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中野, 佳余子

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ミスマッチ修復欠損を伴う同時多発大腸癌の臨床病 理学的・分子学的検討

中野, 佳余子

http://hdl.handle.net/2324/1931774

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(医学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)

(2)

氏 名: 中野 佳余子

論 文 名:

Clinicopathologic and Molecular Characteristics of Synchronous Colorectal Carcinoma With Mismatch Repair Deficiency

(ミスマッチ修復欠損を伴う同時多発大腸癌の臨床病理学的・分子学的検討)

区 分:甲

論 文 内 容 の 要 旨

同時多発大腸癌はマイクロサテライト不安定性の頻度が高いとされ(欧米では〜35%)、しばしばリ ンチ症候群と関係する。その臨床病理学的・分子学的特徴は、殊に本邦においては、未だ明らかでは ない。我々は同時多発大腸癌118症例(236腫瘍)、対照群として単発大腸癌117症例(117腫瘍)を 用い、TP53, ミスマッチ修復(mismatch repair, 以降はMMR)蛋白(MLH1, MSH2, PMS2, MSH6)の 免疫組織化学染色とKRAS, BRAF遺伝子の変異解析を行った。同時多発癌・単発癌で臨床病理学的・

組織学的及び分子学的な差は認めなかった。同時多発癌118症例のうち、15症例(12.7%)では少な くとも一方の腫瘍でMMR蛋白いずれかが欠損していたが、残る103症例(87.3%)では4つのMMR 蛋白発現は保持されていた。MMR蛋白欠損を認める症例は予後良好だった。15症例は更に2グルー プ、すなわち2腫瘍間でMMR蛋白欠損が一致するConcordant group(n=9, 7.6%)とMMR蛋白欠損 が一致しないDiscordant group(n=6, 5.1%)に分類された。Concordant groupでは両腫瘍でMLH1/PMS2 欠損(n=3)、MSH2/MSH6欠損(n=4)、MSH6単独欠損(n=2)を認めた。一方Discordant groupで はMLH1/PMS2欠損(n=2)、PMS2単独欠損(n=2)、MSH6単独欠損(n=2)を1腫瘍にのみ認めた。

MMR蛋白発現とBRAF変異から、Concordant groupとDiscordant groupにはLynch症候群、Lynch-like 症候群そして MLH1 プロモーター領域の過剰メチル化による散発性の大腸癌が含まれると考えられ た。加えて、KRAS変異はいずれのgroupでも片方の腫瘍にのみ認められた。以上より、欧米人での 過去の報告例に比べ、本邦では同時多発大腸癌においてMMR蛋白欠損の頻度は低い可能性が示唆さ れた。また同一患者内においても、MMR蛋白欠損及びKRAS, BRAF変異は腫瘍間で一致しない場合 も多いことが示唆された。

参照

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