ミョウガの呈味成分について-香川大学学術情報リポジトリ

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ミョウガの呈味成分について

松 井 年 行 Ⅰ.緒 p ミョウガ(a刀g査∂βア・ルわ昭α,βosc・.)は特有の香気と味を持ち,料理のつま,香辛料,煮物,瘡物(味噌漬,塩漬,甘 酢潰)等として食卓に供されている.特にミョウガの段盛期の夏期において軋 めん類の薬味,吸い口ヤ汁の実に利 用されることが多く,香辛料として食欲増進の役目をなしている.又興味のあることは「ミョウガを食べ過ぎると物 忘れをする.と古くから言い伝えられている.上記の様に,日本では各方面に利用されているが,食品化学的には, 即ち香気成分ヤ呈味成分については未だ報告されていない.そこで呈味成分について,各種のクロマトグラ■7イ・−を 利用して分析を行い,以後の調理加工の拳礎的データを得たので報告する小量味成分としては,遊離アミノ酸,糖, 有機酸の定性および定畳分析を行なった巾 ⅠⅠ.実 験 方 法 1.試料 使用した試料は郡山市内で栽培されたもので,淡緑色の基部を用いた. 2.−・般分析 −・般分析はすべて常法によった. 3.遊離アミノ酸の定盈 ミョウガ40gを75%エタノール120mJで磨砕し,800Cの湯浴上で30分間抽出する‖ 上位液を傾斜法で分離し, 残遮に75%エタノ、−ル120mJを加え再び抽出する.両上澄液を合し,残淀も75%エタノールで洗浄し,洗浄液,上 澄液を合せ減圧濃縮しアルコールを除去後,エ1−・テル抽出で秦線素等を除いたい 再び減圧浪縮しpH22のクエン酸 緩衝液で一局畳に定容しアミノ酸定盤用の調製液とした.なお,疏菜では一・般にダルクミンが多くスレオニン,セリ ン区に重をって溶出され,このためスレオニン,セリン区が見かけより多くなるので上記調製後に等量の汲塩酸を加 え封管し,1100C,22時間加水分解を行ってダルクミンをグルタミン酸に変えた畳も併せて行った.定盤は日立 KLA−3B型アミノ酸自動分析計によった小 4.糖の定盈 ミョウガ1kgを95%エタノール600mJでホモジナイズし,70∼800Cの湯浴中還流冷却器を付し1時間抽出後 炉過した.さらに80%ェタノーリレ500mJで3回同様に処理した.抽出液を合し減圧濃縮して飽和酢酸鉛を加えて 50mlに定容した.酢酸鉛を炉過し,硫化水素を約10分間炉液中に導入し脱鉛した.さらにAmberliteIR−120,H型 とAmberliteIRA−400,OH型の等量混合物中に加え水冷下スターラ1−で投拝し脱塩した.この抽出液を減圧濃縮し 50mJに定容して糖分析試料とした,定量は二周ら(1)の方法に従ってDowexI,Ⅹ8(200∼400メッシュ),ホウ酸 塩型でイオン交換クロマトグラフイ・−を行ったい をお標品の溶出位置とペーパー・クロマトグラフイ、−・(n−ブタノー ル:ビリジン:水=6:4:3,n−ブタノ・−リレ:酢酸:水=4:1:5)の上昇法により確認した・発色はアンモエア牲 硝酸銀とDiphenylamine−aniline試薬を用いた. 5.有機酸の定盤 ミョウガ1kgを70%エタノ小一−・ル600mJでホモジナイズしpH210硫酸酸性下,還流冷却器を付し800Cで30分 間加温抽出した.この操作を2固くり返し炉液を合した.次に苛性ソ・−ダでpH8・0に調整し,減圧汲結して50mJ に定容した.有機酸抽出法はイオン交換樹脂処理法と120時間エ・−・テル連続抽出法によったが,回収率の点から120 時間エ・−テル連続抽出法で定盈を行った.試料の一・部を硫酸酸性下pH2・0としソックスレー液体抽出器で120時間 連続抽出し有機酸定盈試料とした.Resnikら(2)の方法に準じてシ リカゲルカラムクロ・マトグラフイーを行った.標

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香川大学農学部学術報告 146 品による溶出位置と不揮発酸についてはペ・−パ・−・ クロマトグラ■ブイ・−・(■7.ユノール:水:ギ酸=75:25:1とn一・ブ クノール:水:ギ酸=10:15:2の上昇法)を用いて確認した.検出はギ酸を除去後BPBにより行った. ⅠⅠⅠ.実 験 結 果 1.−・般成分 ミョウガの一一般分析結果を表1に示した. 2.遊離アミノ酸の含有畳 ミョウガの遊離アミノ酸含意を表2に示した.

Table 2.Free amino acids in the extract of Myoga(mg%on wet basis)

OJ 2 4 nO 3 9 7 8 5 3 7 3 7 3 0 0 2 2 7 1 8 9 7 QJ 4 1 6 7 5 こJ 3 8 7 0 〇.凱6.8.+む∵乱∵臥.L4.4.乳5.乱仁山α4∵軋 2 6 Aspartic acid ThreOnine SeIine Glutamic acid PI01ine Glycine Alanine Valine Methionine iso.1eucine Leucine TyIOSine Pbenylalanine Lysine Histidine Arginine Ammonia Total

Tablel.Approximate composition ofMyoga

(%on wet basis)

0 7 6 3 4 5 4 ■hJ EJ 6 6 0 0 0 0 9 Moistur・e CIude払t Crude protein CaIbohy血ate Ash 1 50 Fraction nurnber(10ml) Fig.1.Ion・eXChangechromatogramofcarbohydratesofMyoga Exchanger;Dowexl,X−8,200−100mesh,0い9×5cm, borateform;貝owlatelml/minい, Elutingagents;(1)0い005Msodiumtetraborate,(2)0・02 M sodiumtetraborate,(3)0。03Msodium tetraborate; ColorimetIy;

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147 Table3.CaIbohydratesintheextractofMyoga (mg% on wet basis) 第25巻第1号(1973) 3.糖の含有盈 ミョウガのイオン交換クロマトグラ・7イ一による糖の溶 出曲線を図1にその含有量を表3に示した.又糖のペー パ・−・タロマトグラ・7イ・一により検出された糖のRf億は各 々の溶媒でグルコ・−ス(0。、58,0小27),フラクトー・ス(0.65, 0,29),マルトー・ス(0.55,014)であった○ 50.8 92..9 82.8 226“5 Glucose FIuCtOSe Maltose Total 4… 有機酸の含有盈 ミョウガのシリガグルカラムクロマトグラフィー・・による有機酸の溶出曲線を図2に示した.有機酸の含有盈を表4 に示した1.ペ・−パ・−クロマトグラフイ・−で確認されたRf偉は各々の溶媒でコハク酸(0.66,0・70),修酸(0・24, 061),クエン酸(0.38,0.49)で図2の試験管番啓46本から61本まで,72本から114本まで,115本から140本ま での分画に一・致した. 1

扉3t∈HO封Zl⋮

150 50 100 Frannumber’( () () () (, (, Fig。2.ChromatogramoforganicacidsofMyogaSilicicacid,100mesh8g,nOWratel・Og/min・・ 別ud喝agentS;(1)0%(Ⅴ/Vト(2)8%−,(3)13%−,(4)20%・−,(」5)25%−,(6)30%−, (7)50%−tert−butylalcholinchloroform・ Tableヰ・OrganicacidsintheextractofMyoga (mg%onwetbasis) 7 3 5 3 ︵0 8.1741 L O418 Acetic acid Succinic acid Oxalic acid CitT・ic acid Total ⅠⅤ.考 察 ミョウガの味として低分子含窒素化合物,糖,有機酸を定食し得たが,他の読莱と比較すると呈味成分畳は多くを かった.表5は遊離アミノ酸の酸加水分解物であるが,グルタミン酸含畳は他の野菜と比較すると少をく,他の遊離 アミノ酸も全般に少をく,その中でグルタミン酸,セリン,アルギニン,グリシンは比較的多かった.グルタミン酸

は遊離アミノ酸中約20%であった.この様にエキス窒素の少ない野菜を日本料理に使用する串は興味ある問題である・

遊離糖としてはフラクトース,マルトー・ス,グルコースであったが,シェークロースは定盈されなかった・又修敢は ェグ味とかアクといわれる物質ではないかと思われるが,ホウレン草,山菜等と関連して興味ある問題であろう.旨

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148 香川大学農学部学術報告 昧に関しては核酸関連物質中,5′−イノシン酸,5′−グアニル酸は一・般に読菜ではないとされている.5′−アデニル酸が 疏菜中にあるのでその分析をしないとはっきりした判断は下せないが,グルタミン酸を中心としグリシン,その他の 遊離アミノ酸,遊離糖,童機酸ではコハク酸,修酸が関与してこいると考えられる.. Ⅴ.要 約 ミョウガの臭味成分を検索する目的でエキス成分の分析を行い次の結果を得た

i巾 遊離アミノ酸は他の疏芙と比較すると少なかったが,遊離アミノ酸としてグルタミン酸28.88mg%,セリン

26..14mg%,グリシン14い93mg%であったハ ii・糖として,フラグトース92い9mg%,マルトース83」8mg%,グルコ・−ス50.8mg%であったl iii.有機酸として修酸4..75mg%,クエン酸1A3mg%,コハク酸0.13mg%,酢酸1.87m%であった. 謝辞 アミノ酸分析にあたっでアミノ酸自動分析計の使用,ならびに種々御教授いただいた宇都宮大学農芸化学科, 前田安彦助教授に感謝いたします. 文 献 (1)福井俊郎,ニ国二郎:日農化会誌,33,73, (2)RESNIK,F.E.,LEE,L、A..,WハALLÅN PowELL, (1959). W.A.:A乃αg.αβ∽.,27,928(1955)1.

THE TASTE1−COMPONENTS OF MYOGA

ToshiyukiMATSUI

SⅦmmary

Myoga(ZingibermiogaRoscL)hasbeenwidelyutilizedfbr garnish,Spiceandpicklesinthis

COuntry小 However,rePOrtS On the tastysubstances of’Myoga havescarecelybeenpresented

TheprlnCIPaltastecomponentswerestudiedinth6presentworkbydeterminlngthembychro−

matographictechniqueこ Myogacontainedlessamountof:tastecomponentsthanthoseofother

Vegetables・

Glutamic acidwas the predominant丘・ee aminoacidfo1lowedserineand g1ycine一・0Ⅹalic,

Citric and succinic acids were detected as component organic acids・Glucose,丘uctose and

maltosewerethem年lOrSugarSPr・eSented

(1973年5月31日 受理)

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参照

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