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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の2 別紙2

論文審査の結果の要旨

専攻名 システム創成工学 氏 名 若園 毅

本論文は、「オフアキシャル光学系の収差解析に関する研究」と題し、光軸に対して回転 対称性のない光学系における収差を解析分類し、オフアキシャル収差表示テンソル成分を アジムス依存性の無い収差係数に分離し、更に収差の性質、特徴が理解しやすい形に収差 係数を変形した。この結果、各収差の関係が明確になり光学設計に役立つ理論が構築でき た。続いて、2枚構成オフアキシャルミラー反射光学系を実際に設計し、3次までの収差解 析を行った。光学配置、構成の違いにより収差特性が異なることが明らかになり、オフア キシャル収差論が光学系の初期形状探索に有効活用できることが示された。

以下に本論文の構成と各章の内容について述べる。

第1章の序文では、折れ曲がった基準軸に沿って自由曲面の偏向面が配置された光学系を オフアキシャル光学系と呼び、自由曲面加工技術の向上に伴い、様々な機器、製品に適用

されていることを述べた。この光学系では、光学配置、形状自由度から仕様、性能上のメ リットがある一方で非対称な収差が発生することを指摘し、非対称収差の解析、収差補正 の指針を得るため近似理論が必要となることを述べた。

第2章においては、オフアキシャル光学系の概要、及び光学系の表現方法の一般論を述べ た。

第3章では、荒木が提唱したオフアキシャル収差論の概要について述べ、光線4元ベクト ル、収差4元ベクトルを導入し、折れ曲がった基準軸に沿った近軸展開により収差4元ベク トルは収差係数テンソルとして表すことができることを述べた。

第4章では、1次から3次までの各収差係数テンソル成分を設計者にとって理解し易い収差 係数に変換し、各収差係数に起因する収差の形状を光路図、スポットダイアグラム及びチ ャートを用いて図式化し、各収差の性質、特徴を分析した。

第5章では、光学系の対称性により残存、消失する収差を明らかにした。具体的には1平 面対称なオフアキシャル光学系では対称性の全く無いオフアキシャル光学系に対して半分 の収差が消失し、2平面対称光学系では偶数次の収差が完全に消失し、奇数次の収差は1平 面対称光学系と変わらない、回転対称光学系では共軸回転対称光学系のザイデル収差に帰 結することを明らかにしオフアキシャル収差論が従来の共軸回転対称光学系 3次収差論の 拡張概念であること説明した。

第6章では、オフアキシャル光学系を実際に設計し収差解析を行う。具体的には光学配置

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の異なる2タイプの2枚構成オフアキシャルミラー反射光学系において、全系及び各面で発 生する収差係数を算出し、各タイプで発生する1次~3次収差の特性を明らかにする。更に 基準面が偏向前後で合致しない所謂”ひねり”が発生した場合の収差特性への影響につい ても考察した。

最後に第7章で本論文のまとめをおこなった。

本論文については、平成28年2月2日、審査委員および関連分野の研究者が出席して公聴会 が開催された。論文発表の後、質疑応答が交わされたが、特に問題はないことが確認された。公 聴会終了後ただちに学位審査委員会を開催し、本論文の内容について詳細に検討した。その結果、

回転対称性のないオフアキシャル光学系の設計において、各収差の特徴・関係・解釈が明確 になり、本論文で述べられた収差理論は、見通しの良い設計手法を与えることが明確にな った。さらに、実際の光学設計に適用し、その有効性を実証したことなどの意義は大きいと判 断した。研究成果は工学的に価値があり、研究内容の学術的水準と独創性においても優れている と判断した。

よって本論文は、博士(工学)の学位論文に値するものと認める。

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