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労働需要の構造分析 : 仮説の設定と予備的計測

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(1)

労働需要の構造分析 : 仮説の設定と予備的計測

その他のタイトル An Analysis of the Structure of Labour‑demand : Hypothetical set‑up and the preliminary estimations

著者 浜田 文雅

雑誌名 關西大學經済論集

巻 8

号 5

ページ 377‑409

発行年 1959‑01‑20

URL http://hdl.handle.net/10112/15615

(2)

労仇需要の構造分析は︑

—労佑カエネルギー投入函数の消入ー—

ヽ ー ノ

A

︵ ︶ B

︵ ヽ ー ノ

c

︵ 

︑ ヽ ノ

A利用可能なデータ︵ jB

︵  H

C ヽ ー

(•

l

ヽ ー ノ

D

︵ 

五︑むすび

その供給構造の分析と相侯つて賃金決定のメカニズム究明への手懸りを与え︑更には所

得分布の構造的変化の法則を把握することを可能ならしめるであろう︒ケインズ以後の経済学は︑第二次大戦後の

労佑需要の構造分析︵浜田︶

︑ 序 論

(1 ) 

労 働 需 要 の 構 造 分 析

I

(3)

. 

378 

計量経済学の進歩と共に巨視的経済理論を飛躍的に発展させたが︑他方において︑

いた微視的経済学の優れた研究分野の影を薄れさせてしまった観がある︒

経済の巨視的変量のビヘイヴィアーは本質的にはそれらの変量の分布の構造的な変化に依存していることを忘れ

てはならないであろう︒本稿では︑

構造として︑労佑需要の構造分析を採り上げたわけである︒

労仇需要に関連するデータを片端から調べていつ それ以前まで根強く進められて

このような巨視的経済現象の背後にある基本的構造系の中の︱つの重要な部分

右のような理由から︑労仇需要のメカニズムもまた︑企業者行動分析の一貫として考察されなければならないで

あろう︒本稿では︑とりあえず次のようなプロセスで分析を進めることにする︒

まづ︑次節において産業別規模別データを用いて︑規模別の労仇の分配率の変化を調べる︒現在一般的に認めら

れている限界生産力説によれば︑労仇の規模別分配率は一定でなければならないが︑実際に観察される事実は殆ん

どの場合右の仮説を否定するような︵規模の増大と共に減少する︶形を示している︒そして︑従来このような事実を説

明しようという試みが散見されるが︑それらのいづれもが理論的であるよりもむしろ恣意的なものであるように思

( 2 )  

われる︒そこで︑われわれは︑現実に観られるこのような事実の裏には︑従来の限界生産力説では説明し尽せない

何かもう︱つの要因の作用が潜んでいるのではないかと考え︑

た︒その結果︑二つの興味ある事実を発見した︒︱つは︑規模に関する所定外労佑時間の変化に関するものであり︑

他の︱つは実際に支払われている賃金と理論的賃金︵後述︶との間の関係に関するものである︒労仇者一人一ヶ月当

りの総労仇時間中所定外労仇時間の占める割合は︑最低規模から第4規模

( 1

0 0

1

9 9

A )

までは上昇し︑それ以上の

(4)

第三節では︑

規模では逆に減少する︒また︑実際に支払われる賃金は理論的賃金を小規模では上廻り︑大規模では下廻つている︒

これらの事実を根拠として︑労佑者数需要と所定外労仇時間需要を決定するメカニズムを究明する

ための仮説の設定が行われる︒すなわち︑労佑者数需要を決定する要因は︑産出量︑所定内賃金︑所定外賃金︑資

本設備雇用に必要な抵抗費︑労仇・資本設備の投入規模の経済性等々である︒右の労佑需要方程式を誘導するプロ

セスにおいて︑労佑カエネルギー投入函数︵仮称︶という新しい仮説を導入した︒

第四節では︑右のような仮説の設定を裏付けるための若干の計測が行われている︒勿論︑第三節に述べた仮説を

直接データによって近似度検定を行うことが一番望ましいが︑残念ながら︑現在のところ右の仮説の検定に必要な

すべてのデータを整えることは不可能である︒そこで筆者は︑右の仮説の有効性を間接的に推論するために現在利

用可能なデータのみで若千の予備的計測とでも言うべきものを試みた次第である︒

本稿は︑企業の労仇需要のスケデュールの分析に限定されている︒現実に与えられる資料は一種の市場均衡値の

系列であると考えられるが︑それらは同時に企業のスケデュールから逸脱したものではないから︑需要面の分析の

使用にも耐え得るものと考えられるわけである︒ここでは︑規模別賃金格差は一応与えられたものとして分析が行

われるが︑労仇供給側の分析と相侯つて︑賃金決定のメカニズムを究明する有力な仮説が確立されたときに初めて

所得分布の構造的な変化ー従って︑雇用分布の構造的な変化ーの法則を捉えることができよう︒

(1

) 稿

3 3

1 1

3

8

2.3 合併号では 稿

稿

労佑需要の構造分析︵浜田︶

(5)

労佑需要の棉造分析︵浜田︶

を戴いたことを記して惑謝する次第である︒

(2 ) 

J .L .

S 

te

in

  : T

he

  Pr e

d ic t

i ve  

Ac

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h  t

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ie

w  o

f 

Ec

on

om

ic

  St

ud

ie

s 

V ol .

  X

XV

(3

)  N

o.

68

, June, 1958では分配率の変化は認めるが︑それを説明する仮説は全く恣意的である︒

伝統的ー古典的ー限界生産力説の基盤をなすものは︑企業の生産函数が一次同次であるという仮定である︒

H・ダグラス教授は︑二十世紀初頭からの約四分の一世紀という長期に亘る合衆国のデータを用いて巨視的︵社会的︶

( 1 )  

生産函数について右のか説の統計的検定を試みた︒彼は︑産出量をP︑労佑雇用量をL︑資本ストックをCとする

という関係のある事実を観察し︑この事実字根拠として生産雨数の一次同次性を所似的に満足するであろうと考え

( 2 )  

たわけである︒彼の得た結果およびそれに到達するまでの手続きについては︑H・メンダースハウゼン等の論評も

無視できないが︑それにも拘らず︑ダグラスの業績は次の諸点においてわれわれの注意を惹いている︒すなわち︑

第一に︑彼の長期に亘る時系列データによる近似度検定が可成り良好であったこと︒

第二に︑彼の行った検定法は︑生産函数の一次同次性を公理として受容れた上で進められたこと︒

第三に︑データの短期的な変動を捨象して検定を行ったことである︒

t J L  

, : J P   , : J C  

7 I I V

吋 ] z

とき︑右の観察期間において

p.  

これら三点をダグラスが敢えて受容れた根拠は︑彼が実際のデータによって観察した事実に基づくものである︒

(6)

筆者はここで改めてそれらの事実を吟味しようとするつもりはない︒筆者はただ︑右のようなダグラスの結果が︑

彼の用いたデータでは近似度検定の結果︑伝統的な限界生産力説の仮説としての有炊性をある程度裏付けたことを

企業は現実の経済における種々の制約条件のもとにその経済的決意を行い︑

らの行為が︑実際の経済現象を生み出しているものとわれわれは考えるが︑

七五 これを実現しようと努力するe

このような現象を分析者に好都合な形

で提示することを目標として統計資料が作成される︒われわれが経済現象を観察するのは主としてこのような統計

資料を通じてである︒しかし︑個々の分析者にとつて充分満足な統計資料を整えることは多くの場合困難であるか

ら︑当面利用可能なデータだけを参考とする経済分析に限定され︑または︑それを基礎に許される範囲の推論をす

そこで︑われわれは︑企業行動の結果に関する実際の現象はどのようなものであろうかという意図のもとに︑限

現実の企業行動を説明するための伝統的に最も有力な仮説は周知の通り限界生産力説である︒企業が計画生産量

を実現するために︑労佑︑資本設備を市場条件に従って雇用し︑原材料を購入する場合に︑その総支出︵総喪用︶を

相対的に極小化するように労佑・資本比率を定めるものと仮定すれば︑資本費用と労務費との比率は︑生産水準が

どのように変化しても一定不変であるという︱つの帰結をわれわれは右のような一次同次の生産函数を基底とする

限界生産力説から得ることができる︒言い換えれば︑附加価値︵正常利潤と要因費用の和と仮定することが必要ではある

が︶に対する労仇の分配率は一定不変であるということになる︒

られた幾つかのデータによる観察を試みた︒ るに留まらざるをえない︒ 述べただけである︒

',  , 

(7)

についてのデータしかなく︑第⑨図の と第7規模の間を境として共に労佑の分配率が規模の増大と共に減少していることがわかる︒

. .

. .

. .

. .

. .

.  

これらはすべて企業規模別ではなく事業所規模別であるということである︒

唯一の企業規模別デー

ヽ ー

注意すべきこ

そこで︑筆者はわが国の戦後の資料について労佑の分配率を時系列データおよび産業別規模別データを用いて調

べてみた︒その結果︑次に述べる事実を観察によって得ることができた︒すなわち︑

第一に︑時系列データについては︑労仇の分配率に顕著な変化はない︒短期的な

re ce ss io

n には労仇の分配率が

これは労佑需要の非可逆的性格︵短期的︶によるものであって︑全く別の問題に属するものである︒勿

論︑戦後は未だ充分長期の観察が可能なほどのデータが得られず︑確定的な判断の資料としては不適当であろう︒

第二に︑産業別規模別データでは︑事業所規模別データしか得られなかったが︑規模の増大と共に可成りシステ

マティックな分配率の変化が観察された︵観察結果については本稿末に掲げた図表を参照︶︒

そこで︑右のような観察の結果︑時系列分析は行わず︑産業別規模別の分配率の変化の問題を中心として考察を

進めることにする︒観察の対象としてここに採り上げたのは︑本稿末に示した通り︑昭和

2 9

3 0

3 1 年の工業統計

表および法人企業統計年報における無機工業薬品︵二八こ︑有機工業薬品︵二八二︶︵二八三︶︑化学工業︵除肥料︶に

ついての規模別データである︒第⑥図から第⑧図までは工業統計表における事業所規模別データであり︑第6規模

タである法人企業統計年報では︑従業員︵役員を除くすべての事務職員を含む︶

ように観察結果も非常に捉えどころのないものとなっている︒

. . . .  

われわれにとつて最も必要なデータが企業規模別の労務者に関するデータであることは言うまでもないが︑右の

ような事情から︑利用可能なデータとして工業統計表を選んだわけである︒そこで︑このデータについて︑われわ 七六

(8)

0 0  

この二つの事実は伝統的な限界生産力説︵一次同次の生産函数を基底とする︶を根本から覆す性質のものな

のであろうか⁝︒勿論︑生産函数の一次同次性ー収益不変性といつてもよいーの仮定はそのままの形では右の二つ

の事実を説明するためには全く役立たない︒この二つの事実に対し︑経済学者の中には﹁当り前のことだ/.﹂と簡

単に片付けてしまう人もあるかも知れない︒しかし︑何故﹁当り前﹂なのであろうか・・・︒この二つの事実はそう簡

単に説明できるものではないのである︒このような事実を説明するためには更に新しい事実の発見および前者と後

者とを結びつける新しい仮説の導入を必要とする︒筆者は︑このような目標に沿つて第四節BおよびDにおけるよ

うな予備的計測によって二つの新しいインフォメーョンを得た︒その︱つは︑実際に支払われる賃金と理論的賃金

( 3 )  

︵後述︶との乖離であり︑他の一っは︑所定外労伯時間の規模別変化である︒そこで︑次節では︑これらのインフォ

メーションを手懸りとして︑労佑需要のメカニズムを究明するための仮説の設定を試みることにする︒

(1)p•H•

Do

ug

la

s:

T 

he

 T

he

or

y  o

f  W

ag

es

  (2 ) 

H.

M 

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  : 

On

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Prof•

Do

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s'

Pr

od

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on

F u  

n ct i

o n,  

A pr i

l , 

1938 

(3

) 第三節

B

における規模函数の性質から︑限界生産力説では等質的な労佑︑資本設備x*1およびだ

2について

R2

 

a I  * 

xo

11

a  

x1  

翠 燐

. .  8ぶー

き ︒

│ P 2 ・  

00

u .  

いう二つの事実が観察される︒

七七 れは次のような判断を下すことにする︒すなわち︑大規模企業は大規模の事業所を有するのが一般的であろう⁝と想定すれば︑右の第⑥図より第⑧図までによって︑企業規模の増大は一般に労佑の分配率を低下させる︵第一の事実︶︒このような規模に関する分配率の変化は︑第6規模と第7規模の間を境として二段階に分ち得る︵第二の事実︶⁝と

(9)

次のように定義する︒

規模圏数の定義に従つて

e . f "

  1 x 1  

Wx 1 

さ . f

h1 ・

X 1

f

2•x2

Wx 1  +  P2 x2  

Wは理論的賃金︑

X l は現実の労佑者数であり︑理論的貨金と等しい貨金が実際にも支払われていれば︑分配率は

規模に関して一定となる︒

企業活動を制約する最も基本的な条件は︑投入・産出の技術的関係︵企業の生産函数︶である︒そこで︑われわ

れはまづ︑右の技術的条件を次のようなものであると反定する︒

(3.1) 

( 1 )  

x o

Lは労仇カエネルギーの投入量︑

(3

. 

1 )

式における二変数L

(3.2) 

a1   1 1 

L

L(

hX1, h) 1 1 1 b

( h

x 1 ) f l , l z f l 2 1 1   b x / ‑ 1 h f ‑ 2  

1 1

(L ,x 2) 1 1 1

  aoL"•x2"'' ー労仇カエネルギー投入函数の渫入!ー̲

II

I ) 24  

芦品十き

2 4

・ .   a2   1 1  

' f

P2x~

1 1 .

l 1

+R 21 11   a1   a : ,  

労佑需要の構造分析︵浜田︶

X Z

は資本設備量︑

a oa l

および

0 0   0(2) それぞれその投入規模に関して等質的な変量であると仮定する︒次にL

(a 1  + a2 11   1)  

さ 益

s品+答ぷー

a1   1 1  

5は定数である︒c

(10)

から

労佑需要の構造分析︵浜田︶

は ︳ hを基底とする垂線上で途切れているが︑これはこの垂線

hをとる︒所定内労佑時間︱hは一定と仮定している 第︵図において︑縦軸に労佑者数

x l を︑横軸に労仇時間h

から︑所定外労佑時間h

hは ︳ を原点として測ることにする︒

9曲線じL⁝は労仇の等エネルギー曲線であり︑これらの曲線

hが等質化されない場合⁝

/ 31

/3

2>

1  ; 

1>

/3

2>

( 4 )  

だからである︒このことを左の第①図によって示せば次のよ hが等質化された場合 えられた定数とすれば

9e

 

である︒なぜならば︑

(3

.  3) 

/ 31   +

[ 2~1  

/ 3

i   1 1  

1: 

1>

,c

i V o

/ 31  

+[

21

1  1 

/ 32   1

10

 

X i は等質化された変量であり

‑ h

を与

x l

hは労佑者一人当りの所定外労仇時間︑

は労佑者一人当りの所定内労仇時間︑h

b

凡および凡は定数である︒われわれは

(3.2)式を労仇カエネルギー投入函数と仮称することにする︒ここ

では︑労仇カエネルギー投入量を︹︵労佑者数︶

X(

労仇時間︶︺に依存するものと定義する︒所定内労仇時間を︒ハラ

( 3 )  

メーターとして与え・られたものと仮定すれば︑L

(3

L.式の最右辺のように書くことができよう︒函数の性質2)

'

̲

̲  ,  ニ.̲ー;

(11)

dx

1 

/3

2 

/3

2 

_ー|ー.||_II|—こ>ー>。dh 

X1

 

/3

1 

/3

1 

(3

.2

)および

(3

.

3)から︑曲線L

h0(所定外労佑時間がゼロの場合︶の場合であり︑労仇者数

x l を一︒ハーセント増加すれば労佑カエネルギーを一

︒ハーセント増加することができることを意味している︒従って︑先の固の場合には

hI h とを区別する必要がな

くなるので

B2 11 0

Lはふおよび労仇時間︵等質化された︶にそれぞれ正比例することになる︒しかし︑心

の場合には1本稿の主題は⑮の場合に関するものであるー第①図に示すような問題が起つてくるのである︒すなわ

L

は ︳

hを基底とする垂線より発して右下りの緩い傾斜で原点に対し凸状をしていなければならない︒右の

であることが解るであろう︒第①図についてもう少し説明を補足しよう︒まづ︑所定外労仇の行われない場合には

例えば︑労佑者数

c l X l

によって労佑エネルギlCIL

︵ 点 f C l

においてが得られ︑総労佑時間は

(h

.x

i1

)

X l 汎まで増加させると労佑エネルギー正︵点

lにおいて︶が得られ︑

(L

(2

)

L(

1)

)

2 )

xi

1)

︶に正比例する︒

次に︑労仇者数

X l で所定外労仇時間を

h l とすることによって︑労佑エネルギ

IL

を得ることができるがこのときの

i ,  

総労佑時間は︹︵h

X1

︺であり︑斜線と点図によって示された矩形g

10

<1

)  h 1

の面積に相当する︒同じL

は ︑

労佑者数をぷ1に減らし︑所定外労佑時間を出厄増加させることによっても得ることができるであろう︒このときの

9

h

hi

)ぶ︺であり︑同様に矩形

gi

o(

1)

h

i

の面積に相当する︒更に︑所定内賃金と所定外賃金との

相対比率︹さ

1/

W2

︺が一定であればP線を︑同比率が上昇すればが線を︑同比率が減少すれば

p l l

線を投入拡張線

として点

(O

は辿るであろうと考えることができる︒ 0

(12)

または さなければならない︒

(3

.  5) 

が古典的な労仇と資本の相対価格に対応している︒従つて︑(3.4)は労仇と資本の相対価格が古典的な説明のよう

に単純ではないこと︑例えば︑(3.5)という比率が一定であっても︑所定内賃金と所定外賃金との比率

(w

i/

wz

)

変化すれば︑労仇者数を変化させた方が企業にとつて有利である場合を考察することができるのである︒

( 7 )  

に代入して得られる式を条件として︑︵生産函数と労佑カエネルギー投入函数からの誘導形︶総費用方

(3

.  2)

(3

.

1) 

程式(3.4)を極小化する手続きにより︑企業の総費用極小を満足するh

I

1

娑 翌

2

翌 ︒

l l

翌 ︒

i l l

︵ さ

1h

W2

h)

11

(W

2X

1)

050 

(3

.  6) W1 

2h

 

W2

X1

 

1 1

ド ・

2

a i f .

 

X

1 

" "  

a1

/3

1 

a2

 

(

W1

h 

W2

h)

/P

2 

••

一見して解るように︑(3.4)式の比率

ww はそれぞれ労仇者一人一時間当りの所定内賃金および所定外賃金︑加は資本設備量

︵等質的︶単位当りの抵抗費である︒(3.4)式を伝統的︵古典的︶な限界生産力説における総費用方程式と比較すれ

(3

. 

4)

 

( 5 )  

K

K I I

︵ き

h

U)

2h

) X

1 

2

+ p

次に︑企業の総費用方程式を左のように定義する︒

Xi

X z は次のような関係式を充た

(13)

(3

.6

)

式の左辺と中辺との均等は︑右辺との均等を満足する範囲において成立つものと考えるべきである︒すなわ

ち︑右の式の左辺と中辺とから

(3

.  7) 

( 8 )  

を求めることができる︒

(3

.式は所定外労仇時間需要を表わす誘導形である︒これを右の7)

(3

.

6)式と生産函数の

(3

.  8) 

(3

.  9) 

(3

.  7) 

(3.8) 

X1

  1 1

  A1 

1

ミ き

︺ ー

a1

1

IP

2

a 2 §

︒ ーき.はド・

i

1

fa

z 

Wz 

i l  

Ia

1

a

X1

  1 1

  A1 

1/

Wz

8 1 / 3

1   +

W1

/P

2

B

1 / 3

1   +a'Xo°'1/31 

̲a

1

8 11

Xz

  1 1

  A2 

1/

W2

8 1

S

w

i/

Pz

a 1

a

X o° '

1 /3 1

  +a 2

  A1 

11

[

さ 万

ぎ .

f l.

(a1(,8:~,82)• さ s]

R2

A2 

11

[a

(

/3

西

1 12

. 芝

1 / >

2

(a

1  ( ,

8 ; 

\")・ミ Pl]

ら"'•

(3

8.

)式はそれぞれ労仇︵者数︶需要函数および資本設備需要函数である︒そこで︑右の式および(3.9)

二式および

(3

.7)式の各定数に先の(3.3)の条件を科すと︑ 誘導形とに代入してむおよび

x i について解くと︑

ぎ.

h

I J

/3

1

2 2

h"

"

 

(14)

w, 

Wz 

定内︑所定外賃金の相対価格

( W

‑ A 品 ︶

に対して (3.9

となることが解る︒右の三式のそれぞれについて︑その経済理論的意味を吟味する必要があるので︑次に右の各式

第②図は上のような関係を図示したものである

が︑図において︑縦軸に

︑横軸にW l

¥ ̲ およびhをとW Z

l

hi

︵所定外位金︶を一定としたW z

ときのh

W l 貿

曲線

hを一定としたときのW l

飢との関係を示している︒点a

ることを示している︒ 体として所定内︑所定外賃金の相対価格に依存す 描造係数および所定内労佑時間︵パラメータ︶を 外労仇時間需要は︑労仇カエネルギ投入函数の これは︑所定外労佑時間需要方程式であり︑所定 ヽ~︵ 

(3

.  7)式について について検討することにしよう︒

誘導形の理論的吟味 X

11

 A(w2

i/ ぷ ︺ u

a 1

U)1/P

2

a ' Xo

(15)

w ,  

唖_――‑‑‑ . 

  '

I

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ , '

I . 

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

I ' I  

ヽ.l

I  1

, 、

I ' •

I)',  ,,..+i..̲ I ~

I  I'a O ' O '  

1 1  /X1  ,' 

I  I ' 

I  I  a,   ,

;'pr---~,,/

.

.:.̲ 

p

;  

少を相殺するだけのh

b , 

a 2  

a,' 

¥p

])

 

t a

n ,

であれば︑先の説明と全く同様の相  資本と労仇の価格の同時的な上昇が︵旦 第岡図と同じ様式で描いたものであり︑ここでも との対応として考えてみよう︒上の第③図は先の よって明らかであるから︑今度は石︵資本設備需要︶ し︑この点については先の第①図および第②図に とうらはらの関係にあることは勿論である︒しか

‑ ] p g ) I I

︵ 主

所定外労仇時間hの需要は当然労佑者数の需要

X i

(3

.8

)

式および︵3.9)式について 叫だけが

所定外労仇時間需要は梢であり︑同じ点

aでは︑相対価格

( w i

足︶でも硝を需要する︒このことをWiの変化]

と叫の︑変化に対するhの変化に分解すると次のようにして説明することができる︒すなわち︑まづ︑

西

h

は糾から瓜に減少するが︑同時に︑

Wiが叫から︐Wiに変化すると︑右のh

の増加が起るI

梢から桁までの増分ーから結局は梢に留まることになる︒それは︑

11

︵ さ

1

A 0 2

︑ ) =

t a

n o

だからであり︑︒相対︒価面としては変らなかったことを示している︒

t a n

8の変化する

場合についても同様の相殺が行われるが︑その場

合には新しい点に落着くことは言うまでもないで

八四

(16)

都合な規模別等質化函数を定義する︒ 殺が起るであろう︵落着点は芍である︶︒

B投入規模の経済性の考慮

これまでの仮説の設定においては︑各投入量はその投入規模の変化から独立であるI規模が変化しても︑各投入

量が二倍となれば産出量も二倍となり︑それ以上にもそれ以下にもならないーと仮定されてきた︒従って︑

(3

.7)

(3.8)および(3.9)式はこのような仮説の上に成立つているわけである︒そこで︑

理論上の変量に対するこのよう

な仮説と実際の変量の作用とのギャップを埋めるために︑更にもう一組の仮説の導入を必要とすることが理解でき

よう︒われわれは︑このような目的に沿った仮説として﹁規模別等質化涵数﹂が非常に有妓であることを既に知っ

( 6 )

1 0

)  

ている︒このような試みは既に筆者も前稿において利用したが︑ここでは︑更にもう一歩進んだ解釈を規模函数に

付することによって︑この仮説をより有致なものにしようと努力したつもりである︒そこで︑次に筆者の仮説に好

第一に︑労佑者の投入量について述べる︒仮に︑前述のような意味での等質的な労佑者投入の効果をまづ考えて

みると︑等質的な資本設備量と共にこれらを二倍にすれば︑既述のように産出量は二倍になる筈である︵生産函数が

資本設備量を一定とすれば︑等質的労仇の限界生産力は勿論逓減するであろう︒し

かし︑等質化されていない労仇︵実際の労佑︶については果してどうであろうか⁝︒A・スミスも指摘したように︑

経済社会の進歩と共に労仇の分業が起り︑それだけでも労佑の生産性を高めるのに大きく貢献した︒労佑の分業化

0 0 0  

ー更に広い意味での労佑の生産工程における組織化ーは労佑の投入規模と決して無関係ではありえないことに注意

すべきである︒労仇の投入規模が増大するに従って︑生産工程における労仇の組織化はますます容易となり︑また︑

(17)

労仇需要の構造分析︵浜田︶

その効力を充分に発揮するであろう︒右のような推論は多分に直観的ではあるが︑

函数を他の投入要素の投入規模についてもそれぞれ相互に独立に考慮する︒そこで︑規模別等質化函数を次のよう

(3

.1

0)

 

知およびむはその構造特性値︑

11 f" 1

・ X 1   1 1 1   a1 Xi 1 X1   1 1

  a1x½+s,;

s1

>

X i

は等質化された労仇者数︑凡は労仇の規模別等質化函数であり︑

現実の労仇者数である︒

むは現実の資本 このようにして︑規模別等質化

8 1 が正値である理由は既に述べた︒投入規模の経済性を右のように考えれば︑先の等質化

生産力は勿論逓減するであろうが︑ された労佑者数の投入効果との関係は次のようになる︒すなわち︑資本設備量を一定とすれば︑現実の労仇の限界

0 0 0  

その逓減の度合は等質的労仇の場合に比べて緩やかにー程度は

依存するーなるであろう︒

第二に︑資本設備量の投入量について述べる︒第一の労仇投入規模に関する議論はそのまま資本設備量について

も妥当するであろう︒すなわち︑生産工程における種々の資本設備はその規模が増大するに従ってますます組織化

され—勿論、この場合にも企業特性が非常に大きな影響力を有することは言うまでもないー︑労仇投入規模の効果

( 1 1 )  

を一応切り離しても設備規模の経済性を増大させるであろう︒従って︑労仇者数を一定とすれば︑資本設備の限界

生産力は等質的設備量に比して︑

するーになるであろう︒資本設備に関する規模別等質化函数を次のような関係において定義する︒

(3

.1

1)

 

11fs.X2111d2.X沖・X2=a2X~+'2;

s2

>

ここに︑*花は等質化された資本設備量︑ムは規模別等質化函数︑ な関係において定義する︒

その逓減の度合は緩やかーその程度は︑規模函数の構造特性値の値の大小に依存

S l

の大きさに

a l および

S l はその構造特性値︑

X i

参照

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