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(1)

支配権変動に関する開示(二・完) : 米国の大量保 有報告制度における支配目的の開示と法の強制を中 心として

著者 松井 和也

雑誌名 同志社法學

巻 61

号 1

ページ 127‑143

発行年 2009‑05‑31

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011729

(2)

支配権変動に関する開示(二・完)一二七同志社法学 六一巻一号

支配権変動に関する開示(二・完) ―

米国の大量保有報告制度における支配目的の開示と法の強制を中心として

松 井 和 也

  (一二七)

                                 

       

               Schedule13D       Item4                       

(3)

支配権変動に関する開示(二・完)一二八同志社法学 六一巻一号

  (一二八)

                                                                                  

        

   Schedule13G                     

                           

第三章  法の強制 第一節  米国における法の強制 一  衡平法上の救済   SECは法の強制に関して多くの手段を有している

にを項⒟条三一がとこいなし示開とこるあが的目配支、しかし。 159

違反していないかどうか問題となるのは、会社支配権が変動しようとしている局面であろう。そのような場面でSEC

(4)

支配権変動に関する開示(二・完)一二九同志社法学 六一巻一号 が干渉するよりも

。図るあで的率効が方るれらが決解題問てっよに者事当、 160

  そこで重要となるのは、一三条⒟項のもとで黙示の私的訴権(

im pli ed p riv at e rig ht o f ac tio n

)が存在すること、そ して発行会社が訴訟を提起できることである

権めもにいないてれら認かはで文明上法定制かわ当民訴るめ求を済救事るらす対に者反違、ず該、者るす張主とたれに 法訴あ、はと権黙的私の示者でこる違の制定。反によって権利を侵害さこ 161

を裁判所が認めることをいう

関法す成達を的目の、たし完補を為行のるめ機いるあが方え考うとのるなに段手な効有 政れの定肯が権訴的私示行黙てっよに所判さて。には現実の法るよ人き私、はに景背た裁 162

、株とるべ比と主の々個、たま。 163

発行会社には一三条⒟項違反があるかどうか監視するインセンティブがあり、訴訟を提起しやすい立場にあるといえる

さ配および投資者に対して支権株変動に関する情報が開示主、るばして、裁判所が後述すような内容の救済を認めれそ 。 164

れることになる。このことは、ウィリアムズ法の趣旨に合致するといえよう

165

二  救済を得るための要件   一三条⒟項のもとで黙示の私的訴権が肯定され、発行会社が訴訟を提起できるとしても、実際に救済を得るためには、 必要な要件を満たさなければならない。つまり、差止命令による救済を得るためには、﹁回復困難な損害(

irr ep ar ab le ha rm

)﹂が生じていることについての立証が必要である。以下では、このことが判示された裁判例を紹介しよう。

 

Rondeau v. Mosinee Paper Corp

.

166

  [事実の概要]

  Y(被告・被上訴人・上訴人)は一九七○年の改正で報告基準が一○%から五%に引き下げられたこ とを知らなかったために、

Sc he du le 13 D

を提出することなく大量の株式取得を続けていたが、X社(原告・上訴人・

  (一二九)

(5)

支配権変動に関する開示(二・完)一三〇同志社法学 六一巻一号

被上訴人)の側から指摘を受けるとすぐに取得をやめ、本来提出すべきであった日から三カ月以上遅れて

Sc he du le 13 D

を提出した。そこでは、支配目的を有していること、および現金を対価とする公開買付を行うことを考慮している旨につき開示されていた。ただし、その後、Yは実際に公開買付を行わなかった。

  X社は訴訟を提起して、差止による救済、株式の剥奪、および損害賠償を求めた。これに対してYは、ウィリアムズ法に違反していたことは認めたものの、それは法律を熟知していなかったためであって、X社もその株主も損害を被っ ていなかったとした。地裁は

、をと要必にめたる得令る命止差、はに主株のな回びなちわなす。たしといい復てじ生は害損な難困そよ社X、たまお

du le D 13 Sc he

っなか出し、故提をこに時適た意とな。たしとたっかははでのもるよに、Yが 167

すでに提出されている

Sc he du le 13 D

においては、十分な開示がなされている。そのため、X社は救済を求めることはできないとした。

  これに対して巡回控訴裁判所は

。れのたっなにとこる遅あがのるすを応対なでる必るたしとるなにとこいかてじ生が害損、ら要がX、て社 社とよにY、はで情もの事なうよの述る支会がし対にとこるあ性、能可の得取権配前 168

  さらに、証券の発行者は、

Sc he du le 13 D

による開示が適法に行われることを確保するために、必要であれば迅速かつ効果的な救済を得るため、訴訟を提起できる地位にあるので、X社が差止命令による救済を得るには、回復困難な損 害が生じていることの立証は必要ないとした。そして、

Sc he du le 13 D

を提出すべきであった日から現に提出された日までの間に取得した株式について、五年間議決権の行使を禁じた。これに対して、Yは上訴した。

  [判旨]

  本件においては、ウィリアムズ法が対処しようとしているような害悪が生じていないし、そのおそれもない。Yは、現金による公開買付またはその他の方法によって、実際に会社の支配権を取得しようとはしなかった。現在、Y は

Sc he du le 13 D

において十分な開示をしている。Yは、重要な変更があればその旨の開示を求めている規制を遵守し

  (一三〇)

(6)

支配権変動に関する開示(二・完)一三一同志社法学 六一巻一号 ないということはなかろう。そのため、差止命令を得るための根拠となる違反の再発の危険性は存在しない

169

  ウィリアムズ法のもとでの私的訴訟、およびXが訴訟提起することの妥当性のいずれについても、本件では問題にさ

れなかった。もちろん我々は、SECによる法の強制を補完するために、そうすることが法の構造に合致し、かつ投資者保護のために必要である場合には、証券諸法違反に対する私的救済を認める連邦裁判所の権限を躊躇せずに行使す

る。しかし、このことは救済を得るために伝統的に必要とされてきた要件につき立証する責任を免除させることにはならない

170

  そして、差止命令による救済を得るためには、回復困難な損害が生じていること、および差止による救済を得るため に必要となるその他の要件についての立証が必要となる旨につき判示し

、原判決を破棄した。 171

  このように、本件は

Sc he du le 13 D

の提出義務について不注意により気づかなかった者が、指摘を受けた後、直ちに

提出し直したというケースである。そこでは、十分な開示がなされているので、救済は認められなかった。他方、仮に一三条⒟項によって要求されている開示が適正になされることなく、大量の株式取得が続けられるとすれば、株主およ

び一般の投資者は投資判断のための十分な情報を得ることができない。このような場合は、回復困難な損害が生じてい

るといえ、差止による救済が認められると考えられる。

三  救済の内容   前述のように、支配目的があるにもかかわらず、その旨につき開示していない場合は、株主および投資者は会社支配

権変動に関する十分な情報を得ることができない。このことは、回復困難な損害を生じさせることになっているといえ、

  (一三一)

(7)

支配権変動に関する開示(二・完)一三二同志社法学 六一巻一号

差止による救済が認められるだろう。もっとも、前述の裁判例では、現に一三条⒟項に違反している者に対する差止の

内容について、判断は示されていない

。うよ のめられてきた、かが以下で紹介し認済は救こで、実際にど。のような内容のそ 172

 

Sa un de rs L ea sin g Sy s., In c. v. So cie te H old in g G ra y D ’A lb io n S.A .

(前掲注

式れ裁、てし対にこ所。たいてれさ判は記告株の%五二が被、ていおに件本載と、得ありる追加取す的る可能性もあで

62

式においては、株)取得の目的は投資目

を取得する意図を有していたということは、支配目的があることを意味するとして、そのように記載が訂正されるまでの間、株式を追加取得することを禁じた。

  このように、典型的な例は、訂正報告書を提出して、支配目的がある旨につき開示するまでの間、株式の追加取得が禁じられるというものである

173

  会社にとって好ましくない者が大量の株式を取得しようとしている場合に、迅速な買付を中断させることは、買付が失敗するリスクを高めることになる

てがこと自体、会社買い収の候補になっうとなるた、このよう訴。訟を起こされま 174

いるということを他の者に知らせることになる。その結果、株価が上昇し、買付に要するコストも増大することになる。つまり、発行会社が訴訟を提起し、その請求が認められれば迅速な買付ができなくなるかもしれないということは、大

量の株式を取得しようとしている者に対して、支配目的がある旨を開示するよう促すことになっているといえる(開示が株価に影響を及ぼし得ることについては、二章一節二款参照)。

  差止命令は、本案判決前に暫定的に出される場合もある(

pr eli m in ar y in ju nc tio n

)。そのためには、本案における勝訴の蓋然性のほかにも、暫定的な差止が認められなければ回復困難な損害が生じることについての立証が必要である

175

また、裁判所が請求者の申立てに基づき一方的緊急差止命令(

te m po ra ry re st ra in in g or de r

)を発する場合もある

176

  (一三二)

(8)

支配権変動に関する開示(二・完)一三三同志社法学 六一巻一号  

C hr om all oy A m er ic an C or p. v. Su n C he m ic al C or p.

(前掲注

増こ、てし対にれ。裁たいてれさ載記地はいを買の式株、め認令一命止差急緊的方とな目配てし有ろことの在現は的い

59

においてのは、株式取得)目的は投資目的あり、支で

し、およびすでに取得した株式に基づく権利を利用して会社の経営に影響を及ぼすことを禁じた。その後、暫定的差止命令が出され、被告が支配目的を有している旨につき開示されるまでの間、株式を買増すことが禁じられた。また、

M ar sh all F ie ld & C o. v. Ic ah n

(前掲注

の緊め認を令命止差急的会方一、は所判裁、、社しす式株、間のでまる示資開てし関に却売の産て対れにれこ。たいて

93 Ite 4 m

れさ記列でて、はいいおにて)るしさといないて有よは案提や画なう計

買増しをすることを禁じた。

  株式の買増しが禁じられる期間は、投資者が新たに開示された情報に基づいた投資判断をすることができるように、

訂正報告書の提出後もさらに一定の期間認められることがある。

 

K irs ch C o. v. B lis s & L au gh lin In du st rie s, In c.

(前掲注

61

びで的目資投は的目の有保よ)お得取の式株、はていおにあ るとされていた。これに対して、裁判所は暫定的差止命令を出し、支配目的を有している旨につき開示している訂正報告書の提出後、さらに三○日経過するまで、株式の追加取得を禁じた。

A .P . G re en In du s., In c. v. E as t R oc k P ar tn er s, In c.

(前掲注

91

原開示されていたが、告との側からは、被告がはこ)公においては、被告が開の買付の提案をし、そ会 社の資産を担保にして資金を調達していること、および会社の事業の一部を売却しようとしていることについて、

Sc he du le 13 D

で開示するべきであったと主張された。裁判所は、暫定的差止命令を出し、そのような情報について開

示している訂正報告書の提出後さらに二日経過するまで、被告が株式を買増すことを禁じた。

  差止命令の内容としては、十分な開示がなされるまでの間、またはさらに一定の期間、株式の買増しが禁じられると

いう前述してきたような例のほかにも、事案の内容に応じ、それ以外の行為が禁じられることもあり得る。

  (一三三)

(9)

支配権変動に関する開示(二・完)一三四同志社法学 六一巻一号

  ①委任状勧誘など支配権の取得につながる行為が禁じられる場合がある。

G en er al A irc ra ft C or p. v. L am pe rt

(前掲注 会らうよし任選を役締取にさしてしを誘勧状任委、でとてう示が告被くなとこう行を開いな分十、にうよのこ。たえた

54

は配支、りあで的目資投的的目得取式株、はていおに目)し際任選を役締取の名二に実なは側告被、らがなしといは

社支配権を取得しようとしていたことに対して、裁判所は、暫定的差止命令を出し、支配目的がある旨につき開示するまでの間、委任状勧誘をすることを禁じた。

  委任状勧誘以外にも、会社支配権の獲得につながるような行為が禁じられる場合もある。

St an da rd F in an cia l, In c v.

L aS all e/K ro ss P ar tn er s L .P .

(前掲注

57

な的であるとしが資ら、被告側は二目投)株においては、式にの取得目的は主名 の取締役を選任しようとしていた。これに対して、裁判所は、暫定的差止命令を出し、支配目的がある旨につき開示してから七日経過するまでの間、会社支配権の獲得につながるような行動をとることを禁じた。

K -N E ne rg y, In c. v. G ulf In te rs ta te C o.

(前掲注

と日、間のでまるす過経○式三らかてしを示開の株のるにこるすを付買開公、外買以誘勧状任委やし増旨あ的目配支が

74

有目資投純は的目式保ので株、はていおに的)あ対、は所判裁、てしにるれこ。たいてれさと

を禁じた。

  ②十分な開示をすることなく取得した株式について、その権利行使を禁ずることも考えられる。もっとも、前述のよ うに、差止命令の効力は、十分な情報が開示されるまでの間、またはさらに一定の期間である。つまり、権利行使を禁ずることによる意義が認められるのは、支配権争奪の場面となる株主総会の開催が差し迫っている場合であろう

。また、 177

本案判決によって最終的な判断が示される前に、十分な開示をすることなく取得した大量の株式につき、その権利行使が暫定的に禁じられる場合もある。

Sp en ce r C os . v . A ge nc y R en t-A -C ar , I nc .

(前掲注

75

)においては、被告は三六・二

%もの株式を保有するにいたっていた。株式の保有目的は投資目的であるとされていた。これに対し、裁判所は、これ

  (一三四)

(10)

支配権変動に関する開示(二・完)一三五同志社法学 六一巻一号 は真の保有目的とは異なっていたとして、暫定的差止命令を出し、被告による権利行使を禁じた。   このように、支配目的を有している旨につき開示しないことが、一三条⒟項に違反しないかどうか問題にされるのは、

被告が会社支配権に影響を及ぼそうとしている場合である。これに対して、発行会社は訴訟を提起して、次のような救済を得ることができる。すなわち、支配目的を有している旨につき開示されるまでの間、またはさらに一定の期間、被

告による株式の買増しが禁じられる。場合によっては、委任状勧誘などの支配権の獲得につながるような行動、および株主としての権利行使が禁じられる可能性もある。以上のような事態は、会社支配権を獲得しようとしている大量保有

者は避けようとするはずであり、支配目的に関して十分な開示をしているか注意することになろう。

第二節  わが国における法の強制   保有目的欄の記載が事実と相違する場合、例えば、支配目的(重要提案行為等を行う目的)があるのに、純投資目的 であると記載していた場合、そのような記載は虚偽である

保置政行、はのるいてし担措を性効実の度制示開。的 178

出よ罰事刑報告書の提び命令)、お 訂正( 179

になされるかもしれいがという威嚇効果科罰に事る。このよう、で最終的には刑あ 180

よって、法の遵守が図られることになろう

181

  しかし、罰則が適用されるという枠組のみで効果的に制度の執行が図れるのか問題があることから

に課記載一ついて新たに徴虚金(時価総額の一○万偽びのよたっなと象対の)正にっよて、報告書の不提出お分 改の年○二成平、 182

(金商 183

法一七二条の七・一七二条の八)。このことに関しては、﹁保有目的の記載方法について厳格化されていることから、⋮⋮﹃純投資﹄、﹃政策投資﹄等の一般的な記載と矛盾する行為を行っている場合には、虚偽記載に該当しないよう記載

内容を改める等の対策も必要になる

﹂と指摘されている。 184

  (一三五)

(11)

支配権変動に関する開示(二・完)一三六同志社法学 六一巻一号

  平成二○年の改正では、行政的措置に関する改正も行われている

該令当、合場たれらせ発が命出提の書告報正訂①。 185

開示書類の全部または一部を公衆の縦覧に供しないでおくことができる(金商法二七条の二八第四項)。②公益または投資者保護のため必要かつ適当であると認められるときは、訂正報告書の提出命令を発した旨の情報を、当該開示書類

に併せて縦覧に供することができる(金商法二七条の三○の七第五項)。さらに、③金融商品取引法、および金融商品取引法に基づく命令に違反する行為を行い、または行おうとする者に対して、禁止または停止の命令(金商法一九二条

一項)を発するように裁判所に申立てる権限が、証券取引等監視委員会に委任された

(金商法一九四条の七第四項)。 186

  以上のような行政的措置によって、大量保有報告制度の効果的な執行を図るべきであるが、これまで述べてきたよう に、支配目的がある旨につき開示しないことが虚偽になるか否かということは、会社支配権の変動にかかわる場面で問題となろう。そこで、買収ルールとしての開示制度の実効性を確保するために、株式の買増しの制限よりも

、議決権の 187

制限を含んだ措置について検討することが重要性を増してきている

義性務として捉える必要を示唆する見解がある の上示)のことに関し、開義。務を会社法(私法こ 188

し、得取くなとこるすを示開な分十ばが。あでのるきでれとこるすうそ 189

た株式に関する議決権行使について、これを認めないことが可能となるかもしれない

190

結  語   支配目的がある旨の開示をしないことが違法となるのはどのような場合か、違反者にはどのようなペナルティーが与えられるべきか。本稿では、これらの点について検討した。その概要は次の通りである。検討にあたっては、米国の裁

判例、とりわけ支配目的があることについて開示するべきであったとした事例を手がかりにした。そこでは、支配目的

  (一三六)

(12)

支配権変動に関する開示(二・完)一三七同志社法学 六一巻一号 とは、会社の経営に影響を及ぼす目的のことであると捉えられており、支配目的を認定するための具体的な判断材料としては、大量保有者が①取締役の地位を求める意図、および②二○%の株式を取得しようという意図を有していたこと

が重視されている。

  わが国においては、平成一八年改正により、支配目的(会社の事業活動を支配する目的)の代わりに、重要提案行為

の概念が導入された。重要提案行為とは、会社の事業活動に重大な変更を加え、または重大な影響を及ぼす行為として政令で列記されている。大量保有者がこのような行為を行う目的を有している場合には、その旨につき開示する必要が

ある。もっとも、具体的にどのような行為が重要提案行為に該当するのかについては、明らかではない。

  米国でも、株式の保有目的に加えて、大量保有者が有している具体的な計画や提案事項につき開示することが求めら

れており、開示すべき計画や提案の内容には、広範な事項が列記されている。もっとも、重要となるのは、大量保有者が支配目的を有しているのかどうかということであって、①または②に関する意図を根拠に、支配目的を有している旨

につき開示すべきであると判示されてきたことは、わが国においても参考になると思われる。

  次に、支配目的を有していることを開示しなかったことが違法とされた場合、連邦裁判所は差止による救済を与えて

きた。すなわち、支配目的がある旨につき記載している訂正報告書が提出されるまでの間(または訂正報告書が提出さ

れてからさらに一定の期日が経過するまでの間)は、被告(大量保有者)による株式の買増しが禁じられる。この他にも、事案の内容に応じて、会社支配権の獲得につながるような行動を禁じた場合がある。株主権の行使については、本

案判決が出されるまでの間、暫定的に禁じられた事例がある。

  わが国において、開示を強制するために用意されている手段は、訂正報告書の提出命令を中心とする行政的措置、そ

して刑事罰である。また、平成二○年の改正で、報告書の不提出および虚偽記載は課徴金の対象となった。しかし、支

  (一三七)

(13)

支配権変動に関する開示(二・完)一三八同志社法学 六一巻一号

配目的がある旨につき開示するべきであったかどうかが問題となるのは、会社支配権の変動にかかわる場面であろう。

そのような場合、米国においては、発行会社が訴訟を提起することによって、前述のような救済が与えられてきた。このことは、大量保有者に支配目的を有していることにつき開示させるよう促すことになっていると考えられる(三章一

節三参照)。株主および投資者は、このような情報を得たうえで、投資判断をすることが可能となる。わが国においても、以上のように私人が法の目的の実現を図ることができるよう、制度の実効性を確保するための仕組みについて検討する

ことが必要である。そのためには、違反に対して、議決権の制限を含んだルールについて規定している英国の会社法制が参考になろう。今後は、このような観点から研究を進めたい。

s e-rdt-osisded-anerasSecuritiece﹂()。 juinnction)。 159peil ltynaciv)  Enforcement Remedies and Penny Stock Reform Act of 1990, Pub. L. No. 101429, 104 Stat. 931)。)、)。Block & Rudoff,

supra note 66, at 27 n.95. law enforcement

   、そdisgorgementSEC v. First City Fin. Corp. 890 F.2d 1215D.C. Cir. 1989. In re

  (一三八)

(14)

支配権変動に関する開示(二・完)一三九同志社法学 六一巻一号 Cooper Lab., Inc.

ch MIn re Buter Ventureanagement Co. 40、保、大

le13duheScD 89

160ano.Cv. Ind & Lryer MreIn ) 

Ao. C &erstm v.CSE 42

106

   、最

fectersu Isckto S aorn fiof A38 oseaue Catriv Pf Ae oncre, WIn97e, ot; N8119A1V. E. R. LEE L.&SHof Securities the Exchange (d) 13 Section 161hee , geidbrain. B21t , a66ot n nsupraf, ofud R &cklo BSeesupraot: T Wct A34’Section 13 (d) of the , erakmnaannee oliar Calso, See.628t , a79)  Act: After Touche Ross and Transamerica, Does an Issuing Corporation Have an Implied Private Cause of Action for Injunctive Relief ?, 31 CASE W. RES. L. REV. 5321981.

)。 、裁)。、一)。 377 U.S. 4261964 162, akImplied Private Rights of Actione v. CBasCI. J. oro. )  163) ]﹄

  (一三九)

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