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金融商品の測定に関する一考察 一 時価評価の論理 を中心 として-

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神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第14 20103239

● 修士論文要 旨

金融商品の測定に関する一考察

一 時価評価の論理 を中心 として‑

Astudyoftheaccountingmeasurementconcerning丘nancialinstruments :focusonthelogicofmark‑t0‑marketvaluation

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

柿 揮 由 衣

M ZAWA,yui

本論文では、金融商品の時価評価 について、保 守主義の観点か ら真実性のある会計情報 を投資家 や債権者 といった利害関係者に対 し提示で きるか を焦点 として、現行制度の課題 と今後の展望 を探 ることを目的 としている。

わが国 日本の会計基準では、一部の金融商品に おいて時価 を用いた評価方法 を採用 している。 日 本 は本来、取得原価主義 を採用 しているが、金融 商品に関 しては、金融商品の取引が多様化、複雑 化 して きたことや従来の取得原価での評価では期 末時点の時価 との差異が大 きくなって しまうこと か ら、企業会計における真実 な会計情報 を利害関 係者に対 し提供で きない とい うことで時価評価 を 採用 し、現在 も適用 されている。

しか しなが ら、2008年 の アメ リカ大 手投 資銀 行 リーマ ン ・ブラザーズが経営破綻 を したのを期 に、時価評価では財務諸表 に損失 が多 く計上 され て しまうことか ら、今 まで時価評価 して きた売買 日的有価証券やその他の有価証券 を満期保有 目的 有価証券 に振替 えるとい う緩和策 をとった。時価 評価 して きた ものを金融危機 のために原価評価す るとなると利害関係者の意思決定判断を誤 らせ る のではないか と考 えたため、それであった ら初 め

か ら時価で評価す るのでな く原価で評価 していれ ば、経営者、利害関係者 とも混乱が起 きなかった のではないかと考 えた。 そこで時価評価の必要性 について疑問を持 った。

また、会計基準の 目的は利害関係者 に対 し真実 な報告 をす ることが大前提 となっているが、 これ らに対 して も時価評価 は企業会計原則、一般原則 第一の真実性の原則 において違反 してい るのでは ないか と考 えた。 さらに、時価評価 が企業会計原 則、一般原則第六 の保守主義の原則 において も、

決算 日に評価替 えが行われ る場合 には、決算 日時 点の時価 が取得時の時価 よりも高かった場合 に評 価益が計上 され、 これが未実現利益 に該 当す るの ではないか と考 えたため、時価評価 は真実 な会計 情報 を提供す ることがで きない との結論 に至 った。

そのため、 日本の企業会計原則 に従 った会計情報 を作成す るには、時価評価 をどうす るべ きである か考察す る必要がある。

そこで、時価評価 をどうす るかよりも、大前提 として、現在では会計基準 を共通化す るといった コンバ ージェンスの動 きがあるが、 日本 は本 当に コンバ ージェンス したいのかそれ とも現行基準の ままでいきたいのか立 ち位置 を確立す ることが必

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要である。 そ して、会計基準 を統一化す るのであ れば、国際会計基準 を中心 と した考 え方 よ りも、

各国の代表 が集 まって、 また新たな会計基準 を開 発す る方が、取引す る金融商品や測定方法が統一 され、上場 している企業 だろうが上場 していない 企業であろうが、全ての企業間比較が可能 とな り、

利害 関係者 に対 し有用 な会計情報が提示で きるの ではないか と考 えた。その上で、時価評価 が必要 であるな らば さらなる検討 を加 えて採用す るか判 断 し、原価評価 の方が良いとい う判断があれば原 価評価 を採用す ることが良いのではないかと考 え

る。

これ らの ことを証明す るために、本論では

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章 構成 で展 開 してい る。 まず第1章で は、金 融商品 会計基準 の国際比較 と題 し、 日本 の金 融商 品会 計基準、アメ リカFASB会計基準、国際会計基準、

JW G基準案 の現行 の基 準 を比較 し、本論 の土 台 とした。続 いて第2章では、わが国 日本の金融商 品会計の測定基準、時価評価 が導入 された背景や 会計基準の コンバ ージェンスの動向、 リーマ ン ・ ブラザーズの経営破綻の全貌 を論 じることで、時 価評価 にはどういった問題点があるのか改めて明 記 した。 また、第

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章では、取得原価主義の特徴 と時価評価 の特徴 として公正価値会計の特徴 を挙 げ、今後、会計基準の コンバ ージェンス化が進ん でい る中で 日本、 アメ リカ、EUは どう動 いてい るのかを踏 まえ、時価評価 は企業会計原則 に従 っ て、利害関係者 に対 し真実な報告 がで きるのかを 検討 し、終章では、時価評価の今後の展望 として、

時価評価 を採用す るべ きか否か、 また会計基準の 今後 も踏 まえ論述 した。

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