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貨物取扱量からみた東日本大震災後の日本海側港湾の役割

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Academic year: 2022

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(1)土木学会東北支部技術研究発表会(平成24年度). IV-29. 貨物取扱量からみた東日本大震災後の日本海側港湾の役割. 1.はじめに. 東北工業大学. 学生員 ○鈴木. 伸一郎. 東北工業大学. 正会員. 肇. 稲村. に利用されている。また、船川港では製品の原料と. 東日本大震災・津波により東北地方太平洋側の主. なる鉱石を被災地に代わり荷揚げした。東北一円の. 要港湾は全滅となった。また、東北自動車道を中心. 生産活動や市民生活に必要な物資の搬出入のため、. とする陸上交通も震災被害や燃料不足により輸送容. 被害のなかった秋田港や酒田港等、日本海側港湾を. 量は大幅に低下した。こうした状況下において、秋. 経由して飼料、完成自動車、石油製品等が代替輸送. 田港、酒田港といった日本海側の港湾が大いに活用. された。. されたという事実は広く報道されている。しかし、 震災直後からの実際の商品の種類. 2.3. や数量、その時間推移などの詳細は明かされていな. 港)の主な役割. い。そこで本研究は港湾統計の速報版を用いて、日. ●秋田港. 本海側諸侯の港湾取扱貨物量の推移を詳細に検討し、 物資輸送に果たした役割を明らかにした。また、太 平洋側の諸港との比較を行うことにより、太平洋側 各港の復旧との関係を考察した。. 日本海側港湾(秋田港・能代港・酒田港・船川. 表-1. 23 年秋田港貨物取扱移入量と割合. 単位:t 移出量 2月 3月 4月 5月 3ヶ月平均 金属機械 完成自動車 433 662 770 736 723 工業品 トラック 853 853 1969 1723 1515 特殊品 金属くず 9 29 41 7 26 軽工業品 水 96 140 97 128 122. 単位:% 2月比較 170 180 290 127. 2. 日本大震災前後の東北港湾物流動向 2.1. 東北港湾取扱量の動き. 震災のあった 2011 年 3 月 11 日の各港湾貨物取扱量 は、前年同月比約 67%まで低下したが、2011 年 12 月には約 1105 万トンと、同 92%まで回復している。. 図—1. 23 年秋田港貨物取扱移入量. コンテナ貨物については、2011 年 3 月から 4 月にか. 被災した仙台塩釜港の代わりに中京地区で組み立. けて大きく落ち込んだが、2011 年 5 月以降は回復に. てられた完成自動車の取扱いをおこなったため通常. 転じ、2011 年 12 月には対前年同月比 79%まで回復. よりも取扱量 200 台~300 台増えた。トラックの取扱. している。コンテナ貨物については、荷役機械の復. は 2 月では 850 台程度であるのに対し、 4 月には 1969. 旧の遅れにより定期航路が変更され、回復が遅れた. 台の取扱と 2 倍以上になっている。金属くずの取扱. と考えられる。. は 2 月で 9 トンという取扱に対し 4 月には約 5 倍近 い取扱量となっている。貨物取扱量は平成 23 年 1 月. 2.2. 日本海側港湾による代替輸送. と 2 月は平均で前年度比、約 10%の増加。3 月と 4. 東北地方の海岸近くに立地いていた自動車部品工 場や畜産用飼料工場の被災に伴い、新潟港、酒田港、. 月は東日本大震災の影響による代替機能により、前 年度比約 40%の増加となった。. 秋田港などを活用した代機能が行われた。新潟港で は被災港に入港予定であった船舶の受入や畜産用飼 料の受入や畜産用飼料の東北・北関東方面への出荷 キーワード:東日本大震災、日本海側港湾、代替機能 〒982-8577 東北工業大学 建設システム工学科. 仙台市太白区八木山 35 番地 1 号. Tel:022-305-3535 Fax:022-305-350.

(2) 土木学会東北支部技術研究発表会(平成24年度). ●能代港 表-2. 23 年能代港貨物取扱移出量と割合. 移出量 2月 砂利・砂 0 鉱産品 石灰石 6210 特殊品 動植物性製造飼肥料 0. 3月 7850 6444 8183. 単位:t 4月 5月 3ヶ月平均 6500 12850 9067 4870 1710 4341 6750 0 4978. 単位:% 2月比較 新規 70 新規. 図‐4. 23 年船川港貨物取扱移入量. 製品の原料となる鉱産品を被災した大船渡港に代 図-2. わり取扱った。このことにより、石灰石の取扱は 3. 23 年能代港貨物取扱移出量. 月で 2 月の約 11 倍増え、また普段取り扱わない非金. 秋田港は畜産用飼料を被災した八戸港に代わり能代. 属鉱物を取り扱い、取扱量も増加している。. 港で陸揚げし、トラックで八戸の飼料工場へ移送し た。通常取り扱わない砂利・砂や動物性製造肥料の取 扱をおこない砂利・砂では 3 月に比べ約 1.5 倍と全体 の取扱では一番大きな取扱となっている。. 3. 考察 日本海側港湾による代替輸送により東北地方の海. 岸近くに立地していた自動車部品工場や畜産用飼料. ●酒田港. 工場、石油所の被災に伴い、秋田港、能代港、酒田. 表-3. 23 年酒田港貨物取扱移入量と割合. 単位:t 移入量 2月 3月 4月 5月 3ヶ月平均 ガソリン 1926 22886 23275 43947 23009 化学工業品 セメント 5266 5784 34567 18850 16117 灯油 2889 2804 21387 0 6770. 港、船川港を活用した代替輸送や移出入が行われた。. 単位:% 2月比較 1190 301 230. 秋田港では仙台塩釜港の代わりに完成自動車やトラ ックなどの取扱をおこなったため通常よりも取扱量 が増えた。船川港では製品の原料となる鉱石を被災 港に代わり荷揚げした。被災した仙台塩釜港の代わ りに完成自動車やトラックなどの取扱をおこなった ことや、東日本大震災の影響による代替機能により、 貨物取扱量は前年度比約 40%の増加となった。能代. 図-3. 港では通常取り扱わない砂利・砂、動物性製造肥料. 23 年酒田港貨物取扱移入量. 東北の石油約 2/3 の取扱を行っている仙台の精油所 が被災したため、酒田港が代替機能を果たした。そ のため、表‐3で見るとガソリン、灯油の取扱が増 えたことがわかる。ガソリンでは 2 月の 1926 トンに 比べ 5 月では約 23 倍の取扱となっており、セメント では 2 月の取扱に比べ 4 月では約 6.6 倍の取扱となっ ている。酒田港は仙台市に最も近い港とであること から海上輸送による救援物資の受入をはじめ、太平 洋側の港湾の代替として荷揚げが急増した。. 鉱産品. 灯油といった石油製品の取扱量が大きく増えた。船 川港では、大船渡港の代わりに鉱産品の取扱や石灰 石、普段取り扱わない非金属鉱物の取扱量が増えた。 各港湾とも貨物取扱量からみられるように太平洋側 の代替機能を果たしたことがわかる。 最後に、日本海側港湾の特性を活かし、代替機能 の確保により、太平洋側港湾が大規模災害に見舞わ 害に強い物流ネットワークを構築する必要があると. 23 年船川港貨物取扱移入量と割合. 単位:t 移入量 2月 3月 4月 5月 3ヶ月平均 石灰石 300 3250 1800 1300 2117 非金属鉱物 0 3150 3800 4500 3817. 田港では、仙台港の代替機能を果たし、ガソリン、. れた際においても物流機能が維持できるような、災. ●船川港 表-4. の取扱をおこない八戸港の代替機能を果たした。酒. 単位:% 2月比較 710 新規. 考える。 参考文献 1) 平成 22 年港湾統計年報 2) 河北新報 3) 東北港湾の復旧・復興基本方針. -.

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