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ドイツ経営会計体系論の展開

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ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

一 Kalkhof経 営会計論へ の管理会計的視 点か らの接近一

佐 藤 誠 二

日   次 正 .  問題の所在

I。   経営会計体系論の展開

Ⅲ。   経営会計体系論の新 しい展開一 Kalkhofを 中心に一 1. Kalkhofの 問題設定

2.  経営会計の任務

3.財 産・ 財務・ 成果状態についてのマネージメン ト指向的選択 (35巻 3,4号 )

4.貸 借対照表基準法案へのマネージメン ト指向的分析 (本 号 )

5。 マネージメン ト計算システムと外部会計報告 システムとの統合

Ⅳ。 問題の再提起一結びにかえて一

4.貸 借対照表基準法案へのマネージメン ト指向的分析

Kalkhofに あっては ,マ ネージメント計 算システム (以 下 ,MRS)も 外 部会計報告システム (以 下 ,ERS)も 経営会計のデータを基礎とし ,企 業情 報 システムの情報加工的サブシステムとして位置付け られるものである。しか し ,他 方で二つの会計用具の間には一連の基本的相違も存在するとい う。つま り ,ERSの 情報は外部の意思決定担い手に対し ,主 として規定される。それ は企業のマネージメントにとっても意思決定の基礎として関連するが ,そ もそ もマネージメン トの意思決定に対 して どの程度適合す るかは ,加 工 される情報 の質 と りわけ意思決定関連性に左右 され るとい う。 また ,MRSの 情報宛先は マネージメン トであ り ,特 別の場合には準内部意思決定担い手である。そ して

MRSの 構想はその特質を ,理 論的に基礎づけ られ るがプラグマテ ィックに方 向づけ られ る要件 プロフィールに具体化 され るところの■ネージメツ トに特有 の情報欲求を指向す るとい う。そ こで ,統 合的 システムた る企業計算 システム

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法経研究 36巻 2号 (1987)

を構想す る場合には ,企 業 プロセスの操縦に とって不可欠であ り ,ERSか ら は法律上 の規定に基づ き提供 され得ない ような情報を提供するとい う任務を M RSが 担 うこ とに な る。 1)

か くして ,Kalkhofは MRSを 残余情報機能を果たす ものと位置づけるの であるが ,こ の場合 ,vRSの 範囲 と構成は ERSが いかにマネージメン トに 特有の情報欲求を くみ とるかに係わ ることになる。そ こで ,か れは ,EC4号 指 令を契機 とした

:ド

イツ会計法の転換過程について 1983.8.26の 貸借対照表基準 法案を取 り上げ ,  ドイツの ERSの 本質を規定す る .こ とに もなるこの基準法案 が マネージメン トの情報欲求の視点 ,す なわ ち情報指向的および意思決定指向 的視点をいかに くみ とるかについて分析を試み るのである。 ここに言 うマネー ジメン トの情報欲求については既に前節で見てきた。 また ,そ こでのかれの分 析尺度は財産・ 財務・ 成果状態 (VFE)と い う目標パ ラメーターであった。

それでは ,彼 はこの分析尺度か ら貸借対照表基準法案に対 してどのような評価 を下すのであろ うか。以下 ,Kalkhofに 従い ,tll目 的および 目標 指向 的 分 析 ,f21成 果計算構想の分析 ,t31財 務計算構想の分析 ,441財 産計算構想の分析 153

計画化 0統制・ 操縦関連性の分析の順で彼の論述をおってみよう。

l■ J  目的および目標指向的分析

貸借対照表基準法案は「財産・財務・収益状態の実質的諸関係に合致した写 像を伝達 しなければならない」とする EC4号 指令の一般規範を商 法 典 草 案 237条 2項 において収容させたが ,そ の理由書ではこの幅広い目標設定に対 し , それが株式法 149条 の規定と比較 して「 何ら原則上の変更をもたらすものでは ない」として限定づけた。 Kalkhofは ,こ の規定は従来の法と同じく個別 規 定を目標規範 より上位に置 くことを要請 し ,そ のため目標規範が異議を持たな くなる危険性をはらむことを指摘する。かれによれば ,こ の懸念はとりわけ ,個 別規定に対する「真実且つ公正なる概観」の支配性が確保されるという EC4

号指令 2条 5項 の無視により生ずるとされる。また ,実 質的諸関係への写像が

正規の簿記の諸原則を遵守して伝達されるべきとい う商法共草案 237条 2項 2

.の 規定は ,実 質的諸関係今の写像 (真 実且つ /AA正 なる概観 )と 正規の簿記の

諸原則との要請がいわば「 同語反復」に陥るものであることも指摘する。さら

年 ,Kalkhofは それとともに ,商 法規定と結合する目的および目標 設定の分

析にとっては ,  ドイツにおける商法と税法との関連性を考慮 してなされるべき

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ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

ことも指摘して ,次 のようにいうのである。「商法共における黛借対 照表計 上規定と評価規定を法形態依存的に法典化することによって ,転 換法は貸借対 照表を作成する全ての商人に対して法適合性を要請する。しかし ,そ れと同時 に連合体参加者の間の利害比較も内包する。このことは ,特 に資本提供者 (所

有者 ,株 主 ,社 員 ,債 権者 )に とってデ般的性格を峙つこと一会社形態に特有 の規制は別にして―になる 6そ れ年対して国庫は測定基礎に依存的な稗収入の 獲得というその利害を ,相 応の税法規定によって保証しようとする。と同時に 貸借対照表税法を特有の総合経済的目標を実現する管理用具として基礎づけて いる。この日標を達成するためには ,立 法者には行動変数として直 rin的 税負担 と税の軽減を利用する可能性が委ね られる。他方 ,法 律上法典化 された貸借対 照表計上選択権と評価選択権に関 して日標は達成可能である。しかし ,選 択権 へのこの税政策的利用は実質的に経済実現された利益に違反する。 ドイツ ?法 体系に具体化された商事貸借対照表 と税務貸借対照表との基準性原貝 Uを 介して の密接なる関係一これは現実には基準性の逆転になっているが一に関して ,税

法立法者の目標設定が商法上の貸借対照表計上と評価と の 係 わ りが ■ ら■

る。 2)」 っまり ,税 法上の貸借対照表計上および評価選択権は ,例 えば税務上 の所得計算における費用の事前計上を通じて将来 ,税 収入を延期することによ って ,税 猶予に影響することになるが ,商 事貸借対照表において相応の費用計 上が行われないとすれば ,そ の場合 ,商 法上の利益は税法上の利益を上回るこ とになる。この

7‐

3過 した成果部分は資本提供者に利用され ,税 当局は税収入を

断念するとい う結果となるために ,立 法者は財政の資金 Lの 要請を充足するた めに商事貸借対照表に相応の貸借対照表計上および評価選択権を通じて税法上 の選択権の利用を実現させた。貸借対照表基準法では ,「 潜在的税金」の項 目 を設けることによってこのいわゆる逆基準性の原則 を 調 整 した の で あ る。

Kalkhofは ,こ の点に関して ,「 いわゆる逆基準性原則の不法行為は潜 在的 税金に対する積極側と消極側の相殺項目の導入によって取 りのぞかなければな らない 3)」 とし ,貸 借対照表基準法案は商法典草案 251条 において「税配分」

を規定 したが ,商 事貸借対照表と税務貸借対熊表との間の離反余地がかな り限 定され ,財 政の要請は配当制限と結びついて積極 all限 定の場合 ,保 証されたと い う。 しかしなが ら ,か れは反面 ,Fそ の代わ りに ,立 法者は実際の基準性原則 の逆転によって貸借対照表め言明能力に大きな侵害を導 くことになる商法上の 利益の歪みを背負いこんだ」 4)と もい う。 そ して ,貸 借対照表基準法案は /A■ 開義

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法経研究 36巻 2号 (1987)

務ある企業に対 して税法上許容される貸借対照表計上 と評価および商法上禁上 される価値見積 もつ か ら生ずる差額とを分 離 して把 握 ,表 示することを規 定 し ,も って ,か かる情報欠 IIFEを 除去しようとしたとするのである。そ してまた , 彼は上のような差額の原因となるものには税法上許容される減 価 償 却・価 値 勘 り下げ・免税積立金の計上等があ り ,  これ らか ら生 じた差額は準備金的性格 を持つ特 llj項 目によって調肇せ られるが ,そ れは確かに情報撃善ともみられる にせ よ ,免 税 31当 金の場合の経営経済的に費用が把握されず商法上に過つた戊 某構成要素を算入すること ,あ るいは直接成果作用を回避する価値増加引当金 の場合の計画および計画外変動を監視するとい う記帳技術上の困難性があるこ

と等 ,問 題をはらんでいることを指摘するのである。

以上か ら ,Kalkhofは 立法者は貸借対照表基準法案において商事貸借 対 照 表 と税務貸借対照表との相互関係を是が非でも維持 しようとするとともに ,商

法上の会計報告の情報内容をより高めようとした。この点 ,税 法上制約された情 報の歪みを明瞭にしようとする立法者の意図が認識できるとする。 しかし ,追

加的情報によって歪みある情報内容を中立化するとい う試み は ,情 報 用 具の

「 拡張」を制約し ,そ れどころか会計報告の容認 しえない「 複雑化」を導 くだ ろ うとしている。さらにまた ,日 標および目的との係わ りでいえば ,か れは貸 借対照表基準法案による会計報告の言明能力の妨害は ,基 準性原則を介しての 商事貸借対照表と税務貸借対照表との結合をめぐって ,そ れも特に税法と結び 付 く管理 目標が商法上の会計報告へと結合する点において ,み てお り ,こ のこと が従来の法と同様に成果と財産の表示に対する歪みを生ぜじめているとする。

言明能力の改善は確かに ,準 備金的性格を有する特別項 目にみ られる税務上制 約される歪みを分離 して把握・表示することによって達成される力ヽ しかし , そのことによって会計報告情報が「複雑化 Jさ れ ,実 行可能な適用とい う構想 が遮 られることになるのであ り ,従 って ,基 準性原則は実質的諸関係の表示と の関連では「 制動機」 (Hemmschuh5))と みなされるとい うのである。 かれ によればブ貸借対照表基準法案はかかる基準性原員 Uの 逆転とい う情報の歪みへ の原因を取 りのぞ くかわ りに ,専 ら「 兆候」 (歪 みある情報内容 )を 治療 しよ うと努めてお り ,こ の場合 ,貸 借対照表基準法案への分析は MRSと ERSの

目標数値すなわち収益 (成 果 ),財 務状態 ,財 産 (成 果潜在能力 )を 指標とし

た細目規定への分析へと委ねられることになる。

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ドイツ経営会計体系論の展開 (2.完 ) 121  成果計算構想へ分析

さて ,Kalkhofは 次いで ,成 果計算構想への分析と論を進 めている。彼 =は

その場合 ,成 果計算の構成要素 ;方 法の二つの視点に区男 1し て分析している。

ここで ,そ の論点を整理すれば次のとお りである。

a.成 果計算構成要素への分析

まず ,構 成要素への分析に関しては ,EC4号 指令の成果構成要素は費用と 収益に基づき定議され ,MRSの 枠内では原価と給付として定議されるが ,経

営目的関連的で直接に収支に作用する成果構成要素については ,そ れが MRS

と ERSの どちらに帰属しようとも ,同 じ関連基礎を有している。従って ,計 算報告構想の間にある相違の原因としては直接収支に作用しないカルタラ トー

リッシュな構成要素の額である。貸借対照表基準法案の構成要素も EC4号 指 令のそれと同様に定義される為に ,分 析は究極的にはカルクラトーリッシュな 成果構成要素にむけられるとい う。その場合 ,Kalkhofは 維持計算構想を分 析の申心にして MRSの 成果計算構成要素は EC4号 指令のそれと比較 して , 構想上 ,然 程明確な相違をしめすものでないと考えている。「 マネージメント 成果計算の構成要素の決定は実質的財産価値の給付適合的維持を前提とする。

その場合 ,技 術進歩が どの程度考察されるのか ,再 調達原価は販替時点で計算 されるのかが出来るだけ考慮される。資本調達構成が維持計算によって考慮さ れない利益の二重負担を回避すべきとする要請は ,『 潜在的資本調達修正』に 合致する。指摘されるように ,カ ルクラ トーリッシュな価値修正計算は ,十 分 な利益が獲得され企業実体の維持が保証される場合に限って実施 される。 EC

4号 指令あインフレ貸借対照表作成への規定と MRSの 維持構想との比較は , 後者が特別の要請基準に基づき具体化した 33条 1項 aに 示される方法にはかな

らないことが示される。 したがって ,結 論としては指令の提案の構想か ら経営 経済的に根拠づけ られた維持計算の枠組を提供することが確認される。 6)」 そ こで ,Kalkhofは むしろ貸惜対照表基準法案において批判的評価をみている。

かれは ,EC4号 指令 33条 はインフン影響の把握に対 して構想の視点か らも形 式の視点か らも殆 ど無限走な形成余地を国家の選択権として加盟国の立法者に ゆだねたが ,  ドイツではこの援権規定を断念したために貸借対照表基準法案が

EC会 計制度の調和化と矛盾する方向をしめしているとしている。「貸借対照 表基準法案は確かに商法典 237条 2項 の意味で『 真実且つ公正なる概観』の一

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法経研究 36巻 2号 (1987)

般規範を収容 したが ,  しか し ,EC4号 指令33条 の転換への断念は ,会 計報告 が財産・ 財務・ 収益状態の実質的諸関係に合致 した写像を提供 しなければな ら ない とす る原理 とは対立す る。それ どころか ,断 念の中では EC4号 指令の中

途半端な転換が明確に文書上みてとることができる。このことは確かに『現在 の法状態にとって原則上の変更を出来る限り回避することがこころみられる』

ことが理由となっている。 7)」 ところで ,か れに よれば ,か か る実質的諸関係 への写像の困難性はいわゆる逆基準性を商法典に法典化 したことにも依るとし ている。すなわち ,商 法典 265条 では ,商 法上 の評価および積極計上規定が , 税法が税上 の利益算定における価値見積 もりを相応の商法規定 とは係わ りな く 承認す る場合には ,離 反 されてもよいと規定 しているが ,こ の規定に よって基 準性原則の逆転が法典化 され ,そ の結果 ,経 済政策および社会政策的 目標設定 か ら誘導 される税務上 の選択権が商法会計報告 までおよび ,成 果計算構成要素 したがって成果表示に対 し直接的影響を及ぼす ことになった。 しか し ,税 選択 権 の商法上 の成果算定への反映は実質的諸関係の洞察を困難な ものとし ,マ ネ ージメン ト成果計算の要請を満たす ものでないのであって ,個 別評価を考慮す る場合 ,  このことは全ての税務上制約された価値見積 も りに妥当 し貸借対照表 基準法案 の規定か ら算定 され る成果要素と MRSの 基準に よって算定 され る成 果要素との間の過った相違が生ず ることになる ,と す るのである。 ともあれ , かれは ,  ドイッにおいては経営経済学が商事貸借対照表 と税務貸借対照表に対 す る維持構想を示唆す るのに苦心 してきているに も拘 らず ,外 部報告に とって の維持計算は相変わ らず例外 となってお り ,そ の点では相応の規定 もな く将来 において も恐 らくかわ らないであろ う。 したがって ,「 無視 してはな らない こ とは内部計算 システムにおいて価 4̲L昇 影響を繋 ぎ止めることにある 8)」 と結 ぶのである。

b.成 果計算の方法への分析

さて ,EC4号 指令は損益計算書の分類に関 して総原価法 と売上原価法を代 替的に ,そ の都度段階形式 と勘定形式 とで規定 している。国家の選択権 ,企 業 の選択権を もふまえたその意味は経営経済的視点か ら ,損 益計算書の主要任務

は 「 成果源泉を認識 させ る」とい う点で理由づけ され る。 この要請は生産 ,財 務 領域 ,臨 時取亭 │か らの成果額の間の経営給付の分離に相応する。  Kalヒ hofに

よれば ,こ の EC4号 指令の主 張を MRSと の係わ りで な れ ば ,マ ネージメ

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ドイツ経暴会計体系論の展開 (2完 ) ントを指向した成果計算方法を誘導する場合には制約的ではあるが実施 しうる のであ り ,そ れは方法が専 ら全部原価に基づ く場合に妥当するとい う 6確 かに 限界原理が関連づけ られる場合 ,例 えば限界原価計算の場合には諸々の有高変 動の影響を被ることになるが ,EC4号 指令は原価計算方法を明示はしないに せ

:よ

全部原価計算方法が基礎におかれることが推量され ,全 部原価基準に基づ く売上原価法が MRSで の補償貢献額構想に困難なくくみこまれる こ と 1に な る。また ,当 該部門の製造 ,管 理 ,販 売領域に対する変動費と固定費要素を分 解して原 価データをしめすならば ,売 上原価法は相応の中間数値 (補 償 貢 献 額 ,製 造領域 )を 考慮した段階式で限界価値計算に組み込むことも可能である とする。以上か ら ,EC4号 指令の分類構成はマネージメント情報および意思 決定要件の予備的考察にとって利用される成果計算構想の前提となる。分類が 給付負担者 (製 品 ,領 域等 )に むけられればフロー数値 ,原 価 ,利 益との関連

が透明とな リメ方法は企業の実質的成果状態への明瞭な洞察ヘー層の貢献を提 供することになる。

これに対 して ,貸 借対照表基準法案は総原価法による段階形式の損益計算書 分類を規定している。 Kalkhofに よれば ,こ の総原価法は ,企 業給付を把 握 し ,費 用を認識可能にし ,長 期製造の場合は唯一言明能力ある方法である (経 営経済的言明能力 ),計 算技法上簡便である (作 成の簡便性 ),不 正確性と操

作性の余地を減ずる (/A■ 平性 )と いった利点 9)を 有してお り ,そ れらは相応の 根拠をもつことか ら ,む しろ問題なのは転換法によって規定される総原価法ヘ の限定が ,「 真実且つ公正なる概観」とい う目標設定あるいは ECに おける会 計法の調和化にどの程度 ,関 連するのかとい う点であるとい う。この点 ,か れは 売上原価法と総原価法の択一的利用を認める他の EC加 盟国と比較 して商法典 253条 1項 の総原価法への分類規定は ECに おける調和化への離反とみている。

また ,総 原価法のみを許容することは散見される事例か らして実質的諸関係へ の洞 察を満たす ものでないとする NiChusの 主張 10を 引きなが ら ,「 ここで は情報および意思決定指向的視点か ら ,売 上原価法が総原価法と比較 してそれ ほど困難性な く補償貢献計算に修正される。そ して逆に補優貢献計算のデータ は売上原価法に必要な情報を圧縮しうる限 りにおいて ,利 点を有していると付 記 しよう。 lD」 としてぃるのである。

他方 ,財 務関連領域と臨時的領域について ,Kalkhofは こう述べて い る。

すなわち ,マ ネ‐ジメントの情報 と意思決定要請に十分答える ,包 括的計算用

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法経研究 36巻 2号 (1987)

具を展開す るには財務関連領域 も臨時領域 も上でみた経営関連領域同様 ,マ ネ

‐ジメン ト成果計算 システムに統合されることが必要であるとい う。 このこと は と りわけ ,マ 不―ジメン トの意思決定に とって短期情報が必要 となる側面で 重要であ り ,か れに よれば ,貸 借対照表基準法案はかか る短期操縦用具の形成 に対 して構想上の基礎を掲示するものではないと指摘す るのである。そ して ,

こうして財務関連領域 と臨時領域を論 じる場合 ,成 果状態の分析に加えて ,さ らに財務状態財産状態への分析が行われなければな らない とされ るのである。

t31  財務計算構想への分析

財務資金指向計算の対象は財務状態の説明にある。成果計算書と貸借対照表 の情報か らは ,実 際 ,財 務上の動向と状況を直接解明 しえない 故 に ,会 社 の 財務状態の実質的諸関係に合致した写像を包含する補足計算が必 要 とな る。

Kalkhofは 貸借対照表基準法案は EC4号 指令の議事録説明「 資金計 算書を 作成 し開示することを特に立法において要請する可能性が余地として与えられ る Jと する国内選択権を看過 したとい う。貸借対照表基準法案は財務局面の把 握に対 して何ら規定しなかった ,と し ,か かる財務指向的情報の開示は経済監 査士協会の専門意見の表明において要請されたが ,1987.1の 経済監査士 協 会 の専門意見は一義的把握方法 も選択しなかったために ,将 来においても統一的 に標準イ しされた ,  したがって ,比 較可能な財務計算情報 も期待 しえないとする のである。また ,こ うした事態は特に財務資金関連データの重要性が増大する とい う背景のもとでは考慮すべきことであるとする。なお ,か れによれば内部 領域においては ,財 務計算は企業計算システムの申に統合され ,そ れは財務資 金の源泉と使途とを表示 し ,成 果計算書に対 して財務情報分を補足 し ,短 期の 分野では現実に処分可能な財務資金に関す る情報を提供する流動性指向的なも のとされる。ともあれ ,か れは ,貸 借対照表基準法案の財務計算構想に対 して は批判的に分析 してお り ,基 準法案では ,企 業の財務状態における洞察の改善 は個々の貸借対照表項 目がその流動性度に応じて構造づけられ ,そ して ,一 年 以内ない し五年以上の負債の残余流通期間 ,一 年を上回る債権の分離表示に限 って達成されるにすぎないとするのである。

141  財産計算構想への分析

財産計算構想に関 しては ,Kalkhofは 貸借対照表計上の視点か ら当該 計 算

構想間での自己創設の無形財産価値の計上問題についての重要な相違について

(9)

ドイツ経営会計体系諭の展開 (2完 ) 確認することが必要とする。かれは貸借対照表基準法案は自己創設した無形経 済財を積極計上することへの禁上を規定しているが ,そ れは 「 慎重なる財産表示 の原貝 1に 基づいてお り ,貸 借対照表静態論の結果である。商法上の貸借対照表計 上能力にとっての前提は 「取引能力があ り ,独 立 して評価可能な経済財の存在」

であ り ,そ の場合 ,  この基準は市場価値を通じて客観化された尺度が存在する 場合に満たされるとい う。また ,そ れと比較して ,経 営経済的視点か らは ,積

極計上は原価が明確に区別され ,そ れが個々の自己創設の権利ないし権利類似 的な価値に帰属され うる場合に意義があ り ,た とえば ,EC4号 指令で規定さ れる研究開発費に対する五年以内での減価償却の強制 ,部 分的配当規制ならび に具体的に把握可能な権利と権利類似的価値への拡張規定は ,貸 借対照表基準 法案の枠内でも十分債権者保護を確保するし ,慎 重性の原則を考慮するもので あろうとする。また ,そ れ以外に影響を及ぼす ものとして ,イ ンフレ修正値を 択一的に貸借対照表に収容させるとい う国内選択権を EC4号 指令は装備 した が ,貸 借対照表基準法案はそれを断念し調達価値原則に専 ら基づいている点を 挙げている。ただし ,か れによれば ,MRSの 領域ではマネージメツト財産計 算が EC4号 指令と同じく価格上昇に制約される動向一それが技術進歩あるい はインフレ価格上昇によるものであれ―の把握に役立つカルクラトーリッシュ な価値見積もりを包含するものであ り ,過 去指向的価値見積 もりと構想制約的 価値修正との帰結的分離は ,例 えば再調達価値修正ないしは引当金の導入によ って ,歴 史的収支計算への結合が認識され ,こ の結合点は計算システムを相互 に関連づけるとい う極めて重要な前提となる ,と い う。そ して ,財 産計算 (貸 借対照表 )は それが出来るだけ全ての価値修正要因を把握し ,実 質的諸関係に 合致した写像に貢献する場合 ,企 業とい うシステムにおいてその大枠的操縦機 能を果たし ,企 業目標の達成に貢献することになるとするのである。

151  計画・ 統制・ 操縦関連性への分析

さて ,Kalkhofは 最後に計画・ 統制・操縦関連性への分析に論を進 め る。

かれによれば ,法 規定に基づ く会計報告は ,着 千の例外を除けば過去指向的で あ り ,将 来動向を予測する必要性は不平等原則および 31当 金の領域に適用され るところの個々の会計報告構成要素に限定されるとい う。その他企業の予見的 展開に関する補足的情報 も要請されるが ,貸 借対照表基準法案は基本的には過 去指向的データあ把握と準備に向けられるとい う。この場合 :ERSの 効率的計

(154)  9

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法経研究師巻 2号 (1987) ,

画と分析、の前提にかれは ,言 明能力ある実質的諸関係に合致したデータを置 いている ,貸 借対熙表基準法案がどれ程かかるデータを提供する上で将来的計 算、の構想上の基礎を呈示 しうるかについて言及する。この点 ,か れは次のご

とぐのべている。「貸借対照表基準法案の枠中では成果計算書 も貸借対照表 も 税務貸借対照表上の駆け亭 │き によって歪みが生ずるのであ り ,こ れはたとえ新 法において影響が広 く開示され ,説 明されるバきとされてもである。0」 そ し

て ,「 実質的諸関係はしか し ,事 後考察によってかな り制約的に再現 される。

計画計算への追加的問題は ,固 有の計画数値が算出されるだけでな く ,計 画見 積 もりに対する貸借対照表作成者の会計政策的意図が数量化されることか ら明 らかである。特に会計政策は時間の経過の中で少なくない変動を投げかける税 法規定の形成に依存する為 ,多 くの不確実性要因が問題となる。上の理由から 貸借対照表基準法案の会計報告構想は計画特右の諸要件をかな り条件つきでし か考慮 していない。 しかも ,計 画構想は言明能力ある予算数値の算定にとって 十分な基礎を提供 しない為に ,統 制と操縦用具としても投入可能とみなされ得 ない。実現された利益は目標数値によって評価されるのではな く ,常 に個々の 形式化された欲求水準 もしくは相応の過去期 FHlの データで測定される。財務領 域では ,貸 借対照表の情報 も含んで貸借対照表基準法案では構想上の基礎を /A●

式化 していない。計画・統制・操縦考慮は従って無用である。 13D」

上のように ,Kalkhofは 計画・統制・ 操縦構想について貸借対照表基 準 法 案がほとんどその基礎を塁示するものでないとい う。しか しながら ,か れは MR

S領 域における構成および方法特有の基礎を形成することによって ,将 来指向 的計算の形盛、の重要な進歩が設定されるとい う oか れは ,経 営会計制率年●

ける計画計算と分析計算の固有の地位を満たす為にはこの領域は多 くの広い可 能性を捧げなければならないのであって ,そ れへの方向指示は意義ある見解を 代表する経験ある実務家の欲求であ り ,MRSは 過去指向性とともに計画と統 制考慮を導入することによって ,包 括的情報および操縦の用具として資格づけ るに必要なる仕上げを獲得することになるとするのである。要するに ,か れは 計画・ 統制 。操縦構想への貸借対照表基準法案の取 り組みは極めて不十分であ ることを指摘するとともに ,他 方で ,か かる構想への MRSの ―層の展開の必 要性を強 く主張するのである。

さて ,以 上みたごとく ,KalkhOf'は 貸借対照表基準法 案がマネージメント

(11)

ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

あ情報欲求をどの程度満たすのかにういては総 じて批判的評価を下している。

「探究の結果として ,改 善された ,同 時に内部の情報要件をも満足させ る外部 会計報告を実現するとい う EC4号 指令の機会は ドイツの転換構想では十分利 用されなかったとい うことが確認された。転換規定は従来の (株 式法 )法 要件 と比較 して意義のない変更をもたらした。このことは明確に企業の貸借対照表 作成実務に役立つ。 しかし ,そ れは実質的諸関係の表示 したがって外部情報受 手の利害並びに ECに おける調和化とい う努力目標にとっては確かに有用でな い。 lD」 かれによれば ,こ の結論は貸借対照表基準法案の会計報告構想が効果 的な情報および意思決定用具の展開に必要なる前提を示す ものではな く ,経 営 経済的限界をしめす ものとい う。そ こで ,経 営会計制度の核には MRSの 構想 がずれこむことにな り :こ MRSに 対 して貸借対照表基準法案 したがって E

RSの 情報欠陥を補 うべ く構想を展開することにようて情報能力ある経営会計 制度の組織だった実現を図ることを主張するのである。それでは ,か れのい う 経営会計制度の組織だった実現とはいかなるものであろうが。それは ,い わゆ

る ドイツ型管理会計・ と外部報告会計 との統合化を意味するものであろ うが ,次

節ではその点について考察してみよう。

5。 マネージメント計算システムと外部報告会計 との統合

「貸借対照表基準法案の構想が 目標設定の方向指示にもかかわ らず ,そ の詳 細におし` ては経営経済的に不満足であった場合 ,言 明能力が限定され ,部 分領 域では収益および財産状態め歪んだ叙述を導 くことになる。 この点では ,貸 借 対照表基準法案の構想が計画 0統制・操縦の領域にとって ,か なり制約的であ り構造化されないとい う原因も考えられる。貸借対照表基準法案に基づ く会計 報告は従って ,内 部の意思決定担い手の情報と意思決定に特有の fll害 について 条件つきでしか応 じない。それに対 して ,MRSは 絶対的な情報および意思決 定優位性を獲得 している。 MRSは 包括的 ,統 合的計算システムとして構想さ れ ,VFE状 態につぃての詳細な情報を提供する。ここでは経営関連領域にお ける情報準備のみを収容する支配的な原価給付計算と比較 して ,経 営損益 ,財

務関連的損益 ,臨 時損益に応じて成果計算と財務計算がよリー層分岐されるこ とに特徴をみなければならない。 MRSは その操縦関連性を ,予 算数値への関 連つまり期間間隔で区分された計画分析用具に よって ,獲 得する 16J6」 ‐    '

み られるように ,Kalkhofは ERSと 比較 して ,MRSの 内部意思決 定 担

(152)  11

(12)

法経研究 36巻 2号 (1987)

い手に とっての情報 と意思決定関連の優位性を主張す る。 これは ERSで は外 部の意思決定担い手に対 し法規定に基づき会計報告が規定 され ることに原因が あるとい う。 しか しなが ら ,か れは ,ふ たつの会計 システムの少な くない部分 が同一のデータか ら加工 され ,ま た ,ふ たつの完全に独立 した記帳領域が実施 され ることを回避すべ きであることか ら ,経 営会計 の組織だった実現に とって は 両計算システ ム間に どのような移行余地 (古 berleitungsmoglichkeite■ ) が存在す るのかを解明 しなければな らない とす る。それでは ,こ の■たつの計 算システ ム間の移行余地をかれはいかにみて ,ま た ,そ の統合化を どのように 考えるのだろ うか。

まず ,MRSと ERSと の組織だった実現について Kalkholは 基本的にふ たつの異なる可能性を挙げている。 まずひとつには ,全 ての取 31を 財務簿記な い し外部計算システ ムの領域で ,つ ま り ,法 規定に基づ き把握 し加工する可能 性である。その場合 MRSに とって レリバ ン トなデータのすべてが ,こ の計算 領域に関連づけ られ ,マ ネージ メン トの情報欲求にお うじてその後に加工 され

leD 6も うひとつは ,MRSを 主要記帳システムとする可能性である。ここで

'ま

全ての取引はなによりもまず ,こ の計算領域において把握し ,そ の後情報と 意思決定に特有の視点から加工される。それによって ,す べての営業活動に関 する現実的操縦情報をマネージメントに提供されることを保証する。一方 ,法

律上規定された決算時点では ,MRSの 価値評価額が法的に許容される価値ペ

と修正される。この方法の別の利点としては ,MRSの 領域で算定されぅ成果

が商法および税法上表示される利益に対 して指導情報 として作用す る点 に あ る。 したがって MRSは 営業活動における操縦機能を遂行するだけでなく ,外

部会計報告の枠内でも操縦用具として作用するとい う。

Kalkhofは 基本的には前者の立場にたっている。 しかしながら ,既 にみ た ように ドイツの貸借対照表基準法案ではマネージメン トの情報欲求に対してか な り制約的であ り ,そ のため経営会計制度においては MRSに その情報補完が 委ねられることになる。その場合 ,か れは MRSと ERS(貸 借対照表基準法 案による外部会計報告 )の 計算システム間に生ずる構想制約的差異をいかに解 消するかが問題であって ,そ のいかんによって経営会計制度の統合化 ,組 織だ った実現の可能性をみているのである。かれはこう述べ るのである。「 MRS

と ERSに 基づ く会計報告 との構想制約的差異の処理 の目標は ,計 算システム

を相互に移行 させ る点にある。 1‑中 略一 MRSに よる貸借対照表計上および

(13)

ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

成果表示 と貸借対照表基準法案によるそれ との差異の総体は次の二つの範疇に 区分 され る。ひ とつは時間の経過 とともに相殺 される差異 ,も うひとつは永久 差異 として特徴付け られる差異である。 17)」 それでは ,こ こでい うふたつの差 異はいかに解消 されるべ きとされ るのだろ うか。以下 ,Kalkhofの 主 張を追 ってみよ う。

まず ,Kalkhofは 時間の経過とともに相殺される差異についてこう述べ て いる。 ここで展開される経営会計制度はふたつの相互に完全に関係なく構想さ れた計算システムを包括する。ひとつは情報および意思決定に特有の基準によ って形成される MRSで あ り ,も うひとつは基準性原則を介して密接に結合し た商法および税法会計報告である。 このふたつの計算用具の利益が異なる原価

/費 用もしくは給付 /収 益の計算によって当該期間によって異な り ,し かもこ の差異が時間の経過とともに相殺されるかぎりには ,そ れは一時的ないし期間 的に限定される差異とみなされる (期 間 差 異 timing differenc∝ )。 この

「時間上の断層」 (ZeitliChe Ve.w erfungeoは 税法規定によって 算 定 される利益およびそれに基づ く期間の税費用が MRSの 成果と一致しない ,従

って直接委任できないことに起因する 18D,と 。かれによればマネージメント計 算の利益への税負担と税法規定によって算定される税費用との差額は ,当 該期

間において「 潜在的税 (期 間内税配分 )」 (latente Steuern,interperiod tax allocatio五 )と して区画されるとい う。この場合 ,MRS利 益が税務上の 利益を上回る場合 ,引 当金すなわち消極側限定項 目が形成され ,逆 MRS利

益が税務貸借対照表利益を下回る場合には潜在的税が積極側に区画されなけれ ばならないとい うのである。 Kalkhofの い う「期間差異」は商法典 251条 にお いて貸借対照表基準法案の規定する税限定とは対照的である。かれもい うよう に ,商 事貸借対照表と税務貸借対照表との税費用を直接比擁する税限定ではな く ,こ こでは経営経済的基準によって算定され ,  しか も税政策上の措置に左右 されない MRSの 成果計算の区画によった潜在的税が取 り上げ られることにな る。

この説明をかれの示 した特別償却の際の典型例に従ってみてみれば次のとお りである。 (図 4参 照 )。

MR Srll益 が loo GE,カ ルクラ トー リッシュな価値修工は存在しないとす れば ,商 法と税法上の交差利益は 100 G Eで ある。ここで商法も税法も 30GE

の特別償却を実施 したとする。税率 60%を 前提にすれば ,結 果として 420Eの

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(14)

法経研究 36巻 2号 (1987)

税負担と 28GEの 税 31後 利益が算定される。これを MRS利 益に税負担要素を 適用したとすればマネニジメント計算に鳥いては 60GEが 税負担となる。税務 上の利益か ら算定される税費用 42GEと 比較してのその差額は ,税 務上の利益 算定領域における滅価償却基礎の縮小か ら以後の期間に生ずる企業の潜在的税 義務 となる。

成果  GE

MRS StB HB   貸借対照表表示

` MRS=マ ネージメン ト計算システム

I:  税引後期間成果

I:  潜在的税を含んだ期間税額

St準   ・耳 B=税 務貸借対照表および商事貸借対照表

1:  商事貸借対照表および税務貸借対照表上の税引後利益

I:  税費用

Ⅲ :'特 別償却

図   5

〔 出所〕  W.KdkhOf,a.a.0。 S.321.

さて ,時 間の経過とともに相殺される差異につしヽ ての Kalkhofの 説明は上 の通 りであるが ,か れは続いて永久差異について関説する。まず ,か れはい う。

「 時間の経過とともに相殺される『 期間的差異』のほかに ,計 算システムは、

利益額 (全 体成果 )へ の長期差異を導 く構想制約的差異を包含する。とい うの はその差異は後の期間において相殺されないからである (永 久差異 perm‐

ent differences)。 そのような永久差異は商法および税法規定に基づ く rll益

算定の場合に も生ずる。一定の費用と収益とが商法決算にも税法決算にも把握 されないとい うことにそれは遡及する。 10」 そして「 税務上考慮する必要がな いか ,も しくは限定的にのみ考慮されるところの商法上の利益算定における費

m   m ・ ∞   4  

(15)

ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

用 /収 益もしくはマネージメント計算上の原価 /給 付が把握される場合 ,永 久 羞果が年ずう oこ のこと :は ,経 営経済的にみてマネージメント計算において成 果構成要素として数量化され算定される反面 ,税 務上は考慮ミれないという全 ての要因に妥当する。 20D」        :

Kalkhofに よれば上のよ うな永久差異について問題 となるのは税限 定 が価 格上昇効果 との関連で とのように取 り扱われ るかに よる場合 とす る。この点 ,か れは次 のように述べている。 MRSに おいてイ ンフ レと技術的に制約され る価 値修正が収容 される場合 ,当 初の調達原価および製作価格については再調達価 値指向的構成要素が把握 され算定 され る。 しか し ,こ のことによって ,マ ネージ メン ト成果計算 の利益は カル クラ トー リッシュな財務修正に係わ り正の成果修 正を考慮 したとしても ,傾 向的に税務上算定 され る利益 と比較 して ,全 体期間 については よ り低 くなる。従 って ,二 つの計算システムの成果表示において永 久差異が生 まれることになる。成果計算上の差異は再評価引当金の形成に際 し て生 じていない。 これは成果中立的に実施 され る。差異は先ず第一に ,マ ネー ジメン ト成果計算におけるより高い原価算定 より生 じる。潜在的税の限定に と っての前提たる差異の相殺は ,す でに実現 した再評価引当金が後の期間におい て利益増加的に取 り崩 され る場合 ,常 に理由づけされ る。 しか し ,こ の種の販 り崩 しについては ,維 持 され る額が実体維持の実現に とってもはや十分でない 場合のみに生ず るものである。それはデフレの局面あるいは企業 の 清 算 の 場 合 ,妥 当す るのだが。 カル クラ トー リッシュな「 調整」は従 って ,計 算 システ ム間の「準時間的未限定差異」 (quaSi Zeitlich unbegrenzten Differenz) を導 くことになる ,と 21)。

ところで ,Kalkhofは 力勁ヽ るカルクラトリッシュな価値修正に起 因して傾 向的に減少する利益からは特殊な問題をはらんでいる│い う。かれによれば , 税法規定による税費用に適用される税率が直接 MRSの 局面に適用されネない

ことに起困して ,測 定基礎における相殺されない差異が生ずるために ,MFS

利益に対する適当な税負担を要求するには税法規定による ‐

St費 用が換算される べきという (換 算は次の /AA式 によりなされる。 MRSの 税負担要素 =税 務貸借 対照表上の税費用■ MRS利 益 )。 そ してこの換算への必要性は ,第 一彎情報

およか意思決定基準により算定される利益の税負担割 り当てを認識可能にする ために ,第 二には永久差異が将来においても発生する前提のもとで辱予算化さ れた MRS利 益の予見的税負担を傾向的に決定するために ,理 由づけされ うる

(148)  15

(16)

法経研究 36巻 2号 (1987) とい うのである。

今 ,述 べた永久差異の説明を MRS利 益が 1∞ GE,カ ル タラ トー リッシュ な原価構成要素か ら生ずる永久差異が 20G E,税 率は 60%;税 務上の計上選択 権および評価選択権は利用されないと仮定 して例示すれば次のとお りである。

MRS一 成果 (十 )カ ル クラ トー リッシュ

資 曇 兜 璽 糞 デ 素

GE    税務上総利益に対す る %

100       83.3 20       16.6

税務上の (移 行 )利 益

(― )税 負担

120 72

1∞

60

MRS̲成 果 (― )実際の税負担

a)  税引後利益の算定

GE   税務上総利益に対す る % MR SSll益 に対 す る %

1∞

72 100

72

83.3 60

MRS― 純成果

〔 出所〕

MRSの 場合の純成果の算定 Kalkhof, ao a.0。  S.326

み られるように ,税 法規定に基づき算定される税費用を上の資料に基づき換 算すると ,MRS領 域での税負担要因は 72%と なる。経営経済的基準から算定 される利益にとっては ,永 久差異に基づき ,税 務領域よりも高い税負担要因と なる。税ひ 1前 MRS利 益は税務上の総利益の 83.3%で あ り ,税 務上の純利益の 58.3%に すぎない。この結果は ,法 律上の貸借対照表計上選択権と評価選択権 がいかに重要かをしめすことになるといわれる。すな .わ ち ,そ れ らは貸借対照 表政策と結び付いて ,一 定限度分配効果ある負担に対 して課税することを可能 ならしめるのである。

以上が ,MRSと ERSと の間に生ずる差異についての Kalkhofの 主張で b)

W。

(17)

ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

ある。かれにあっては ,法 規定に とどまらず経営経済的基準か ら MRSと ER

Sと の差異め解消を図ることに よって両計算 システ ムの相互交渉を可能にせ し める経営会計 の統合化を企図するものといえるだろ う。今 ,か れ の主張を彼自身 の結論に よって要約すれば次のようにいい表す ことができる。「 法律上規定さ れ る決算時点において MRSの 価値見積 もりは法律上許容 され る数値に修正 さ れなければな らない。 このことは ,構 想制約的差異が カル クラ トー リッシュな 価値修正および価値見積もりにその原因があ り ,そ れが MRSに おいて分離 し

て表示される限 りには問題ない。商法上および税法上の貸借対照表計上選択権 および評価選択権の利用か ら生 じた差異は ,そ れが時間の経過とともに相殺専 れる場合には ,『 潜在的税』、の構想制約的差異が区画されなけれ ば な らな い。永久差異が問題 となる場合 ,そ れは MRSの 税負担要因の中で考慮されな ければならない。 これによって ,MRSと ERSと の問題ない移行にとっての 前提が 1う まれることになる。 ,2D」

(D W, Kalkhof,  Neue EntwiCklungen der handelsrechtlichen Rechnungsk「

gung o. EG― Ri9htlinie und GesetZentwurf ,1lanzri,htlini‐ Gesetz von 26.8.1983)und managementorientierte lnformationsaufbereitung der Ver―

m6gens― , Finanz‐ und Erfolgslage", Hamburg, 1985, S.271.

12)Ebenda,S.276.

t3X41 Ebenda,S.278.

15)Ebenda, S.334.

f61 Ebenda, S.284‐ ‑285.

(7) Ebenda, S.298‑294.

18)Ebenda, S.386.

(9)Ebenda, S.299‑300.

t101 Vglo R.JoNiehus,̀Die Gliederung der ErgebnisFeChnung nach der 4.EG―

Richtlinie bzw. nach dem Entwuif eines Bilanzrichtlinic■ Gesetzes, In 3 DB: 1982: S.657‑663.

o W.Kぎ lkhof,a.a.0。 ,S.301.

llZll131 Ebenda, S.311.

o Ebenda, S.338:

⑮  Ebenda, S.314̀

(146)  17

(18)

ω o m o o 0

法経研究 36巻 2号 (1987)   ・

C61 Kalkhoffに よれば ,か かる可能性はアィグロアメリカンの領域では支 配的である

̲̲と ぃ う。 この諸国では ,財 務会計は内部意思決定者の情報欲求を事前 的 に 考 慮 し て ,か な り意に介しているし ,従 って ,管 理会計の対象 も圧倒的に ,原 価把握の間 題の他には ,計 画および統制 の問題 となっているとされ る6(Ebenda,S,316.) Ebenda, S.318.

Ebenda, S.318‑319。

Ebenda, S.322.

Ebenda, S.322‑‑323.

Ebenda, S.323‑324

Ebenda,S.338。 なお,Kalkhof lま 以上の考察の他に ,MRSと ERSと の結合 にかかわって商法典 253条 1項 および 271条 5項 における成果分割構想は MRSの 成 果計算システムを基礎づけ ,経 営関連的 ,財 務関連的・ 臨時的成果の分割を規 定す るものであるが ,'が かる構想 と税支払 との統 合がいかになされるかについても関説 している。この点については ,か れは ,法 人税 の税分割が問題を特に有するものと しているが ,結 論 としては ,成 果分割構想に より提示 され る経営関連的 ,財 務関連 的 ,臨 時的損益への法人税の区画は ,確 かに個々の活動領域への直接的負担を示す ものであ り ,情 報お よび意思決定指 向的観点からは利点を示 しているがっ要約 され る期間成果に法人税負担を帰属 させる場合 ,困 難性を伴いっまた ,追 加的に獲得 さ れ る情報 とは関係の無い労働費用を必要 とさせ るとしている。 (Ebenda,S.327‑

329。 )

V.問 題の再提起   一結びにかえて一

以上 ,Kalkhofの 著書の中心部分を取 り上げ ,最 近の ドイツ経営会計 体 系 論についてその基本的枠組を掲示するとの視点で考察してきた。ここで ,か れ の主張の特徴を要約すれば次のとお りであろう。

第一の特徴は ,か れがいわば管理会計論の立場か ら情報論的 ,意 思決定論的 に外部会計報告に接近 し ,そ こか ら経営会計制度の統一化を企図している点で ある gこ こで ,外 部会計報告は情報送 り手としての貸借対照表作成者たる企業 と諸々の外部情報受手との「 目標指向的情報プロセス」として位置づけられ , そ こでの利害調整問題は貸借対照表の作成と評価に責任をもつ企業のマネージ

メン トに委ね られるとい う。かれは経営会計の任務を「意思決定指向的情報提

供機能」を果たすものと捉えているが ,そ の場合 かかる任務達成のためには

(19)

ドイツ経営会計体系論の展開 (2完 )

外部会計報告 と内部情報欲求 との一致が どの程度与え られ るかが鍵 とす る。そ して ,そ こにおける外部会計報告人の分析良度として財産・ 財務・ 成果状態 と い う目標を媒介 としたマネージメン ト指向的情報を挙げるのである。    :

第二の特徴は ,上 のような視点か らかれは ,EC4号 指令を契機 とした ドイ ツ商法会計制度の改正作業に着 目し ,1983年 の貸借対照表基準法案 との係わ り で外部会計報告に対 し ,マ ネージタン ト情報欲求をそれがいかに汲みいれいる かについて分析し ,批 判的評価を下 している点である。かれによれば ,商 法会 計制度の改編への契機 とならた EC4号 指令の「真実且つ公正なる概観」 ・とい う一般規定は「意思決定指向的情報の提供」の視点か らみればその要件を果た す機会を内包するものではあるが ,貸 借対照表基準法案においては ,「 企業の 財産・財務・収益状態の実質的諸関係に合致した写像」を提供すべきとする規 定が設け られたにもかかわ らず ,そ の詳細においては企業内部の情報欲求を満 たすものでないと評価される。そ して経営会計制度がより良 く情報機能を果た すためにはマネージメント計算システムにその補完が委ね られるとされるので ある。

第二の特徴は ,上 のように外部会計報告の残余情報を提供するとい う任務を 持つマネージメント計算システムすなわち内部会計は ,外 部会計報告と全 く独 立 して存立するべきではな く ,両 計算システムは相互に委託関係をもちながら 統合されなければならないと主張 している点である。そ してここでの媒介もま た ,法 基準ではな く経営経済的基準にそった情報ならびに意思決定関連性とさ れている .点 も注 目され よう。

さて ,上 のように Kalkhofは 一貫して情報論ないし意思決定論的立場か ら 情報能力ある経営会計制度の体系化構想を主張 している。そこでは ,情 報およ び意思決定指向的な外部報告会計への分析が経営経済的に実施され ,そ こにお いて財産・ 財務・成果状態に係わる経営内部の情報欲求がいかに満たされるか を明らかにし ,  もって内部会計 (マ ネージメン ト計算システム )と 外部報告会 計 との相互依存関係を透明化することに主眼がおかれている。すなわち ,財 産 ,財務・成果状態についての情報提供とい うマネージメン トの情報欲求を媒介 に外部報告会計 と内部会計との結合を企図し ,そ れによって情報能 力 あ る経 営会計制度を構想する。 これが ,か れの主張の論旨となっている。もとより , かれの考察対象が ドイツ商法会計制度の改編過程における一経過たる貸借対照 表基準法案に向けられてお り ,ま た ,基 準法案において「企業の財産・ 財務・

(144)  19

(20)

法経研究 36巻 2号 (1987)

収益状態の実質的諸関係に合致 した写像」を提供すべ しとす る一般規定 ,日 標 規範が設け られてい ることか らすれば ,上 のような論理 の筋だては当然の成 り 行 きともいい うるか もしれない。 しか しなが ら ,外 部会計報告だけでな く ,内

部会計を も視野にいれなが ら ,む しろ内部会計 したがって管理会計の立場か ら 外部報告会計に接近す るとい う ,か れの主張には内部会計を も包摂 しなが ら展 開せ られ る ドイ ツ経営会計論 の持つ固有の制度的有 り様がそ こに着販せ られ る とも思われるのである。それでは ,Kalkhofに 例示 され る ドイ ツ経営会 計 論 の固有の制度的有 り様 とはいかなるものなのであろ うか。以下 ,若 干の視点を 掲示 してみ よ う。

既にみた ように ,Kalkhofに あっては貸借対照表基準法案 に 対 してマネー ジメン ト情報欲求の視点か らみて総 じて批判的評価が下 されるのである。 しか し ,か か る批判の前提には貸借対照表基準法案従 って外部会計報告が情報およ び意思決定指向的にマネージメソ トの情報欲求を満たす ものとして形成せ られ るべ きとい う主張が置かれていることにまず ,注 意す る必要があ ると思 わ れ る。そのことは ,EC4号 指令がマネージメン トの情報欲求に合致する余地を 十分有 しているとするかれの論述からみて ,EC4号 指令を契機とした ドイツ 商法会計制度の改編 もまたいわば管理会計的論理をてこに形成せ られることも 合意するであろ う。とりわけ ,EC4号 指令の一般規範たる「真実旦つ公正な る概観」 と貸借対照表基準法案における一般規範「財産・財務・収益状態の実 質的諸関係に合致 した写像」との照応において ,そ れ らが「 一般的観点のもと で」 ,  レリバントな情報を提供することが要請せ られていることは ,KalkhOf

のい う「意思決定指向的な情報提供機能」とい う経営会計の任 務 設 定 のもと で ,内 部会計 ともども同一の基盤にたった役割期待がそこに担わせ られている

.

ともいえるだろ う。その意味では ドイツ経営会計論あるいはそこに包摂せ られ る ドイツ型管理会計論が制度的意味をもって論理化の機能を担っているといえ るであろ う。

ところで ,そ うであるとすれば Kalkhofの 場合 ,  ことさらに内部会計の視 点が強調せ られ ,  よリアメリカナイズされたマネ∵ジメント計算システムなる 概念を基底とした外部会計報告への接近がとられたのは何故であるのか。かか る傾向は先に述べたように最近の傾向と軌を一にするものといえようが ,そ れ は ドイツ経営会計論の伝統からみればとりたてて新規の事柄ではない。 もとも、

:ド イツでは経営経済学の展開に包摂されなが ら経営会計論が展開されてきた

(21)

ドイツ経営会計体系諭の展開 (2完 )

経緯か らして経営管理の視点が強調 されていたともいえる。 しか しなが ら ,最

近の経営会計論 の展開において情報論ない し意思決定論の標傍のもとに ,よ り 明瞭に経営管理的視点が強調 され るのも ,故 なきこととも思われな い の で あ る。 この点について ,Kalkhofの 主張は示唆的であろ う。かれは ,述 べ て い る。「 貸借対照表基準法案の会計報告構想は ,静 的貸借対照表論 の結果たる慎 重性 ,客 観性原則 と動的貸借対照表論の意味におけ る期間適合的利益算定 との 分離関係にある。 1)」 「 EC4号 指令の規定 もまた動貸借対照表論への最終的 帰結を指向す るものでない。む しろ ,静 的観点を指向す る貸借対照表表示 も相 応の選択権を介 して可能 としている。 2)J「 (実 )維 持に特有の考察に よっ て ,EC4号 指令の会計報告構想と MRS構 想は有機的貸借対熊表論への関連 づけが指摘される。 3)」 「 MRS構 想は特に新 しい貸借対照表論の展開を創出 する。 4)Jす なわち ,そ こでは貸借対照表基準法案への講翠づけについては , 静的貸借対照表論 ,動 的貸借対照表論 ,有 機的貸借対照表論 ,さ らには新たな 貸借対照表論が複合的に展開される必要性が説かれているのである。同様の趣 旨は Ё o HCinenの HandelSbilanzen''に もみ られ ,そ こでは ,資 本維 持指向的貸借対照表構想 ,新 しい実体維持指向的貸借対照表構想 ,将 来指向的貸 借対照表構想 ,貸 借対照表否定構想 ,外 部会計報告改善への貸借対照表アプロ ーチを列挙 している 5)が ,か かる指摘は今 日の会計法の論理づけに 対 して既 存の貸借対照表論のみではたちゆかない状況を示す ものといえるだろ う。それ との係わ りでみれば ,新 たな貸借対照表論展開の枠組みとして情報論 ,意 思決 定論 ,組 織論に裏づけされた経営管理思考の論理枠の塁示 される必要性を示唆 するものと思われるのである。さらにまた ,税 法墓準が先行する税務貸借対照 表と商事貸借対照表 との逆転した基準性原則とい う今 日の ドイツ商法会計制度 の現状か ら教て ,税 法基準を商法の中にとりこむ上で ,つ まり ,逆 転関係を直 す上で ,い わば公法上の日標規範「 一般的視点」 と相通ずる経営管理的視点一 Kalkhofの 場合 ,社 会パー トナーシャフ トの思考に基づ く連合体として の ,

システムとしての企業 とその情報欲求―の導入の必要性 も ,ひ とつの視点とし て挙げ得るであろう 6)。 ぃずれにしても ,今 回の ドイツ商法会計制度改編への 新 しい論理枠 として ,従 来にも増 して管理会計的論理とそこにおける斬新なる 概念が主張されているともみ られるのである。

さて ,  このようにみてくると ドイツ経営会計論はそ こに ドイッ型管理会計論 を内包しつつも ,極 めて制度的機能が付与せ られているものといえるだろう。

(142) 21

(22)

また。そのことは ,い わば管理会計的論理を外部会計報告へと弾力的に適用せ しめるとい うドイツ会計制度固有の在 り方を合意するともいえるだろう。 しか し ,そ れは ,あ くまで一視点を掲示 したものであって ,そ の論証には ,冒 頭に も述べたように経営会計制度の現実的発展過程にそ くして ,よ り具体的な考察 をすすめなければならないだろう。その考察は今後の研究に委ねることにし ,

ここでは問題を再度提起するにとどめ ,結 びにかえることにしたい。

(D W. Kalkhof,  Neue Entwicklungen der handelsrechtlichen Rech,ungsh=

gung(4.EG― RichtHniё und Gesetzentwurf Bilanzrichtlinie‐ Gesetz von 26.

8.1983) und managementorientierte lnformationsaufbereitung der Ver―

mog9nS■ , Finanz一 und Erfolgslage", Hamburg, 1985, S.269。

甦 12113X41 Ebenda, S.270.

151 Vgl. E. Heinen, ̀̀Handelsbllanzen"(lo.Aufl。 ), Wiesbaden, 1982. S,76‑

109。

f61  同じ視点から ,1985年 12月 24日 に公布された貸借対照表基準法に関して ,そ の目標 規範「財産 0財 務・収益状態の実質的諸関係に合致した写像」と基準性原則とあ関

係について一部論 じた ものとして ,次 の拙稿を参照「 西 ドイツ新会計法における二

般規範について下財産・ 財務 。収益状態の実質的諸関係に合致 した写像」,『法経研

剣  (静 岡大学 ),第 36巻 1号 ,1987年 。

参照

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17‑4‑672  (香法 ' 9 8 ).. 例えば︑塾は教育︑ という性格のものではなく︑ )ット ~,..

第一五条 か︑と思われる︒ もとづいて適用される場合と異なり︑

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