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理性と感性

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Academic year: 2021

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創大教育研究 第27号:小山

巻 頭 言

理性と感性

会長 小 山  満

(創価大学教育学部教授)

 理性と感性について、理性は「感情に走らず道理に基づいて考え、判断する能力」、

感性は「感動的刺激や印象を受け入れ、反応する能力、感受性」このように国語の辞 書(小学館『現代国語例解辞典』)には記されている。

 哲学的にみると、理性はギリシアのロゴス(理法)に始まり、17世紀デカルトの「理 性により探求される真理」、18世紀カントによる「純粋理性批判」、そして 19世紀ヘー ゲルによる「唯一絶対とする理性の自己発展」等と思索を通しテーマの中心に据えて 解釈されてきた。

 これに対して感性は、ギリシア語のパトス(情念)に始まり、カントによって理性 と区別され、ヘーゲルにより調和的統一が試みられ、20世紀ベルグソンの「直感的認 識」で、直感(=感性)として見直されたが、長らく二次的存在として位置づけられ ていたと言っていい。

 我々の生きた第二次世界大戦後、芸術(=感性)教育の重要性を訴えたイギリスの ハーバート ・ リードは、芸術こそ想像力と創造性を中心とする子ども達の学習の総合 化の活動であると述べた。

 そしてドイツのルドルフ ・ シュタイナーになると「感動による魂の打ち込み」が教 育の根本であると主張して今日に至っている。感動の教育とは、まさに感性に訴える 教育ということである。

 さて、私の関係する図工科教育では、平成20(2008)年に公示され今日に至る『小 学校学習指導要領』図工科に示された冒頭一行目に、「感性を働かせながら」の文言 を見出すことができる。技能教科としての図工科にふさわしい新鮮な言葉として私は 高く評価してきた。本年3月に公示された新学習指導要領でも、第一目標として(や や後方に置かれたが)この文言は残されている。したがって、その重要性は失われて いない。

 今日主要科目の国語 ・ 算数 ・ 理科 ・ 社会等を重視する、いわゆる理性(=知性)の 教育は欠かせないけれども、感性(=感受性)を育む技能教科の、図工 ・ 音楽 ・ 体育 を二次的に扱う多くの教育関係者の誤った認識は、今後も是正していかなければなら ないと思う。

創大教育研究 第27号:小山  ~

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- - 巻頭言:理性と感性

 本学創立者の池田大作先生は、つぎのように述べている。

「受験勉強だけでは進学のための人生になってしまう。…もっと一生涯にわたる 自分自身の感性の成長に何が必要なのかを見失わないでもらいたい。…自分が上 手にできなくても、偉大な芸術と接することが大事です。素晴らしいと感動でき ることこそが芸術の心なのです。…私も絵がうまく描けなかった。字もうまくな かった。しかし、良い絵を見よう、良い書を見ようと心がけた。その心が今大き な助けになっています」と。(『青春対話』「芸術との語らい」より)

 ここに、感性についての大事なポイントが示されていると思う。我々が感性を通し て人間として成長し人格を磨いていくために、である。

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