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コンピュータによる浴衣の仕上り画像の作成

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Academic year: 2021

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コンピュータによる浴衣の仕上り画像の作成

著者 田中 早苗

雑誌名 東京家政大学研究紀要 2 自然科学

43

ページ 87‑92

発行年 2003

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00010739/

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〔東京家政大学研究紀要 第43集(2),2003,pp.87〜92〕

コンピュータによる浴衣の仕上り画像の作成

   田中 早苗

(平成14年10月3日受理)

Computer generated Yukata Figures

  TANAKA, Sanae

(Received on October 3,2002)

キーワード:浴衣,柄合わせ,相談型システム,雛型,ウェブ教材

Key words:yukata, pattern matching, consultation system, final figure, web teaching materials

1,はじめに

 浴衣は和裁初心者に適した教材であるが,用いられる 反物の多くが柄合わせの作業を要する.学生が実習等で 浴衣を製作する場合,各自が持ち寄った反物で柄合わせ を行うが,柄合わせ学習に充当する時間が限られるため 様々な柄の柄合わせを体験することは難しい.

 本研究ではパソコンのモニタ上に幾通りもの柄合わせ 状態を提示して,柄合わせ学習を支援するシステムの構 築を目ざした.

 前報1)で述べた柄合わせ方法のアルゴリズムは,着 丈寸法,裁断順序,柄の向き,一型の長さと柄までの距 離等をパラメータとし,文献から抽出した柄合わせの要 点から柄配置・非柄配置の位置を領域分けして,柄配置 に該当した柄が最も多い裁断順序を提示した.

 本報では和裁熟練者や一般の和裁授業においても行わ れる  背中心で左右身頃の柄を交互に配置する 方法を 取り入れ,これによって生成される柄配置のシミュレー

ション画像を作成する方法について報告する.

2.アルゴリズム

       stroke    pattern

・1・ moo]輌[!![1]

  ←−wlde→

(2)

Text1[e l

 O O       ●  O       O  O

O

     O  O      O  O      O

(3)

(4)

basehne

Textile 2

o o o

O o o o O

0

o o

O o o o o

o

O

Textile 3

●○ o O  on o o

 o

n o O

 Oo

o o  Oo o o  Oo

Textiie 4

(5)○°°。○°°oO

o  o

 伝統的な浴衣地の柄の配列は,反物の1型が丈方向に 鏡像で繰り返されている.図1(1)に示すように,1型 の画像ファイル(以後パターン)の緯方向の鏡像をスト ロークとして作成し,ストローク画像の左端をベースラ

 paユ_Plvase

服飾美術学科 被服構成システム第2研究室

○       ○  ○       O  o

      o

 ●  o       ●  ○       ●  ○

図1 テキスタイル画像の作成

インにして繰り返し画像を作成すると図1(2)のような Textile1が得られる, Textile1をコピーして下にペース

トした状態が図1(3)のTextile 2である.これを着物 に置き換えると,左後身頃の裾を起点として反物を延反

し,延反先で折り返して布端が再び起点に戻ってきたと きに,布の表裏を逆さにした状態である.Textile 3は

(3)

コンピュータによる浴衣の仕上り画像の作成

表裏を変えずに折り返した状態で,これはTextile 1の 縦方向の鏡像である.柄合わせでは,柄の種類によって いずれの方法も用いられる.

 このように並行させた反物の柄は,後中心を挟んで同 種の柄や大きな柄が隣接しないことが好ましく,また裾 から70〜80cmの後腰位置には大柄が並ばないことが望 ましい.これらの要領を踏まえて並行した反物の柄を交 互に配置させるために,片方の反物を丈方向に位相を加 える(図1(4)Textile 4).浴衣の柄は位相がパターン 長の1/2のときに等間隔な配置となる.しかし,柄の種 類によっては柄が変則に配置されていたほうが柄の流れ がリズミカルな場合もあるので位相は任意に決められる ようにした.

(1)

(2)

(3)

一一…f・a・n・lcngth−一蝸S末?メィ main l sub l main 2 sub 2

sub l

main 1 main 2 sub 2

 framePhase

−−Pト

o ●o

Diδoo

6 o Q

○       ○  O O Omain    O 、u92   oo  o

_」

pat_Phase

図2 雛型フレームの作成

 着物は前後の身頃と袖が肩山でっながった状態で裁断 される.したがって,図2(1)のように身丈の2倍をメ インフレーム長さとし,袖丈の2倍をサブフレーム長さ とし,フレームのmain1は左身頃, main 2は右身頃,

sub1, sub 2はそれぞれ左前後袖,右前後袖として図2

(2)のような雛型を形成した.Textile 2またはTextile 3 からこのフレームで切り出す位置は,べ一スラインから の位相によって決める.これをフレーム位相とした.柄 合わせにおいて切り出し位置となる左裾は大きな柄が途 切れないことが望ましいので,フレーム位相は数値入力

か,あるいは画像にクリックボタンとなる領域を設定し て裾の位置を決められるようにした.

3.システム構成

 システムはネットワークにつながったパーソナルコン ピュータで運用できることを前提として作成した.容量 の嵩む画像ファイルを扱うために,LANにWebサーバ を立ち上げて実行スクリプトファイルを置いた.サーバ ソフトウエアはApacheでTurbolinux 7.O Servrue上で 利用している.フレーム作成等の計算処理のためにPerl によるCGI(Common Gateway Interface)プログラム を有する.実行スクリプトはRubyで作成し,画像編集 にはImage Magicのライブラリを用いた.一型画像は デジタルカメラで撮影し,1/20のサイズに縮小して30

〜40KBのPNG(Portable Network graphics)形式の ファイルを作成した.図3にTextile 2画像を作成する スクリプトを例示した.はじめに個々の画像ファイルの m当たりのpixe1数を1unitとして各フレームのunitを pixel単位に直している.これによってcm単位で入力し た身丈,袖丈等と画像サイズの整合が図られる.画像ファ イルのm当たりのpixe1数は約195〜200pixlesであった.

図4に身丈160cm,袖丈55cmでフレーム位相をOcmで変 化させずにパターン位相のみを0,20,40cmに変化させ

た場合の画像を示した.

4.インタフェースと出力結果

 HTMLで作成したユーザインタフェースの初めのス テップで,画像ファイルを選択する。この度はサーバに ストックした一型画像をそのままのサイズで表示し,画 像データベースのように提示するためにスクロールバー を設けた.選択した画像をリンクボタンとしてステップ 2を表示させる.ステップ2では身丈,袖丈を入力し,

「柄を何cmずらしますか?」の問いでパターン位相を5c m刻みのプルダウンメニューから選択する.次に左後身 頃の裾にする位置の決め方は,画像のイメージマップを リンクボタンとしてフレーム位相を決定する.また表示 した一型画像の上下を逆さまに表示する機能を設けて柄 の向きを変えることができる.図5にWebにおける出 力結果を示した.雛型画像は複数表示することが可能で あり,入力数値を変えることによって柄の配置状態を比 較することができる.

(4)

田中早苗

if(ARGV.sizeO<611 ARGV.size>7)#引数チェック     UsageO

    exit end

begin

patfn=ARGV[0]  #パターン圃像ファイル名  [pattern filename】

outfn=ARGV[1]   #出力画像ファイル名   [output fllename]

mfLu=ARGV〔2].to_fO#メインフレーム長 (unit)〔maln frame Iength by unit]

sfLu=ARGV〔3].to_fO#サブフレーム長 (unit)[sub frame iength by unit]

PPh_u=ARGV[4].t。_fO#パターン位相  (unit)[pattern phase by unit]

fph_u=ARGV[5].to_fO#フレーム位相  (unit)[frame phase by unit]

ppu =ARGV[6]  #長さ単位    (pixel!unit)

if (PPu==  n目  )    #      [pixels per unit]

    ppu=1.O else

    ppu =ppu.toJO end

raise File#{patfn}   not found.1) 1f ( l FileTest.exists?(patfn) ):

raise Can t slide to Ieft direction(PPh<0) 曾      if (PPh_uく0);

raise Can t slide to left dlrection(fph<0)鱒      if (fph_u<0);

rescue

print$1, xn exit

end

#まず、uni†をpixel単位に直す mfLpx=(mfLu t PPu).to」O

sfl_px = (sfl_u 曹 PPu).to_iO PPh_px=(PPh_u曹PPu),to_iO fph_px= (fph_u t ppu).to_iO

cfLpx=mfLpx+sfLpx

  #メインフレーム長   #サブフレーム長   #パターン位相   #フレーム位相

#カットフレーム長(メインフレーム+サブフレーム tmp_files=[】

#パターン画像の情報を抽出

width_px,height_px=getlmageSize(patfn)

#print畢 #{width_px},#{heighしpx}\n

#パターンストローク画像を生成

stroke」mg=makePatStrok6File(patfn)

tmp_files.push(stroke_img)

  #textilelを作成。ストローク画像を繰リ返して作成する

 ite=cfLpx!(width_px 2)+1    #ストロークの繰り返し回数を計算   textile1=makeTextilelFile(stroke」mg,1te)

  tmp_files.push(textile1)

#textile2を作成 (1をずらしたものを作る ) textile2=makeTextile2File(textile1,pph_px)

tmp_files.pu$h(textile2)

(5)

コンピュータによる浴衣の仕上り両像の作成

(1) pattern P

framc Ph

(2) pattern P

倉ame Ph

(3)pattern P

frame Pha

図3パターン位相のみ変化させた画像出力例

(6)

田中 早苗

繋熱懇難懸難懸鞭轍懸i懸繋難蒙難灘 鍵購灘1鱒欝難鱗難 1撫欝走蝦繍蜘酬

 総嶽麟

拶麟糊懸

ゆかたの緬含わせもみゅれ一・ L義んLすてむ

愚靴が賦

  欝鑑襲λ雌い・饗マ雛、モ

    騨罵懲   纈雛λ鐸.紺蔽裁・

    陶

 羅鷺縄餐膿響触菰零毒将

    隣

馨麟鱒騰癒灘響灘鎌濠野想ン焦     営螺だ獣・.

 灘雛灘総講轟鶯鎌

灘襟報織糠鎌…   ^

璽i灘蠣欝灘

、一一嚢囎癩藤肇一綱劇繍華難一

         輔

ッ繍禦嫌織灘駕

雛蟻蟻藁簗罰繊 鎌疹

図5 Webにおける画像表示例

5.まとめと今後の課題

 一型画像の鏡像から繰り返し画像を作成し,これを並 行に並べて位相を加えることにより,背中心で柄を交互 に配置させるという柄合わせの手法で雛型を編集するこ とができた.位相を少しずっ変えることによって編集さ れた雛型の柄の配置や流れを確認できることは,和裁学 習者に限らずゲーム感覚で試行できる.

 今後この雛型に付け加えられるべき機能は,任の表示 である.征は袖を切り出した部分に続く画像を縦に2分 割,緯に2分割した合計8画像のいずれか1っを上前身 頃に配置する,柄合わせの実際においては,布の上下を 逆さにしたり,表裏を逆にする等して上前に最も適切な 柄のパーツを選ぶ.これをコンピュータで行うとき,裡 パーツをドラッグ・アンド・ドロップで移動させて,ユー ザー自身が適切な柄合わせを検討することが理想的であ

る.また,前報のように柄のある位置を算出して特定の パーッのみ表示させること等も考えられる.

この論文は日本家政学会第54回大会において発表した.

参考文献

1)田中早苗:学校教育における浴衣製作のたあの柄合  わせ相談システム,東京家政大学研究紀要41(2),

 103−110 (2001)

(7)

コンピュータによる浴衣の仕上り画像の作成

       Summary

     The purpose of this paper is to construct a consultation system of pattem making for Yukata making in school education. In the previous paper, the author reported an algorithm of cutting procedure giving a largest number of cloth figures at an adequate position of Yukata. The present paper reports the simulation method of making images to arrange the cloth figures in desired regular manners, adopted often in a Yukata class and by experts, on the right and left sides of the back of Yukata. This system is constructed as a Web teaching material on the WWW server in HTML form. For server software,Apache is used on Turbolinux. The common gate way interface is written in Perl and the execution script is written in Ruby. The simulation images are developed by using the library of Imagemagic.

参照

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