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被服購入における消費者意識と実態 吉田紘子* 田 中久美子**

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(1)

被服購入における消費者意識と実態

吉田紘子* 田 中久美子**

は じ め に

 今日,店頭に並んでいるさまざまな衣料品は,色柄やデザインが豊富なうえ,各種性能をもつ素 材が用いられるなど,多様になってきた。また,クレジットカードや通信販売の登場で,購入方法

も多様になっている。30年前には「必需品」のイメージの色濃かった被服も1),今日では「おしゃ れ」をし,「自分らしさ」を表現するためのものとしてとらえられるようになっている。しかも,

消費支出に占める衣料費の割合は年々減少しており,消費者の被服購入の意識が「量よりも質」を 求めるようになってきている2)。そうした傾向は若い世代により顕著である。衣生活の変化や消費 者意識の変化に伴い,商品の購入には,被服そのものの選び方やより良い着装の仕方はもちろん,

その管理や安全性を含め,幅広い知識や情報が必要になっている。家庭科教育の被服分野は,それ らの知識を学び得る機会となっている。

 被服教育は,特に男性の場合,「男子に興味・関心がない」「女子に比べ,技能に差がある」「現 状が男子に向かない」と言った理由から,中学校でも相互乗り入れの少ない領域になっている3)。

高校では平成6年度から男女共修が実施される。これまで,衣生活や服装に関する意識や被服教育 について,中高生や大学生などを対象に調査がなされているが,特に家庭科で被服学習を受けた男 子生徒をも対象にした調査は見られない。高校では平成6年の男女共修をまえに,県内でも既に男 女共修に取り組んでいる学校があり,家庭科の学習が男子の消費生活への意識に影響をもたらして いるかどうかは興味深いところでもある。

 年報においては,高校生及び大学生の男女を対象に,衣生活に対する意識や関心及び実際の消費 行動について調査を行い,家庭科における被服教育がどう影響しているのか検討する。

調査の概要

調査方法及び調査期日

 家庭科担当教師に調査を依頼した。調査は平成2年10月中旬に行った。

調査対象

  都市部と農村部にあり,男女ほぼ同数の高等学校として水戸市内のA高校および農村部のB高  校および水戸市内にある4年制のC大学の男女を対象にした。家庭科については,A高校は女子  のみ履修,B高校においては男女共修(3年目)となっている。また, C大学は教育学部の学生  で,家庭科教育の講義の受講者を対象とした。調査人数および回収率は表1の通りである。

*茨城大学教育学部 **茨城大学大学院教育学研究科

(2)

調査内容

 1.家庭科に対する関心

   家庭科への関心及び各領域への関心につ   いて調査した。

   また,被服領域の学習内容12項目につい   て,どのくらい重要視しているのかを5段   階尺度法により調査し,「とても大切」5   点,「全く大切でない」を1点として,尺   度得点の平均値を算出した。

 2.衣料品の購入と使用状況

表1 調査対象 ()内:回収数

男    女

A高校 ユ00GOO)100(100) P200(200)

B高校 100(90) 100(80) 200(170)

C大学 100(71)100(90) 200(161)

計300(261)300(270)600(531)

(回収率:高校92%,大学80.5%)

 日常生活で用いる商品のうち特に衣料品について,購入時の重視事項を16項目,着用時の重 視事項を5項目挙げ,どの程度重視しているかを5段階尺度法により調査し,「重視している」

を5点,「重視していない」を1点として,尺度得点の平均値を算出した。また,衣生活の周 辺で問題となっている事柄への関心を知るため,衣生活に関する新聞の記事を読むかどうかと いう質問や,環境問題への関心をみるため,フロンガス使用の有無を確認するかといった質問

も交えた。

調査結果及び考察

1.家庭科への関心

 家庭科に関心をもっているものは女子83.4%,

男子57%と女子の方が関心が高い(図1)。家 庭科を学んでいないA高生男子は最も関心が低 い。関心のある領域は「食物」が最も高く,女 子66.4%,男子46.5%,次いで,男子は「住居」,

女子は「被服」「保育」「住居」の順であった

(図2)。男女ともに「家庭経営」への関心は12.

5%と低い。また,男子の「被服」「保育」への 関心も11%以下と低い。被服への

関心は,学校間の差が大きく,特 にB高生男子の「被服」への関心 は1.1%と低い。女子はB高生,A 高生と高くなっており,C大生は 約56%と高くなっている。

 被服分野の学習内容は,すべて の項目において,女子が男子より

も得点が高く,重視している(表 2)。男女共に「合成洗剤による 湖沼の汚染の現状」「品質表示や

図1 家庭科への関心の有無    o

A高生男 B高生男 C大生男 A高生女 B高生女 C大生女 全  体

・5。 @i墾雛講臨甥

01.4・  書肺窺灘霧

6〕藍、.13・;∴       ,:麦峯萎;髪簿1}重ζ雛豪

.,組1  携 巧;89⑤  携鵜

…8a・,  1:騰多

∵マ氏4・  霧i藪巨毛髪

図2 関心のある領域

   o so  leo 150

(単位:%)

  100    口ある    国ない

(単位:%)

200 A高生男l

A高生女li

C大生女;:

全  体:i

諜膿一一

・22

㌔ ノ・ z/!■! 臼

□食物 國被服 区駐居 E]保育 圏家庭経営 圏その他

(3)

取り扱い表示の見方」「繊維の種類や汚 れに応じた洗い方」「洗剤の種類と特徴」

の重視度が高い。

 A高生の場合,女子は「苦情処理の仕 方」「クレジットの仕組みと使い方」「通 信販売・訪問販売の利用法」の3項目を 非常に重視している。また,「既製服の 選び方」「クリーニング・貸衣装の利用 の仕方」をB高生よりもかなり重視して おり,衣生活に関わるサービスの利用方 法に関心を寄せていた。男子は家庭科を 学んでいない影響からか どちらでもよ の回答者が他校よりも著しく多かっ

た。

 B高生の場合,男子は とても大切 と回答するものが全体に少なく, 大切 でない との回答者が他校より多い傾向 にあった。重視する項目は「合成洗剤に よる汚染」「繊維の種類や汚れに応じた 洗い方」であった。女子は「表示の見方」

「合成洗剤による汚染」「衣類などによる 手荒れ」の順に重視していた。被服分野 の学習に対して重視する項目は学校差が 見られ,A高生は消費者問題を, B高生 は衣料品の取り扱いに関する基礎的知識 が得られる項目を重視する傾向がみられ た。男子はA高生,B高生ともに,この 分野に関する関心が低く,家庭科履修の 影響は見られなかった。

  C大生は「通信販売や訪問販売」「ク  レジット」「苦情処理」以外の項目につ いては,高校生より男女共に重視度が高 かった。

2.衣料品の購入と着用状況

 衣服を購入するとき,ほぼ全員が「自 分で」あるいは「家族または友人と」選 んでいる(図3)。男子は81.2%,女子 は74.6%が「自分で」選んでおり,「家 族または友人と」選ぶものは女子24.6%,

表2 被服領域で重視する学習内容(学校、性別)

ree .eqmes egwa

繊維の種類と性質 A 3.71 3.87 B 3.56 3.96 *** **

C 4.06 4.24

計3.764.02

        A 品質表示や取り扱いB 表示の見方     C         計

3.65 4.15

3.65 4.37 *** ***

4.26 4.68 3.82 4.39 既製服の選び方 A 3.61 4.08

B 3.42 3.87 *** ***

C 3.91 4.25

計3.634.07

        A

タリー一 ;ングや貸衣B 装の利用の仕方   C         計

3.44 3.91 3.25 3.68 3.76 3.99 3.46 3.87

** ***

洗剤の種類と特徴

A    3.57    4.ユO

B 3.68 4.09 *** ***

C 4.28 4.47 計3.8◎4. 22

        .IA,

繊維の種類や汚れにB 応じた洗濯の仕方  C         計

3.66 4.21

3.85    4.工9     ***    ***

4.21 4.59 3.87 4.33

        A 吸水性や保温性などB を調べる実験    C         計

3.36 3.55

3.15 3.63 *** ***

3.6e 4..oo 3.36 3.72

        A 合成洗剤による湖沼B の汚染の現状    C         計

3.84 4.14 3.{1 4.21 ***

4.35 4.35 4.Oe 4.23

        A 衣類や洗剤によるかB ぶれや手荒れ    C         計

3.58 4.18 3.61 4.06 4.00 4.14 3.70 4.13

***

        A 通信販売や訪問販売B の利用の仕方    C         計

3.31 4.11 3.36 3.50 3.13 3.56 3.28 3.75

** ***

ABC計

組ご

ツ方ジいレ吏 イクと 3.52 4.33

3.56 3,64 *** **

3.31 3.52 3.48 3.86 苦情処理の仕方 A 3.79 4.28 B 3.73 3.90 C 3.79 4.07 計3.774. 10

** **

*P<0.05 **P<0.01 ***PくO.005

図3 衣服購入時の選択者     o

    (単位:%)

loe. 1

tt.圃自分で選ぶ  國家族・友人と選ぶ  巳家族が選ぶ  □その他

(4)

表3 衣料品購入時の重視事項(学校、性別)

学校間 男女間

学校間 男女間

A 4.70 4.87 A 3.8{} 4.09

デザイン B 4.51 4.84 *** 動き易さ B 3.4◎ 3.9◎ ** **

C 4.66 4.88 C 4.00 4.07

4.62 4.86 3.72 4.03

A 4.79 4.93 A 3.62 4.◎8

色・柄 B 4.70 4.88 着心地 B 3.37 3.92 ***

C 4.78 4.85 C 3.77 3.98

4.75 4.89 3.57 4.00

A 3.77 3.99 A 4.38 4.79

素材 B 3.36 4.06 *** *** 似合うかど B 4.19 4.71 ***

C 3.93 4.30 ツカ、り    , C 4.62 4.75

3.67 4.12

4.38 4.76

A 3.05 3.45 A 4.76 4.83

縫い方 B 2.76 3.30 *** *** 好み B 4.40 4.74 ***

C 3.35 3.75 C 4.85 4.87

3.03 3.51 4.66 4.82

A 4.59 4.66 A 3.04 3.58

サイズ B 4.67 4.61 親や友入の B 2.82 3.44 ***

C 4.76 4.80 意見 C 2.83 3.55

4.66 4.69 2.91 3.53

A 3.88 3.77 A 2.72 3.04

流行 B 3.55 3.57 *** ** 商品の説明 B 2.49 2.83 *** ***

C 3.30 3.24 C 2.88 3.44

3.61 3.53 2.68 3.11

A 4.28 4.58 A 2.95 3.29

価格 B 4.16 4.22 品質表示 B 2.54 2.96 *** ***

C 4.53 4.43 C 3.18 3.71

4.3王 4.42 2.87 3.33

A 3.60 3.96 A 2.72 3.25

取り扱い易 B 3.32 3.66 *** 取り扱い表 B 2.46 2.90 *** ***

C 3.79 3.99 C 2.89 3.58

3.56 3.88 2.68 3.26

       *p〈e.os **p〈o. ol ***p〈e. oes 男子13.5%となっている。C大生は,男女とも「自分で」選ぶものが9割程度と多い。高校生の 場合,「自分で」選ぶものが65〜81.1%と多い一方,「家族または友人と」選ぶものも14.4〜35%

おり,特にA高生は,「家族または友人と」選ぶものが多かった。

 衣服を購入する際に重視する事柄は,どの項目においても女子の方がより重視する傾向にあっ たが,男女とも「色・柄」を挙げるものが最も多かった(表3)。次いで男子は「好み」「サイズ」

「デザイン」の順に,女子は「デザイン」「好み」「似合うかどうか」の順に重視していた。衣服 の購入時には,サイズは合わせるものの,さらに踏み込んで,動きやすく快適な着心地をもとめ るものではなく,やはり,デザインや色・柄,似合うかどうかなど視覚的な要素の方が重要視さ れている。重視度の少ない項目は「商品の説明」「取り扱い表示」「品質表示」「親や友人の意見」

で,男子では重視しないもののほうが多かった。「取り扱いやすさ」の得点は3.56〜3.88である にもかかわらず,「取り扱い表示」の得点は2.68〜3.26と少ない。「素材」の得点は3.67〜4.12で あるにもかかわらず,「品質表示」の得点は2.87〜3。33と少ない。「素材について重視する傾向に あり,「繊維の種類と性質」「品質表示や取り扱い表示の見方」の学習についても大切とする者が 多いのに,「品質表示」「取り扱い表示」を重視するものはむしろ少ない。素材や取り扱いやすさ を重視しているが,品質表示や取り扱い表示は見ていないということは,素材についての判断を 何によって行っているのであろうか。また,「デザイン」を重視している者に比べ,「動きやすさ」

(5)

「流行」を重視する者は少なく,「デザ イン」は「好み」や「似合うかどうか」

によって選んでいる。

 学校間の傾向を見ると,A高生は

「デザイン」「色e柄」「流行」をより 重視しており,特に女子は「価格」

「着心地」についても他校より重視し ていた。B高生は男女ともすべての項 目においてA高生ほど重視していない。

「素材」「縫い方」「表示」などの項目 は,C大生が高校生よりも重視してい た。A高生は,「おしゃれ,ファッショ ン」への関心が高く,親や友人と衣服 を選び,また「親や友人の意見」も他 校に比べ重視する傾向があり,衣服の 購入の際家族や友人と買い物をする ことが,情報交換の場となっている。

 また,家庭科の被服領域への関心と,

購入時の重視事項との間には,次のよ うな関係が見られた(図4)。被服領 域に関心をもつものは,関心のないも のに比べ,購入時の重視度が全体に高 く,特に「デザイン」「素材」「縫い方」

「取り扱いやすさ」「似合うかどうか」

「商品についての説明」「品質表示」

「取り扱い表示」の項目をより重視し ていた。一方,被服領域への関心のな いものは,「流行」について,被服領 域に関心がある者よりも重要視してい た。被服領域に関心をもつ者の方が,

購入時に商品の見た目だけでなく,そ の性能や品質をも見極めようとする傾 向が強かった。

 着用時の重視事項は,いずれの項目 も,男子より女子の方が重視していた が,男女とも「目的」「天気や気温」

図4 被服領域への興味の有無と衣服購入時の重視事    項との関係

   0への関心被服領域

デザイン**ある

         ない

柄  ある    ない

四脚

方**慧

ズ  ある    ない    ある    ない

   ある    ない

         ある 取り扱いやすさ*

         ない

動きやすさ離

   ある    ない

船うかどうか・騨

   ある

   ない

親や友人の翻舜

商品の説明**ある

         ない 品 質 表 示***ある          ない

(単位:%)

   100

取り扱い表示***ある          ない

  口重視する  □どちらでもない 圏重視しない   圏やや重視する□あまり重視しない

i93.6』    惚

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の順に重視する者が多く,得点も平均で4.00以上を示した(表4)。一方,「着心地」「動きやす さ」の重視度は,他の項目ほど高くなかった。学校間では,C大生が「天気や気温」を重視して おり,高校生よりも有意に高かった。被服領域に関心をもつものはどの項目も重視しており,特

(6)

表4 着用時の重視事項(学校、性別)

女  学校間 男女間       A

天気や気温 B       c       計

3. 82 3. 68 4. 36 3. 92

4. 15 4. 41 4, 61 4. 38

*** ・***

      A その日の気分B       C       計

◎Q59eり論QO40079﹂39σ9σ ρ◎◎り員︶9σ◎︾9100e9θ44

**

目的

ABC計 4. 12

3. 75 4. 25 4. 03

4. 5Q 4. 41 4. 49 4. 47

* ***

動き易さ

ABC計 ρUeU−←9ρ04︵りaUOσ00400 40Uり自5◎乙0ユー上

4444

***

着心地

ABC計 3. 46

3. 30 3. 74  3. 48

4. 05 3. 90 3. 89 3. 96

***

     *P〈O.05 **P〈O.Ol ***P〈O.005

図5 被服領域への興味の有無と着用時の重視事項との関係

        被へ         服の         領関         :域心0

天気や気温*ある

        ない その日の気分 ある         ない 目    的**ある         ない

動きやすさ慧

 匿匝帯する  圧}どちらでもない  國やや重視する□あまり重視しない

(単位:%)

   100

……152。3;i…i   …ii多多葵多38.7多髪多1:1

;ii47.1;{i   多拷30.8多多1 二・ン

1∵39.6i;i、  多多535,1多多ζ4:…   9.      !

沼3.8・ii:・彰努皐多35。7娩多/:18.1「

,…67.6i……;     ・…杉521.6ケゴ層:      〆

・,・S5.6…1き   多易:i彪:35}第秀i易;:;

i:i40.5i警.  多髪{i夢39.6諺多髪:・

;iii26.7iii:i・壱多多髪}45.1髪多菱i多;:i20.1ii

i≦:32.4;き……彪勉34韓3;を:多鱗内 127.6−∵

iii21.1;ii多%多39.4髪急i多/:.:29.5、::  }

團匝視しない

(7)

図6 衣生活に関する新聞記事の読み方       (単位:%)

     O !00

A高生男

B高生男 C大生男 A高生女 B高生女 C大生女 全  体

 1[コいつも注意して読んでいる  [=]気づいても読まないことが多い  匿ヨ気がついたときよんでいる  [=]読んだことがない

5笏1:演御亭 ユ8 22

       

フ%5ひ,6多鏡 22.5 ▼24.7

i写57.レ吃ノ         /     ,/ !/ /         !ノワ   .

22,917.ユ

6・1魏姥℃霧1霧 8ユ!

鷹霧㌘工膨雛雛 20 5 吻擁繍∫4・勇卿多 笏魏卿諺;多15. 914

図7 フurンガス使用の確認(単位:%)

A高生男 B高生男 C大生男 A高生女 B高生女 C大生女 全  体

o 100.

58   /ノ    ,  /         

?許42∵ン 47.8     jう購霧

31.9 笏憾蘇膨

70 麹9膨

63.8 葦須影

67 蕩饗脅

57.5  !E1、4a5%

口確認し、使われていないものを:選ぶ E]寺に確認しない

図8 被服領域への興味の有無と衣生活に関する 図9    新聞記事の読み方との関係  (単位:%)

       O 100

被服領域に関心かある者

被月艮領域に関心がない者

蘭ヒ覧  ,                       ,/〃  !, ,  〆 / ,

9

ウ//・ ^乞,. ・・ち

翌奄戟p/18.9

,γノ∵イづ・./ !  り/

14

[=】いつも注意して読んでいる   [=i気がついても読まないことが多い 心気がついたときだけ読んでいる  [=〕読んだことがない

被服領域への興味の有無とフロンガス使 用の確認との関係     (単位:%)

    e loo

被服領域に関心がある者

被服領域に関心がない者

65.5

55.4

〃勿ラジ誓7〃/   

57.5

Y/!∵二髪 二髪御湯%勿効/

[コ確認し、使われていないものを選ぶ 國特に確認しない

に「目的」「天気や気温」は有意な差が見られた(図5)。

 衣生活に関する新聞記事の読み方については,「いつも注意して読む」者は1割以下,「気がつ いたときだけ読む」者は,男子54.1%,女子77.3%であった(図6)。一方「読まないことが多 い」「読んだことがない」は,男子42.4%,女子17.9%にのぼった。男女とも,B高生は他校生に 比べて新聞記事を読まないものが多く,衣生活周辺の諸問題について,関心の低さが伺えた。

 スプレー缶などを購入するときにフロンガス使用の確認をするかどうかについては,男子47.5

%,女子67.2%が確認を行い,使用している商品は購入しないと回答していた(図7)。ここで も男子より女子の関心が高い。地球環境に対しては,男女とも50%が興味を示していたが,実際 の行動面では,男子よりも女子の方が実行しているものが多いと言える。男子はC大生よりもむ

しろ高校生,特にA高生58%が確認を行っていた。女子についてもA高生の関心が最も高く,70

(8)

%であった。地球環境に対しても,A高生は他校生よりも興味が強く,環境問題への興味と行動 が伴っている。一方,C大生の男子については,環境への興味はもちながら実行に移していない。

 尚,衣生活に関する新聞記事を読む者,フロンガスの使用の確認をする者は,被服領域に関心 をもっている者の方が,関心をもたない者よりも明らかに多く,特に新聞記事の購涜については,

有意気が見られた(図8,9)。

ま  と  め

 女子の家庭科への関心は,83。4%と高いが,男子については,家庭科の授業を何らかの形で受け ているB高生,C大生に比べ, A高生の関心が低かった。そのうち被服分野への関心は男女差が大 きく,女子の19〜55.8%に比べ,男子は1〜11%と関心が低かった。被服分野への関心の有無は,

被服を購入するときの重視事項や着用時の重視事項,衣生活周辺の諸問題の関心などに影響してお り,被服に関心をもつものほど被服の購入や着用の際に,素材や縫製,表示などにも注意を払い,

衣生活や環境問題に関心を寄せている傾向が見られた。

 A高は市内に位置しており,ファッションや流行の情報が豊富な環境にある。A高生はおしゃれ・

ファッションに興味をもつものが多く,衣料品購入時には「デザイン」「色柄」とともに「流行」

を重視していた。また,衣生活周辺の諸問題環境問題に対する関心もB高生に比べて高かった。

被服の学習内容においても,消費者教育的な内容や衣生活にかかるサービスの利用,既製服の選び 方を重視しており,社会生活との関わりから衣生活を捕える傾向が見られた。

 一方,B高は農村部にあり, A高に比べてファッションや流行の情報は少ない環境にある。 B高 生は,男女とも家庭科を学んでおり,家庭科に興味がないという者はA高生よりも少なかったが,

被服分野への関心は他校に比べ低く,被服分野の学習内容にも,特に男子は否定的な回答が多かっ た。B高生はA高生に比べると,衣生活への関心も低く,衣料品購入時に重視する項目への回答も 他校に比べて消極的であった。被服の学習内容では,「合成洗剤による汚染」の項目を重視してい たほか,A高生よりも「表示の見方」「洗濯の仕方」「洗剤の種類と特徴」など,衣料品の取り扱い に関する基礎的な知識が得られる項目を重視していた。しかし,実際の購入においては,衣料品購 入時の重視事項として表示を挙げる者は少なかった。

 C大生は,A高生と同じく市内にあるが, A高生ほどファッションや流行,新製品などに興味を もっていなかった。被服分野の学習内容に対しては,いずれの項目についても肯定的であった。ま た,衣料品の購入の際は,高校生よりも「素材」 「縫い方」「表示」などを重視していた。大学生 は高校生に比べ,衣生活や被服領域への関心が高く,これは生活経験が豊かであることが影響して いると考えられる。

 以上より,衣生活への興味や情報への関心は,家庭科を学んでいるかどうかよりも,おしゃれや ファッションに対する興味や生活経験周囲の環境の影響が大きいことが伺えた。

引 用 文 献

1)矢野好野・白井佐代子  「短期大学における被服教育の検討(第2報)一パーソナリティと被  服行動等との関連について一」『衣生活研究』14一 9・10(1988),pp.58 一 64

(9)

2)神山 進 「被服心理学入門 No.14」『衣生活研究』14一 9・10(1988), pp。23−37

3)安野 礼  「家政学の家庭科教育への責任(第W報)一中学生をもつ母親の中学校家庭科被服  領:域に対する意識を通して一」『賢明女子学院短期大学研究紀要』21(1986),pp.23 一 30

参照

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