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4 検討結果の普及啓発

4.2 実施内容

4.2.3 データイノベーションワークショップの実施

98 足」と回答した。

ビッグデータを保有する多くの事業者の参加を得られたとともに、分野横断的にデー タ流通を仲介する事業者の参加も得られるなど、本イベントを通じて、分野・産業の壁 を越えたデータ利活用を促進する企業連携を促進することができた。

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また、審査員(後述)が審査をし、各テーマ3チームの中から優秀1チームを決定。

それぞれ2チームは一橋講堂にて、アイデアの発表及び表彰を行った。

イベント当日のタイムテーブルは以下の通りである。

図表 68 イベント当日のタイムテーブル

時間 項目 詳細

10:00~10:05 イントロダクション テーマや評価基準についての紹介

10:05~10:15 アイスブレイク チームメンバーの自己紹介

10:15~10:45 テーマについての

インプット

 ヘルスケア

経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課

 地域課題(除雪)

福島県会津若松市

10:45~12:35 フューチャーランゲ

ージ

未来のイメージと現状の問題・悩みの共有

12:35~13:20 休憩 -

13:20~13:40 アイデアスケッチ フューチャーランゲージで整理した事項を形にするた

めのアイデア出し

13:40~14:00 体験スケッチボード 創出したアイデアを顧客目線で捉えるための整理

14:00~14:05 休憩 -

14:05~15:00 プレゼンテーション 6チームによるプレゼンテーション

15:00~15:15 審査・休憩 審査員2名により審査を実施

15:15~15:30 まとめ・講評 優秀2チームを決定・アンケート・記念撮影

15:30~16:30 講堂発表準備 優秀2チームは講堂での発表に向け準備

16:30~16:50 講堂発表・表彰式 講堂での発表

●「フューチャーランゲージ」の実施

「フューチャーランゲージ」は未来のイメージと現状の問題・悩みを結び付けながら、

両者の橋渡しとなる言葉(ランゲージ)を編み出していく手法である。

参加者はまず、テーマに対する未来のあるべき姿を書きだし、一方で、現状におけ る問題・悩みも書き出す。それぞれ似た概念のものをグルーピングし、未来と現状を線 で結んで、その概念を言語で表した。

ワーク終了後、各チームの成果物をホワイトボードに貼り、共有した。

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図表 69 フューチャーランゲージの様子

●「アイデアスケッチ」の実施

それまでの話し合いにて創出されたアイデアを整理するワーク。A4白紙を使用し、1 アイデアを1枚にまとめた。1人2~3枚程度、そのアイデアは、誰に対し、どのような 価値を提供するのか、絵を使いまとめた。その後、チーム内でアイデアを共有し、プレ ゼンにて発表するアイデアを選定した。

図表 70 アイデアスケッチの様子

●「体験スケッチボード」の作成

創出したアイデアを顧客目線で捉えるためのフォーマットを紹介するとともに、シート を活用し各チームプレゼン準備を行った。

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図表 71 体験スケッチボード作成の様子

●審査・評価基準について

優秀チームを決定するための審査基準は以下の通りである。

図表 72 審査・評価基準

上記評価基準に沿って、以下の審査員2名による厳正な審査を実施、優秀2チーム を決定した。また、審査員はメンターとして、各チームのプレゼン準備サポート及び講 堂での発表会時の司会も行った。

●講堂発表・表彰

優秀 2 チームはワークショップ終了後、一橋講堂にてプレゼンテーションを実施した。

受賞チーム等は以下の通りである。

図表 73 受賞チームの概要

テーマ チーム名 アイデアの概要 優れていた点

ヘルスケ 全 国 統 一 健 健康診断結果を企業が期 健康診断データをクラウドで共

102

テーマ チーム名 アイデアの概要 優れていた点 ア 康診断 間内に国に提出する。分

析した情報や結果を公表 し、偏差値が高い企業に は税控除や保険の優遇が うけられる。

また、公表したデータを活 用した新しいビジネスのき っかけになることも期待し ている。

有することによる、ビジネス面 も含めたエコシステムがプレイ ヤー毎に具体的にイメージさ れていた点が評価された。

地 域 課 題 ( 除 雪)

み ん な の SNOW

クレームがでる前に、全体 像(自分よりひどい地域あ るとお伝えする)を見せる ことでクレームを減らすア イデア。データを収集して 可視化して、機械でできる ことは機械ですることを目 指す。

降雪状況や除雪状況などを可 視化することで皆が納得できる ようにするというコンセプトが評 価された。また、雪の状況を把 握する為に、会津若松市のオ ープンデータや人の移動デー タなど、具体的なデータセット が提示されていた。

図表 74 講堂での発表・表彰の様子

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●アンケート結果

本イベント終了後、参加者へアンケートを実施した(回答者数35)。

図表 75 アンケート回答(満足度)結果

上記の通り、参加者の9割以上は「満足」という結果となった。今回取り上げたテー マについては「東京ではなじみがない、地方の課題について考えるいいきっかけにな った(地域課題)」「健康経営については最近のトレンドですのでテーマとして面白かっ た(ヘルスケア)」等評価する意見があった。一方、「課題が大きく、絞りにくかった(地 域課題)」「テーマを狭くしたほうが具体的な意見が出やすいと思った(ヘルスケア)」と いう声や、全体として「時間が足りなかった」との声もあり、今後はテーマ設定の仕方や 時間配分(特に発表準備時間)については見直す必要がある。

参加者数は 37 名と決して多くはなかったが、異業種・多様な組織からの参加を得、

また参加者の大半がテーマに興味・関心のある事業者であったため、限られた時間で、

非常に有意義で具体的なアイデア創出ができた。

また、テーマを2つ設定し、別テーマのチームの参加者とも意見交換をする機会(時 間)を作ることで、単一テーマで開催したときにはない、多角的な視点・意見を交換す ることができた。関氏、角氏がアドバイザーとして全てのテーブルに回ったことで、円滑 に案出を促すことができた。

参加者の満足度は非常に高く、他企業の方が集まっているので、アイデア創出のみ ならず、参加者間のマッチングとしての機能も果たすことができた。

このような形によるアイデア創出は積極的なデータ利活用の促進に寄与するだろう。

一方で、今後、テーマ設定や時間配分、参加者及び優秀チームへのインセンティブ 設計を工夫することで、より良いアイデアの創出につなげることができると考える。

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