• 検索結果がありません。

目次 1 はじめに 本事業について 実施項目 WG の運営 検討結果の普及啓発 WG の運営 目的 概要 実施結果 データ流通促進 WG の実施につい

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "目次 1 はじめに 本事業について 実施項目 WG の運営 検討結果の普及啓発 WG の運営 目的 概要 実施結果 データ流通促進 WG の実施につい"

Copied!
118
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

28 情報経・活第 201 号

平成28年度

IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業

(分野・産業の壁を越えたデータ利活用促進とセキュリティ確保に向けた

制度的課題の調査)

事業報告書

平成 29 年 3 月

一般財団法人日本情報経済社会推進協会

(2)

目次 1 はじめに... 3 2 本事業について ... 5 2.1 実施項目 ... 6 2.1.1 WG の運営 ... 6 2.1.2 検討結果の普及啓発 ... 7 3 WG の運営 ... 8 3.1 目的・概要 ... 8 3.2 実施結果 ... 10 3.2.1 データ流通促進 WG の実施について ... 10 3.2.2 カメラ画像利活用 SWG の実施について ... 29 3.2.3 データ連携 SWG の実施について ... 58 3.2.4 IoT セキュリティ WG の実施について ... 65 4 検討結果の普及啓発 ... 88 4.1 目的・概要 ... 88 4.2 実施内容 ... 89 4.2.1 WG 活動の紹介 ... 89

4.2.2 IoT Lab Connection の実施 ... 95

4.2.3 データイノベーションワークショップの実施... 98

4.2.4 Web 等を通じた情報発信の仕組み、円滑な運営等の検討 ... 104

5 全体総括 ... 110

(3)

3 1 はじめに ●国内外のIoT の動向について 1995 年に登場した Windows95 によって、一般の人にインターネットが急速に広ま り、ニュース、交通情報、天気情報など「世の中の情報」を誰でもリアルタイムに情報を 取得できるようになった。また、2000 年代に入り、スマートフォン及び SNS や口コミサ イトが普及したことにより、「自らの知識・考えやその場で感じたことなどの情報(意識的 な情報)」を自由に発信することができるようになった。更に 2014 年頃からは、IoT (Internet of Things;モノのインターネット)により、様々な機器がインターネットにつ ながることで、センサーから取得した人流データや、ウェアラブル機器から取得したバ イタルデータなど、「内面に潜む情報(無意識な情報)」が増加しつつある。このような 「人々の生活行動そのもの」が大量のデータを生み出すようになってきた現在、これら の情報を「ビッグデータ=ビジネスにおける宝の山」として注目し、企業は様々な構造 化・非構造化データを掛け合わせ、リアルタイムで解析し、生み出したコンテンツをイン タラクティブに活用することで、新たな価値創出や経営上の意思決定に役立てようとす る動きが出てきている。 このように、身の回りのあらゆるものに埋め込まれたセンサー等のデバイスがインタ ーネットにつながり、相互に通信する仕組みによって、より効率のよい高度な社会を実 現しようとする IoT に加え、AI(人工知能)、ビッグデータの 3 要素がこれからの社会 基盤において重要な要素とされている。既に海外においては、米国の「インダストリア ル・インターネット」や、ドイツの「インダストリー4.0」に代表されるように、「第 4 次産業革 命」として捉え、IoT 等の技術による産業・社会変革を見越した具体的な取り組みが進 められており、IoT という考え方が実態を持ってきたといえる。 我が国においても、「世界最先端 IT 国家創造宣言」の改訂版(平成 27 年 6 月 30 日、IT 総合戦略本部閣議決定)において、急速に進展する IoT や AI などによる デジタル化への変化を踏まえ、2020 年までに世界最高水準の IT 活用社会の実現 と、成果の国際展開を目標とした IT 戦略の基本方針が定められ、それを踏まえた具 体的な取り組みとして、企業が壁を越えてデータを共有・活用し、新たな付加価値を 生む取り組み(データ駆動型(ドリブン)イノベーション)に焦点を当て、経済産業省が 「データ駆動型イノベーション創出戦略協議会1」を設立し、業種・組織を越えたデータ の利活用に対し、賛同する事業者や有識者の交流、情報交換の場とすることで、各種 課題の解決やユースケース創出のきっかけとなる活動を行っている。 また、平成 27 年度に設立した「先進的モデル事業推進 WG」(以降、「IoT 推進ラ ボ」という)では、IoT 支援委員会、IoT Lab Selection、IoT Lab Connection 等を実 施し、IoT を活用したビジネス化に向けた成果を挙げることができた。具体的な一例と

1 経済産業省 政策について『データ駆動型イノベーション』 http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it_yugo/ddi.html

(4)

4

して、第1 回 IoT Lab Selection のファイナリストである株式会社アフロでは、スマート フォン等を活用し、通信機能を有するタクシーメーター及びアプリケーションを開発す ることで、走行距離情報を取得し運賃計算を行うだけでなく、現在、手作業の日報業 務(乗車記録)の自動化や、各タクシーの運行状況(場所、乗客の有無等)の即時把 握による運行業務効率化や乗客へのサービス向上、将来的に料金体系の流動的な 変更要請が発生した場合にも迅速な対応を可能とするなど、高度な機能を従来の専 用器と運行管理システム構築の組み合わせよりも大幅に低いコストで実現することを目 指している。 図表 1 スマートフォン等を活用したタクシーメーターのイメージ 他方、計量法では、タクシーメーターの性能要件の一つとして、タリフ定数(運賃演 算表)を無線通信で扱う際の保護措置である「電子的封印」が必要になることから、そ の要件を明らかにすることが、プロジェクト実施に当たって課題となっていた。 これを受けて経済産業省では、産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制 度」を活用し、「電子的封印」は「機械的封印」との同等性を確保する必要があり、それ を確保するために示した具体的な要件を満たした場合は、「電子的封印」に該当し、 計量法に基づく特定計量器検定検査規則第78 条に定める性能を満たしていることが 確認された2。これにより、料金体系等を電子的に低コストで変更することが可能になる 他、タクシーメーターがスマートフォン等の多機能端末に一体化されることによって、リ アルタイムでの運行管理による業務効率化やタクシーメーターを起点とした様々な運 行サービスの創出などにより、産業競争力の強化が期待される。 このように、IoT を活用したビジネス創出について、国と民間が連携して推進してお り、今後も継続して実施していくことが重要である。 ●IoT データ流通とセキュリティの動向について 先に述べた通り、産業変革の取り組みを通じて、IoT という考え方が実態を持ってき 2 http://www.meti.go.jp/press/2016/05/20160509004/20160509004.html 参照。

(5)

5 た中で、データの提供を希望する事業者のみならず、当該データの利活用を希望す る事業者が多数現れてきている。他方で、ありとあらゆるモノがインターネットに接続さ れた世界では、従来の取り組みでは解決が困難な課題がある。一つは異業種間のデ ータ連携である。その理由として、生活者のプライバシー侵害や、生活者が望まない 形でデータが利用されることに対する漠然とした不安等を背景として事業者が流通・ 利活用を躊躇していること、第三者提供に係る本人同意の取得が困難であること、事 業者による囲い込み等が指摘されている。 もう一つはサイバー攻撃への対応である。我が国へのサイバー攻撃は増加傾向にあ るとともに、その手口も巧妙化している。従来のIT サービスのように、同一事業者に閉 じた環境での構築では、情報セキュリティ対策として、「①技術的対策(ファイアウォー ル、ウィルス対策システムの導入など)」、「②物理的対策(防犯対策、入退管理など)」、 「③人的対策(手順書などのルール、従業員教育など)」等の観点から必要な対策を 講じることができるが、「あらゆるモノがインターネットにつながる IoT の世界」では、接 続される機器類やサービス規模等に応じて具体的にどの程度のレベルの対策を講じ ればよいかが必ずしも明らかではない。 日本が今後、人口減少(生産人口減少)が進む中で、経済成長を維持するために は、IoT 推進ラボで実施している「企業連携支援、資金支援、規制改革支援」と並行し て、上記のセキュリティに関する課題、データ流通に関する課題を解決し、業界横断し たデータ利活用を後押しする必要がある。 2 本事業について 「1.はじめに」で述べたとおり、IoT に関する国内外の取り組みに共通することは、 センサー等の発達によって、取得できるデータが多様化しており、データへの到達コ ストを圧縮することによって、新たなサービスや産業を創造することである。他方で、国 内企業においては、データ流通に関する匿名化への対応方法、第三者提供の対応 方法、及びIoTの活用に関するセキュリティの確保等でデータ利用を躊躇しているケ ースが多く、分野横断的な破壊的なイノベーションが起こしにくくなっている。 「分野・産業の壁を越えたデータ利活用促進とセキュリティ確保に向けた制度的課 題の調査(以降、本事業という)」では、これらの課題を解決して未来社会に向けた産 業構造の変革を推進するために、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(以降、 当協会という)が、データ利活用を躊躇する多くのユースケースについて調査し、普及 啓発などを通じて分野・産業の壁を越えたデータ利活用を後押しするとともに、IoT機 器等に求められるセキュリティ要件の検討や、その他必要となる課題の整理・調査を実 施することで、IoTの利活用を推進した。 以降、具体的な実施項目について述べる。

(6)

6 2.1 実施項目 本事業では、平成28年1月より「IoT推進コンソーシアム」の傘下に設置されている 専門ワーキンググループ(以降、WGという)を活用するとともに、他のWG(IoT推進ラ ボ、技術開発WG)とも連携・推進する。具体的には、事業者から収集したユースケー スをベースにBtoBにおけるデータ取引の課題となる事象を整理して、当該課題の解 決に向けた議論を行う「データ流通促進WG」、及びIoT機器に求められるセキュリティ について議論を行う「IoTセキュリティWG」等を活用しつつ、データ利活用を躊躇する 多くのユースケースについて調査し、普及啓発等を通じて、分野・産業の壁を越えた データ利活用を後押しするとともに、今後必要となる課題の整理等を行った。 図表 2 本事業の位置づけ 連携 【本事業の実施項目】 ・WGの運営 ・検討結果の普及啓発 以降、本事業の実施項目及び実施概要について述べる。 2.1.1 WG の運営 IoT に関する横断的課題を検討する場として、WG と作業部会合わせて 4 つ設置し た。具体的には、BtoB のデータ流通取引時に生じる課題をユースケースベースで抽 出し、事業化を後押しするための検討の場として、委員 10 名から構成される「データ 流通促進 WG」を設置・運営した。更に、データ流通促進 WG の作業部会として、社 会環境に設置されたカメラ画像の利活用を検討する場として、委員12 名から構成され る「カメラ画像利活用 SWG」、及びデータを提供するプラットフォームの役割、機能、 ルール等を検討する場として、委員16 名から構成される「データ連携 SWG」を設置・

(7)

7 運営した。また、IoT を活用した革新的なビジネスモデルを創出するためにセキュリテ ィ・セーフティの両面から配慮すべき事項等を検討する場として、委員 12 名から構成 される「IoT セキュリティ WG」を設置・運営した。 データ流通促進 WG については、今年度 10 回開催した。具体的には、データ流 通・利用等に課題を持ち、相談が出ている事業者 14 社招聘し、有識者からその前進 に向けた助言等を行うとともに、その内容について、昨年度検討した 6 社と合わせた 20 個の事例について社名を伏せた形で「新たなデータ流通取引に関する検討事例 集ver1.0」として取りまとめ、IoT 推進コンソーシアムのホームページ3に公開した。 カメラ画像利活用SWG については、今年度 4 回開催した。具体的には、社会環境 に設置されているカメラ画像の透明性等を担保した利活用について、利活用形態によ る消費者への通知や、データを利用する際に事業者が配慮すべき事項等を、5 つの ユースケースを基に議論し、有識者から得た助言等の内容について、「カメラ画像利 活用ガイドブック ver1.0」として取りまとめ、IoT 推進コンソーシアムのホームページに 公開した。 データ連携SWG については、今年度 2 回開催した。具体的には IoT データの売買 を仲介するプラットフォームが複数立ち上がってきている中で、協調領域としてプラット フォーム事業者同士が連携したり、他のプラットフォーム事業者の参入を促すために 必要な取り組み(データカタログの作成、API 連携など)について、複数のユースケー スを基に議論し、有識者から得た助言等の内容について、「データ連携ガイドブック (仮称)」として取りまとめた。 IoT セキュリティ WG については、今年度 1 回開催した。具体的には、平成 28 年 7 月に公開した「IoT セキュリティガイドライン ver1.0」について、事業者への浸透度、及 び今後追記が必要な部分等について複数の事業者へヒアリングして明らかにするとと もに、本ガイドラインの英訳版を作成した。 2.1.2 検討結果の普及啓発 分野・産業の壁を越えたデータ利活用を促進する企業連携・情報発信の取り組みを、 平成 29 年 3 月 13 日に一橋講堂で実施した。具体的には、「2.1.1.」で述べた各 WG と SWG の検討内容及び成果等のパネル展示を行い、来場者に紹介するとともに、 意見交換を実施した。また、ヘルスケア及び地域課題(除雪)をテーマとして、自治体 や異業種など普段接点のない人たちとデータ利活用のアイデア出しを行うための「デ ータイノベーションワークショップ」を実施し、実際に企業や自治体が収集しているデ ータをどのように活かせばよいか等についてのアイデアを創出した。 更に、IoT 推進ラボとも連携し、個別テーマ(フィンテック、教育、農業・食品)毎に業 種横断的なプロジェクトの発掘・組成するために、国内外の大企業と AI 技術を有した 3 http://www.iotac.jp/wg/data/

(8)

8 大学・研究所・ベンチャー企業、及び自治体等のマッチングを行うための「IoT Lab Connection(Solution Matching)」を実施し、企業マッチング(約 450 件の出会い) を実現した。 以降、それぞれの実施項目毎について、具体的な内容について述べる。 3 WG の運営 3.1 目的・概要 「1.はじめに」で述べたように、ありとあらゆるものがインターネットに接続された世界 において、異業種間の適切な流通に関する透明性の確保(二次利用許諾など)や、セ キュリティ確保等の観点から、データ利活用に躊躇する事業者が数多く存在する。日 本が今後、人口減少(生産人口減少)が進む中で、経済成長を維持するためには、企 業連携支援、資金支援、規制緩和支援等と並行して、業界横断したデータ利活用を 後押しする必要がある。そこで、本事業では、ニーズオリエンテッドのアプローチで、ユ ースケースベースに多様な観点(技術・制度・社会受容性等)から検討し、ガイドライン の策定等を行った。 図表 3 WG 運営のスコープ 次年度以降の 検討範囲(案) • 技術的観点 • 制度的観点 • 社会受容性の観点 安全配慮等の 第三者認証の仕組み (プライバシー影響評価等) 現行法で対応 できないもの ガイドラインの策定(既存ガ イドライン等の改訂含む) 今後の検討事項のとりまとめ 【対応の観点】 ニーズオリエンテッド(ユースケースベース)で進める データ流通促進WG IoTセキュリティWG 検討課題②の 審議 連携 平成28年度(本事業の範囲) 平成29年度以降 平成27年度 法的観点等の 継続検討課題 検討課題①の審議 【検討課題】 ① IoTデータ流通に関する透明性の確保(二次利用許諾など) ② セキュリティ確保 など 産 業 競 争 力 懇 談 会 (CO C N ) 等 に よ る 検 討 ・ 整 理 結 果 参 照 ・カメラ画像利活用SWG ・データ連携SWG 対応の観点 概要 技術的観点 IoT データに含まれる情報は、利用用途に応じ適切な加工処理や セキュリティ等を施す必要があるため、利用シーンごとに必要な情

(9)

9 対応の観点 概要 報レベルを見極め、加工処理やセキュリティ等の内容について具 体的な方針・対応方法等を事例とともに示す。 制度的観点 情報の利活用に際し、一般消費者等への周知、同意取得の在り 方、データの権利帰属の考え方、事業者間での契約条件等につ いて協議する。同意取得が困難な場合、法制度の面からどのよう に周知されるべきであるかを見定める。その上で、現行の法制度 においては対応できない課題を検討事項として取りまとめ、次年度 以降の活動に継承する。 社会受容性の 観点 個人情報等の利活用に際し、たとえ法律に違反していなくても、多 くの市民感情として受け入れ難いものであれば風評リスクになり、 事業者がデータ利活用に萎縮してしまうため、国内外の先行例や 類似例等を鑑みて、具体的な方針・対応方法等を示す。 具体的には、昨年度までの検討状況・検討結果を踏まえつつ、下表のとおり、WG 及びSWG を設置し、検討を行った。 図表 4 本事業で設置した会議体 会議体 実施形態 座長(敬称略) 検討内容 データ流通 促進WG 非公開(一部、 公開で実施) 森川 博之(東 京大学) BtoB データ流通における課題等に ついて、ユースケースを基に検討し た。 カ メ ラ 画 像 利 活 用 SWG 公開 菊池 浩明(明 治大学) データ流通促進WG の作業部会とし て設置し、社会環境の中に組み込ま れているカメラによって取得される画 像を利用する場合の消費者に対して の透明性担保の方法について専門 的な部分を検討した。 データ連携 SWG 公開 柴崎 亮介(東 京大学) データ流通促進WG の作業部会とし て設置し、IoT データの売買を仲介 するプラットフォームが複数立ち上が ってきている中で、協調領域としてプ ラットフォーム事業者同士が連携した り、他のプラットフォーム事業者の参 入を促すために必要な取り組み(デ ータカタログの作成、API 連携など)

(10)

10 会議体 実施形態 座長(敬称略) 検討内容 について、ユースケースを基に検討 した。 IoT セキュ リティWG 非公開(メール ベース) 佐 々 木 良一 ( 東 京 電 機 大 学) IoT・AI を活用したビジネスを実現す るために必要なセキュリティについ て、専門的な部分を検討した。 以降、それぞれのWG 及び SWG の実施結果について述べる。 3.2 実施結果 3.2.1 データ流通促進 WG の実施について データ流通促進WG は、BtoB(Business to Business;企業間での商取引)にお けるデータ取引の契約の際に課題となる事象を明らかにし、新たなビジネスの創発を 後押しすることを目的として設置し、BtoB におけるデータ流通・利用等に係る課題(デ ータの特性に応じた契約条項やデータの権利帰属の考え方等)を持ち、相談が出て いる事業者を招聘し、その前進に向けた助言等を行った。更に、それぞれのユースケ ースの議論の内容を整理し、「新たなデータ流通取引に関する検討事例集 ver1.0」と して取りまとめ、平成29 年 3 月に公開した。 なお、本 WG では、データ流通に係る検討事項が多岐に渡るため、経済産業省と 総務省が連携して実施した。 図表 5 データ流通促進 WG の進め方イメージ データ流通促進WG 事業者から相談 が出ているもの 【主な相談の観点】 1.契約に関する検討事項  BtoBビジネスを展開する上で、遵守すべき法令など 2.流通するデータの扱いに関する検討事項  データの種類(個人情報やプライバシー情報を含むか 否か)に応じた対応方法  利用目的(公共性の高い利活用、ビジネス性の高い利 活用など)に応じた対応方法  第三者提供の有無に応じた対応方法 など ユースケース ベースで議論 技術的観点、制度的 観点、社会受容性の 観点等から助言 # 内容 詳細 1 本WGで相談があった取引事例ごとに議論の結果をまとめる 本WGで相談があった取引事例ごとに、概要及び事業者が悩んでいる課題に対して、本WG委員から助言があった内容を、社 名を特定できないよう整理した上でまとめる 2 本WGで相談があった取引事例に共通して参考となる委員からの意見を まとめる 上記「1.」の取引事例を基に、BtoBビジネスを展開する上 で、主に流通するデータの扱いに関して共通して参考となる WG委員からの意見をまとめる 事業者 WG委員 「新たなデータ流通取引に関する検討事例集」 取りまとめ

(11)

11 以降、実施内容の詳細について記載する。 ●本WG で扱ったユースケースについて 本WG で取り上げるユースケースについては、IoT 推進コンソーシアム会員の中か ら、データ流通・利用等に係る課題を持つ事例について募集し、下図表のとおり、平 成28 年度に合計 16 個の事例を扱った。 図表 6 本 WG で取り扱った事例一覧(順不同・敬称略) # ユースケース 取り扱うデータ 事業者から相談があった内容 1 気象データ等の 活用 気象データ、予 測データなど  物流関係業者が予測データを活用し たことにより不利益を被った場合の紛 争回避の留意点  物流関係業者が民間企業、研究機 関等へ予測データを販売する場合の 留意点 2 工 場 機 器 稼 働 データの活用 機 器 の 稼 働 デ ータ、分析デー タなど  センサーから取得した機器の稼働デ ータの利用権について  機器の稼働データを第三者提供する 場合の留意点 3 駐 車 場 稼 働 デ ータの活用 駐 車 場 の 稼 働 データ、分析デ ータなど  車番の取り扱いに関する留意点  駐車場利用者への通知・同意取得に 関する留意点 4 介護システムデ ータの活用 介護データ、分 析データなど  要介護者からのデータ提供に関する 同意の有効性について  分析データを第三者提供する場合の 留意点 5 従 業 員 の 健 康 データの活用 従 業 員 の 健 康 診断データなど  要配慮個人情報として扱うべきデー タ項目  本人同意取得時等の留意点  取得データの提供に関する留意点 6 電子レシート化 した購買データ の活用 アプリ利用者の 購買データなど  個人情報保護法第15 条第 1 項の定 め(利用目的の特定)  提供先の選定条件に対し、サービス 内容を特定するなどで代替している か  提供先企業を HP 上のページにリン

(12)

12 # ユースケース 取り扱うデータ 事業者から相談があった内容 クする等によって、HP 側にて更新し ていくことで問題ないか 7 宿 泊 予 約 デ ー タの活用 観 光 客 の 宿 泊 データなど  宿泊予約サービス事業者からデータ 提供を受ける上で、どのような権利処 理の必要があるか  民間企業・研究機関等と損失・損害 に対するリスク回避のために、契約に 含むべき条項や留意点は何か 8 オフィス内行動 データの活用 従 業 員 の デ ー タ、オフィスの環 境データなど  企業活動・会社内で発生したオフィス 内行動データの権利帰属について  オフィス内行動データの取得に対す る同意取得方法について  民間企業・研究機関等に対する、契 約による利用目的制限等について 9 店 舗 内 取 得 デ ータの活用 店 内 行 動 デ ー タなど  店舗内に設置したカメラから取得した 画像の利活用について  店舗内に設置したカメラから取得した 画像の保存について 10 公共空間から取 得されるセンシ ングデータの活 用 カ メ ラ 映 像 、 人 流データなど  公共空間にセンサーを設置する場合 の留意点  自治体がデータ利用事業者へセンシ ングデータを提供する場合の留意点 11 情 報 流 通 交 換 市場を介したデ ータ流通の促進 各 種 登 録 デ ー タ ( デ ー タ の 提 供条件、購入条 件など)  データ提供事業者、及び提供される データの信頼性を担保する方法につ いて  データ交換市場の公平性・中立性を 担保する方法について 12 デ ー タ カ タ ロ グ を通じた取引の 仲介、分析サー ビスの提供 登録データ、購 入データなど  データの権利関係の整理について  データのフリーライド対策について 13 カメラ映像流通 プラットフォーム によるデータ流 通 加工データ、分 析データなど  特徴量情報(識別符号)の保存の是 非について  開示・削除請求、オプトアウトサービ スの在り方について

(13)

13 # ユースケース 取り扱うデータ 事業者から相談があった内容  カメラ設置事業者からの委託を想定 した場合の懸念事項  運営母体や機能に関する懸念事項  本モデルの社会実装のステップにつ いて 14 お も て な し プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 流 通 モ デ ル 構 築 観 光 客 の 属 性 情報など  ローカルプラットフォーム増加に伴う 課題について

 PDS(Personal Data Store)構築に 向けて  国内法制への対応について 15 センシングデー タ流通市場の構 築 メタデータなど  生データの内容に起因する法的リス クについて  自動マッチング後の代金決済時にお ける承諾の必要性について  民間企業・研究機関等の取引が特定 商取引法の通信販売に該当するか 16 介護データの流 通 介護状況など  要介護者及び介護士の個人情報の 取り扱いについて  データ提供先の信頼性担保につい て ●構成員について データ流通促進WG では包括的かつ高次的な検討を行うために、国内事情だけで なくグローバルな視点で広い知見を有する産学界の有識者をバランスよく選定した。 上記に基づいて招聘したデータ流通促進WG の委員を下表に示す。 図表 7 データ流通促進 WG 構成員(順不同・敬称略) 業界 区分 氏名 所属 学界 座長 森川 博之 東京大学先端科学技術研究センター 教授 学界 委員 柴崎 亮介 東京大学空間情報科学研究センター 教授 学界 委員 宍戸 常寿 東京大学大学院法学政治学研究科 教授 産業界 委員 草野 隆史 株式会社ブレインパッド 代表取締役会長 産業界 委員 佐藤 史章 トーマツベンチャーサポート株式会社 事業開発部 マネージャー 産業界 委員 村上 陽亮 株式会社KDDI 総合研究所 フューチャーデザイン

(14)

14 業界 区分 氏名 所属 1 部門 3 グループ グループリーダー 産業界 委員 寺田 眞治 株式会社オプト ビジネス開発部 プロジェクトマネー ジャー 法曹界 委員 中崎 尚 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士 法曹界 委員 林 いづみ 桜坂法律事務所 弁護士 法曹界 委員 板倉 陽一郎 ひかり総合法律事務所 弁護士 ●検討状況・結果について データ流通促進WG は平成 28 年度において合計 10 回実施した。なお、第 4 回目 (5 月開催)および第 11 回目(12 月開催)は公開形式4で実施した。それ以外の回は、 ビジネスに関わる具体的な部分について委員から忌憚ない意見をいただくために、非 公開で実施した。 本年度の第4 回目から第 13 回目までの開催概要を下表に示す。なお、ここで示す 回次は、前年度からの通算回次としてのものである。 図表 8 第 4 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 5 月 31 日(火)10:00~12:00 開催場所:JIPDEC 会議室 出席者:森川座長、板倉委員、佐藤委員、寺田委員、中崎委員、林委員、村上委員 開催形式 公開(IoT 推進コンソーシアム会員からの傍聴者:65 名) 議題 1.開会 2.挨拶 森川博之 座長 3.これまでの活動報告と今後の活動予定 4.事例紹介 (事例1)札幌市の取り組み (事例2)エブリセンスジャパンの取り組み 5.座長総括 6.事務局連絡 7.閉会 配布資料  第4 回データ流通促進 WG 議事次第  資料1:データ流通促進WG 開催要綱案  資料2:これまでの活動報告と今後の活動予定  資料3:札幌市資料 4 配布資料は http://www.iotac.jp/wg/data/で公開。

(15)

15 # 内容  資料4:エブリセンスジャパン資料  参考資料1昨年度のWG の検討結果  参考資料2-1:エブリセンスサーバーサービス利用基本規約  参考資料2-2:プライバシーポリシー  参考資料2-3:エブリセンスポイント規約 議事要旨 (事例1)札幌市の取り組み 委員からの主な意見 ■データの収集について ・ 札幌市の条例によると審査会・審議会に諮る必要があるため早期着手が必要である。 ・ カメラ画像を通じて、性別・年代レベルにまでデータが丸まっていれば個人情報には 該当しないレベルであると考えられる。 ・ 特区制度を使うことも検討したほうが良い。まずは“やりたいこと”と“それに対する市の 立ち位置”を明確に検討すべきである。 ・ データ取得機器の設置に際し、道路占有に伴う使用料支払いが生じる。公共の利益 に資する取り組みであることを推し、料金面の課題を避けることも考えるべきである。 ・ 大阪駅でのNICT の取り組みなど、過去事例を参考にするべきである。 ■個人情報の取り扱いについて ・ 審議会に諮る際、必ずしも技術分野に強い委員で構成されているわけではない。丁 寧な説明が必要になる。 ・ 事業者マッチングまでを市の領域として、条例を避けることも考えられる。 ・ オープンデータについては、改正行政機関個人情報保護法において、個人情報を 作るという仕組みが含まれる。これを条例に反映することもやり方の一つではある。 ・ 個人の特徴量をデータ化したものは個人情報に該当すると判断される。条例への反 映は検討されるべきであるが、そもそも自治体マターとすべきかは難しい。 ■その他 ・ カメラ画像に対するルール整備はサブワーキングを立ち上げ検討する。本事例の課 題はその中である程度収斂できると思われる。 ・ 情報収集だけではなく、プッシュ型の配信サービスもあると思われる。その場合の課 題検討もされるべきである。 ・ 自治体による公益に資する取り組みであることをどんどんアピールすべきである。 ・ 地下街のきれいな地図を用意するだけでも基盤として有益である。 (事例2)エブリセンスジャパンの取り組み ■ビジネスモデルについて ・ エブリセンス社自身がTTP として認証される必要がある。

(16)

16 # 内容 ・ データ流通数を増やすことと、市場の信頼性を高めることは別フェーズとして検討され るべきである。 ■データの提供・受領について ・ BtoB の先にぶら下がる個人(C)が存在する場合、各個人の提供許容範囲をどのよ うにコントロールすべきかという点も、検討の射程に入ってくるのか。 ・ 今回のケースで、エブリセンス社がデータの中身に関与しない取引事例は第三者提 供に該当しないと判断している。ファームオーナー(ブローカー)と個人の間で、明確 に第三者提供に関する取決めがなされているべきである。 ■市場の公平性・中立性について ・ 市場に存在する事業者は、一定の審査の上でプラットフォーム上に参加できる仕組み を構築すべきではないか。 ・ 市場そのものの公共性・中立性を担保するためには、取引自身には関与しないことが 検討されるべきである。市場参加者のコントロールは入口でのモニタリングのみではな いか。 ・ IT 戦略本部直下に、データ流通環境整備検討会を設ける。この中で中立性などのル ールの必要性を検討していく。 ・ 第三者機関が全体監視する仕組みが必要ではないか。自身で構築するか関係機関 の巻き込みについて、提言することが必要である。 ・ トラステッドフレームワークの中でマーケットが立ち上がれば、自然競争が発生する。 今回の事例も1 社完成のマーケットではなく、競争が起きるようなあり方を検討されるこ とで、情報の経済価値が高まると思われる。 ・ JIS 等の規格に落とし込んでいくことも視野に入れるべきである。 図表 9 第 5 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 7 月 7 日(木)16:30~18:30 開催場所:経済産業省本館(1 階西共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、佐藤委員、寺田委員、中崎委員、林委員、 村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例1:従業員の健康データの活用 検討事例2:電子レシート化した購買データの活用 配布資料 非公開 議事要旨 非公開

(17)

17 図表 10 第 6 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 7 月 21 日(木)10:00~12:00 開催場所:経済産業省別館(310 各省庁共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、佐藤委員、寺田委員、中崎委員、林委員、 村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例1:工場機器稼働データの活用 検討事例2:データカタログを通じた取引の仲介、分析サービスの提供 配布資料 非公開 議事要旨 非公開 図表 11 第 7 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 8 月 25 日(木)14:00~16:00 開催場所:経済産業省本館(9 階西 8 共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、佐藤委員、寺田委員、中崎委員、林委員、 村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例1:宿泊予約データの活用 検討事例2:オフィス内行動データの活用 配布資料 非公開 議事要旨 非公開 図表 12 第 8 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 9 月 27 日(火)13:00~15:00 開催場所:経済産業省別館(1 階 108 各省庁共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、佐藤委員、宍戸委員、寺田委員、中崎委 員、林委員、村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例:気象データ等の活用 配布資料 非公開 議事要旨 非公開

(18)

18 図表 13 第 9 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 10 月 25 日(火)16:30~18:30 開催場所:経済産業省本館(1 階西共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、宍戸委員、寺田委員、林委員、村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例1:介護システムデータの活用 検討事例2:カメラ映像流通プラットフォームによるデータ流通 配布資料 非公開 議事要旨 非公開 図表 14 第 10 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 11 月 29 日(火)16:30~18:30 開催場所:経済産業省別館(11 階 1107 各省庁共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、佐藤委員、宍戸委員、寺田委員、中崎委 員、林委員、村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例1:店舗内取得データの活用 検討事例2:駐車場稼働データの活用 配布資料 非公開 議事要旨 非公開 図表 15 第 11 回データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 12 月 22 日(木)16:30~18:30 開催場所:経済産業省別館(9 階 944 会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、柴崎委員、寺田委員、中崎委員、林委員、 村上委員、カメラ画像利活用SWG 菊池座長 開催形式 公開(IoT 推進コンソーシアム会員からの傍聴者:84 名)

(19)

19 # 内容 議題 1.開会 2.【事例紹介】おもてなしプラットフォームの取り組みについて 3.【報告】カメラ画像利活用SWG の活動について 4.【審議】データ流通促進WG の成果のまとめ方(案)について 5.座長総括 6.事務局連絡 7.閉会 配布資料  第11 回データ流通 WG 議事次第  資料1-1:おもてなしプラットフォーム  資料1-2:おもてなしPF 実証説明  資料2-1:カメラ画像利活用SWG 活動報告  資料2-2:パブリックコメント概要報告  資料3:本WG の成果のまとめ方(案)について 議事要旨 【事例紹介】おもてなしプラットフォームの取り組みについて(経済産業省、デロイト ト ーマツ、大日本印刷) ■取扱うデータについて

 移動履歴に関しては、Open Geospatial Consortium で作成された標準があ る。データ形式に関する標準と最近、作成された API の表示に関する標準があ るので利用を検討してほしい。  豚肉を食べられない等の情報は、宗教に関する情報であり、要配慮個人情報に 該当する可能性がある。 ■おもてなしプラットフォームの運用について  当該事業を本格的に運用する段階では、データポータビリティに関する検討も進 んでいると考えられるので、実証実験の段階から、データポータビリティに関して 検討すると良いと考える。様々なデータがプラットフォームに蓄積されていくため 活用しないのはもったいない。プラットフォームからデータを持ち出すこともあれ ば、他サービスからデータを持ち込む場合も考えられる。

 Personal Data Store (以下、PDS)の利用を想定しているが PDS はデータが一 定期間蓄積しているものに対して、データ提供者が自身のデータを管理する仕 組みであるため当該事業に適しているのであろうか。一度だけ訪日した外国人が 帰国後に自身でデータを管理するとは考えにくい。また PDS が良いのか、デー タ取得ごとにアプリ等でオプトインさせる方法が良いのか検討する必要がある。  利用者からの同意取得を前提としている点が良いと考えるが、将来的に、事業者 間の連携等を行うにあたって、オプトアウトの対応方法等を検討する必要がある と考える。

(20)

20 # 内容  匿名加工情報にしてデータ提供を行うということであるが、更新頻度を通知して 不定期に加工して提供すると、加工された情報同士の差分によって、匿名化の 担保が困難になる。匿名性が十分に担保されるように、更新頻度や加工方法等 を検討する必要がある。  当該事業の内容を議論した時点では個人情報の保護に関する法律施行規則が 固まっていなかったため検討を行っていなかったが、同意を取得して第三者に 提供する場合、確認・記録義務が必要になる。確認・記録義務が発生していない か等、再度、個人情報の保護に関する法律施行規則等と照らし合わせて当該事 業の内容を確認する必要がある。  利用規約を各事業者に統一させる方法として、検討した利用規約の雛形に準拠 することを採択条件とすると良い。利用規約の雛形に準拠することで、個人情報 保護法等のリーガルチェックがクリアとなるといったようなインセンティブを事業者 に提供すると良い。  海外の個人情報の対応としては、ロシアでは法律で取得したデータをロシア国内 に留めて置くことが定められている等、国によっては特殊な法律があるので、その ような場合の対応を検討する必要がある。 【報告】カメラ画像利活用SWG の活動について(菊池カメラ画像利活用 SWG 座長) ■今後の検討課題について  ガイドブックでは防犯カメラを対象外としているが、実際のカメラ画像利用の現場 では、一台のカメラで防犯目的とそれ以外の目的で併用する場合が多いと考えら れる。防犯目的の場合には、カメラ画像を一定期間、保存する必要があるが、他 の目的の場合には、データ処理後に即時、データを消去することが求められる。 一台のカメラで、複数目的で利用する場合について、それぞれのデータの管理 等、詳細を検討する必要がある。  将来的には、一般車両にもカメラが搭載されることが考えられるので、一般車両に 搭載するカメラに関しても検討を行う必要がある。  データを利活用する事業においては、事業リスクが高くない場合であっても、事 業者が萎縮してしまう傾向にある。カメラ画像利活用に関するガイドブックを早期 に公開することで、データ利活用を検討している事業者の後押しになると考え る。他にもカメラ画像利用の事例があると考えられるので、ガイドブックの更新を 期待している。 ■ガイドブックの記載について  個人情報の取扱いは法律で定められているが、個人情報ではないがプライバシ ー性のあるデータの取扱いに関しては必須ではない。事業者がガイドブックの記 載内容が必須であると誤解して、データ利活用ビジネスが阻害されることがない

(21)

21 # 内容 ように記載を配慮してほしい。  今後、事例が増えてガイドブックに細分化して記載されてしまうと事業者には分 かりにくくなるため、事例を細分化せず、事業リスクが高くない事例を分かりやす い形でまとめてほしい。  スコープ外の事例に関しては、スコープ外としてまとめて記載しておいた方が分 かりやすいと考える。  ガイドブックに示されていない事項に関しては、各事業者の責任において実施 することができる旨を加筆する必要がある。  タクシーの事例に関しては誤解を招かぬよう、記載内容を見直す必要がある。 【審議】データ流通促進WG の成果のまとめ方(案)について(事務局) ■事例集のまとめ方について  全会一致で事業リスクが非常に高い、または非常に低いと判断した事例も参考と して事例集に記載した方が良いと考えるが、事業者が事例集に掲載されているよ うな条件を満たしていないといけない等と勘違いしてしまう可能性があり、記載方 法を検討する必要がある。  個別ユースケースの検討結果のイメージに示してある委員からの指摘・提案事項 に関しては、誤解を招く記載になっていると考える。これら指摘・提案事項は、 個々に詳細な事業内容を聴取した上で、個々の条件を鑑みた指摘・提案事項で あるので、前提条件を詳細に示す必要がある。  前提条件等を詳細に記載すると、各事例の企業が特定できてしまう恐れがある。 個々のユースケースとして示すのではなく、抽象化してまとめても良いと考える。  具体的な事業内容を記載するのか、抽象化して記載するのかはどちらでも良い が、助言内容があらゆるケースに当てはまるものであると誤解されないよう、記載 内容について検討してほしい。  企業の規模によって助言が変わることはある。ベンチャー企業であれば、細かく 助言を行うが、大手企業であれば、コンプライアンス対応等の社内制度が確立し ているため、細かい助言は行わないことがある。また、マスコミを利用しての告知 等、大手企業であれば対応可能な内容を助言する場合もある。これまでの事例 も、企業の規模によって助言が変化しているので、企業の規模が前提条件として 示してあると良い。  各事例での検討は行っているが各テーマに関しては議論を行っていないため各 テーマに関しての委員の意見等は、まだ事例集に明示しない方が良い。あくまで もユースケースレベルでの意見として、なるべく抽象化して掲載してもらいたい。  第1 回及び第 2 回 WG で提示された、海外のマーケットプレイス等の動向も事例 集に含めると良い。

(22)

22 図表 16 第 12 回データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成29 年 1 月 23 日(月)16:30~18:30 開催場所:経済産業省本館(1 階 東共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、寺田委員、中崎委員、林委員、村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例:データカタログを通じた取引の仲介、分析サービスの提供 配布資料 非公開 議事要旨 非公開 図表 17 第 13 回 データ流通促進 WG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成29 年 2 月 17 日(金)10:00~12:00 開催場所:経済産業省本館(1 階 東共用会議室) 出席者:森川座長、板倉委員、草野委員、宍戸委員、柴崎委員、寺田委員、中崎委 員、林委員、村上委員 開催形式 非公開 議題 検討事例:介護データの流通 配布資料 非公開 議事要旨 非公開 図表 18 データ流通促進 WG の様子(公開形式で実施した回)

(23)

23 ●新たなデータ流通取引に関する検討事例集について データ流通促進WG では、データを活用した BtoB ビジネスを検討している事業者 から寄せられた相談事項(契約に関する事項、流通するデータの扱いに関する事項 等)に対して、本WG 委員より、技術的観点・制度的観点・社会受容性の観点等から、 その解決に向けた助言等を行うことで、事業化への後押しを行った。また、相談があっ た当該事業者のみならず、データ流通を伴う BtoB ビジネスを検討している他の事業 者に対しても後押しをするために、本 WG で助言があった内容を、社名を特定できな いように整理したうえで、「新たなデータ流通取引に関する検討事例集」としてまとめ、 概要版とともに、IoT 推進コンソーシアムのホームページで公開した。 図表 19 新たなデータ流通取引に関する検討事例集 ver1.0 の公開5 本書の主な構成を下図表に示す。 図表 20 新たなデータ流通取引に関する検討事例集の概要 本書に記載したもの 記載概要 ①本 WG で相談があった事 例一覧 本 WG で扱ったユースケースについて、事業者が参 照しやすいように類型化した ②個別事例の検討結果 ユースケース毎に前提及び審議結果(相談内容及び WG 委員からの助言内容)について取りまとめた ③取引事例に関する共通意 見の整理 各ユースケースに共通して配慮すべき事項等につい て取りまとめた 5 http://www.iotac.jp/wg/data/

(24)

24 本書に記載したもの 記載概要 ④その他、データ流通を伴う ビジネスに参考となる情報 データ流通を伴うビジネスの海外事例について取りま とめた 以降、それぞれの記載内容について述べる。 ①本WG で相談があった事例一覧 本WG では、平成 28 年 1 月から平成 29 年 3 月までに、事業者から相談が寄せら れた 20 の事例を扱った。まずはこれらの事例について、取引形態の視点から、下図 表のとおり分類した。 図表 21 本 WG で相談があった事例の分類 分類 概要 本WG で扱った数 BtoB(BtoBtoC を含 む)モデル 企業間取引(メーカーと卸売間、卸売 と小売間など)、もしくは企業対消費 者間取引を伴うモデル 12 件 データ市場(プラットフ ォーム)モデル データ取引(決裁等含む)を仲介する モデル 8 件 上記のうち、BtoB(BtoBtoC を含む)モデルについては、「データの種類(個人情報 やプライバシー情報の有無)」と、「データの利用用途(公共の益に資するものか、事業 者の益に資するものか)」の2 つを軸に 4 象限で整理した。

(25)

25 図表 22 BtoB(BtoBtoC)モデルの類型化 【モデル③】 公益に資することを主目的とした ビジネスへのパーソナルデータ等 の活用 パーソナルデータ等を、個々の生活者が抱 える社会問題等を解決・改善するために用 いられるもの(介護サービス、迷子・徘徊 老人見守りサービスなど) 【モデル①】 公益に資することを主目的とした ビジネスへのセンシングデータ等 の活用 センシングデータ、統計データ等を、 多くの生活者に共通する社会課題等を 解決・改善するために用いられるもの (都市計画など) 【モデル②】 事業者の収益向上を主目的とした ビジネスへのセンシングデータ等 の活用 センシングデータ、統計データ等を、事 業者のサービスの高度化等として用いら れるもの(混雑やバリアを避けたルート 案内サービスなど) 【モデル④】 事業者の収益向上を主目的とした ビジネスへのパーソナルデータ等 の活用 パーソナルデータ等を、一人一人の生活 者にパーソナライズ化してよりよい暮ら しを実現するために用いられるもの (レコメンドサービスなど) 公益性 高 (安心安全、福祉、公益を主目的とするもの) 公益性 低 (事業者の収益向上を主目的とするもの) 機微でない 情報として の扱い データの利用用途の軸 データの扱いの軸 データの二次利用に関する生活者の受容性 生活者への配慮が重要となる (技術的、制度的対応コストが高い) 生活者に受け入れられやすい (事業者も説明しやすい) 機微な情報としての扱い (個人情報、プライバシー等) データの二次利用に関する生活者の受容性 (本WGで扱ったユースケース:1つ) (本WGで扱ったユースケース:2つ) (本WGで扱ったユースケース:3つ) (本WGで扱ったユースケース:6つ) 「【モデル①】公益に資することを主目的としたビジネスへのセンシングデータ等の 活用」は、センシングデータ、統計データ等を、多くの生活者に共通する社会課題等 を解決・改善するために用いられるものである(例:都市計画立案など)。本WG では 1 つの事例を扱った。 「【モデル②】事業者の収益向上を主目的としたビジネスへのセンシングデータ等の 活用」は、センシングデータ、統計データ等を、事業者のサービスの高度化等を実現 するために用いられるものである(例:混雑やバリアを避けたルート案内サービスなど)。 本WG では 3 つの事例を扱った。 「【モデル③】公益に資することを主目的としたビジネスへのパーソナルデータ等の 活用」は、パーソナルデータ等を、個々の生活者が抱える社会問題等を解決・改善す るために用いられるものである(例:介護サービス、迷子・徘徊老人見守りサービスな ど)。本WG では 2 つの事例を扱った。 「【モデル④】事業者の収益向上を主目的としたビジネスへのパーソナルデータ等 の活用」は、パーソナルデータ等を、一人一人の生活者にパーソナライズ化して、より よい暮らしの実現等のために用いられるものである(例:レコメンドサービスなど)。本 WG では 6 つの事例を扱った。 なお、データ市場(プラットフォーム)モデルについては、本 WG で扱った事例では、 一部構想段階に止まっているものもあり、もう少しビジネスモデルを具体化してから再 度WG で審議し、類型化することとした。

(26)

26 ②個別事例の検討結果 本WG で取り扱った個別事例の概要と、WG 委員からの助言内容について、下図表 をフォーマットとして整理した。なお、個別事例の検討結果は、各社の事業に係るもの なので、事業が特定されてしまう内容(社名、サービス名、サービス内容の詳細など) は伏せて記載した。 図表 23 個別事例の検討結果のフォーマット その他事業者 その他事業者 ユースケース前提について 相談者の業 種・役割など 【本WG相談者の業種】 【本WG相談者の役割】 【現状及び今後の展望など】 対象となる データ データの利用 目的 【データ取得事業者(本WG相談者)】 【データ利用事業者】 契約関係 【委託契約】 【売買契約】 本WGでの審議 相談内容 WG委員からの 回答 ビジネス全体像 データ データ データ データ 事例中のデータフローを図化 本WG相談者が、 ・どのような業種であるか ・データフロー中のどの役割を担うか ・どこまでが実現できていて、今後目指すところは何か を記載する 相談時点で想定されている、データの利活用方法について記載す る 相談事例において、取り扱われるデータの内容と流通先について 記載する 相談事例において、発生し得る契約関係について記載する 〈概要〉 事例の概要を記載 事業者が相談事項として持ち込んだ論点を箇条書きする 相談事項ごとに、WG委員から得られた指摘・助言を整理 する

(27)

27 ③取引事例に関する共通意見の整理 本WG で取り扱った事例のうち、BtoB(BtoBtoC 含む)モデルの検討結果を基に、 IoT データ流通を伴う BtoB データビジネスの展開にあたって、主にデータ取得・提供 者が流通する IoT データの扱いに関して共通的に配慮すべき事項をまとめた。具体 的には、IoT データの扱いについて、下記に示した観点から、IoT データの流通サイク ル(取得時、加工・蓄積時、提供時)に沿って、主にデータ取得・提供者の配慮事項を 示した。(なお、ここで記載した配慮事項は、WG 委員から助言があった内容を基にま とめたものであり、事業者が留意すべき内容を網羅するものではないものである。) 図表 24 データ流通サイクルに沿った配慮事項の観点 Raw データ 配慮事項の観点 概要 データの利用目的 • 公共性の高い利活用、ビジネス性の高い利活用 など データの種類 • 個人情報やプライバシー情報を含むか否か など データの利用範囲 • データの第三者提供の有無 など DB Ⅰ.取得における配慮事項 Ⅱ.加工・蓄積等における配慮事項 サービス Ⅲ. 提供・二次利用における配慮事項 加工・蓄積時 提供・二次利用時 取得時 ④その他、データ流通を伴うビジネスに参考となる情報 データ流通を伴うビジネス(BtoB モデル及びデータ市場モデル)について、本 WG で相談が事例のみならず、主な海外事例について調査し、結果を記載した。 図表 25 データ流通を伴う海外事例について ビジネスモ デル パターン 記載した海外事例 記載内容 BtoB (BtoBtoC) モデル 【モデル①】公 益 に 資 す る こ とを主目的とし た ビ ジ ネ ス へ の セ ン シ ン グ データ等の活 用 Rhythm Engineering(InSync)  契約関係とデータの流 れ  会社概要(所在地、事業 内容など)  沿革・サービス概要  データの扱い等につい て など

(28)

28 ビジネスモ デル パターン 記載した海外事例 記載内容 【モデル②】事 業者の収益向 上 を 主 目 的 と し た ビ ジ ネ ス へ の セ ン シ ン グ デ ー タ 等 の 活用 The Climate Corporation(Climate FieldView) 【モデル③】公 益 に 資 す る こ とを主目的とし た ビ ジ ネ ス へ の パ ー ソ ナ ル データ等の活 用 Knewton(適応学習サ ービス) 【モデル④】事 業者の収益向 上 を 主 目 的 と し た ビ ジ ネ ス へのパ ーソ ナ ルデータ等の 活用 CytexOne(スマートホ テルソリューション) データ市場 ( プ ラ ッ ト フ ォ ー ム ) モ デル - Acxiom  契約関係とデータの流 れ  会社概要(所在地、事業 内容など)  沿革・サービス概要  データの扱い等につい て  利用規約の内容につい て(一部抜粋)  データ の利用目的 に特有な条件  データの権利帰属  データ 受領者にお ProPublica DataPublica QuintilesIMS Twitter

(29)

29 ビジネスモ デル パターン 記載した海外事例 記載内容 ける安全管理措置  デ ー タ の利 用 に 起 因する紛争 対応責 任関係  対価条件、その考え 方  プライバシー関連の 条件 3.2.2 カメラ画像利活用 SWG の実施について データ流通促進 WG で相談が寄せられたユースケースでは、社会環境に組み込ま れているカメラ(屋外や店舗等に設置されているもの)の活用を希望する事業者が数 多くあった。具体的には、小売業界においては、来店客の分析による精緻なマーケテ ィング、店舗運営の効率化、仕入れ商品の廃棄ロスの削減等の実現、また、都市計画 においても、災害時の避難計画や群集誘導支援の実現などがあった。 そこで、事務局でカメラ画像の利活用ニーズ、及び利活用時の課題等について調査 し、下図表のとおりまとめた。 図表 26 カメラ画像の利活用で実現できること(利用ニーズ)

(30)

30 図表 27 カメラ画像の利用ニーズの例(事務局調べ) ニーズ 内容 人材の効率利用 店舗に設置されたカメラ映像から、レジ待ち等の状況を把握し、品 出し担当をレジ応援に向かわせる等 施設維持の効率 化 店舗に設置されたカメラ映像から、人流データを生成し、照明・空 調調整などに利用等 施設の効率運用 エレベータ内に設置されたカメラ映像から、乗降状態を確認し、制 御を行う等 防災等の利用 災害時、店舗に設置したカメラ映像から、空間内にいる人数を把 握し、防災センターへ通知する等 街 づ く り 等 の 利 用 街頭に設置されたカメラ映像から、季節・時間などの人流データを 作成し、歩道拡幅や自転車専用道設置など街づくりに活かす。 図表 28 カメラ画像利活用時の課題等について(事務局調べ) 観点 内容 対応方法(案) カメラ画像の利用 の許諾について 事業者はある目的を達成するため に、カメラを設置・撮影しているが、 現状は勝手に撮影しているため、 生活者(映像に映り込む人)は、画 像データの取得及び活用について 事前同意が実質不可能である(自 分の映像が記録されることに対し て、オプトイン/オプトアウトができ ない) 設置場所、設置目的等を きちんと明示することで、 透明性を担保できないか 現行法では、カメラの利活用につ いて目的外利用を禁じている 個 人 を 識 別 し な い 形 ( 人 数、動きのみをカウントする など)にするとともに、その 他必要な配慮事項に対応 することでクリアできないか カメラ画像の利活 用 時 の 課 題 に つ いて カメラ画像の利活用時のプロセス に応じた適切な対応方法が分から ない [取得時]  利用目的を判り易く通知する 事業者の配慮事項につい て、明文化できないか

(31)

31 観点 内容 対応方法(案) 方法がわからない。 [加工時]  取得したデータに対し、関連 法制度(個人情報保護法等) の観点からどう対応すれば良 いかがわからない。 [利用時]  一般に、情報の取扱い等につ いての透明性を担保する方法 がわからない。  他から調達したデータと組み 合わせて使ってはいけないデ ータがわからない。 [安全管理措置]  取得/加工したデータの適切 な保存管理・運用方法がわか らない。 [その他]  利用目的ごとにカメラを設置す るのは、費用がかかる。 上記のカメラ画像利活用において、データ流通促進WG の作業部会として設置した 「カメラ画像利活用検討 SWG」では、カメラ画像を活用するユースケースを基にして、 事業者が配慮すべき事項(主に取得時の配慮、利用時の配慮、必要な安全管理策) と生活者に対する透明性担保の方法を中心に議論し、結果を明文化する(ガイドブッ クを作成する)ことで、事業創出を後押しすることを目的として設置した。なお、データ 流通に係る検討事項は多岐に渡るため、経済産業省と総務省が連携して実施した。

(32)

32 図表 29 カメラ画像利活用 SWG の位置づけ ●本SWG のスコープについて カメラ画像利活用 SWG のスコープは、「カメラの設置形態」及び「カメラの設置空 間」の観点により分類し、下図表のように設定した。本 SWG においては、個人を識別 できるレベルで撮影された画像を取得するケースを対象としたが、別途保有している 個人情報を含むリスト等との照合を行うケース、即ち、映り込んだ人物を特定する利活 用ケースは対象に含んでいない。これにより、防犯目的での利活用ケースも対象から 除外した。 図表 30 カメラ画像利活用 SWG のスコープ

(33)

33 ●対象としたユースケースについて カメラ画像利活用SWG で取り扱ったユースケースについて、以下に示す。なお、適 用ケースの番号は、前述した図表 30 において、赤字で示した番号と同一である。 図表 31 検討対象としたユースケース一覧 # 適用ケース 事業者 (1) 店舗内に設置したカメラで撮影された画像より、来店客 の人物属性を推定するケース 日本電気株式会社 (2) 店舗内に設置したカメラで撮影された画像より、来店客 の店内での行動を推定するケース 日本電気株式会社 (3) 屋外に向け設置したカメラで撮影された画像より、人物 形状を認識し、撮影地点の通過量を計測するケース 日 本 シ ス テ ム ウ ェ ア 株式会社 (4) 屋外に向け設置した車載カメラで撮影された風景画像 より、街の変化点を把握するケース 一 般 社 団 法 人 東 京 ハイヤー・タクシー協 会 (5) 駅構内(改札前)に設置したカメラで撮影された画像よ り、人物の滞留状況を把握するケース 東 京 急 行 電 鉄 株 式 会社 ●構成員について カメラ画像利活用 SWG では包括的かつ高次的な検討を行うために、国内事情だ けでなく、グローバルな視点で広い知見を有する産官学界の有識者をバランスよく選 定した。具体的な選定の観点について、下表に示す。 図表 32 カメラ画像利活用 SWG 構成員の選定の観点 業界 重視した選定の観点 学 界 ・ 法 曹界 IoT 時代のデータ流通取引、特にカメラ画像の取り扱いの問題に精通し、法 解釈論、プライバシー保護、データ利活用のバランスのとれた構成とする。 産業界 大手企業、ベンチャー企業問わず、法規制とカメラ画像利活用事例の問題に 精通し、データの保護と利活用のバランスのとれた構成とする。 上記に基づいて招聘したカメラ画像利活用SWG の委員を下図表に示す。 図表 33 カメラ画像利活用 SWG 構成員(順不同・敬称略) 業界 区分 氏名 所属 学界 座長 菊池 浩明 明治大学 総合数理学部先端メディアサイエンス学科 教授

(34)

34 業界 区分 氏名 所属 学界 委員 美濃 導彦 京都大学 学術情報メディアセンター 教授 法曹界 委員 板倉 陽一郎 ひかり総合法律事務所 弁護士 法曹界 委員 小林 正啓 花水木法律事務所 弁護士 産業界 委員 長岡 勢二 株式会社ファミリーマート システム統括部長 産業界 委員 平林 司光 セコム株式会社 開発センター画像システムG 統括担 当 マネージャー 産業界 委員 草野 隆史 株式会社ブレインパッド 代表取締役会長 産業界 委員 水島 九十九 一般社団法人電子情報技術産業協会 データ保護専 門委員会 委員長 産業界 委員 宮津 俊弘 パナソニック株式会社AVC ネットワークス社 企画管理 部情報セキュリティ課 主幹 産業界 委員 上田 淳 株式会社日立製作所 新事業開発本部 技師 産業界 委員 香月 啓佑 一般社団法人インターネットユーザー協会 事務局長 産業界 委員 辰巳 菊子 公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサル タント・相談員協会 常任顧問 ●検討状況・結果について カメラ画像利活用SWG は平成 28 年度において合計 4 回実施した。なお、全ての 回を通して公開形式6で実施した。 第1 回目から第 4 回目までの開催概要を以降に示す。 図表 34 第 1 回 カメラ画像利活用 SWG 開催概要 # 内容 開催概要 開催日時:平成28 年 7 月 27 日(水)15:00~17:00 開催場所:機械振興会館 6 階 6-66 会議室 出席者:菊池座長、板倉委員、小林委員、平林委員、草野委員、水島委員、宮津委員、 上田委員、香月委員、辰巳委員 開催形式 公開(IoT 推進コンソーシアム会員からの傍聴者:86 名) 6 配布資料は http://www.iotac.jp/wg/data/で公開。

図表  76  IoT 推進ラボ Web ページ(トップページ)
図表  77  IoT Lab Selection 提案内容共有ページ(会員専用ページ)

参照

関連したドキュメント

業務繁忙時にも対 応できるよう、施 設に必要な従事者 を適正に配置する とともに、利用者 サービス向上、効 率的・効果的な管 理運営の観点を踏

では「ジラール」成立の下限はいつ頃と設定できるのだろうか。この点に関しては他の文学

これらの先行研究はアイデアスケッチを実施 する際の思考について着目しており,アイデア

共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果

FSIS が実施する HACCP の検証には、基本的検証と HACCP 運用に関する検証から構 成されている。基本的検証では、危害分析などの

析の視角について付言しておくことが必要であろう︒各国の状況に対する比較法的視点からの分析は︑直ちに国際法

このような環境要素は一っの土地の構成要素になるが︑同時に他の上地をも流動し︑又は他の上地にあるそれらと

先ほどの事前の御意見のところでもいろいろな施策の要求、施策が必要で、それに対して財