長野工業高等専門学校紀要 ・第
2 7
号( 1 9 9 3 ) 1 5 7
.高専 における専門文献講読 と一般英語の接点
小 津 志 朗
A S t u d y o f T e a c h i n g E n g l i s h f o r S p e c i f i c P u r p o s e s a t a College of Technology
Shiro OZAWA
Someas pe c t so fTe a c hi n gEn gl i s hf o rSpe c i f icPur pos e s ,e s p e c i a ll yEn g li s hf or Sc i e nc ea ndTe c hno l o gywe r ee xa mi ne di nor de rt oi mpr oveEngl i s hEdu c a t i o nata Col l e geo fTe c hnol o gy.
Fi r s t ,as uⅣe yo ft her e a di ngc l a s s e swasc ar r i e do uti nwhi c hr e s e a r c hpa pe r si n En gl i s ha r eus e dasadi s c us s i o nma t e r i a lbypr o f e s s o r sofs pe c i al i z e dc ou r s e s .Se c o nd , s o medi f f ic ul t i e sar edi s c us s e di nt e a c hi n gEn gl i s hf orSc i e nc eandTe c hnol o gybya t e a c he rofEn gl i s hwhoha svi r t ua l l ynokno wl e d geofi t sbac kgr o und. Las t l y, c har ac t e r ‑ i s t i c sofa ni de al mat e r i a l wase xa mi ne df o rt e a c hi n gESTt ot hes t ud e nt sofSc i e nc eand Te c hnol o gyma j or .
Fr o mt hes u r ve ya ndt hedi s c u s s i o n, t hei mpo r t a nc eoft e a c hi n gr e a di n gc ompr e he n‑
s i o na ndvo c a bul ar yl Sr e ve al e d.
1. は じ め に
高等専門学校 の教育 は,最近では大学編入をす る卒業生が増 えてきたものの,多 くても 2 割程度でそのほかの卒業生は様々な企業に就職をす るので,いわゆる完成教育だ といえる.
また,就職先での職種 は,研究開発部門 も多 く,卒業生の進む企業か らの英語教育 に対す る 要求に関 しては大学工学部 に対 し
{ (1)と同様 きびしいものがあ り,最近では就職 をす る際に は専門学科の実力 と英語力がモノを言 うと聞 く.
このような状況の中で長野高専では ,3 年生 まではいわゆる一般の英語 を教 え ,4・5 年 生には工業英語等を教 えている. さらに,ほとんどの学科において,工業系の専門学科の教 官の指導により英語の 「 文献講読」が行われている. しかし,専門学科の教官か ら,学生 の 英語力が弱いとい う指摘が何度 とな くされてきた.た とえば 「 英文の中の主語,述語 の区別 す らできない」 とか , 「 和訳をさせ るとめちゃくちゃな文 を作 りだ して平然 としている」 な
どである.
これ らの批判 に対 し,長野高専の英語科では r 高専生のための英会話教本Jを開発す るな どして,一般的な英語から専門文献講読への橋渡 しとなるような英語教育 をお こなってきた.
しかし, これ らはあ くまで工業分野の単語が多 く使われた会話教材であ り,工業の専門分野 の内容をス トレー トに扱 った専門文献等ではなかった.そのため,学習者の興味 はひいた も
一般科 助教授
1 5 8
小 津 志 朗のの,文献講読 に直接役立つ読解力を付 けて きた とは言い難 い. こうした状態を更 に改善す るために,あらためて専門学科教官の要請の中味 について理解 し,検討 を加 える必要 がある と考 えてアンケー ト調査 を実施 し,ひるがえって英語教育 に示唆す るものを検討 した.
2.
専門文献講読について (アンケー ト調査の結果)調査対象は,長野高専 の 5 ( 機械,電気,電子制御,電子情報,土木)工学科教官 49 名 で, 調査 日時は,平成 5 年 6 月,回答数 ( 率) は ,3 5( 7 1 %) であった.以下が調査結果 である.
( 1 ) 5 年生の卒業研究等での英語文献講読の指導の有無 ( )内は全回答数に対する割合
千・指導あ り 2 9( 8 3 ) b ・ なし 6 ( 2 6 )
( 2 ) 方法について ( )内は指導あ りと答 えた回答者数に対する割合 ( %)以下同じ
a.学生 にある一定 の量 を和訳 させ,内容 を理解 させ る 2 7( 9 3 ) b. 文献 の内容 に関 して調査 させ, レポー トを出 させ る 1 (3)
C.
文献 の内容 をもとに実験 など作業をさせ る 4 ( 1 4)
d.その他 専門科 目のテキス トとして,卒研 の参考文献 として使用 ( 3) 材料 について
a. 専門分野の教科書 1 9 ( 6 6 )
b. 古典的 な著名 な論文を読む 0 (0)
C.
日本語 の論文ではみ られないよ うな内容 の論文
5 (17)d. 最先端 の内容の論文
e. 学生が興味をもちそ うな論文 f.専門分野 に関す るニュース記事 など ( 4) 目的について( 主 な 3 つ選択)
a.
英語の専門文献 に慣れ させる b. 英語 の力を付 ける
C. 先端 の知識 を得 させ る
d.視野を広げ る
e. 専門用語 を覚 えさせ る
f.英語論文 の論理 の展開方法な どに慣れ させ る
6 (2
1 ) 0 (0) 1 (3)
( )内は選択者総数に対する割合 ( %)
2 5( 3 3 ) 1 3( 1 7 ) 1 1 ( 1 5 ) 4 (5)
1 5( 2 0 )
7 (9)
g.その他 卒研 の実験 のために必要
まず,( 1 ) か ら( 4) までで分かることは, ほとん どの学科で英語 の文献講読がされているとい うこと,また,その方法 は,学生 にある一定 の量 を和訳 させ,内容を理解 させ るとい うもの である.材料 には専門分野の教科書か英語論文が使われていて, 目的 としては, さまざまな ものがあるが,大 き くわ けて,用語を含めて専門分野 の英語文献 に慣れ ることと英語 の力 を 付 けることが大 きな部分 を占めている.
ここで考 えてみたいのは,方法が一定部分 の和訳であるとい うことである. この方法 は日 本 の英語教育の伝統的なグラマー トランスレーシ ョンの方法で,おそ らく慣れているとい う
ことと,や りやすい とい うことで使われているのだろ うが,問題 がないわけではない.それ
は,我々自身往々にして経験 させ られ ることだが,指名 された学生はその分担のところ しか
考 えて こないので,文の前後 か ら規定 される意味 など考 えず,結局誤解や理解不能のまま授
高専における専門文献講読と一般英語の接点 1 5 9 業 に臨 んで しまいがちであること, また熟慮す ること無 くひね り出 した 日本語 に今度 は逆 に 影響 されて しまい正確 な理解 に到達す る妨 げになって しま うことである.
さて,次 の表 は,学生の専門文献 の理解 には専門の知識 と英語力 とどち らが よ り必 要か知 ろ うとして回答を求めた ものである.聞 き方が悪かったのか少数 しか回答が得 られなかった が,得 られた ものを重み付 けしてそれぞれ対応す る枠の点数 と比較 してみ ると次 のことがわ か る.当然 のことなが ら英語力,専門知識 を共に持つ者
A,共 に持たないもの
Fはそれぞれ 最高点 と最低点になった. B と B ′ および E と E ′ はほ とん ど変わ らなかったが , C と C ′ で は 大 きな差が見 られた.つ ま り,専門知識 はあるが英語 力 がない場合 (C ′ ) の方が,逆 の場 令 ( C ) ' よ り得点が低 い. これ は,英語文献 を読む場合 には専門知識 よ りまず英語 が求 め られ るとい うことであろ うか. あるいは,専門知識がないといってもおそ らく常識程度 には持 っ ているであろ うが,英語力が非常 に弱 いとい う場合 には英語力のある者 との差が非常 に大 き いのであろ う.
( 5) 学生の専門の知識の有無 と英語力の有無が文献 の理解 にお よぼす程度 について ( 記号で回答)
文献理解が ◎非常に良い ○まあまあ良い 〜 どちらとも言えない △ どちらかとい えば良 くない ×良 くない
̀.
英
語英 語 力 英 語 力 英 語 力
専門
非 常 に あ り
ふ つう 非 常 に 弱 い
どちらかといえば @ 6 ‑ X p A ◎ 2 ‑ 1一× B' ◎ ◆‑ 1 ×4
C′専門知識あり ○ 1
△1 3 ○ 7 △ 1 1 0 ○ 2 △ 1 ‑7 専門知識 ◎ 2 . ‑ 1 × B ◎ 〜 5 × D ◎ ‑ 2 ×3 E′
ふつ う ○ 6 △ 1 0 ○ 8 △ 1 7 ○ 3 △ 3 ‑6 どちらかといえば ◎ ‑ 2 ×
C◎ ‑ 3 ×2 E
◎〜 ×9 F 注)記号の横の数は回答数.アルファベットの下の数はそれぞれの回答数に次の評価 ( 重ネ付
け)を乗 じて合計 したものである.
◎‑2 0‑1 ‑‑0 △‑‑ 1 ×‑‑2
次の項 目( 6) 紘,文献講読の授業 中に特 に注意を している点 とい うことで回答 を求めたが, その方法 に差 はあるものの,ほとんどが内容理解を させ ることに注意を払 っていることが想 像で きる. また
, aの回答が一番多かった とい うことは,おそ らく英語の力 のない学生 には, 基礎の基礎か ら教 えな くてはいけない と感 じている専門学科 の先生が多い とい うことであろ
ラ.
( 6) 特 に注意を している点 ( 主 な 2つ選択) ( )内は選択者総数に対する割合 ( %)
a.1 つ 1 つの文 の組み立 て
( 主部,述部 を認識 させ る)
b. 段落 ごとの意味をつかませ る
C.
複数の段落 に渡 った論理 の展開を理解 させ る
d. ま、 とまった文 を読 んで全体 として要点を理解,把捉 さ せ る
22( 44 )
1 0( 20 )
2 (4)1 4( 28 )
1 6 0
小 汚 志 朗e.
いわゆ る術語 ( 専門用語)を中心 に認識,理解 させ る 4 (8) f.その他 語順 に沿 った訳出 ( 直読直解)
次 の質問( 7 ) に関 しては,表 の横軸に 0‑1 0 0 で%で示 してあ り, この表 か ら専門科 目の教 官 は,学生の英語力 に総 じて不満を持 っていることがわか る.
( 7) 学生 の英語力 につ いて次 の a〜 eに当てはまるのは接 した学生 の うち何%ほ どである
か( 表の数字は回答 した人数,書 は , 1 番目と2 番 目に多い回答数)
(%)a. 満足できる + 1 4 ● 1 2 3 1 1 b.まあまあ満足できる 7 + 1 2 ● 9 4
C.
こんなものではないか 2 4 + 6 + 1 0 4 4 1 1
d.やや不満である 3 i 4 + 9 ● 7 3 5 1 e.まった く不満である ● 1 3 ● 8 2 4 2 1 1
d.e. の選択者 は学生 の次 の どの力が特に弱 い と感 じているか
( )内は選択者総数に対する割合 ( %)
a. 1 つ 1 つの文の組み立 て ( 構文)を理解す る力 23( 4 1 ) b.段落 を こえた文章の全体を理解す る力 6 ( l l )
C. 英文を書 く力 1 (2)
d. 聞 く力 2 (4)
e. 話す力 2 (4)
f.特 に分野を定めない ( 総合力)
6( ll )
g.知 っている ( 使 える)語桑の数 1 6( 29 )
h.
その他 日本語 の文章でさえ要約が不得意,辞書の最初 に リス トされてい る意味 し か調べて こない,文法知識不足
(8) 4
年生 までの英語教育 に希望す ること ( )内は選択者総数に対する割合 ( %)
a.単語の品詞 ( 名詞,動詞,形容詞等) の区別 がで きる
よ うにす る
b.1 つの文の構造 を把握できるよ うにす る
C.
1 つの文を こえた段落 の意味 を把掘ができるよ うにす る
d. 自然 な日本語 に訳せ るようにす る
e.
直訳で きな くて も文全体か ら必要な情報が得 られ るよ うにす る
f.語嚢を増やす
最後 に,( 7 ) の後半 と( 8) か ら英語教育への要望 が捉 えられ る.
1 0( 1 3 ) 23( 3 1 ) 8 ( l l ) 6 (8)
1 5( 2 0 ) 1 3( 1 7 )
要約す ると,基礎的 な構文を
理解す る力を含めた読解力の要請 と語重力 ( 数)を付 けるとい うことである.
高専 における専門文献講読 と一般英語の接点
1 6 1
3.
工業英語の特徴 と英語教師前節 まで
5年生の文献講読の内容や英語教育 に対す る要望を見てきたが, ここでは工業英 語そのものについて考察 してみ る.秋 山 と篠田は r 工業英語‑ ソ ドブック』の中で , 「 工業 英語は‑・ ・ ・ 一般 の英語の基礎の上に特殊性が加わ った もの・ ・ ・ ・ ・ ・ その特殊性 とは,一般 の英語 で用い られない専門語 ( t e c h n i c a l ̀ t e r m) と慣用語句 ・略語 ・記号を使用す ることによって 英文が しば しば構成 され る.
」 (2)と述べている.つ ま り,工業英語 は,語桑 と文体 と内容 に 特徴があるといえる.語桑は, コンテクス トが工業 の分野 に限定 されて くるので,使われ る 意味,用法がある程度決 まって くる.具体的な語乗数は膨大である.文法は,一般 の英語 と 同 じである.文体 は,当然のことなが ら誤解されない明確 さを志向す ると考 えられ る.そ し て,その内容は,工業分野のレポー ト,論文,手紙,会話,広告等である.
以上 のよ うな特徴を持 った工業英語を,工学の素養のない一般の英語教師が,工学 に関す る知識 ははるかに多 く持 っている学生達に教育をす るときにはさまざまな困難が伴 う.その 中の 2 つの点について考察する. 1 つは,扱われている内容 ( 理 ・工学) に不案内であるこ と. もう
1つは,内容 に興味のわかない点,日本で簡単に入手で きる適当なテキス トが少 な いとい うことである.前者の解決策 としては,一般的な英語 と専門的な英語の中間領域 ( 特 に深い専門知識を必要 とせずに扱い うる英語)は扱い得 るのではないかとい うこと,た とえ ば,数式,図形の読み方,物の扱い方の基本的な言い方,家庭用品のような一般的工業製品, 中学の理科で習 うよ うな物質等の名称 などの英語教材 は扱い得 るのではないであろ うが 3 ) . も う 1 つの解決策 としては Te a mTe a c h i n g が考 えられ る.
ここで,理想的な教材について,やや図式的なが ら考察 してみ よう.次の図は,学習者 に とっての内容に関する知識の有無および語学的知識の有無 と,教材 としてのふさわ しさの関 係を示 した ものである. この表からわかるように,語学的には習得済みで,内容的には未知 な場合 ( 左下)が教材 としては最良だ と考 えられ る.そ こに必要性や,興味,関心な どの動 機が加われば,英語教師が とくに働 きかけなくても英文にとり組むであろ う.そ して, この 状態 こそが専門文献講読の前段階 として専門学科の先生方が我々一般の英語教師に望む教育 であろ うと思ま っれる.
語 学 的
内 窄 約 既 知 簡単すぎる, 英語を習 う, つまらない 工業英語 ? 未 知 意欲あれば自学可, 難しすぎる,
右上のマスは,語学的には未習得で,内容的には既知の場合であ り, もしこれが極端 な場
合 には,工業分野の専門用語が使われていたとしても,工業英語 とい うよりも英語その もの
杏,あるいは,英語について学習す るようなことになってしま う.実際のテキス トは, さま
ざまな工夫がされ, この表の
4つのマスの交点付近 に,左に片寄 って広がるところに位置す
るであろ うと思われる.
162 小 浮 志 朗
4. ESP
としての工業英語教育つ ぎに ESP ( En gl i s hf orSpe c i 丘cPur pos e s ) の枠組みで工業英語教育 のあるべき姿を検 討 してみ よ う. ESP とい う用語 は,次 のよ うに定義 されている.「 学習者 がその専攻 す る学 問や将来従事す る職業 において必要 とす る種類の英語,及びその学習 に関す る事柄を指す総 称
(4).」そ して,下位 区分 として次 の用語 と定義があげ られている.
・EAP ( Engl i s hf orAc ade mi cPur pos e s ) 学校教育 において勉学 に必要 な英語の コ ミュ
ニ ケーシ ョン技能・ ‑・ ・ EST ( Engl i s hf orSc i e nc ea ndTe c hnol o gy)
・EOP ( En gl i s hf orOc c upat i o alPur po s e s ) 特定の職業 において要求 され るコミュニケ
ーシ ョン技能 (5)我々の英語教育 を考 えるとき , 4・5 年生 に対す る英語教育 は, この ESP ,その中で も EAP ( EST) で ある とい える. また ,Swal e s は EST を次 の よ うに区分 している
(6).それ ぞれ太字の部分が我々が高専 で行 っている英語教育 に相 当す ると考 えられ る.
1 ) e d uc at i o nall e ve l
A Sc hoo l s( e s pe c i al l yt e c hni c als e c ondar ya ndt r ades c hool s ) B Te c h ni c alCol l e ge s
C Pol yt ec hni c sandt J r L i ve r s i t i e s ‑unde r gr adua t el e ve l D Pol y t e c hni c sa ndUni ve r s i t i e s ‑pos t gr ad uat el e ve l
E Pol y t e c hni c sandUni ve r s i t i e s ‑r e s e ar c ha ndac ade mi cs t a
ffF Spe c i al i z e dI ns t i t ut i o ns( t e c hni c alt r ans l at i on,pa t e nt s ,r e s e ar c hadmi ni s t r at i on , e t c . )
2) s ub j e c tma t t e r
En gl i s hf o rSc i e n c ea n dTe c hno l o gy Sc i e n c e
ド
.‑「 .」
「E ng i n
eer
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ecl l nOl
ogyEa r t h L if e
Physi c a l Me c hani c a l El e c t r ic a l Ci v i l Che m ic a l Pr o duc t i o n Sc i e n c e Sc i e n c e S
cienc e
r .
一・一
Ch e mi s t r y
Phy s i c s Ma 仙s 3 ) a c t i v i t y・ t y pe s
A Re a d i nga ndma ki I l gmo t e sOnt e x t bo o ks B Re a d i ngs e i e nt i 丘Car t i c l e s
C Fo l l o wi n ga ndt a ki n gno t e so nl e c t ur e s D Ca nヮi n go u ta n dwr i t i n gu pe xp e r i me n t s E Wr i t i n gt e c hni c a lr e po r t s
F Ans we r l n ge xa mi n a t i o nq u e s t i o n s G Ta ki n gpa r ti ns e mi n a r sa n dt u t o r i a l s
H Us i n gt e c h ni c a lma n ua l sa n do 也e ri n s t r uc t i o na ll i t e r a t u r e
En gi me e r l mg
高専における専門文献講読と一般英語の接点 163
以上 の区分 はお互 いに関係 しあっていると著者は述べ ているが, この区分を見 ることに よって, かな り明確 に高専の
EST
の位置付 けをイメージす ることがで きる.それ は,高専 での工業英語教 育 は,職 業 高校 のそれ ではな くac a de mi c ‑ or i e n t e d
な こと,題 材 は技術,工学 的 な もので, またa c t i vi t y‑ t ype s
での区分 では読み,書 く作業が中心であ る.今後 は我々は,C
か らH
の学習 タイプも視野に入れなが ら工業英語教育 に とり組むべ きであろ う.
5.
高専の英語教育への視点 (目標)ここまでのアンケー ト調査 のま とめ と
,ESP
の枠組み か ら見 た工業英語教育 の視点 を総合 して 我々の高専 とい う環境での英語教育 を考 えてみ ると,短期 目標 ・要請 として以下の(丑が求め られて いるのではないだろ うか.長期 目標 として考 えられ るもの ((参) も併記す る.(》 工業的な内容 も含めた さまざまな内容 の文章 の内容 の読み取 り,誤解の指導 お よび語桑 の指 導が必要
・5
年次の専門文献講読 に直接役立つ・卒業後の直接 の進路 (大学編入,企業での開発 など)です ぐ役立つ (参 どの進路へ行 っても応用の利 く基礎力が必要 (長期 目標)
・基礎力‑‑実用英検の
2
級に近 い力.語兵力 を含めた4
技能のバ ラソスの とれた英語力・各々の分野で使われる語桑や特殊 な言い回しは必要 なときに必要 な場所で学習が可能
6.
お わ り にすでに述べた ように,英語教師にとって自分 の専門以外 の内容 を教材 として扱 うことに踏み出す のはいささか蹄糟す るものがあるし,扱 うに しても障害が多い. にもかかわ らずそ うしよ うと決意 させたのは,1984年の本校学生 に対す るアソケ‑ トの次のよ うな結果であった.
学生のアンケー トでは
,
「現在の自分の学力 に対す る判断の項 目で, 自分 自身 の英語力 につ いては, 社会 に出て通用 させ る自信がない‑ ‑特 に会話力 と語桑力 に不安 を感 じている.学習を希望す る分 野については,実用的な英会話,テレビ ・ラジオ ・映画等の英語, と並 んで工業技術英語 を希望 し ている学生が多い.3
年生 になると専門の科 目が増 えて,英語 を勉強 しな くな り,同時 に英語 が き らいになってい く学生が増 えること, またいわ ゆる検定教科書で扱われている題材 (文化的エ ッセ イ,小説 など) に関心を持たな くなる(7 )
.」 とい う事 であった.英語教師が未知の分野の教材を扱 うことで,間違 った英語 を教 えた りす ることは許 され ないが, かといって自分 の得意 の分野 の英語だけを扱 って良 しとしているのはおか しな ことであ る.学習者 中心の題材を考 えるか どうか とい うことは,その学校 の教育方針 いかんで決 まることであ る.扱 い に くい面,わか らない点が多々あるものの,高専の英語 において工業英語 を扱 うことは, もはや義 務であるように思 える.
最後にお忙 しい中, アンケー ト調査 に快 く協力 していただいた長野高専 の専門学科 の先生方 に感 謝申 し上げます.
参 考 文 献
( 1 )
木村隆,
「工学部 の英語教育 を考 える一企業の ニーズ分析 か ら‑
」,r英語教育JVO l . XL, no.
13,大修館書店,1992,pp.32‑35.
(2)秋山守雄 ・篠田義明,r工業英語‑ ソ ドブ ックJ,産業図書,1979,p.1.
(3)拙稿「工業英語教育教材 (テキス t)の一考察」
r
中部地区英語教育学会紀要15J,1985,pp.75179.1 6 4
小 津 志 朗( 4
) 安藤昭一他編 ,F英語教育現代 キーワー ド事典1,増進堂,1 9 9 1,pp. 6 5 16 6.
( 5 )
垣田直巳編,r
英語教育学研究′、ソドブックJ,大修館,1 9 7 9,pp. 3 3 ‑3 5.
( 6 ) Swal e s
J. ,EPSODESI N ES P,Pr e nt i c eHa l lI n t e r na t i o nal ,1 9 8 8 ,p. xv.
(7) 拙稿
,
「英語教育の方法の改善一中間報告」,F高専教育』第7
号,1 9 8 4,pp. 3 2 ‑5 0.
(本論 は,平成5年松本歯科大学 において開かれた第