岡山大学経済学会雑誌32(4),2001,201‑231
日本 のコンテナ港湾経営 の本質的問題点
津 守 貴
之
1.本稿の 目的
現在 ,日本の コンテナ港湾をめ ぐってさまざまな問題が指摘 され ,議論 さ れている。例えば,阪神 ・淡路大震災の被災を受けた神戸港の コンテナ貨物 取扱量回復 の遅れや 日本の大 コンテナ港湾の コンテナ貨物取扱量の伸び悩み に よって表現 され る日本の コンテナ港湾の 「競争力の低下」,また 日本 の大 港湾か らの基幹航路の抜港間題に象徴 され る日本の大港湾の東 アジア地域に おける‑ブ ・ポー ト機能の喪失 ,そ して地方港のみならず大港湾を も含めた コンテナ港湾の過剰建設の問題 ,さらには コンテナ貨物の港湾素通 り問題に 典型的に見 られ る港湾その ものの機能の見直 し等であるO
本稿では現在の 日本の港湾をめ ぐる 「2つの過当競争」 の考察 ,即ち,コ ンテナ港湾間の過当競争 と港頭地区‑ 内陸地区間の過当競争の考察を機能面 に焦点を当てて,日本 の港湾経営の本質的問題点を整理す ることとしたい。
以下 ,第2節において 日本の コンテナ港 湾 をめ ぐる競争 状況 を量 的側面 (‑日本国内お よび東 アジア域 内におけ るコンテナ港湾間の空間的な競争 ・ 連携状況)か ら,第3節において質的側面 (‑貨物頬塑別に見た コンテナ港 湾間の競争 ・連携お よびその背後 にある内陸地区における物流機能集積の位 置づけ)か ら検討す ることにす る。そ して最後に これ らの作業を通 して可能 かつ必要な コンテナ港湾経営の方 向性を提示す ることとしたい。
‑201〜
2.
日本港湾をめ ぐる過当競争状況一港湾間競争の量的側面(1
) 5
大港一地方港間競争 1)地方 コンテナ港の台頭神戸 ,横浜 ,東京 ,名古屋 ,大阪の5大港以外の地方港 の国際海上 コンテ ナ貨物の取扱量の推移を見てみ ると (表 1),輸出量が80年 の68万 トンか ら 98年の1301万 トン‑ とお よそ19倍に,輸入量は同 じく63万 トンか ら1266万 ト ン (20倍)‑ と過去お よそ20年間で急激に増加 していることがわか る。 さら に港湾近代化促進協議会の調べに よると(1),1999年の地方港 の コンテナ貨物 取扱比率は輸出入合計で17.9%となってお り地方港 の コンテナ貨物取扱比率 は80年代以降 ,着実に伸びている。
2)地方圏の5大港依存度の低下
地方港の コンテナ貨物取扱比率の上昇は,と りもなおさず5大港のそれの 低下であるo次に5大港の コンテナ貨物取扱比率の低下が各地方圏における コンテナ貨物の流動状況に どの ように反映 しているのかを ,運輸省港湾局 , 大蔵省関税局他が行 っている 『コンテナ貨物流動調査』(1ヵ月間調査)を利 用 して調査時期 ごとに時系列で比較 してみ よう。
表1 地方港の コンテナ貨物取扱量の増加 と地方港取扱比率の上昇 (万 トン/%) 80年 85年 90年 91年 92年 93年 94年 95年 96年 97年 98年 輸 出量 68 303 465 568 637 707 818 1102 1102 1102 1301
地方港比率 2.35 6.27 7.46 8.68 9.2210.20ll.3114.9114.9114.91 17.0 輸入量 63 168 434 552 599 680 791 1067 1067 1067 1266 地方捲比率 3.18 5.89 8.25 9.33 9.9210.4410.5513.0013.0013.00 15.3
※ ここで地方港 とは神戸 ,横浜 ,東京 ,名古屋 ,大阪の5大港以外の港湾を意味す る。
運輸省港湾局資料 よ り作成
(1)伽港湾近代化促進協議会 『外貿 コンテナ取扱個数及び貨物量』1990年〜1999年分か ら 算出 した。
‑202‑
日本 の コンテナ港 湾経営 の本質 的 問題 点 697
同調査に よると,輸 出入 ともに (表2, 3)70年調査 の時点では関東 ,東 海 ,近畿 といった,いわゆ る3大都市圏以外の各地方圏全てで5大港依存度 がほ とん ど100%に近い数字を示 しているo Lか しその後 の調査 では, 5大 港か ら最 も遠距離に位置す る北海道 ,九州をは じめ として地方圏は全て5大 港‑の依存度を傾 向的に低下 させていることがわか る。 とりわけ98年調査で は5大港依存度の低下が顕著に出てお り,90年代に地方圏貨物の5大港離れ が加速 した ことを物語 っている。
これ ら2つの表か らわか ることは次の2点である。即ち,①かつては3大 都市圏だけでな く,地方圏の貨物 も5大港 を経 由 して輸 出入 されていた こ
と,②その後 ,地方圏において5大港依存度が低下 していることであるO こ の5大港‑の コンテナ物流活動の集中状況か ら地方港への同活動の分散状況 への転換の背景には,以下の諸変化がある(2)。即 ち,まず第一に,政策 的に は,80年代後半以降,「多極分散型国土の形成」あるいは輸入促進を 目的 とし て,中央省庁 (特に国土庁や運輸省)は地方 コンテナ港湾整備に前向きにな るとともに,各地方 自治体 も 「地方の国際化」 とい う掛け声のもとで,中央
表2 輸出 コンテナ貨物の5大港依存度 表3 輸入 コンテナ貨物 の5大港依存度
(トン ・‑‑ス/%) (トン ・ベ ース/%)
70年 75年 い昨 185年 89年 93年19昨 北海道 99.7 86.6 65.1 92.0 38.4 68.9 39.3 東 北 99.9 99,1 99.4 98.0 97.7 97.5 78.7 北 陸 98.2 99.0 99.8 98.1 94.1 91.5 79.5 中 国 99.5 88.9 75.8 60.2 四 国 99.9100.0 99.9 98.8 97.7 96.1 86.8 九 州 99.7 97.9 95.7 67.2 56.9 40.5 23.5
7時 175年 79年 85年 89年 93咋 98年 北撤退 98.2 98.2 99.0 94.7 48.1 58.0 29.5
鹿北 北陸 9106.0.70 999918.8 909.00 94 98.8.2 92 81.49 93 71.55 76 4342.6 Ef‑r 凶 96.9 96.3 97.1 86.8 81.9 78.5 56.4 四 国100.0 96.0 96.9 83.7 85.8 90.1 68.0 九 州 92.i 94.1 86.5 50.4 36.恒 3.9 9.9
*どち らも1ヶ月調査O沖縄 の数値 の急激 な増減は1肘 とい う狭 い範州で ,かつ1ヶ月 とい う粗 い期IEUでの調 査 であることか ら くるものである.
運輸省港湾局 ・大蔵省関税局等 『全国輸 出入 コンテナ壬5A物流動綱査』各年版 よ り作成
(2)日本におけ るコンテナ物流活動の5大港集中の論理 と地方港 分 散の論 理 につ いて詳 しくは津守貴之[1997]を参照 されたい。
1203‑
省庁 の コンテナ港湾機能 の分散政策に積極的に呼応 していったoその結果 , 地方港におけ るコンテナ施設整備が進展 し, コンテナ施設 が全 国に分散 し たo施設分散はその後 ,阪神 ・淡路大震災に よる神戸港の機能停止に よって さらに加速 された。そ して第二に,物流業界の構造変化に関 しては,コンテ ナ定期船業界の構造変化 と荷主の対船社交渉力の向上があげ られ る。局知 の ように,1984年におけ る米国海運法の改正を直接的な契機 として,そ して盟 外船社の急激な台頭を重要な一因 として ,海運同盟は形骸化の一途をた どっ てきた。 この傾 向は米国海運法1999年改正法においてさらに強め られた。一 方 ,大荷主の多国籍化に よって国境を越えた中間財物流が活発化 したため物 流 コス トの削減 と リー ド・タイムの短縮化を 目的 として,大荷主が 自社近接 型物流 ,さらには 自社主導型物流を追求 しは じめている。 コンテナ定期船業 界における競争激化そ して船腹過剰 とともに,大荷主の物流活動‑の積極的 関与に よって,大荷主の対船社交渉力は強 まっている。その結果 ,地方圏に 販路や生産拠点を持つ大荷主は,遠隔地にある5大港ではな く,地元地方港 を利用 して輸出入を行 う傾 向を強めてお り,コンテナ船社 もこの大荷主の要 求に応える形で地方港配船を活発に行 っているo これに加えて 日本国内の物 流 コス トの高 さが国内物流ルー トの短縮化‑地方圏貨物の地元地方港経 由で の直接的な輸 出入を加速化 させていることは言 うまで もないO
上記の諸変化に よって地方港の国際 コンテナ貿易港 としての台頭 と,その 結果 としての5大港一地方港間競争の発生 ,さらには地方圏の輸 出入貨物 の 5大港依存度の低下 ,換言す るな らば5大港 の集荷圏の縮小が もた らされて いるのである。
( 2 )
地方港間競争しか し地方港が コンテナ港 として発展 していると言 って も,地方港が相互 に緊密に連携 して5大港に対抗 しているとい うわけではない。地方港 は地方 港で集荷をめ ぐって相互に激 しく競争 している。 この点を地方圏の集荷圏の
‑204‑
日本 の コンテナ港湾経営 の本質 的問題点 699
狭 さお よび コンテナ貨物生産 ・消費量の絶対的少な さか ら見てみ よう0 1)集荷圏の細分化
前掲の 『コンテナ貨物流動調査』の1998年調査の数字を もとに整理 してみ ると,輸出 コンテナ貨物を取 り扱 っている地方港42港 の うち,当該地方港が 立地 している (あるいは近接 している)わずか 1つの都道府県に集荷貨物の 90‑ 100%を依存 している地方港 が22港,70‑ 89%の港湾 は8港 ,以下 , 60‑79%は5港,50‑69%は2港である。一万,49%以下の港湾はわずか5 港で しかない。
輸入 コンテナ貨物について も,輸入 コンテナ貨物を取 り扱 っている地方港 43港の うち,同 じく1つの都道府県に集荷貨物の90‑ 100%を依存 してい る 地方港が15港,70‑89%の地方港が15港 ,以下,60‑79%が6港,50‑69%
表4 地方 コンテナ港取扱輸出貨物の集荷圏集中度 (トン ・ベース,%) 港湾名 (主要集荷都道府県)
90%〜100% 苫小牧 (北海道‑100%),石狩湾新港 (北海道‑100%),八戸 (青森 ‑ 96.6%),秋田 (秋 田‑97.3%),小名浜 (福島‑99.4%),鹿島(茨城‑
100%),日立 (茨城‑97.1%),千葉 (千葉‑95.1%),和歌山下搾 (和 歌山‑100%),水島 (岡山‑98.3%),広島 (広島‑95.0%),徳山下松 (山口‑98.8%),岩国 (山口‑98.3%),三田尻中開 (山口‑98.6%), 宇部 (山口‑100%),小松島 (徳 島‑100%),松山 (愛媛‑98.2%), 今治 (愛媛‑97.5%),高知 (高知‑99.5%),伊万里 (佐賀‑90.0%), 大分 (大分‑100%),那覇 (沖縄‑93.0%)
70%〜89% 新潟(新潟‑87.9%),直江搾(新潟‑89.0%),伏木富LIJ(富山‑89.5%), 金沢 (石川‑79.5%),清水 (静岡‑88.0%),四 日市 (三重‑89.6%), 高松 (香川‑77.7%),細島 (宮崎‑86.4%)
60%〜79% 酒田 (秋 田‑66.6%),堺泉北 (大阪‑65.5%),境 (鳥取‑71.8%), 福山 (広島‑68.6%),志布志 (宮崎‑66.8%)
50%〜69% 三島川之江 (愛媛‑50.2%),博多 (福岡‑65.9%)
49%以下 塩釜 (宮城‑37.0%),川崎 (神奈川‑45.1%),敦賀 (滋賀‑31.4%),
*
「集荷圏集中度」 とは各地方 コンテナ港が取 り扱 うコンテナ貨物全体に占める最大 取扱都道府県の割合のことO例えば苫小牧港の場合 ,苫小牧港の取扱 コンテナ貨物 全体に占める北海道産 コンテナ貨物の割合が100%となっている0表2に同 じ。
‑205‑
表5 地方 コンテナ港取扱輸 入貨物 の集荷圏集 中度 い ソ ・ベ ース,%)
港湾名 (主要集荷都道府県)
90%〜100% 苫小牧 (北海道‑100%),石狩湾新港 (99.2%),八戸 (青森‑98.3%), 秋 田(秋 田‑92.2%),小名浜 (福 島‑96.0%),伏木富 山 (富 山‑93.7%), 金 沢 (石川‑95.6%),清水 (静 岡‑91.3%),和敵 山下津 (和歌 山 ‑ 100%),広 島 (広 島‑93.9%),徳 山下松 (山 口‑98.0%),高松 (香川
‑92.1%),長崎 (長崎‑98.4%),大分 (大分‑91.9%),那覇 (沖縄 ‑ 98.7%)
70%〜89% 塩釜 (宮城‑75.4%),鹿 島 (茨城‑89.8%),千葉 (千葉‑74,9%), 新潟 (新潟‑87.5%),直江津 (新潟‑82.9%),四 日市 (三重‑75.6%), 水 島 (岡山‑73.8%),福 山 (広 島‑76.8%),岩 国 (山 口‑87.8%), 小松 島 (徳 島‑80.7%),松 山 (愛媛‑88.7%),今治 (愛媛‑87.6%), 高知 (高知‑80.3%),細 島 (宮崎‑89.9%),志布志 (鹿児島‑82.5%) 60%〜79% 酒 田 (山形‑65.7%), 日立 (茨城‑31.2%),敦 賀 (京都‑69.3%),
壁 (鳥取‑69.2%),三島川之江 (愛媛‑79.1%),博多 (福 岡‑66.5%) 50%〜69% 舞鶴 (京都‑53.8%),堺 泉北 (大 阪‑65.2%),三 田尻 中開 (山 口‑
57.5%),北九州 (福 岡‑53.6%),伊万里 (福 岡‑59.1%)
表2に同 じ。
が5港で,49%以下 はわずか2港 あるにす ぎない。
この ように 日本の地方 コンテナ港は ,そ の集荷 圏を当該港 湾が立地す る 1‑ 2の都道府県に限定 されているケースが圧倒的に多 く,各地方港の集荷 圏は極端に細分化 されている。 さらに,例えば山 口県は下関,徳山下松 ,辛 部 ,三田尻車関 ,岩国の各港を ,新潟県は新潟 ,直江津両港を ,愛媛県は今 治 ,松 山,三島川之江各港を,広 島県は広島,福山両港 といった ように,1 都道府県の中に複数の コンテナ貨物取扱港湾が存在 し,集荷圏が都道府県 レ
グェル よ りも紳分化 されているケースさえ見 られ る。
2)集荷力の弱 き
集荷圏の細分化は,常識的に考えて,各地方港の集荷力を弱めるものであ る。 もちろん集荷圏が
1‑ 2
の都道府県に限定 されていて も,当該地方港に おいて最低限の貨物量が集荷 されているな らばさほ ど問題はない と言えるか‑206‑
日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 701
もしれない。 しか し現実には地方圏の コンテナ貨物発生量は もともときわめ て小 さい (表6)Oなぜな らば産業が集積 している関東 ,東海 ,関西 といった 3大都市圏お よびその周辺 とは違 って,地方圏は産業集横の度合いが低いか らである。中国地方 ,九州地方の数字が比較的高 くな っているが,これはい わゆる太平洋ベル ト地帯上の諸県 ,即ち,岡山県 (コンテナ貨物の生産量の 全国比‑2.6%,同消費量の全国比‑1.3%),広島県 (同2.2%,1.6%),山 口県 (同3.6%,1.2%),福岡県 (4.9% ,4.4%)があるか らであ り,その他 の中国 ・九州諸県の比率は極端に少ない。 この ように地方圏の貨物量が絶対 的に少なり こもかかわ らず, 1道府県 1港程度の コンテナ取扱港が存在 して いるのが 日本の現状である。
ここで前掲の港湾近代化促進協議会 の調べを もとに地方港が どの程度の コ ンテナ貨物を 1港当た り取 り扱 っているかを整理 してみ よう。 5大港以外の 地方港48港 の1港当た り平均取扱 コンテナ個数 (TEU)は33137本 ,さらに 地方港の うち博多 ,清水 ,北九州の上位3港を除 くと,地方港45港の 1港当 た り平均取扱 コンテナ個数 (TEU)は17562本 と2万本に も満たないO通常 のガン トリー ・ク レーン 1基の
1
年間の維持 ・管理 ・運営 コス トを考 え る と,クレーン利用料金を1時間7万円程度に設定 した場合 ,おお よそ年間5 万本の コンテナを取 り扱わなければ採算が とれない (これはあ くまで もガン トリー ・クレーンのみでの計算であ り,コンテナ ・ヤー ドの整備な どその他 の投資 コス トは含 まれていない)。つ ま り平均す ると全ての地方港 が ク レー ンの維持 ・管理 ・運営 コス Ttす らまかないえていない ことになるO もちろん表6 地方圏のコンテナ貨物生産 ・消費量の少なさ (トン・ベ‑ス,%,1998年調査)
地方圏計 関東 中部 近畿
北海道 東北 北陸 中国 四国 九州 沖縄
生 産 24.8 0.3 3.2 2.8 8.7 2.3 7.3 0.0 28.5 29.1 17.7 消 費 19.7 1.3 2.4 2.2 4.3 2.0 7.1 0.3 35.3 21.5 23.4
全ての地方港にガ ン トリー ・ク レー ンが設置 されているわけではないが ,た とえジブ ・ク レー ンな どのその他 の ク レーンの維持 ・管理 ・運営 コス tをガ ン トリー ・ク レーンの半額程度 として も,平均2万本 に達 しない取扱量 とい うのは明 らかにほ とん どの地方港が採算割れを していることを示 している。
そ して上位7港 について も1港にガ ン トl)一 ・ク レー ンが 1基 しかないわけ ではないので,これ らの港湾 も当然 ,採算は厳 しいはずである。 この ような 現状を見 るな らば ,コンテナ港湾の過剰建設 に対す る批判が出て くるの もご
く自然な成 り行 きであると言える。
しか も地方港が遠隔地 の貨物 を集荷 しよ うとして も,大荷主に よる国内輸 送 の短縮化 と地元港湾 の利用度 の向上は ,単に地元地方 コンテナ港湾の利用 を促進す るだけでな く,当該地方 コンテナ港 に とって遠隔地 にある貨物 の集 荷を困難 に もしているため ,非現実的である。
そ して90年代 において典型的に見 られ る地方港配船パ ターンは既存航路上 の港湾への追加寄港 である。その背景には船社 に よる 日本地方港発着 コンテ ナ船 の輸 出入貨物 のイ ンバ ランスの是正 とい う課題がある。
コンテナは輸送容器 であるため反復利用が可能 であるQそ して コンテナ物 流 は基本的に往路 ・復路 ともに貨物輸送 を行 うことが望 ま しい ことは言 うま で もない。なぜな らば往路 ・復路 とも貨物輸送 を行 った場合 と往路 ・復路 の どち らかのみ片荷輸送 を行 う場合を比べ ると,単純に考 えて ,コンテナ 1本 当た りの運送 コス トは後者は前者 の2倍 になることにな るか らである0
しか し現実には地域間あるいは港湾 間 で空 コンテ ナの過 不足 が生 じて い る。 当た り前の ことであるが ,輸入港 お よびその後背地 には空 コンテナが滞 留 し,輸 出港 お よびその後背地 では コンテナ不足 とい う事態が発生す る。特 に少数 の大荷主の貨物 に依存 してい る地方港 はそのほ とん どが輸 出貨物 ,輸 入貨物 のいずれか しか持たない とい う輸 出入貨物 のイ ンバ ランス とい う問題 を抱 えてい る。追加寄港 は ,この ような状況に対 して船社が地方港におけ る 輸 出入貨物 のイ ンバ ランス状態を是正す ることを 目的 として90年代に活発 に
‑2 0 8
‑日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 703
行われて きたのである。た とえば輸 出貨物 偏 重 港 ‑ の配 船 を行 ってい る場 令 ,その船社 は当該航路 の途 中あるいは延長上にある輸入貨物偏重港 に追加 寄港す ることに よって輸 出入貨物 のイ ンバ ランスを部分的にではあれ軽減 ・ 是正す ることがで き,空 コンテナのポジシ ョニング ・コス トをそれだけ抑 え ることが可能 とな る。
つ ま り東 アジア域 内船社 の集荷対策 お よび コス ト削減策 (空 コンテナの効 率的なポジシ ョニング) として地方港‑の追加寄港が行われて きた とい う側 面 を持つ。
さらに コンテナ船社 に とって地方港配船は比較的 うまみのあるサーヴ ィス である。なぜな らば地方港配船サ ーヴ ィスは地方圏の荷主に とって5大港経 由での輸 出入に付 き物 の国内遠距離輸送を カ ッ トで きる分 ,全体 の運賃が割 安になるため ,地方港配船 サーヴ ィスを行 う船社 は通常,5大港への配船 よ
りも運賃 を高めに設定で きるケースが多 いためである。た とえば広 島県のあ る荷主が神戸港を利用 して台湾か らの輸入を行 っていた としようo仮 に台湾 か ら神戸港‑ の海上運賃 が10万 円で ,神戸港か ら広 島県 までの国内運賃が10 万 円, トータルの運賃が20万 円であるとす ると,新規に台湾一広 島港航路を 開設す る船社 はその海上運賃を10万 円か ら20万 円の幅で決定す ることが可能 となる。 もとよ り地方港へ の配船は5大港‑の配船 と比べて集荷が不安定で あるとい うリス クや コンテナ ・リースが困難であるとい った高 コス 1、要因を も持つ ものであるため ,地方港配船が必ず メ リッ トがあるとは言えないが , 概 して言 うな らば ,海上運賃が比較的高めに設定 しやすい ことと海上運賃 を 柔軟 に設定で きることが船社 に とっては魅力 とな っているo
追加寄港 に よる配船港 の増加は ,一方で新規に配船 され る地方 コンテナ港 湾に とっては コンテナ航路 の新規開設 あるいは既存航路 の増便 として歓迎 さ れ るものであるが ,しか し他方で国内各地域におけ る集荷圏の細分化を もた らして もいる。 とい うの も,単純化 して言 うな らば ,輸 出貨物偏重港 と輸入 貨物偏重港 が2港 で輸 出入貨物 のバ ラ ンスが とれ た港 湾 1つ と同 じ扱 いに
‑209‑
な ってお り,どち らか1港 に貨物 を まとめ るとい う方 向ではな く,2港 ば ら ば らに集荷す るとい う状況を固定化す るか らで あ る. そ の結 果 ,同‑ 地域 (た とえば東北地方や中国地方等) において複数 の コンテナ港湾が存在す る ことに よって同一地域 内部で ,いわば 「狭域」物流圏が形成 されているので ある。 この集荷圏の細分化が各 コンテナ港湾 の集荷力の低下を もた らすのは 当然 の ことであ り,また同一地域 内部での コンテナ港湾間の集荷競争 を顕在 化 ・激化 させている。
この ように現在 ,日本国内では5大港一地方港間のみな らず地方港間 (さ らには ,本稿では触れないが5大港間で も)過 当競争 と言 って よい行 き過 ぎ た集荷競争状態が定着 している。
(3)東 アジア域 内港湾間競争 1)大港湾間の‑ブ ・ポー ト化競争
ところで5大港 は国内地方港 とのみ集荷 競争 を展 開 して い るわ け で はな い。東 アジア規模 で見れば,5大港 は他 の東 アジア主要港 との間で 日本を含 めた東 アジア域 内貨物 の集荷競争を行 って きたoそ うした中で最 も注 目され て きた事柄が東 アジア域 内におけ る‑ブ ・ポー ト機能 ,即 ち,東 アジアと欧 米 とを結ぶ結節点の役割を どこの港が担 うのか とい う問題 である。
そ して現実に現在 ,東 アジアで も東 アジア規模での‑ブ ・ポー ト機能争奪 競争が燐烈 とな っている。その中で躍進著 しい港が ,シンガポール ,香港 , 高雄 ,プサ ン,上海等 の 日本以外 の東 アジア主要港 である。 シンガポールは ア ジアー欧州間 ,香港 は華南一欧米間 ,高雄はアジアー北米間 ,プサ ンは北 東 アジアー北米間 ,上海は華中 (と りわけ長江流域)‑北米間の‑ブ ・ポー トとして機能 している (あるいは機能 しつつ ある)。と りわけ
,1
位 の シンガ ポールの取扱量 の多 きは同港 の トランシ ップ比率 の高 さ‑‑ブ機能 の集横 の 高 さに起 因 してい る。ここで 日本 の5大港 の東 アジア域 内での‑ブ ・ポー ト化 (あるいは‑ブ ・
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日本 の コンテナ港湾経 営 の本質 的 問題 点 705
表7 コンテナ貨物取扱量 トップ30港 (TEU)
順位 港 湾 名 1998年 囚 順位 港 湾 名 1998年 国 籍 1(2) 15100000 1(2)香油 16100000番帖 (ll」rq) 2(1)香港 14650000香港 (中国) 2(1) 15900000
3(3)高雄 6271053台湾 3(3)高雄 6985361台湾 4(4)ロ ッテ ル ダ ム 6032000オ ラ ン ダ 4(5)プ サ ン 6439589仲 間 5(5)プ サ ン 5752955韓 国 5(4)ロ ッテ ル ダ ム 6400000オ ラ ン ダ
6(6) 4097689ア メ リカ 6(6) 4408480ア メ リカ
7(7) 3550000ドイ ツ 7(10)上海 4210000巾国
8(9) 3378218ア メ リカ 8(8) 3828851ア メ リカ
9(8)ア ン トワ ー プ 3265750ベ ル ギ ー 9(7) 3750000ドイ ツ 10(ll)上海 3066000中国 10(9)ア ン トワ ー プ 3614264オ ラ ン ダ
ll(10)ドバ イ 2800000UAE ll(13)シ ャ ーシ′‑ 2863342ア メ リカ 12(15)フ レ ク ス トウ 2500000イ ギ リス 12(ll) ドノベイ 2844634UAR 13(12)シ/ヤ ー ン ‑ 2450000ア メ リカ 13(12) 2700000イ ギ リス 13(14)東京 2450000日本 13(13)東京 2700000し一本 15(13)横浜 2200000円本 14(21) 2550419マ レー シ ア 16(27) 2125640イ タ リア 15(19) 2550419 17(17)神戸 2087000日本 16(16) 2273303イ タ リア 18(19)サ ン フ ア ン 1992150プ ユ ル ト.リ コ 17(17)神 戸 2200000日本 19(19) 1898069 17(15)横浜 2200000EIT* 20(23) 1825614ス ペ イ ン 19(22) ′レハ ー フエソ 2200000ア メ リカ 21(22) 1820018マ レー シ ア 20(23)マ ニ ラ 210372】 フ ィ リ ピ ン 22(20) ノレノヽ‑ フ エ ソ 1820000ドイ ツ 21(19)サ ン フ ア ン 2084711 23(16)マ ニ ラ 1716212フ ィ リ ピ ン 22(20) 2000000ス ペ イ ン 24(21) コ ロ ン ボ 1710000ス リ ラ ン カ 23(28) 1828460タ イ 25(18)基陸 1706874台湾 24(24)コ ロ ン ボ 1704389ス リラ ン カ 26(28) 1575406ア メ リカ 25(26) 1558900ア メ リカ 27(26)シ ア トル 1540000ア メ リカ 26(29)?.古座 1541000l̲一本 28(38) 1424702タ イ 27(40)塩 田 1580000中匝ー 29(25)名古屋 1420000日本 28(33)青島 1540000中開 30(32)ル ー7‑ ゲル 1320000フ ラ ン ス 29(27)シ ア トル 1490048ア メ リカ
lll.所 :"Top30Ports"1nContalnerLZatZOnlnternaかonalMarch,1999お よびMarch,2000
‑211‑
ポー ト機能 の回復) の可能性を考 える場合 ,原 論先取 り的に言 うな らば ,か な り可能性 は低 い と言わ ざるを得 ない。その理 由として東 アジア域 内におけ る日本 の地理的位置 と日本発着の貨物量の東 アジア域 内におけ る比率 の棉対 的低下があげ られ るo
まず ,よ り本質的な 日本発着 の貨物量 の少な さとい う点か ら見てみ よ う。
表8ほ東 アジア域 内全体 の コンテナ貨物輸送量を国別 ・地域別 に示 した もの
表8 ア ジアに おけ る コンテナ貨物 量 の推移 (単位 :TEU)
1980年 1986年 1990年 1992年 1994年 1996年 1997年 東 北 アジア 4133.8 7564.4 11645.8 13252,5 15554.7 18232.4 18969.6
構成比 些j 聖二旦 35.♂ 31.2 28.0 26.4 25.3 日本 3322.0 5649.3 8093.7 8965.0 9913.7 10835.2 10983.1 構成比 36.6 塑 24.9 21.1 77.8 75.7 14,6 韓 国 667.9 1533.0 2668.9 3177.7 4130.0 5005,2 5300.0 束北 中国 30.3 237.1 576.5 861.8 1451.0 2283.0 2575.5 榛 東 ロシア 113.6 145.0 306.7 248.0 60.0 109.0 111.0 華 中 .華南地域 3143.3 7184.4 11285.2 15699,8 21000.9 26220.9 29132.0 構成比 34.6 37.9 34.7 37.0 37.7 37.9 38.8 香港 1465.0 2774.0 5100.6 8178.8 11050.0 13460.0 14496.6 台湾 1644.3 4140.1 5450,8 6178.9 7307.3 8078.2 8262.6 東 .東 南 中国 34.0 270.3 733.8 1342.1 2643.6 4682.7 6372.8 東 南 ア ジア 1806.6 4223.2 9592.5 13478.1 19083.2 24672.3 26930.4 構成比 19.9 星を蔓 29.5 31.8 34.3 35.7 35.9 シ ンガポール 917.0 2203.1 5133.8 7398.6 10400.3 12944.5 14120.0 イ ン ドネ シア 104.1 364.0 923.7 1488.6 2278,4 3152,3 3246.3 マ レー シア 171.7 401,8 901.3 1261.2 1787.6 2561.2 3032.6 フ ィ リピン 432.4 743.0 1497.8 1739.2 2251.7 2868.0 3019.5 タイ 181.4 511.3 1078.3 1437,0 1930.5 2271.3 2422.0 ヴ ェ トナ ム 57.6 153.5 424,7 *775,0 930.0 ミャンマ ー 10.0 *100.0 160.0 総計 9083.7 18972.0 32523.5 42430.4 55638.8 69125.6 75032.0
*地域 分類 ① 東北 ア ジ7‑ 日本 ,韓 国 ,中国東 北部 , ロシア橡東部 ,② 華 中 ・華 南 地域 ‑東 ・東 南 中国 ,香港 ,台湾 ,③東 南 アジア‑シ ンガポール ,フ ィ リピン,マ
レー シア ,タイ ,イ ン ドネ シア ,ヴ ェ トナ ム, ミャンマ ー ,カ ンボ ジア 出所 : 『日本海事新 聞』
‑ 212‑
日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 707
である。国別 では明 らかに 日本 の位置が相対的に後退 している。その一方で 香港 ,台湾 ,シンガポールが大 き く躍進 している。 また地域別では東北 アジ アの伸びが相対的に鈍 いのに対 して ,華中 ・華南地域や東南 アジアの伸 びは 急激であるo東 アジアの産業化 の波が ,いわゆ るアジアNIEsを中JLhに北東 アジアか らASEAN,中国へ と拡大 してい く中で ,コンテナ貨物需要 の中心 地 は北東 7ジアか ら華中 ・華南 お よび東南 アジア‑ と移 りつつあるO この よ
うな状況を背景 として 日本 お よび 日本 を含 めた北東 アジアは相対的に東 アジ ア域 内の コンテナ物流 の中心 とい う性格を薄めつつあるo
次に コンテナ貨物 の物流需要 の東 アジア全域‑の分散 ,と りわけその 「南 下」傾 向を前提 として ,地理的位置 の問題 についてみてみ よう。 日本の地理 的位置は東 アジア域 内では北東に偏 りす ぎているため ,日本港湾が東 アジア 域 内の貨物 を広 く集め る場合の地理的優位性 はあま りない。東 アジア域 内 コ ンテナ物流 の中心は ,地理的位置か ら考 えるな らば ,東 向き‑北米航路では 台湾 の高雄港 ,西 向き‑欧州航路では シンガポール とい うことになる。た と えば欧州航路や北米航路 に関 して言 うな らば ,日本は航路上 のフ ァース ト・
ポー ト
(
‑航路の出発点),ラス ト・ポー ト(
‑航路 の終着点)に位置 してお り,航路途上にあるシンガポールや台湾 の高雄等 の港湾 と比べ ると‑ブ拠点 にな らなければな らない必然性は弱い と言わ ざるを得 ない。 日本 の主要港が 東 アジア域 内の‑ブ ・ポー トにな りに くい理 由の一つは ここにある。上記の ように貨物量 お よび地理的位置か ら見て, 日本港湾は東 アジア域 内 の‑ブ ・ポー トとなる必然性 はほ とん どない し,またその可能性 も低 いo L たが って現在 の5大抵‑東 アジア主要港間競争は ,もっぱ ら日本国内貨物 の 集荷をめ ぐるもの とな っている。以下に述べ るよ うに,この ことが実 は地方 港 の国際 コンテナ貿易港 としての台頭を もた らした東 アジア規模での最 も重 要な要因の一つで もあるO
日本 の5大港 と地方港 の間の集荷競争 は ,東 アジア規模 で見 るな らば,5 大港 とその他の東 アジア主要港 の間の集荷競争 とい う側面を も持つ ものであ
‑2 1 3 1
る。 とい うの も日本 の地方港 の多 くが東 アジア主要港 との間の航路を開設す ることに よって 「国際」 コンテナ貿易港 とな っているか らである。 日本 の地 方港 の多 くは従来,5大港経 由で間接的に行 って きた国際 コンテナ貨物 の輸 出入を,5大港 の代 りに東 アジア主要港 を利用す ることに よって 「直接的」
に行 えるようにな っているoつ ま り,日本 の地方港 は,5大港 を国内 トラソ シ ップ港 として利用す るのではな く,東 アジア主要港 との間で直接に貨物 を や りと りす るか ,あるいは東 アジア主要港 を国際 トラソシ ップ港 として利用 す ることに よって国際 コンテナ貨物 を取 り扱 うことがで きるようにな ってい るのである。 したが って 日本 国内での5大港一地方港 間競争 は ,東 アジア規 模で見 るな らば,5大港一束 アジア主要港間競争 あるいは 日本 の地方港一束 アジア主要港間連携 であるO言 い換 えるな らば , 日本国内での コンテナ物流 活動 の地方分散は ,東 アジア規模 で見 るな らば東 ア ジア主 要港 へ の トラ ソ シ ップ機 能 の移 転 ‑東 ア ジア主要 港 へ の コンテ ナ物 流活動 の集 中で も あ る(3). 当た り前の ことであるが,5大港を経 由せずに地方港 で直接 に輸 出入 された貨物 の分だけ
,5
大港 の貨物取扱量 は減 ることにな る。 さらに この地 方港配船 が東 アジア主要港 を‑ブ ・ポー トとす るネ ッ トワークに組み込 まれ ていることは言 うまで もない。そ してその ことは当然,5大港 の国内貨物 ト ラソシ ップ機能を低下 させ るもので もある。2)東 アジア規模 での地方港 の挑戦
しか し東 アジア規模 での港湾間競争は何 も大港湾間の‑ブ ・ポー ト化競争 だけではない。表7に示 されている ように ,タンジュン ・プ リオ ク (イ ン ド ネシア),ポー ト・ク ラ ン (マ レー シア), ラムチ ャバ ン (タイ),マ ニ ラ (フ ィリピン)や中国の諸港湾 (上海 ,青 島,大連 ,塩 田,蛇 口等)等 のそ の他 の東 アジア諸港湾 も急速 に台頭 しつ つ あ る。 た とえば 中 国 の上海 ,育 島,塩 田各港 は中国貨物 の増加に対応 してその コンテナ貨物取扱量を飛躍的
(3) この点については津守貴之 [1997]第6章において論 じている。
‑214‑
日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 709
に伸 ば している (上海が対前年比
3 7. 3 %
増加で1 0
位か ら7
位‑ ,青 島が対前 年比2 6. 9 %
で3 3
位か ら2 8
位‑ ,塩 田が同 じく5 2. 2 %
で4 0
位か ら2 7
位 へ)Q ま たマ レーシアのポー ト・クランが トランシ ップ貨物 の取扱 いに よってその コ ンテナ貨物取扱量を対前年比3 7. 9 %
増加( 2 1
位か ら1 4
位‑) させてい るOそ して これ ら後発諸港湾が シンガポールや香港等 の東 アジアの‑ブ ・ポー トか らの潜在的あるいは顕在的な 「自立」 の動 きを見せつつある。この ように後発地方 コンテナ港湾の台頭 は 日本に特殊 な現象ではない。い わば東 アジア規模 での 「地方 コンテナ港湾 の台頭」 とで も言 うべ き現象が見 られ るのである(4)。その背景には ,荷主 (メーカー等)の東 アジア全域への広 汎な展開 ‑生産拠点等 の分散 と,これ ら荷主の貨物 の集荷 をめ ぐるコンテナ 船社 間の焼烈 な競争 お よびその結果 としての東 アジア規模での地方港配船 , さらには これ らの ことに加 えて , コンテナ船社 の地方港配船に対応 した コン テナ ・ター ミナル ・オペ レーターの 「対外進 出」‑「多国籍化」がある(5)O少 な くとも東 アジア規模 で コンテナ港湾施設が分散化傾 向にあること,大荷主 主導型 での地元近接 コンテナ港湾 の利用が一般化 しつつあることを考 えるな らば ,この後 ,東 アジア域 内各地域 の コンテナ貨物 を 日本 の5大港で取 り扱 うとい うことは きわめて難 しい と言わ ざるを得 ない。 日本港湾は東 アジア規 模 で見て も,‑ブ ・ポー ト化 (拠点集中化) と直航化 (拠点分散化) とい う 正反対 の ヴ ェク トルを持つ激 しい過 当競争 のまっただ中にあるのである。
(4)中国を中心とした地方港の台頭と香港との競争の顕在化については津守貴之[1999 b]を参照されたい。
(5)コンテナ ・ターミナル ・オペレーターの 「対外進出」‑「多国籍化」については津守 貴之[1999b]においても論じている0
‑2 1 5 ‑
3.
港湾間機能分担 と港頭地区 ・内陸地区間関係一港 湾間競 争 の質的側面一今 まで主に コンテナ貨物の取扱量 とい う量的側面か ら東 アジアにおけ るコ ンテナ港湾間関係を見てきた。次に コンテナ物流の質的側面 ,即 ち,コンテ ナ貨物の諸頬型 とその背後にある内陸地区の役割変化に焦点を当てて,東 ア ジアにおけるコンテナ港湾間関係を再検討 してみ よう。
(1) コンテナ貨物の諸類型
表9では 日本を中心 として貨物の取 り扱 い方 と貨物需要 の発生地 点 の遠 近 ・国内外に応 じて,港頭地区において取 り扱われ るコンテナ貨物を9つの 類型に分類 しているo まず これ らの諸類型の特徴を説明 しておこう0
1)サーヴィス重視型貨物
サーヴィス重視型貨物にはサーヴィス重視型 FCL貨物 とLCL貨物 の2 つの類型が含 まれ る。前者のサーヴィス重視型 FCL貨物の特徴は輸送ス ケ ジュールの正確性 ,輸送頻度の高 さ,あるいは港頭地区 (あるいは少な くと もその周辺)において梱包 ・バ ンニングお よび開梱 ・デバ ンニングが必要な 貨物である。またLCL貨物 は,言 うまで もな く,港頭地区お よびその周辺に おいて混載 ・仕分けが必要な貨物である (付け加えるな らば,LCL貨物は, スピー ドを要求 され るもの と比較的要求 されない ものに分け られ る)0
サーヴィス重視型貨物は,貨物需要の発生地点の遠近 ・国内外に応 じて,
表9 コンテナ貨物の諸塀型
国内の直接の後背地 国内の遠隔地 他の東 アジア サーヴィス重視型 (むLCL貨物 (卦LCL貨物 ⑦LCL貨物 貨物 (診FCL貨物 ⑤FCL貨物 ⑧FCL貨物
出所 :Tsumori(1998)
‑216‑
日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 711
当該港湾の直接の後背地 に存在す るもの (① ,②),当該港湾か ら遠隔地に存 在す るもの ((杏,⑤),他 の東 アジア地域に存在す るもの (⑦ ,⑧)に さらに 分け られ る。
サ ーヴ ィス重視型 FCL貨物 の上記の特徴か ら当該貨物 の集荷をす るた め には当該 コンテナ港湾 の航路網 の充実 ‑複 数 の航 路 , と りわ け欧 米 トラ ン ク ・ル ー トと近海 フ ィーダー ・ル ー トの両方を持 っていることと,それぞれ の航路 におけ る コンテナ船 の寄港頻度が高い こと,あるいは梱包 ・開梱作業 や コンテナ ・バ ンニング,デバ ンニング作業が正確 ・円滑に行 えること (そ の中には積 み付け方法や荷役方法な どが異な る多種多様 な貨物 の取扱いが行 えることが含 まれている)が必要 とされ るo
LCL貨物 を集荷す る場合は ,混載 ・仕分けや梱包 ・開梱 業務 等 の港 頭地 区におけ る港湾物流サ ー ビスの質的充実が必要 である。 したが ってサ ービス 重視型 FCL貨物 を集荷す るための条件 である航路網 の充実 あるいは寄港頻 度 の高 さに加 えて ,混載 ・仕分け等 の業務 の当該 コンテナ港湾におけ る集積 が必要 とされ る。
2)コス ト重視型貨物
コス ト重視型貨物 とは ,港頭地 区において ,バ ンニング,デバ ンニング, 混載 ,仕分け等 の特別 な取 り扱いを必要 としない貨物 で輸送 ス ピー ドの速 さ がそれ程 ,求め られない貨物 の ことであるo この タイ プの貨物 は全 て FCL 貨物 で,やは り貨物需要 の発生地点の地理的区分か ら③ ,⑥ ,⑨ に分現 され
る。
コス ト重視型貨物 は ,基本的に港頭地区を通過す るだけの貨物 である。 し たが って ,少な くとも港頭地区において港湾物流サー ビスの質的充実を必要
としないため ,当該貨物 を集荷す る際 の最大 のポイ ン トは近接性 ‑荷主 とコ ンテナ港湾 との間の距離にある。
これ ら3つの タイプの貨物類型 の集荷 のポイ ン トを コンテナ港湾側か ら表 現 し直す な らば , コス ト重視型貨物 の集荷には近接性 の メ 1)ッ トがなければ
‑217‑
ならないのに対 して,サーヴィス重視型FCL貨物お よびLCL貨物を集荷す るためには近接性のメ リッ トではな く,小 口,多品種 ,多頻度 といった高度 な物流サーヴィスを提供で きる広汎な物流機能の集積を必要 とす ることにな る。換言す るな らば,これ らの広汎な物流機能の集積が特定港湾にあれば, それは近接性のメ リッ トを凌駕す るため ,当該港湾 におけ る遠 隔地 のサ ー ヴィス重視型貨物の集荷を可能 とす るのである。 さらに逆に言 うならば,近 接性のメ リッ トしか持たず ,高度な物流機能の集積が見 られない港湾は,也 元荷主のサーヴィス重視型貨物 の取扱いが不可能なため ,これ ら貨物は高度 な物流機能の集積を持つ他港にその取扱いを委ねなければな らない。
( 2 )
港湾間競争 ・連携 と貨物類型 1)国内港湾間機能分担の構造ところで先に述べた5大港一地方港間競争を,上述 した貨物類型別に対応 させて表現 し直すならば以下の ようになる。現在 までの 日本国内での コンテ ナ港湾間分業は,神戸港等の5大港がその直接の後背地である3大都市圏の コンテナ貨物全般 と5大港に とって遠隔地である地方圏のサーヴィス重視型 FCL貨物 とLCL貨物を取 り扱い,地方港は地元地方圏の コス ト重視型貨物 を集荷す るとい う一種 の分業 の構 図が で きあが ってい る(6)。前述 した よ う に,国内的には コンテナ港湾施設の地方分散政策 と国内輸送 の短縮 化 に よ り,従来 ,日本全国の コンテナ貨物 のほ とん どを取 り扱 っていた5大港が, しだいに遠隔地である地方圏の コス ト重視型貨物を手放 し,地方港にゆだね つつあるとい う状況が ,この ような国内港湾間分業を形成す る背景 とな って いる。 ここで5大港 と地方港の競争力のあ り方を見てみると,地方港は距離 (近接性) とい う点で地元の コス ト重視型貨物に関 して5大港を含めた他港 に対 して競争力を持 っている.その一方で, 5大港は物流棟能の高度な集積
(6) この点については津守貴之 [1997]第4章を参照 されたいO
‑218‑
日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 713
とい う優位 性 を持 つ た め ,地 元 (3大 都 市 圏 ) の コス ト重 視 型 貨 物 ,サ ー ヴ ィス重 視型貨物 両方 の集 荷 だけ でな く,地方 圏 のサ ー ヴ ィス重視型 貨物 の 集荷 に対 して も競 争 力 を持 って い る。後述 す る よ うに , 日本 の地方港 のほ と ん どは ,画一化 ・単純化 され た港 湾物 流 サ ー ヴ ィス しか もっていな いため , 距離 とい う要 因 のみ を競争 力 の源泉 と して持 つ にす ぎな い。 それ に対 して5 大港 は多様 な港 湾物 流 サ ー ヴ ィスを保 持 して い る こ とが独 自の競 争 力 を形成
し,地 元 のみ な らず遠 隔地 のサ ー ヴ ィス重 視 型 貨 物 を も集 荷 で き る体 制 が 整 って い るの で あ るo Lたが って5大港 一地 方港 間 の競争 関係 は基 本 的 に地 方 圏 の コス ト重 視型
FCL
貨物 の集 荷 に おいて見 られ る (図 1)。2) 5大港 一地方港 間競争 と東 アジア域 内港 湾 間競争
また この5大港 ‑地方港 間分業 の構 図を東 ア ジア規模 で見 てみ る と次 の よ うにな る。 日本 の地方港 は東 ア ジア主要港 の間 の連携 に よって コンテ ナ航路 を開設 しえて い るケースが多 い。 この ことか ら 日本 の地方 圏 は , コス ト重視
図1 5大港から見た5大港と地方港の集荷圏 ・集荷貨物特性
出所 :津守貴之 [1999a]を修正
図2 5大港と東アジア主要港の集荷貨物
出所 :津守貴之 [1999a.]を修正
‑219‑
匿
ヨ 5大池 ‑地 〟 間で争奪さn ている貨物L
∴ ・一L ・一 ・・一・・・
匿≡
璽両者が争脊し ている粂frfj貨 物L‑
I‑.
型貨物 に関 しては地元地方港 を通 じて他 の束 アジア域 内主要港 の集荷圏に, サーヴ ィス重視型貨物 に関 しては 日本 の5大港 の集荷圏にな っていると言 え る。 さらに 日本以外の東 アジア域 内の国際 tランシ ップ貨物に関 しては ,日 本以外 の東 アジア全域‑ の物流需要 の分散 お よび東 アジア主要港 の‑ ‑ ド, ソフ ト両面での整備 の進展 に ともない ,日本 の5大港 はその集荷力を低下 ・ 喪失 させている。
(3)港頚地区一内陸地 区間競争
1)港湾物流サ ーヴィスの内陸化 とコンテナ貨物 の港湾素通 り問題
上記の貨物類型か ら見た コンテナ港湾間競争 ・連携 の構 図は ,単に コンテ ナ港湾 間の関係性 に とどまるものではない。その背後 には港頭地 区‑ 内陸地 区間の関係の変化がある。そ こで次に港頭 ・内陸両地区の間での港湾物流機 能 をめ ぐる競争 ・連携関係を分析 し,さらに港頭 ・内陸地区間競争 ・連携が 既述 の港湾間競争 ・連携 とどの ように関連 しているかを検討 してみ よう。
衰10は前掲 『コンテナ貨物流動調査』 を もとに 日本 の輸 出入 コンテナ貨物 のバ ンニング ・デバ ンニング場所 の変化を時系列的に整理 した ものであるo メーカー倉庫での コンテナ ・バ ンニ ング,デバ ンニングは輸 出入 とも増 えて お り,また荷主倉庫で も輸入貨物 において同業務が行われ る傾 向がある。 当 然 ,これ らの コンテナ貨物 は メーカー倉庫 ,荷主倉庫 でFCL貨物化 され て いるため ,港頭地区においては単な る通過貨物 にな るoその結果 ,メーカ一
義10 コンテナ ・バンニング/デバンニング場所の変化 い ン・ベース) 78年調査 85年調査 89年調査 93年調査
H か gL* 1輸 出 22.2 25.5 29.2 33.3 輸 入 14.8 16.3 16.4 17.3
荷 主 倉 庫 輸 出 4.1 5.7 6.8 4.7
表2に同 じ。
‑2 2 0
‑日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 715
を含めた荷主は最低限の コンテナ港湾施設 と当該 コンテナ貨物を円滑に輸 出 入できる航路を持つ港湾な らば,どこで も利用できることになる。 このこと が地方港においても,コス ト重視型 の大量FCL貨物に関 しては コンテナ貨 物の船積み ・船卸 しを行いえる前提条件 となっている。そ して多 くの地方港 が,直近 の後背地に立地 している少数の大荷主の大量のFCL貨物に依存 し た ,いわば大荷主専用港湾 とな っている。地方港の コンテナ貨物取扱港 とし ての台頭の背景には,港湾物流サーヴィスの 「内陸化」 とい う現象の進展が 見 られ るのであるQ
この ように大荷主の コス ト重視型の大量 FCL貨物の取 り扱いに際 して必 要 とされ る港湾物流サーヴィスのタイプは,主に FCL貨物の迅速 ・低廉 な 取 り扱い とい う画‑化 ・単純化 された ものに限定 され ることになるo言 うま で もな く,この大荷主の コス ト重視型の大量 FCL貨物の コンテナ港湾通過 が,「コンテナ貨物の港湾素通 り問題」の重要な要因の一つをな している0
さらにイ ンラン ド・デポの整備 とそ こにおけ るバ ンニ ング,デバ ンニ ン グ,通関等の作業の定着は,大荷主の貨物だけでな く,中小荷主の貨物 の内 陸部での FCL化を促進 している。 そ して ,当然 の ことなが ら,イ ンラン ド・デポの整備の推進が結果 として 「コンテナ貨物 の港湾素通 り問題」を助 長 している。
2)
コンテナ港湾機能の空間的分散上記の ことを空間的に解釈 してみ ると,図3に見 られ るように,コンテナ 港湾におけ る物流サーヴィスの発生地点が港頭地区に限 られ るのではな く, 広 く内陸のイ ンラン ド・デポや直接に荷主の工場 ・倉庫にまで分散 している
とい うことになる。
この ように荷主の立場か らす るな らば,利用す るコンテナ港湾に関す る物 流サーヴィス機能の立地点の空間的な選択肢は,単に複数 の コンテナ港湾の 間だけでな く,実質上 ,荷主の工場 ・倉庫 ,イ ンラン ド・デポをも含んだ も の としてある。つま りコンテナ港湾の競争 (あるいは連携)相手は,他の コ
‑2 2 1
‑図3 コソテナ港湾機能の空間的分散
出所 :Tsumori(1999C)を修正
ンテナ港湾 ,イ ンラン ド・デポ,荷主の工場 ・倉庫 とい う3層構造にな って いると言 える。そ して ,す ぐ後に述べ るように ,この コンテナ港湾機能の空 間的再編成は一方で空洞化す る既存 コンテナ港湾を生み出す とともに,他方 で新規 コンテナ港湾を台頭 させているのである。
3) 5大港港頭地区の空洞化
前述 した ように,大荷主の大量 FCL貨物を扱 う物流サーヴィスは港頭地 区に集積場所を限定 され る必要はない。 したが って ,大荷主 が求め る港湾 サーヴィスのあ り方は産業 としての港湾物流サーヴィスの港頭地区における 集積 ,と りわけ多種多様な個別荷主に対応できるさまざまな業務 (混載 ・仕 分け ,バ ンニング ・デバ ンニング,梱包等)の集構ではな く,画一化 ・単純 化 された輸送 ・荷役機能の集横のみを もた らす傾 向にある。そ して このこと が5大港における高度な港湾物流サーヴィスの集積のメ リッ トを後退 させ , 後発地方港の急激な台頭 ,すなわち, 5大港 か ら地方港 へ と コス ト重視型 FCL貨物の流出を うなが している最大の理 由の一つ となっているO
この点はインラン ド・デポの整備が進 んだ場合 も基本的に同 じである。大 荷主の自社内物流 の進展 と同様に ,インラン ド・デポに おけ る貨 物 の FCL 化の進展は,港湾物流サーヴィスが集積 した既存有力港湾の港頭地区におけ
る港湾物流サーヴィスの空洞化をもた らす要因 となる。
そ して他方で ,後発地方港に とっては,内陸地区におけ る物流機能 の集項
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日本のコンテナ港湾経常の本質的問題点 717
は コンテナ貿易港 としての台頭を支 える重要 な要因 とな ってい る。
図
4
は地方圏におけ る輸 出貨物 の流れ と物流機能 の集積場所を単純化 して 示 した ものである。 まず荷主 (送 り手)か ら貨物 が送 りだ され る際の最初 の 流れは ,荷主 自らの企業 内能力 あるいは貨物特性に応 じて ,物流業務を内部 化す るケース (大荷主 の大量貨物 の取扱いな ど) と外部委託す るケース (中 小荷主の貨物 あるいは大荷主 の小 口 ・多頻 度貨物 な ど) の2つ に分け られ るO次に物流業務 を内部化す ることを選択 した荷主は ,港頭地 区におけ る高 度 な港湾物流機能 を必要 としないため近接す る地方港を輸 出港 として選択す る。そ してそ こか ら直接 ,最終 目的港 に貨物 を輸送す るか ,あるいは東 アジ ア主要港 を トラソシ ップ拠点 として間接的に最終 目的港 に輸送す る。一方 , 物流業務 を外部委託す るケースでは ,さらに2つのル ー トに分け られ る。す なわ も,イ ンラン ド ・デポに貨物を持 ち込み ,そ こで コンテナ ・バ ンニング を行 い,近接す る地方港経 由で ,以下 ,上 記 の 内部化 した ケ ース と同様 の ル ー トで最終 目的港‑輸送す るもの と,イ ンラン ド ・デポではな く,5大港 まで国内輸送 し,5大港 の港頭地 区 (お よびその周辺) において ±ンテナ ・ バ ンニングを行 い,5大港か ら直接 ,最終 目的港に輸送す るものであるO図4 地方圏の貨物の流れと物流棟能の集横場所
出所 :Tsumori(1999C)を修正
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つ ま り,物流機能の集積場所は,5大港の港頭地区,インラン ド・デポ, 荷主企業の内部 (工場 ,倉庫な ど)お よび地方圏貨物 の‑ブ ・ポー tとして 機能す る東 アジア主要港 となる。近年 ,コンテナ貨物取扱港 として急激に台 頭 してきた 日本の地方港 の多 くは必要な物流機能をイ ンラン ド・デポ,荷主 企業の内部お よび東 アジア主要港に依存す ることに よって
FCL
貨物を取 り 扱いえているのである。言い換えるならば,日本の地方港は,前述 した よう に東 アジア主要港 との連携に よって,すなわち,東 アジア主要港に集積 して いる物流機能に依存す ることに よって,国際 コンテナ航路を開設す ることが できているだけでな く,内陸部に実質上 「移転」 している 「港頭」地区の物 流機能に も依存す ることに よって国際 コンテナ航路を開設す ることが可能 と な っているのである。 この意味では 「日本の地方圏の内陸地区」‑
「日本の 地方港」‑ 「東 アジア主要港」の3地点間の連携が 日本の地方港の国際 コン テナ貿易港化を可能 としていると同時に,これ ら連携す る3地点 と日本の5 大港が地方圏の コス ト重視型FCL
貨物の集荷に関 して競争状態にあるということになる。
この ように内陸地区において物流機能が集横す ることに よって 日本の地方 港は台頭す る条件を得ていると同時に, 5大港 は停滞す る こととな ってい
る。
さて,上記の ように 日本の コンテナ港湾をめ ぐる競争 ・連携の基本構造を 整理 した うえで,最後に 日本の港湾経営のあるべ き方 向性を提示す るととも に,日本の港湾経営の本質的問題点を明確に してお こう。
4.
あ るべ き港 湾 経 営 の方 向性 と 日本 の港 湾 経 営 の 本 質 的 問 題点(1) あるべき港湾経営の方向性(7)
まず5大港 と地方港にわけてあるべ き港湾経営の方向性を整理 してお く。
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