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百瀬ちどり 村山くみ 小林由美 Chidori MOMOSE Kumi MURAYAMA Yumi KOBAYASHI

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松本短期大学研究紀要 35

中高年者 の社会参加 と生活関連意識の変化 に関す る研究

〜地方都市シニア大学受講者の入学時と2年目の生活関連意識の変化〜

Study on social participation activity of the person at old and middle age and change of the  life‑related consciousness

〜Change of the life‑related consciousness of entrance to school and the second year of the local  city senior university student〜

百瀬ちどり 村山くみ 小林由美

Chidori MOMOSE Kumi MURAYAMA Yumi KOBAYASHI

l)松本短期大学 2)東北福祉大学 3)人間総合科学大学

要 旨

目的 :社会参加活動の1つであるシニア大学 を受講す る中高年者 の入学時 と2年 目の生活関連意識の変化 について検討 し、地域在住の中高年者 に社会参加活動が与 える影響 を明 らかにす るとともに、社会活動 の方 法 についての示唆を得 る資料 とす る。

方法 :平成22年度、AB市のシニア大学受講生180名 を対象に、入学時 と2年 目の社会関連尺度、主観 的健康感及び健康生活習慣、 ソーシャル ・サポー トの授受、生活満足度 の変化 について比較検討 した。分析 方法は学年毎の有意差 を見 るため、量的変数の検定はt検定を採用 した。有意水準5%の項 目を検討 した。

結果 :入学時は171、2年 目は125名か ら回答を得た。入学時と2年 目でシニア大学受講生の意識に大き な変化は見 られなかった。有意水準5%の有意差が認 められたものは、健康生活習慣の 「健康診断の受診率」

とソーシャル ・サポー トの提供の 「気を配 る」であった。

結論 :社会参加活動での豊 かな人間関係 を築 くことが健康行動へ も影響 し、健康診断の受診率 を高めたと 考 えられ る。 また、豊かな人間関係は負担 としての 「気 を配 る」事 を減少 させたと考 えられ る。本研究では 対象者が限 られてお り、一般化す るためにはさらに調査が必要である。 また、1年 の時間経過での意識の違 い を見 るような調査項 目の検討 も必要である。

キーワー ド】中高年者の社会活動、シニア大学、 ソーシャルキャピタル は じめに

日本 の高齢者人 口は増加 し続 けて いる。平成22 年度の国勢調査結果 1)(総務省統計局 「各年国勢調 査報告)によると65歳以上 の人 口は2,929万人で あ り、総人 口の23%を超 えている。平成18年 に国 立社会保障 ・人 口問題研究所 が公表 した 日本の65 歳以上 の将来推計人 口では平成25年 には3,500 人 に達す ると見込 まれている。また、平均寿命の延 伸 によ り65歳時の平均余命 は男性が18.60年、女 性では23.64年 (平成20年報告)と報告 されている。

高齢期をどのように過 ごすのかは、と りわけ中高年 者 には大きな課題でもある。

1995年 に制定 された 「高齢社 会対策基本法 1) では、基本理念 として国民が生涯 にわたって就業そ の他の多様な社会的活動 に参加す る機会が確保 され る公正 で活力 あ る社会 の構築 を 目指 す ことが示 さ れ、第11条 にお いて国は生涯学習お よび社会参加 の整備 に関す る必要な施策を講 じると明記 されてい る。さらに 「高齢社会対策の大綱 について」 1)では、

基本理念の実現へ向けて社会のすべての構成員が協 力 し合 い、それぞれの役割を積極的に果たすことを

目指す とともに、社会参加の促進が示 された。2001 年からは 「高齢社会対策大綱」 において引き続 き社 会参加 に関す る施策が示 され るなど、社会参加活動 が豊かな高齢期 におけ る主要 な施策概念 の一 つ と なっている。

高齢者 の社会参加活動 は、健康状態や経済状態、

それまでの職業生活 といったライフスタイルに大き く影響 され る。 また、家族を含めた人間関係 も社会 活動への参加 を決定づける大 きな要因である。 内閣 府が行 った 「高齢者 の地域社会への参加 に関す る意 識調査 (2003年)」1)によると、活動 に参加 しない 理 由として 「どのような括動が行われているか知 ら ない参加できる活動が少ない友人 ・仲間がい な いか ら」 であ った。2009年 の調査 では、友人や 近隣との付き合 いが希薄であるほど生きがいを感 じ ていないと答える者 の割合が増加 している。社会 と のかかわ りは身体面での活動の機会 とな り健康寿命 の維持、介護予防にもつなが り生きがいにも影響を 及 ぼす ことを示 している。そのため、特 に退職後の 中高年者 に対 して、社会活動への積極的な参加 を地 域単位での取 り組みが進められている。老年大学 (

(2)

下シニア大学) は退職後の中高年者を対象に生涯学 習の機会と地域での新たな人間関係作 りの場を提供 す ることを目的として、地方自治体が主体 となって 展開している社会活動の一つである。シニア大学は 概ね60歳以上の地域在住の中高年者を対象とし、2 年間のカ リキュラムでは地域活動のための知識や具 体的方法、仲間つ くりや趣味講座など、多彩な内容 が展開されている。

これまでの先行研究2) 3)では、社会活動に参加 している人 としていない人の健康感や生活満足感の 違いについての報告はみ られるが、社会参加活動が 与 える影響 についての報告は少ない。そこで今回、

シニア大学 に入学 した受講生の入学時と2年 目の、

社会参加活動が生活関連意識に与 える影響について 調査 した。

Ⅰ.研究 目的

社会参加活動の一つであるシニア大学に参加 して いる中高年者の、入学時と2年目の健康感、健康生 活習慣、社会関連性や生活満足度など生活関連意識 の変化を明 らかにす る。それにより、地域在住の中 高年者の社会活動のあ り方や方法についての示唆を 得 る資料 とする。

Ⅱ.研究方法

1)研究協力者 と調査方法

AB市の福祉事務所 が主催す る平成22年度の シニア大学入学生180名を対象とし質問紙票を用い た集合調査を実施 した。

調査は、シニア大学の開講初 日である平成22 513日、及 び 1年 後 の平成23623日の2

日間に会場調査で実施 した。調査を実施 した結果、

入学時176名、2年 目126名か ら回答 を得た。回答 のぺ総数は302名 (回収率83.9%)であった。 この うち、基本属性 (年齢、性別、世帯構成) に欠損値 のない296名 (有効 回答率98.0%)を分析対象 と

した。

調査の手順は以下のとお りである。

(ヨシニア大学主催者に研究の趣 旨と実施方法につ いて文書 と口頭で説明し調査実施 に関する許可 を得た。

(塾研究の趣 旨および方法、倫理的配慮について受 講生全員 に対 し文書 と口頭で説明を行 った。

(診調査票を1部ずつ配布 し、記入の方法について 説明を行 った。

④調査票の回収 については主催者の協力を経て、

回収箱を設置 した。

2)調査内容 (∋基本属性

基本属性に関する項 目は、年齢、性別、家族構 成、職業の有無、参加のきっかけ、同伴者の有 無、半年以内の身近な人 との死別の有無を設定 した。 「家族構成」 は 「同居 あ り」 と 「同居な し (独居)」、参加のきっかけは、他者からの勧 めの有無 について 「勧 めがあった勧 めがな かった」、同伴者についても 「同伴者あ り 伴者なし」 の2群に分類 した。

②社会関連尺度

社会関連性指標は、人間関係の有無、環境 との かかわ りの頻度を測定す る尺度であ り、5領域 18項目からなる。それぞれの項目に対 して 「 ぼ毎 日 (いつも)2回位 (時々)1 位 (たまに)「月1回位 (いない)」 の4段階 の選択肢か ら回答 を求めた。安梅4)の得点基 準に基づき18点満点での配点で回答を計算 し た。

③主観的健康感

あなたは健康だと思 いますか 」という質問項 目に対 して 「非常 に健康「健康なほ うだと思 あま り健康 ではない健康ではない」

の 4段階で回答 を求めた。 「非常に健康 康な方」 を 「健康群」 とし、 「あま り健康では ない「健康ではない 」を 「非健康群 」として 集計 した。

④健康生活習慣 と医療受診行動

健康生活習慣等については、朝食の状況、栄養 バランス、睡眠時間、喫煙、運動、飲酒、仕事 時間とス トレスからなる健康生活習慣実践指標 と通院、入院、健康診断の受診状況を尋ねた。

実践度 に応 じて 「適切群「非適切群 」に分類 した。

⑤ ソーシャル ・サポー ト尺度

野口5)により開発 された高齢者用ソーシャル ・ サポー ト尺度を用いた。 「情緒的サポー ト4

目と 「手段的サポー ト」4項 目の計8項 目につ いて、「受領できる状況にあるか提供できる 状況 にあるか」 の両方向か らの回答を求めた。

受領できる (提供できる)」 を1点 とし、 「 領できない (提供できない)」を0点 として集 計 した。

⑥生活満足度

生活満足尺度 (LS卜K)を用 いた。LSトKは古谷 野 ら6)によ り標準化 されたものであ り、 「人 生についての満足度楽天的 ・肯定的な気分」

老 いについての評価 」の3つの国子か ら構成 されている。9項 目から成 り、信頼性は確保 さ

(3)

松本短期大学研究紀要

れている。各項 目で肯定的な回答に1点、それ 以外の回答を 0点 として集計 した。

3)分析方法

各調査項 目について単純集計を行い、全体 を把捉 した。統計処理は表計算 ソフ トExcelを用いてデー タセッ トを作成 し、SPSSforWindows バージ ョ 11.0を使用 し集計解析 を行 った。今回は同一 グ ループの入学時と2年 目の意識の変化をみることを 目的とするため学年による有意差を検定するため学 年を列、各項 目の回答を行 とす るクロス表を作成 し、

単変量解析を行 った。量的変数の検定には t検定を 採用した。検定の有意水準は5別 こ設定 したが、有 意差を示す ものが2項 目であったため有意水準 を 10%まで広げ、10%で有意差が見 られたものも示 し た。

1 基本属性 の分布

37

Ⅲ.

倫理的配慮

本研究では調査への回答は無記名 とし、統計的に 処理す ることで個人 が特定 されないようにす るこ と、調査への協力は個人の意思に沿い、非協力でも 何の不利益 も生 じないこと、研究以外 にデータを使 用することは無いことを文書 と口頭で説明 し、質問 紙の提出をもって同意 とした。

Ⅳ.

結 果

1)基本属性

平成22年度のB市 のシニア大学の募集定員 は全 体で350名であるが、 2つのグループで運営 してい る。今回は1グループ180名 を研究協力者 とした。

研究協力者の基本属性、入学時と2年 目の変化は表 1のとお りである。

入学時 2年目 合計

N=171 N=125 N=296 年 齢 Mean±SD 66.3±3.9 67.0±4.1 66.6.±4.0

男性 52(30.4) 33(26.4) 85 (28.7) 女性 119(69.6) 92(73.6) 211 (71.3) 同居者の有無 独居 16(9.4) 13(10.4) 29(9.8) 同居者あ り 155(90.6) 112 (89.6) 267 (90.2)

職業の有無 芸芸 1341.g…: ; :::3 21851;;:

参加のきっかけ あり 122(71. 91(72. 213(72. (他者からの勧め) なし 49(28.7) 34 (27.2) 83 (28.0)

死別体験の有無 あり 50(29.9) 47(38.2) 97 (33.4) なし 117(70.1) 76(61.8) 193 (66.6)

Ip<.10

シニア大学参加者の入学時の平均年齢は66.

3.9歳である。男性参加者30.4%に対 して女性参 加 は69.6%と地域活動への参加者は女性 の方が多 い傾向である。独居 は10%前後である。同居者 あ りの内訳 は配偶者 との夫婦のみが最 も多 くみ られ た。職業の有無については入学字と2年 目で有意差 がみ られた。 シニア大学への参加 のきっかけでは 71.3%の人が他者からの誘いを受けて来ている。 こ の傾向は男性 より女性の方が多かった。半年以内の 死別体験 については約30%の人が経験 している。2 年 目では38.2%とさらに増加 している。

2)社会関連性指標得点の変化

社会関連性指標得点の変化については表2のとお

りである。社会関連性指標は地域における生活者の 社会 とのかかわ りの状況 を把握す ることを目的 と して作 られたものである。5つの領域別に得点を算 出し18点満点 となる。研究協力者 の入学時の社会 関連性指標得点 の平均 は14.6± 2.7点、2年 目は 14.9± 2.5点である。平均点 の若干 の増加 と標準 偏差の減少がみ られた。

社会関連性指標得点において、入学時と2年 目で 有意差が認められたものは 「趣味の有無」 と、 「 事に積極的に取 り組む」 の2項 目であった。

(4)

2 社 会 関 連 性 指 標 得 点 の 変 化

入学時 2年 目 合計

N=171 N=125 N=296 家族 との会話頻度 頻繁 149(87.6) 104 (83.9) 253 (86.1) 家族以外 との会話頻度 頻繁 105(62.1) 78(62.4) 183 (62.2) 訪 問機会頻度 頻繁 90 (53.6) 70 (56.5) 160 (54.8) 町内会等 の活動への参加頻度 頻繁 112(69.1) 92(73.6) 204 (71.1) テ レビの視聴頻度 あ り 165(97.1) 121(96.8) 286 (96.9) 新 聞購読 す る 165(96.5) 119(95.2) 284 (95.9) 本 ・雑誌の講読 す る 109(64.1) 89(71.2) 198 (67.1) 役割 の有無 あ り 138(82.6) 106 (84.8) 244(83.6) 相談者 の有無 あ り 123(71.9) 85 (68.0) 208 (70.3) 緊急時の手助 け あ り 127(74.7) 85 (68.0) 212(71.9) 近所 づきあい あ り 137(80.6) 101(80.8) 238 (80.7)

趣味の有無 あ り 153(89.5) 119(95.2) 272(91.9) T

便利な道具 の利用 す る 154(90.1) 115(92.0) 269 (90.9) 健康への配慮 す る 163(95.3) 120(96.0) 283 (95.6) 規則正 しい生活 規則的 164(95.9) 121(96.8) 285 (96.3) 生活の工夫 す る 150(87.7) 115(92.7) 265(89.8)

積極性 あ り 143(84.1) 113 (91.1) 256(87.1) T 社会への貢献 できると思 う 135(78.9) 103(83.1) 238 (80.7)

平均 の差 (Mean±SD) 社会関連性指標得点 入学時 14.6±2.7

2年 目 14.9±2.5

p<.10

3)主観的健康感及び入院 ・通院の状況 と健康生活 1年間で何 らかの健康診断を受けているか、とい

習 慣 の変 化 う健康診断の受診率 については入学時の89.2%

主観 的健康感 と健康状況 については表3の通 り 受診率に対 して2年 目では96.0%であ り、5%水 準 であ る。主観 的健康感では 「健康」群 が入学時は で有意差がみられた。

75.6%であ り、2年 目では80.8%になっているが有 意差はみ られない。過去1年以内の入院、通院につ いても入学時と2年 目では有意差はみ られない。過

3 主観的健康感及び入院通院等 の状況

入学時 2年 目 合計

N=171 N=125 N=296 主観的健康感 健康群 127 (75.6) 101 (80.8) 228 (77.8) 過去1年以内での入院 なし 150 (88. 116 (93. 266 (90. 過去1ケ月以内での通院 なし 63 (37.5) 48(38.7) 111 (38.0) 健康診断の受診 受けた 149 (89.2) 119 (96.0) 268 (92.1) *

歯科の受診 なし 104 (62.3) 75 (60.5) 179 (61.5)

*p<.05

(5)

松本短期大学研究紀要 39

朝食 の状況、栄養 バランス、睡眠時間、喫煙、運 病 の発症 リスクを高 め るとい う調査 を参考 にし、過 勤、飲酒、仕事時間 とス トレスか らな る健康生活習 5年 間の体重 の5Kg以上 の変化 の有無 を聞 き健 慣実践指標の変化 については表4の通 りであ る。体 康生活 の指標の一つ とした。

重 の増減 については 日本生活習慣病学会の報告によ 健康生活習慣 についてのすべて質問項 目で有意差 る過去5年間での5Kg以上の体重 の増減が生活習慣 がみ られたものはなか った。

4 健康 生活習慣実践指標 (HPI) と体 重の増 減

入学時 2年目 合計

N=171 N=125 N=296 運動 1回以上 129(80.6) 106(86.2) 235(83.0) 適量 128(78.

0 )

93(75.6) 221(77.0)

喫煙 吸わない 145(93.5) 121(97.6) 266(95.3) 睡眠 6‑8時間 148(90.2) 117(94.4) 265(92.0) 栄養のバランス 考 える 81(49.4) 58(46.8) 139(48.3) 食 の摂取 毎 日摂取 158(96.3) 121(97.6) 279(96.9) 時間 4‑6時間 151(97.4) 119(97.5) 270(97.5) トレスの有無 な し 0(0.0) 1(0.8) 1(0.3) 重の増減 な し 85(50.6) 71(57.3) 156 (53.4) 4)ソーシャル ・サボ‑ トの授受 の変化

ソーシャル ・サボ‑ トの状況 について 「元気付 け て くれ る気 を使 って くれ る」な どの情緒的サポー トと 「用事 を頼 め る寝込 んだ ときに看病 して く れ る」 な どの手段的サポー トの2つの側面 を 「受領 できる」と「提供できる」の両方の側面か ら尋ねた ( 5および表6)受領 で きる」 と 「提供す る」 とい う回答 を1点、 「受領できない提供 しない」 とい う回答 を 0点 とした。 ソーシ ャル ・サボ‑ トの受領

5 ソーシ ャル ・サ ポー ト受領状況

得点は入学時は6.9±1.7、2年 目では6.7±1.8 点 であ り、提供得点 はそれぞれ6.7± 1.6、6.5

±1.7点 となっている。

ソーシャル ・サポー トの受領状況 では入学時 と2 年 目では有意差 がみ られ る項 目はない。一方で ソー

シャル ・サポー トの提供状況 では、入学時 と2年 目 では 「気 を配 る」 の項 目について5%水準 で有意差 がみ られた。

(受領サポー ト) 入学時 2年目 合計

N=171 N=125 N=296 心配 ごとを聞いて くれ る人 あ り 148(92. 108(87.1) 256 (90.1) 2‑3日の世話 をして くれ る人 あ り 138(86.3) 103(83.1) 241 (84.9) 気を配 って くれ る人 あ り 154(96.3) 117(94.4) 271(95.4) 元気づけて くれ る人 あ り 155(96.3) 118(95.2) 273(95.8) お金 を貸 して くれ る人 あ り 104(68.0) 84(67.7) 188(67.9)

くつ ろいだ気分 に して くれ る

あ り 143(88. 108(87. 251 (88. 用事を頼める人 あ り 128(80.0) 95(77.2) 223(78.8) 長期間の世話 をして くれる人 あ り 127(79.4) 99(80.5) 226(77.9)

平均の差 (Mean±SD) ソーシャル ・サポー ト受領得点 入学時 6.9±1.7

2年目 6.7±1.8

(6)

5)生活満足度 の変化

生活満足度得点 の結果 は表7の通 りであ る。各質 問に対 し、肯定 的な回答 を1点 とす る生活満足度得 点平均点 では、入学 時は5.6±2.3、2年 目は5.3

±2.2点 とな って いる。 生活満足度 ではそれぞれ の 質 問項 目に対 して肯定 的 に捉 えて い る群 を抽 出 し、

入学 時 と2年 目で比較 した。

7 生活満足度 尺度 の状況

研究協力者 の 「人生 をふ りか えってみて満足でき る」 と認識 して いる人 は入学 時89.1%、2年 目で も 87.9%と高 い割合 であ る。生活満足度 では入学時 と 2年 目では 「物事 をいつ も深刻 に考 え る」 の項 目で 10%水準で有意差 がみ られ た。 それ以外 の項 目では 有意差 は見 られなか った。

入学時 2年目 合計

N=171 N=125 N=296 去年 と同 じよ うに元気 はい 105(67.3) 91(73.4) 196(70.0) 今 の生活 に、不幸せなことがある ほ とんどない 56(35.7) 51(41.1) 107(38.1) 小 さいことを気 にす るよ うにな った いいえ 91(58.3) 79(63.7) 170(60.7) 他 の人 に比べて恵 まれて いた はい 119(77.8) 91(73.4) 210(75.8) 前 よ りも役 に立たな くな ったと思 う 思わない 100(63.7) 78(62.9) 178(63.3) 人 生をふ りかえってみて、満足 満足 できる 139(89.1) 109 (87.9) 248(88.6) 生 きることは大変厳 しい いいえ 46(29.7) 40(32.3) 86(30.8) 物事 をいつも深刻 に考 える いいえ 80(51.6) 78(62.9) 158(56.6)

求 めて いた ことのほ とん どを実現 で

きた はい 52(34.0) 39(31.5) 91(32.9) 平均の差 (Mean±SD) 生活満足度得点

入学時 5.6±2.3 2年目 5.3±2.2

†p<.10

V.考察

今 回地域 中高年者 が社 会参加活動 を通 して、社会 関連性 や生活意識 に変化 がみ られ るのかをAB のシニア大学 を受講す る中高年者 180名 を対象 に調 査 した。入学 時は開校式 当 日に調査 を実施 した こと

もあ り180名全員 を対象 とす ることができた。 しか 、2年 目では全員 が一緒 に受 け る講義 日を設定 し たが参加者 が152名 であ った。欠席 の理 由は多 くが 体調 不良であ る。調査 日当 日の参加者 を対 象 に入学 時 と2年 目で同一 内容 の質問 に答 えて もらい、変化 をみ た。

今 回使用 した6つの指標 の質問項 目全体 の傾 向 と して は、入学時 と2年 目では大 きな変化 は見 られ な か った。今 回の調査項 目が短期 間での心理変化 を調 査す るものでな いことも、変化 を示 さなか った要 因 とも考 え られ る。 また、社会参加 活動 がエ ンパ ワー メン トを高 め ることは、エ ンパ ワー メン トの過程 と して も述 べ られて い るが、 シニア大学への参加 な ど 何 らかの活動 を しよ うとす る人 は活動意欲 を持 って いる人 とも言 え る。 活動意欲 の低下 した人 へ の活動

介入 とは違 うことも1年 の経過 の中で変化 が見 られ なか った要 因の一 つ と考 え られ る。 そのなかで も、

基本屈性 の10%水準 で有 意 差 が見 られ た 「職業 の 有無 」 につ いて は、平均 年 齢 が入 学時66.3±3.9 歳 を考 え ると、 1年間の間に仕事 を離れ ることは考

え られ る。 しか し、実際 は増加 して いる。理 由につ いては追跡 していないため不 明であ るが、 シニア大 学 を含 め社会参加 がき っかけ とな ったことも考 え ら れ る。仕事 をす るこ とは社 会活動 への参加 で あ り、

社会的、経済 的なエ ンパ ワー メン トの拡大 と考 え ら れ る。

社会関連指標得点では 「趣 味があ る」 と 「物事 に 積極 的 に取 り組 む」 につ いて10%水準 で有意差 が 見 られた。 シニア大学 の講座 が教養講座 と具体的な 趣 味の実践講座が あ り、 それ らを通 じて持 つ ことに な った趣 味や興味 を持 った ものが生 じた とも考 え ら れ る。 また、シニア大学 の仲 間つ くりの一環 として、

早 い段階か ら10人前後 のグル ープを形成 して学修 して いるため個人 が集 団の中で埋 もれ ることな く学 修 できている。そ の方式が物事 に積極的 に取 り組 む

(7)

松本短期大学研究紀要

ことを促 していることも考えられ る。 さらには、生 活満足度のなかの 「物事を深刻に考える」事 も中和 していると思われる。グループ内での関わ りや助け 合 いが相互作用 として働 いていると考 えられ る。

ここでは1年の経過後に5%水準で有意差が見 ら れた2つの項目について考察する。

1)主観的健康感 と健康生活習慣

主観的健康感 と健康生活習慣の中で有意差が見 ら れたのは1年以内の健康診断の受診率である。中高 年者は生活習慣病予防からも年1回以上の健康診断 が進められている。 しかし、定年などにより職場を 離れると個人で健康診断を受けなければならず健康 診断の機会が減少する。健康診断を受けない人の理 由としては 「定期的な通院をしている」 こと、 「 倒である」が多 く見 られた。前者はすでに何 らかの 疾患をもち通院 しているため、改めて健康診断を受 けることはしない。後者は自覚症状がな く元気であ ると言 う思いから時間を取 って健康診断に出向 くこ とをしないと考えられる。退職により職場での健康 診断の機会がな くなると、自分か ら健康診断に出向 く機会を作 ることになる。その際、健康上に問題が な く過 ごしてきた人は健康診断を受けることが少な いと思われ る。

健康診断を利用す る割合の高い集団の健康情報源 を調査 した吉田7)らの報告 によると、高齢者が利 用する健康情報源では、TVや雑誌な どのメディア 情報に次いで地域組織、 自身の健康診断からがある としている。中高年者の関心の大きなことに健康問 題がある。健康診断において健康問題が見つけられ ると継続 して健康診断を受診す ることに結 びつ く が、特別な問題 もな く、 自覚症状のない人は健康診 断を受けることに価値を見出さな くなると考 えられ る。本研究の協力者 もその傾向にあるのではないか と考えられ る。健康診断を受けることの最も大きな 要因は自らの健康問題への不安であるが、次 には身 近な地域組織での情報、 ここではシニア大学がさま ざまな情報交換の場 とな り、健康診断の受診状況や 健康状態についての情報交換 も行なわれていると考 えられる。同時に健康診断を受けることも進められ たとも考えられ る。 グループの中に健康意識の高い 人がいると感化 されて健康診断を受けることに繋が ることも予測できる。そのことが2年 目の健康診断 の受診率の増加 に繋がったと推測する。

社会の粋や結束がその集 団の健康 を守 ることは ソーシャルキ ャピタル として知 られている。 ソー シャルキャピタルには個人 と地域 (社会) レベルの 捉 え方がある。個人はその人の持つ人 とのつなが り の豊かさであ り、地域 (社会)はその人が属する集

41 団の健康への意識と考えられている。個人の健康へ の意識が低 くて も、帰属する集団が信頼 しあって協 力 し合 う関係ができていると健康上にも恩恵がもた らされ るという考え方である。本研究の協力者 も1 年間のシニア大学での活動の中で多 くが豊かな人間 関係を築 くことができ、直接的にあるいは間接的に 健康診断の受診 に対す る影響 を受 けた と考 え られ る。 ソーシャルキャピタルに関す る先行研究8) 9) 10)か らも友人 を多 く持 つ人 ほ ど、助 け られた り、

良い情報を得 る機会が増 えることが言われている。

結果 として健康診断の受診率の増加に繋がったと考 えられ る。

社会参加活動は多 くの面で中高年者に良い影響を 与 えるが、良い人間関係は健康行動にも良い影響を 与える。集団運営 としてよい人間関係を築 く配慮が 不可欠である。

2)ソ‑シャル ・サポー トの授受

ソーシャル ・サポー トは、その人 を取 り巻 く重要 な他者から得 られるさまざまな形の援助が、健康の 維持 ・増進ばか りでな くス トレスの緩和や生活満足 度を高めることに重要な役割を占めている。

高齢者の場合は他者 による支 えの必要性が大き くな るが、受領するだけでな く提供することが高齢者の 生活に良い影響 を与えることが指摘 されている11)

本研究協力者のソーシャルサポー トの受領得点の 平均は入学時には6.9±1.7点である。 これは、山 下 ら12)が新潟県の住民143名の調査を行な った際 の平均点とはぼ同様である。山下 らの調査対象者の 平均年齢は62.7歳であることを考 えると本研究協 力者は66.3歳 と4年上であ り、十分なサポー トを 受 けていると言 えるのかは異論 もあるところであ

る。

提供得点は6.7±1.6点でこちらも山下 らの報告 と大差はない。受領 と提供 とどちらも2年 目では0.2 ポイン トと若干 ではあるが平均点が低下す る。サ ポー ト授受の相手については家族 ・親族、友人 ・知 人など身近な存在の私的なサポー トに限定す る形で 回答を得ている。そのため情緒的サポー トとしては 高値を示すが手段的サポー トの項 目では、低下傾向 にある。手助けをして くれる人がいると答 えている 人はいても、自らは積極的に手助けする意思は低い といえる。金銭の貸 し借 りではその傾向が強 く見 ら れ る。

サポー ト提供の 「気を配 る」 ことが入学時と2 目で有意差が見 られている。入学時では新 しい人間 関係のスター トの場面、新たな活動への参加の初 日 でもあ り、自分 の行動や周囲へ気を配 るという緊張 の現われかもしれない。1年が経過 し、シニア大学

表 2 社 会 関 連 性 指 標 得 点 の 変 化 入学時 2 年 目 合計 N=1 71 N=1 25 N= 296 家族 との会話頻度 頻繁 1 4 9( 8 7

参照

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