112 東京女醤學會第酋同時會記事 率を低下ぜしめるとは云ふも’の玉極粘度のものに於ては必ずしも外科的侵襲を加ふる. ごとなて,∴姑息的療法によ』つても輕快治癒せしめ得る・ことは余等の第三例で明らかで あるからである:。然し常に警戒を怠らすダ病歌悪化の様子が見えた時は.徒に逡巡して. 時期を失ぜざるやうにすべきである。 要ぼ早期診噺と共に肺症病憎め深程を確實にすると云ふことになる。 以..ヒ當教室で:経験した五例についで少しぐ考按を加へた次第である。
午後の部(午後一時一六時)
座 長(自持番室26番〉 岡 』本 陽 七23.小鬼の外科的疾患
東京女子凹目專門一校外科教室. 松 村 鐵 子 小児は解剖學的に,或は生物學的に,成人とは甚だ異る庭あるは,既に周知の事 實にし’亡,從って小兄の外科的疾患は從來の一般外科的見地とば別箇の範園に於て論 ず可きも’のな.り「との読.直近に到りて盛んに唱へられ,之れが特殊的観察,批判等諸 々に散見さるS.に到れり。 一般の常識的見解に從ぺぼ,小兄の外科的疾患に封ずる諸種め手術的侵襲の結果は 甚だ不良め如く「考られしも,余等多数の経験の結果はt,必ずしも・然らす,或る場合に 於ては成人に於けるよりも,容易に突破し得べき諸種の鮎在る事を味到し得たれぽ, 最近三ケ年聞,當科に於て入院治療を受けたる,満十五歳以下,男児九十四名,女子 69名,合計163名に就き,之等二,三の貼に就きて聯か槍討,考慮せんとす因みに全例 数は,同年聞に於ける.全入野牛の18.11%を占めた、り。 第一.生づ全症例を疾患別に分類する時は,第一群,晴 形9例,5.5%
{ 第二群, 外 傷 25例; 15.3% 第三群, 腹部(急性)疾患 59.5% 97例, 第1四群,其の他の疾患
32例, 19.6% 自口ち第三群最多数にして,・此め内にて,急性最様突起炎は其の最高数62例を占め, 一顧 7 巷1436』一東京女醤學會第四同心’會記事 113 次いで回腸の26例,腸重積症の5例,其の他腸結核の急性磯症,等必すしも少激なら ざるを知り得たり。次いで第四群に含まるNものとしては,特に小晃に於て頻獲し得 べき,皮膚,皮下,筋肉或は骨部に於ける急性或は慢性の炎症性疾患を基げ得べし, 次ぎに第二群の外傷,特に,骨折の比較的多数なるに驚きたり。最後に第一群帥ち, 先天性弓形,特に整形外科的疾患の比較的少数例なるは,專門科の設置され居らざり しに因るならん。 第二.之等各種疾患に勤する外科的治療の結果に就いては 第一群に於ては鎖肛の1例に死亡を,第三群に於ては,急性轟様突起穿孔性腹膜炎 中の2例,籍頓ヘルニア中の2例,最後に第四群中,丹毒の2例,及び1例の腫瘍, 即ち総数163例中,死亡8例(死亡率4.9%)輕快或は治癒155例(治癒率9.5%)を見, 其の結果は成人に於ける場合に比し,必ずしも忌む可きものなりとは噺定しがた し。 爾全症例中最多激を占めたる急性轟様突起炎に就きてのみ観察するに,62例中手術 施行51例,非手術11例にて記述死亡せるもの2例は何れは既に汎獲性腹膜炎の輕過中 にありしものにして,即ち全死亡率3.2%,手術死亡率3●8%を算せり。同様第二位を占 めたる「ヘルニア」に於ては,一例の非手術例ありたるのみにして,全死亡率3.8%,手 術死亡率4.0%を算へたり。他の夫々に就きては略す。 第三.小見治療上の注意すべき貼として 1).化膿iに封して 小平個人的抵抗力は成人に比し蓬かに薄弱にして,特に化膿菌に:回して1才,その榮 養状態は之れと密接なる關係に存すべく,即ち良好なる門門状態に在る時は成人より、 も治癒し易く,然らざる場合には全く相反するCl’現象を呈し下るものなるは特に留意 すべき貼なりとす。而して種々なる経験より創傷治癒の傾向は必ずしも否定し得べき には回す:,むしろ肉芽組織の再生或は骨折時に於ける三友の沈着等に及びては成人に 比し迅速且つ良好なるを知り得たり。 2).出血の危剛性に就いて 小児に於ける血液量減少,或は血液再生機能は成人に比し遙かに考慮すべきものな りと論ぜらるNも,上述の腹部各種手術に於て,血液喪失量は極く僅かにして,此の 瓢に就いての危惧は無きものと云ふを得べし。 3).症候に就いて 小兜登病時の症候或は其の主訴となる可きものには,殊に幼小児に到る程,不二二 一・一第 7 巻 437 一
114 東京女馨三吉第四同総會記事 曖昧なるは多藪識者の遭遇せる一難事なりとも雪ふを得べし,殊に疹痛を訴ふるに於 ては,’ ャ人に於けるよりも一暦不明瞭にして,從って小見診察に際しては,各部門に 亘りて精細なる検索の行はれん事を主張するものなり。 4)。手術上の特異鮎 イ).乎術時期の選定 先天性崎形中,鎖肛或は兎唇等は,生後直ちに或は激日後,早くも手衝的操作を強 要され且つ,施行する事往々なるb’,前蓮の諸種理由に依り,小児の手術は概して生 後2−3年後に行ふ旧きを安全なりと諸家の説は一致せるが如し。然し乍ら大なる手術 的操作を要するものに於ては,爾相當に憂慮すべき危瞼の遺されたるを念頭に置くべ きものとす。 ロ).麻 醇 総じて二三特に乳幼兇にありては麻醇藥に野する抵抗力は實に薄弱なりと云ふを得 べし,而も速かに深麻醇期に誘導到達せしめ得べきものなり。而して小児は知畳神経 のi獲達成人程大ならす,從って特に孚L兇は常に無三門にて目的を達し得るものなり。 次いで學齢期前の幼三晃に在りては,當教室にては「パンi・ボン」「パピナールアトn ビン」等の適量を三身迷朦三態四丁の意味を以て二丁し,回れに局所浸潤麻醇を併用 し且つ回申腹堅等の爲めに操作不便を感ずる場合に於ては少量の「エーテル」吸入二三 を使用せり。次いで梢々年長の丁丁に回しては,急性二様突起炎,睨腸等腹部以下の 手術的操作に際してはP’ ャ人に使用の場合と同種の薬液に依る腰椎麻酔を敢行し衝中 術後も何等の忌むべき障碍或は副作用を惹起する事無く容易に術的操作を域し絡へ たり。 碕「エーテルJ吸入後小児に於ては,氣管下加答児或は肺炎等往々併弔し易きも,幸 ひに之等につき特に記載加入あるを見ざりき。 ハ).術前術後療法上の注意 術前術後の庭置に關しては,小児は水分喪失に封し敏感なる憎め,之れに野罪する 「リンゲル∫食酒水」或は「葡萄糖」の注入に注意すると同時に,心臓機能に劉しても特 に周到なる可く,小児は容易に「チアー:ぜ」た陥り易く從って酸素吸入も威人に於ける 場合よPlは頻同使用さる凹き場含に遭遇するものなり。 爾腰椎麻醇施行の者に於ては,成人に於て殆んど使用都度起り得べき一時性腸或は 膀胱麻今暁は小見にては全く経験し能はざりき。叉術後の創傷部に於ける疹痛に些し ても,之れが鎭痛的操作を加へるに到りたるものは,極めて僅少なりき。 一第 7 巷438一
東京女馨學會第四同;隠會記事 115 最後に結論として,余説は小児外科領域に於ては,之れが平声及び治療に當1)て梢 々特殊の観察眼と技法とを要すべきを識り得,且つ其の手術的結果は必ずレも悲観的 には非す,印ち要に慮じて・適罪なる時期を選びて根治的治療法に努力,遭進すべし, 特に手術を恐怖する理由なきを確信,張調するものなり。 稿を絡るに臨み御懇篤なる御指導御校閲を賜りたる三藤教授に深謝す。 追 加 石 原 亮 、 「じ 耳鼻咽喉科に於て国尽突起炎手術の経過を見るも小児の経過は良好でありまして演 者の成績に一致す。