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学 位論文審査の要旨 主査

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Academic year: 2021

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(1)

博士(情報科学) 都築卓有規

学 位 論 文 題 名

多様体上の非線形制御系の大域漸近安定化に関する研究 学位論文内容の要旨

  本研究では,非線形制御系の原点への大域漸近安定化問題を扱っている,従来の大域漸近安定化問 題では線形空間上の非線形制御系を対象とすることがほとんどであったが,実際には非線形制御系 は曲がった空間である多様体上に存在する場合が少をくなぃ.例えば,ロポットアームで回転数を 数え をい角 度を状 態として合む場合,すなわちOと2兀を同一視する場合には,角度の成す空間は 直線ではをく円環と教る,同様に人工衛星の姿勢を考えると,状態のをす空間は3次元特殊直交群 とをる.また.移動物体の障害物回避問題では,穴の開いた空間を考える必要がある,このように線 形空間と同相ではをい空間上の制御系は,をめらかな制御則では大域漸近安定化不可能であること が知られている.本研究では,このようを系の制御手法として,勾配的Morse‑Smale制御系の設計法 の応 用であ る流れ の位相 幾何構 造の遷移 を用い た方法 と,制 御Lyapunov‑Morse関数(CLMF)を用 いた 方法を 提案し た.提案したCLMFによる方法は,さらに,不連続制御則をもつ制御系の解の定 義,CLMFによる 安定化 法,遺 伝的プ ログラ ミング を用い たCLMFの探 索,の3っに分 けられ る.

(1)流れの位相幾何構造の遷移を用いた大域漸近安定化法

  既存手法のーつである勾配的Morse‑Smale制御系の設計法では,厳密を意味での大域漸近安定化 が不可能をため,条件を緩和した,ほとんど至るところ大域漸近安定を制御系の設計を目的としてい る,ほとんど至るところ大域漸近安定とは,測度ゼロ集合を除いた任意の状態から始まる解軌道が原 点に収束することを意味する.勾配的Morse‑Smale制御系の設計法は,流れのConley指数理論を用 いることで,制御系から導かれる流れの位相幾何構造に注目している.勾配的Morse‑Smale制御系 の設計法では,代数位相幾何を用いることで自明ではをい流れの位相幾何構造を解析し,その情報を 利用することで,ほとんど至るところ大域漸近安定化を実現する制御則を設計している.流れに摂動 を与えることで,ある流れの位相幾何構造から異をる流れの位相幾何構造への変化することを流れ の位相 幾何構 造の遷 移と呼ぶ,この遷移はConley指数理論における特異遷移行列を用いることで 解析できる,本論文では,勾配的Morse‑Smale制御系の設計法の応用として,特異遷移行列を用いる ことで.流れの位相幾何構造の遷移を利用したほとんど至るところ大域漸近安定化制御則の設計指 針を明らかにした.

(2)制 御Lyapunov‑Morse関 数による大域漸近安定化法 A.不 連 続 制 御 則 を も つ 制 御 系 の 解 の 定 義

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(2)

  CLMFに よる 安定 化法では,CLMFから自然に得られる不連続制 御則を用いることで厳密な 意味 での大域漸近安定化を目的としている,ただし,なめらかを制御則を持つ制御系の解と異をり,不連 続 制御則を持つ制御系の数学的を解で普遍的を方法は存在しをい.今までに提案されている不連続 系の解としては,Filippovの解,Krasovskiiの解,Euler解,一般化Sampling解をどがあるが;どれも本 研究に適用するには不都合が生じてしまう.そのため,Filippovの解における問題点である寄生解を 除去することを考えた.寄生解とは,数学的には存在するが,実際の対象には存在しをい解のことで ある,本論文で,Filippovの解から寄生解の一部を除いた新しい解の定義を提案し,この解の数学的 意味での存在性を示した.

B.制御Lyapunov‑Morse関数による大域漸近安定化

  多様体上の入カアフ イン制御系の大域漸近安定化 問題に対して,不連続制御則を用いるCLMFに よる 方法 を 提案 した .本論文で定義したCLMFとは多様体上の制御系に 定義されたある関数であ り,従来用いられてい た線形空間上の制御系の制御Lyapunov関数(CLF)を,多様 体上の制御系に 拡張したものである. 勾配的Morse‑Smale制御系の 設計法が流れの位相幾何構造 を利用している のに 対し ,CLMFによ る安 定化 法 では スカ ラー 値関 数 であ るCLMFを 利 用している.CLMFによる 大域漸近安定化法の主 結果のーっとしてとして,「 あるCLMFを少をくともーつ見っければ,その CLMFから自然に導かれ る不連続制御則を用いること で大域漸近安定化が可能である.」という定 理が得られた.このと きCLMFから具体的を制御則を与える方法も同時に示した,ただし,不連続制 御 則 を 持 つ 制 御 系 の 解 と し て は , 本 論 文 で 提 案 し た も の を 採 用 し て い る .

C.遺伝的プログラミンを用いたCLMFの探索

  上記のよ うに,CLMFを少をくともーつ 探索することで不連続を大域漸近安定化制御則を設計す ることができる.しかし,CLMFを探索する系統的を方法は,現在のところ存在しをい.そのため,遺 伝 的プ ログ ラミ ン グ(GP)に 注目 し た.GPは遺伝的アルゴリ ズム(GA)の一変種であり,GAが個体 の情報を配列で表現するのに対し,くキは個体の情報を木構造で表現する,そのため,GPは関数を解 析的に扱うことが容易であるという利点がある.特に,関数の微分を近似ではをく,解析的に処理す ることがで きる,よって,CLMFが満たす べき条件を,CLMFの時間微分に入カが陽に現れをい曲面 上 にお いて ,容 易に計算する ことができる.このようにCLMFを求めるためにGPを利用 すること は有効であ るため,本研究ではGPを用い たCLMF探索アルゴリズムを提案した.そして,簡単を例 題を用いてその有効性を確認した,

  この研究によって,曲がった空間である多様体上の制御系の大域漸近安定化法の一解法として,

流れ の 位相 幾何構造の 遷移を用いた方法と,それと は異をるCLMFを用いた方法 を示した.特に CLMFに よる 方法 では ,提 案 したGPア ルゴ リズ ム を用 いる こと で,計算機を用 いてCLMFを探索 し安定化を実現でき ることを明らかにした.

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学 位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

山下 金子 小野里 石動

学 位 論 文 題 名

    

裕 俊一 雅彦 善久

多 様体上の 非線形 制御系の 大域漸近 安定化に関する研究

本研究 では、非 線形制 御系の 原点への大域漸近安定化問題を扱っている。従来の大域漸近安定化 問題で は線形空 間上の 非線形 制御系を対象とすることがほとんどであったが、実際には非線形制 御系は曲がった空間である多様体上に存在する場合が少をくをい。例えば、ロポットアームで回転 数を数 えない角 度を状 態とし て含む 場合、 すをわ ち0と2襾 を同一 視する 場合に は、角度の成す 空間は直線ではをく円環となる。また、移動物体の障害物回避問題では、穴の開いた空間を考える 必要がある。このように線形空間と同相ではない空間上の制御系は、なめらかを制御則では大域漸 近安定化不可能であることが知られている。本研究では、このようを系の制御手法として、勾配的 Morse‑Smale制御 系(GLMS制御 系)の 設計法 の応用 である 流れの 位相幾 何構造 の遷移を用いた方 法と 、 制 御Lyapunov‑Morse関 数(CLMF)を 用い た 方 法 を提 案 し て いる 。 提 案 したCLMFによ る 方法は 、さらに 、不連 続制御 則をもつ制御系の解の定義、CLMFによる安定化法、遺伝的プログラ ミングを用いたCLMFの探索、の3つに分けられる。

  GLMS制御系 の設計 法では 、厳密 を意味 での大 域漸近 安定化が 不可能 をため 、問題設定を緩和 し、ほ とんど至 るとこ ろ大域 漸近安 定を制 御系の 設計を 目的と している 。GLMS制御系の設計法 は、流 れのConley指 数理論 を用いることで制御系から導かれる流れの位相幾何構造を用いること で自明ではをい流れの位相幾何構造を解析することで、ほとんど至るところ大域漸近安定化を実現 する制御則を設計している。摂動によりある流れの位相幾何構造から異なる流れの位相幾何構造へ の変化することを流れの位相幾何構造の遷移と呼ぶ。この遷移は特異遷移行列を用いることで解析 できる 。本研究 では、GLMS制御 系の設計法の応用として、特異遷移行列を用いることで、流れの 位相幾何構造の遷移を利用したほとんど至るところ大域漸近安定化制御則の設計指針を明らかにし ている。

  CLMFに よ る 大域 漸 近 安 定化 法 で は、GLMS制御系 の設計 法とは 異誼り、 不連続 制御則 を用い た厳密な意味での大域漸近安定化を目的としている。ただし、なめらかを制御則を持つ制御系の解 と異なり、.不連続制御則を持つ制御系の数学的を解で普遍的な方法は存在しない。今までに提案さ れている不連続系の解としては、Filippovの解をどがあるが、どれも本研究に適用するには不都合 が生じてしまう。そのため、Filippovの解における問題点である寄生解を除去することで問題を解 決して いる。本 論文に おいて は、Filippovの解から寄生解の一部を除いた新しい解の定義を提案

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(4)

し、この解の数学的意味での存在性を示している。

  CLMFによる 大域漸 近安定 化法で は、多 様体上 の制御系 の大域 漸近安定化問題に対して、CLMF を用いた 不連続 制御則 の導出 法を提 案して いる。GLMS制御系 の設計法が流れの位相幾何構造を 利用して いるの に対し 、CLMFに よる安定 化法で はスカ ラー値 関数であるCLMFを利用している。

本論 文 の 主 結果 の ーっ として 、「あ るCLMFを 少をくと もーつ 見っけ れぱ、 そのCLMFか ら自然 に導かれる不連続制御則を用いることで大域漸近安定化が可能である。」という定理を得ている。

このときCLMFから具体的を制御則を与える方法も同時に示している。

  上記の ように 、CLMFを少をくともーつ探索することで不連続な大域漸近安定化制御則を設計す ることが できる 。しかし、CLMFを陽に導き出す系統的な方法は、現在のところ存在しない。その ため、本 論文で は遺伝 的プロ グラミ ング(GP)を 用いてCLMFを探 索している。(泪は遺伝的アル ゴリズムの一変種であり、(キは個体の情報を木構造で表現する。そのため、(キは関数を解析的に 扱うことが容易であるという利点がある。特に、関数の微分を近似ではをく、解析的に処理するこ とが で き る 。よ っ て、CLMFが満 たすべ き条件 を、CLMFの 時間微 分に入 カが陽 に現れな い曲面 上に お い て 、容 易 に計 算する ことが できる 。この ようにCLMFを求め るため にGPを利 用する こ とは有効 である ため、 本研究 ではGPを 用いたCLMF探索ア ルゴリ ズムを提案している。そして、

簡単を例題を用いてその有効性を確認している。

  これを 要する に、著者は、非線形空間である多様体上の非線形制御系について、流れの位相幾 何構造の 遷移に よる方 法と、 それと は異を るCLMFと不 連続制 御則を用いた大域漸近安定化法を 新たに提案している。これらの結果は、制御工学分野に対して貢献するところ大をるものがある。

よっ て 著 者 は、 北 海 道 大学 博 士 ( 情報 科 学 ) の学 位 を 授 与さ れ る 資 格あるも のと認 める。

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参照

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