九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
メソポーラスシリカへのAuナノ粒子担持に関する基 礎的研究
權堂, 貴志
https://doi.org/10.15017/1654839
出版情報:Kyushu University, 2015, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:Fulltext available.
メソポーラスシリカへの
Au ナノ粒子担持に関する基礎的研究
目次
第 1 章 序論 ... 1
1-1. ナノ粒子 ... 1
1-1-1. ナノ粒子とは ... 1
1-1-2. 粒子サイズの重要性 ... 1
1-2. 触媒 ... 2
1-2-1. 触媒とは ... 2
1-3. 触媒ナノ粒子 ... 3
1-3-1. Auナノ粒子触媒 ... 3
1-3-2. Auナノ粒子の合成 ... 4
1-4. メソポーラスシリカ担体 ... 5
1-4-1. メソポーラスシリカの特徴 ... 6
1-4-2. メソポーラスシリカ SBA-15 ... 6
1-4-3. メソポーラスシリカの触媒担体利用 ... 7
1-5. ナノ粒子の構造解析および分析手法 ... 8
1-5-1. ナノ粒子の構造解析・分析手法 ... 8
1-5-2. ICP-MS法および XRD法 ... 8
1-5-3. TEM法 ... 9
1-5-4. STEM法 ... 9
1-5-5. 電子線トモグラフィ ... 9
1-5-6. EF-TEM法 ... 10
1-5-7. Environmental-TEM法 ... 10
1-6. 本論文の目的 ... 11
1-7. 本論文の構成 ... 12
第 2 章 メソポーラスシリカ SBA-15 担体への TiO2添加および微構造解 析 ... 29
2-1. 緒言 ... 29
2-2-1. SBA-15の合成 ... 29
2-2-2. TiO2添加 SBA-15の合成 ... 30
2-2-3. 構造評価 ... 30
2-3. 結果および考察 ... 31
2-3-1. 無添加 SBA-15の合成 ... 31
2-3-2. TiO2添加 SBA-15の微構造の HCl添加量依存性 ... 32
2-3-3. TiO2添加 SBA-15の微構造の熱処理温度依存性 ... 33
2-3-4. TiO2添加 SBA-15の微構造の TiO2添加量依存性 ... 33
2-4. 結言 ... 34
第 3 章 Au/TiO2-SBA15触媒の合成および触媒活性 ... 48
3-1. 緒言 ... 48
3-2. 実験方法 ... 48
3-2-1. Auナノ粒子の合成 ... 48
3-2-2. 微構造解析 ... 49
3-3. 結果および考察 ... 50
3-3-1. TiO2添加メソポーラスシリカ担体上への Auナノ粒子の担持 ... 50
3-3-2. Au 担持 TiO2添加 SBA-15の CO酸化反応特性の評価 ... 52
3-3-3. Auナノ粒子の形成メカニズム ... 53
3-4. 結言 ... 54
第 4 章 複合電子顕微鏡法による Au/TiO2-SBA15触媒のサイズ制御因
4-3. 結果および考察 ... 70
4-3-1. Au/TiO2-SBA15の 3次元ナノ構造 ... 70
4-3-2. CO酸化反応前後および反応中の Auナノ粒子の微構造 ... 72
4-3-3. 焼結耐性についての考察 ... 72
4-4. 結言 ... 73
第 5 章 総括 ... 88
参考文献 ... 90
謝辞
第 1 章 序論 1-1. ナノ粒子
1-1-1. ナノ粒子とは
国際純粋・応用化学連合(IUPAC)によると,ナノ粒子は「直径 100 nm 以下の微粒子」と 定義されている[1].材料を小さくしてナノ粒子化すると通常のバルク材料からは予期しない 性質がしばしば発現することが知られている[2 - 4].その理由は主に2つあり,1つは表面およ びその近傍に存在する原子と内部の原子との相対比が無視できないほど大きくなることに 由来する表面効果である.材料内部の原子と比べて,表面原子では結合相手となる原子が 少なく,結合長・結合角度の変化や配位不飽和などが生じ(図 1-1),電子状態も異なって いる[5].通常のバルク材料では表面原子の寄与は無視できるほど小さくマクロスコピックな 性質として顕在化しないが,ナノ粒子では表面由来の性質が顕著に観測されるようになる.
もう1つは材料が小さくなることそのものに由来する量子効果である.バルク材料では多数 の電子が有する同種類の軌道は近接したエネルギーを有しておりバンド構造を形成してい
る(図1-2)[3, 4].一方で,近接したエネルギーの軌道数が少ないナノ粒子ではエネルギー準
位が離散化されることにより,特有の電子状態を形成する[3, 4].
表面効果や量子効果により,材料のナノ粒子化は様々な物理的・化学的性質の変化をも たらす.例えばAuの融点は通常1063ºCであるが, Auナノ粒子の融点は約220 ~ 320ºC まで降下する[4, 6, 7] (図 1-3).また,強磁性体のバルク材料は多磁区構造を形成するのに 対して,ナノ粒子では強磁性の単磁区構造となったり超常磁性状態になったりする [8] (図 1-4).他にも,触媒機能[9],や光学的特性[10],力学的特性[11, 12]などナノ粒子が示す性質は 幅広い分野に波及し,科学的な興味および産業応用の期待が強く示されている.特に,産
枚挙に暇がない.このようなナノ粒子が示す性質の微視的な起源を解明する上で,粒子サ イズと特性の相関は必ず明らかにしなければならないポイントであり,その理解によってサイ ズの最適化による特性の向上・最適化が図られ,より広範な産業応用への道が拓ける.この 観点から,ナノ粒子のサイズをいかにして制御するかということも非常に重要な課題である.
現状において,合成されるナノ粒子のサイズは不均一でサイズに分布があり,特性も不安 定であるため,合成プロセスの改善が求められている.
1-2. 触媒
1-2-1. 触媒とは
触媒は表 1-1 に示す項目[16]で定義される物質であり,広く工業的に利用されている.触 媒の役割を説明するために(1-1)で示す化学反応を考える.
A+B→C+D (1-1)
AとBを混合しただけでも徐々に化学反応は進行してCおよびDが生成され得るが,A とBの混合物に少量の触媒物質S1を加えると(1-2)の反応がより早く進行し,CおよびS2が 生成され,さらに続いてBとS2が(1-3)の式で素早く反応してDとS1が生成される.
A+S! →C+S! (1-2) B+S! →D+S! (1-3)
この(1-2)および(1-3)の反応は繰り返し起こり平衡状態まで続く.反応全体としてみると,こ
れは(1-1)で起こる反応と等価であるが,S1 を加えることでより速く進行する.このような反応
を触媒反応,消費・再生が繰り返されるS1およびS2のような物質を触媒と呼ぶ.触媒反応が スムーズに進むためには(1-2)および(1-3)の反応が双方共に速く進行する必要があり,一方 の反応が遅ければそれにより律速される[16].
反応物質および触媒物質の状態に着目すると,触媒反応は均一系触媒反応および不均 一系触媒反応の 2 種類に大別される.反応物質および触媒の双方が気体もしくは双方が 液体であり,なおかつそれらが均一に混ざっている場合,均一系触媒反応とされ,それ以 外の場合は不均一系触媒反応とされる.不均一触媒と均一触媒の特徴を表 1-2 に示す[17]. 均一系触媒は錯体触媒など分子状であり,液相に溶けた状態で用いられる場合が多く,優 れた選択性を示すことから,高純度のモノマーを必要とする高分子化学工業分野などに用 いられている.一方で,不均一系触媒には金属や金属酸化物など固体が多いが,単体で
使用されることは少なく,シリカ(SiO2),アルミナ(Al2O3),チタニア(TiO2)などの酸化物,活 性炭,粘土鉱物,ゼオライトやメソポーラスシリカなど別の物質に固定して使用されることが 多い.触媒を別の土台となる物質に固定することを『触媒を担持する』と呼び,その土台とな る物質を『担体』と呼ぶ.不均一系触媒は化学反応の選択性は低いが,触媒と生成物の分 離や反応後触媒の回収・再利用が容易で,自動車の排ガス浄化や石油精製などに用いら れている.
代表的な固体触媒の例を表 1-3[18]に示す.遷移金属の一部の元素は水素化[19],水素化 分解[20],酸化[21]などに良い触媒活性を示す.また,遷移金属酸化物は酸化に活性を示す 触媒と脱水素[22]に活性を示す触媒に分かれる.酸素イオンの拡散が起こりやすい物質は 炭化水素を酸化させやすい,一方,金属イオンと酸素イオンとの結合が強い物質は還元が 起こりにくく脱水素に対して良好な触媒活性を示す[17].典型金属酸化物は反応分子と酸塩 基相互作用によるプロトン(H+)の授受で分子を活性化させ,炭化水素のクラッキング[23],水 素移行[24],不均化[25],水和[26],重合[27],骨格および二重結合の異性化[28, 29]などに活性を 示す[18].
1-3. 触媒ナノ粒子
1-2節で紹介した不均一触媒の中でAu, Pt, Rh, Ru,Pdなどの貴金属元素はナノ粒子化 することでより高い触媒活性を示す.特に,自動車産業では排ガス浄化用などの環境用触 媒,燃料電池自動車の電極触媒やその燃料となる水素の精製などに使用されており,昨今 の環境規制ならびにエネルギー情勢を鑑みるとその必要性は高い.
1-3-1. Auナノ粒子触媒
その普遍的な輝きから装飾品や貴金属あるいは富の象徴として人々を魅了してきたAuは,
しかしながら,1987年にHarutaらは5 nm以下の半球状のAuをα-Fe2O3,Co3O4やNiO 上に担持すると,-70ºCという低温でも非常に高い活性を示すことを発見した[9].この発見以 来,Au ナノ粒子触媒は,CO 酸化反応[33]や NOx還元反応[34],プロピレンの気相一段エポ キシ化[35]など様々な化学反応に高活性を示すことが明らかとなり,注目を集めるようになっ た.
その後の研究により Haruta らは,Au ナノ粒子が高い触媒活性を示す条件は,Au ナノ粒 子-担体界面の縁周部が出来るだけ長いこと[32, 35],適切な担体を選択すること[32, 36],粒子 サイズを制御すること[32, 35, 36]の3つであると指摘している.1番目については,これまでに,
Auナノ粒子-酸化物担体界面の縁周部が活性サイトであるという報告[32, 35, 36, 38 - 41]があり,
粒子を担体に密着させ縁周部をながくすることで活性サイトが増え高い触媒活性をもたらす ことが知られている(図 1-8).また,適切な担体の選択も非常に重要であり,凝集や焼結に よる粒子の粗大化を防ぐために大きな比表面積を持つ担体上に保持することが望ましい.
加えて,実用上の観点から担体には熱的安定性および十分な機械的強度も要求される.ま た,担体の選択により触媒性能を変化させることができる他[42-46],担体表面に存在する-OH 基などが触媒反応を促進するなどの助触媒効果が期待できる場合[47]もある.最後に,CO 酸化反応におけるAuナノ粒子の触媒活性はそのサイズに強く依存し(図 1-9)[46, 48],概ね 2.0 ~ 4.0 nmの範囲に制御することが良いと指摘されている[49, 50].
Auナノ粒子が高い触媒活性を発現する機構としては,Auのd軌道と酸化物担体中のO の p 軌道による p-d 混成軌道の形成により酸素を吸着しやすくなるという説[51, 52]や,Au に TiO2からの電荷移動が生じAuナノ粒子が負に帯電することで OのAuに対する吸着ポテ ンシャル障壁を下げるという説[46, 53]など諸説あるが,統一的な見解には至っていない[37, 54 - 56].
1-3-2. Auナノ粒子の合成
所望のサイズや分散状態などを有する Au ナノ粒子を得るためには,その合成方法が極 めて重要な因子である.代表的な Au ナノ粒子触媒の合成方法としては,含浸法[33],共同 沈殿(共沈)法[33],析出沈殿(Deposition-Precipitation:DP)法[49],グラフティング(接合)法
[57],真空蒸着法[56],金属コロイド粒子を利用する方法[47]などがある[59, 60].このうち,真空蒸 着法および接合法以外の方法は液相法に,真空蒸着法は気相法に分類される.また,接 合法では気相・液相・固相のいずれでも合成を行える.
特に,水溶液中に貴金属もしくは貴金属塩,および担体を入れて合成を行う含浸法[33],
共沈法[33],DP法[49, 61]など液相法によるAuナノ粒子の合成は最も報告が多い.これらの手
法における合成時の制御因子としては金属塩の種類,溶液濃度,含浸の温度・時間,溶液
の pH などがあり,低溶液濃度,高温,長含浸時間であるほどナノ粒子が均一に担持される 傾向にある[62].含浸法では粒子サイズが10 ~ 20 nmと比較的大きくサイズの分布が幅広い が[63],共沈法やDP法では比較的容易に5.0 nm以下のAuナノ粒子を合成できるとされて いる[49, 61].
このように DP 法は Au ナノ粒子触媒の有力な合成方法の1つと考えられることから,第 2 章以降Auナノ粒子の合成法として用いるため,DP法の原理[64, 65]を簡単に説明する. DP 法はAuの錯イオンを含む溶液に塩基性の溶液を滴下することで,Auの水酸化物(Au(OH)
3)を担体表面に析出・吸着させる方法である.その際に錯イオンが担体表面に吸着できる か否かは金属酸化物担体表面の電荷状態で決定され,それは(1-4)に示す金属元素(M)
に結合した表面水酸基(-OH)におけるプロトン(H+)の吸着・脱離の量比で決定される.
M!−OH!! ⇌ M!−OH⇌ M! −O! (1-4)
(酸性側)低pH ⇋ 等電点 ⇋ 高pH (塩基性側)
溶液がより酸性の低pH側では,H+が吸着して-OH2+となった水酸基がより多く,表面電荷 は正となる.反対に高 pH 側では-O-となった水酸基がより多く,表面電荷は負となる.また,
中間の pH 領域では,-OH として存在する水酸基がより多くなる.担体の表面電荷は pH に依存するこの 3 つの状態の量比で決定される.-OH2+ と-O- が等量となり見かけの電 荷が±0 となる時のpHを等電点と呼ぶが,アニオン錯体である Auの錯イオンを吸着させる ためには表面電荷が負ではないことが必要で,溶液のpHが等電点より低い必要がある.等 電点は物質毎に大きく異なり(表 1-4)[65, 66],適切な担体の選択が触媒設計における1つの 重要なポイントとなる.また,Au ナノ粒子合成時の出発原料としてよく用いられる HAuCl4・ 4H2O は水酸化金イオン([AuCl(OH)3]-あるいは[Au(OH)4]-)を錯イオンとして有するアニオ ン錯体であるが,水溶液中のアニオン錯体の状態はpHに依存し(図 1-10)[67],5 nm以下 のナノ粒子の合成には6 以上のpHが適切である [67].したがって,DP法によるAuナノ粒
ノ粒子を高分散するための大きな比表面積や,使用環境に即した熱的・機械的な安定性な ども求められる.本節では,本論文での触媒担体として使用したメソポーラスシリカについて その材料自体の特徴や触媒担体としての利用について概説する.
1-4-1. メソポーラスシリカの特徴
材料中に多数の細孔を有するものを多孔質(ポーラス)材料と呼ぶ.ポーラス材料はその 細孔の大きさで,細孔サイズが2 nm以下のミクロポーラス材料,細孔サイズが2 nm ~ 50 nm のメソポーラス材料,それより大きな細孔サイズのマクロポーラス材料に分類される[68].活性 炭やゼオライトはミクロポーラス材料,SBA-15やMCM-41はメソポーラス材料,軽石や多孔 質ポリマービーズはマクロポーラス材料の代表的な例である[69 - 71].ポーラス材料は多数の 細孔を有するために比表面積が大きいことが1つの大きな特徴である.
メソポーラス材料の1種であるメソポーラスシリカは,アモルファスシリカの骨格を持ち[59], 細孔サイズを2 ~ 30 nm程度で制御でき[71, 72],比表面積が大きく(約600 ~ 1000 m2/g)[73], 均一なサイズの粒子が得られ[74],細孔サイズの揃った材料を得やすく[74, 75],熱的な安定性
が高く[72, 76],比較的高い機械的強度を有する[77].メソポーラスシリカでは,細孔配列が異な
る多種の構造を持つ物質が合成されている.その細孔配列は合成時の構造指向剤である P123(PEO20-PPO70-PEO20)や CTAB((C16H33)N(CH3)3Br)といった界面活性剤の種類によっ て決まり,層状(ラメラ)構造[78],2次元六方構造 [79],3次元立方体構造 [80, 81]など多岐に渡 り,その細孔の配列は規則的であることが多い[82] (図 1-11).このような特徴からメソポーラス シリカは,分子鋳型,分子ふるい,電子デバイス応用,吸着剤など様々な応用を目指して研 究が行われている[71, 83 - 85].さらに,比表面積が大きいなどの特徴は触媒担体に適しており,
触媒担体としての応用も期待されている.
1-4-2. メソポーラスシリカ SBA-15
SBA-15 は 1998 年に Zhao ら[75]によって初めてその合成が報告されたメソポーラスシリカ
の一種である.その名前はZhaoらの所属する研究機関の所在地名;Santa BArbaraに由来 し,末尾の番号“15”は SBA系における通し番号である.SBA-15はアモルファスシリカ壁か らなる 1次元細孔が2次元六方構造(P6mm)の配列を形成している物質である.比較的厚 い細孔壁(3 ~ 4 nm)をもち,大きな細孔容積(2.2 cm3/g)や熱的・機械的な安定性に優れる
自己組織化と Si の金属アルコキシドを用いたゾル-ゲル法を組み合わせ,さらに水熱合成 法を適用することで作製される.
SBA-15 を含むメソポーラスシリカの生成機構[85 - 90]は完全には解明されていないが,現
時点で最も広く受け入れられている機構を図 1-13(a)~(f)に示す.出発原料の 1 つである P123 はトリブロックコポリマー(PEO20-PPO70-PEO20)であり,親水基と疎水基をもつ非イオン 性界面活性剤である(図 1-13(a))ため,水溶液中では互いの疎水基同士が球の内側に向 き合った球状のミセルを形成する(図1-13(b)).この水溶液中にP123が溶解していき臨界ミ セル濃度を超えると,ミセルは自発的に凝集してロッド状に連結する(図 1-13(c)).これにシ リカ源である Tetraethyl orthosilicate(TEOS)を加えると,TEOS から加水分解して生成され たシリカゾルがミセルロッドの親水基に吸着する(図 1-13(d)).このシリカゾルの結合したミセ ルロッドが自己組織化した結果,広範囲に配向した 2 次元六方構造が形成される(図
1-13(e)).シリカゾルは水熱合成中,縮重合を続け-Si-O-Si-結合を形成していく.その後の
焼成でもともとミセルが存在した部分は,ミセルが焼失して細孔となり,骨格部分のシリカゾ ルは酸化し細孔壁となる(図 1-13(f))[72, 91 – 93].
1-4-3. メソポーラスシリカの触媒担体利用
Au ナノ粒子の触媒担体としてメソポーラスシリカを適用した研究報告例を表 1-5
に示す[77, 94 - 106].1-3-2 項で述べたようにDP法では担体の等電点が重要な要素であ
るが,シリカは等電点が低く,その表面の帯電状態が負となるため水酸化金イオンを 吸着できず,Auナノ粒子を析出させることは容易ではない.それを克服する方法と して,メソポーラスシリカの表面をアミン基で修飾する方法[101],メソポーラスシリ カの細孔壁に Au ナノ粒子を埋め込む方法[102],メソポーラスシリカの細孔表面を TiO2の薄い層でコーティングする方法[103],細孔内に存在するマイクロポアに TiO2
ナノ相を分散させる方法[104],アミン基で官能化した表面に微細な CuO ナノ粒子と
子は焼結してサイズが増大し,細孔壁の薄い担体では成長したAuナノ粒子により細 孔壁が破壊される可能性が高くなる.細孔壁がより厚い担体では担体の機械的な強度 が高く細孔壁が破壊されにくい[77]ため,最終的なAuナノ粒子のサイズは小さくなる.
検討された担体の中では,SBA-15が最も機械的,熱的に安定でAuナノ粒子を小さ な状態に維持できることから,触媒担体の候補として有望であると結論された[77].
1-5. ナノ粒子の構造解析および分析手法
1-5-1. ナノ粒子の構造解析・分析手法
一般に,ナノ粒子の物理的あるいは化学的な特性はその構造,組成,形態といった因子 に大きく依存する [107 - 109]ため,ナノ粒子の研究開発において微構造・組成の解析・分析は 必要不可欠である[110].ナノ粒子は個々の粒子が微小であり,かつ,粒子が多量に存在す ることが特徴であるため,その構造解析では材料全体の平均的な構造を評価する手法と,
個々の粒子の構造を正確に計測する手法を組み合わせて用いることが効果的と考えられる.
平均的な構造評価では構造を特徴付ける各因子の統計的な解析を行うことができるが,本
論文ではX線回折(XRD: X-ray Diffraction)法による結晶構造・細孔構造の評価,ならび
に 誘 導 結 合 プ ラ ズ マ - 質 量 分 析 (ICP-MS: Inductively Coupled Plasma - Mass
Spectrometry)法による化学組成の測定を行った.一方で,個々の粒子を解析する手法に
は原理的に空間分解能の高い手法を用いる必要があり,本論文では,透過型電子顕微鏡 法(TEM: Transmission Electron Microscopy)や走査透過型電子顕微鏡(STEM: Scanning Transmission Electron Microscopy ) お よ び 関 連 分 光 法 と し て Energy-Filtered TEM
(EF-TEM)を用いた.以下の項では,各手法についてその原理・特徴などを簡単に述べる.
1-5-2. ICP-MS法および XRD 法
ICP-MS 法とはエアロゾル化させた試料溶液にプラズマを照射し,分解してイオン化させ
質量分析器で検出する方法である.pptレベルの高い検出感度を有していることが大きな特 徴であり,担持量が少ないことの多いAuナノ粒子触媒の定量分析に適している.
XRD法は特定の波長を有する特性X線を材料に入射し,回折したX線の回折角や回折 強度を計測することで材料の結晶構造を評価する手法である.結晶構造,格子定数などが 同定できる他,結晶子のサイズを見積もることもできる[111].通常の結晶性材料の構造解析
は10º~180º程度の回折角範囲で行うが,SBA-15の細孔構造解析では細孔配列の単位格
子定数が大きいために周期性に反比例する回折角度は 1º以下になる.そのため,本論文 では通常回折角領域における測定と小角領域の測定をそれぞれ個別に行う.
1-5-3. TEM法
TEM 法は電子を媒体として用い,磁界レンズを用いて拡大像ならびに回折図形を得るこ とができる顕微鏡法であり,波長の短い電子線を観察媒体として用いるために原理的に空 間分解能が高い.Å レベルの空間分解能が得られるTEM 法では Auナノ粒子のサイズや
形状,SBA-15の細孔構造などnmレベルの構造は言うまでも無く,原子配列の観察も可能
である.個々のナノ粒子の直接観察が可能であり,全体的な情報を与えるXRD法と相補的 に用いることでより正確な粒子サイズ評価が可能である[112, 113].加えて,TEM法はエネルギ ー分散型X線分光法(Energy Dispersive Spectroscopy: EDS)や電子エネルギー損失分光 法(Electron Energy-Loss Spectroscopy: EELS)と併用することが可能であるため,局所的な 組成や電子状態の分布も評価できる[114 -117].
1-5-4. STEM 法
1-5-3 項の TEM と同型の装置を用いて,試料上を細く収束した電子線で走査し,透過お
よび散乱した電子線を検出することでSTEM像が得られる(図 1-14).STEM法はTEM法 と同様に電子を媒体とした手法であるため,やはり同様に高い空間分解能が得られる.検 出する透過/散乱電子線の検出角度を変えることで取得できる情報が異なり,透過電子お よび低角散乱電子を検出する明視野(Bright-Field: BF)法では,TEM法と類似の情報が得 られることに対して,高角度に散乱された電子を環状型の検出器で検出する環状暗視野
(High-Angle Annular Dark-Field: HAADF)法では試料の原子番号に依存した像コントラス トが得られる[118, 119].本論文では,主な電子顕微鏡観察法として BF-STEM 法および
Au ナノ粒子の解析においては,上下方向の位置関係や材料形状などを正確に定量的に 求めることは極めて困難である.この問題点を克服する手段の1つとして電子線トモグラフィ がある.
電子線トモグラフィはTEM法とCT(Computed Tomography)を組み合わせた解析手法で あり,ナノスケールの空間分解能で材料の3次元構造を評価することができる(図1-15)[120 –
123].電子線トモグラフィは連続傾斜像の取得および3次元構造再構築・可視化の2つで構 成される.連続傾斜像の取得では,電子線に対する試料の傾斜角度を少しずつ変えた数 十枚のTEM像を取得する.一連の連続傾斜像をコンピュータ処理し,3次元構造を再構築 する.CT法はTEM法に限らず1-5-4項のSTEM法や1-5-6 項に述べるEF-TEM法等に も適用可能であるため,構造情報のみならず組成の 3 次元分布も明らかにできる手法であ り,本論文ではAuナノ粒子やTiの分散状態の可視化に用いた.
1-5-6. EF-TEM法[124]
TEM 法において試料に入射した電子線の一部は,試料と相互作用を起こし,非弾性散 乱されてそのエネルギーの一部を失う.試料を通過した後の電子線を湾曲した磁気プリズ ムに通すことでエネルギー毎に分光する手法をEELS法と呼ぶ(図 1-16).EELS法では主 に損失エネルギー毎の電子線強度をスペクトルとして取得するスペクトルモードと,各損失 エネルギー領域における TEM 像を選択的に結像する EF-TEM の2つのモードがある.電 子線がエネルギーを損失する過程は幾つかあるが,そのうち内殻電子の励起過程は元素 特有のエネルギー損失値を持っており,この特定のエネルギー損失値を選択的に用いて
EF-TEM 像を結像することで元素選択的な像を得ることができる.本論文においては,SiO2
および TiO2が混在したSBA-15担体が観察対象の一部であるが,SiO2とTiO2は TEMお よび STEM 像のコントラストで識別することが極めて難しいため,EF-TEM 法の適用により Ti の組成分布を可視化した.加えて,本論文では多数枚の EF-TEM連続傾斜像を取得し,
CT法と組み合わせたEF-TEMトモグラフィ[125]を行い,Tiの3次元分布を解析した.
1-5-7. Environmental-TEM 法
TEM法は材料の微構造解析における非常に有力な解析手法であるが,真空雰囲気下で の観察に限られるため,触媒反応においては反応物となるガスの存在が本質的であること を考慮すると,TEM により観察された構造と実際の触媒の反応時の構造が同一ではないこ
とが懸念される.
しかしながら,近年,電子顕微鏡のハードウェアの改良により,ガス雰囲気下での観察を 可能とする環境制御型TEM(Environmental TEM: ETEM)が開発され,動作時に近い状況 での TEM 観察が可能となっている.本論文で用いた装置はTEM 観察時に試料ホルダー の近くにガスを導入し,その上下で真空ポンプにより顕微鏡上部にある電子銃部分の低真 空化を防ぐ差動排気型と呼ばれる仕組みで,雰囲気下での TEM 観察を可能にしている
(図 1-17)[126, 127].
1-6. 本論文の目的
1-1 節から1-5 節で述べてきたように,ナノ粒子が示す材料の物理的・化学的な性質は科 学的に非常に興味深くまた工業的な応用への期待が非常に大きい.そのため,ナノ粒子の 材料研究・開発が精力的に行われているが,ナノ粒子を更に広範に社会で利用するために 克服すべき課題としては,サイズ効果に付随して起こる様々な物性・化学反応性の起源の 解明や,粒子サイズ制御によるサイズ分布の単分散化(標準偏差 10%以内)方法の探索な どが存在する.本論文では,ナノ粒子応用の代表的な例でもある Au ナノ粒子触媒におい て,ナノ粒子の微視的な構造ならびに形成機構の理解に立脚した材料開発の指針を得る べく研究を行った内容をまとめている.
具体的には,粒子サイズを 2.0 ~ 4.0 nm に制御した Au ナノ粒子を比表面積の大きい
SBA-15 担体上に担持させた触媒を DP 法により合成することを目指した.この目標を達成
するにあたって,微構造評価は TEM/STEM を中心とした空間分解能の高い手法を用いる ことでより正確な知見を得ることとした.また,1-3 節で述べたように, SiO2 が主成分の
SBA-15担体上にAuナノ粒子をDP法で直接担持させることは困難である.そこで,細孔壁
と考えられる.また,等電点の高いTiO2を活用するという点ではPeza-Ledesmaらによる報告
があるが[103], TiO2 が層状に細孔の内壁を覆っているために細孔自体が狭くなってしまう
(図 1-19).このため,反応物の経路が狭く,Auナノ粒子を析出させた際に経路が塞がる可
能性が高く,活性低下の原因となる可能性がある.そこで本論文では,適切な合成条件を 選択することにより,図 1-18に示すようにTiO2が粒子状でSBA-15の細孔壁に埋め込まれ た構造を合成することを目指した.
以上の方法・着想に基づいて本論文では,第2章で細孔壁に微細なTiO2を分散したメソ ポーラスシリカ(TiO2-SBA15)の合成プロセスを確立すること,第3章でTiO2-SBA15を担体 として用い,DP 法により粒子サイズ 2.0 ~ 4.0 nm 程度の Au ナノ粒子を担持する
(Au/TiO2-SBA15)こと,および TiO2添加量の制御によりAu ナノ粒子の分散状態を制御す
ること,ならびにAu/TiO2-SBA15の触媒特性を評価すること,第4章で粒子サイズ制御因子 を解明することを目的として研究を行った結果を述べている.
1-7. 本論文の構成
ここまでに述べた 1-1 節~1-6 節および本節を第1 章として,本論文は 5 章により構成さ れている.
第1章では,本論文において研究の主題となるナノ粒子および触媒,ならびに具体的なト ピックとしての Au ナノ粒子触媒,メソポーラスシリカ担体,構造解析手法について,その意 義,重要性について概説し,最後に本論文の目的を述べた.
第2章では,TiO2ナノ粒子を埋め込んだSBA-15担体(TiO2-SBA15)を合成するプロセス の確立を行い,HCl 添加量ならびにアニーリング温度などを最適化し,TiO2 添加量の異な
るTiO2-SBA15を作製した結果を述べた.
第3章では,第 2章で合成したTiO2-SBA15を担体として用いてAuナノ粒子を合成し,
合成したAuナノ粒子の分散状態の定量評価ならびに触媒特性の評価を行った結果を示し た.
第 4 章では,Au ナノ粒子のサイズ制御因子を解明するために電子線トモグラフィおよび
EF-TEMトモグラフィによる3次元ナノスケール解析,ならびに反応前後および反応中環境
におけるTEM/STEM観察およびETEM観察を行った結果を示した.
第5章では,本論文により得られた結果を総括し,その意義について述べた.
図 1-1. 結晶表面近傍における結合状態の模式図.
青丸が原子を,それらを繋ぐ線は結合手を示す.表面近傍ではバルク 体内部に比べて結合角・結合長が変化し,自由な結合手が増えている.
また,表面に近づくに連れてバルク内部と電子状態も変化する.
図 1-3. ナノ粒子化による融点の降下[4, 6, 7]
Auナノ粒子の粒子サイズ(横軸:Å)に対する融点(縦軸:K)の関係を 表している.粒子サイズが小さくなるとともに融点は降下していく.
図 1-4. 磁性体材料のナノ粒子化による磁区構造の変化.
実線で囲まれた斜線部は磁区を,矢印はその中での磁気モーメントを示す.ナノメートルス ケールまで小さくすると,単磁区構造を形成することが知られている.
図 1-5. 超常磁性の発現.
青い丸は強磁性体ナノ粒子を表し,その内部の矢印は磁気モーメント の向きを表す.臨界粒子サイズを下回ると強磁性体が超常磁性を示す ようになる.
表 1-1. 触媒の定義[16].
表 1-2. 不均一触媒と均一触媒の比較[17].
表 1-3. 固体触媒の代表的な機能と例[16].
図 1-8. Haruta等によって提唱されているAu/TiO2に関するCO酸化 の触媒反応メカニズム[39].
上部の式は,CO酸化反応において予想されている反応過程の式を 示し,上の式から順に反応が進行する.ここでは,COはAu粒子全 体に吸着し,中間体を形成した後,COは接合界面円周部に拡散し ていき,担体の接合界面縁周部に吸着したO2との間で反応が起こる とされている.
図 1-9. Auナノ粒子における触媒活性のサイズ依存性[47]. 図 1-6 と同様に粒子サイズに対する触媒活性のプロットを示す.Au ナノ粒子は,小さくなると触媒活性を増す傾向にある.
表 1-4. 各種金属酸化物の等電点[65, 66]
図 1-10. Au錯体のpH依存性[67].
HAuCl4水溶液中においてAu錯イオンはアニオンとして存在してお
り,水溶液のpHに依存して,その錯イオンの構造を変化させることが 知られている.
図 1-11. メソポーラスシリカの細孔構造[81].
規則性メソポーラスシリカは,様々な細孔構造をその粒子の内部に持つ,
左からそれぞれ,1次元細孔から構成される2次元六方構造,3次元細孔 から構成される3次元六方構造および立方体構造を持つメソポーラスシリ カを示す.また,その粒子全体の形状も細孔構造によって様々な形状を示 す.
図 1-12. SBA-15の構造の模式図
図 1-13. SBA-15の生成機構[68].
表 1-5. ナノ粒子の触媒担体としてメソポーラスシリカを適用した研究報告
表 1-6. 各Auナノ粒子担持方法の問題点.
図 1-15. 電子線トモグラフィの模式図[122].
図 1-16. EELSの模式図[124, 125].
図 1-17. 環境制御型透過型電子顕微鏡(ETEM)の内部構造模式図. 多数のオリフィスや真空ポンプを用いることで,ガス雰囲気下での電子顕微鏡観 察を可能にしている.
図 1-18. TiO2-SBA15の模式図.
図 1-19. 従来のメソポーラス構造[103]と本論文との比較. 上段は,構造の比較.下段は,それらにAuナノ粒子を担持した 時の構造による影響の比較を示す.本論文においては,従来法 よりも比表面積が大きく反応ガスが反応場にアクセスし易い担体 設計を行った.
第 2 章 メソポーラスシリカ SBA-15 担体への TiO
2添加および 微構造解析
2-1. 緒言
第1章で述べたようにメソポーラスシリカの一種である SBA-15 は触媒担体の有力な候補 の一つであるが,その表面に DP 法で Au ナノ粒子を析出させるためには細孔表面の等電 点を上げる必要がある.そこで第 1 章では,等電点を上げるために TiO2 を埋め込んだ SBA-15(TiO2-SBA15)を用いることを提案した.一方で,TiO2-SBA15 を触媒担体として利 用する場合には,細孔配列の次元,間隔,細孔サイズ,細孔壁の厚さなどが最終的な Au ナノ粒子触媒の特性に大きく影響を与えると考えられることから[75, 106, 130 – 134],本章では,
SBA-15の細孔構造の評価を行った.
合成時にメソポーラスシリカの細孔構造に影響を与える因子としては,H2O 添加量[135],
HCl 添加量[135],焼成温度[128, 135]などが指摘されている.しかしながら,これらの因子の最
適条件は合成する材料に大きく依存すると考えられ,TiO2-SBA15 について最適な合成条 件を探索する必要がある.また,細孔構造のみならず,埋め込むTiO2の結晶構造について も注意を払わなければならない.CO酸化反応におけるAuナノ粒子触媒は,ルチル型構造 よりアナターゼ構造を有する TiO2 に担持した方が高い活性を示すことが報告されている
[136].
以上のような背景を元に第2章では, TiO2を埋め込んだSBA-15(TiO2-SBA15)を合成し,
その合成条件を確立すること,ならびに Au ナノ粒子を担持させるのに適した細孔構造なら びにアナターゼ相の TiO2を有するTiO2-SBA15 の合成条件を見出すことを目的とした.合
マーである Pluronic® P123 [(EO)20(PO)70(EO)20] (Sigma-Aldrich, U.S.),シリカ源としては tetraethoxisilane (TEOS,Kishida Chemical Co., Ltd., Japan)を用いた.
合成は先行研究 [82, 137, 138]と同様の以下の流れで行った(図 2-1 ).まず,蒸留水中に
P123を20 minの撹拌時間で溶解させ,続いて,2 mol/lのHClをP123の水溶液と混合し
て,混合液とした.ここで,HClはTEOSの加水分解を促進するための酸触媒として用いた.
次に,TEOSを混合液に滴下して40ºCで20 h撹拌した.その際に,混合液中の各成分の モル比がTEOS : P123 : H2O : HCl = 1 : 0.001 : 78 : 5.3 となるようにした.その後,96 − 98ºCで12 h乾燥することで白色の粉末を得て,これを400ºC,6 hの熱処理により焼成して SBA-15を得た.
2-2-2. TiO2添加 SBA-15の合成
TiO2-SBA15 の合成は 2-2-1 項と同様の手順で行った(図 2-2).主な相違点は新たに
TiO2の原料として,titanium (IV) isopropoxide (TTIP, Kishida Chemical Co., Ltd., Japan) をを加えた点である.
まず,P123を蒸留水中に20 minかけて溶解させ,次に,2 mol/l のHClを加えて混合し た.この混合液をAとする.一方で, TEOSとTTIPを混合して,30 min撹拌した混合液B を準備した.この時のTEOSとTTIPの比は4 : 1, 3 : 2, 1 : 1, 2 : 3, 1 : 4の5種類とした.こ の5種類として試料は以降,Tiのモル比を用いて,Ti20, Ti40, Ti50, Ti60, Ti80と称する.
さらに,混合液Bを混合液Aに滴下して40ºCで20 h撹拌した.その際の各成分のモル 比は2-2-1項を参考に(TEOS+TTIP) : P123 : H2O : HCl = 1 : 0.001 : 78 : xとなるようにし,
HCl量(x)は2.5, 5.3, 15, 20, 25の5種類の試料を準備した.その後,静置した状態で96 ~
98ºC, 12 h の乾燥を行い白色の粉末を得て,大気中で 400ºC,6 h の焼成により
TiO2-SBA15 試料とした.最終的に,TiO2を結晶化させるためにポストアニーリング処理を
行った.アニーリング条件は400ºC, 500ºC, 600ºC, 700ºCの4種類で,大気中で2 hの熱 処理を行った.
第2章での試料の合成条件一覧を表 2-1に示す.2-2-3 項以降では,試料の表記を表 2-1の通りに,TiO2添加量−HCl添加量−アニール温度の順に表現する.
2-2-3. 構造評価
図 2-3に,解析によって求める2次元六方構造の細孔構造のパラメータをSBA-15の断面
模式図を用いて表した.
合成した無添加SBA-15およびTiO2-SBA15の微構造観察はTEM法およびSTEM法に より行った.TEM観察にはJEM-3200FSK(JEOL Ltd., Japan)を加速電圧300 kVで用い,
STEM観察にはTecnai-F20 G2 (FEI Company, U.S.)を加速電圧200 kVで用いた.
TEM像ならびにSTEM像の解析にはDigital Micrograph(Gatan Ltd., U.S.)およびImage J(NIH,U.S.)を用いた.TEM 像からの Fast Fourier Transform (FFT)処理は Digital
Micrograph にて行った. STEM像から細孔サイズdporeを求めるため画像の2 値化処理を
Image Jにて行い,同ソフトの粒子解析ツールを用いて楕円近似を行った.STEM像内で細
孔が傾いている場合は,楕円の長軸が細孔サイズと考えられるので,長軸を計測してその 平均値を算出した.
無添加SBA-15およびTiO2-SBA15の結晶構造解析は,広角X線回折(WA-XRD)法に より行った.測定にはRINT 2100(Rigaku,Japan)を用い,管電圧40 kV, 管電流40 mA, X 線波長1.5418 Å (Cu Kα線)の条件で行った.
細孔構造を評価する目的では,回折角度が 0º付近から 4º程度までの小角 X 線回折
(SA-XRD)法で測定を行った.測定には RINT 2500HLR(Rigaku,Japan)を用い,管電圧 40 kV, 管電流40 mA, X線波長1.5418 Å (Cu Kα線)の条件で行った.細孔配列により形 成される 2 次元六方格子の(100)面の回折ピークより求めた面間隔 d(100)を用いて,以下の (2-1)式より格子定数aを算出した[72, 82].
𝑎= !!×d(100) (2-1)
この格子定数aから,さらに以下の(2-2)式[82]を用いて細孔壁の厚さdwallを算出した.
𝑑!"## =𝑎−𝑑!"#$ (2-2)
からの回折に一致しており,合成した無添加 SBA-15 が高い細孔の規則配列を有し,低角 度側から順に(100),(110),(200),(210)面に対応していることがわかる[72, 82].このことは TEM 観察の結果(図 2-6)からも確認されており,像中の孔状の明るいコントラストから細孔 の存在が認められ,高い規則性で六方格子状に配列していることがわかる.以上の結果か ら,アモルファスシリカを細孔壁とするSBA-15が合成されていることを確認した.
2-3-2. TiO2添加 SBA-15 の微構造の HCl 添加量依存性
Ti50-(x)-400 の試料に対して HCl 添加量(x)を x = 2.5, 5.3, 15, 20, 24 と変化させた TiO2-SBA15試料のWA-XRDプロファイルを図 2-7に示す.x = 2.5, 5.3, 15, 20の試料で は回折角2θ = 25.3º, 36.9º, 37.8º, 38.4º, 48.0º, 53,9º, 55.0º, 62.6º, 68.7º, 70.3º, 75.0º, そして
76.0ºの位置に共通してアナターゼ相[139]のTiO2のピークが認められる.これらの回折ピーク
はxの増加に伴い,幅が減少し強度が増大する傾向があり,x = 20の試料で最も良好な結 晶性のアナターゼ相の TiO2を含む TiO2-SBA15が合成されていた.しかしながら,x を 24 にまで増加させた試料では,2θ = 27.4º, 36º, 41ºそして56ºの位置にルチル相[140]のTiO2の 回折ピークが出現した.このようなゾル・ゲル法で合成される TiO2の結晶構造は HCl 添加 量依存性を示す.詳細なメカニズムはわかっていないが,HCl を用いた強酸性の条件での みルチル相が生成されることが報告されている[141 – 143].
アナターゼ相のTiO2のみが発現したx = 2.5, 5.3, 15, 20の試料におけるTEM観察の結 果を図2-8に示す.x = 2.5の場合では,明確な細孔配列の形成は認められず,単なるTiO2
とSiO2の混合物であることが明らかとなった(図2-8(a)).一方で,x = 5.3, 15, 20の試料では,
高い規則性の細孔配列が存在しており,メソポーラス構造の形成が認められた(図 2-8(b) ~ (d)).よって,これらの結果から,x = 5.3以上のHCl添加がメソポーラス構造の形成に必要 であることが明らかとなった.図 2-9にx = 5.3 およびx = 20のTEM像から得たFFTパタ ーンを示す.六方格子状の細孔配列の形成に由来するFFTパターンが現れているが,x = 20の場合で,最も高次までの回折斑点が認められることからx = 20の方がより高い細孔配 列の規則性を有しているものと考えられる.
以上の結果から,高規則性のメソポーラス構造を形成させる条件はx = 5.3以上のHCl添 加が必要であり,x が増加するほど結晶性は向上するが,良い触媒特性をもたらす可能性 が高いアナターゼ単相のTiO2を得るためにはx = 20が上限であることが明らかとなった.し たがって, x = 20を最適なHCl添加量と定めて2-3-3項以降の実験を行った.
2-3-3. TiO2添加 SBA-15 の微構造の熱処理温度依存性
図 2-10にTi50-20-(y)の試料に対し,ポストアニールの温度(y)を400 ~ 700ºCとした4つ
の試料のWA-XRDプロファイルを示す.いずれの試料においても2θ= 23º付近にブロード
なピークが認められるが,これは細孔壁を構成しているアモルファスシリカに由来するもので ある.また,400ºC試料で見られる回折ピークはいずれもアナターゼ相のTiO2に由来するも のである.500ºC試料では,アナターゼ相の TiO2の回折ピーク強度が増大していることから,
結晶性の向上および結晶子サイズの増大が示唆される.しかしながら,600ºC 試料ではル チル相 TiO2に起因する回折ピークが出現し始め,700ºC試料では明確なピークとして確認 される.この結果は TiO2のアナターゼ相からルチル相への相変態が 650ºC で起こるという
報告[144, 145]と概ね整合しており,熱力学的により安定な結晶相であるルチル相への相変態
が 600ºC 付近で起こったものと考えられる.以上の結果から,より高い結晶性のアナターゼ
単相のTiO2を含むTiO2-SBA15を合成するための最適熱処理温度を500 ºCと決定した.
2-3-4. TiO2添加 SBA-15 の微構造の TiO2添加量依存性
図 2-11に, Ti(z)-20-500の試料のTiO2添加量(z)をTi20,Ti40,Ti50およびTi60とした
試料の WA-XRD プロファイルを示す.すべての試料からアナターゼ相の TiO2に対応する
回折ピークの存在が確認され,ルチル相の TiO2に由来するピークは認められなかった.図 2-12 に,同試料の SEM 観察像を示す.いずれの試料においても,ほぼ均一な大きさの
TiO2-SBA15粒子が凝集して存在していることがわかった.また,TiO2-SBA15粒子の大きさ
はTi20やTi40では直径約1000 nm程度であるが,Ti50では600 ~ 800 nm程度,Ti60で は200 ~ 300 nm程度となっており,TiO2添加量の増加に伴い,TiO2-SBA15の一次粒子の サイズが小さくなる傾向になっていた.これは TiO のゾルの方がシリカゾルよりも等電点が
しており[128],Ti80試料においては, TiO2同士の隙間を埋めるアモルファスシリカの総量が 少ないため,熱処理に伴う TiO2 の結晶化に伴い細孔構造を保つことができなかったものと 考えられる.また,SA-XRDプロファイル中の回折ピークから求めたd(100)およびaの値から,
TiO2添加量の増加に伴い,d(100)およびaは増加する傾向にあることが判明した(図2-14).
図 2-15にTi20, Ti40, Ti50, Ti60試料のHAADF-STEM像を示す.孔状の暗い領域は細 孔部分を表し,明るい領域は細孔壁を示している.いずれの試料においても規則的な細孔 配列が形成されていることが認められる.これらの像から算出した細孔サイズ dpore および細 孔壁の厚さ dwallの TiO2添加量依存性を見ると(図 2-16),dporeは TiO2添加量に依らずほ ぼ一定であるが dwall は Ti50 試料で最大となることが分かった.SBA-15 の合成において dporeは構造指向剤であるトリブロックコポリマーP123のアルキル鎖の長さで決まり[71],この長 さはゾル・ゲルプロセス中での水溶液の温度が高いほど長くなる傾向がある.本論文におい ては P123 を用い水熱合成時の温度を一定としたために dporeの変化は無かったと考えられ る.一方で,dwall が変化した理由は,合成条件において(TEOS+TTIP)のモル数を計算上 一定にしていることから,TiO2添加量を増やすことはそのモル数に等しい SiO2が TiO2と交 換されたことと同義になる. SiO2の密度を2.3 g/cm3 [91],TiO2の密度を3.9 g/cm3 [146]とする と,壁の厚みは TiO2の割合の増加とともに薄くなるはずであるが,本実験では厚くなってい る.これは,過去の報告[147, 148]のようにアモルファスシリカ中に孤立した長いTi-O結合距離 をもつ6配位のTi4+が増加したことに起因し,厚みが増したと考えられる.
表 2-2 に,本項で得られた細孔構造をまとめた.TiO2添加量以外の合成条件が同一であ れば,TiO2 添加量の増加に伴い細孔壁は厚くなり細孔配列の格子は大きくなる.一方で細 孔サイズはほぼ一定であることが判明した.
2-4. 結言
本章では,Auナノ粒子触媒を担持するためのTiO2-SBA15を合成する条件の探索を行っ た.その結果,HCl添加量(x)および熱処理条件はそれぞれ,x = 20および500ºCが最適で あると判断した.また,TiO2 添加量については Ti20 ~ Ti60 の範囲で担持に適した
TiO2-SBA15を合成することができた.合成されたTiO2-SBA15は,想定するAuナノ粒子の
粒子サイズ(2.0 ~ 4.0 nm)よりも十分に大きな細孔サイズを有し,かつ他のメソポーラスシリ カと比較して十分に厚い細孔壁を有しており機械強度が高いと考えられ,また,担持のため
の比表面積も大きいと考えられる.また,細孔サイズが TiO2添加量によらず一定であったこ とは,以降の章でAuナノ粒子の担持およびその評価をする際に,細孔サイズによる様々な 影響を無視できるため,実験条件をより一定に保つことが可能になったことを意味する.よっ て触媒担体に適したTiO2-SBA15の合成条件を確立することができたと判断した.
図 2-1. 無添加 SBA-15の合成手順.
図 2-3. 細孔構造パラメータの模式図
表 2-1. 第2章での合成条件一覧.
図 2-4. 無添加SBA-15のWA-XRDプロファイル.
図 2-6. 無添加SBA-15の明視野TEM像.
図 2-7. TiO2-SBA-15(HCl添加量(x = 2.5 ~ 24))試料のWA-XRDプロフ ァイル.
図 2-8. TiO2-SBA15のBF-TEM像.
HCl添加量(x)が (a) 2.5, (b) 5.3, (c) 15, (d) 20 のものを示す.
図 2-10. TiO2-SBA15試料のWA-XRDプロファイル.
熱処理温度が400 ~ 700ºCのものをそれぞれ示す.
(a)に回折角度(2θ)が10 ~ 85ºのデータ,(b)に20 ~ 35 ºの部分 を拡大したデータを示す.(b)で緑の矢印で示した箇所は,
ルチル相の110回折ピークに対応する.
図 2-11. TiO2-SBA15試料のWA-XRDプロファイル.
Ti20~Ti60のデータをそれぞれ示す.これらのプロファイルは,す
べてアナターゼ相に帰属されるピークである.
図 2-13. TiO2-SBA15試料のSA-XRDプロファイル.
(a)に100回折ピーク付近,(b)に110回折ピーク付近を拡大したもの をそれぞれ示す.比較のために無添加 SBA-15 試料のプロファイル も併せて示す.
図2-14. SA-XRDから計算されたTiO2-SBA15試料中の細孔 配列における(100)面の間隔d100および細孔の格子定数aの TiO2添加量依存性.
図 2-15. TiO2-SBA15試料のHAADF-STEM像.
それぞれ TiO2 添加量が(a) 20 mol%(Ti20), (b) 40 mol%(Ti40), (c) 50
mol%(Ti50), (a) 60 mol%(Ti60) のものを示す.スケールバーはいずれの図
においても100 nmを示す.
図2-16. TiO2-SBA15試料における細孔配列の細孔サイズdporeおよび細 孔壁厚さdwallのTiO2添加量依存性.
表 2-2. 無添加およびTiO2添加SBA-15試料における 細孔構造パラメータのTiO2添加量依存性
第 3 章 Au/TiO
2-SBA15 触媒の合成および触媒活性 3-1. 緒言
第2章において, Auナノ粒子の触媒担体としてTiO2-SBA15を用いるため,その合成条 件を最適化し,TiO2添加量の異なる4種類のTiO2-SBA15を作製した.本章では,これらの
TiO2-SBA15上にAuナノ粒子を担持することを試みた.Auナノ粒子を高分散させるために
は,前駆体である水酸化金イオンをTiO2-SBA15中の細孔内部に満遍なく吸着させることが 望ましく,そのためには適切な pH を選択して合成中の前駆体と担体表面との相互作用を 考慮する必要がある.水酸化金イオンと SiO2 表面での静電相互作用が水酸化金イオンと TiO2表面との静電相互作用に比べて強ければ,SiO2の負の帯電により細孔内部に水酸化 金イオンが侵入できず,TiO2-SBA15 粒子の外側表面にのみ Au ナノ粒子が担持される可 能性がある.あるいは,水酸化金イオンと TiO2 表面との静電相互作用が強いときは細孔入 口付近の TiO2に優先的に水酸化金イオンが吸着して内部への侵入経路を塞いでしまうた め,細孔内部にAuナノ粒子を形成できない可能性がある. SBA-15表面をTiO2の層で被 覆する方法[103]やSBA-15中のマイクロポアにTiO2ナノ相を分散させる方法[104]では細孔内 部でのAuナノ粒子担持に成功して触媒活性が得られてはいるが, TiO2-SBA15において も Au ナノ粒子が有効に担持されるか,また,担持されたとして,その材料が触媒活性を示 すかどうかは不明である.
そこで本章では,第2章で合成したTiO2-SBA15にDP法を用いてAuナノ粒子を担持し,
その触媒活性を評価することを目的とした.また,TiO2 添加量の異なる担体を用いて,担持 されたAuナノ粒子のサイズや分散状態のTiO2添加量依存性について検討を行った.
3-2. 実験方法
3-2-1. Auナノ粒子の合成
Au ナノ粒子の合成は,前駆体として四塩化金酸水和物(HAuCl4・4H2O,NACALAI TESQUE, INC., Kyoto, Japan)を用いた DP 法により行い,HAuCl4水溶液の pH 調整は NaOH (KANTO CHEMICAL CO., INC., Tokyo, Japan)を用いて行った.
合成手順の模式図を図 3-1 に示す.前駆体の濃度やDP法での水溶液の pHは過去の
[101-104] -6
液を準備し, 40ºC,500 rpmで撹拌しながらその水溶液に0.1 M NaOH を滴下することで pHをTiO2の等電点付近である6.8に調節した.このHAuCl4水溶液中に,100ºCでのベー キング後,真空中で保管しておいたTiO2-SBA15(Ti20, Ti40, Ti50, Ti60)の粉末0.7 g を 懸濁させた.次に,TiO2-SBA15 細孔内への HAuCl4 水溶液の浸透を促進させるために,
40ºC,10 minの超音波処理を行い,その後真空容器中に移して10 min保持し,これを再
度 40ºC,500 rpm で撹拌した.その際には,pH を 6.8 で一定に保つために適宜 0.1 M
NaOH を 滴 下 し な が ら 攪 拌 を 行 っ た . こ こ ま で の プ ロ セ ス で HAuCl4 水 溶 液 中 に
TiO2-SBA15を懸濁させて最後の攪拌までの合計時間は4 hとなるように決めた.最後に,
懸濁液のろ過および,蒸留水による粉末の洗浄を行い,それをホットプレート上にて 100ºC で12 h乾燥させ,管状炉にて400ºCで6 h焼成し,Auナノ粒子を担持させたTiO2-SBA15
(Au/TiO2-SBA15,第 2 章での TiO2 添加量に応じて,それぞれ,Au/Ti20, Au/Ti40, Au/Ti50, Au/Ti60)を得た.
3-2-2. 微構造解析
3-2-1 項で得られた材料の構造および組成分析をXRD法,ICP-MS法,STEM法および
EDS マッピングを用いて行った.結晶相の同定ならびに結晶子サイズ評価は,RINT 2100
(Rigaku,Japan) を 管 電 圧 40kV, 管 電 流 40 mA, Cu Kα(λ= 1.5418 Å) の 条 件 で
WA-XRD測定をすることにより行った. Auナノ粒子担持後のTiO2-SBA15の細孔構造の
評価は,X’Pert X-Ray Diffractmeter(Panalytical,Netherland)を管電圧40 kV, 管電流40 mA, Cu Kα(λ= 1.5418 Å)の条件でSA-XRD測定することにより行った. Auナノ粒子の担 持量は,Agilent 7500c (Agilent Technologies Inc., U.S.)を用いてICP-MS法により行った.
測定用のサンプル溶液は,王水にAu/TiO2-SBA15 の10 mgを溶解させた後,200万倍に 希釈することにより調製した.直接観察によるAuナノ粒子のサイズ測定にはTecnai-F20 G2