの把握をはじ め、関係機関と調整を図りながら、対応を検討していきます。
⑤ 水 と 緑 の ネッ ト ワ ー ク の 推 進
○ 都市の緑の空間とをつなぐ水と緑のネットワークの形成を今後とも推進します。
(
2
)
三番瀬の保全・活用
① 多 様 な 生 物 が 生 息 で き る 水 環 境 の 向 上
○ 三番瀬に流入する河川や海域の水質向上に努めます。
○ 第二湾岸道路の整備の方向性や今後の市の三番瀬活用の方向性と整合を図りながら、 三番瀬のラムサール条約登録を関係機関と連携して目指します。
② 三 番 瀬 の 活 用 の 推 進 と ル ー ル づ く り
○ 市民が三番瀬を利用しやすくするための環境づくりと、活用に伴うルールづくり等 について、関係機関と連携して検討します。
③ 安 全 性 と 親 水 性 を 兼 ね 備 え た 水 辺 の 整 備
○ 三番瀬に面する護岸や緑地用地については、景観、海の視認性、 安全性に配慮し、 護岸や隣接する公園との連携などを考慮した整備を県に要請していきます。
④ 三 番 瀬 の 自 然 と 住 環 境 が 共 存 す る ま ち づ く り
○ 三番瀬側の住宅地等の開発にあたっては、事業者に対し、護岸沿いの緑地整備の方 向などとの整合に配慮した開発を指導します。
2
⑤ 三 番 瀬 の 自 然 を 活 用 し た 環 境 学 習 の 推 進
○ 三番瀬を活用した環境学習を進めるとともに、これを補完、支援するための環境整 備について検討していきます。
⑥ 関 連 施 策 や 事 業 の 推 進
○ 三番瀬に関する施策や事業の推進にあたっては、千葉県の三番瀬再生計画との整合 を図りつつ、国、関係市、その他関係機関などの役割分担を明確にし、相互に連携 を図りながら推進します。
○ 市民と市が協働で進めていくための体制づくりに取り組みます。
(
3
)
自然とのふれあいの推進
○ 水辺空間整備において、親水性や景観などの快適な生活環境を高めるとともに、郷 土博物館、学校をはじめとする幅広い機関で、子どもから大人まで幅広い市民が水 辺にふれあえる機会の創出に努めます。
○ 河川の水質改善などにより、生物の生息できる環境の改善に努めます。 ○ 水辺の生物等の自然の状況を把握するとともに、情報の提供に努めます。 ○ 自然観察会や水辺の清掃活動など、市民が行う水辺の保全活動を支援します。
2
第 2 節
身 近 な 緑
1
現状と課題
緑は、大気浄化、騒音・振動の吸収、熱や温室効果ガスの吸収などの環境保全面での 役割の他、レクリエーション、防災、景観形成、そして、人の心にうるおいを与えると ともに、生物の生息空間となるなど、多様な役割や機能を有しています。
市域の4分の3が海面の埋め立てにより整備された本市のような都市においては、緑 の創出や既存の緑の育成及び充実はとても重要となります。
このため、「緑の基本計画」に基づき、緑の創出・保全を市民参加で進めるとともに、 公民館、学校等を拠点として、市民が身近に緑とふれあえる機会を創出していく必要が あります。
(
1
)
公園・緑地
本市における一人当たりの都市公園面積は 4. 9 平方メートル(平成 14 年 4 月現在 千 葉県の平均は 5. 8 平方メートル、全国平均は 8. 4 平方メートル)となっており、県平均 と比較しても面積は少なく、まとまった樹林地が少ない傾向があります。
また、全市的に公園緑地の分布を見ると、元町地域と中町地域の一部では公園緑地が 少ない状況です。本市の自然条件、社会条件、歴史性等から考察すると、ネットワーク 型の緑地形態を構成するとともに、バランスのとれた公園緑地の配置を進める必要があ ります。
今後とも、公園整備にあたっては、整備地域、主な利用者層等の特色や、近隣の住民 の意向などを踏まえ、地域の特性に応じた特色ある整備を進める必要があります。
■ 浦 安 市 の 緑 の 現 況 ( 平 成 1 4 年 )
項 目 現 状 ( 平 成 1 4年 )
都市公園 4. 9 ㎡/人
(面積 65. 8ha)
都市公園等 9. 5 ㎡/人
(面積 128. 4ha)
総緑地量 248. 6ha
市域面積に対する緑地の割合 14. 6%
人口 13. 5 万人
2
■ 緑 被 地 現 況 図 ( 平 成 1 3 年 1 月 の 航 空 写 真か ら み ど り を 図 化 )
(
2
)
緑化
緑豊かな都市環境の形成を図るためにも、公園・緑地の整備はもとより、民有地や河 川、海岸線の緑化を積極的に推進するとともに、これらを計画的に緑のネットワークと して形成していくことが必要です。
また、自治会やボランティア団体による公共用地を利用した花植え運動など、市民主 体の緑化活動が行われていますが、今後も、引き続き、このような市民活動を支援して いくことが必要となっています。
(
3
)
自然とのふれあい
本市では、かつて多様な生物が存在していましたが、埋め立てや都市化により、生物 の生息できる環境は少なくなりました。
緑化を進めることにより、生物の生息できる環境を増やすとともに、人と自然との共 生を図る必要があります。また、市民が緑などの自然に親しめる機会をつくる必要もあ ります。
2
2
目
標
(
1
)
環境目標
先に示した現状と課題を踏まえ、環境目標を次のように定めます。
(
2
)
環境指標
上記の環境目標達成の目安として、次を環境指標として設定します。
項 目 現 状 ( 平 成 1 4年 ) 平 成 2 2年 ( 中 間 年 次 ) 平 成 3 2年(目標年次)
都市公園 4. 9 ㎡/人
(面積 65. 8ha)
7. 1 ㎡/人 (面積 110. 2ha)
8. 7 ㎡/人 (面積 139. 1ha)
都市公園等 9. 5 ㎡/人
(面積 128. 4ha)
11. 4 ㎡/人 (面積 178. 6ha)
13. 3 ㎡/人 (面積 212. 4ha)
総緑地量 248. 6ha 314. 4ha 350. 0ha
市 域 面 積 に 対 す る 緑地の割合
14. 6% 18. 5% 20. 6%
人口 13. 5 万人 15. 6 万人 16. 0 万人
緑 と 暮 ら し が 調 和 す る 豊 か な 生 活 空 間 を 創 出 す る
市域における緑地の確保を図ります。
2
3
施策の方向
先に示した環境目標及び環境指標の達成に向けて、次の施策の方向を定め、総合的・ 計画的に各種の施策、事業を展開します。
(
1
)
公園・緑地の整備
① 計 画 的 な 公 園 ・ 緑 地 の 整 備
○ 今後の公園・緑地の整備方針となる緑の基本計画(計画期間平成 32 年)を策定し、 計画的に公園・緑地の整備や改修などを推進します。
② 市 民 に 親 し ま れ る 公 園 の 整 備
○ 公園整備にあたっては、整備地域、主な利用者層等の特色や、近隣の住民の意向な どを踏まえ、地域の特性に応じた特色ある整備を推進します。
○ 計画から管理にいたる各段階で地域住民の参加を得ながら、愛着をもてるような身 近な公園づくりを進めます。
③ 緑 の リ サ イ ク ル
○ 街路樹や公園などの剪定枝をチップ化し、緑化推進の普及活動での配布や緑化事業 などで堆肥や舗装材として再利用していきます。
( 1 ) 公 園 ・ 緑 地の 整 備
( 2 ) 緑 化 の 推 進
( 3 ) 自 然 と の ふ れ あ い の 推 進 緑 と 暮 ら し が 調 和 す る
豊 か な 生 活 空 間 を
創 出 す る
施 策 の 方 向 環 境 目 標
2
(
2
)
緑化の推進
① 緑 の ネ ッ ト ワ ー ク の 推 進 と 緑 の 保 全
○ 公園・緑地をはじめ、道路、河川、海岸及び公共施設の緑化を積極的に行うとともに、 水と緑のネットワークの形成を図ります。
○ 公共施設等における敷地内や屋上等の緑化を推進します。
○ 保存樹木の指定などを行うことにより、計画的に開発された緑豊かな住宅地や良好 な緑化状況にある緑地の保全を推進していきます。
○ 街路樹等の生育環境や剪定方法の改善など、樹形を生かした美しい並木道を形成す る適正で効率的な管理の方法について検討を進めます。
② 協 働 に よ る 緑 化 の 推 進
○ 公共空間への花植え運動など市民主体の緑化推進活動を支援・育成します。 ○ 大規模な集合住宅や事業所などの開発に際しては、緑化協定などにより十分な緑地
を確保するよう協議、要請していきます。 ○ 生け垣設置奨励事業を推進します。
○ 植木まつりにおいて苗木の配布等を行い、緑化の普及啓発を行います。 ○ 民有地における敷地内、屋上等の緑化を推進します。
○ 緑化に関するパンフレット、イベント等により、普及・啓発活動を推進します。 ○ 駐車場等の緑化を推進します。
○ 緑化事業の推進、樹木の管理等の指導等を幅広く展開するため、緑化におけるリー ダーの育成に努めます。
○ 市民が維持管理にあたる里親制度の導入の検討など、市民が樹木等の維持管理に参 画できる体制づくりに努めます。
2
(
3
)
自然とのふれあいの推進
○ 緑化の推進により、生物の生息できる環境の整備に努めます。
○ 市内の緑、生物などの自然の状況を調査・把握するとともに、情報の提供に努めま す。
○ 学校や公共施設等で、市民に、緑などの自然にふれて、関心を高めていただき、緑 化をはじめとする自然とふれあえる活動への機会づくりに努めます。
○ 公園や学校において、市民が生態系などを学べる場としてビオトープづくりを市民 参加で推進します。
2
第3節
歴史・文化と景観
1
現状と課題
(
1
)
歴史的・文化的資源
①
郷 土 の 歴 史 に 学 ぶ
かつての漁師町時代の浦安の文化や自然には、自然と共生していた人の営み等から、 自然と共生することの大切さを感じたり、共生するための方法を先人の知恵から学べる 特色があります。また、地域の歴史や文化を知ることは、まちの生活環境の快適さにお いて重要であると同時に、郷土愛を高め、環境を保全しながら歴史と文化を後世に継承 する市民の力を育てたり、新たな文化の創造につながる契機となるなど、地域社会の活 力を生み出すことになります。
②
郷 土 博 物 館 を 拠 点 と し た 推 進
本市では、浦安市民の歴史を伝える郷土資料を保存し、次の世代へ浦安の歴史・文化 を伝えて新しいまちづくりの拠点とするべく、郷土博物館を平成13年に開館しました。 同館では、資料の整備や展示の充実を図るとともに、運営、講座などへの市民参加、体 験を重視した事業・展示、生涯学習としての役割、学校教育との連携などによる子ども の体験学習等を積極的に推進しています。
③
文 化 財 、 伝 統 芸 能 等 の 伝 承
本市の文化財等は、主に旧市街地を中心に残されており、平成 15 年度現在、指定文 化財等は 28 件あり、指定別の内訳は、県指定3件、市指定 25 件となっています。また、 近年、境川沿いの民家や史跡の保存、漁師町特有の風情を残す民家の保存、お洒落や浦 安囃子など浦安の伝統芸能の保存、舟大工技術保存会による造船技術の保存、投網保存 会による投網技術の伝承など、保存活動とともに、継承する活動が活発になっています。
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文 化 資 源 の 保 全 と 活 用 の 方 向
今後とも、郷土博物館を拠点に各種の文化資源を有機的にネットワーク化し、その保 存と活用を図り、文化を振興する環境づくりをめざします。
また、将来的には第二博物館(海の分館)などの構想を立て、まちすべてが博物館(ま るごと博物館)となるようなエコミュージアム的発想で業務を進めていきます。
エコミュージアムとは、コアとなる施設(博物館)とサテライトと呼ばれる文化施設 が結びつき、行政と住民が一体となって、その空間そのものを博物館とする考え方です。
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■ 県 指 定 ・ 市 指 定 文 化 財 一 覧
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景
観
本市は、江戸川河口の漁村から始まり、東京湾の海面埋立事業により形成された平坦 な地形上に急激に発展した都市であり、元町地域には歴史的な面影が残る一方で、近代 的な新しい風景も併せもつ特徴があります。
また、近年のまちづくりにおいては、都市の機能性や安全性だけではなく、潤いと安 らぎのある良好な景観づくりに関心が高まってきています。
わたしたちのまちへの愛着と来訪者にも魅力のある環境づくりのために、市・市民・ 事業者が協働して、水と緑に囲まれ、本市に残る歴史を活かした浦安らしい個性のある 景観形成を図ることが必要です。
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2
目
標
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環境目標
先に示した現状と課題を踏まえ、環境目標を次のように定めます。
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施策の方向
先に示した環境目標及び環境指標の達成に向けて、次の施策の方向を定め、総合的・ 計画的に各種の施策・事業を展開します。
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歴史的・文化的資源の保存と活用
① 文 化 財 、伝 統 芸 能 、 伝 承 等の 保 存 ・ 活 用 の 充 実
○ 市の重要な有形・無形の文化財を浦安市指定文化財として保護するとともに、その 活用に努めます。
○ 指定文化財の他にも、地域に伝承されてきた伝統芸能・技術など、文化資源の総合 的な把握を進めるとともに、その保護、体験学習などへの活用・情報提供に努めま す。
○ 保存樹木への指定などにより、社寺境内地に残る大木等の保存を推進します。
歴 史 的 ・ 文 化 的 遺 産 を 守 り 生 か す と と も に 、
潤 い の あ る 景 観 を 創 出 す る 。
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第3節
歴史・文化と景観
( 1 ) 歴 史 的 ・ 文 化 的 資 源 の 保 存 と 活 用
( 2 ) 景 観 形 成 歴 史 的 ・ 文 化 的 資 源 を
守 り 生 か す と と も に 、
潤 い の あ る 景 観 を 創 出 す る 。
② 博 物 館 を 拠 点 と し た 保 全 と 活 用 の 推 進
○ 歴史、文化に関する資料の収集、保存、調査を推進します。
○ 体験学習の機会を創出し、楽しく学べるように体験学習を推進します。
○ 干潟観察会、野鳥観察会などの野外学習活動や、自然や歴史・民俗などの講座、講 演会などを行い、自然や歴史、文化に対する理解を促進します。
○ 教員講座や、総合的な学習の時間などの学校教育の一環として、子どもたちの体験 学習を推進します。
○ 学校と連携して、郷土博物館活用のための副読本の作成と活用を行ったり、郷土博 物館と学校の情報のネットワークを構築し、環境学習、郷土学習などのデータの共 有と活用を図ります。
○ 博物館の運営を支えるボランティア団体の育成や文化団体の活動紹介や後継者の育 成などを通して、市民参加による運営の推進と伝統の継承を図ります。
○ 海苔養殖など、かつて浦安で行なわれていた漁業を再現することにより、これらを 用いた体験学習を推進します。