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フ育の社会学的研究課題
〜体育・スポーツ振興体制と体育教師の機能〜
保健体育科研究室 大 西 国 男
(昭和46和10月29日受理)
系におかれている。1.問題提起〜仮説 (イ) 学校体育と体育教師に対して,過度の負担や期
待がかけられている。体育・スポーッの普及振興体制という社会情勢を背景
(ロ) 体育教師の生活条件と,依託体系的要求への対として,「現在の体育教師像」「期待する教師像」の研
応においては一致困難な実情がある。究過程において,現在の社会体育・スポーツの機能を考
(3>機能別分担を基礎とした協力態勢によって,体育える。そのなかで体育教師をとりまくいろいろの問題を
教師が社会体育活動を十分発揮できる可能性がある。摘出しながら,体育・スポーッ活動の普及振興と体育教
以上の仮説を問題点として提起する。師の役割・機能を考察して行こうとするものである。
ここでは,体育教師の活動が多面化した現状を考え・ 2.研究の手続 その実態を検討しながら考察して行く過程で,これをス
ポ_ツ振興やレクリエーション活動の奨励における社会 体育・スポーツ普及振興体制下にあって・体育教師が 的事象として捉える。そして体育教師の社会的役割や機 その専門分野でその専門性が発揮できる方向を考えて行 能を明らかにして行くとともに,社会体育活動の合理性 くため,社会体育活動の場で体育教師の活動と関係をも を高め,問題解決の方向を追求して行こうとした。 つ問題を解明して行く・そして体育教師の持つ社会的機
具体的には,体育教師の職務内容においてその領域が 能の重要性を認識し,高めて行く方向を検討する・
著しく拡大したこと,勤務内容が多面性・流動性をおび 研究の手法として・関連する資料や事項を分析整理す てきたことなどの問題がある。それは児童生徒の要求の ることにより,これを追試し調査する方法を用いた・そ 多様化に対応する立場で,学校行事等クラブ活動,課外 して質問紙によるアンケート・インタヴユー・協議会に 活動に関連する問題があり,社会体育活動の面では,勤 おける討議,意見聴取等を行った。
務条件や生活条件に関連する問題を持っている。 社会教育団体の代表・スポーツ団体の代表・社会教育 特に体育教師の社会的立場や,機能の面では社会教育 に関する委員や機関の代表教育委員会職員・中学・高 社会体育と関連する領域での要請が多い。これは,国民 校の教師等,個人及び団体や協議会を対象として研究を のスポーツ要求が多様であって,これに対応する体育教 進めた・
師の個人や集団の自主的活動や主体制の確立が強調され
@ 3.考察と検討 ている実情との両面から考えるべき問題である。
社会体育・スポーツ活動の普及振興体制下にあって体 (1)学校体育・スポーツと社会体育・スポーツ 育教師の活動する領域は,,広範多岐にわたって期待され 社会体育体制の不備な日本では,社会体育活動の普及 ているが,次の諸点は,社会的要求や社会体育活動の推 発展の基礎を学校体育に求めることが多かった。
進に対して,体育教師および体育教師集団が自主体制と そしてまた,学校の体育教師も社会体育をやって悪い して機能するために,検討を必要とする事項である。 ことはない筈であり,同時に学校には一般大衆むけの施
すなわち,社会体育・スポーッ普及振興体制下におけ 設があり,指導者が配置されている。
る体育教師の役割と機能に関連する事項として このことから体育教師に及ぼす影響もまた多岐にわた
(1)学校体育ε/スポーツと社会体育・スポーツは有機 って考えられ,体育・スポーツ普及振興策と学校体育経 的関係が保たれている。 営に関係する事柄を検討する必要が生じた。
(2)現在においては,体制の推進は体育教師依託の体 「体育教師をとりまく問題」として名種各様にとりあ
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げて考えてみるとき.現在の体制に深い関係をもつに至 捉えることは困難であり,かつまた過去や現在の教師の った体育教師の役割や立場は,社会体育に対する機能と あり方を反省することによって,現在における体育教師 しての合理的活動に指向すべき面が多いと考える。 像を規定することは出来ない。
このことは・現在の「体育教師像」「期待す1る教師 しかし、体制下において体育教師をとりまく問題を学 像」の研究過程において,体育・スポーツの普及振興体 校体育・スポーツと社会体育・スポ_ツの接点において 制下における社会情況を背景として,学校体育・スポー 分析し検討することは意味がある。
ツと社会体育・スポーツの接点において起って来る事象 ロ) 体育教師の機能
としてとらえ・その接点における体育教師の機能を明ら 学校体育と社会体育が緊密な関係にあり,その接点に かにすることである。 おける体育教師の立場が分析され,体育教師の社会的機 イ) 接点へのアプローチ 能が合理的な角度から有効に利用されるとき,体育教師 現在の社会機構を検討するに当っては,生産面では機 の社会的活動の領域を自覚することができる。
械と動力を中心とする技術革新による生産の発達と,産 学校体育・スポーツと社会体育・スポーツの緊密化は 業面では3次産業,サービス業の発展(レジャー産業) 歴史的な過程と領域の共通性から生まれたものであって
および経済成長面では・経済成長率の伸展等を焦点とし 体育教師は体育・スポーツ活動のコーチの立場から,大 てとりあげることができる・それによって人間社会の生 衆のスポーッ要求に対応できる専門性,指導性を発揮す 活様式の変化をみつけて行くことである。 ることができる。
注1)
現在の急激な社会変動について・現代人の生活構造や 有志指導者の育成やグループの助成,集団の育成に当 生活様式に対応しながら,社会教育の施策としての社会 ってもその社会性,企画性,指導性,成功性を活用する 体育の角度からみるとき,生産機構の変化は有閑階級や ことができる。また,競技水準の向上,競技スポーッの 有閑大衆社会へと移行し,産業構造の面からは,自由時 普及に関しては特技としてのスポーツ経験を利用し,そ 間の増大とレクリエーションに対する企業体系を打ちた の専門性を発揮することができる。
てつ・ある・繍厳による国聡生産高の増大には国 現在社会における体育.スポーツの織を謝し,そ 家体制,イデオロギー体制への可能性と結びつけて論ず れによるスポーッ価値観のもとに社会体育・スポーッの る傾向をみるむきもある。 普及振興にとって,きわめて有効な力を発揮する可能性
体育。スポーッ普及振興の施策は,大衆スポーツの普 の条件を具備することができるのである。
及と体位・体力の向上,競技水準の向上と選手強化の立 体育教師は,教師の立場からすれば学校教育,研究の 場から論ずることができる。しかも,このような社会施 目的遂行に挺身する使命を持つと考えるべきである。そ 策の振興と社会体育の推しょうは,その歴史的過程から して教師の本来の業務において,教師の専門性と本務の みるように学校体育と提携する方向で利用することを求 確立は,現状における問題の焦点である。
めて来たのである。 すなわち,勤務内容の整理や勤務条件の整備に関連す 現在の教育機構を検討するに当っては,教育制度の面 る環境条件の確立が要求されている。このことは教師自 では指導要領や教育課程の検討が叫ばれ,社会教育の面 身の主体制が要望される時点でもあり,教師集団・体育 では生涯教育と生涯体育の面に指向し,教育投資の方向 教師グループの連帯性や組織化のもとに,教師の自主体 では実利実学の教育体制と人間能力開発を焦点としてと 制の確立が要請される点でもある。注4)
りあげることができる。 体育教師が社会体育に有効な立場にあることは,学校
注2)
これに対応して,教育施策としての学校体育の角度か 体育が社会体育と緊密な関係をもつことである。体育教 らみるとき,教育課程や指導内容の精選,人間づくり, 師の立場は,うえの二面において,体育教師の専門性と 体力づくり,体制基準への可能性と結びつけて論ずる傾 特技と熱意による協力によって,有機的関係を助長し極 向をみるむきもある。 めて有効な力を発揮する可能性の条件を具備することが
このように教育施策の振興と学校体育の推奨を,社会 できるといえるのである。
体育と学校体育と提携する方向で利用することを求めて (2)学校体育及び体育教師依託の体系
いるということが考えられる。 体育・スポーッ活動の要請は,生物学的,社会科学的 以上の二面からの合流点(接触点)における,教師の な面からの必要・要求に依ると考えられるが,同じく歴 役割や機能を分析検討するのがこの研究の意図である。 史学的にも文化人類学的にも,個人・社会の必要・要求
期待する教師像と理想とする教師像を,全く同次元で が現在の体育・スポーッ文化を創造し発展させた。
この必要・要求に対応する場として,学校体育・スポ そこには,学校と教師の社会的機能の問題がある。そ 一ッと社会体育・スポーッを求めることができる。そし して施策の不備により大衆の体育・スポーッ活動に対す て教育の理念は教育基本法に求めるが,社会体育・スポ る欲求を吸いあげるパイプ的機能の面が十分果されない 一ッは社会教育法により,学校体育・スポーッは学校教 ままの形で進行している。
育法によりその規定を求めることができる。このように 特に,地域社会(小都市町村)の市民の啓蒙と対応施 それぞれの概念規定にたって,そのうえ時代における要 策の推進が急務である。この領域では施設,組織,指導 求や腰性河能性に対応する仕方に才・いて,そ明的 者の問題は,財臼勺狸践活動の面では少しも進行して を翻ず櫨を求めるのである・ いないと云うべきである.
保健体育審議会答申にみられる如く,学校及び体育教 〔2〕 体育・スポーツ普及振興体制の方向と,体育協 師の活動が社会体育・スポーツと密接な関係をもち,社 会(各種目競技団体所属)との機能が体育・スポーツ活 会的機能を発揮できる反面,同時に多くの課題として現 動社会的条件に対応するか。
在の社会体育,学校体育における問題点の検討(問題の ①「スポーツの高度化(競技水準の向上)や競技スポ 発堀)と施策の検討(問題の解決)が要点となる。 一ツの普及奨励を求める対策へ指向する」学校(教師)
(イ)社会体育の面から問題点の発堀 や事業所等の組織や企業団体を結集(種目別プレ_ヤ 体育・スポーツ普及振興体制の方向と体育教師の社会 一)する体制を推進する傾向がある。
的機能の問題を,社会体育行政とスポーツ団体との関係 競技種目団体の体制は,競技力向上一競技スポーツ1の
(貧弱な体育・スポーツ活動の社会的条件の検討)およ 普及奨励。競技中心主義一種目団体の勢力拡張や保守的 びスポーツの奨励参加(国民の要求の多様化,体育・ス 地盤固め。啓蒙宣伝一奨励費,強化費,競技用施設の拡
ポーツの必要性についての検討)において捉える。 充整備,講習会,競技会等に主流が置かれる。
その場合,体育教師と体育・スポーツ及びスポーツ文 指導者は専門技術の指導に傾き,大衆のスポーツ要求 化団体との関連なしに考えることが困難な状況をつくり と一致しにくいのが現状である。従って,施策としては注6)
出して来ていることが前提となる。 以上の主旨(国民のための体育・スポーツ活動であり大 体育教師の機能する社会体育の領域を,以上の捉え方 衆の要求に対応する施策)に需応する体制において,指 で次の〔二方向〕から検討する。 導者,社会教育主事,公民館主事等の養成と資格の授与
〔1〕体育・スポーツ普及振興体制の方向と,.体育教 を実現する必要がある。
師(体協およびスポーツ団体所属)との機能が体育・ス ②「健康の保持増進と体力の向上を求める問題とし ポーツ活動の社会的条件に対応するか。 て・生活における健康,体力づくりの必要性において,
①「地域体育・スポーツ普及振興の実践的中核をなし 施設との結びつきの弱体や,日常生活化に進めることが ている」地域体育文化団体に参加し,啓蒙,奨励の推進 困難iな状態である」具体的実践活動へ指向する場合は競 力となる。現在の体育教師は,地域社会において,特に 技指導化する。そして体育・スポーツ活動に必要な組織 地方市町村においては地縁,」血縁的立場で活動の原動力 は有名無実であり,施設の拡充整備の施策は不備が残
となっている。 る。
体育・スポーツ普及振興に当る行政窓口(体育・スポ ー般大衆の意志(自主的主体的参加活動)が尊重され 一ツの主管課)の不備,不足及び関係機関や窓口との連 にくく・既存団体の勢力保持,地盤拡大へ働き,国民皆 絡不十分の問題がある。遂には,学校及び教師へ依託す スポーツが行事中心や団体中心,競技中心に陥り過ぎる る体系を呈する。 傾向がある。
指導員,係員,経費不足。施設の整備費不足,事業費 体育指導員の活動領域や活動内容が明確に把握されな 不足により,必然的に(歴史的,観念的にも)教師の活 いままに・体育教師の二面的活動(学校体育と社会体育 曾
ョ領域へ移行する結果となっている。 の面と,一般社会体育と競技力向上の二面的機能を二面 このような依託体系の解決策を,行政機構の中で積極 的二重構造と表現した)に依託している現状である。
的に施策する必要がある。 競技スポーツ,競技団体による指導の普及によっての
②「体育・スポーツに対する興味や欲求の伸びに対す み,社会教育・スポーツへ還元する傾向がみられがちで る裏づけに関して,施策の立ちおくれの問題がある」公 ある。国民の体育・スポーツの必要性と要求性を再確認
一一@共の体育施設の立ち遅れや,指導者の不足,組織機構の する必要が残されている。
不備は,学校と教師に対する期待と負担となっている。 (ロ)学校体育の面から問題点の発堀
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体育・スポーツ普及振興体制の方向と体育教師に関す となっている)などの問題がある。。
る問題を,教科体育の確立と特別活動,教科外体育活動 学徒対外運動競技一通達の改正(昭,32−36−44年).
やクラブ活動等を同一次元においた推進対策(これらの 競技水準の向上や競技スポーッの普及奨励,低年令層化 相互補償の関係)と,教師の勤務条件の整備と職務内容 や組織化確立が進んできている。
の整理(相互抑制作用の関係)との二重構造を提起する 学校体育及び教師依託の体系において,社会的要求の 現状においてとらえる。 過度の負担(学校体育への期待)に対して・体育教師の
その場合,これに直接関係する体育教師の社会的機能 目的の自覚(教育・研究の本務)集団の認識(連帯化と と,動務条件の関係を無視することは出来ない・ 組織化)等の機能領域から,必然的に限界があることを
体育教師の機能する社会体育の領域を以上の捉え方で 認識しておくことも必要である。
次の〔二方向〕から検討する。 〔2〕体育・スポーツの普及振興と教師の勤務条件の
〔1〕 体育・スポーッの普及振興と競技団体の機能の 問題が,社会体育。スポーツの条件に対応するか。
問題(種目別競技団体に所属する体育教師の機能)が, ①「教職の本務確立と勤務内容の多様化や流動性にお 社会体育・スポーツの条件に対応するか。 いて,体育・スポーツ普及振興体制との関連は相互抑制
①「一般体育・スポーツ団体(学校体育・スポーツ 的関係にあることを無視できない」教師の本務と時間の 活動を含む)と競技スポーツ団体の機能との間に性格的 拘束と活動のけん制は,体育・スポーッの活動に対する 限界がある」それが現実のかたちとして表面化してい 施策の不備によって,相互に停滞の気運を醸生した・
る。 すでにしばしば「体育教師をとりまく問題」として分 競技団体のもつ伝統的な機能と,一般の体育・スポー 析検討して来たが,勤務内容の多岐流動性一仕事の内 ツ活動の性格には,その意図するところに体質的な相違 容,量が著しく変化し増大した。教師の専門性一研修の をみる場合が多い。この点で,体育・スポーツの普及振 必要,教育活動などの専門的活動を要請する条件となっ 興に偏重や軽視が生まれ,一般の体育・スポーツ活動に ている。教職の範囲一教師の守備範囲(担当すべき領 対する疎外条件となっている場面がある。 域)の限度を明確にする。責任体制の確立一クラブ活 一般の体育。スポーツの組織体制には,指導者不足や 動,課外活動における障害保障と責任の所在を明らかに 行政組織の不備があり,現実においては,大衆意欲の昂 することなどがある・
揚と自主的参加への推しょうが課題であり,日常活動化 教師の個人生活面での時間,労力,経済,日常生活活 の消極状態と単調化が残る。 動に対する拘束を無視することはできない・従って,勤
学校体育指導者一体育教師。社会体育指導者一体育教 務外労働とクラブ活動の問題に関連する回答が合理的な 師,社会体育指導委員,スポーツ指導者であって,スポ 立場で実行されることが必要である・。
_ツ要求の多様化に応じ切れない現状である。ここで体 ②「伝統的な教職意識や生活態度と社会変化(教師の 育教師の二面的二重構造の機能に依託することになる。 倫理綱領)が,体育・スポーツ普及振興体制に関連して 指導者,有志指導者,専門指導員等の不足に需応する 相互抑制的関係を生ずることを無視できない」従来の伝 養成課程と育成確保の問題がある。 統的な教職意識による奉仕活動や聖職意識は,労働と賃
②「体育.スポーツ普及奨励活動が,学校体育と教師 金・時間と報酬による社会機構の中にある。
に依託する体系である」競技団体と学校体育及び教師の このような角度から考えるスポーツの機構も問題化し
役割や機能の合理化への施策が腰である。 つつある・す姉ち理念相灘掲げ,かけ声を高くす
競技団体が機能する性格を,学校体育ことに課外体育 ることで施策は実現されない。却って問題をひき起こす スポーツ活動に期待して来た現実と,一般体育・スポー 結果となっている。
ッの普及奨励に関する蘇として洋校及び教自面に購 労鵬間と醗一時間外勤朔・対する超勤手当の要 す硯実に錯そうと混乱があり,却。て蘇の鯨を不 求・労醒と撮内容一定員増の要求・蝋翻や奉仕 鯛なものとしている. 的態度一伝統的な鵜瀞から脱却・生活態度の混乱一
@学校体育依託一学校施設の開放や一般利用,課外体育 職業意識や選職動機の不安定。教師の主体的自主活動一 や運動クラブ活動の強化,競技力向上。体育教師依託一 社会的機能の認識や地域文化への貢献。学校体育活動の 社会体育・スポーツの普及奨励や地域スポーツ推進の中 確立一体育教師の役割,任務,責任の自覚・専門性指導 核。競技団体の役員一競技力向上と種目競技団体の拡充 性の発揮などにわたって現実の問題がある・
と発展(体育教師の出張が多く,授業時数の確保が問題 従来の職業意識(生活態度)から脱し,社会学的立場
♂
から現状の問題を把握し,主体的活動によって問題に迫 活動に当って「体育教師をめぐる問題」「学校体育の る必要がある。従って,超勤問題や定員増の問題等は体 確立」「教師の自主体制」「授業時数の確保」などの条 育・スポーッ活動の普及振興と教師の関係を論ずる以前 件規制と関連する中で,体育・スポーッの普及振興と学 の事柄として解決されることである。 校および教師との緊密的な要件を分析する必要がある。
教師自身の積極的な活動によって,体育・スポーツの 社会体育・スポーツに関連しては,競技スポーッの普 普及振興の機能と教師の本来的機能の面が,同一次元で 及,競技力や競技水準の向上,競技会や選手権大会等の 推進される方向で,問題の検討と施策の検討の要点を発 開催,指導者の育成,スポーッ集団やグループの育成,
堀し,解決を求めるべきである。 社会体育指導者の養成,奨励振興体制の刷新,施設や組
(3)機能的分担による普及振興の推進 織の確立など,社会の要求に対応する機能をみることが 社会体育・スポーツと学校体育スポーッの有機的関係 できる。
は,体育・スポーッ(競技スポーッ・大衆スポーツ)の 学校体育・スポーッに関連しては,教育研究の目的遂 発達強化を学校における課外体育と教師に期待し,学校 行,心身の発達や体力技術の修得,社会性の育成や生活 に体育・スポーッの普及奨励を求めたところにある。 化,スポーツ愛好グループの育成と参加,校内競技会の 競技スポーッの発展は,高度な技術と科学的研究を積 奨励と参加,競技会や総合体育大会の開催,指導者や顧 極的に推進し,学校体育に影響し,多様な欲求と興味を 問教官の育成と確保,教師集団の組織化と連帯性の強 産み,国民のスポーッ欲求を高揚してきた。. 化,施設の整備,一般開放,学校体育組織の確立など,
学校体育と社会体育は,増々その緊密度を高めて行く 学校体育の要求に対応する機能条件をみることができ けれども,そこにおける体育教師の立場は重要な機能を る。
発揮することになる。 このような機能の条件を前提にして,殊に競技団体と すなわち,体育教師が体育・スポーツの普及奨励に当 学校体育活動及び体育教師とは切り離しては存在し得な って有効な力を発揮する条件は,組織機構を確立し,施 い現状におい七は,競技団体と体育教師との関係におい 設,指導の多様な機能を整備し,これらの機能と役割を て一層緊密化していると云うことができる。
明確にすることである。 ロ) 有機的関係と機能別分担
イ) 社会体育と学校体育の緊密化 社会体育・スポーツと学校体育・スポーツ活動の緊密 体育・スポーツの普及振興については,現代生活にお に連携する要件分析を試みるなかで,二つの立場の有機 ける健康,体力づくりの必要性の具体的な裏づけと,体 的関係をみるとき,スポーツに対する社会的要求や生活 育・スポーツに対する興味や欲求の急速なのびに対応し 構造の中におけるスポーツの位置づけの方向と,競技ス て行くことである。それは同時に体育・スポーツの普及 ポーツの普及奨励や体力技術の高度化の方向の二方向が 振興に対する施策と国民の活動意欲が相侯って,現代世 考えられる。
紀の課題とな一,ている。 これに直接関係するものとして,学校と教師がある。
しかし,国民のスポーツ需要に対する施策の立ちおく 学校における体育スポーツに対する期待と,体育教師に れが叫ばれるなかで,施設の整備をめぐる問題,体育ス 対する依託と過度の負担については「体育教師をとりま
ポーツ活動に必要な組織。体育スポーツ活動に必要な指 く問題」として検討して来たところである。
導者。体育スポーツの普及振興を受け止めて推進する主 ④ 市民大衆の要求一社会体育・スポーツの促進。
管課の整備。関連主管課の連絡提携。係員,指導員,経 ◎ 体協(種目協会)一競技スポーツの普及奨励,技 費,事業費等の増強など体育・スポーツ活動の社会的条 術の高度化,競技水準の向上。
件の検討が必要である。 ㊦ 学校体育一経験を通して自律的,他律的に自己形 これら社会的条件のなかで,学校と体育教師の役割と 成して行く教育の体育の目的。
機能を分析する必要がある。そしてこれは学校と体育教 以上の三つの領域には,それぞれ特質があり性格の相 師に対する社会的要請や期待に応え,地域社会における 違があって,相互間の機能的限界と活動的拘束などの矛 社会的責務と奉仕的(サービス)態度,教師の専門性や 盾が生じている。
特技や情熱を,社会に還元するという発想による。 要求の多様化に需応しーて,役割や機能が融通多岐に及 体育・スポーッの普及振興に当っては,学校や体育教 ぶ現在において,それぞれ精度の高い効率をあげるため 師の基本的な本来の役割や機能があり,これを前提にお には,その役割と機能を明確にし,施策の確立を期する いて検討すべきである。 ことである。
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①体育・スポーツ施設の拡充と整備 にスポーッ活動をする一般のスポーツ愛好者と,中・高
(スポーツの需要に対する施策の立ち遅れを補填する) 生の約半数か学校クラブ活動以外に一般の社会体育施設 競技スポーッ施設。コミュニチーセンターとしての施 を使うものとして,人口に見合った面積と数を割り出し 設。学校体育スポーッ施設。国公民間団体施設。野外活 ている。これは,一週間に一回以上利用するものとみら 動施設等の整備,拡張,開発など管理,運営,維持の面 れるスポーツ人口は,対象年令層の約20%で約1500万 で利用者の側にたって(利用者へのサービスという観点 人。中・高校生は約半数が週二回程度利用するものとし から)行財政を保証する。 て推定している。また一般企業の施設の整備基準や選手
②体育・スポーツ参加の推進 中心から一般社員の利用度を高める必要を指摘している
(組織の確立と結びつきを強固にし,自主的自発的な 事が特徴である。
参加によって,日常活動化へ指向する) 〔施設の現状〕 口本の体育・スポーッ施設の数は約15 競技スポーツの参加と技術の進歩。競技団体の充実発 万で,そのうち70%は学校施設であろ。事業所の施設は 展。スポーツ教室の開設とその持続発展・自発的グルー 約16彩,公共社会体育施設は全体の約7%程度にすぎず
プの育成やスポーツ集団の助成。スポーツの自己目的性 量的には非常に不足している。しかも多くは選手中心の と自発性の強調.体育・スポーツの価値意識の啓蒙開発 競技会むきである。これらの施設は一一般に夜間照明は不 と「自分が個人のために自分で活動する」思想への変革 備であり,指導者や管理者は配置されす,用地確保の困 を期すべきである。 難な現状から一一般利用に不便なところにつくられること
③指導者養成と指導体制の確立 が多く,一般利用が手軽にできない点などが批判されて
(スポーツの多様化や要求の多面化に応じる指導態勢 いる。
を推進する) ②国民の自主的なスポーツグループ活動の育成 指導者の身分の保障と地位の確立を考える。学校教師 〔自主的活動〕 自発的なグループ活動が望ましく,民
,体育指導委員,スポーツ指導具社会主事,公民館主 間団体の手でスポーツ教室を数多く開設し,国や地方公 事等の養成や資格認定の保証。社会的身分の確立などそ 共団体は積極的に援助すべきである。また1スポーツは れそれの団体やグループ,集団に必要な指導者養成制度 ただでやるもの」という考えを改め,経費は自分で負担 を確立する必要がある。 する習慣を身につけることを強調している。すなわち,
現況の如く,国民のスポーツ要求に応ずる機能や役割 公的な立場からの援助と同時に,スポーツ活動が自分の の多様化に対しては,役割の分担と機能の明確化が必須 ためにするものであり自分の幸福を保障するものである の要件である。すなわち,体育・スポーツ振興の具体的 という立場から考えるべきである。
施策に当って,組織管理者,計画立案者,実際指導者, ③指導者の養成と指導体制の確立
グループや集団のリーダー等の分担を明らかにすること 〔指導者の養成〕指導者の養成と資質の向上のための である。 事業を盛んにし,国がこれを援助すること。市町村に専 体育教師脱依託の体系から・専任の社会体育担当指導 任の社会体育指導員をおき,体育・スポーツを担当する 者の養成,有志指導者の資質の向上,職場体育指導者, 機構を設けること。大学に指導者養成の課程や公開講座 種目別専門指導者の養成確保によって,それぞれの役割 を設けることの必要性が強調されている。
分担を明確にし,機能の合理化を推進し確立すべきで 〔指導者の現状〕学校体育(正課体育)の指導者であ ある。そこから体育教師の社会的機能の合理化が生まれ る教員は,資格が認められ制度も確立している。しかし る。 一般社会体育・スポーツ指導者の資格についての制度は ない。また,わが国で体育・スポーツ施設の専任の管理 4・事例検証 者または指導担当職員がいるのは,公共社会体育施設で
は32%民間の非管理施設で40%と非常に少ない現状であ(D 保健体育審議会1体育・スポーッ普及振興に関
する基本方針」の中間報告から_総合的な解決の施策へ る・学校体育教師の社会的機能として,この方面の活動 轟では旧本の保健体育の現実を分析して今後の具 に対して過動期待と鰯が要請される一端がある・
④資金の確保と運用体的方針を次のように(筆者要約)あげている。
①体育・スポーツ施設の整備充実 〔資金の確保〕公共的な施設の整備は・基本的には国
〔施設の充実〕国民が日常生活で気軽に利用できるス と地方公共団体が行なわなければならない。その負担割 ポーッ施設の整備基準をあげている。この基準は継続的 を日常生活圏(人口10万以内の小地区単位)は市町村が
主体。広域生活圏(関東,北海道などブロック単位)で 協会があるけれども,施設との結びつきは弱体であり,
は都道府県または国が主体となるべきである。また,こ 市民との結びつきは極めて不十分である。然し,施策の れまで資金不足に悩んでいる体育団体への援助など,国 検討実施に当って,市民の体育・スポーツ活動の価値の や地方公共体は画期的な財政的措置を講ずることが必要 認識や参加の態度に関して啓蒙の必要がある。殊に,地 だとしている。 域町村における施策と実践活動の活発化とは緊密な連携
〔関係省庁の協力体制〕 これまでややもするとバラバ が必至である。すなわち,施設,組織,指導者にわたる ラだった行政を改め,文部省と他の厚生省,労働省など 体育・スポーツ活動の社会的条件の整備によって,国民 関係庁が協力体制を確立し,資金の効率的な運用をはか の日常生活が単調,不活発から脱して,変化,バイタリ ることを望んでいる。 ティと活動性へと進展すべきである。
中間報告は各種の調査資料を活用して・15年計画で段 団体的活動中心や行事中心グループから脱して,生活 階的に実現していきたい意向で以上の施策の主な観点を の中に育ちつ》ある自発的グループの育成,組織化が必 掲げている。 要である。そこには,体育協会組織が,どちらかといえ
然し・調査資料による現状の分析の結果が・現実の実 ば競技中心,選手中心に傾き,あるいは一般の要求を反 態を単的に表現することは不可能である。すなわち・な 影しない上からの組織となりやすい性格をもっている反
お卒直に地域社会の現状と問題の検討が必要である。 省が残されている。
(2)現状問題の検討の要点一問題解決の施策へ 〔必要な指導者〕全体的にスポーツの多様化に応じき
①体育・スポーツの必要性 れない現状である。現在では,体育教師に負うところが
〔健康・体力の問題〕 生活における健康・体力つく 多い。社会体育指導委員は非常勤の指導者であり,社会 りの必要性の具体的な裏づけとなる資料を検討して行 教育(社会教育活動,レクリエーション活動,公民館活 くとき多くの問題が指摘される・国民の体格の向上や 動等)活動としての担当指導者のなかで社会教育主事等
注10)
平均寿命の伸びは著しいものがあるが,しかし健康・体 に専門指導者を得ることが困難な現状である。学校体育 力の面からみると必ずしもよくなっていない。また体力 教師の社会的機能の条件を検討して行くことは,本研究 面においても文部省の調査結果から数多くの問題が指摘 の意図するところである。注11)
されている。国民の健康の不安に対処して検討すべき点 〔主管課の窓口〕体育・スポーツ振興を受け止める行 である。 政窓口として,体育・スポーツ主管課の設置をはかるべ
〔興味や欲求〕生活様式や人聞関係,時間的経済的ゆ きである・同時に・関係主管課との連携を密にすること とりなどの結果によるものとみられるが,今や若い人た が必要である・保健体育課社会教育課福祉厚生課等 ちの難一ツ要求は9・%を上剛,国民全体では7・〜8・ の課係から・体醐会・クリエーシ・ン協会必ボー
%程度を占めている。しかし,実施状況からみるとスポ ツ少年団・公民館・婦人青年団体等の関係団体等・組織
団体との連携協力は今後に期待すべき面が多い。一ッ欲求と現実のスポーッ活動との間にはかなり大きな
施設,組織,指導者に関する施策の立ち遅れは,国民へだたりがある。
の積極的なスポーッ参加の実践態勢の低調をまねいてい以上国民のスポーッの必要性や興味の需要に対処する
る根底であるといえる。施策の検討と実施が第一の課題である。
(3)体育教師依託の検討一依託体系の解消へ②体育・スポーツ活動の社会的条件
①環境条件,主体条件〔施設の整i備〕文部省「社会体育実態調査」による如
〔学校体育教師と社会体育スポーツ〕く公共社会体育施設の立ちおくれが問題となった。それ
は現在のわが国の備.スポーツ鰍の大部分が学校体 鮪鞭鱒係する諸団体における役割をみると諌
のような関連図を描くことができる。しかもこれは地域育施設であること。また建設用地の確保困難などから一
社会における多くの体育教師の関連図式といってよい。般的に不便な場所にあり,使用の手続や規定が一般性を
欠き,使用について簡便でない。しかも管理士,指導者 すなわち土地に定着して(土と血)体育振興に打ちこむ の配置されない施設が大部分であって,管理運営上の欠 かまえが必要であることを物語っている・
陥が問題とされる。そこで学校開放と管理〜クラブ活動 単に学校体育の場における体育教師というばかりでな や課外体育活動と社会体育活動の調整が困難であり,現 く,社会体育・スポーツと学校体育・スポーツを緊密化 状では体育教師への負担となっている場合が多い。 の方向で検討すべきである。然しそこには多くの問題が
〔必要な組織〕 全国市町村の約8割程度に市町村体育 残されている。それは体育教師のもつ専門性と社会的機
88 茨城大学教育学部紀要 第21号
〔学校体育連盟〕 「競技団伽 (例)
1中 学I i高 校1 理事会 市 一理事長
一一
@ 1−!ブ・ッ列 1
冨一一一
@
競技団体 。専門部委会員 ブロックー理 事
p〉団体・国体強化委員会県 一理事
1郡・刺一一一一一一}
(小中体連) 連 盟一理 事
〔昭和49年(第29回) 茨城国体競技役員〕(筆者まとめ)
(33競技団体現有役員一昭・45・8・4日現)
.公務則徽縮中学編陣藤繭会一御日製自営1その他「
276人 ・gi 118 嘘14「22・ 2d3ド・4411281
合劃 (・a77%) −1 1・甑1
一一 秩f
@ 山一一
(県内役員養成計画一昭・46・4・9日現)
一一
@ 一一一
@ 一一一}冒
P審判則 1・28・人険司 746人1 一一@ 一一一一㎡
E (茨城国体事務局案)
搬役員 乳615槻在 1,・9・1
一合韻釧 3895−IP幽 L836− 1程員数琴゜59人 i
能を具体的実践的な型で発揮できる条件整備を必要とする ことが課題となる。
(関東バレーボール連盟役員のうち学校教職員数) (筆者まとめ)
(昭・45年)
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遠s塁速. 一一一一一一』,一一_
梠燒x千 『一一一一 一一一 一纐リ睡騨釧埼宝r山剰ユ諭 一i一一一一一
役員数 15gl−__.一_ 1 i1 一一一
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〔選手強化〕 「薄い選手層に疑問の声」と題して三年 大会や関東大会を続々と招いている。 ところが大会の運 注6)
繧ノ国体を迎える茨城県の強化方針について批判的であ 営や競技審判などは,ほとんど学校の教師で,役員の6 ったり,県内企業に選手強化を依頼する方途を考えたり 割を占めている実情である。このため体協の理事などを する傾向がみられるが、「国体開催県が天皇杯を獲得し 兼ねている教師たちは,授業も投げ出していろ人が多 ているのは高校と教師が原動力になっているから,本県 い。
でも十分やれる」という従来の在り方は,課題を提起し 〔授業時数の確保〕時間の確保は,学校教育活動全般 たものといえる。 にわた。て根本的条件と考えるべきである。この問題に
注14)
現状では,教師なかんずく体育教師が社会体育活動と ついては,茨大・教育学部紀要において,学校体育と社 くに,その専門種目において果す役割は多く,その活動 会体育組織に関連しながら述べている。学校体育教師の 領域は多岐にわたって機能を果している。現在の体制は 関係する領域が広範多岐にわたっていること。教師の各 体育・スポーッの推進を学校体育依託,学校教師依託の 人が自主的活動と主体的行動を強調すること。そこから 体係に置き換えた形で行なわれている実情である。 体育教師の果す役割・機能を再評価する必要を強調し
体育・スポーッの普及振興に当っては,教師の個人お た。
よび集団の主体性の確立が必要である。 ③役割分担と機能の合理化
②授業時間数の確保 〔勤務と社会的機能〕体育教師をめぐる事象の中で,
〔体育教師の勤務状況〕三年後の茨城国体開催をひか 社会体育普及策と学校体育経営,教師の勤務条件に関連 えて国体リハーサルを兼ねて県教委が中心となり,全国 する事柄,特に社会体育行財政と体育教師との関係,勤
務外労働とクラブ活動の指導に類する問題は特筆すべき が機能の合理化を推進する第一条件となる。
事象である。しかも,これに直接関係する教師の主体的
行動によって積極的な参加と対応を期すべきであると考 5.まとめ〜結論
えてきた。それぞれ,クラブ指導の実態,問題点,教師 ①教師の社会的機能において,その専門分野における の自主体制と学校体育の確立の項を設けて検討と考察を 専門性を発揮するため,社会体育・スポーッの組織,施 試みた。すなわち,両者の有機的関係の推進と相互補足 策,指導者にわたる中で体育教師の立場を明確にするこ の効果をあげるための条件整備と,機能別分担を基礎と とによって,問題を解決すると同時に合理性を高めて行
した協力態勢をつくることである。 くべきである。
〔体育指導委員〕 スポーツ振興法第19条に,市町村教 自主体制として機能する為に,体育教師をとりまく広 育委員会に体育指導委員を必置すること。および指導委 範多岐な問題の分析が必要であり,客観的,総合的な解 員の性格,職務内容などが定められている。 決の施策をたてるべきである。
注、解教師と関連し硯状をみると談城県においては ②教師自身の積極的な活動によ。て鉢育スかツの 学校教師が多い。(教員37%公務員13%会社員12%農漁 普及振興の機能と教師の本来的な教育機能の面が,相互 業13%その他25%・昭和44年10月)これは・学校開放に 補償によって推進される方向で問題の検討と解決の施策 おける学校管理の問題。管理従事者に対する報酬困難の を求めるべきである。
問題・社会体育゜スポーツの普及振興を学校および教師 問題解決の方策は直に実現することは不可能である実 に依託する傾向等・安直なとりくみによって教師の負担 情から,体育教師依託の体系を現体制の推進のために置 を増大している。 き換えてはならない。
教師の活動が不活発である〜教師集団の要請や個人の ③スポ_ツ要求の多様化に対応することによって,体 生活環境とくに勤務時間外の負担・家庭生活や個人生活 育スポーツ活動の普及振興に有効な実をあげるため,そ への圧迫等は・教師の活動を不活発にする・ここに・地 れそれの役割,分担を明確にし機能の合理化をはかる必 域社会体育に対して教師の参加要請を敬遠する傾向が生 要がある。
まれている・ 問題に対す対応の仕方が著しく実情に添うものでなか スポーシ教室や競技会・レクリエーションの連けいが ったり,非協力反抗的な場合は,学校体育スポーツと社 必要である。県・市・町・村の体協と異質の一般対象の 会体育スポーツの両面で緊密な連けいをもつことが不可 体育連盟,スポーツ教室の育成,組織づくりが必要であ 能である。このことが体育教師の社会的な役割や機能を る。これは,競技会やレクリエーション大会へ発展して 効果的実践的に発揮することを阻害する結果となる。
行く方向で運営企画することが望ましい。そのとき地域 指導者に専門種目スポーッ指導員の活動が要請される。
注16) 注1 飯塚鉄雄「社教審答申と体育・スポーツ」体育科教育,
体育指導委員の職務内容において,活動の領域が明ら 19巻9号(1971)
かにつかめない現状である。活動の場は,市町民運動会 注2 平原春好「戦後教育の原点にかえれ(人権尊重の教育と逆
その他行事程度である・組織面では社会教育課の担当で 行するか)朝日新聞,1971.9.21。
あって活動の場が乏しく,この方面の専門者が欠けて 注3木村吉次「日本近代史の中の体育・スポーツ」(体育が技 いる。構成員では,郡部では学校教師が主であり,しか 術であると同時に科学であるという認識,生活の仕方,思
も専門種目別構成である。中学校教師の側では,社会体 想)体育科教育,19巻6号
育活動は手一杯である。従って,社教体育主事等専門職 注4 砂沢喜代治「中教審答申は教育改革といえるか」体育科教 に頼る必要がある。企画,指導,管理運営の組織機構の 育,19巻9号(1971)
連けいと実践活動者の機能別活動を円滑にする必要が要 注5 保健体育審議会答申(中間報告)「体育・スポーツの普及 請されている。 振興に関する基本方策について」1971
注6 「国体本決りで競技会ばやり」朝日新聞,197工・6・17。〔学校施設開放〕 「学校教育に支障のないかぎり」で
注7 「体育教師をとりまく問題」茨大・教育・紀要2⑪,
の社会体育のための開放は可能である。ここで起きる問
現場教師インタヴュー,社会主事講習アンケート
題については,さきに触れて論じて来たが,学校側の障 注8 近藤義忠 「体育教師の生活と意識」体育学研究,12巻5号
害を克服する。施設を改修・補充する。破損の防止と管 注9 保健体育審議会答申(日常生活圏域の体育.スポ_ツ施設 理,当該校職員の負担を除去する行政的保証が必至であ の整備基準)1971・6・19
る。等学校体育と教師と社会体育の領域を明確にする事 注10総理府「国民の健康・体力に関する世論調査」1968,厚生
90 茨城大学教育学部紀要 第21号
省「患者調査」1969 料)茨城県体育保健課,1970・9・29
注11・12文部省「社会体育実態調査」1968〜69 0体育指導委員職業別構成(教員37%)昭・44・10月 注13 中学校現場教師インタヴュー1970・6・10 0市町村における社会体育行事,昭・44・7月 注14 大西国男「現代教師像一体育教師をとりまく問題」茨城大 O学校体育施設の開放について(小・中。高校)
学数育学部紀要 20号 (昼・85.4%,夜・13%)昭・44・7月
注15・16茨城県体育指導委員代表者研修会,資料 ○市町村における体育協会の設置状況(62%)昭・45 1970・9・29および中学校教員(体育指導委員)とのインタ ○スポーツ教室開設(73.9%)昭・45
ヴュー ○市町村体力づくり協議会の設置数(60.8%一昭・45
、; ※機能=関係・影響・役割の相互関連において考えた・ 11 古屋 正他,体育スポーツの振興と大衆化のための基礎的条 件,体育学研究,13巻5号
12金丸友隆他,地域体育の機能と社会的基盤(文献・資料)
体育学研究,13巻5号
1 「教育改革と体育・スポーツ」体育科教育,1971・9号 13 近藤義忠,体育教師の生活と恵識(第1報・第2報)
2 「体育科経営の諸問題」体育科教育,1971・8号 体育学研究,12巻5号,14巻5号
3 スポーツトレーナー,日本体育協会秋季号,11 14 井芹武二郎他,学校施設開放についての研究 4 体育・スポーツの基本調査報告書,日本体育協会 体育学研究,15巻5弓・
1971・4・30 15 中島豊雄他,学校体育と社会体育の接点に関する研究(その 5 社会体育で主流に(体協一地方協会)朝日新聞,1971・9・ 2)一愛知県下の高校体育教師の態度分析から,体育学研究,
16 15巻5寸
6 「国体選手綱領」 (旧軍隊σ)戦陣訓だ)朝日新聞(茨城版) 16 千野恒夫他,地域体育の機能と社会的基盤(その3)
1971・9・11 山梨県甲府市について,体育学研究,15巻5号
7 「チビッコサッカー大はやり」一年間通じてリーグ戦 17大西国男,体育・スポーツ振興体制下における体育教師の役 朝日新聞(茨城版)1971・9・9 。llと機能,体育学研究,15巻5号
8 「勝てるか,49年度茨城国体」効果少ない強化策一薄い選手 18 大西国男,体育の社会学的研究課題「現代教師像一体育教師 層に疑問の声,朝日新聞,1971・9・8 をとりまく問題」,茨城大学教育学部紀要,19号,20号 9 「スポーツ振興15年計画」3万余の施設の新設, 19 大西国男,昭和49年(第29回)茨城国体競技役員のうち,昭
一般市民の利用拡大へ(保体審議会が中聞報口) ・45年8月4日理在における「33競技団体現有役員調査」まと 朝日新聞,1971・9・8 め
10 体育指導委員に関する茨城県の概況(代表者研修会び)討議資
Topics of sociorogical reseach in physical education 一for the promotion system of physical education and sports一
贈 junio Onishi
Abstract
This investigations and studies were considered in the term of next items.
1. It is keeping the organic relation between social physical action and school physical education or teachers.
2.It is dependence system for dependent on school physical education and teachers.
a) It is overload for burden and expect.
b) It is dlfficult for agreement with living conditions and working conditions of teachers.
3.It establish the promotion system for correspond to various sides, and it is starting point of division works to each other functions.
We have to discovery how to compatible with spontaneous action of teachers and social physical activities。