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ソーシャルサポートの認知がストレス反応に与える影響

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Academic year: 2022

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人間科学研究 Vol. 26,Supplement(2013)

修士論文要旨

目的

 基礎看護教育における臨地実習中のストレス反応はソー シャルサポートを認知することで軽減できるという先行研 究は多く見られるが,准看護師養成所の看護学生の実習中 における日常生活を踏まえたストレス研究は少なく,その 関連について明らかにすることで教育的な示唆を得ること を目的とした。

研究方法 調査時期:2012年10月 

対象:首都圏の一准看護師養成所の看護学生2年38名。

方法:実習期間中に質問紙調査を実施。

調査内容:(1)フェイスシート(年齢,実習期間中の就労 の有無,子どもの有無,卒業後の進学希望の有無について)

(2)臨地実習ストレス測定尺度(以下実習ストレス尺度と 略記),55項目,5因子,6件法。実習中のストレスを測定 できる。

(3)日常苛立事尺度,34項目,7因子,3件法。過剰な仕 事量,家事の負担など,日常生活で生じる持続的,慢性的 主観な性質をもつストレス源の測定が可能である。

(4)情緒的支援ネットワーク認知尺度,10項目,3つのサ ポート源からなる。1因子,2件法。情緒的支援を認知し ているか否かを測定することが可能である。

(5) 心 理 的 ス ト レ ス 反 応 測 定 尺 度・Stress Response Scale-18以下SRS-18とする。18項目,3因子,4件法。日 常のストレス過程で生じる主要なストレス反応を測定する ことが可能である。

分析方法:各尺度に対して合計得点を算出し,平均年齢の 高低値,実習中の就労の有無,子どもの有無,進学希望の 有無との比較をt検定により求めた。各尺度間の相関および 学生の平均年齢の高低値,実習中の就労の有無,子どもの 有無,進学希望の有無に対する各尺度との相関を検討する ために,Pearsonの相関係数を求めた。実習ストレス尺度・

日常苛立事尺度の合計得点高群,低群と情緒的支援ネット ワーク認知尺度の「家族の中で」「学校の中で」「その他の 中で」の各高群,低群との組み合わせによってSRS-18に与 える影響を,2要因の分散分析により求めた。

結果および考察

 t検定の結果,進学希望のある群と進学希望のない群と

の間において情緒的支援ネットワーク認知尺度「学校の中 で」の得点の差に有意な結果が見られた。進学希望の学生 は,しない学生と比べ学校の中での情緒的支援を認知する ことが少なく,ストレス得点も少ないことから,実習中の ストレスに対し自力での対応が可能であると示唆される。

各尺度間の相関係数の結果から2つのストレス測定尺度は,

SRS-18と有意な中程度の正の相関を示した。学校やその他 の関係による情緒的支援とSRS-18に有意な負の相関がみ られるため実習中のストレスについて学校の仲間や教員そ の他の友人知人からの支援を認知し対応できている結果と 考える。年齢高群では情緒的支援の認知により年齢低群よ りSRS-18の平均値が低かった。就労有り群では2つのスト レス尺度の得点が高く,情緒的支援の認知が,就労無し群 より低いことからSRS-18の値が高くなっていた。子どもの 有無と各尺度の相関係数では子ども無し群において学校や その他の中でのサポートとストレス反応の間に負の相関が 見られ家族,学校,その他の中で情緒的支援を子ども無し 群よりも認知することによりSRS-18の値が低くなってい ると考えられる。進学希望の学生は実習・日常のストレス や実習ストレスとSRS-18間において相関があり,学校やそ の他の中でSRS-18において有意な負の相関があった。進学 希望のない学生は,実習,日常ともにストレスがあるが情 緒的支援の認知によりSRS-18の値が進学希望群より低く なっていた。2要因の分散分析では,実習ストレス尺度・

日常苛立事尺度と情緒的支援ネットワークの関係において,

有意な交互作用はなく,主効果が有意にみられた。家族と その他の中で緩衝効果であり,学校の中で直接効果があっ た。日常苛立事尺度の合計得点が高い群では家族からのサ ポートを認知することによりストレス反応が強くなってい ることから日常の苛立ち事には家族の関係が強く,看護学 生の状況や特徴によりソーシャルサポートの効果が異なる と考える。

結論

 ソーシャルサポートの認知によりストレス反応は軽減す るが,看護学生の状況や特徴によりソーシャルサポートの 持つ効果が異なるため,ソーシャルサポートの存在を認知 できるよう支援し,ストレス反応の軽減に努められるよう,

教育的働きかけが必要となる。

ソーシャルサポートの認知がストレス反応に与える影響

Influence of Stress Response by Recognition of Social Support

上野 良重(Yoshie Ueno)  指導:大月 友

参照

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