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4 検討結果の普及啓発

4.2 実施内容

4.2.1 WG 活動の紹介

本事業で実施した各WG 及び SWGでは、分野・産業の壁を越えたデータ利活用 を促進することを目的として、データ流通及びセキュリティ等の観点から、ニーズオリエ ンテッドの観点でユースケースベースに検討を重ね、検討結果についてはガイドブッ ク等に取り纏め、公開した。

これらの取り組みについて、IoT 推進ラボ合同イベントにおいて、パネル展示・チラ シ配布等を行うとともに、来場者と意見交換を実施した。

図表 56 IoT推進ラボ合同イベントで紹介した内容

展示物 内容

パネル展示(計3種、A1カラー)  データ流通における検討事例集

 カメラ画像利活用ガイドブック

 IoTセキュリティガイドライン

チラシ配布(計3種、A4カラー)  データ流通における検討事例集(50部)

 カメラ画像利活用ガイドブック(50部)

 IoTセキュリティガイドライン(50部)

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図表 57 パネル(データ流通における検討事例集)

【モデル①】

社会課題解決型ビジネスへの センシングデータ等の活用 センシングデータ、統計データ等を、

多くの生活者に共通する社会課題等を 解決・改善するために用いられるもの

(都市計画など)

【モデル③】

社会課題解決型ビジネスへの パーソナルデータ等の活用 パーソナルデータ等を、個々の生活者が 抱える社会問題等を解決・改善するため に用いられるもの(介護サービス、迷子・

徘徊老人見守りサービスなど)

【モデル②】

民間ビジネスへのセンシングデータ 等の活用 センシングデータ、統計データ等を、事 業者のサービスの高度化等として用いら れるもの(混雑やバリアを避けたルート案

内サービスなど)

【モデル④】

民間ビジネスへの パーソナルデータ等の活用 パーソナルデータ等を、一人一人の生活 者にパーソナライズ化してよりよい暮ら しを実現するために用いられるもの

(レコメンドサービスなど)

公益性

(安心安全、福祉など公共の益に資するもの)

ビジネス性

(事業者の益に資するもの)

機微でない 情報として の扱い

データの利用用途の軸

データの扱いの軸

データの二次利用に関する生活者の受容性 生活者への配慮が重要となる

(技術的、制度的対応コストが高い)

生活者に受け入れられやすい

(事業者も説明しやすい)

機微な情報としての扱い

(個人情報、プライバシー等)

データの二次利用に関する生活者の受容性

(本WGで扱ったユースケース:1つ) (本WGで扱ったユースケース:2つ)

(本WGで扱ったユースケース:3つ) (本WGで扱ったユースケース:6つ)

データ流通促進ワーキンググループ(WG)について

データ流通における検討事例集(仮)について

経済産業省及び総務省では、B2Bのデータ取引契約の際に課題となる事象について、IoT推進コ ンソーシアム会員から寄せられた事例をもとに、技術的観点・法的観点・社会受容性の観点等か ら「こうすればうまくいくのではないか」を議論する場としてWGを設置。

本WGは原則非公開・月1回のペースで実施。平成28年1月から平成29年3月までに20個のユース ケースを扱い、業界を横断したデータ利活用を後押し。

区分 氏名(順不同、敬称略) 所属

座長 森川 博之 東京大学先端科学技術研究センター 委員 板倉 陽一郎 ひかり総合法律事務所

草野 隆史 株式会社ブレインパッド

佐藤 史章 トーマツベンチャーサポート株式会社 宍戸 常寿 東京大学大学院法学政治学研究科 柴崎 亮介 東京大学空間情報科学研究センター 寺田 眞治 株式会社オプト

中崎 尚 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 林 いづみ 桜坂法律事務所

村上 陽亮 株式会社KDDI総合研究所 事務局 経済産業省商務情報政策局情報経済課

総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課

(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)

※平成28年5月31日に公開形式で実施した様子

データ流通促進WGで扱ったユースケースについて、

概要及び本WG委員から助言があった内容を、社 名を特定できないように整理し、「IoT推進コン ソーシアム」のホームページにて公開予定。

B 2 Bデ ー タ 取 引 時 の 課 題 や 悩 み 解 決 を サ ポ ー ト

データ流通における検討事例集

データ流通促進WGについては、

こちらからご参照ください。

平成29年度も引き続き、IoT推進コンソーシアム会 員からの相談を受け付け、WGを開催する予定です。

ご相談したいことがありましたら、事務局までお気 軽にお問い合わせください。

【e-mail:iot-info@jipdec.or.jp】

※B2Bモデルの類型化イメージ

データ流通促進WG 事業者から

相談が出て

いるもの 【主な相談の観点】

1.契約に関する検討事項

B2Bビジネスを展開する上で、遵守すべき法令な

2.流通するIoTデータの扱いに関する検討事項

データの種類(個人情報やプライバシー情報を含 むか否か)に応じた対応方法

利用目的(公共性の高い利活用、ビジネス性の高 い利活用など)に応じた対応方法

第三者提供の有無に応じた対応方法 など ユースケース

ベースで議論

技術的観点、制度的 観点、社会受容性の 観点等から助言

事業者 WG委員

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図表 58 パネル(カメラ画像利活用ガイドブック)

カメラ画像利活用サブワーキンググループ(SWG)について

カメラ画像利活用ガイドブックver1.0について

カメラ画像については、顧客満足度の向上等の観点で利活用ニーズが高い。

事業者は、カメラによる撮影にあたっての事前告知等、生活者とのコミュニケーションに課題が あることで、カメラ画像の利活用を躊躇。

生活者の不安(例えば「データの利用目的が分からない」等)を払拭することが必要。

設置の背景

事業者がカメラ画像を利活用するにあたっての主な配慮事項を取りまとめるため、 「データ流通促 進WG」の配下に「カメラ画像利活用SWG」(座長:菊池浩明 明治大学教授)を設置し、平成28 年7月から10月にかけ、計4回開催。事業者によるユースケースを基に、課題解決の参考となる情報 を成果物(=ガイドブック)として整理。

ガイドブックの位置づけ

生活者とのコミュニケーション方法を検討する等、生活者と 事業者間での相互理解を構築するための参考とするもの。

(記載された配慮事項を事業者へ強制するものではない。)

これらを基に、事業者の業界・業態に応じた利活用ルールの 設定を期待。

ガイドブックの対象

個人情報保護法等関係法令を遵守し、個人を特定する目的 以外の目的で、カメラ画像の利活用を検討する事業者。

※防犯目的で取得されるカメラ画像の取扱いは対象外

利活用の過程毎に 配慮事項を整理。

①基本原則

②事前告知時

③取得時

④取扱い時

⑤管理時

ガイドブックで取り上げたケース

(1) 店舗内設置カメラ (属性の推定)

(2) 店舗内設置カメラ (人物の行動履歴の生成)

(3) 屋外に向けたカメラ (人物形状の計測)

(4) 屋外に向けたカメラ (映り込みが発生し得る風景画像の取得)

(5) 駅構内設置カメラ (人物の滞留状況把握)

生 活 者 に 理 解 し て も ら う た め の 配 慮 事 項 を 整 理

カメラ画像利活用ガイドブック

店舗内全体 特定の棚前

カメラ 専用センサ

(ステレオカメラ等)

データ 集計

データ 分析 行動データ

DB

適用ケース(2)のイメージ

経済産業省ニュースリリース

※平成29年1月公開

品揃えの充実やマーチャンダイジング

(店舗内レイアウト変更等)に活用 来店者の 行動履歴

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図表 59 パネル(IoTセキュリティガイドライン)

IoTセキュリティワーキンググループ(WG)について

IoTセキュリティガイドラインver1.0について

経済産業省及び総務省では、IoTを活用した革新的なビジネスモデルを創出していくとともに、

国民が安全で安心して暮らせる社会を実現するために必要な取組等について検討を行うことを目 的として、「IoTセキュリティWG」(座長:佐々木良一 東京電機大学教授)を設置。

平成28年7月に「IoTセキュリティガイドラインver1.0」をリリース。

※第1回IoTセキュリティWGの様子

I o Tデ バ イ ス 開 発 者 向 け に リ ス ク と 対 策 を 解 説

IoTセキュリティガイドライン

本ガイドラインは、IoT機器やシステム、サービスの提供にあたってのライフサイクル(方針、

分析、設計、構築・接続、運用・保守)における指針を定めるとともに、一般利用者のための ルールを定めたもの。

各指針等においては、具体的な対策を要点としてまとめている。

IoT推進コンソーシアムとWGの関係(※下図赤枠部分)

IoTセキュリティガイドラインは こちらからご参照ください。

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図表 60 パネル展示会場の様子

本イベントにて WG 紹介ブースへ立ち寄りいただいた数はおよそ 100 名であった。

来場者の種別も、省庁、自治体、事業者、学生、業界団体等、幅広い層に渡るととも に、パネル展示、説明員による説明、チラシ配布により理解を深めていただくことがで きたとともに、多くの来場者と意見交換を実施することができ、盛況のうちに終了した。

来場者から寄せられた主な意見を以下に列挙する。

図表 61 来場者からいただいた主なご意見

対象パネル ご意見

データ流通にお ける検討事例集

 IoTでは様々な機器がつながることで、新しいデータを業界横 断してやり取りすることが特徴である。但し、ビジネス化にむけ ては、データの扱いなど、悩みを抱えていたり、そもそも何に活 用できるのかに悩んでいる事業者も多いので、相談の場がある のはよいことである。

 エブリセンスの回を傍聴した。とても参考になった。

 事例集が公開されたとは知らなかった。参考にする。

 今後の事例の積み上げに期待している。

カメラ画像利活用 ガイドブック

 カメラ画像は様々な分野でニーズが高い。農業にも活用できる かもしれないと感じた。

 本ガイドブックを参考に取り組みたい。

 防犯目的の多用途流用について触れてもらいたい。

 車内映像の活用で、交通系ICカードの無い地域でも乗降数 から 混雑状況を推測する取り組みをやってみたい。

 サーバーではなくカメラ側で処理する事例も増えているので技 術要件でも整理されるとうれしい。

 データの所有権等の整理が難しく、もっと事例が欲しい。

 次年度以降も継続して検討を重ねてほしい。

 基本的な活用方法だけではなく、もっと入り組んだ事例も欲し かった。

 公的機関で取得している画像データの活用など検討されない のか(運転免許証やパスポート写真など)