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一様でない遷移確率を用いた 焼き鈍し法

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Academic year: 2021

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全文

(1)

一様でない遷移確率を用いた 焼き鈍し法

宗久・丹沢研究室 T04kf022

鈴木悠也

(2)

焼き鈍し法

焼きなまし法とは最大値探索問題の解法の1 つであり、温度を示すパラメーターを徐々に 下げることにより最適な解を求めるものであ る。

(3)

研究目的

今回の研究目的は温度が一定という条件の 下でも温度を徐々に下げていく場合と同様に 一様でない遷移確率を実現し最適な解を求 めることである。

(4)

焼き鈍し法のアプローチ

集合Sの要素を変数とする目的関数fの最大値 探索問題

fをエネルギーとみなし、その最大値を与える平 衡状態  を求める問題と考える

収束状態が最適分布となるようなマルコフ 連鎖をつくり、適当な初期状態から状態遷 移させる

tb

(5)

マルコフ連鎖

次の状態が現在の状態だけに依存するような 過程のうち時間のパラメータtが離散的で状態 空間Sが有限であるときのもの

(6)

過程が時間に依存しないとき

 一様なマルコフ連鎖 であるという 過程が時間に依存するとき

 一様でないマルコフ連鎖 であるという

(7)

状態遷移確率P

( )

と表される

状態遷移確率は

に遷移する から

のとき状態

i t

X j t

X P

j i

S j

i

=

= +

) ( )

1 (

,

(8)

遷移確率行列M

( )

の遷移確率行列という 行列Mをマルコフ連鎖

列の成分とする

を満たすとき

 かつ    

列の成分

j i

t j i M

t j i M t

j i M

i t

X j t

X P t

j i M j

i

S j

)

; , (

1 )

; , ( 0

)

; , (

) ( )

1 (

)

; , (

=

=

= +

(9)

チャップマン・コルモゴルの方程式

一様でないマルコフ連鎖

一様なマルコフ連鎖

( )

行列は下の式で表され x行y列の要素とする

i t

X j m

t X P m

t t j i

M ( , ; , + ) ( + ) = ( ) =

)) 1 (

( )

1 (

) ( )

,

(t t + m = M t M t + M t + m

M

M m

m t

t

M ( , + ) =

(10)

マルコフ連鎖のエルゴード定理

マルコフ連鎖の遷移確率行列Mが既約かつ非 周期的であるとき初期状態分布cによらず時間 経過とともに平衡分布bに収束する

b cM m t

t

m =

lim

(11)

一様でないマルコフ連鎖でも以下の式が 成り立つ

Mは以下の式を満たすものである

b m

M M

cM t

t

m =

(0) (1) ( )

lim

b k

bM t

t ( )=

:平衡分布

b

t

(12)

 Mを掛けることにより誤差が等しいか小さくなる  ことの証明

=

i

i i

t

tc b c b

b c

b

cM t t t

t

0

1

=

ji i

ji

M

M

実際の状態分布 :

tc

b bM t

t =

(13)

( ) ( )

( ) ( )

(c b) M (c b) c b

M b

c M

b c

M b

c M

b c

bM cM

t t

j

j i

ji j

j

i j

ji j

i j

ji j

i j

ji j

t t

t t

=

=

=

=

=

=

∑ ∑

∑ ∑

∑ ∑

右辺 左辺

b c

b

cM t t t

t

(14)

等号が成立するのはすべての成分に対して        

が成り立つときである

ただし      以外では

なのですべての成分に対して        

が成り立つことはないので

( c b) j M ji 0 

b c =

( c b) j M ji 0

 

(c b) j 0 

(c b) j 0

0 ,

1 ,

0 ,

1 =

=

i

i

i i

i

i c b b

c  

(15)

等号が成立するには

        が存在する必要がある しかし

nは数回程度で上の式は成り立つので状態が すでに平衡状態に達しているとき以外ではほぼ 等号は成立はしない

[M (1)M (2)M (n)]ij 0

= 0 M ji

(16)

マルコフ連鎖を作るための平衡分布として ボルツマン分布がある

( ) ( f T )

T T f

b i

S i

i

i exp /

/ exp

) 1

(

=

(17)

order-3だまし問題を使用する

関数fの値は表1の値を使用する 表1:関数fの値

(18)

マルコフ連鎖の設計

受理行列Aと遷移行列Q(t)を用いてij

の成分M(i,j;t)が次式で表される行列Mを作る



=

x j

j i

for j

i A t

j i Q

j i

for j

i A t

j i Q t

j i

M    

   

) , ( )

; , ( 1

) , ( )

; , ( )

; , (

(19)

マルコフ連鎖の設計(2)

行と列の要素数が集合Sの要素数に等しく、

ij列の成分A(i,j)が次式で表されるよう な行列Aを考える

( )

) ,

0 ( )

/ 1 ( )

(

)

; ( /

)

; ( )

, (

s for

s sW

s W

T i

g T

j g

W j

i A

   

<

=

1 )

; ( /

)

; (

1 ) 1

( g j T g i T s

s s

W   

          

(20)

マルコフ連鎖の設計(3)

受理行列Aと等しい要素数の行と列を持ち、

ij列の成分Q(i,j;t)が次式を満たすような既 約で対称な遷移行列Qを考える

0 )

; , ( :

, 1 )

; , (

) 0 )(

; , ( ) 0

; , (

=

= =

t j i Q

n t

j i Q

j i

for t

i j Q

j i

t for j

i Q

n S

y

      

   

   

(21)

今回の実験では6個の状態が次の遷移候補と して選ばれるのでその確率は1/6となる

一様なマルコフ連鎖

一様でないマルコフ連鎖

(22)

一様なマルコフ連鎖

1ビットの突然変異でMの確率により状態遷移 していく

一様でないマルコフ連鎖

乱数により6個の状態を選びMの確率により 状態遷移していく

それぞれの状態が現れる回数を全回数で割っ たものがそれぞれの状態が現れる確率となる

ボルツマン分布への収束証明実験

(23)

初期設定

温度 T=10

状態遷移数 3000000

初期状態 001010

(24)

連鎖 図2:一様なマルコフ

(25)
(26)

ボルツマン分布との誤差の比較実験

一様なマルコフ連鎖

一様でないマルコフ連鎖

b cM

m

e( ) = t m t

b m

M M

cM m

e( ) = t (0) (1) ( ) t

(27)

初期設定

温度 T=10

• m = 200

初期状態 001010

(28)

図1:誤差とmとの関

(29)

Bit数を変えたときの誤差の比較実験

6ビット,12ビット,18ビット,24ビットで初期 状態のfの値が最小、最大、平均でそれぞれ 実験を行う

(30)

bit 6

bit 12

bit 18

bit 24

回掛けたときの誤差の

表2:M 50

(31)

考察

一様なマルコフ連鎖では次の状態遷移候補 のfの値は初期状態のfの値との差が30以内 におさまるのでbitが大きくなるにつれ初期状 態のfの値が大きい場合には一様でないマル コフ連鎖に比べ適していると推測できる

(32)

まとめ

一様でないマルコフ連鎖の場合でもボルツマ ン分布に収束する

(33)

参考文献

長尾智晴:最適化アルゴリズム,P209,昭晃 堂(2000

平早哲郎:数学的保証をもつ遺伝的アルゴリ ズムの改良,山梨大学修士論文(2006

(34)
(35)

実際の状態分布 :

tc tb:平衡分布

67

最適分布

実際の状態分布 :

:

b c

t t

68

(36)
(37)
(38)

bit 24

:平衡分布

tb

実際の状態分布 :

tc

(39)

平衡分布

一様なマルコフ連鎖MのもとでbM=bが成り立 つような状態分布bが存在するなら

その状態分布は以後時間的に変化しない このような状態分布bは平衡分布と呼ばれる

(40)

結果

bitが小さいときは一様でないマルコフ連鎖のほ うが初期状態によらず誤差が小さくなるがbit 大きくなるにつれ初期状態のfの値が大きいと 平衡分布に収束に時間がかかる

(41)

誤差が0.01以下となるmの最小値

の最小値 表2:m

(42)

今後の展開

一様でないマルコフ連鎖の理論をさらに研究 し、このプログラムを拡張していく

参照

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