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柱降伏を許容したコンクリート充填鋼管構造ラーメン骨組の耐震設計に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)柱降伏を許容したコンクリート充填鋼管構造ラーメン骨組の 耐震設計に関する研究 徐 培蓁 1. 序論. 172.8tf(1,693KN)とする.これらを柱梁接合部と梁の.  建築骨組の耐震安全性を確保するために, 層崩壊を避. 中央部に集中重量として与える.. けて骨組の全体降伏機構を形成するように設計すること. 3. 解析モデルの設計. が求められている.鉄骨骨組においては,通常,梁降伏.  本論での柱・梁耐力比は各床レベルに接続する柱頭・. 機構または仕口パネル降伏機構で設計される.しかし,. 柱脚の全塑性モーメント総和のその床レベルの床モーメ. コンクリート充填鋼管(以後,CFTと呼ぶ)柱を用いた. ントに対する比として定義し(以後床レベル C-B比) ,節. 骨組では, CFT柱が優れたエネルギー吸収能力を持って. 点回りの C-B 比は,節点に接続する柱全塑性モーメント. いるため, 一部の柱を降伏させる降伏機構も許容できる. の梁全塑性モーメントに対する比として定義した.. と考えられている1)..  骨組モデル設計は,機構法に基づいた保有水平耐力設.  本論では,梁降伏機構と地震応答解析の比較により,. 計であり,以下の条件を満足する多層多スパン骨組につ. 内柱降伏を許容した(内柱降伏機構)CFT 骨組の有効. いて,図 2 のような全体降伏メカニズムの荷重係数の最. 性,柱・梁耐力比と各部の応答の関係を調べ,この場合. 小値,つまり正解を与える2).. の骨組の設計法について考察を行った.方法としては, (1)設計層せん断力(Qi)は第Ⅱ種地盤を対象として,Ai 時刻歴応答解析で,解析結果を基に,最大層間変形角, ( Ai = 1 / ! i )分布に従うものとする.標準せん断力係 梁端,柱端および柱脚の最大回転角,柱,梁と柱脚の損. 数(C0)を 1.0,地域係数(Z)を 1.0 とし,振動特性係数(Rt). 傷の程度,あるいは梁端,柱端および柱脚の最大回転角. を求める際の1次固有周期は固有値解析による精算値を. の層間変形角に対する比などの各種の指標を調査し, 内. 用いている.. 柱降伏機構を形成する CFT 骨組の 柱・梁耐力比の必要. (2)床レベル C-B 比は屋根を除いてすべて階で等しい.. な値を明らかにした.. (3)せん断力係数が 0.2 に対応する層せん断力が作用し. 2. 解析骨組モデル. たときの各層の最大層間変形角が 1/200になるようにす.  骨組解析モデルは,図1に示す6層4スパンのCFTラー. る.. メン平面骨組であり,図1(a)に示した綱掛けの部分の 重量を負担するものとし,床面積 1m 2 当たり 0.9tf (8.82K N)として,層の支配面積を乗じてそれぞれ 6m. (a)梁降伏機構      (b)柱降伏機構 図 2 想定する降伏機構. 6m 8m. 8m. 8m. 8m. 表 1 節点回りの C-B 比及び固有周期. (a)平面図. 6@4m 24m. 降伏機構. 8m. 8m. 8m. 床レベルC-B 比 外柱節点C-B 比 内柱節点C-B 比 1.0 1 0.8 1.1 1.34 0.8 1.2 1.68 0.8 内柱降伏機構 1.3 2.02 0.8 1.4 2.36 0.8 1.5 2.7 0.8 ∞ ∞ 0.8. 8m. 梁降伏機構. (b)6 層モデル立面図 図 1 骨組解析モデル. 26-1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 ∞. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 ∞. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 ∞. 固有周期 1.0624 1.0623 1.0641 1.0632 1.0678 1.0663 1.0665 1.0528 1.054 1.0589 1.0641 1.0589 1.0624 1.0624.

(2) #pc=16 × 10-6 ×(100+fc). "(MPa). #pc2=0.005 #pu=0.015 $b:1.00( D/t=24 ) 0.78 ( D/t=33 ) $bE 0.50 ( D/t=44 ). fc. ". "(MPa). a part of skeleton curve. skeleton curve. %#p &%#p. "u "y. R2 R1. #. fc/2 Ec 0. Es. unloading and Bauschinger curve #pc. #pc2. 0. 0.05. #pu. #(m/m) ( a) コンクリートの応力 - 歪関係.  . (b)鋼材の繰り返し履歴曲線 . #(m/m).  (c) 鋼材のスケルトン. 図 3 材料の応力 - 歪関係. (5) 梁の部材断面は各層ごとで同一断面である.梁降伏. 用する.上記の地震波形の PGV がそれぞれ 50kine,. 機構の場合では,節点回りのC-B比を各層ごとで同一に. 100kineになるように基準化したものを入力地震動とす. なるように柱の部材断面を決める.内柱降伏機構の場合. る.. では,内柱節点回りの C-B 比を 0.8 になるようにしてい. 4.3 材料の応力ー歪関係. る.但し,断面は高さ方向には3層ごとに変化させてい.  コンクリートの応力−歪関係は図3(a)に示す崎野モデ. る.. ル4) を用いる.鋼材の履歴曲線[図 3(b)]は秋山等の.  骨組の節点回りの C-B 比及び固有周期を表 1 に示す.. 規則に従い,スケルトン部分を順次履歴曲線として消. 4. 解析概要. 費していくものとする.ただし,バウシンガー部分の. 4.1 解析手法と条件. 取り扱いとスケルトン部分の移動は大井 5) 等に従うこ.  解析は,一次有限要素法に基づく平面骨組の弾塑性時. とにする.つまり,弾性除荷部分,スケルトン部分,バ. 刻歴応答解析である3).安定な要素座標系は骨組の変形. ウシンガー部分からなる曲線を用いる.基本的には. とともに移動し,鉛直荷重による P-Δ効果などの幾何非. Menegotto-Pinto 式を用いており,鋼管部材と梁材の応. 線形性が正確に考慮される,柱梁要素の断面は微少断面. 力 - 歪関係は,局部座屈を考慮しないモデルを用いる. に区分され,それぞれが応力繊維を構成する.要素の断. [図 3(c)].. 面力と断面剛性は,これらの応力繊維に対する数値積分. 5. 解析結果と考察. で与えられる.動的応答解析過程は,Newmark β法(β. 5.1 最大層間変形角[図 4]. =1/4)による微少時間増分(0.01 秒)に対する増分解析.  図に C- は内柱降伏機構の場合で,B- は梁降伏機構の EL=100kine KB=100kine YO=100kine. で,各増分段階ではNewton-Raphson法による収束計算を 行い,不釣り合い節点力を解消している.減衰は,初期 剛性比例型減衰とし,架構モデルの 1次固有モードに対. 0.03. EL=50kine KB=50kine YO=50kine 0.03. C-SDAmax. して減衰定数を 2%とする. 4.2 解析変数. B-SDAmax. 0.02. 0.02. 0.01. 0.01.  解析変数は,1)降伏機構,2)床レベル C-B 比,3)入 力地震動,4)地動の最大速度の 4種類である.降伏機構 は梁降伏機構と内柱降伏機構の 2種類,床レベル C-B 比. 0. は,1層柱脚以外の外柱の鋼材を弾性に仮定した骨組(部 材の断面寸法を床レベル C-B 比 =1.5 の骨組と同じにし,. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 1.5の7種類に設定する.入力地震波としては,El Centro-. 1. (a). C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. (b). 0.03. 0.03. C-SDAav. 外柱は 1 層柱脚以外では降伏させない鋼材を用いてい る. )および床レベル C-B 比を 1.0,1.1,1.2,1.3,1.4,. 0. B-SDAav. 0.02. 0.02. 0.01. 0.01. NS(1940) (以下 EL),神戸地震の NS 成分(1995) (以 下 KB),Yokohama(1995) (以下 YO)の三種類を採用す る.このうち,EL 波形は,一般性から,KB 波形は直下 型地震,YO 波形は海洋型地震の代表としてそれぞれ採. 26-2. 0. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. (a). 0. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. (b). 図 4 最大層間変形角.

(3) EL=100kine KB=100kine YO=100kine 1. 1. B- 梁 b θ max/SDA*. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 0. 1. 0. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 1. 0. (d). C- 外柱脚 cB θ max/SDA1st. (e). C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 0. (f). C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 1. B- 外柱脚 cB θ max/SDA1st. 0.5. 0.5. 1. 1. (c). B- 内柱 c θ max/SDA. 0. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 1. 0.5. 1. 0.5. (b). C- 内柱 c θ max/SDA. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 1. 0.5. B- 外柱 c θ max/SDA. 0.5. (a) 1. 0. C- 外柱 c θ max/SDA. 0.5. 0.5. 1. 1. C- 梁 b θ max/SDA*. 0. EL=50kine KB=50kine YO=50kine. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. 0. 1. (g). C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. (h). 1. C- 内柱脚 cB θ max/SDA1st. B- 内柱脚 cB θ max/SDA1st. 少する.それに対して,内柱降伏機構の場合[図5(e)]で は,ほとんど変化せず,入力地震動の種類や強さに対し. 0.5. 0.5. てほぼ0.5程度の値を示している.外柱脚[図5(g)(h)]と 内柱脚[図 5(i)(j)]の最大回転角 cB θ max の 1層最大層間. 0. 1. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. (i). 0. 1. 変形角 SDA1st に対する比は,床レベル C-B 比 が大きく. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. なるに従ってやや減少するが,梁,柱の応答と比べ,影. (j). 響は小さい.. 図 6 部材回転角の層間変形角に対する比. 5.3 骨組の損傷の最大値[図 6]. 場合である(以後同) .内柱降伏機構の最大層間変形角 (SDA)は,それとほぼ同様な剛性と強度を持つ梁降伏.  部材端の損傷の程度をその部分の累積塑性変形倍率hm で評価することにする.hm は次式で定義される.. 機構の場合と同じような応答を示している. 床レベルC-. (m =. B 比が大きくなるに従って,骨組の最大層間変形角の高. )E. m. M p ,m • ' p ,m.       式(1). さ方向の最大値(SDAmax)は少し減少し[図 4(a)(b)] ,.  ここで,Σ Em は,第 m 番目の部材端の梁柱要素の履. 平均値(SDAav)は,一定値に保持する[図 4(c)(d)] .. 歴エネルギー吸収の総量である.Mp,mはその部分の終局. 5.2 部材回転角の層間変形角に対する比[図 5]. 曲げモーメント,'p,m は部材端の梁柱要素が Mp,m に等し.  各部材最大回転角の最大層間変形角(SDA)に対する. くなるときの弾性たわみ角である.. 比は,各部材の変形が SDA にどれほど寄与しているか.  床レベル C-B 比が大きくなるに従って, 骨組の損傷は. を示す指標である.[図 5(a)(b)]の梁に対する最大層間. 柱から梁に集中する傾向が見られる. 内柱降伏機構の場. 変形角 SDA *は上下層の平均値として定義している.. 合[図6(a)]は,内柱を降伏させたため,梁降伏機構[図. SDA *に占める梁回転角 b θ max の割合は,降伏機構に関. 6(b)]より梁の損傷が小さい.損傷は床レベル C-B 比 が. わらず,床レベル C-B 比の増大とともに増加する.それ. 大きくなるに従って,梁では大きくなり,外柱[図 6(c). に対して,1層柱脚を除く外柱の最大回転角 c θ max の割. (d)]では小さくなる.外柱脚[図 6(g)(h)]と内柱脚[図. 合は床レベル C-B 比の増大とともに減少する[図 5(c). 6(i)(j)]の損傷は両方とも床レベル C-B 比が大きくなる. (d)].内柱の c θ max の SDA に対する比は,梁降伏機構の. に従って小さくなる.内柱降伏機構の内柱[図 6(e)]で. 場合[図 5(f)]では,床レベル C-B 比の増大とともに減. は,床レベル C-B 比による影響は小さく,損傷の最大. 26-3.

(4) EL=100kine KB=100kine YO=100kine. EL=50kine KB=50kine YO=50kine. 12. 12. 12. 12.          C- 梁          B- 梁         C- 外柱         B- 外柱  . 6. 6. C-B Ratio. C-B Ratio 0. 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. ∞. (a). 12. 6. 6. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. C-B Ratio 0. ∞. (b). 12. C-B Ratio 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. ∞. 1. (c). 12. 1.2 1.4 1.6 1.8. ∞. (d) 12.         C- 内柱         B- 内柱        C- 外柱脚        B- 外柱脚  . 6. 6. 6. 6 C-B Ratio. C-B Ratio 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. ∞. 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. (e). 0. ∞. 1. (f). 12. C-B Ratio. C-B Ratio 1.2 1.4 1.6 1.8 ∞. (g). 12. 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. ∞. (h). 最大回転角は層間変形角に対してほぼ一定の比率にな.        C-内柱脚        B-内柱脚. り,損傷も問題とならない.骨組の動的安定性を保障す 6. るためには,外柱の損傷を抑制する必要があるが,与え. 6. た条件下では,少なくとも床レベル C-B 比が1.5以上で C-B Ratio 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. ∞. あればよい,また外柱の損傷が同じ条件下では,内柱降. C-B Ratio 0. 1. 1.2 1.4 1.6 1.8. (i). 伏機構に要求されるC-B 比は梁降伏機構より小さいこと. ∞. (j). が明らかになった.ゆえに,内柱降伏を許容した CFT骨. 図 6 骨組の損傷. 組は充分に設計可能であることが分かった.. 値がすべて 126) 以下になっており,部材の変形能力以 内に収まっていると考えられる.. 参考文献 1) 徐培蓁,河野昭彦:内柱の塑性化を許容した CFT 柱ー H 形鋼梁ラーメンに要求にされる柱・梁耐力比に関する研. 6. まとめ. 究,第五回複合構造の活用に関するシンポジウム講演論. (1)最大層間変形角の床レベル C-B 比による変化はほ とんどない.. 文集,pp137-144,2003.11 2)桑村仁,佐々木道夫,加藤勉:降伏耐力のばらつきを考 慮した全体崩壊メカニズム骨組の設計,日本建築学会構. (2)層間変形角に占める梁の変形の割合は床レベル CB 比が大きくなるに従ってより大きくなる傾向である. (3)外柱の変形の割合は梁と逆の傾向を示し,床レベル. 造系論文報告集 No.401,pp.151-162,1989.7. 3)Kawano. A. and Warner. R. F.:Nonlinear Analysis of the Time-Denpendent Behaviour of Reinforced Concrete Frames,. Research Report No. R125, Department of Civil and. C-B 比が大きくなるに従ってより小さくなる傾向を示し. Envirounment Engineering, The University of Adelaide, January,. た.. 1995. (4) 内柱降伏機構の層間変形角に占める内柱の変形の割 合は,床レベル C-B 比に対してほとんど変化せず,ほ. 4)崎野健治:一定軸力下で曲げ・せん断を受けるコンクリー ト充填正方形鋼管柱の単調および繰り返し弾塑性変形性. ぼ 0.5 の値になっている.. 状に関する実験的研究,九州大学博士論文,1981.12. (5) 骨組の損傷は各部材角の層間変形角に対する比とそ. 5)孟令樺,大井謙一,高梨晃一:鉄骨骨組地震応答解析の ための耐力劣化伴う簡易部材モデル,日本建築学会構造. れぞれ同様な傾向を用いている.. 系論文報告集,No.437,pp.115-124,1992.7. (6)床レベル C-B 比 =1.5であれば,1層柱脚を除く外柱. 6)日本建築学会:コンクリート充填鋼管構造設計施工指針. をほぼ弾性に留めることができる.. ,pp.167,1997.10.  従って,検討した条件下では,降伏を許容する内柱の. 26-4.

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