茶道における「型」の教育~身体と精神の統一~
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(2) 興する起点となった、箒庵高橋義雄(1861. た。最後に、『薄茶点前」の手順を示し、『形」. −1937)や鈍翁益田孝(1848−1938)な. の模倣から「型」の習得へという「型」が. どの新興数寄者たちを中心として展開した. 身体化される構造について分析した。. 「財閥の茶」をはじめとして、田中仙樵. 終章では、r型」の教育の前提となる諸問. (1875−1960)の提唱により、近代茶道の. 題(座・師弟関係・間)の相互関係を総括. 復興を目指して創立された大目本茶道学会. しながら、茶道におけるr場」の形成につ. による改革運動をそれぞれ通観することで、. いて考察した。第一に、「座」の問題を取り. 茶道の歴史を締め括った。. 上げ、その前身とも言える中世封建社会に. 第二章では、茶道におけるr型」の教育. おける「茶寄合」の歴史的意義を明らかに. の思想について検討した。まず、現実場面. した。さらに、「形」を模倣する段階と『型」. において混同されやすいr型」と「形」と. を習得する段階を連結する役割を担った、. いう二つの概念を明確に規定した。その際、. 芸道師匠たちが生み出した「時」と「機」. マルセル・モース(Marce1Ma㎎8)の「ハ. という教育的思惟こそが、芸道における. ビタス」概念や、パターン・タイプ・スタ. 「場」を形成したことを指摘した。第二に、. イル・フォーム(「型」の原語)概念などの. こうしたr場」の形成に決定的な役割を果. 西洋的パラダイムの中で、「型」の問題を捉. たす「師弟関係」について論じた。ここで. えようとする試み自体の限界と、「芸道稽古. は、師匠と弟子のインターパーソナルな関. 論」という日本的パラダイムの中で、『型」. 係性を基盤として、鋭い人間観察能力を具. の問題を実証する妥当性についても検証し. 備した芸道師匠の口から発せられる、特殊. た。角界や将棋界のような特殊世界のみな. なrわざ」言語が果たす役割の重要性を指. らず現代社会に顕著なr型」の喪失が、家. 摘した。第三に、r間」の問題を取り上げ、. 元、芸道師範制度が強固に構築された千家. 『型」と不即不離の「間」を体得する為に. 流茶道においては、ほとんど起こらなかっ. は、学習者の「身体」を通じ・た「形」の模. た。最後に、西欧芸術における技術の習得. 倣によって、茶道におけるr場」全体の意. 過程と比較しながら、茶道を事例として、. 味連関を濃密に構築していく必要性を指摘. 「形」の模倣、「非段階性」、「評価の非透明. した。結論として、茶道において「型」が. 性」といった、伝統的な「わざ」の習得過. 設定されていることの教育的意義を考察し. 程における三つの特徴を指摘した。. た。r稽古(諭)」とr練習」との比較を通. 第三章では、r型」の教育の思想と照らし. して、学校教育の枠組みをその根本から間. 合わせて、r型」の形成の事例研究として、. い直すために、「独特な人間形成諭」たる「稽. 裏千家茶道におけるr型」の教育の実際を. 古諭」に着目することの生産性を再確認し. 探った。r割稽古」では、r島紗の扱い方」、. た。そして、近代教授学にはない、r身体」. 「喪・茶杓の清め方」、「茶突通し」、「茶巾. と『精神」が統一されることを主眼とする. の扱い方」、r茶碗の拭き方」、r茶杓の扱い. r型」の教育に内在する人問形成の観点に、. 方」の手順を示し、その習得過程における. 意義を見出した。. 「形」の模倣を中心に分析した。次に、r盆. 暗点前」の手順を示し、個々の「形」と点. 主任指導教員 安部崇慶. 前全体の流れとの位置づけについて分析し. 指導教員 安部崇慶. 一7一.
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