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自治体政策評価再考 (福田雅章教授退職記念号)

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自治体政策評価再考 (福田雅章教授退職記念号)

著者名(日) 日高  昭夫

雑誌名 山梨学院大学法学論集

巻 65

ページ 81‑112

発行年 2010‑03‑10

URL http://id.nii.ac.jp/1188/00000373/

(2)

治 体 政 策 評 価 再 考

日 高 昭 夫

一 はじ めに 二 自治 体政 策評 価を めぐ る状 況の 変化 三 行政 評価 の再 構築 四 政策 終結 の制 度化 五 おわ りに

一 はじ めに 拙著

﹃自 治体 職員 と考 える 政策 研究

﹄︵ ぎょ うせ い︑ 二〇

〇〇 年︶ の第 章

﹁政 策評 価の 可能 性と 限界

﹂及 び第 章

﹁政 策終 結と 行政 戦略

﹂で 筆者 が自 治体 政策 評価 につ いて 論じ てか ら既 に一

〇年 が経 とう とし てい る︒ その 間︑ 筆者 自身 の自 治体 政策 評価 論そ のも のは 一〇 年前 と基 本的 な変 更は ない が︑ 実際 の自 治体 政策 評価 をめ ぐる 状況 は︑

(3)

客観 的状 況・ 主体 的条 件と もに 大き な変 化が 見ら れる

︒そ うし た状 況の 変化 につ いて

︑筆 者は 平成 十五 年度 より

︑ 立川 に移 転し た総 務省 自治 大学 校の 第 部課 程及 び第 部 課程 での

﹁自 治体 政策 評価

﹂の 担当 講義 にお いて

︑そ の 都度

︑具 体的 な対 応を かさ ねて きた

︒ま た︑ 自治 体の 審議 会等 を通 じて

︑実 際の 政策 評価 のあ り方 にも 個別 にコ ミ ット して きた

︒し かし

︑二

〇〇 九年 九月 の総 選挙 にお いて 勝利 した 民主 党を 中心 とす る連 立与 党に よる 画期 的な 政 権交 替が 実現 し︑ 行政 刷新 会議 を舞 台と した

﹁事 業仕 分け

﹂な どに 国民 的な 注目 が集 まっ てい る現 在︑ 自治 体に お ける 全般 的な 政策 評価 のあ り方 につ いて も︑ 改め て考 察し 直し てみ る絶 好の 機会 であ ると 考え るに 至っ た︒ そこ で︑

﹁自 治体 政策 評価 再考

﹂と 題し て︑ 実際 的な 観点 から 二︑ 三の 論点 を提 示し てみ たい

︒ 二

自治 体政 策評 価を めぐ る状 況の 変化

﹁政 策評 価﹂ や﹁ 行政 評価

﹂と は︑ そも そも 多義 的な 概念 であ る︒ その 定義 の仕 方も 十人 十色 であ る︒ ただ

︑こ う した 多義 的な 定義 の仕 方が 起こ りう るの は︑ 対象 とな る﹁ 政策 評価

﹂の レベ ルが 多次 元で ある こと に由 来し てい る 面も 否め ない

︒そ こで

︑筆 者は

︑自 治体 政策 評価 の実 際に でき るだ け即 して

︑最 広義 のレ ベル から

︑行 政評 価や 監査 を含 む狭 義の レベ ルま で﹁ 政策 評価

﹂の 定義 を整 理し たう えで

︑多 様な 議論 を包 摂で きる よう に論 を進 めて みた い︒

︵一

︶ 最広 義の 政策 評価 政府 及び 自治 体の 行う 直接

・間 接の 統治 活動 を︑ 多様 な政 治主 体が

︑主 とし て公 共政 策の 立案

・管 理・ 実施 に 着目 して 個別 具体 的に 評価 し︑ また は統 制す る︑ 多様 な理 論︑ 制度

︑活 動で ある

(4)

︵二

︶ 広義 の政 策評 価 公共 政策 のプ ロセ ス及 び内 容を

︑一 定の 客観 的基 準に 照ら して

︑予 測ま たは 測定

・分 析・ 評価 し︑ それ に基 づ いて 何ら かの 措置 をと るた めの 理論

︑制 度︑ 手法 であ る︒

︵三

︶広 義の 政策 評価 の目 的と 行政 責任 概念 の対 応 広義 の政 策評 価は

︑そ の目 的及 びそ れに 対応 する 行政 責任 とい う視 点で 分類 する と︑ 主と して 次の 三つ のタ イ プに 分け るこ とが でき る︒ 実際 には

︑こ れら は﹁ 融合

﹂し てい る面 もあ るが

︑理 論上 明確 に区 別す べき 性質 の 機能 であ る︒ ただ し︑

③の 情報 機能 は①

②の いず れに も共 通す る基 盤で ある

①ア カウ ンタ ビリ ティ の追 及│

│外 在的 民主 的統 制

②マ ネジ メン トの 改善

││ 行政 固有 の内 在的 責任

③情 報の 分析

・提 供│

│行 政内 外に おけ る情 報の 共有

︵四

︶狭 義の 政策 評価 とし ての

﹁行 政評 価﹂ 広義 の政 策評 価の うち

︑② マネ ジメ ント の改 善を 主た る目 的と し︑ 行政 固有 の内 在的 責任 を果 たす べく

︑行 政 組織 の内 部に おい て自 己点 検・ 自己 評価 され る政 策評 価を

﹁行 政評 価﹂ とよ ぶ︒ 実際 の名 称は

︑事 務事 業評 価︑ 施策 評価

︑政 策評 価な ど︑ 一様 では ない

︵五

︶狭 義の 政策 評価 とし ての

﹁監 査﹂ 監査

︵a ud it

︶と は︑ 公共 政策 の具 現化 の一 側面 であ る行 政機 関の 財政 及び 会計 の執 行面 を中 心に

︑よ り広 く 行政 活動 の結 果全 般を

︑事 後評 価の 観点 から 評価 し︑ アカ ウン タビ リテ ィの 追及 を主 たる 目的 とし て外 部統 制

(5)

する こと によ って 有権 者及 び住 民の 利益 の擁 護を 目指 す︑ 広義 の政 策評 価の 一形 態で ある

︵六

︶行 政評 価と 監査 行政 評価 は主 とし て﹁ マネ ジメ ント の改 善﹂ を目 的と し︑ 監査 は主 とし て﹁ アカ ウン タビ リテ ィの 追及

﹂を 目 的と する 点で

︑大 きな 違い があ る︒ しか し︑ 評価 手法 もし くは 監査 の着 眼点 や監 査手 続の 観点 から 見る と︑ 両 者に は共 通点 も少 なく ない

︒特 に︑ 行政 監査 や実 質的 な決 算審 査︑ ある いは

︑ E監 査の 視点 に立 つ外 部監 査 など は︑ 行政 評価 との 境界 線が ます ます 不明 瞭に なり つつ ある

︵原 二〇

〇六

︶︒

﹁最 広義 の政 策評 価﹂ の定 義で 示し たよ うに

︑政 策評 価の スタ ンス を広 く取 って おく 必要 があ るの は︑ 自治 体政 策評 価を めぐ る重 要な 状況 の変 化を 理解 する ため であ る︒ それ は︑ 主と して 二つ の要 因に 起因 して いる

︒ 第一 に︑ 政治 改革 と連 動し た地 方分 権改 革の 進展 であ る︒ 国政 選挙 にお ける 小選 挙区 制の 導入 と︑ 分権 改革 に伴 う自 治体 の事 務執 行権 限の 相対 的自 律化 や権 限及 び財 源の 移譲 の進 展は

︑多 くの 限界 や制 約を もち なが らも

︑結 果 的に 地方 政治 行政 の地 位・ 発言 力の 向上 をも たら して いる

︒特 に︑ 国政

︵内 政マ ター

︶に おけ る都 道府 県知 事及 び 全国 知事 会の 発言 力の 向上 が︑ 更な る地 方分 権改 革を 最優 先の 政治 課題 に押 し上 げて いる こと は周 知の 通り であ る︒ 相対 的な 自律 度を 高め た自 治体 首長 たち は︑ 独自 の政 権公 約で ある ロー カル

・マ ニフ ェス トを 示し て選 挙に 当選 し︑ その 実現 を図 るべ くマ ニフ ェス トの

﹁行 政計 画﹂ 化に 努め てい る︒ 有権 者に より 賦与 され た政 権の 正統 性を 背景 に︑ 国政 にお ける 政権 交替 に先 んじ て︑ 自治 体の 政策 過程 にお ける

﹁政 治主 導﹂ 化が 進ん でき てい る︒ この 状況 は政 策評 価の あり 方に も大 きな 影響 をも たら して いる

︒そ れを 一言 でい えば

︑B ot to m- up から To p- do wn へと いう 変化 であ る︒ マニ フェ スト の﹁ 行政 計画

﹂化 を図 るた めに

︑首 長直 轄の 政策 管理 部局 や政 策提

(6)

言的 審議 会等 の設 置・ 強化 など の行 政組 織に 変更 が加 えら れる だけ でな く︑ ボト ムア ップ 方式 の﹁ 総合 計画

﹂の 変 質や 総合 計画 に代 わる マニ フェ スト 実施 計画

︵ア クシ ョン プラ ン︶ の策 定な ど行 政計 画シ ステ ムに も変 更が 生じ て いる

︒し たが って

︑マ ニフ ェス トに 対応 する 政策 評価 は︑ 従来 の総 合計 画を ベー スに した 事務 事業 評価 や施 策評 価 など の事 務レ ベル の評 価を 基礎 とし た﹁ 行政 評価

﹂か ら︑ マニ フェ スト の検 証を ねら いと した

﹁政 治評 価﹂ へと 変 わら ざる を得 なく なる

︒か くし て︑ 従来 型の

﹁行 政評 価﹂ のミ ッシ ョン やそ の手 法を めぐ る再 検討 が不 可避 とな る︒ 本稿 で扱 うの は主 とし てこ の側 面で ある

︒ 第二 に︑

﹁行 政評 価﹂ の変 質を もた らす もう 一つ の要 因は

︑地 方政 治行 政に おけ る協 働型 ガバ ナン スの 出現 であ る︒ 公共 サー ビス への 市民 参加 や協 働の 進展

︑行 政サ ービ スの 外部 委託 化︑ 公の 施設 の管 理運 営に おけ る指 定管 理 者制 度︑ 公共 サー ビス の市 場化 をめ ざす 官民 競争 入札 制度 の導 入な どに より

︑行 政サ ービ スの 民間 化︑ 公共 サー ビ スの 協働 化が 進展 して きた

︒ この ガバ ナン ス状 況は

︑政 策評 価の あり 方に 対し て︑ いわ ば内 部評 価か ら外 部評 価へ

︑I ns id eか らO ut si de へと いう 変化 をも たら して いる

︒す なわ ち︑ 協働 型ガ バナ ンス 状況 の下 では

︑従 来型 の行 政内 部に おけ る﹁ 行政 評価

﹂ だけ では

︑施 策や 事務 事業 のト ータ ルな 評価 が困 難に なり つつ ある ので ある

︒た とえ ば︑ 指定 管理 者制 度の 下で 管 理運 営さ れる 公の 施設 の提 供す る公 共サ ービ スの 実施 過程 や成 果を 評価 し統 制す るた めに は︑ 事前 協議 に基 づく 協 定の 締結 など の外 に︑ 新た なモ ニタ リン グシ ステ ムや 消費 者選 好を 評価 する シス テム など の構 築を 工夫 しな けれ ば なら なく なる

︒従 来型 の直 営的 事業 を対 象と する

﹁行 政評 価﹂ だけ では

︑総 合性 に欠 ける いわ ば﹁ 虫食 い的 な評 価﹂ に甘 んじ なけ れば なら ない 傾向 が強 まる

(7)

こう した 状況 の変 化に 適切 に対 応す るた めに は︑ 政策 評価 の多 様化

・多 次元 化が 避け られ ない

︒ 図 は︑ こう した 政策 評価 機能 の多 様化

・多 次元 化の イメ ージ を表 した もの であ る︒ 縦軸 は︑ 先の

﹁ボ トム アッ プか らト ップ ダウ ンへ

﹂と いう 状況 の変 化に 対応 して いる

︒ま た︑ 横軸 は︑

﹁イ ン サイ ドか らア ウト サイ ドへ

﹂と いう 状況 への 変化 に対 応 して いる

︒こ の二 つの 軸の 交差 する 平面 上に

︑内 部・ 行 政志 向の

﹁事 務事 業評 価型

﹂か らス ター トし た政 策評 価 の多 様化

・多 次元 化の イメ ージ が配 置さ れて いる

︒﹁ 事 務事 業評 価型

﹂以 外の 類型 とし て︑ 内部

・政 治志 向の

﹁マ ニフ ェス ト型

﹂︑ 外部

・行 政志 向の

﹁利 用者 評価 型﹂

︑ 外部

・政 治志 向の

﹁住 民投 票型

﹂と いう 四つ の理 念型 が 考え られ る︒ 自治 体全 体に わた り︑ 広義 から 狭義 を含 め た政 策評 価の 再構 築が 必要 であ る︒ こう した 政策 評価 の多 様化

・多 次元 化は

︑当 然の こと なが ら︑ 地方 議会 や監 査制 度の 役割 の再 考・ 強化 と一 体

内部志向 外部志向

マニフェスト型

事務事業型

住民投票型

利用者評価型 内部監査型

議会監視型 サンセット型

施策評価型

外部監査型

ベンチマーク型

「時のアセ ス」型

「事業仕分 け」型 政治志向

(政治判断)

行政志向

(事務判断)

図 政策評価の多様化・多次元化

(8)

のも のと して 進め なけ れば なら ない

︒特 に︑ 行政 のア カウ ンタ ビリ ティ を追 及す る公 式権 限を 有す る地 方議 会の 行 政監 視機 能・ 政策 評価 機能 の充 実と

︑監 査委 員・ 外部 監査 制度 によ る︑ 財務 監査 スキ ーム を超 えた 行政 監査 とし て の政 策評 価機 能の 充実 は︑ 政策 評価 シス テム の多 様化

・多 次元 化に とっ て決 定的 に重 要で ある

︒し かし 現状 では

︑ その ポジ ショ ンや 機能 が必 ずし も明 快効 果的 に作 動し てい ると はい えな い︒ また

︑特 別養 護老 人ホ ーム など の社 会サ ービ スや 公の 施設 にお ける 公共 サー ビス の評 価に 利用 され つつ ある

﹁利 用者 評価

﹂の シス テム は︑ 公共 サー ビス の﹁ 民間 化﹂

﹁外 部化

﹂の 現状 に対 応し た政 策評 価の 試み とし て注 目に 値 する

︒さ らに

︑﹁ 構想 日本

﹂な どが 国や 自治 体に 仕掛 けて いる

﹁事 業仕 分け

﹂運 動︵ これ は国 政レ ベル で政 権交 替 を象 徴す る﹁ 政治 主導

﹂の 予算 編成 作業 にお ける

﹁事 業仕 分け

﹂と して にわ かに 国民 的注 目を 浴び てい る︒

︶も

︑ 市民 参加 型の 新た な政 策評 価シ ステ ムの 芽生 えと して 注視 して おく 必要 があ ろう

︒ 以上 のよ うに

︑最 広義 の政 策評 価の 機能 やシ ステ ムは

︑そ の担 い手 の多 様化

・多 元化 を伴 いつ つ︑ 一層 の多 様化 と多 次元 化が 進む もの と予 想さ れる

︒そ のこ とを 認識 した 上で

︑従 来型 の﹁ 事務 事業 評価

﹂を 始め とす る行 政評 価 のあ り方 につ いて も抜 本的 に再 考す る必 要が ある

︒ これ まで の自 治体 政策 評価 には

︑自 己点 検・ 自己 評価 によ る改 善機 能と

︑事 務事 業の 縮小

・廃 止と いう 政策 終結 機能 の二 つが 期待 され てき た︒ この 二つ の機 能は

︑実 際に は事 務事 業の 効率 化と その 縮小

・廃 止の 検討 とい うベ ク トル の異 なる 機能 を搭 載し た﹁ 統合 的﹂ な行 政評 価シ ステ ムに 一体 化さ れて いる ケー スが 多い

︒そ の意 味で

﹁統 合 的﹂ 行政 評価 シス テム は自 治体 政策 評価 の標 準モ デル であ ると 考え られ る︒ しか し現 場に おい ても

︑﹁ 効果

﹂に 比 して

︑予 算編 成と の重 複な どの 事務 量増 大を 招い てい るこ とへ の不 満な ども 度々 聞か れる

︒一 見す ると 効能 が高 そ

(9)

うに みえ るこ の﹁ 統合 的﹂ シス テム は︑ その 実︑

﹁政 治﹂ の責 任を あい まい にす ると 同時 に︑

﹁行 政﹂ にも 期待 過多 の負 荷を かけ

︑い ずれ も十 分な 成果 を挙 げら れず に︑

﹁二 兎を 追う

﹂結 果に 終わ りか ねな いと 懸念 する

︒以 下で は︑ この 点を 中心 に論 ずる こと とし たい

︒ 三

行政 評価 の再 構築 前述

した 広義 の政 策評 価の うち

︑﹁ マネ ジメ ント の改 善﹂ を主 たる 目的 とし

︑行 政固 有の 内在 的責 任を 果た すた め︑ 行政 組織 の内 部で 自己 点検

・自 己評 価す る政 策評 価を

︑以 下﹁ 行政 評価

﹂と よぶ

︵行 政に おい て組 織運 営上 の 観点 から 評価 を行 うと いう 意味 で ad mi ni st ra ti ve ev al ua ti on と呼 ぶこ とが でき るだ ろう

︶︒ 実際 の名 称や 手法 は︑ 事務 事業 評価 や施 策評 価な ど︑ 一様 では ない

︵一

︶ 行政 評価 の標 準装 備化 総務 省の 調査 によ れば

︑平 成二 十年 十月 一日 現在

︑都 道府 県・ 市区 町村 の八 六四 団体

︵四 五・ 六%

︶が 行政 評価 制度 を導 入し てい る︒ 図 及び 図 は︑ 平成 十一 年か ら二

〇年 まで の自 治体 にお ける 行政 評価 制度 の導 入状 況の 推 移を 示し たも ので ある

︒こ れに よれ ば︑ 都道 府県

・政 令指 定都 市レ ベル では 平成 十五 年度 にほ ぼ導 入が 完了 し︑ 鳥 取県 の導 入に より 平成 二十 年度 には 導入 率一

〇〇

%と なっ てい る︒ また

︑市 区町 村レ ベル では

︑平 成十 七年 度ま で と︑ 市町 村合 併が 急展 開し た後 に収 束に 向か う平 成十 八年 以降 とで

︑や や傾 向が 異な るも のの

︑漸 次導 入が 進み

(10)

1.6%

4.6%2.4%

7.9%

12.7%

12.7%

12.7%

26.2%

31.8%

38.8%

43.6%

4.3%

8.1%

8.3%

8.3%

8.3%

8.9%

11.7%

13.0%

13.2%

28.7%

48.4%

47.0%

48.7%

43.8%

43.8%

43.8%

52.3%

49.5%

40.5%

36.4%

1.3%

2.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年1月 平成18年10月 平成19年度 平成20年度

68.4%

46.3%

44.1%

35.4%

35.2%

35.2%

35.2%

12.7%

7.0%

7.8%

6.8%

導入済み 試行中 検討中 該当なし

図 市区町村における行政評価の導入状況の推移 出所:図に同じ

28.8%

47.5%

74.6%

86.4%

98.3%

98.3%

98.4%

98.4%

98.4%

100.0%

20.3%

25.4%

18.6%

11.9%

50.8%

27.1%

5.1%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度

導入済み 試行中 検討中 該当なし

図 都道府県・政令指定都市における行政評価の導入状況の推移

(総務省の各年の「地方公共団体における行政評価の取組状況」調べに基づき筆者が作 成)

(11)

平成 二十 年度 にお いて

﹁試 行中

﹂を 含め て過 半数 を超 える に至 って いる

︒図 は

︑政 令指 定都 市を 除く 市区 町村 の導 入状 況を 自治 体区 分別 に示 した もの であ る︒ 中核 市︑ 特例 市︑ 一般 市区 では

︑試 行を 含め て八

〇% 以上 の自 治体 で導 入が 行わ れて いる

︒ した がっ て︑ 自治 体行 政評 価は

︑少 なく とも 都市 部で は既 に標 準装 備化 され てい ると 考え てよ い︒

︵総 務省

﹁地 方公 共団 体に おけ る行 政評 価の 取組 状況

﹂h tt p: // ww w. so um u. go .j p/ cl ic k/ 00 3. ht ml によ る︒

︶ その 一方 で︑ 行政 評価 シス テム の多 様化 も進 んで きた

︒平 成 九年 前後 に初 めて 行政 評価 制度 が自 治体 に導 入さ れた 時点 では

︑ 三重 県の 事務 事業 評価 方式

︵予 算事 業型

︶と 静岡 県の 業務 棚卸 し方 式︵ 組織 業務 型︶ の二 方式 が原 型︵ プロ トタ イプ

︶で あっ た︵ ただ し︑ 北海 道の

﹁時 のア セス

﹂を 第三 類型 とし て位 置づ ける こと もで きる が︑ ここ では 後述 の理 由か ら別 の位 置づ けを する

︒︶ が︑ 現在 では

︑そ れら の普 及に 加え て︑ 一定 の社 会指 標や 生産 性指 標を 設定 して 時系 列比 較も しく は自 治体 間比 較に よる パフ ォー マン ス評 価を 行う

﹁ベ ンチ マー ク方 式﹂

︵東 海市

94.9% 90.7%

65.1%

24.5%

7.0%

17.3%

11.1%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

中核市 特例市 市区 町村

試行中 導入済み

図 自治体区分別の行政評価の導入状況:平成20年10月日現在(総 務省調査による)

(12)

やN IR Aモ デル など

︶や

︑一 定の まと まり のあ る事 業の 集合 体を 総合 的に 評価 する 施策 評価

・プ ログ ラム 評価

︑ ある いは

︑N PO など によ る市 民参 加型 外部 評価 方式 など

︑そ れぞ れの 自治 体の 目的 や事 情に 応じ て多 様な 行政 評 価の シス テム 化が 進め られ てき てい る︒ した がっ て︑ 標準 装備 化し てき た成 果の 上に 立ち

︑次 のス テッ プに 向け て︑ 各自 治体 の実 情と 課題 を踏 まえ た

﹁個 性化

﹂の 段階 に入 りつ つあ る︒

︵二

︶ 現代 的な 行政 評価 の特 徴│

│パ フォ ーマ ンス 重視 の視 点 ただ

︑現 代的 な行 政評 価は

﹁パ フォ ーマ ンス

︵p er fo rm an ce

︶重 視﹂ とい う点 では 共通 して いる

︒た とえ ば︑ 平 成十 三︵ 二〇

〇一

︶年 六月 に制 定さ れた 中央 省庁 等に

﹁政 策評 価﹂ を義 務づ ける

﹁行 政機 関が 行う 政策 の評 価に 関 する 法律

﹂︵ 政策 評価 法︶ の第 三条 では

︑次 のよ うに 定義 して いる

︒す なわ ち﹁ 行政 機関 は︑ その 所掌 に係 る政 策 につ いて

︑適 時に

︑そ の政 策効 果︵ 当該 政策 に基 づき 実施 し︑ 又は 実施 しよ うと して いる 行政 上の 一連 の行 為が 国 民生 活及 び社 会経 済に 及ぼ し︑ 又は 及ぼ すこ とが 見込 まれ る影 響を いう

︒以 下同 じ︒

︶を 把握 し︑ これ を基 礎と し て︑ 必要 性︑ 効率 性又 は有 効性 の観 点そ の他 当該 政策 の特 性に 応じ て必 要な 観点 から

︑自 ら評 価す ると とも に︑ そ の評 価の 結果 を当 該政 策に 適切 に反 映さ せな けれ ばな らな い︒

﹂と 規定 して いる

︒ 政策 評価 法に いう

﹁政 策効 果﹂ は︑ 政策 評価 の理 論で は一 般に

﹁ア ウト カム

︵o ut co me

︶﹂ とよ ばれ

︑実 務的 に は﹁ 活動 指標

﹂に 対し て﹁ 成果 指標

﹂な どと して 測定

・把 握さ れる 場合 が多 い︒ この パフ ォー マン ス重 視の 行政 評 価は

︑と もす れば 評価 基準 があ いま いに され がち だっ た従 来の

﹁事 務事 業見 直し

﹂と 比べ て︑ 組織 的に も技 術的 に

(13)

も︑ 自治 体組 織と 職員 に対 して 非常 に難 易度 の高 い課 題を 投げ かけ てい る︒ とい うの は︑ 行政 活動 とし て行 われ る 事務 事業 の実 施過 程が 地域 社会 や地 域住 民に 対し て及 ぼす 具体 的な

﹁政 策効 果﹂ を検 証す るよ うに 要求 して いる か らで ある

︵ ︒ 三︶

行政 評価 シス テム の再 構築

││ 行政 経営 改善 機能 への 特化 とこ ろが

︑自 治体 職員 にと って

︑通 常の 事務 事業 の実 施過 程は

︑所 定の マニ ュア ルに 基づ く一 連の ルー チン 的な 業務 処理 の過 程と 認識 され てい る︒ それ が﹁ 政策

﹂の 実施 過程 であ ると いう 自覚 には 欠け る面 も否 めな い︒ その ため

︑ その 業務 処理 が社 会に もた らす はず の﹁ 社会 的成 果︵ アウ トカ ム︶

﹂を 客観 化︵ 調書 化︶ する よう に現 代的 な行 政 評価 が要 請し てい るに もか かわ らず

︑残 念な がら 現場 職員 にと って その 要請 は必 ずし も当 然と はみ なさ れて いな い︒ 日本 の行 政組 織の 運営 方式 は﹁ 大部 屋主 義﹂ と称 され るよ うに

︑専 門職 能に よっ て分 業化 され るシ ステ ムを 採用 して おら ず︑ 行政 評価 作業 にお いて も︑ 事務 事業 実施 の担 当者 から 独立 した

︑評 価の 専門 家集 団に よっ て第 三者 的 に行 われ る方 式を 採用 して いな い︒ その ため

︑少 なく とも 第一 次的 には 行政 評価 にお ける 評価 者と 被評 価者 とが 一 体と なる

﹁自 己評 価﹂ をベ ース とし てい る事 情が ある

︒し たが って

︑自 治体 にお ける 行政 評価 の成 否は

︑行 政評 価 シス テム の整 備︵ 評価 調書 の厳 密化 や評 価技 術の 高度 化な ど︶ のい かん だけ では なく

︑評 価主 体と して の現 場職 員 の知 識・ スキ ル・ 意欲 を向 上さ せる ため の評 価主 体の 形成

︵人 材育 成︶ のい かん によ って も左 右さ れざ るを 得な い︒ 行政 評価 のシ ステ ムづ くり と人 づく りが セッ トと なっ てい るの であ る︒ たと えば

︑前 掲の 総務 省調 査︵ 平成 二十 年十 月一 日現 在︶ によ れば

︑各 自治 体が

﹁行 政評 価の 課題

﹂と して 掲げ

(14)

てい る事 項の 中で

︑﹁ 評価 指標 の設 定﹂ や﹁ 予算 編成 等へ の活 用﹂ と並 んで

︑非 常に 高い 割合 を占 めて いる 回答 項 目は

﹁職 員の 意識

﹂で ある

︒行 政評 価制 度を 導入 して いる 団体 のう ち﹁ 職員 の意 識﹂ を挙 げた 団体 の割 合は

︑都 道 府県 五七

・四

%︵ 二七

︶︑ 政令 指定 都市 二九

・四

%︵ 五︶

︑中 核市 七五

・七

%︵ 二八

︶︑ 特例 市七 一・ 八%

︵二 八︶

︑市 区七 三%

︵三 三六

︶︑ 町村 六九

・一

%︵ 一七

〇︶

︑で ある

︒政 令指 定都 市を 除き

︑す べて の団 体区 分で 過半 数が

﹁職 員の 意識

﹂を 問題 視し てい る実 態が 浮き 彫り にな って いる

︒ 現代 的な 行政 評価 に期 待さ れて いる 課題 と︑ 自治 体行 政現 場の 構造 的実 態と の間 の︑ この ギャ ップ をい かに して 埋め るこ とが でき るか

︒こ こが 各自 治体 にお ける 制度 の設 計と 運用 の最 大の 工夫 の為 所で あろ う︒ この ギャ ップ を埋 める ため の方 策と して

︑基 本的 な方 向が 二つ ある

︒ 第一 の方 向は

﹁ア カウ ンタ ビリ ティ

︵a cc ou nt ab il it y︶

﹂メ カニ ズム の導 入・ 強化 であ る︒ これ を﹁ アカ ウン タビ リテ ィ型 行政 評価

﹂と よん でお く︒ ここ でい う﹁ アカ ウン タビ リテ ィ﹂ とは

︑い わゆ る﹁ 説明 責任

﹂と いう あい ま いな 日本 語で 表記 され るイ メー ジよ りも さら に厳 格な 本来 的な

﹁外 在的 行政 統制

﹂を 意味 する

︒具 体的 には

︑担 当 課レ ベル での 第一 次的 な自 己評 価結 果に 対し て︑ 第三 者機 関や 外部 評価 委員 会な どに よる 外部 評価

・監 査を 介し て

﹁行 政統 制﹂ する こと を主 たる 目的 とす るよ うな 行政 評価 制度 を設 計・ 運用 する 場合 であ る︒ 同じ 総務 省の 調査 によ れば

︑行 政評 価制 度を 導入 して いる 団体 のう ち︑ 行政 以外 の第 三者 機関 によ る評 価を 実施 して いる 団体 の割 合は

︑次 の通 りで ある

︒都 道府 県四 二・ 六%

︵二

〇団 体︶

︑政 令指 定都 市四 七・ 一%

︵八

︶︑ 中核 市 三七

・八

%︵ 一四

︶︑ 特例 市二 八・ 二%

︵一 一︶

︑市 区二 一・ 一%

︵九 七︶

︑町 村一 四・ 六%

︵三 六︶

︒大 規模 な団 体ほ ど 実施 率が 高く

︑小 規模 な市 町村 ほど 低い 傾向 がみ られ る︒ 逆に 言え ば︑ いず れの 団体 区分 にお いて も過 半数 の自 治

(15)

体は 必ず しも

﹁第 三者 機関

﹂に よる 評価 を採 用し てい ない ので ある

︒こ れを どう 理解 すれ ばよ いだ ろう か︒ ここ には 様々 な問 題が 伏在 して いる

︒ 第三 者機 関に 内在 する 問題 から 考え てみ ると

︑そ の役 割機 能の

﹁あ いま いさ

﹂も しく は﹁ 中途 半端 さ﹂ が挙 げら れる だろ う︒ アカ ウン タビ リテ ィの 観点 から 行政 評価 を位 置づ ける とい うこ とは

︑行 政外 部の 統制 機関 が﹁ 外部 評 価﹂ する とこ ろに 第一 義的 な意 味が ある

︒そ こで

︑外 部評 価の 対象 事業 を拡 張し その 評価 と統 制の 質を 向上 させ よ うと すれ ば︑ 第三 者機 関に 就任 する 委員 への 過重 な負 担を 強い らな けれ ばな らな い︒ 限ら れた 委員 数の 下で は︑ 選 定や 抽出 の方 法を いく ら工 夫し ても

︑外 部評 価の 対象 とな しう る事 務事 業や 施策 の数 や範 囲は 制約 され る︒ 全体 の ほん の一 部を 扱え るに 過ぎ ない

︒委 員数 を増 やす 方法 もあ るが

︑よ ほど 条件 の良 い大 都市 以外 では

︑政 策や 行政 に 詳し い弁 護士 や公 認会 計士

︑大 学教 授な どの 委員 候補 を発 掘す るこ とも 実際 には 難し い︒ そこ で第 三者 機関 の﹁ 常 設化

﹂や

﹁ス タッ フ﹂ の配 置な どの 組織 態勢 を充 実す る方 法も あり うる が︑ 実際 には 監査 委員 事務 局や 議会 事務 局 の組 織態 勢で すら 満足 いく 水準 が確 保で きて いな い現 状を 考慮 すれ ば︑ その 選択 肢の 実現 可能 はほ とん どな いだ ろ う︒ さら に深 刻な 問題 は︑ 特に 施策 レベ ルの

﹁外 部評 価﹂ を進 める 場合

︑効 率性 や有 効性 など の技 術的

・経 済的 合 理性 の判 断だ けで なく

︑往 々に して 実際 上の 政策 決定 の妥 当性 その もの に帰 着す る︒ こう した 組織 体制 上の 問題 や 評価 の政 治性 の問 題は

︑現 行の 多く の第 三者 機関 がそ うで ある よう に︑ 条例 では なく 要綱 その 他の 行政 規則 によ っ て設 置さ れる

︑首 長の

﹁諮 問機 関﹂ とし ての 性格 をは るか に超 えた

︑ア カウ ンタ ビリ ティ の本 質を 問う 問題 を内 在 せし めて いる

︒第 三者 機関 の徹 底し た充 実を 目指 せば

︑監 査制 度や 議会 制度 に固 有の 機能 や権 限と 抵触 し︑ 組織 的 にも 重複 する こと にな りか ねな い︒ かと いっ て︑ そう した 重複 や抵 触を 恐れ ては

︑本 来的 な第 三者 機関 の評 価機 能

(16)

は達 成で きな い︒ 現在 の﹁ 第三 者機 関﹂ によ る行 政評 価は

︑こ うし た本 質的 なジ レン マに 悩ま され 続け てお り︑ そ の結 果︑ 現実 には その いず れで もな い﹁ あい まい さ﹂ や﹁ 中途 半端 さ﹂ を抱 え込 むこ とと なっ てい るの であ る︒ 現 状の よう な行 政主 導の

﹁第 三者 機関

﹂に よる アカ ウン タビ リテ ィの 仕組 みは 本末 転倒 とい うべ きで あろ う︒ これ ら は本 来︑ 法制 度上 の公 式権 限を 有す る監 査制 度や 議会 制度 の実 質化 や充 実に よっ て対 処す べき 課題 であ る︒ ちな み に︑ この 考え 方は

︑お そら くと 鳥取 県が

︑片 山善 博前 知事 の下 で︑ 監査 委員 を異 例の 六名 に増 強す る一 方で

︑﹁ 行 政評 価﹂ を導 入し ない とい うス タン スを 採っ てい たこ とと 一面 では 共通 して いる と思 われ る︵ ただ し︑ 後述 のと お り筆 者は この スタ ンス に全 面的 に賛 成と いう 訳で はな い︒

︶︒ アカ ウン タビ リテ ィ型 行政 評価 のも う一 つの 問題 は︑ 現場 行政 にお いて

﹁政 策効 果﹂ を向 上さ せる 動機 付け とし ては

︑む しろ マイ ナス に働 く可 能性 の方 が大 きい 点が 挙げ られ る︒ 厳密 な意 味で の﹁ 政策 効果

﹂は

︑も とも と組 織の 外部 環境 と内 部の 主体 的条 件と の複 雑な 相互 作用 の関 数で ある が︑ それ を一 定の 理論 的枠 組み の中 で︑ 達成 すべ き政 策目 標と の関 連に おい て期 待さ れる 水準 の﹁ 政策 効果

﹂を 行 政的 に操 作可 能な 形で 再定 義し たも のが

︑少 なく とも 実務 上の

﹁ア ウト カム 指標

︵成 果指 標︶

﹂で ある

︒し たが っ て︑ この 場合 の﹁ アウ トカ ム﹂ には

︑予 期し ない 結果 や好 まし くな いイ ンパ クト は排 除さ れる とい うの が一 般的 で あろ う︒ この 点が

︑実 務的 関心 と学 術的

・科 学的 な実 証研 究と が根 本的 に異 なる 点で ある

﹁ア ウト カム 指標

﹂の 設定

・測 定・ 分析

・評 価の 実務 に即 して 考え ると

︑そ の測 定可 能性 や測 定デ ータ の精 度の いか んに 関わ りな く︑ なん らか の指 標の 操作 化︵ 数値 化︶ を実 行し なけ れば なら ない

︒こ れら は﹁ 行政 的に 操作 可 能な 形で 再定 義﹂ され てい ると はい え︑ それ でも

︑そ れぞ れの 設定 指標 や測 定さ れた 指標 値に は︑ 無視 でき ない 精

(17)

粗の 差が 発生 する こと が避 けら れな い︒ 総務 省の 調査 を再 び引 き合 いに 出せ ば︑

﹁行 政評 価の 課題

﹂と して 掲げ ら れた 最大 の項 目は

︑外 でも ない

﹁評 価指 標の 設定

﹂で ある

︒都 道府 県七 四・ 五%

︵三 五︶

︑政 令指 定都 市九 四・ 一%

︵一 六︶

︑中 核市 九一

・九

%︵ 三四

︶︑ 特例 市七 九・ 五%

︵三 一︶

︑市 区七 五・ 九%

︵三 四九

︶︑ 町村 七一

・一

%︵ 一七 五︶

︑と いう 状況 であ る︒ 規模 の大 小に 関わ らず

︑す べて の自 治体 区分 で最 も大 きな

﹁課 題﹂ と認 識さ れて いる の が﹁ 指標 設定

﹂な ので ある

︒こ れは 裏返 せば

︑現 状に おい て﹁ 評価 指標

﹂の 熟度 が低 く︑ 現場 にお ける 操作 化の レ ベル に多 くの 難題 をか かえ てい るこ とを 示唆 して いる

︒ した がっ て︑ こう した 実態 を踏 まえ るな らば

︑さ らに 一層

﹁ア ウト カム 指標

﹂の 操作 化・ 数値 化の レベ ルア ップ を図 ると いう 方向 での 改善 が必 要な こと は当 然で ある

︒こ れに つい て︑ 現場 から は︑ 教育 学習 や普 及啓 発事 業の よ うに 長期 的視 点で 評価 しな けれ ば﹁ 効果

﹂が 把握 でき ない もの が行 政の 事業 には 多い ので

︑そ もそ も限 界が ある

︒ その 点は 民間 企業 とは 違う のだ

︑と いっ た声 がい まだ に聞 こえ る︒ しか し︑ こう した 考え 方は まっ たく の的 外れ だ と筆 者は 考え る︒ むし ろ︑ 民間 企業 のよ うに 黙っ てい ても

﹁金 銭価 値﹂ で評 価さ れる 場合 と異 なる から こそ

︑﹁ ア ウト カム

﹂の 指標 化や 操作 化に より 一層 の努 力と 創意 工夫 を重 ねる べき なの であ る︒ 成果 の指 標化 や数 値化 は︑ そ の意 味内 容が あい まい で多 義的 にな りや すい から こそ

︑あ えて それ を調 書化 し客 観化 して 住民 に﹁ 見え る﹂ 形に す る義 務が 行政 にあ るの であ る︒ しか しな がら

︑こ うし た指 標化 や数 値化 は︑ いう まで もな く︑ どこ まで 厳密 に科 学的 に試 みた とし ても

︑そ れ固 有の 限界 が避 けら れな い︒ 完全 な指 標化 とか 数値 化と かは そも そも 実現 困難 なの であ る︒ 問題 なの は︑ 操作 化の 限 界そ れ自 体で はな く︑ そう した 固有 の限 界を もっ た道 具を

﹁ア カウ ンタ ビリ ティ

﹂の 手段 とみ なす 制度 を設 計す る

(18)

こと であ る︒ アカ ウン タビ リテ ィ型 行政 評価 が評 価・ 統制 の拠 り所 とす るの は︑ あき らか にこ の自 己設 定さ れた

﹁指 標﹂ であ るの で︑ 評価

・統 制さ れる 側の 行政 現場 から みれ ば︑

﹁迂 闊な

﹂目 標や 指標 の設 定は 薮蛇 とな る︒ よ って

︑一 般に は﹁ 無難 な﹂ 目標 設定 と成 果指 標の 設定 が選 好さ れ︑ チャ レン ジ目 標や 難易 度の 高い 成果 指標 の設 定 は選 択さ れな い帰 結を 生む だろ う︒ であ るな らば

︑そ もそ も﹁ アウ トカ ム指 標﹂ の設 定や 測定 自体

︑現 場に とっ て意 味の ない

﹁統 制﹂ 手段 であ るの だろ うか

︒か つて 筆者 は︑ この 問題 を﹁ 道具 主義 的用 法﹂ と﹁ 概念 的用 法﹂ との 区別 と関 連の 問題 とし て提 起し た

︵日 高二

〇〇

〇第 章

︶が

︑そ の点 は今 日で も依 然妥 当だ と考 える

︒つ まり

︑﹁ 指標

﹂に は︑ 測定 手段

︵道 具︶ と して の機 能以 外に

︑人 々に 事業 や業 務の 達成 すべ き方 向や 目標 を指 示す る﹁ 概念 的﹂ もし くは

﹁啓 発的

﹂な 機能 が 常に 内蔵 され てい る︒ たと えば

︑介 護サ ービ スに おけ る﹁ 自立 度﹂ のよ うに

︑測 定手 段と して は限 界や 制約 があ っ ても

︑介 護に 関わ る人 々が

︑当 事者 を含 めて

︑そ れを 目指 すべ き﹁ 目標

﹂と して 努力 し︑ その ため の創 意工 夫を 引 き出 し︑ それ に基 づい て成 果を 評価

・省 察す るよ うな コミ ュニ ケー ショ ン手 段と なる 概念 が存 在し

︑ま た必 要と さ れる

︒こ うし た﹁ 内在 的評 価﹂ は︑ 外在 的統 制か らは 生ま れに くい だろ う︒ そこ で︑ アカ ウン タビ リテ ィ型 行政 評価 とは 異な る︑ もう 一つ の方 策と して 筆者 が提 案し たい シス テム が﹁ 経営 改善 型行 政評 価﹂ であ る︒ すな わち

︑行 政評 価を

︑現 場行 政に おけ る自 己点 検・ 自己 評価 に基 礎を おく 行政 経営 改 善と して の目 的に 特化 し︑

﹁政 策﹂ の実 現活 動と して の組 織活 動を 有効 化す るた めの 現場 のコ ミュ ニケ ーシ ョン ツ ール とし て活 用す る方 策で ある

︒﹁ 政策 効果

﹂を 向上 する ため の行 政活 動の 品質 管理

︵Q C︶ と行 政評 価と を渾 然 一体 化さ せた 行政 評価 シス テム と言 い換 えて もよ いか もし れな い︒

(19)

本稿 の冒 頭に おい て行 政責 任と の対 応で 政策 評価 を定 義し たこ とを 踏ま えて いえ ば︑ 行政 評価 制度 は︑

①ア カウ ンタ ビリ ティ の追 及に よ る外 在的 民主 的統 制の 手段 とし てで はな く︑

②マ ネジ メン トの 改善 に よる 行政 内在 的な 応答 的責 任︵ re sp on si bi li ty

︶を 自覚 し遂 行す るた め のマ ネジ メン ト手 段と して 位置 づけ る必 要が ある

︒も ちろ ん︑

③行 政 情報 の分 析・ 提供 によ る行 政内 外に おけ る情 報の 共有 とい う機 能は

︑ その 場合 にも 欠か すこ とが でき ない

︒ ただ し︑ 品質 管理 一般 との 決定 的な 違い は︑ その 目的 が﹁ 政策 効 果﹂ の向 上に 向け られ てい る点 であ る︒ 言い 換え れば

︑生 産性 評価 だ けで なく

︑ア ウト カム の達 成水 準を 向上 させ る有 効性 評価 との 有機 的 連結 を目 指さ なけ れば なら ない

︒現 場の 事務 事業 実施 にお ける 業務 遂 行過 程︵ ルー チン

・非 ルー チン を問 わず

︶を いか にし て﹁ 政策

﹂の 目 的や 成果 の達 成と 有機 的に 連結 でき るか が重 要な ポイ ント とな る︒ そ の意 味で は︑ いわ ゆる

﹁事 務事 業﹂ を﹁ 政策

﹂目 的を 達成 する ため の

﹁政 策手 法﹂ とし て自 覚的 に位 置づ け直 す作 業が 不可 欠で あろ う︒ こう した 視点 にた つ評 価ス キー ムを 示し たも のが

︑図 で ある

︒こ の図 の詳 細な 説明 につ いて は︑ 日高 昭夫 二〇

〇二 を参 照さ れた い︒

活動 アウトプット

生産性評価 事務事業の企画実施の過程

アウトカム 政策設計

(目的セット)

有効性評価 社会システム

インプット

パフォーマンス重視 政策形成の過程

図 行政評価システムのスキーム

(20)

現場 の事 務事 業の 実施 過程 は︑ 程度 の差 はあ れ︑ 通常

︑ル ーチ ン化 され

︑あ るい は︑ マニ ュア ル化 され てい る︒ たと えば

︑県 の食 肉衛 生検 査所 のメ イン 業務 は︑ 解体 前時 点で 一頭 一羽 ごと に行 われ る︑ と畜 検査 及び 食鳥 検査 によ り病 肉排 除を 行う

﹁食 肉検 査事 業﹂ と︑ それ らの 施設 にお ける 解体 処理 工程 での 細菌 検査 によ り食 肉・ 食鳥 肉 の衛 生上 の事 故防 止を めざ す﹁ 食肉 衛生 推進 事業

﹂で ある

︒い ずれ も食 肉の 安全 な提 供を 科学 的︑ 技術 的に 保障 す る重 要な 業務 であ る︒ これ らは ほと んど 関係 法令

︵と 畜場 法︑ 食鳥 処理 の事 業の 規制 及び 食鳥 検査 に関 する 法律

︑ 食品 衛生 法な ど︶ に基 づく 法定 検査 等業 務で ある から

︑検 査等 の内 容・ 基準

・手 順・ 手法 及び 指導 や行 政処 分の 手 続な どが 所与 とさ れて いる 部分 が多 い︒ その 意味 で高 度に マニ ュア ル化 され ルー チン 化さ れて いる とい える

︒言 い 換え れば

︑業 務処 理の フロ ーは

︑イ ンプ ット

・活 動・ アウ トプ ット のそ れぞ れの 局面 にお いて

︑ほ ぼ自 由裁 量の 余 地を 残し てい ない よう にみ える

︒ では

︑こ れら の業 務に おい て︑ 生産 性の 改善 を図 る余 地は 皆無 だと いえ るの だろ うか

︒ 山梨 県の 担当 者に よれ ば︑ 主と して 夏季 期間 に解 体処 理施 設に 立ち 入っ て食 肉・ 食鳥 肉の 衛生 状態 を検 査・ 指導 する

﹁食 肉衛 生推 進事 業﹂ につ いて いう と︑ その 主業 務で ある

﹁ふ きと り検 査﹂ の処 理工 程の 一部 で検 査手 法の 変 更︵ 簡易 検査 法の 採用

︶を 行う こと によ って 生産 性の 大幅 な向 上︵ 年間 のべ 数千 時間 の縮 減︶ が実 現で きる とい う︒ 重要 なの は︑ その 場合 の現 場の 判断 基準 であ る︒

﹁食 肉及 び食 鳥肉 の安 全性 の確 保の ため に必 要な 検査 であ り︑ 検体 数を 減少 させ るこ とは 難し いが

︑衛 ので

︑検 査手 法を 簡易 培地 に改 め︑ 培地 作成

・検 体接 種等 に要 する 時間 を削 減す る︒

﹂︵ 山梨 県行 政評 価ア ドバ ーザ ー会 議二

〇〇 九参 照︒ 傍点 は日 高︶ と説 明さ れて いる

︒検 査サ ンプ ルの 縮小 は生 産性 を向 上さ せた とし ても

﹁政 策効 果﹂ のレ ベル を低 下

(21)

させ る可 能性 が高 いが

︑﹁ 政策 効果

﹂を 維持 しつ つ検 査精 度を ある 程度 下げ るこ とは 可能 だ︑ とい う公 衆衛 生獣 医 師と して の専 門的 判断 が加 えら れて いる

︒そ の背 景に は︑ この 立ち 入り 検査 の主 目的 が︑ ふき とり 検査 を通 して

﹁解 体処 理等 を行 う従 事者 の衛 生意 識の 向上

﹂を 図る こと にあ り︑ 衛生 意識 の向 上の ため の指 導に 役立 つレ ベル の 検査 精度 が確 保で きれ ばよ い︑ とす る現 実的 な認 識が ある

︒要 する に︑ アウ トカ ム︵ した がっ て有 効性

︶の 水準 と︑ 少な くと も深 刻な トレ ード オフ

︵二 律背 反︶ 関係 にな らな いよ うな 生産 性改 善方 策が 採用 され てい るの であ る︒ この ケー スの よう に︑ たと え業 務処 理ル ーチ ンが 比較 的厳 格に 確定 され てい る場 合に も︑ それ を改 善の 余地 のな い所 与の 制約 条件 と考 えさ えし なけ れば

︑政 策目 的・ 政策 効果 を大 きく 損な わな い範 囲で 有機 的関 連を 考慮 した 別 の手 法を 応用 する 余地 は存 在す るの であ る︒ また

︑食 肉衛 生検 査所 の主 要業 務で ある

﹁食 肉検 査事 業﹂ は︑ 食肉

・食 鳥の 生産 にか かる 畜産 行政 と密 接な 関連 を有 して いる と同 時に

︑食 肉・ 食鳥 肉の 衛生 検査 を行 う﹁ 食肉 衛生 推進 事業

﹂は 保健 所の 食品 衛生 監視 業務 とも 密 接な 関連 を有 して いる

︒そ のた め︑

﹁政 策目 的﹂ 及び

﹁政 策効 果﹂ とい う観 点か ら事 務事 業の 実施 過程 を見 直す 場 合︑ 目的 や効 果を 共有 する 他の 施策 や他 の機 関と の連 携や 提携 とい う視 点も 重要 とな る︒ 実際

︑山 梨県 の食 肉衛 生 検査 所︵ 保健 福祉 部衛 生薬 務課

︶で は︑ 家畜 の防 疫を 任務 とす る家 畜保 健衛 生所

︵農 政部 畜産 課︶ から 要改 善農 家 があ った 場合 に︑ 当該 農家 から 出荷 され た食 肉・ 食鳥 の検 査結 果を 家畜 保健 衛生 所の 要請 によ り提 供す るな ど︑ 部 門を 超え た連 携が 行わ れて いる

︒こ うし た連 携を より シス テマ ティ ック に行 うた めの 制度 設計 の提 案︵ 政策 提案

︶ が︑ 現場 の実 態を 踏ま えて 行わ るよ うに なれ ば︑ さら に有 効で 効率 的な 事務 事業 の実 施が 実現 する であ ろう

︒ 行政 評価 制度 は︑ こう した 行政 経営 の改 善の 道具 とし て活 用す べき なの であ る︒

(22)

︵四

︶ 行政 評価 の限 界 一方

︑協 働型 ガバ ナン ス状 況︑ すな わち 公共 サー ビス の協 働化

・市 場化 に伴 う﹁ 行政

﹂機 能の 変容 に対 応し て︑ 新し い﹁ 民間

﹂コ ント ロー ル手 法の 開発 が求 めら れる

︵こ の点 につ いて は︑ たと えば 原田 二〇

〇五

︑嶋 田二

〇〇 九 を参 照︶

︒こ れは 行政 評価 の限 界を 示す もの であ るが

︑こ れに つい ては

︑公 共サ ービ スの

﹁民 間化

﹂を コン トロ ー ルし

︑そ の政 策効 果を 確保 する こと を専 管す る組 織の 新設 など

︑別 途検 討す べき 独自 の論 点を 含ん でい るの で︑ 本 稿で は扱 わな い︒ 四

政策 終結 の制 度化

︵一

︶ 政策 終結 の意 義 現場 レベ ルに おけ る行 政経 営改 善の 道具 とし ての 行政 評価 とい う上 記の 提案 は︑ アカ ウン タビ リテ ィと いう 監査 的︑ 監視 的な 役割 を議 会や 監査 制度 に委 ねる とい うだ けで なく

︑自 治体 職員 が現 場の 仕事 に誇 りと 遣り 甲斐 をも っ て臨 むた めの モチ ベー ショ ンを 制度 化す るも ので ある

︒し たが って

︑自 治体 職員 バッ シン グの 拠り 所で はな く︑ む しろ 相互 のコ ミュ ニケ ーシ ョン を核 とし た現 場の 組織 的な 取り 組み のク オリ ティ を向 上さ せ︑ その 成果 を行 政内 外 にア ピー ルす る機 会を 提供 する シス テム であ る︒ しか しな がら

︑現 状に おい て︑ 現場 の判 断の 積み 上げ

︵ボ トム アッ プ︶ だけ では 政策 体系 全体 の有 効性 を改 善で きな い事 案も 少な くな い︒ すな わち

︑行 政評 価の もう 一つ の限 界で ある

︒そ のた め︑ 事務 事業 や施 策そ のも のの

(23)

﹁必 要性

﹂や

﹁妥 当性

﹂を 政策 全体 の優 先順 位設 定等 の観 点か ら取 捨選 択し

︑施 策体 系の 構造 転換 を図 るよ うな

︑ トッ プダ ウン 型の 政策 判断 が必 要不 可欠 とな る︒ その 結果

︑既 存の 事務 事業 や施 策に つい て︑ 場合 によ って は縮 小 や廃 止を 政治 判断 する こと も︑ 止む を得 ない とい う以 上に 積極 的な 意義 があ る︒ たと えば

︑か つて ピー ク時 には 一万 人を 超え てい た交 通事 故死 亡者 数が

︑近 年︑ 政策 対応 と企 業を 含む 国民 的取 り組 みが 功を 奏し て︑ 大幅 に減 少し てき た︒ 警察 庁の 交通 統計 によ れば

︑平 成二 年に 一万 一︑ 二二 七人 を数 えた 死 亡者 数が

︑平 成十 九年 には 五︑ 七四 四人 にま で減 少し てい る︒ 一方

︑警 察庁 の業 務統 計や 厚生 労働 省の 人口 動態 統 計に よれ ば︑ 平成 十︵ 一九 九八

︶年 を境 に今 日ま で毎 年︑ 自殺 者数 が三 万人 を超 え続 けて いる

︒し かし

︑こ うし た 社会 状況 の大 きな 変化 に対 応し て︑ 自治 体の 施策 や事 業に 優先 順位 の組 み換 えな どの 抜本 的な 変更 がみ られ るか と いう と︑ 必ず しも そう では ない

︒そ のた め︑ 既に 行政 施策 とし ては 役割 を終 え︑ 民間 や住 民の 自主 的な 取り 組み に 委ね ても かま わな いよ うな 交通 安全 対策 啓発 事業 など が連 綿と して 維持 され てい る一 方で

︑自 殺者 対策 やガ ン対 策 のよ うな 緊要 性の 高い 新た な施 策へ の事 業や 予算 の配 分は 遅々 とし て進 まな い現 状が ある

︒厳 しい 行財 政状 況下 で は︑ あれ もこ れも とい う総 花的 資源 配分 が不 可能 であ る以 上︑ 社会 状況 や環 境変 化に 適応 可能 な︑ トレ ード オフ 型 の施 策体 系の 構造 再編 が欠 かせ なく なっ てい るの であ る︒

︵二

︶ 政策 終結 の類 型 こう した 施策

︑事 業︑ 施設

︑組 織︑ 機能 など の縮 小︑ 転換

︑中 止︑ 廃止 など の政 策決 定を

︑以 下で は﹁ 政策 終結

︵p ol ic yt er mi na ti on

︶﹂ とよ ぶこ とに する

︒こ れに は次 に示 すよ うに 様々 なタ イプ があ り︑ また

︑そ の対 策も 一様

(24)

では ない

︒ a﹁ 無い 袖は 振れ ない

﹂型 深刻 な財 政危 機に 直面 して

︑優 先順 位の 変更

︑経 費削 減︑ 規模 縮小

︑施 設閉 鎖な どに より 事業 等の 縮小

・廃 止ま たは 住民 負担 増な どが 行わ れる タイ プ︒

︵例

︶補 助金 や敬 老祝 い金 等の 縮小

・廃 止︒ 使用 料・ 手数 料の 値上 げや 地方 税増 税︒ 旧赤 池町 や夕 張市 の財 政再 建 団体 によ る包 括的 リス トラ

︵対 策︶ 財政 状況 の深 刻さ とそ れを 招い た原 因を 明ら かに し︑ 財政 状況 を改 善す るた めの 全体 的な 取り 組み にお け る当 該事 業等 の位 置づ け︵ コス ト情 報等

︶に つい て︑ 幅広 い住 民合 意を 形成 する ため の広 報戦 略が 重要 とな る︒ b﹁ 役割 終了

︵行 政撤 退︶

﹂型 環境 条件 の根 本的 変化 や役 割使 命の 達成 状況 の変 化に より

︑当 該事 業等 の役 割が 終了 し︑ その 分野 から の行 政撤 退を 行う タイ プ︒

︵例

︶収 益悪 化に よる 公営 競技 事業 の廃 止・ 撤退

︒リ ゾー ト開 発事 業の 中止

・撤 退︒

︵対 策︶ 当該 事業 の役 割使 命の 終了 に至 る沿 革と 現状 を明 らか にし

︑行 政撤 退に 至る まで の手 順を 明示 する

︒特 に︑ 客観 的な 事業 状況 の把 握・ 公表 と同 時に

︑住 民及 び当 事者 を含 むス テー クホ ルダ ー全 体の 利害

・意 見等 の聴 取を 踏 まえ た︑ 完璧 に近 い検 討手 続の 設定 と運 用が 不可 欠と なる

︵北 海道 の﹁ 時の アセ ス﹂ 参照

︶︒ c﹁ 状況 適応

﹂型 環境 条件 の変 化に 対応 する ため に︑ 特定 の既 得権 益の 再編 を伴 う事 業等 の状 況適 応的 な再 構築 を行 い︑ それ によ

(25)

って 事業 等の 再生 維持

・効 果向 上等 を図 るタ イプ

︵例

︶少 子化 に伴 う児 童生 徒数 の減 少に 適応 する ため の学 校規 模適 正化

︒ご み減 量・ 資源 化推 進の ため の分 別細 分 化・ ごみ 有料 化︒ 廃棄 物最 終処 分場 等の

﹁迷 惑施 設﹂ の建 設︒ 庁舎 等の 公共 施設 の移 転︒ 地域 事務 所等 の統 廃合

︒ 迷惑 駐車

・駐 輪・ 放置 自転 車の 取り 締ま り強 化︒ 歩行 喫煙 禁止 区域 の設 定︒ 都市 計画 道路 の決 定の 見直 しや 廃止

︵対 策︶

﹁総 論賛 成・ 各論 反対

﹂状 況に 直面 する ため

︑﹁ 総論

﹂で の賛 成の 輪を 広げ る広 報戦 略を 行う と同 時に

︑﹁ 各 論反 対﹂ の輪 をで きる だけ 小さ くす る co op ta ti on 戦略 が必 要と なる

︒特 に︑ 個別 具体 的な 状況 に対 応し たき め細 かい 適応 戦略 を創 意工 夫し

︑具 体的 で可 視的 な成 功事 例を 増や すこ とに よっ て﹁ 各論 反対

﹂を 縮小 し︑

﹁総 論賛 成﹂ の土 俵を 広げ る必 要が ある

︒ d﹁ パラ ダイ ム転 換﹂ 型 事業 等の 前提 にあ る公 共哲 学や 基本 理念 等の 基本 的な 枠組 みが 転換

︵パ ラダ イム 転換

︶さ れる こと に伴 い︑ その 個別 手段 であ る事 業等 の組 み立 てや 手法 が抜 本的 に変 更さ れ︑ 既得 権益 の変 更や 新た な負 担等 が発 生す るタ イプ

︵例

︶障 害者 福祉 にお ける

﹁脱 施設

﹂化 やノ ーマ ライ ゼー ショ ン︒ 高齢 者保 健福 祉に おけ る措 置制 度か ら契 約に よ る﹁ 介護 保険

﹂制 度へ の転 換︒ 個別 補助 金の 廃止 に代 わる 企画 提案 型補 助制 度の 創設

︒市 町村 合併

︵対 策︶ 新し いパ ラダ イム

︵総 論︶ につ いて の理 解と 支持 を広 げ︑ 新し い公 共価 値が 生み 出す 生ま れ変 わり

︵リ バ ース

︶の 姿を 積極 的に 提示 する と同 時に

︑事 業変 更に 伴う 当面 のデ メリ ット を減 らす 具体 的な 工夫 を提 案す る︒

(26)

︵三

︶ 政策 終結 の制 度的 仕組 み 政策 終結 を起 動し たり 達成 した りす るた めの 制度 的仕 組み とし て︑ 従来 から 様々 な工 夫が され てき た︒ かつ ては

︑関 連予 算を 漸次 減ら し抵 抗が 少な けれ ば最 終的 には 担当 レベ ルで 予算 科目 をひ っそ りと 廃止 する とい った

﹁予 算漸 減型

﹂と もい うべ きデ クリ メン タル

︵d ec re me nt al

︶な 行政 戦術 が一 般的 であ った が︑ 政策 終結 が部 分的

︑例 外的 であ った 時代 には 有効 だっ たか もし れな いこ の方 式は

︑現 在で は明 らか に限 界が ある

︒そ こで より シ ステ マテ ィッ クな 方式 が採 用さ れる よう にな って きた

︒ その 中で 最も 画期 的だ った のは

︑北 海道 のい わゆ る﹁ 時の アセ ス﹂ であ ろう

︒平 成九 年一 月十 三日 に決 定さ れた

﹁時 のア セス メン ト﹂

︵時 代の 変化 を踏 まえ た施 策の 再評 価︶ 実施 要綱 によ れば

︑﹁ 変革 の時 代の 中で

︑時 の経 過に よっ て︑ 施策 が必 要と され た社 会状 況や 住民 要望 など が大 きく 変化 し︑ 施策 に対 する 当初 の役 割や 効果 につ いて

︑ 改め て点 検・ 評価 を加 える 必要 があ るも のに つい ては

︑現 状を 踏ま え︑ 多角 的︑ 多面 的な 視点 から 検討 を行 い︑ 時 代の 変化 に対 応し た道 政の 実現 に資 する

﹂こ とを 目的 と定 めた

︒そ して 具体 的に は︑

﹁㈠ 施策 が長 期間 停滞 して い ると 認め られ るも の︑

㈡時 の経 過の 中で

︑施 策を 取り 巻く 社会 状況 や住 民要 望の 変化 など によ り︑ 施策 の価 値ま た は効 果が 低下 して いる と認 めら れる もの

︑㈢ 施策 の円 滑な 推進 に課 題を 抱え てお り︑ 施策 が長 期間 停滞 する おそ れ があ ると 認め られ るも の﹂ が対 象施 策と され た︒

︵北 海道 HP より 引用 ht tp

:/ /w ww .p re f. ho kk ai do .l g. jp /s m/ gk k/ to ki /y ou ko u/ ji ss hi yo uk ou .h tm

︶ 実際 には 十年 間進 捗が ない 事業 を対 象と して

︑存 続か 中止 かの 政策 決定 を公 開の 舞台 で行 うこ とと なり

︑そ の最 大の ねら いで あっ たと 思わ れる

﹁士 幌高 原道 路︵ 道道 士幌 然別 湖線

︶﹂ の建 設中 止な どの 大き な成 果を 挙げ た︵ 北

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