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4 検討結果の普及啓発

4.2 実施内容

4.2.2 IoT Lab Connection の実施

分野・産業の壁を越えたデータ利活用を促進する企業連携を促進することを目的と し、IoT 推進ラボと連携して、複数テーマを設定したビジネスマッチングイベント

「Solution Matching」を開催した。

図表 64 イベントの概要

名称 テーマ別企業連携・案件組成イベント 第4回 Solution Matching 日時 平成29年3月13日(月)

場所 一橋講堂(〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術センター内)

テーマ ① フィンテック

Financial Technology:ITを活用した金融サービスによる新サー

ビス創出や、異業種(自動車、住宅、流通など)との融合における 新たな価値創造を目指すもの。

② 教育

学習データ(ビッグデータ)の分析による、個人にあった学習プログ

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ラムの提供、eラーニングの高度化、登下校時の見守りや学習環境 の維持などに、IoTの活用シーンを想定したもの。

③ 農業・食品

農業では、産業機械の自動走行、ロボット等による作業補助、セン シングによる生産量予測などを目指したもの。

食品では、店舗から取得したセンシングデータ活用による廃棄ロス の削減、バリューチェーンの最適化などを目指したもの。

具体的には、IoT 推進ラボ会員企業、団体等から、テーマに関し、保有するサービ ス・製品・技術等のシーズを持つ企業・団体、または、求めるサービス・製品・技術・ビ ジネスアイデア等のニーズを持つ企業・団体を募集した。その後、参加者のシーズ・ニ ーズを一覧化(『応募者一覧』)し、『応募者一覧』の中から会いたい相手先を各参加 者が選び、事務局がスケジューリングの上、イベント当日に 20 分程度の個社別ミーテ ィングを1応募当たり平均5~6の個別ミーティングをセッティングした。

Solution Matching実施の流れを下図表に示す。

図表 65 Solution Matching実施の流れ

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第4回Solution Matchingではフィンテック、教育、農業・食品をテーマに平成29

年3月13日に開催し、254名(131社・団体)の参加を得、約461件のマッチングを 実施した。

図表 66 第4回Solution Matchingの様子

フィンテック分野では、生体認証・決済などの端末・デバイスを保有する企業、IoT デバイスからのデータを収集しビッグデータ解析するプラットフォームや、ブロックチェ ーンを活用したプラットフォームを保有する企業、AI による判断の自動化や、PFM

(Personal Financial Management)などのアプリケーションを保有する企業などの 参加を得た。また、業務効率化や顧客への新たな付加価値創出のための協業先を探 す金融機関など既にユーザー/顧客基盤・ビッグデータを保有する企業の参加も多く 得られた。

教育分野では、ウェアラブルリストバンドや電子黒板などの端末・デバイスを保有する 企業、個々人の学習進度に合わせたアクティブラーニング、保育・教育環境のセンシ ングによる見守りや異常検知、プログラミング学習・IoT 人材育成などのアプリケーショ ンを有する企業などの参加を得た。IoT による新たなサービス創出を期待し、学習参 考書・資格書などのコンテンツを有する企業からの参加もあった。

農業・食品分野では、漁場、農地、中山間地域などを対象とした温湿度・気圧・CO2 濃度・土壌状態などをセンシングする端末を保有する企業、エナジーハーベストな独 立型センシングデバイスを保有する企業、ドローンを保有する企業、作物の育成診 断・AI を活用した収量予測、作業効率化(農業機械の作業計画立案)、フードディフ ェンス・真贋チェック・物流効率化、植物工場などのアプリケーションを保有する企業、

IoT 機器の実証実験が可能な農地をフィールドとして持つ企業などの参加を得るとと もに、分野横断的にIoTデータの流通を仲介プラットフォーム事業者の参加も得た。

イベント後に開催した参加者へのアンケート調査では、連携先企業が見つかったと する参加者が15%、継続的に事業企業連携検討を進める相手先が見つかったとする 参加者が7割を超えた。イベント全体の満足度は、アンケート回答者の7割以上が「満

98 足」と回答した。

ビッグデータを保有する多くの事業者の参加を得られたとともに、分野横断的にデー タ流通を仲介する事業者の参加も得られるなど、本イベントを通じて、分野・産業の壁 を越えたデータ利活用を促進する企業連携を促進することができた。