138
原
著
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在 宅 中 心 静 脈 栄 養 法 (HPN) に お け る カ テ ー テ ル 合 併 症
に つ い て の 臨 床 的 検 討
一 体 外 式 カ テ ー テ ル と 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル の 比 較 一
東 京 女 子 医 科 大 学 第 二 外 科 学 教 室 (主 任 : 浜 野 恭 一 教 授) ヤ マグ チ ト キ コ シ1コ タ ニ ノ リヤ ス ハ マ ノ キ ヨ ウイ チ山 口
時 子 ・ 城 谷
典 保 ・ 浜 野
恭 一
(受 付 平 成 7 年 7 月3ユ日) C1i耐ca1 週∀a1u 就 io㎜ of C 就 hete ト 肥1就 ⑧d Com p1ications i皿 H o me Pa.r③ 耐 era1 N 耐 批 iom: Co m p 鮒ison 脆 tw⑧⑧n 伽 e 亙x 帖 r皿a1 Cathe 脆ど an6 the I㎜p1antab1e Cath 軌e了 To 嚇 ko Y A M A G U C H I,N oriyasu S HIR O T A NI 狐 d Kyoichi H A M A N O D epar 腕 ent of S 雌 gery II (Dir ㏄ tor: Prof. K yoichi H A M A N O), T okyo W o m ㎝’s M edica1 C o11ege C atheter−re}ated co m p1icatio ns,their incideRce , a 地 the むsefω 鵬 ss of ho m e parentera1 伽 tritio n (H P N) w ere investigated by focびsing o n exte m a1 catheters a nd i ㎜ p1a訂tab1e c atheters in 42 subjects w ho had びn derg one H P N u 銅 er direction of o 岨 depart ㎜ e 航 d汲 汽 n g the 6・year period bet w een Jan似ary 1989 and D ece m ber 1994. T he foI1o wing resuIts w ere obtai篶ed: (1) A11 pat三e 雄 s with cathete け e亘ated co m plicatio 鵬 sho w ed catheter−re1ated sepsis as the m ajor i篶fec− tious co m p1ication of exte m a1 a 紬 im pIa篶tab1e c 説 heters. A m o ηg m n 允 fectio口s co m p1五cat{o 双s, occ1 鵬 ion w as co m m on1y observed with both catheter ty pes,but prob1e m s at the site of 岬 nct 岨 e of the i ㎜ p 瞼 ntab1e catheter and prob1e ㎜ s associated w亘th the exte m a1 catheter, such as cびtt{ng a忍d e xtraction of the catheter,reflected specific characteristics of each catheter type. (2) T he 蛇 w as 篶 o d 雌 ere篶ce in the incide双ce of cathete 肘 e1ated co m p1ications betw ee篶 the exte m a1 a 烈d im p1 狐 tabIe types。(3) T he patients w ho used both types of catheter preferred the ext α nal type. Fro m the above res 刮ts,it w as conc ぬ ded that cathet α s 汕sed for H P N sho ω d be se1ected with cons葺deration of t汽e patie篶t’s qua1ity of I雌 e.緒
言
在 宅 中 心 静 脈 栄 養 法 (hom e par ㎝tera1 ㎜ tri− tion: H P N) は 欧 米 で は互970 年 に Scribner ら1)に よ り 開 始 さ れ, わ が 国 で は1979年 に 岡 田 ら2〕が 人 工 腸 管 シ ス テ ム と し て 報 告 し た の カミ最 初 で あ る. HPN は 良 性, 悪 性 疾 患 を 問 わ ず, 十 分 な 経 口 摂 取 ま た は 経 腸 栄 養 の で き な い 患 者 カミ長 期 留 置 用 カ テ ー テ ル を 用 い て,家 庭 で 実 施 で き る 方 法 で あ る. 長 期 留 置 用 カ テ ー テ ル は 体 外 式 カ テ ー テ ル と 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル に 分 け ら れ る. 体 外 式 カ テ ー テ ル の 欠 点 と し て, 輸 液 ル ー ト の 接 続 部 の 細 菌 感 染 や 体 外 露 出 部 破 損 の 危 険 性, 日 常 生 活 上 の 不 便 さ, 美 容 上 の 問 題 が あ げ ら れ, そ れ ら を補 う 方 法 と し て 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル3)カミ 使 わ れ る よ う に な っ た. カ テ ー テ ル 管 理 上 の 合 併 症 発 生 は 患 者 の qむal− 1ty of 肚e に 影 響 を 与 え る た め, HPN 症 例 の 増 加 や カ テ ー テ ル 留 置 期 間 が 長 期 化 す る に 伴 い, 大 き 一 1010 一139 な 問 題 点 と な っ て い る. し か し 長 期 HPN 症 例 に お け る 体 外 式 カ テ ー テ ル と 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル を 比 較 し た 論 文 は ほ と ん ど な い. わ が 国 で は1989年 に 井 上 ら{)が18症 例 に つ い て 報 告 し た だ け で あ る. そ の 中 で 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル の 有 用 性 を 述 べ て い る が, カ テ ー テ ル 留 置 期 間 カミ短 く, 合 併 症 を 複 数 回 経 験 し た 症 例 も 少 な く, 十 分 な 検 討 と は い え な い. HPN 研 究 会 が1991年 か ら H PN の 施 行 状 況 に つ い て 調 査 を 開 始 す る よ う に な り, そ の 報 告 書 5〕に よ れ ば,1993 年 度 に 登 録 さ れ た218例 で は カ テ ー テ ル 合 併 症 に 関 し て 体 外 式 カ テ ー テ ル と 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル で 明 ら か な 差 は み ら れ て い な い. し か し, こ の 報 告 書 は 多 施 設 に お け る 1 年 毎 の 集 計 結 果 で あ り, 長 期 間 の 経 過 を み た も の で は な か っ た. 最 近 で は, 患 者 の カ テ ー テ ル 選 択 の 受 容 も 変 化 し, 医 療 者 側 の カ テ ー テ ル 管 理 も シ ス テ ム 化 す る な ど 状 況 が 変 化 し て き て い る が, わ が 国 に お い て は カ テ ー テ ル の 有 用 性 に つ い て の 本 格 的 な 検 討 が 行 わ れ て い な い. 教 室 で は1987年 よ り H PN を 開 始 し て お り, そ の 数 は 日 本 で 最 も 多 い 施 設 の 一 つ で あ る.そ こ で,教 室 の H P N 症 例 に お け る カ テ ー テ ル の 種 類 別 に み た 合 併 症 と そ の 臨 床 的 有 用 性 に つ い て 比 較 検 討 し た.
対 象 と 方 法
1 . 対 象 教 室 に お け る 体 外 式 カ テ ー テ ル(以 下, 体 外 式) の 使 用 開 始 は1987年 1 月 で あ り, 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル (以 下, 埋 め 込 み 式) の 使 用 開 始 は1988年 3 月 で あ っ た. 対 象 はカ テ ー テ ル 管 理 に お い て, 両 カ テ ー テ ル 間 で 差 が な い と 判 断 し た 1989年 1 月 よ り199遂年12月 ま で の 期 間 の42例 で あ る.各 症 例 ご と の 開 始 年 齢, 性, HPN 実 施 の 疾 患 名, カ テ ー テ ル の 延 べ 留 置 日 数, 合 併 症 数 は 表 1 の ご と く で あ っ た . 体 外 式 を 使 用 し た 症 例 は22例, 埋 め 込 み 式 を 使 用 し た 症 例 は23例 で あ り, 両 カ テ ー テ ル を 使 用 し た 3 例 は 重 複 し て い た.男 女 比 は 体 外 式 で12:10, 埋 め 込 み 式 で15: 8, 開 始 年 齢 は 体 外 式 で56±17 歳, 埋 め 込 み 式 で55±15歳 で あ っ た. 体 外 式 使 用 症 例 の 内 訳 は, 大 腸 癌 7 例, 胃 癌 迎 例, 子 宮 ・ 卵 図 1 体 外 式 カ テ ー テ ル 上 段 : Broviac カ テ ー テ ル (シ ン グ ル ル ー メ ン) 下 段 : HiCk ㎜an カ テ ー テ ル ( ダ ブ ル ル ー メ ン) 巣 癌 3 例, ク ロ ー ン 病 2 例, 短 腸 症 候 群 2 例, 膵 癌 1 例, 肺 癌 1 例, 気 管 腫 瘍 1 例, 神 経 性 食 思 不 振 症 1 例 で あ っ た. 埋 め 込 み 式 便 用 症 例 の 内 訳 は, 胃 癌 9 例, 短 腸 症 候 群 5 例, 大 腸 癌 2 例, ク ロ ー ン 病 2 例, 放 射 線 腸 炎 2 例, 胃 癌 術 後 の 栄 養 障 害 1 例, 舌癌 1 例, 神 経 性 食 思 不 振 症 1 例 で あ っ た. 2 . 方 法 1) カ テ ー テ ル の 選 択, 留 置 法 長 期 の HPN を 施 行 す る に あ た っ て は, 体 外 式 の Brov童ac/ Hick m an カ テ ー テ ル6)7〕(図 1), あ る い は 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル8〕を 用 い た (図 2) . Broyiac/Hi改 m 独 カ テ ー テ ノレ の 素 材 は, ダ ク ロ ン ・ カ フ 付 き の シ リ コ ン ラ バ ー 製 で あ り, 抗 血 栓 性 に 優 れ て い る. カ テ ー テ ル の 皮 下 ト ン ネ ル 部 の ダ ク ロ ン ・ カ フ は 周 囲 の 皮 下 組 織 を 増 殖 さ せ, カ フ の 中 に 毛 細 血 管 カミ通 り 組 織 と 一 体 化 し, カ テ ー テ ル の 自 然 抜 去 を 防 い で い る. 使 用 し た Broyiac カ テ ー テ ル の 成 人 用 の 標 準 的 な サ イ ズ 一 10n 一140 表 1 HPN 症 例 体 外 式 埋 め 込 み 式 症 例 年 齢 性 疾 患 名 留 置 日 数 合 併 症 数 留 置 臼 数 舎 併 症 数 0 1 40 M ク ロ ー ン 病 1,177 3 455 2 0 2 24 M ク 回 一 ン 病 364 1 543 2 0 3 75 F 短 陽 症 候 群 1,262 0 208 2 4 49 M 脅 癌 131 0 5 41 F 脅 癌 53 O 6 58 亙 卵 巣 癌 94 O 7 6互 F 胃 癌 74 O 8 65 F 卵 巣 癌 760 O 9 35 F 大 腸 癌 53 O 10 60 M 肺 癌 62 O 1王 37 F 大 陽 癌 223 O 12 75 M 大 腸 癌 129 0 13 69 M 膵 癌 56 O 14 25 F 神 経 性 食 思 不 振 症 347 1 王5 63 M 犬 腸 癌 147 O 三6 69 M 大 腸 癌 143 0 王7 63 M 大 腸 癌 258 O 18 37 P 大 膓 癌 41 0 19 47 M 短 腸 症 候 群 382 0 20 70 F 子 宮 癌 211 O 21 78 M 胃 癌 59 O 22 80 M 気 管 腫 瘍 31 0 23 40 F 放 勤 線 腸 炎 460 0 24 55 M 短 腸 症 候 群 2,584 2 25 35 M 栄 養 障 害 187 0 26 55 M 短 腸 症 候 群 1,632 1 27 61 F 胃 癌 340 O 28 39 F 神 経 性 食 恩 不 振 症 939 王 29 66 F 犬 腸 癌 157 O 30 75 F 短 腸 症 候 群 4玉3 1 31 27 M 胃 癌 288 0 32 62 M 胃 癌 109 0 33 78 M 胃 癌 355 0 34 61 F 短 腸 症 候 群 1,170 ユ 35 69 M 胃 癌 49 O 36 56 M 胃 癌 77 1 37 44 M 胃 癌 238 0 38 69 独 舌 癌 361 0 39 63 F 放 射 線 腸 炎 317 O 40 68 M 大 腸 癌 333 0 41 49 M 胃 癌 王89 0 42 62 M 胃 癌 2些4 0 ○ : 両 カ テ ー テ ル 使 用 症 例. は,’全 長90cm, 内 径 1.0 m m, 外 径 2.2m m(6.6Fr) (9Fr) で あ っ た. で あ っ た. 使 用 し だ Hickman カ テ ー テ ル (ダ ブ ル 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル は, 穿 刺 を 行 う ル ー メ ン) の 成 人 用 の 標 準 的 な サ イ ズ は, 全 長90 ゴ ム セ プ タ ム と リ ザ ー バ ー か ら な る port 部 分 と c m, 内 径 (自 : 0.7m ㎜, 赤 : 1.3m m), 外 径 3,0 m ㎜ 血 管 内 に 留 置 す る シ リ コ ン ラ バ ー カ テ ー テ ル 部 分 一 1012 一
14! 図 2 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル
い
胴 b・・針 ユ9G 針 : 1 ,000 回 先 端 22G 針 :2 ,000 回 図 4 体 外 式 カ テ ー テ ル 留 置 H 泌 er針← 輸
液
皮 膚 隔 壁 カ テ ー テ ル (シ リ コ ン ラ バ ー ) .....、、. _ ... 一 \ 縫 合 、、、、、、。i亙 筋 膜 血 管 内 へ 図 3 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 の 断 面 図 か ら な る. ゴ ム セ プ タ ム に は 特 殊 加 工 さ れ た シ リ コ ン ゴ ム が 使 用 さ れ て お り, 専 用 の 穿 刺 針 (H 沁er 針)を 用 い て22ゲ ー ジ 針 で2,000回 以 上 穿 刺 が 可 能 で あ る ( 図 3). 図 2 に 示 し た B A RD 社 の も の は, カ テ ー テ ル 接 続 方 法 は ア タ ッ チ ャ ブ ル タ イ プ で, カ テ ー テ ル の 全 長 は 76cm, 内 径 1.0m m, 外 径 2.2 m m (6.6 耐),port 部 分 の 大 き さ は, 直 径 31.7m m, 高 さ 1遂m m で あ っ た. な お, カ テ ー テ ル の 選 択 は, 担 当 医 が 各 々 の カ テ ー テ ル の 長 所 お よ び 短 所 に つ い て 十 分 に 患 者 に 説 明 し, 患 者 の 同 意 を 得 た う 完 で 行 っ た. 体 外 式 の 留 置 法 は 鎖 骨 下 静 脈 や 内 頸 静 脈 を 経 皮 的 に 直 接 穿 刺 し て カ テ ー テ ル を 静 脈 内 に 挿 入 し, カ テ ー テ ル 先 端 を 上 大 静 脈 に 留 置 し た. 一 方 輸 液 ル ー ト に 接 続 す る 側 は 前 胸 部 に10∼20c㎜ の 皮 下 ト ン ネ ル を 作 り ダ ク ロ ン ・ カ フ を 前 胸 部 の 皮 下 に 埋 没 さ せ た の ち 体 外 に 出 し た (図 4). 埋 め 込 み 式 の 留 置 法 は, port 部 を 患 者 自 身 に 図 5 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル 留 置 と っ て 穿 刺 カ 溶 易 な 前 胸 部 皮 下 に 埋 め 込 み, そ こ か ら カ テ ー テ ル を 皮 下 ト ン ネ ル を 通 し て, 上 大 静 脈 内 に 留 置 し た (図 5).2
) 輸 液 投 与 法
輸 液 投 与 法 と し て は24時 問 か け て 行 う 持 続 投 与 法 と 1 日 の 一 定 時 間 の み 行 う 問 欠 投 与 法 を 用 い た. 問 欠 投 与 法 で は 輸 液 を 休 止 す る 場 合 は, 生 理 食 塩 水 娩 1 と ヘ パ リ ン亙m1(1,000U)にて ヘ パ リ ン ロ ッ ク を 行 っ た. 輸 液 投 与 量 の 調 節 に は 持 続 投 与, 問 欠 投 与 と も 小 型 の 輸 液 ポ ン プ を 用 い た. 教 室 の 症 例 で は, 導 入 時 は す べ て 間 欠 投 与 で あ っ た が, 病 態 の 変 化 に 応 じ て 持 続 投 与 に 移 行 し た 症 例 が あ っ た. 一 王013 一!42 3) エ ネ ル ギ ー 投 与 量 輸 液 組 成 は, 個 々 の 症 例 で 必 要 熱 量, 蛋 白 質 量, 電 解 質 量 等 を 求 め た. 症 例 の 平 均 的 な 投 与 熱 量 は 1,400 ∼ 1,500kca1/day, 水 分 量 は 1,300 ∼ 1,400 m1/day で あ り, 1 日 に お け る 体 重 あ た り の 熱 量 で み る と,糖 質 と し て 3 ∼ 4kca1 炊 g/day, 蛋 白 質 と し て ア ミ ノ 酸 液 を1.0∼ 1,59/kg/day で あ っ た. カ テ ー テ ル の 種 類 や 疾 患 に よ っ て エ ネ ル ギ ー 投 与 量 に 差 は な か っ た. 脂 肪 は, 必 須 脂 肪 酸 欠 乏 を 予 防 す る た め10%500 耐 あ る い は20%250m1 の 脂 肪 乳 剤 を 週 2 回 投 与 し た. ビ タ ミ ン は 総 合 ビ タ ミ ン 製 剤 を 運 日 投 与 し, 微 量 元 素 は 市 販 の 製 剤 (エ レ メ ン ミ ッ ク ⑮) を 用 い た . エ レ メ ン ミ ッ ク ⑮ 1 ア ン プ ル は, 鉄 35μ mo1, マ ン ガ ン20μ mo1, 亜 鉛60 μ mo1, 銅 5μ mo1, ヨ ウ 素1μ m o1 を 含 有 し て い る. セ レ ン は, 亜 セ レ ン 酸 を 注 射 用 蒸 留 水 に 溶 解 し, 1 ア ン プ ル2m1 に100μg の セ レ ン を 含 有 す る よ う に 院 内 製 剤 と し て 作 製 し た. 血 中 濃 度 を 測 定 し な が ら 100 ∼ 200μg/day を 投 与 し 花. 4) 患 者 に よ る カ テ ー テ ル 管 理 日 常 の カ テ ー テ ル 管 理 は, 患 者 自 身 に よ る と こ ろ が 大 き い. 体 外 式 で は, 週 に 1 ∼ 2 回, カ テ ー テ ル 皮 膚 刺 入 部 を イ ソ プ ロ ピ ル ア ル コ ー ル, イ ソ ジ ン, イ ソ ジ ン ゲ ル を 用 い て 消 毒 し, サ ー ジ カ ル パ ッ ド で 被 覆 す る よ う 指 導 し 花.埋 め 込 み 式 で は, port 部 に 刺 入 す る 際, port 部 を 中 心 に 穿 刺 部 位 周 囲 を イ ソ ジ ン と ハ イ ポ ア ル コ ー ル で 十 分 に 消 毒 し て か ら, 非 利 き 手 で port 部 を 固 定 し て 利 き 手 で Huber 針 の 翼 状 部 を も っ て 皮 膚 に 直 角 に 刺 入 す る よ う に 指 導 し た. 3. 検 討 項 目 1) カ テ ー テ ル 合 併 症 の 検 討 カ テ ー テ ル 種 類 別 に よ る 合 併 症 を 感 染 性 と 非 感 染 性 に 区 分 し, そ の 内 訳 を み た.感 染 性 と は カ テ ー テ ル に 起 因 す る 敗 血 症 と カ テ ー テ ル 挿 入 部 皮 膚 感 染 症 (膿 瘍) で あ る. カ テ ー テ ル 敗 血 症 と は, カ テ ー テ ル 留 置 中 に 発 熟, 自 血 球 数 増 加 等 の 所 見カミ あ り, 血 液 中 が ら 細 菌 が 同 定 さ れ る か, も し く は カ テ ー テ ル 抜 去 に よ っ て 解 熱 等 所 見 の 改 善 が み ら れ た も の で あ る. カ テ ー テ ル を 抜 去 す る 条 件 と し て38℃ 以 上 の 原 因 不 明 の 発 熱 カミ3 日 問 連 続 し, か A 感 染 佳 表 2 カ テ ー テ ル 抜 去 の 条 件 38 ℃ 以 上 の 原 因 不 明 の 発 熱 が 3 日 間 遵 続 し た 場 舎 自 血 球 数 の 増 加 CRP 陽 性 抗 生 剤 投 割 こ よ り 解 熱 し な い(2 ∼ 5 扇 投 与) 8 非 感 染 性 1 . 閉 塞 (ウ ロ キ ナ ー ゼ に よ る も 未 開 通 の 場 合) つ 白 血 球 数 の 増 加 あ る い は CRP 陽 性 を 認 め た 場 合, カ テ ー テ ル 敗 血 症 を 疑 い, 抗 生 剤 を 2 ∼ 5 日 間 投 与 し, 解 熱 し な か っ た 場 合 等 で あ る. カ テ ー テ ル 敗 血 症 を 疑 っ た 場 合 は カ テ ー テ ル 静 脈 血 の 細 菌 培 養 を 施 行 し た. 非 感 染 性 と は 機 械 的 な ト ラ ブ ル に よ る も の で あ り, カ テ ー テ ル の 閉 塞, 切 断, 抜 去 お よ び 穿 刺 部 ト ラ ブ ル (穿 刺 部 皮 膚 壊 死 や port 部 リ ー ク) で あ る . カ テ ー テ ル の 閉 塞 に 関 し て は, ウ ロ キ ナ ー ゼ 2,OOOU/lml で フ ラ ッ シ ュ し て も 開 通 し な か っ た 場 合 に カ テ ー テ ル を 抜 去 し た (表 2). 2) カ テ ー テ ル 合 併 症 の 発 生 頻 度 の 検 討 カ テ ー テ ル 合 併 症 数 と は, 各 々 の カ テ ー テ ル ト ラ ブ ル に よ り 抜 去 し た 回 数 と し た. 患 者 1 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数 と は, 体 外 式, 埋 め 込 み 式 と も 各 々 の カ テ ー テ ル 延 べ 留 置 日 数 を 使 用 し た 患 者 総 数 で 割 っ た も の で あ る.王 ,O00 日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 は 各 々 の カ テ ー テ ル の 延 べ 留 置 日 数 を 各 々 の カ テ ー テ ル 合 併 症 数 で 割 り, そ れ を 1 ,O00 日 あ た り に 換 算 し た も の で あ る. 下 記 項 目 に つ い て 検 討 し た. ① カ テ ー テ ル 種 類 別 の 合 併 症 発 生 頻 度 ② カ テ ー テ ル 合 併 症 例 に お け る 発 生 頻 度
③ 非 担 癌 症 例 の 合 併 症 発 生 頻 度
3) 両 カ テ ー テ ル 使 用 症 例 に お け る 検 討 両 カ テ ー テ ル を 使 用 し た 3 例 に お い て 留 置 日 数 と 抜 去 し た 合 併 症 数 か ら, 最 終 的 に い ず れ の カ テ ー テ ル に 変 更 し 花 か を 検 討 し た. 4. 統 計 学 的 処 理 統 計 学 的 処 理 は ㎜ paired−t 検 定 を 用 い, p く 0105 の 場 合 を 有 意 差 あ り と し た. 一 1014 一143 表 3 カ テ ー テ ル 合 併 症 の 内 訳 表 4 カ テ ー テ ル 種 類 別 の 合 併 症 発 生 頻 度 体 外 式 埋 め 込 み 式 症 例 数 22 23 合 傍 症 数 (回) 5 13 感 染 症 敗 血症 皮 膚 膿 瘍 2 2 0 g串 9 0 非 感 染 性 閉 塞 切 断 抜 去 穿 刺 都 ト ラ ブ ル 3 4 1 1 1 0 3 0 0 1 ‡ p〈 0.05 体 外 式 埋 め 込 み 式 症 例 数 22 23 カ テ ー テ ル 本 数 (本) 27 32 カ テ ー テ ル 合 併 症 数 (回) 5 13 患 者 1 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数 (臼) 275 ±260 473±316尭 ユ,00 胴 あ た り の 合 傍 症 発 生 頻 度 O.93 1.19 ‡ p く O.05 表 5 カ テ ー テ ル 合 併 症 例 に お け る 発 生 頻 度
結
果
1. カ テ ー テ ル 合 併 症 の 内 訳 (表 3) 合 併 症 数 は 体 外 式 で 5 回, 埋 め 込 み 式 で13回 で あ っ た. 感 染 性 合 併 症 の 内 訳 は 体 外 式 でカ テ ー テ ル 敗 血 症 2 回, 埋 め 込 み 式 で カ テ ー テ ル 敗 血 症 9 回 で あ り, 両 者 間 に 有 意 差 を 認 め た (p < O.05). カ テ ー テ ル を 抜 去 せ ず 抗 生 剤 投 与 で コ ン ト ロ ー ル で き た の は, 体 外 式 で 5 回 中 3 回 で あっ た が, 埋 め 込 み 式 で 全 例 抜 去 す る こ と に な っ た. カ テ ー テ ル か ら の 静 脈 血 の 細 菌 培 養 の 結 果, 細 菌 の 検 出 は 体 外 式 で 2 回 中 1 回, 埋 め 込 み 式 で 9 回 中 3 回 で あ り, 体 外 式 で methicinin resista 泄 S 肋ヵ乃一 ψ 6066㈱ (S) 伽 7燃 1 回, 埋 め 込 み 式 で meth− ic亘1I五n resistant S 伽 κ泌s 1 回, S 伽 κ刎∫ 1 回, 且 oo〃 1 回 で あ っ た. ま た, カ テ ー テ ル 先 端 の 細 菌 培 養 の 結 果, 細 菌 の 検 出 は 認 め な か っ た. 皮 膚 膿 瘍 は 両 者 と も 認 め な か っ た. 非 感 染 性 合 併 症 の 内 訳 は 体 外 式 で 閉 塞 1 回, 切 断 1 回, 自 然 抜 去 1 回 で あ り, 埋 め 込 み 式 で は 閉 塞 3 回, 穿 刺 部 ト ラ ブ ル (port 部 リ ー ク) は 1 回 で あ り, こ れ ら の 合 併 症 は 各 々 の カ テ ー テ ル の 特 徴 に 起 因 す る も の で あ っ た. 2. カ テ ー テ ル 合 併 症 の 発 生 頻 度 1) カ テ ー テ ル 種 類 別 の 合 併 症 発 生 頻 度 (表 4) 使 用 し た カ テ ー テ ル 本 数 は 体 外 式 で27本, 埋 め 込 み 式 で32本 で あ っ た. カ テ ー テ ル 合 併 症 数 は 体 外 式 で 5 回, 埋 め 込 み 式 で13回 で あ っ た. 患 者 1 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数 は 体 外 式 で 症 例 数 カ テ ー テ ル 合 傍 症 数 (回) 患 者 ユ 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数(日) 1,000 日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 体 外 式 3 5 543±237 3.07 埋 め 込 み 式 10 13 523士436 2 .逐9 275±260日, 埋 め 込 み 式 で473土316日 で あ り, 埋 め 込 み 式 の 方カ 帳 く 有 意 差 を 認 め た (p<0.05). 1,O00日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 は 体 外 式 でO.93 回, 埋 め 込 み 式 で1.19回 と 両 者 間 に 有 意 差 を 認 め な か っ た. 2) カ テ ー テ ル 合 併 症 例 に お け る 発 生 頻 度 (表 5) カ テ ー テ ル 合 併 症 の 症 例 数 は 体 外 式 で 3 例, 埋 め 込 み 式 で10例 で あ っ た. 両 カ テ ー テ ル を 使 用 し た 2 例 は 重 複 し て い た. カ テ ー テ ル 合 併 症 数 は 体 外 式 で 延 べ 5 回, そ の う ち 3 回 は 同 一 症 例 で 発 生 し て い た. 埋 め 込 み 式 で 延 べ 13 回, 3 例 に つ い て は 各 々 2 回 ず つ 合 併 症 カミ発 生 し て い た. 患 者 1 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数 は 体 外 式 で 5逐3士237日, 埋 め 込 み 式 で523土436日 と 両 者 間 に 有 意 差 を 認 め な か っ だ.1,000日 あた り の 合 併 症 発 生 頻 度 ほ 体 外 式 で3.07回, 埋 め 込 み 式 で2.49回 と 両 者 問 に 有 意 差 を 認 め な か っ た.3
) 非 担 癌 症 例 の 合 併 症 発 生 頻 度 (表 6)
長 期 の カ テ ー テ ル 留 置 が 必 要 と な る 非 担 癌 症 例 に お い て, カ テ ー テ ル 種 類 別 に 合 併 症 発 生 頻 度 を 検 討 し た. 体 外 式 を 便 用 し た 症 例 は 4 例, 埋 め 込 み 式 を 使 用 し た 症 例 は 9 例 で 3 例 は 重 複 し て い た. 使 用 し た カ テ ー テ ル 本 数 は 体 外 式 で 9 本, 埋 め 込 み 式 で 一 10i5 一144 表 6 非 担 癌 症 例 の 合 併 症 発 生 頻 度 体 外 式 埋 め 込 み 式 症 例 数 唾 9 カ テ ー テ ル 本 数(本) 9 19 カ テ ー テ ル 舎 併 症 数 (回) 互 11 患 者 1 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数(日) 883± 378 904 士380 1 ,000 日 あ た り の 合 傑 症 発 生 頻 度 ’ 1 .26 !.35 19本 で あ っ た. カ テ ー テ ル 合 併 症 数 は 体 外 式 で 延 べ 4 回, 埋 め 込 み 式 で 延 べ11回 で あっ た. 患 者 1 人 あ た り の 平 均 カ テ ー テ ル 留 置 日 数 は 体 外 式 で 883±378日, 埋 め 込 み 式 で904±380日 で あ り, 両 者 間 に 有 意 差 を 認 め な か っ た.1,O00日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 は 体 外 式 で1.26回, 埋 め 込 み 式 で 1.35回 で あ り 両 者 間 に 有 意 差 を 認 め な か っ た. 3. 両 カ テ ー テ ル 使 用 症 例 に お け る カ テ ー テ ル
種 類 の 比 較 (表 7)
症 例 1 は ク ロ ー ン 病 で あ り 埋 め 込 み 式 か ら 体 外 式 に 変 更 し た 例 で あ る. 最 初 は, 埋 め 込 み 式 を 留 置 し て い た が, カ テ ー テ ル 閉 塞 の た め319 日 で 抜 去 し た. 再び 埋 め 込 み 式 を 留 置 し た が; カ テ ー テ ル 敗 血 症 の た め136日 で 抜 去 と な っ た.そ の 後 体 外 式 に 変 更 し, 延 べ 留 置 日 数 は 1,177 日 で あ っ た が, 合 併 症 を 3 回 認 め た. 1994年12月31日 現 在, 体 外 式 を 留 置 中 で あ り, 136日 経 過 し て い た. 症 例 2 も ク ロ ー ン 病 で, 埋 め 込 み 式 で 始 め た が, カ テ ー テ ル 閉 塞 の た め186日 で 抜 去 し, 再 び 埋 め 込 み 式 を 留 置 し た. 2 回 目 の 埋 め 込 み 式 で は, 合 併 症 は な か っ た カミ, 患 者 カ§ port 部 の 皮 膚 に 繰 り 返 し 穿 刺 す る こ と に 対 し て 湊 痛 を 訴 え た た め, 埋 め 込 み 式 が ら 体 外 式 に 変 更 と な っ た. 症 例 3 は 短 腸 症 候 群 で,埋 め 込 み 式 で 始 め 花 が, 延 べ 留 置 日 数カ§208日 で 合 併 症 は 2 回 で あ っ た.短 期 間 で 合 併 症 を 繰 り 返 し た た め, 体 外 式 に 変 更 し て 1 ,262 日 カミ経 過 し, 合 併 症 を 認 め て い な い. 以 上 の よ う に, 両 カ テ ー テ ル を 使 用 し た 3 人 の 患 者 は, 最 終 的 に, 埋 め 込 み 式 か ら 体 外 式 へ と 全 例 変 更 し た.考
察
わ カ 掴 に お け る HPN 研 究 会 の 実 施 状 況 の 報 告 書5}に よ れ ば、 1993 年 度 に 登 録 さ れ た 症 例 は 218 例 で あ り, 悪 性 疾 患 は38路 で, 良 性 疾 患 は62% で あ っ た. 年 齢 は O ∼90歳 ま で と 幅 広 く 分 布 し, 0 ∼10 歳 代 ま で が1 螂 を 占 め て い た. 全 体 で は50∼70歳 に ピ ー ク が み ら れ た. 一 方, 教 室 で 検 討 し た 1989∼1994年 の 6 年 間 の42例 に つ い て み る と, 悪 性 疾 患 は67%, 良 性 疾 患 は33% で あ り, 悪 性 疾 患 に 対 し て H PN を 多 く 実 施 し て い た. 全 国 的 な 調 査 結 果 と 異 な り, 悪 性 疾 患 に 対 し て 積 極 的 に H P N を 行 っ て い る9,. 年 齢 は, 2逐 ∼ 80歳 ま で で あ っ た カ§, ほ と ん ど の 症 例 カミ40歳 以 上 で あ り, 60 歳 代 に ピ ー ク を 認 め た. こ れ は 全 国 的 な 調 査 結 果 と ほ ぼ 一 致 す る も の で あ る が, 教 室 で は 小 児 の H P N 症 例 は な か っ た. こ の よ う な 教 室 に お け る HPN 症 例 を 対 象 と し て, 体 外 式 カ テ ー テ ル と 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル に つ い て 検 討 を 行 っ た. 1. カ テ ー テ ル 合 併 症 ど 発 生 頻 度 著 者 の 検 討 で は, 体 外 式 と 埋 め 込 み 式 を 合 わ せ た 感 染 性 合 併 症 は, す べ て カ テ ー テ ル 敗 血 症 で あ っ た. カ テ ー テ ル 種 類 別 の 検 討 で は, カ テ ー テ ル 敗 血 症 は 埋 め 込 み 式 で 有 意 に 多 が っ た. し か し 井 上 ら4〕は, カ テ ー テ ル 敗 血 症 の 発 生 頻 度 は, 埋 め 込 み 式 で 有 意 に 低 値 で あ る と 報 告 し て い る. そ の 理 由 と し て, 埋 め 込 み 式 で は 輸 液 ラ イ ン と カ テ ー テ ル の 接 続 部 分 (舳b) が な い こ と, つ ま り カ テ ー テ ル 敗 血 症 は h凹b か ら の conta ㎜inat言 ㎝ で あ る と す る 舳 b theory10)1亘) を 挙 げ て い る. W inters 表 7 両 カ テ ー テ ル 使 用 症 例 症例 年 鶴 唾0 24 75 M M F 疾 患 名 ク 回 一 ン 病 ク ロ ー ン 病 短 腸 症 候 群 体 外 式 留 置 日 数 舎 僻 症 数 埋 め 込 み 式 1 .!77 364 工 ,262 留 置 日 数 ← 455 ← 5皇3 ← 208 合 傍 症 数 一 1016 一145 ら12)は port 部 穿 刺 部 位 か ら の 細 菌 混 入 に つ い て は, 皮 膚 組 織 が barrier と し て 働 き カ テ ー テ ル 敗 血 症 を 予 防 す る 可 能 性 が あ る と し て い る. 著 者 ら は, カ テ ー テ ル 敗 血 症 カミ疑 わ れ た 場 合, す な わ ち 38℃ 以 上 の 発 熱 が 3 日 間 連 続 し た 場 合, ま ず 数 日 間 は 適 切 な 抗 生 剤 を 投 与 し て い る. 体 外 式 で は カ テ ー テ ル 敗 血 症 を コ ン ト ロ ー ル で き た の は 5 回 中 3 回 で あ っ た が, 埋 め 込 み 式 で は, port 部 に 液 の た ま り が で き る た め, カ テ ー テ ル 敗 血 症 を 抑 え る こ と が で き ず, 9 回 す べ て カ テ ー テ ル を 抜 去 し な け れ ば な ら な か っ た. こ れ は, 井 上 ら の 報 告 と 異 な り, 体 外 式 に 比 べ 埋 め 込 み 式 で, カ テ ー テ ル 敗 血 症 の 頻 度 が 高 く な っ た と 考 え ら れ る. 細 菌 の 検 出 は, 静 脈 血 の 細 菌 培 養 で は 約 4 割 で あ り, カ テ ー テ ル 先 端 で は み ら れ な か っ た. 細 菌 カミ検 出 さ れ た 症 例 で, 重 篤 な 全 身 の 感 染 症 を ひ き お こ し た ケ ー ス は な か っ た . ま た カ テ ー テ ル を 抜 去 し た カミ, 解 熱 し な か っ た の は 1 回 の み で, 肺 炎 に よ る も の で あ っ た. カ テ ー テ ル 敗 血 症 の 予 防 対 策 と し て, 調 剤 時 の 徹 底 し た 無 菌 操 作, フ ィ ル タ ー の 便 用, 三 方 活 栓 の 撤 廃 な ど ル ー ト の ク ロ ー ズ ド シ ス テ ム 化, 刺 入 時 の 無 菌 管 理 を 行 っ て き た が, 完 全 に 予 防 す る こ と は で き な か っ た . H er 飾 da1 ら13)は H P N 症 例 56 例 の 合 併 症 を retrospeCtiVe に 検 討 し て お り, カ テ ー テ ル 敗 血 症 の 発 生 ま で の 期 間 は 平 均 2.1 土 1.8 年 で あ り,2.9 年 以 上 の 長 期 H PN 患 者, 若 い 患 者 に お い て 発 生 頻 度 カミ高 く な る と 報 告 し て い る. 教 室 の 症 例 で も, 留 置 日 数 は 体 外 式 に 比 べ 埋 め 込 み 式 で 有 意 に 長 く, カ テ ー テ ル 敗 血 症 の 発 生 と 留 置 期 問 の 関 与 カミ 考 え ら れ た. 今 後, H PN 施 行 期 間 と 合 併 症 の 関 係 な ど に つ い て 検 討 す る 必 要 が あ る. 非 感 染 性 合 併 症 で は, 閉 塞カ§両 カ テ ー テ ル に 共 通 し て み ら れ た. ほ と ん ど の 症 例 で 問 欠 投 与 法 に て 実 施 さ れ て お り, 投 与 終 了 時 に ヘ パ リ ン 加 生 理 食 塩 水 で ヘ パ リ ン ロ ッ ク す る こ と を 患 者 に 指 導 し て い た が, そ の 対 処 が 不 十 分 で あ っ た こ と が 主 な 原 因 と し て あ げ ら れ る. 今 後, 予 防 と し て ヘ パ リ ン ロ ッ ク 時 の ヘ パ リ ン 量 の 問 題 や 輸 液 中 の ヘ パ リ ン 混 合 を 試 み る な ど 検 討 を 要 す る. ま た, 脂 肪 乳 剤 の 投 与 回 数カミ多 く な れ ば 閉 塞 の 引 き 金 に な る亘4) と す る 報 告 が あ る. 著 者 の 検 討 で も 閉 塞 は, カ テ ー テ ル 留 置 期 間 が 6 ヵ 月 以 上 の 症 例 に み ら れ, 投 与 す る 脂 肪 乳 剤 の 濃 度 や 投 与 回 数 の 関 与 が あ げ ら れ る. そ の 他 の 非 感 染 性 合 併 症 は 各 カ テ ー テ ル の 特 徴 を 反 映 し て お り, 体 外 式 で 切 断, 抜 去カミ, 埋 め 込 み 式 で 穿 刺 部 ト ラ ブ ル を 認 め た。 体 外 式 で 切 断, 抜 去 を 認 め た の は。 体 外 に 露 出 し て い る カ テ ー テ ル 部 分 の 破 損 に よ る た め で あ り, 埋 め 込 み 式 の 穿 刺 部 ト ラ ブ ル は port 部 に 穿 刺 を 繰 り 返 し た 結 果 で あ る . こ れ ら に つ い て は, 患 者 指 導 に あ た っ て カ テ ー テ ル の 特 徴 を よ く 理 解 さ せ る こ と に よ り, さ ら に 減 少 さ せ る こ と が で き る と 考 え ら れ る. カ テ ー テ ル 合 併 症 の 内 訳 は 両 カ テ ー テ ル で 違 い が み ら れ た カミ, 体 外 式, 埋 め 込 み 式 でカ テ ー テ ル 合 併 症 の 発 生 頻 度 に 有 意 差 を 認 め な が っ た. 体 外 式 と 埋 め 込 み 式 を 比 較 し た 論 文 は, 1987年 に フ ラ ン ス の Y 荻 o皿n ら15)が 留 置 期 間 が 平 均 5 ヵ 月 間 で は 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル で 合 併 症 は な く, 患 者 の 受 容 も 良 い も の で あ っ た と 報 告 し た の カ§最 初 で あ る . 1989 年 に H oward ら呈6)は 5 年 問 に わ た り 体 外 式 と 埋 め 込 み 式 を 比 較 し て お り,1,000日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 は 体 外 式 で1.64回, 埋 め 込 み 式 で 0.82回 と 埋 め 込 み 式 で 低 く, 有 意 差 を 認 め た と 報 告 し て い る .一 方, 高 木ら 五7〕も 1992 年 末 ま で 施 行 し た H P N 症 例 37例 に つ い て,1 ,OOO 日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 は 体 外 式 で2.10 回, 埋 め 込 み 式 で 1.1逐 回 と 埋 め 込 み 式 で 低 か っ た と 述 べ て い る. 教 室 の1,000 日 あ た り の 合 併 症 発 生 頻 度 は, 体 外 式 で O.93 回, 埋 め 込 み 式 で1.19 回 で あ り, 両 者 間 で 有 意 差 を 認 め な か っ た. 他 の 施 設 と の 発 生 頻 度 の 正 確 な 比 較 は 困 難 で あ る カミ, 教 室 の 発 生 頻 度 は 低 く, 両 カ テ ー テ ル 間 で 発 生 頻 度 に 差 カミな か っ た こ と が 大 き な 特 徴 で あ る. 著 者 は, カ テ ー テ ル 合 併 症 の 予 防 と し て カ テ ー テ ル の 無 菌 管 理 が 重 要 で あ る と 考 え る. カ テ ー テ ル 合 併 症 が 同 じ 症 例 で 繰 り 返 さ れ て い る こ と か ら も, 患 者 に よ る と こ ろ が 大 き い た め, 患 者 の 教 育, 指 導 を 徹 底 す る 必 要 が あ る. 医 師 は, H PN の 適 応 の 決 定 や カ テ ー テ ル の 挿 入, 輸 液 内 容 の 検 討, 外 来 で 定 期 的 に 患 者 の 診 察 と 検 査 デ ー タ の チ ェ ッ 一 1017 一
146 ク, 合 併 症 に 対 す る 処 置 菅 ど を 行 い, 看 護 婦 は 医 師 の 方 針 に 従 っ て 看 護 の 面 か ら 患 者 指 導 に あ た っ て い る. 薬 剤 師 は, ク リ ー ン ベ ン チ 内 で 輸 液 剤 の 調 製 や そ の 晶 質 管 理 を 行 っ て い る. 教 室 で は 医 師, 看 護 婦, 薬 剤 師, メ デ ィ カ ル ソ シ ア ル ワ ー カ ー, 事 務 職 員 な ど で 構 成 す る 在 宅 栄 養 管 理 チ ー ム カミ存 在 し,H P N の 管 理 体 制 を シ ス テ ム 化 し て い る.今 後 は,よ り カ テ ー テ ル 合 併 症 を 減 少 さ 造 る た め に, カ テ ー テ ル 留 置 操 作, ヘ パ リ ン ロ ッ ク の 方 法 や カ テ ー テ ル 挿 入 部 位 の 消 毒 方 法 な ど を さ ら に 厳 重 に 行 う 必 要 が あ る. 2. カ テ ー テ ル 選 択 著 者 の 検 討 で は 両 カ テ ー テ ル で 合 併 症 を 経 験 し た 症 例 は, 最 終 的 に は す べ て 体 外 式 に 変 更 し た. Ho wa 記 ら16)の 報 告 で も, 両 カ テ ー テ ル を 使 用 し た 症 例 で は, 患 者 は 体 外 式 を 好 む 傾 向 に あ っ た と 述 べ て い る .理 由 と し て 長 期 に わ た っ て port 部 の 皮 膚 に 繰 り 返 し 穿 刺 す る こ と に 対 す る 低 抗 感, 輸 液 投 与 中 に H 曲 er 針 が 抜 け て し ま う こ と に 対 す る 不 安 感 な ど を 挙 げ て い る. 著 者 の 調 査 で も, 患 者 は 同 様 の 意 見 で あ っ た.
結
語
(1) 感 染 性 の カ テ ー テ ル 合 併 症 は 体 外 式, 埋 め 込 み 式 と も, す べ て カ テ ー テ ル 敗 血 症 で あ っ た が, 体 外 式 の 方 が 少 な か っ た. 非 感 染 性 合 併 症 は, 閉 塞 カ 澗 カ テ ー テ ル に 共 通 し て み ら れ た カ§, 体 外 式 で の 切 断, 抜 去, 埋 め 込 み 式 で の 穿 刺 部 ト ラ ブ ル は カ テ ー テ ル の 特 徴 を 反 映 し て い た. (2) カ テ ー テ ル 合 併 症 の 発 生 頻 度 は 体 外 式, 埋 め 込 み 式 の 両 者 間 で 差 を 認 め な か っ た. (3) 両 カ テ ー テ ル を 使 用 し た 患 者 は, 最 終 的 に 体 外 式 に 変 更 し た. 今 後,在 宅 医 療 が ま す ま す 発 展 す る な か,カ テ ー テ ル の 選 択 は 必 要 か つ 重 要 で あ り, カ テ ー テ ル の 選 択 に は 当 然, 患 者 の 叩 ality of 肚e を 考 慮 に い れ る べ き で あ る. こ れ ら を 踏 ま え て 考 乏 た 時, 良 性 疾 患 で HPN が 長 期 に わ た る 場 合 は, 社 会 活 動 や 家 庭 生 活 に 支 障 が 少 な い 埋 め 込 み 式 カ は く, 悪性 疾 患 で 集 学 的 治 療 を 行 な う 場 合 や 悪 性 疾 患 終 末
期 で の 在 宅 治 療 で は,カ テ ー テ ル 留 置 法カミ簡 便 で, 患 者 に よ る 自 己 管 理 カ§比 較 的 容 易 な 体 外 式 を 選 択 す べ き で あ る と 考 え る. 文 献 1) S crib neτ R H ,C O1e JJ, C hristO Ph er G et a1: Lorig−ter ㎜ tota1 pare 耐 era玉 n utritioれ : T he con− cept of an arti汽cia1 gut.JA M A 212 :457−463. 1970 2) 岡 田 正, 金 昌 雄, 板 倉 丈 夫 ほ か : 人 工 腸 管 の 実 用 化 に 関 す る 研 究(第 1 報). 人 工 臓 器 8:105 −106. 1979 3) 固 ow e1e航 G, C1ose M, Jeejee 脳 oy K N 軌 捌 … Port− A−cath,a m ajorad va nce {n h o ㎜ e totai pare 耐eral n 砒riti0R (H T P N). JPE N 61 589. 1982 4) 井 上 蕃 文, 根 津 理 一 郎, 中 井 澄 雄 ほ か : 在 宅 静 脈 栄 養 法 に お け る 完 全 皮 下 埋 め 込 み 式 カ テ ー テ ル の 有 用 性 に 関 す る 検 討. 日 消 外 会 誌 22:11 H 18. 1989 5) π ak a gi Y,O k ada A,S ato T et a1: Rep ort o n th e 貧rst an n独 a王 survey of h o ㎜ e parenteral n Ntritio n. S びrg T od ay 25 : 193−201. 1995 6) 趾 o 曲 c J W,Cole 卿,Sc 舳 巫 航 B H : A silic ㎝ r皿b ber atria玉 catheter for pro1o 服ge d p are nteral a玉i m e ntation.S urg G y necol O bstet 呈36 : 602− 606. 1973 7) Hick ㎜ a泌 R 0,巫似ckn 航 C D,C 肘 t R A et あ1: A m o d 欄 ed rig ht atrial catheter for access to the veno us syste 狐 in 狐 arro w tra nspla nt re d p量e nts. S 雌 g G yneco1 Obstet 148 … 871−875. 1979 8) N 湖 erh 曲 er 犯 , 肋 s㎜ing 帥 W 恥 G We§ J W et a一 : γ ota n y irnp玉a nted veno us a むd arteria丑 access systerΩ to repIa ce e xterna− cath eters in cancer treat 狐 eηt.S urgery 92 : 706−711. 1982 9) 城 谷 典 保, 米 山 公 造, 浜 野 恭 一 : 在 宅 癌 治 療 に お け る 輸 液 療 法.JJP E N 16(8) 1 767−773. 1994 10) S 脆 蟹es.S erτa A , Li㎜ ares J, P erez J L : H ub co玉onization as the {nitiaI steP in an oびtbrea k of catheter・relate d se ps量s d独 e to co a g似1a se neg ativ e staPh yloCocci d uring Pareむtera互 nutri− tion. JPE N 8 : 668−672, 198近 11) S乞o 枕er A T, W 雛 d H, W ater 胴 δ A H et al: Jun ctio na1 care : T he ke y to p re vention of catheter seps五s in i 航 ra veR0 リs fee d{n g.J P E N 工1 :159−162.1987 12) Wヨ 耐 ㈱ y : Im p1antable vas ㎝1ar a ㏄ ess de vices. 0 服col N ursForu m 1亘 : 25−30. 1984 13) 腕 r 肋 da1 E T,Be ㎜ stei浴 ムR,W ong A 亙 et 包一: C o 狐 plications of ho 狐 e Pare皿tera1 n むtrit五〇n. C1五口 Phar狐 aco− 1玉 : 543−548.1992 14) 竹 山 廣 光, 谷1コ 正 哲, 桜 井 敏 : 脂 肪 乳 剤 の 凝 集 と ヘ パ リ ン. 臼 静 脈 ・ 経 腸 栄 養 研 会 誌 4: 2−4. 1989 !5) Y ak o 皿 n M , A r三m y n o t A M, Aq 悩i−1o n A : 一 1018 一147 Reδ口ct葺on ③f ca 舶et釘 肥1就 ed 艶Psis 腕 一〇a忽 te㎜ tO勧 瞬 醐 瞭 創 搬 ritiOカ 耐 ㎎ 鮒 a晦 i㎜ pi 独 娩 b蛤 むa 砒 e雀 鉱 JPE N (Abs敏 犯 室) :9S, 1987 16) 旺o 醐 軸 叫 C 腕 凶 曲 C, 畑 側③w 釧 忍 銚 鋤 : 鮒 e」ye ㈱ ◎f eX 脾 ie㏄e 1 岬 a 脆 鵡 肥 ㏄ 納 ㎎ ho 測e η泌t尚tio篶 s口PPo丈t w 舵h the 虹口p一尋汎ted 肥 鎚 r 榊iτ: A co胴 parison wi眺 蝕竃 跳 峰 理 al c塗辻h雀te篶 JPE 洲 一3 : 478−483. 1989 17) 高 恭 薄 治, 」固 圏 軍 1 わ 銀 国 で ρ 在 宅 商 カ ロ リ ー ・’輸 液 医 の あ ゆ み 鰯 (窒)1478一 棚 , 醐 一 苅19 一