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水素火炎ジェット点火法における燃焼特性および燃焼制御に関する研究

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Academic year: 2021

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Title 水素火炎ジェット点火法における燃焼特性および燃焼制御に関する研究( 本文(Fulltext) ) Author(s) 鬼頭, 俊介 Report No.(Doctoral Degree) 博士(工学) 乙第073号 Issue Date 2014-12-31 Type 博士論文 Version ETD URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/50900 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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水素火炎ジェット点火法における燃焼特性

および燃焼制御に関する研究

Combustion characteristics and control

by hydrogen flame jet ignition

2014

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目 次

第 1 章 序   論 1 1.1 研 究 の 背 景 . . . . 1 1.2 希 薄 燃 焼 の 特 性 . . . . 5 1.3 点 火 方 法 の 分 類 お よ び 関 連 す る 研 究 の 動 向 . . . . 6 1.3.1 通 常 点 火 . . . . 7 1.3.2 光 エ ネ ル ギ ー 点 火 . . . . 7 1.3.3 副 室 点 火 . . . . 8 1.3.4 プ ラ ズ マ ジェット 点 火 . . . . 9 1.3.5 パ ル ス ジェット 点 火 . . . 10 1.3.6 そ の 他 の 点 火 法 . . . 12 1.3.7 水 素 火 炎 ジェット 点 火 . . . 12 1.4 燃 焼 室 壁 面 で の 熱 損 失 の 解 析 . . . 13 1.5 本 研 究 の 概 要 . . . 15 第 2 章 実 験 装 置 お よ び 実 験 方 法 17 2.1 実 験 装 置 の 概 要 . . . 17 2.2 燃 焼 室 ,燃 料 供 給 系 . . . 17 2.3 長 方 形 型 燃 焼 室 . . . 18 2.4 急 速 圧 縮 機 . . . 18 2.4.1 急 速 圧 縮 機 の 燃 焼 室 . . . 19 2.5 圧 力 測 定 装 置 . . . 19 2.6 点 火 回 路 . . . 19 2.7 シュリ ー レ ン 写 真 撮 影 装 置 . . . 20 2.8 熱 流 束 計 . . . 20 2.8.1 熱 流 束 計 の 構 造 . . . 20 2.8.2 熱 流 束 の 算 出 方 法 . . . 20 2.8.3 熱 流 束 計 の 検 定 . . . 21 2.8.4 熱 流 束 の 測 定 位 置 . . . 21 2.9 NOx分 析 装 置 . . . 21 2.9.1 測 定 原 理 . . . 21 2.9.2 測 定 方 法 . . . 22 2.10 イ オ ン 探 針 . . . 22 2.11 デ ー タ 処 理 系 . . . 22

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第 3 章 燃 焼 過 程 36 3.1 燃 焼 過 程 の 比 較 . . . 36 3.2 ノ ズ ル 径 の 影 響 . . . 38 3.3 キャビ ティー の 大 き さ お よ び 形 状 の 影 響 . . . 39 3.4 点 火 位 置 の 影 響 . . . 39 3.5 本 章 の ま と め . . . 41 第 4 章 希 薄 燃 焼 特 性 お よ び 希 薄 点 火 限 界 53 4.1 希 薄 混 合 気 に 対 す る 効 果 . . . 53 4.1.1 燃 焼 過 程 . . . 53 4.1.2 窒 素 酸 化 物 の 排 出 量 . . . 54 4.2 希 薄 点 火 限 界 お よ び 着 火 性 . . . 54 4.2.1 定 容 燃 焼 室 の 場 合 . . . 54 4.2.2 急 速 圧 縮 機 の 場 合 . . . 55 4.3 本 章 の ま と め . . . 56 第 5 章 燃 焼 促 進 の 要 因 65 5.1 キャビ ティー 混 合 気 濃 度 の 影 響 . . . 65 5.2 プ ラ ズ マ 放 電 の 影 響 . . . 66 5.3 本 章 の ま と め . . . 67 第 6 章 燃 焼 室 壁 面 で の 熱 損 失 75 6.1 主 燃 焼 室 内 に お け る 熱 流 束 . . . 75 6.1.1 通 常 点 火 の 場 合 . . . 75 6.1.2 水 素‐空 気 火 炎 ジェット の 場 合 . . . 76 6.1.3 水 素‐酸 素 火 炎 ジェット の 場 合 . . . 76 6.2 キャビ ティー 内 熱 流 束 . . . 78 6.3 希 薄 混 合 気 の 場 合 の 熱 流 束 . . . 79 6.4 ノ ズ ル 内 の 熱 流 束 . . . 80 6.5 熱 流 束 の 時 間 積 分 値 に つ い て の 検 討 . . . 80 6.5.1 主 燃 焼 室 . . . 81 6.5.2 キャビ ティー . . . 81 6.5.3 主 燃 焼 室 当 量 比 の 影 響 . . . 82 6.5.4 ノ ズ ル . . . 82 6.6 本 章 の ま と め . . . 82 第 7 章 結   論 97 参 考 文 献 99 謝   辞 105

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図 目 次

1.1 NO, CO, HC の 排 出 特 性 . . . . 7 2.1 実 験 装 置 の 概 要 . . . 24 2.2 燃 焼 器 . . . 25 2.3 キャビ ティー の 詳 細 図 . . . 25 2.4 点 火 位 置 . . . 25 2.5 長 方 形 型 燃 焼 室 . . . 26 2.6 急 速 圧 縮 機 . . . 27 2.7 急 速 圧 縮 機 の 燃 焼 室 . . . 28 2.8 圧 力 の 検 定 結 果 . . . 29 2.9 圧 力 変 換 器 取 り 付 け 法 . . . 29 2.10 圧 力 変 換 回 路 . . . 30 2.11 通 常 点 火 回 路 . . . 30 2.12 プ ラ ズ マ 放 電 回 路 . . . 31 2.13 シュリ ー レ ン 写 真 撮 影 装 置 . . . 31 2.14 熱 流 束 計 の 構 造 . . . 32 2.15 熱 流 束 計 の 構 造 (ノ ズ ル 内 測 定 用) . . . 32 2.16 熱 流 束 計 の 検 定 装 置 図 . . . 32 2.17 熱 流 束 計 の 検 定 結 果 . . . 33 2.18 熱 流 束 の 測 定 位 置 . . . 33 2.19 NOx検 定 曲 線 . . . 34 2.20 イ オ ン 探 針 . . . 34 2.21 イ オ ン 探 針 増 幅 回 路 . . . 34 2.22 デ ー タ 処 理 系 . . . 35 3.1 燃 焼 過 程 . . . 43 3.2 ノ ズ ル 径 の 影 響 (条 件 (III)) . . . 44 3.3 ノ ズ ル 径 の 影 響 (条 件 (IV)) . . . 45 3.4 ノ ズ ル 径 と 燃 焼 時 間 の 関 係 . . . 46 3.5 キャビ ティー 体 積 の 影 響 (条 件 (III)) . . . 47 3.6 キャビ ティー 体 積 の 影 響 (条 件 (IV)) . . . 47 3.7 キャビ ティー 内 で の 火 炎 伝 播 の 様 子 (模 式 図) . . . 48 3.8 燃 焼 過 程 に 及 ぼ す 点 火 位 置 の 影 響 (条 件 (II)) . . . 49 3.9 燃 焼 過 程 に 及 ぼ す 点 火 位 置 の 影 響 (条 件 (III)) . . . 50 3.10 燃 焼 過 程 に 及 ぼ す 点 火 位 置 の 影 響 (条 件 (IV)) . . . 51 3.11 燃 焼 過 程 に 対 す る ノ ズ ル 径 の 影 響 (水 素‐酸 素) . . . 52

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4.1 希 薄 燃 焼 時 の 指 圧 線 図 (条 件 (III),(IV)) . . . 57 4.2 主 室 当 量 比 と 燃 焼 時 間 の 関 係 . . . 58 4.3 当 量 比 と 燃 焼 短 縮 率 の 関 係 . . . 59 4.4 当 量 比 と NOx 排 出 量 の 関 係 (条 件 (III)) . . . 60 4.5 当 量 比 と NOx 排 出 量 の 関 係 (条 件 (IV)) . . . 60 4.6 当 量 比 と 燃 焼 効 率 の 関 係 . . . 61 4.7 燃 焼 の 様 子 . . . 62 4.8 指 圧 線 図 (φm=0.55) . . . 63 4.9 指 圧 線 図 (φm=0.34) . . . 63 4.10 指 圧 線 図 (φm=0.31) . . . 64 4.11 点 火 可 能 性 の 分 布 図 . . . 64 5.1 混 合 気 の 燃 焼 速 度 . . . 68 5.2 OHの 濃 度 . . . 69 5.3 キャビ ティー 混 合 気 濃 度 の 影 響 . . . 70 5.4 キャビ ティー 混 合 気 濃 度 と 燃 焼 時 間 の 関 係 . . . 71 5.5 プ ラ ズ マ 放 電 の 影 響 . . . 71 5.6 イ オ ン 信 号 . . . 72 5.7 イ オ ン 信 号 に 及 ぼ す プ ラ ズ マ 放 電 の ディレ イ 時 間 の 影 響 . . . 73 5.8 指 圧 線 図 に 及 ぼ す プ ラ ズ マ 放 電 の ディレ イ 時 間 の 影 響 . . . 74 6.1 通 常 点 火 に お け る 熱 流 束 . . . 83 6.2 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 に お け る 熱 流 束 (水 素‐空 気) . . . 83 6.3 熱 流 束 に 対 す る ノ ズ ル 径 の 影 響 (測 定 位 置 4,水 素‐空 気) . . . 84 6.4 燃 焼 過 程 の 比 較 . . . 85 6.5 熱 流 束 の 比 較 (測 定 位 置 4) . . . 86 6.6 ノ ズ ル 径 の 熱 流 束 へ の 影 響 (測 定 位 置 4,水 素‐酸 素) . . . 86 6.7 キャビ ティー 体 積 の 影 響 (水 素‐酸 素) . . . 87 6.8 キャビ ティー 体 積 の 熱 流 束 へ の 影 響 (測 定 位 置 4,水 素‐酸 素) . . . 88 6.9 キャビ ティー 内 に お け る 圧 力 (水 素‐空 気) . . . 88 6.10 キャビ ティー 内 に お け る 熱 流 束 (水 素‐空 気) . . . 89 6.11 キャビ ティー 内 に お け る 熱 流 束 (水 素‐酸 素) . . . 89 6.12 キャビ ティー 内 で の 圧 力 (水 素‐酸 素) . . . 90 6.13 ノ ズ ル 径 と 最 大 熱 流 束 の 関 係 . . . 90 6.14 希 薄 燃 焼 時 の 熱 流 束 (測 定 位 置 4,水 素‐空 気) . . . 91 6.15 当 量 比 0.6 に お け る 熱 流 束 (測 定 位 置 4,水 素‐空 気) . . . 91 6.16 希 薄 燃 焼 時 の 熱 流 束 (測 定 位 置 4,水 素‐酸 素) . . . 92 6.17 当 量 比 と 最 大 熱 流 束 の 関 係 (測 定 位 置 4,水 素‐空 気) . . . 93 6.18 燃 焼 時 間 と 最 大 熱 流 束 の 関 係 (測 定 位 置 4,水 素‐空 気) . . . 93 6.19 主 燃 焼 室 お よ び 副 室 の 圧 力 履 歴 (d = 4mm) . . . 94 6.20 ノ ズ ル 内 の 熱 流 束 (d = 4mm) . . . 94 6.21 熱 流 束 の 積 分 量 に 対 す る ノ ズ ル 径 の 影 響 (主 燃 焼 室 内) . . . 95 6.22 熱 流 束 の 積 分 量 に 対 す る 測 定 位 置 の 影 響 (主 燃 焼 室 内) . . . 95

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6.23 熱 流 束 の 積 分 量 に 対 す る ノ ズ ル 径 の 影 響 (キャビ ティー 内) . . . 96 6.24 熱 流 束 の 積 分 量 に 対 す る 当 量 比 の 影 響 (主 燃 焼 室 内) . . . 96

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表 目 次

3.1 キャビ ティー 混 合 気 の 燃 焼 速 度 . . . 36

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1

序 論

1.1

研 究 の 背 景

近 年 ,大 気 汚 染 ,地 球 温 暖 化 ,石 油 資 源 の 枯 渇 問 題 な ど の 地 球 環 境 に 関 す る 諸 問 題 が 大 き く ク ロ ー ズ アップ さ れ ,そ れ ら に 対 す る 関 心 が 年々高 まって い る .こ の 背 景 に は ,1997 年 に 京 都 で 行 わ れ た 気 候 変 動 枠 組 条 約 第 3 回 締 約 国 会 議 (COP3) で 決 定 さ れ た 京 都 議 定 書 が あ り,そ こ で は 温 室 効 果 ガ ス の 排 出 量 に 関 し て ,2010 年 の 排 出 量 を 1990 年 の 排 出 レ ベ ル に 対 し て 6%削 減 す る と い う 目 標 値 が 提 案 さ れ た .そ し て , 2005年 に こ の 京 都 議 定 書 が 発 効 さ れ る に 至った .そ れ 以 降 も ,原 油 価 格 の 高 騰 に と も な い ,身 近 な と こ ろ で は 電 気 料 金 の 上 昇 ,ガ ソ リ ン 価 格 の 高 騰 な ど に つ な が り, エ ネ ル ギ ー 問 題 に 一 層 関 心 が 持 た れ る よ う に なった .こ の よ う な 地 球 規 模 で の 問 題 に 対 し て ,わ が 国 で も 早 急 な 対 策 が 必 要 で あ る こ と は 言 う ま で も な く,多 く の 施 策 が 試 み ら れ て き た . ま た ,2011 年 3 月 11 日 に 起 こった 東 日 本 大 震 災 で の 原 発 事 故 を 受 け て ,発 電 方 法 が 火 力 発 電 へ シ フ ト し て ,電 力 事 情 が 大 き く 変 わ る こ と に な り,多 く の 人 が そ れ に 関 心 を 持 ち ,電 気 の 節 約 意 識 が 高 まった こ と も 記 憶 に 新 し い .ま た ,災 害 に 強 い と さ れ る 分 散 型 の 電 源 の 必 要 性 も 言 わ れ る よ う に なった . 地 球 温 暖 化 に 関 し て 言 え ば ,温 室 効 果 ガ ス の う ち 大 き な 割 合 を 占 め る CO2 に 関 し て は ,エ ネ ル ギ ー 消 費 に 起 因 す る も の が 大 部 分 を 占 め て い る .そ の う ち 自 動 車 を は じ め と す る 運 輸 部 門 で も 19%排 出 さ れ て お り,近 い 将 来 ,陸 上 輸 送 の エ ネ ル ギ ー 源 が 脱 化 石 燃 料 に 移 行 す る と は 考 え に く い 状 況 で は ,そ の 低 減 が 必 須 で あ り,内 燃 機 関 に お い て さ ら な る 燃 費 の 向 上 等 の 改 善 が 必 要 と さ れ る .ま た ,一 方 で ,人 体 に 害 を 及 ぼ す 窒 素 酸 化 物 ( NOx ),炭 化 水 素 ( HC ),一 酸 化 炭 素 ( CO ) な ど を は じ め と す る 有 害 排 出 物 の 低 減 も 求 め ら れ ,排 ガ ス 規 制 が な さ れ て き た . こ の よ う な 環 境 問 題 に 関 わ る 排 ガ ス 規 制 に 関 し て は ,ア メ リ カ で 光 化 学 ス モッグ の 問 題 の 深 刻 化 に 伴って ,1970 年 に 大 気 浄 化 法 (マ ス キ ー 法) が 制 定 さ れ た .わ が 国 で は ,1966 年 に 一 酸 化 炭 素 の 排 出 量 の 規 制 が 始 ま り,1968 年 に 大 気 汚 染 防 止 法 が 制 定 さ れ た .そ の 後 ,対 象 物 質 や 対 象 車 種 の 拡 大 な ど ,規 制 の 強 化 が 順 次 行 わ れ た . ま た 排 気 ガ ス 規 制 の み で な く エ ネ ル ギ ー 問 題 へ の 対 応 も 同 時 に 必 要 に な り,燃 料 消 費 量 の 抑 制 の た め に 燃 費 の 向 上 も 求 め ら れ て き た .そ の た め 各 自 動 車 メ ー カ ー で は そ の 規 制 を ク リ ア す る た め の 技 術 を 開 発 し て き た .し か し 年々そ の 規 制 値 が 厳 し く な る と と も に ,前 倒 し で 施 行 さ れ る こ と が 多 く な る に 至って ,そ れ に 適 応 す る 技 術 は 高 度 な も の が 要 求 さ れ て い る .そ こ で ガ ソ リ ン エ ン ジ ン ,ディー ゼ ル エ ン ジ ン な

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ど の 現 行 の 内 燃 機 関 の 改 良 お よ び 新 し い コ ン セ プ ト の 燃 焼 法 の 開 発 が な さ れ て き た .ま た 燃 料 と し て 従 来 の ガ ソ リ ン ,軽 油 等 に 代 わ り 天 然 ガ ス(1) ,メ タ ノ ー ル(2)(3)(4) , バ イ オ エ タ ノ ー ル な ど を 利 用 す る 研 究 も な さ れ て い る .ま た ,現 行 の 内 燃 機 関 に 代 わ る 動 力 源 と し て 電 気 自 動 車(5) ,燃 料 電 池 自 動 車(6) ,ハ イ ブ リッド 自 動 車(7) な ど が 注 目 さ れ ,そ れ ら の 開 発 ,実 用 化 が さ れ つ つ あ る .特 に ハ イ ブ リッド 自 動 車 は 一 般 に も か な り 普 及 し て い る .し か し こ れ ら の 新 し い 動 力 源 を よ り 広 く 普 及 さ せ る た め に は ,製 造 に 要 す る コ ス ト,ラ ン ニ ン グ コ ス ト な ど の 低 減 ,イ ン フ ラ の 整 備 ,耐 久 性 の 向 上 ,信 頼 性 の 確 保 ,廃 車 後 の 環 境 負 荷 な ど 乗 り 越 え な け れ ば な ら な い 数 多 く の 問 題 が あ る .こ の よ う な 理 由 か ら ,少 な く と も こ こ 数 10 年 程 は ,や は り 内 燃 機 関 が 動 力 源 と し て 主 力 で あ る こ と は 間 違 い な く,そ の さ ら な る 高 効 率 化 お よ び 排 気 ガ ス の ク リ ー ン 化 が エ ン ジ ン の 開 発 に お い て 重 要 な 課 題 で あ る と 考 え ら れ る . こ れ ら の 課 題 を 解 決 す る ひ と つ の 方 法 と し て ,希 薄 混 合 気 を 用 い て 燃 焼 を 行 う リ ー ン バ ー ン エ ン ジ ン が こ れ ま で 注 目 さ れ て き た .リ ー ン バ ー ン エ ン ジ ン で は 混 合 気 の 比 熱 比 の 増 大 に 伴 う 熱 効 率 の 向 上 ,燃 焼 温 度 の 低 下 に よ る 熱 解 離 の 減 少 と ,壁 面 な ど へ の 熱 伝 達 に よ る 冷 却 損 失 の 減 少 ,ま た 窒 素 酸 化 物 な ど の 有 害 排 出 物 の 低 減 も 期 待 さ れ る .希 薄 燃 焼 で は こ の よ う な 利 点 が あ る が ,一 方 で 着 火 ,火 炎 伝 播 の 安 定 性 に 劣 り,ま た 燃 焼 時 間 が 長 く な り 等 容 度 が 低 下 す る た め 効 率 が 悪 く な る 可 能 性 を 秘 め て お り,高 い 運 転 性 能 を 維 持 す る た め に は そ れ を 克 服 す る た め の 方 法 が 必 要 で あ る . 希 薄 燃 焼 に お け る こ れ ら の 欠 点 を 解 決 す る 方 法 と し て ,初 期 の 希 薄 燃 焼 エ ン ジ ン で は 副 室 を 用 い る 方 法 が 考 え ら れ た(8)(9) .特 に CVCC エ ン ジ ン は 大 き な 効 果 を 示 し た .し か し こ れ ら の 副 室 式 で は ,副 室 で の 火 炎 伝 播 時 間 が 長 い の が 欠 点 で あ り, 三 元 触 媒 の 登 場 に よ り 姿 を 消 し た .そ の 後 イ ン レット ポ ー ト を 改 良 し て ,シ リ ン ダ 内 に ス ワ ー ル や タ ン ブ ル な ど の 旋 回 流 を 形 成 し ,燃 焼 速 度 を 速 く し て ,燃 焼 時 間 を 短 縮 す る 方 法 が 用 い ら れ た .こ れ ら の 方 法 に よ り,空 燃 比 で 約 25 で の 運 転 が 可 能 と なった . さ ら に 燃 料 を シ リ ン ダ ー 内 に 直 接 噴 射 す る 筒 内 噴 射 方 式 が 開 発 さ れ て い る .こ の 方 法 は 石 油 ショック の 頃 ,副 室 付 燃 焼 室 が 現 れ た 頃 も 開 発 が 試 み ら れ た も の で ,特 に 部 分 負 荷 の と き に 大 き な 損 失 と し て 問 題 と な る ポ ン ピ ン グ 仕 事 の 欠 点 を 克 服 し よ う と し た も の で あ る が ,燃 料 供 給 技 術 が 未 熟 で あった た め ,商 品 化 で き な かった も の で あ る .こ の 方 式 が 最 近 台 頭 で き た 背 景 に は ,ディー ゼ ル エ ン ジ ン の 技 術 の 改 善 が あ る .す な わ ち ディー ゼ ル エ ン ジ ン で は ガ ソ リ ン エ ン ジ ン 以 上 に 深 刻 な 悩 み , す な わ ち NOx と す す の 同 時 低 減 と い う 課 題 を か か え て お り,そ の 解 決 の た め 電 子 制 御 の コ モ ン レ ー ル 方 式 が 開 発 さ れ ,そ の 技 術 と 並 行 し て ,ガ ソ リ ン の 電 子 制 御 高 圧 噴 射 技 術 も 発 達 し た .こ れ ら の 技 術 に よ り 可 能 と なった 筒 内 噴 射 方 式 で は 吸 気 行 程 の み で な く 圧 縮 行 程 で の 燃 料 供 給 が 可 能 で あ り,高 負 荷 時 の 均 質 燃 焼 と 低 負 荷 時 の 成 層 燃 焼 の 使 い 分 け が 可 能 で ,幅 広 い 燃 焼 制 御 を す る こ と が 出 来 る .特 に 低 負 荷 時 に は 点 火 プ ラ グ 周 辺 に 濃 い 混 合 気 が 集 ま る よ う な 流 れ を 形 成 し ,燃 料 を 不 必 要 に 拡 散 さ せ る こ と な く,よ り 一 層 安 定 し た 成 層 吸 気 燃 焼 を 可 能 に し ,平 均 的 な 濃 度 は 空 燃 比 で 1:50 と い う 非 常 に 希 薄 な 燃 焼 を 実 現 し て い る .こ の 技 術 に よ り 部 分 負 荷 時 に も ス ロット ル バ ル ブ を あ る 程 度 開 け た ま ま 新 気 を 吸 入 し ,ポ ン ピ ン グ 損 失 を 大 幅 に 減 少 さ せ ,熱 効 率 を 向 上 さ せ て い る .こ の 結 果 燃 費 が 格 段 に 改 善 さ れ ,NOx の 排 出

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も か な り 低 減 さ れ て い る .し か し こ れ ら の 方 法 で も ,混 合 気 濃 度 の 高 い 部 分 で の 燃 焼 に よ り,多 量 の NOx が 生 成 さ れ る 可 能 性 が あ る .従って こ れ ら の 問 題 を 解 決 す る に は ,や は り 均 質 な 希 薄 混 合 気 を 用 い つ つ ,ポ ン ピ ン グ 仕 事 を 減 ら す こ と が 理 想 的 で あ る . 前 述 の よ う に ガ ソ リ ン エ ン ジ ン が 部 分 的 に 理 想 混 合 比 ,他 は 空 気 の み と い う 分 布 を 持 た せ た ,い わ ゆ る ディー ゼ ル エ ン ジ ン 的 な 燃 焼 を 目 指 し た の に 対 し ,ディー ゼ ル エ ン ジ ン で は 逆 に ガ ソ リ ン エ ン ジ ン の 燃 焼 に 近 い 均 一 自 着 火 燃 焼 を 狙 う よ う に なって き た の は 皮 肉 で あ る .結 局 の と こ ろ ど ち ら の エ ン ジ ン に せ よ ,排 気 の た め に は 均 一 燃 焼 が 良 く,燃 費 の た め に は ポ ン ピ ン グ ロ ス を 避 け ら れ る よ う 吸 気 絞 り を 避 け た い と い う こ と に 落 ち 着 い て き た と も 言 え る . ディー ゼ ル エ ン ジ ン ,す な わ ち 圧 縮 自 着 火 で 均 一 混 合 気 を 燃 や す た め に は ,要 求 さ れ る 負 荷 に 応 じ た 濃 度 の 混 合 気 に 対 し て ,回 転 数 に か か わ ら ず 最 適 な 着 火 タ イ ミ ン グ を 実 現 し な く て は な ら な い .と こ ろ が 自 着 火 は 混 合 比 に よ り 変 わ る 総 括 化 学 反 応 速 度 で ,ク ラ ン ク 角 に 依 存 し た 圧 力 ,温 度 の も と で の 低 温 度 酸 化 か ら 熱 炎 へ と 至 る の で 制 御 は 非 常 に 難 し く,商 品 化 に は 至って い な い .均 一 混 合 気 に よ る ガ ソ リ ン 機 関 で 吸 気 絞 り を 無 く す た め に は ,低 負 荷 に な る ほ ど 希 薄 に な り,着 火 性 の 極 端 な 悪 化 ,火 炎 伝 播 速 度 の 低 下 を い か に 克 服 す る か に か かって い る . そ こ で 希 薄 な 均 一 混 合 気 に 対 す る 着 火 性 の 向 上 や ,燃 焼 時 間 を 短 縮 す る た め の 方 法 と し て ジェット 点 火 法 が 考 え ら れ て き た .ジェット 点 火 法 は ,主 燃 焼 室 と は 別 に 副 燃 焼 室 を 設 け た い わ ゆ る 副 室 点 火 法 の ひ と つ で あ る が ,副 室 の 体 積 が 小 さ く, 従 来 の 副 室 点 火 法 に 比 べ て 副 室 で の 火 炎 伝 播 時 間 が そ れ ほ ど 長 く な ら ず,ま た 火 炎 ジェット 噴 出 の 持 続 時 間 が 短 い の が 特 徴 で あ る .こ の ジェット 点 火 法 に 関 し て は パ ル ス ジェット 点 火 法(10)(11)(12),プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法(13)(14)な ど が あ り,そ の 特 性 お よ び 希 薄 混 合 気 に 対 す る 効 果 に つ い て 研 究 さ れ て い る . プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 は 副 室 (キャビ ティー) に 数 J と い う 大 き な 点 火 エ ネ ル ギ ー を 与 え て 燃 焼 さ せ る も の で あ り,高 エ ネ ル ギ ー の 放 電 に よ り 発 生 し た プ ラ ズ マ を 高 速 の ジェット に よ り 主 燃 焼 室 に 噴 出 さ せ て 燃 焼 促 進 を 図 る 方 法 で あ る .こ れ ら の ジェット 点 火 法 で は 燃 焼 促 進 の 要 因 と し て ,流 体 的 効 果 ,化 学 的 効 果 ,熱 的 効 果 が 考 え ら れ ,こ の う ち ど れ が 燃 焼 促 進 に 対 し て 重 要 な 因 子 と な る か が 問 題 と な る .プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 で は 放 電 に よ り 大 量 の 活 性 基 が 発 生 し ,そ れ が 燃 焼 促 進 の 主 要 因 と な り,化 学 的 な 効 果 が 大 き い と い わ れ て き た .し か し 実 は 活 性 基 の 寿 命 は 短 く,そ れ が 燃 焼 期 間 全 体 に わ た り 効 い て い る と い う の に は 疑 問 が 残 る .ま た ,こ の 方 法 で は ,高 エ ネ ル ギ ー の 放 電 に よ る 電 極 の 溶 損 の 問 題 が あ り,こ れ は 装 置 の 耐 久 性 を 低 下 さ せ る 要 因 と な る .そ の た め ,あ え て 高 エ ネ ル ギ ー で 点 火 す る 必 要 が あ る の か と い う 疑 問 が あ る の も 事 実 で あ る . そ こ で 燃 焼 室 の 構 造 は プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 と ほ ぼ 同 じ で あ る が ,点 火 エ ネ ル ギ ー が 通 常 用 い ら れ て い る も の と 同 等 で あ る 方 法 が 考 え ら れ た .こ れ が パ ル ス ジェッ ト 点 火 法 で あ る .キャビ ティー (副 室) に は ,主 燃 焼 室 と 同 じ 混 合 気 ,あ る い は 燃 料 の 種 類 は 同 じ で 過 濃 な 混 合 気 が 用 い ら れ る .こ れ は 少 量 の 点 火 エ ネ ル ギ ー に よ り キャ ビ ティー 内 で 点 火 し ,キャビ ティー の 混 合 気 の 燃 焼 に よ り 中 間 生 成 物 が 形 成 さ れ ,そ れ ら を 主 燃 焼 室 に 送 り 込 む こ と に よ り 燃 焼 促 進 を 図 る も の で あ る .こ れ も プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 と 同 様 に 化 学 的 効 果 が 大 き い と 言 わ れ て い る .し か し こ れ ら 2 つ の

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方 法 で は ,キャビ ティー の 燃 焼 に 伴 い ジェット が 噴 出 し ,主 燃 焼 室 の 混 合 気 を 乱 流 化 し て 燃 焼 を 促 進 さ せ る と い う,流 体 的 効 果 も 当 然 影 響 し て い る の で は と 思 わ れ る . そ こ で 本 研 究 で は 流 体 的 効 果 が 燃 焼 促 進 に 及 ぼ す 影 響 に 着 目 し て ,よ り 速 い 燃 焼 速 度 を 持 つ 水 素 を キャビ ティー の 燃 料 と し て 用 い る ,水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 提 案 し て い る .こ の 方 法 で は 主 燃 焼 室 の 1%以 下 の 非 常 に 小 さ い キャビ ティー に 水 素‐空 気 ま た は 水 素‐酸 素 混 合 気 を 用 い る .水 素 混 合 気 の 燃 焼 速 度 は 非 常 に 速 く,激 し い 乱 れ を 伴った 火 炎 ジェット が 主 燃 焼 室 に 噴 出 し ,主 燃 焼 室 の 混 合 気 が 大 き く 乱 さ れ 火 炎 面 積 が 増 大 す る と と も に ,燃 焼 速 度 が 増 大 し 燃 焼 が 促 進 さ れ る も の と 期 待 さ れ る .実 際 の エ ン ジ ン の 運 転 に お い て も ,燃 焼 時 間 を 大 幅 に 短 縮 す る こ と に よ り,理 想 的 な サ イ ク ル に 近 づ き 熱 効 率 の 向 上 に 結 び つ く と 考 え ら れ る . 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 は ,主 室 に 用 い る 混 合 気 が 理 論 混 合 比 の 場 合 に は 大 き な 効 果 が 期 待 さ れ る が ,実 用 上 は 希 薄 混 合 気 を 用 い る こ と が 社 会 を 取 り 巻 く 情 勢 か ら も 当 然 の 要 求 で あ り,希 薄 領 域 で の 燃 焼 特 性 に つ い て も 把 握 す る こ と が 重 要 で あ る . ま た ,水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 実 際 の エ ン ジ ン に 適 用 す る た め に は ,燃 焼 室 形 状 の 各 種 パ ラ メ ー タ ー や ,点 火 位 置 が 燃 焼 過 程 に 及 ぼ す 影 響 を 調 べ ,最 適 な 条 件 を 見 出 す 必 要 が あ る . 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 で は 上 述 の よ う な 燃 焼 促 進 と い う 利 点 が あ る 反 面 ,通 常 の 点 火 と は 違 い ,速 度 の 速 い 噴 流 が 生 じ る た め 燃 焼 室 壁 面 で の 熱 損 失 が 増 大 す る こ と が 懸 念 さ れ ,こ れ が 熱 効 率 の 低 下 を 招 く 可 能 性 が あ る .ま た ,火 炎 ジェット が 直 接 衝 突 す る 位 置 で ホット ス ポット が 生 じ る こ と も 考 え ら れ る .ま た ,火 炎 ジェット が 非 常 に 速 い 時 に は 圧 力 振 動 が 生 じ る こ と が あ り,こ れ が ノッキ ン グ と 同 じ よ う な 作 用 を し て ,通 常 の 点 火 に よ る 燃 焼 に 比 べ て 熱 負 荷 が 高 く な り,燃 焼 室 に 悪 影 響 を 与 え る 可 能 性 が あ る .燃 焼 室 壁 面 の 熱 損 失 の 分 布 は 一 様 で は な く,場 所 に よ り 大 き く 異 な る 可 能 性 が 十 分 に あ り 得 る .熱 損 失 が 特 に 大 き く な る と 予 想 さ れ る 場 所 は ,主 燃 焼 室 の 火 炎 ジェット が 直 接 衝 突 す る 対 向 面 ,キャビ ティー 内 お よ び ノ ズ ル 部 分 で あ る が ,こ れ ら の 部 分 で の 熱 損 失 が 実 際 あ ま り 大 き く な ら な い の で あ れ ば ,水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 実 用 化 す る 上 で ,大 き な 障 害 と は な ら な い こ と に な る .こ の よ う に ,燃 焼 室 の 耐 久 性 ,熱 効 率 の 向 上 の 観 点 か ら ,燃 焼 室 各 部 で の 熱 的 特 性 に つ い て 検 討 す る 必 要 が あ る . さ て ,水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 の 実 用 化 に 当 たって は ,有 害 排 気 物 質 の 問 題 も 解 決 す べ き 重 要 な 課 題 で あ る .排 出 ガ ス 成 分 の う ち ,現 在 自 動 車 の 排 気 規 制 の 対 象 に なって い る 主 な も の は CO,HC,NOx な ど で あ る .CO,HC に 関 し て は ,燃 料 過 濃 側 で 酸 素 不 足 の た め に 多 く 発 生 し ,希 薄 側 で は 減 少 す る が ,HC は 希 薄 可 燃 限 界 付 近 で 失 火 の 発 生 と と も に 増 加 す る .NOx に 関 し て は ,一 般 的 に 理 論 混 合 比 よ り や や 希 薄 な 領 域 で 大 き く な る が ,さ ら に 希 薄 化 す る に つ れ て 低 減 さ れ ,希 薄 可 燃 限 界 付 近 で は 非 常 に 小 さ な 値 に な る .そ の よ う な 混 合 気 に 対 し て 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 用 い る こ と に よ り,失 火 を 防 ぎ ,ま た 燃 焼 時 間 を 短 縮 し て 運 転 性 能 を 低 下 さ せ る こ と な く,結 果 と し て NOx の 排 出 を 大 幅 に 下 げ る こ と が 可 能 だ と 考 え ら れ る .こ の よ う に 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 は NOx 排 出 量 の 低 減 に つ な が る 有 効 な 方 法 と し て 期 待 さ れ る . 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 の 希 薄 混 合 気 に 対 す る 燃 焼 促 進 効 果 は 大 き い と 期 待 さ れ る が ,そ れ は 混 合 気 に 着 火 し て か ら の 燃 焼 能 力 で あ る .一 方 で は ど れ だ け 薄 い 混 合

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気 に 点 火 さ せ ,燃 焼 を 開 始 す る こ と が で き る か と い う の も 点 火 性 能 を 評 価 す る 指 標 で あ る .通 常 の 点 火 法 に 比 べ て ,水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 で は よ り 薄 い 混 合 気 に 点 火 で き る 可 能 性 が あ る が ,こ れ に つ い て は ,実 機 へ の 適 用 を 念 頭 に 置 い た 場 合 に は ,実 際 の エ ン ジ ン に 近 い 条 件 で あ る 高 温・高 圧 場 で の 性 質 を 把 握 す る こ と も 必 要 で あ る .そ こ で 定 容 燃 焼 室 を 用 い た 場 合 だ け で な く,急 速 圧 縮 機 を 用 い た 高 温・高 圧 場 に お け る 点 火 特 性 に つ い て も 調 べ ,水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 の 実 用 性 に つ い て 調 べ る 必 要 が あ る . こ の よ う な 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 の 応 用 分 野 と し て は ,自 動 車 の エ ン ジ ン も 考 え ら れ る が ,そ の 場 合 に は 通 常 の 燃 料 に 加 え て ,水 素 も 同 時 に 搭 載 し な け れ ば な ら な い の で ,安 全 性 ,イ ン フ ラ な ど の 面 か ら 考 え て ,使 い 勝 手 は 余 り 良 く な い .む し ろ ,定 置 式 の 発 電 用 エ ン ジ ン へ の 応 用 が 最 も 有 力 で あ り,実 際 ,副 室 燃 焼 式 は 発 電 用 ガ ス エ ン ジ ン に 多 く 採 用 さ れ て い る(15)(16) .天 然 ガ ス を 燃 料 と し た 発 電 用 の ガ ス エ ン ジ ン は コ ー ジェネ レ ー ション の 需 要 の 高 ま り に よ り,近 年 多 く 用 い ら れ て い る .天 然 ガ ス は ,燃 焼 に お け る 二 酸 化 炭 素 の 排 出 量 が ガ ソ リ ン な ど に 比 べ て 少 な い と い う 特 徴 が あ る .コ ー ジェネ レ ー ション と は ,1 つ の エ ネ ル ギ ー 源 か ら 2 種 類 以 上 の 形 態 の エ ネ ル ギ ー を 取 り 出 し 利 用 す る こ と で あ る .発 電 用 ガ ス エ ン ジ ン で は ,ま ず 電 力 を 取 り 出 し ,そ の 運 転 に よ り 生 じ た 排 熱 を 別 の 用 途 ,例 え ば 暖 房 ,給 湯 な ど に 用 い ,全 体 と し て の 熱 効 率 を 向 上 さ せ る も の で あ り,ホ テ ル ,病 院 な ど の 大 規 模 施 設 は も ち ろ ん ,一 般 家 庭 な ど で も 普 及 し つ つ あ る .こ の よ う な コ ー ジェネ レ ー ション シ ス テ ム は ,分 散 型 電 源 シ ス テ ム と し て の 意 味 も あ り,災 害 に 強 い ,送 電 に 伴 う 損 失 が 少 な い な ど メ リット も 多 く,注 目 さ れ て い る シ ス テ ム で あ る .こ れ ら の エ ン ジ ン で は 燃 料 消 費 率 ,排 気 ガ ス の ク リ ー ン 化 な ど の 観 点 か ら 希 薄 混 合 気 を 用 い る も の が 主 流 に なって い る .こ の 方 法 で は 副 室 か ら の 噴 出 火 炎 を 点 火 源 と し て 主 燃 焼 室 の 希 薄 混 合 気 を 燃 焼 さ せ ,高 効 率 化 ,低 NOx 化 が 実 現 さ れ て い る .本 研 究 の 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を こ の よ う な ガ ス エ ン ジ ン に 採 用 す る こ と に よ り,よ り 一 層 の 高 効 率 運 転 お よ び ,有 害 排 出 物 ,温 暖 化 ガ ス の 低 減 が 期 待 さ れ る .

1.2

希 薄 燃 焼 の 特 性

こ こ で は 希 薄 燃 焼 を 行 う 上 で 重 要 な 性 質 を 示 す. 内 燃 機 関 に お い て ガ ソ リ ン 機 関 の 理 論 サ イ ク ル で あ る オット ー サ イ ク ル の 熱 効 率 は ,次 の よ う に な る . η = 1 − 1 εκ−1こ こ で ,η : 熱 効 率 ,ε : 圧 縮 比 ,κ : 比 熱 比 で あ る . こ の 式 よ り 熱 効 率 を 向 上 さ せ る た め に は ,次 の 2 つ の 方 法 が 考 え ら れ る .ひ と つ は ,圧 縮 比 を 上 げ る こ と で あ り,も う ひ と つ は 比 熱 比 を 大 き く す る こ と で あ る . 前 者 に つ い て は ,圧 縮 比 を 大 き く す る と ノッキ ン グ が 生 じ や す く な る .そ こ で 耐 ノック 性 の 高 い ,い わ ゆ る オ ク タ ン 価 の 高 い 燃 料 を 使 用 す る こ と で ,圧 縮 比 を 上 げ る 方 法 を 採って い る .し か し こ の よ う な 方 法 で さ ら に 圧 縮 比 を 上 げ よ う と す る と , 燃 料 の 化 学 的 な 成 分 組 成 と エ ン ジ ン の 構 造 を 同 時 に 変 え な け れ ば 熱 効 率 の 向 上 は

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望 め な い た め ,工 業 的 に コ ス ト が か な り 上 昇 す る と 考 え ら れ る .よって 圧 縮 比 を さ ら に 上 げ る こ と は か な り 難 し い . 混 合 気 が 希 薄 に な れ ば ノッキ ン グ が 起 こ り に く く な る た め ,圧 縮 比 を 高 く す る こ と が で き る .た だ し ,ノッキ ン グ は 未 燃 焼 ガ ス が 高 温 に さ ら さ れ る 時 間 に 依 存 す る の で ,希 薄 混 合 気 を 急 速 に 燃 焼 さ せ る こ と が 高 圧 縮 比 化 の 条 件 と な る . 後 者 に 関 し て 考 え る と ,比 熱 比 は 0 ℃ ,760mmHg に お い て 空 気 κ=1.4,本 研 究 で 主 に 用 い る 燃 料 で あ る メ タ ン κ=1.317 と な り,空 気 の 比 熱 比 の ほ う が ,一 般 的 に 用 い ら れ る 燃 料 (メ タ ン ,ガ ソ リ ン な ど) の 成 分 に 比 べ て 大 き い .従って ,燃 焼 に 用 い る 混 合 気 は 空 気 の 比 率 が 大 き い ほ ど 比 熱 比 が 大 き く な る .混 合 気 が 希 薄 に な れ ば な る ほ ど 空 気 の 比 率 が 大 き く な り,熱 効 率 が 向 上 す る こ と に な る .燃 焼 ガ ス の 熱 解 離 を 考 え た 場 合 ,混 合 気 の 当 量 比 が 1 に 近 く な る ほ ど ,上 死 点 近 く で は 熱 解 離 が 激 し く, 圧 力 ,温 度 を 上 げ な い 方 向 に 反 応 は 移 り,膨 張 中 に 再 結 合 で 発 熱 が 起 こ り 十 分 温 度 が 下 が り に く く な る の で ,排 気 ガ ス の 温 度 が 高 く な る .つ ま り,燃 料 に よ り 発 熱 し た 熱 量 の 一 部 分 が 有 効 に 使 わ れ ず に 外 に 捨 て ら れ る た め 熱 効 率 が 低 下 す る .そ れ に 対 し て ,希 薄 に な れ ば こ の よ う な 熱 解 離 が 少 な く な り,熱 効 率 が 良 く な る . ま た 希 薄 混 合 気 を 用 い る と 燃 焼 温 度 が 低 下 す る が ,こ の こ と に よ り 燃 焼 室 壁 面 へ の 熱 伝 達 に よ る 冷 却 損 失 が 低 減 さ れ ,熱 効 率 が 向 上 す る .ま た ,内 燃 機 関 か ら 排 出 さ れ る 窒 素 酸 化 物 の 大 部 分 を 占 め る Thermal NO は 温 度 の 上 昇 に 伴 い ,指 数 関 数 的 に 生 成 量 が 増 え る の で ,温 度 が 低 下 す る こ と に よ り,そ の 生 成 が 大 幅 に 抑 制 さ れ る . 内 燃 機 関 で 一 般 的 に 問 題 と な る 燃 焼 排 出 物 で ,特 に 人 体 に 有 害 な も の と し て は , 窒 素 酸 化 物 ( NOx ),炭 化 水 素 ( HC ),一 酸 化 炭 素 ( CO ) が あ り,そ れ 以 外 に ,有 害 で は な い が 温 暖 化 に 関 係 す る 二 酸 化 炭 素 ( CO2 )な ど が あ る .こ れ ら の 有 害 排 出 物 に 関 し て ,当 量 比 と 排 出 量 の 関 係 を 図 1.1 に 示 す(17).NO は 理 論 混 合 比 よ り 若 干 希 薄 側 で 最 大 と な り,希 薄 側 で も 過 濃 側 で も 減 少 し ,希 薄 可 燃 限 界 付 近 で は 非 常 に 小 さ い 値 と な る .HC と CO は 過 濃 側 で 酸 素 不 足 の た め に 多 く 発 生 し ,希 薄 側 で は 減 少 す る .し か し HC は 希 薄 燃 焼 限 界 付 近 で 失 火 の 発 生 と 共 に 増 加 す る .希 薄 限 界 付 近 の 混 合 気 を 用 い る こ と に よ り,NO と CO を 減 少 さ せ る こ と が で き る が ,さ ら に ,失 火 を 防 ぐ こ と に よ り HC を 低 減 さ せ る こ と が 可 能 で あ る と 考 え ら れ る .こ の こ と か ら わ か る よ う に ,希 薄 混 合 気 を 確 実 に 点 火 し ,燃 焼 さ せ る こ と が で き れ ば ,有 害 排 出 物 の 低 減 に 有 効 で あ る . 以 上 に 示 し た よ う に ,希 薄 燃 焼 は 熱 効 率 の 向 上 や 有 害 排 出 物 の 低 減 に 有 効 で あ る が ,希 薄 混 合 気 を 確 実 に ,し か も 速 く 燃 焼 さ せ る こ と が 前 提 で あ る .従って ,燃 焼 促 進 効 果 の 大 き い 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 希 薄 混 合 気 に 適 用 す る こ と が ,問 題 を 解 決 す る 有 効 な 方 法 に な る と 考 え ら れ る .

1.3

点 火 方 法 の 分 類 お よ び 関 連 す る 研 究 の 動 向

こ こ で は ,従 来 考 え ら れ て き た 点 火 法 に つ い て 紹 介 し ,そ の 概 要 に つ い て 述 べ る . ま た ,そ れ ら に 関 連 し た 研 究 の 動 向 に つ い て 述 べ る . 点 火 方 法 と し て は ,最 も 基 本 的 な 方 法 で あ る ス パ ー ク 点 火 ,希 薄 混 合 気 に 対 し て 効 果 的 で あ る 副 室 を 用 い た 方 法 ,さ ら に そ れ が 進 化 し た ジェット 点 火 法 な ど 様々な 方 法 が 考 え ら れ て い る .こ れ ら の 方 法 で は ,火 花 点 火 に よ り 燃 焼 を 開 始 す る が ,こ

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図 1.1 NO, CO, HC の 排 出 特 性 の 他 に 火 花 点 火 を 用 い ず に レ ー ザ ー な ど の 光 エ ネ ル ギ ー を 用 い る 方 法 な ど も あ る . 1.3.1 通 常 点 火 こ れ は 通 常 用 い ら れ て い る ,い わ ゆ る ス パ ー ク プ ラ グ に よ る 一 点 で の 火 花 点 火 で あ る .通 常 の ス パ ー ク 点 火 シ ス テ ム は ,数 10mJ の エ ネ ル ギ ー を 短 時 間 に 局 所 に 与 え て 点 火 す る 方 法 で あ る .点 火 過 程 は ア ー ク エ ネ ル ギ ー ,ピ ー ク 電 圧 ,放 電 期 間 , ス パ ー ク ギャップ の 形 状 や 位 置 な ど の 多 く の 因 子 に よって 左 右 さ れ る(17) . 通 常 点 火 で は ,火 炎 は 点 火 位 置 を 中 心 と し て 球 状( ま た は 半 球 状 )に 伝 播 し て い く.そ の 火 炎 伝 播 の 状 態 は 層 流 で あ る .燃 焼 室 の 末 端 ま で 火 炎 が 伝 播 す る の に 時 間 が か か り,特 に 燃 焼 室 が 長 い 場 合 に は 燃 焼 時 間 が 非 常 に 長 く な る .一 般 的 に は ス ワ ー ル が か け ら れ ,ま た 吸 気 バ ル ブ で 乱 流 を 発 生 さ せ る な ど で ,燃 焼 速 度 を 回 転 数 に 依 存 し や す く し て い る .点 火 効 率 を 高 め る た め に ,ス パ ー ク プ ラ グ を 複 数 用 い る 方 法 も 考 え ら れ ,実 際 の エ ン ジ ン に 採 用 さ れ た . 1.3.2 光 エ ネ ル ギ ー 点 火 こ の 点 火 法 は ,エ ネ ル ギ ー の 高 い 光 を 照 射 し ,局 所 的 に 活 性 の 高 い 活 性 化 学 種 を 生 成 し ,燃 焼 反 応 を 活 性 化 し ,着 火 を 行 な う も の で あ る .非 接 触 で ,任 意 の 位 置 で の 着 火 が 可 能 で あ り,混 合 気 の 不 均 一 性 が 高 い 場 合 で も ,着 火 に 適 し た 予 混 合 気 部 分 を 選 択 的 に 着 火 す る こ と に よ り,安 定 し た 着 火 が 得 ら れ る 可 能 性 が あ る . 光 を 照 射 し て 混 合 気 を 着 火 す る 技 術 に つ い て は ,“ ブ レ イ ク ダ ウ ン ”,“ 多 光 子 過 程 に よ る マ イ ク ロ プ ラ ズ マ ”,“ 一 光 子 過 程 で 生 成 さ れ る 活 性 化 学 種 に よ る 着 火 ”な

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ど の 例 が あ る(18) .光 源 と し て は 紫 外 域 の 波 長 を 持 つ レ ー ザ ー な ど が 用 い ら れ る(19) . ま た ,可 視 光 や 赤 外 線 を 用 い て 加 熱 ,点 火 す る 方 法 も あ る(20)(21) .例 と し て 水 素‐酸 素‐ア ル ゴ ン 予 混 合 気 の レ ー ザ ー に よ る 着 火 の 研 究 が 行 な わ れ て い る(18).こ れ ら の 方 法 は 光 源 と し て の レ ー ザ ー が 高 価 で あ り,ま た そ の 寿 命 が 短 い と い う 欠 点 が あ る が ,他 の 方 法 で は 実 現 で き な い よ う な 着 火 も 可 能 で あ る . 1.3.3 副 室 点 火 副 室 点 火 法 は 燃 焼 室 を 穴 の 開 い た 仕 切 り 板 で 2 つ に 分 け,そ の 一 方 の 燃 焼 室 (副 室) で 点 火 し て 高 速 の 噴 流 を 発 生 さ せ て ,主 燃 焼 室 に お け る 燃 焼 を 促 進 す る も の で あ る .こ の 方 法 で は ,火 炎 面 積 の 増 大 に よ る 流 体 的 効 果 ,高 温 の 噴 流 に よ り 着 火 性 を 向 上 さ せ る と い う 熱 的 効 果 が 大 き い と 考 え ら れ る .副 室 点 火 法 は 副 室 に 用 い る 混 合 気 の 違 い に よ り,2 つ に 分 け ら れ る .ひ と つ は 主 燃 焼 室 と 同 じ 混 合 気 を 用 い る 方 法 で あ り,も う ひ と つ は 過 濃 混 合 気 を 用 い る 方 法 で あ る .前 者 の 方 法 の 例 と し て は ,TGP 方 式(8) な ど が 実 用 化 さ れ た こ と が あ る .TGP と は 乱 流 生 成 ポット (Turbulent Generating Pot)と い う 意 味 で ト ヨ タ 自 動 車 が 名 付 け た も の で あ る . 副 室 に 過 濃 混 合 気 を 用 い た 方 法 は ,成 層 給 気 方 式 と 呼 ば れ て い る .こ れ は 副 室 の 濃 い 混 合 気 に 点 火 し ,そ れ を 主 燃 焼 室 の 希 薄 混 合 気 に 導 い て 点 火 さ せ る も の で あ る .前 述 の 流 体 ,熱 的 効 果 の 他 に ,化 学 的 効 果 が 加 わ る .

こ の 種 の 点 火 法 に 関 し て は Gussak ら が LAG Process と し て 研 究 を 行った(22)

.こ れ は ひ と つ ,ま た は 複 数 の ノ ズ ル を 通 じ て ,副 室 か ら ジェット を 噴 出 し ト ー チ 点 火 す る も の で あ る .こ の 方 法 は 化 学 活 性 基 に よ り 燃 焼 促 進 さ れ る と し て そ の 燃 焼 機 構 が 調 べ ら れ ,Gussak ら は 副 室 体 積 の 大 き さ や ,ノ ズ ル 断 面 積 な ど の 副 室 形 状 が ,燃 焼 過 程 お よ び 効 率 に 及 ぼ す 影 響 を 調 べ て い る .ま た 副 室 混 合 気 の 濃 度 の 影 響 に つ い て 調 べ て い る . そ の 後 3 弁 式 エ ン ジ ン と し て ,石 油 ショック が 起 こった 1970 年 代 に 盛 ん に 研 究 さ れ た .そ れ ら の 中 で 実 際 の エ ン ジ ン に 採 用 さ れ た も の に CVCC が あ り,当 時 の 厳 し い 排 気 ガ ス 規 制 を ク リ ア し た 画 期 的 な 方 法 で あった(9).し か し 火 炎 が 副 室 を 伝 播 す る 時 間 が 比 較 的 長 い た め ,ス パ ー ク ア ド バ ン ス を 非 常 に 早 く す る 必 要 が あ る も の の , 成 層 給 気 で あ る た め ,2 次 的 な 燃 焼 が 上 死 点 後 も 続 き ,燃 焼 排 気 温 度 は 高 く,熱 効 率 は そ れ ほ ど 良 く な ら な い ,さ ら に は ジェット の 効 果 が 長 く 続 く た め 壁 面 か ら の 熱 損 失 を 増 大 さ せ る な ど の 問 題 が 解 決 で き な い う ち に ,優 秀 な 三 元 触 媒 の 登 場 に よ り 姿 を 消 し た . ま た 山 口 ら(23) ,若 井 ら(24) ,田 坂 ら(25) が 定 容 燃 焼 室 を 用 い て 副 室 点 火 法 に つ い て 研 究 し ,着 火 機 構 に つ い て 詳 細 に 調 べ て い る .山 口 ら は ,LAG Process に よ る 活 性 基 説 を そ の 指 圧 線 図 か ら 証 明 し た よ う な 発 表 を し て お り,そ れ に 全 面 的 に 賛 成 す る 解 説 記 事(26) も あ る が ,若 井 ら は そ の 指 圧 線 図 の 特 徴 が や は り 通 常 の 火 炎 伝 播 に 起 因 す る こ と を 示 し て い る . こ の よ う な 副 室 点 火 法 は ,近 年 で は コ ー ジェネ レ ー ション シ ス テ ム な ど に 用 い ら れ て い る ,発 電 用 希 薄 燃 焼 ガ ス エ ン ジ ン に 多 く 採 用 さ れ(27)(28),高 効 率 ,低 NOx 化 を 実 現 し て い る .ま た 実 際 の 天 然 ガ ス 自 動 車 に 用 い ら れ る エ ン ジ ン に 点 火 室 を 設 け た ,天 然 ガ ス 希 薄 混 合 気 の ト ー チ 点 火 に つ い て の 研 究 も な さ れ て お り,点 火 室 を 設

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け る こ と に よ り,燃 焼 を 改 善 し 出 力 を 向 上 さ せ る と い う 結 果 が 得 ら れ ,特 に 希 薄 領 域 で 有 効 で あ る こ と が 示 さ れ て い る(29) . 1.3.4 プ ラ ズ マ ジェット 点 火 プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 は ,小 さ な キャビ ティー 内 で 高 エ ネ ル ギ ー の 放 電 を 行 い , 高 温 の プ ラ ズ マ を 発 生 さ せ ,こ れ を 主 燃 焼 室 に 送 り 込 み 燃 焼 を 促 進 す る も の で あ る .放 電 回 路 は 数 1000V の 電 圧 で コ ン デ ン サ ー に 充 電 し ,そ の エ ネ ル ギ ー は 数 J で あ る .こ の エ ネ ル ギ ー は 通 常 の ス パ ー ク 放 電 に よ り 絶 縁 破 壊 さ れ た 電 極 間 で 約 20μs の 期 間 に 放 電 さ れ ,高 温 の プ ラ ズ マ を 生 成 す る .そ し て キャビ ティー 内 の 圧 力 が 急 激 に 上 昇 し ,そ れ に よ り 高 速 の プ ラ ズ マ ジェット が 主 燃 焼 室 に 噴 出 す る .主 燃 焼 室 内 で の 着 火 は 乱 流 化 さ れ た ジェット の 中 で 起 こ り,火 炎 は 乱 流 火 炎 と し て 成 長 す る . こ の 点 が ,最 初 は 層 流 火 炎 と し て 伝 播 す る 通 常 の 点 火 と は 異 な る .こ れ ま で 述 べ て き た 副 室 点 火 法 に 代 表 さ れ る ジェット 点 火 法 は 一 般 に ,流 体 的 効 果 ,熱 的 効 果 ,化 学 的 効 果 に よ り 燃 焼 が 促 進 さ れ る と 考 え ら れ て き た が ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 で は ,前 述 の LAG Process 以 上 に 活 性 基 に よ る 化 学 的 効 果 が 大 き い と 主 張 さ れ た .放 電 に よ り 高 濃 度 の 活 性 基 が 生 成 さ れ ,そ れ が 主 燃 焼 室 に 噴 出 し て 燃 焼 を 促 進 す る . 本 来 プ ラ ズ マ の よ う な 高 温 (6000 ℃ 以 上) の 場 ,あ る い は 火 炎 噴 流 の よ う な 化 学 的 に 活 性 な 場 で 生 成 さ れ た ラ ジ カ ル の 寿 命 は 数 μs と 考 え ら れ て い る が ,プ ラ ズ マ ジェッ ト 点 火 法 の 提 案 者 は そ う 考 え ず,キャビ ティー で 発 生 し た 活 性 基 が 燃 焼 の 初 期 だ け で な く 燃 焼 の 終 わ り ま で ,高 い 濃 度 を 伝 播 で 維 持 す る と 主 張 し て い る .い ず れ に し て も こ の 方 法 を 実 際 の エ ン ジ ン に 適 用 す る と ,高 エ ネ ル ギ ー の 放 電 に よ り 電 極 の 溶 損 と い う 問 題 が あ り,装 置 の 耐 久 性 を 低 下 さ せ る 要 因 と な る . プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 の 目 的 は ,通 常 で は 燃 焼 が 困 難 な 希 薄 混 合 気 を 確 実 に 燃 焼 さ せ る こ と で あ る .そ の た め に は ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 の 燃 焼 特 性 に つ い て 把 握 す る 必 要 が あ り,い ろ い ろ な 研 究 が な さ れ て い る .Cetegen ら は ,プ ラ ズ マ ジェッ ト の 特 性 に つ い て ,イ グ ナ イ タ ー の 形 状 を 変 え て ,特 性 長 さ と 呼 ば れ る パ ラ メ ー タ ー を 用 い て 調 べ て い る(30).特 性 長 さ と は ,キャビ ティー 体 積 を ノ ズ ル 断 面 積 で 除 し た 値 で あ る .ジェット の 噴 出 距 離 は 特 性 長 さ の 平 方 根 に 比 例 す る と し て い る .ま た Karim ら は プ ラ ズ マ ジェット 点 火 を 通 常 の 点 火 と 比 較 し て ,実 験 を 行って い る .そ れ に よ る と ,シ リ ン ダ ー 内 の 最 大 圧 力 は 通 常 の 点 火 に 比 べ て プ ラ ズ マ ジェット 点 火 の 方 が 高 く な る .ま た 燃 焼 の 初 期 の 段 階 で の 燃 焼 速 度 が 速 く な る こ と を 示 し て い る (31) .Murase ら は 燃 焼 室 に ス ワ ー ル の あ る 場 合 と な い 場 合 で の ,プ ラ ズ マ ジェット の 影 響 に つ い て ,通 常 点 火 と 比 較 し て 調 べ て い る .ス ワ ー ル が あ る 場 合 に は ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 で は 乱 流 火 炎 塊 は 燃 焼 室 中 央 部 で 成 長 す る .そ れ に 対 し て 通 常 点 火 で は ,火 炎 が 電 極 に 保 持 さ れ た 形 で 形 成 さ れ ,伝 播 が 進 行 す る .そ の 結 果 通 常 点 火 の 方 が 早 く 最 高 圧 力 を 示 す.一 方 ,ス ワ ー ル が な い 場 合 に は プ ラ ズ マ ジェット 点 火 の 方 が 通 常 点 火 よ り 圧 力 の 立 ち 上 が り が 早 く,燃 焼 初 期 の 火 炎 面 積 が 非 常 に 大 き く な る と い う 結 果 を 示 し て い る(32)(33)(34) . プ ラ ズ マ ジェット 点 火 の 燃 焼 促 進 の 機 構 ,特 に 燃 焼 促 進 の 要 因 に つ い て は 興 味 の あ る 問 題 で あ る .そ れ に つ い て 調 べ た も の の ひ と つ に ,Vosen ら の 報 告 が あ る .Vosen ら は プ ラ ズ マ ジェット 点 火 に お い て ,OH ラ ジ カ ル が 着 火 お よ び 初 期 の 火 炎 の 発 達

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に 対 し て 大 き な 役 割 を 果 た す と い う 考 え の 下 ,希 薄 可 燃 限 界 に 近 い メ タ ン‐空 気 混 合 気 を 用 い た 実 験 を 行 い ,シュリ ー レ ン 写 真 お よ び OH 濃 度 の 測 定 に よ り プ ラ ズ マ ジェット が 火 炎 核 の 発 達 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 調 べ て い る .こ こ で は プ ラ ズ マ ジェッ ト の 効 果 が 見 ら れ る の は ご く 狭 い 領 域 で あ り,キャビ ティー ガ ス の 種 類 に よ り 効 果 が 異 な る こ と を 示 し て い る(13) .ま た ,Dawe ら(35) は ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 を メ タ ノ ー ル 燃 料 に 用 い て ,通 常 の 点 火 法 で は 困 難 で あ る 低 温 で の 始 動 性 の 向 上 に つ な が る こ と を 示 し て い る . 吉 田 ら は 副 室 点 火 法 と プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 と の 比 較 を 行って い る(14).副 室 の 体 積 が 大 き く な る ほ ど ,ま た ノ ズ ル の 直 径 が 小 さ く な る ほ ど ,燃 焼 時 間 は 短 く,す な わ ち 促 進 効 果 が 大 き く な る こ と を 示 し て い る .ノ ズ ル が 小 さ い 場 合 に は ,ジェッ ト が 速 く な り,ラ ジ カ ル の 噴 出 も 大 き く,大 き な 乱 れ が 燃 焼 室 に 生 じ る か ら で あ る と 述 べ て い る .従って ,燃 焼 促 進 に 対 し て は 化 学 的 効 果 だ け で な く 流 体 的 効 果 も 大 き い と 考 え ら れ る .ま た ,副 室 点 火 で は 燃 焼 の 後 半 で そ の 効 果 を 示 す が ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 で は 燃 焼 の 初 期 に 促 進 効 果 が 見 ら れ る こ と を 示 し て い る .吉 田 ら は ま た ,燃 焼 促 進 に 影 響 を 与 え る パ ラ メ ー タ の う ち ,キャビ ティー の 形 状 の 影 響 を 調 べ る た め に ,特 性 長 さ で 燃 焼 促 進 効 果 を 整 理 し て い る .こ の 特 性 長 さ と プ ラ ズ マ ジェッ ト の 噴 出 距 離 ,噴 出 期 間 の 関 係 を 調 べ て い る .特 性 長 さ が 大 き い ほ ど 促 進 効 果 が 大 き く な る が ,こ れ は 副 室 の 体 積 が 大 き く な り ト ー チ 点 火 の 効 果 も 持って い る か ら で あ る(36) .放 電 エ ネ ル ギ ー は プ ラ ズ マ ジェット の 噴 出 距 離 に 影 響 を 与 え ,エ ネ ル ギ ー が 大 き い ほ ど 噴 出 距 離 や 噴 出 期 間 も 増 大 す る(37) .ま た 放 電 エ ネ ル ギ ー と 燃 焼 時 間 の 関 係 も 調 べ ら れ て お り,放 電 エ ネ ル ギ ー が 大 き い ほ ど 効 果 が 大 き い こ と も 示 さ れ て い る .こ の 方 法 で は 通 常 点 火 に 比 べ 燃 焼 時 間 が 約 70%に 短 縮 さ れ る こ と を 示 し て い る .ま た プ ラ ズ マ ジェット の 噴 出 方 向 が 従 来 の 中 心 軸 方 向 と は 異 な り,中 心 軸 の 垂 直 方 向 に 噴 出 す る イ グ ナ イ タ を 開 発 し ,そ れ が 燃 焼 に 及 ぼ す 影 響 を 調 べ て い る(38) . 田 上 ら(39) は 繰 り 返 し パ ル ス プ ラ ズ マ 放 電 を 用 い た 点 火 の 研 究 を 行って お り,初 期 火 炎 核 の 増 大 と 火 炎 核 表 面 の し わ に よ る 表 面 積 の 増 加 に よ り,希 釈 条 件 下 で の 点 火 お よ び そ の 後 の 燃 焼 促 進 に 有 効 で あ る こ と を 示 し て い る .ま た ,Shiraishi ら(40) は 放 電 時 間 の 短 い プ ラ ズ マ 放 電 を 用 い た 実 験 を 行 い ,誘 導 時 間 の 短 縮 や 希 薄 混 合 気 へ の 点 火 に 効 果 が あ る こ と を 示 し て い る . こ の よ う に プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 で は 燃 焼 促 進 効 果 は 見 ら れ る も の の ,そ の 主 な 要 因 と な る と ,化 学 的 効 果 の み で な く,ジェット の 噴 出 に 伴 う 流 体 的 効 果 あ る い は 熱 的 効 果 も 大 き な 影 響 を 与 え る も の と 思 わ れ る .ま た 使 用 し た エ ネ ル ギ ー に 見 合 う だ け の 効 果 が 得 ら れ る か ど う か は 疑 問 で あ る . 1.3.5 パ ル ス ジェット 点 火 こ の 方 法 は ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 の 2 人 の 提 唱 者 の う ち の ひ と り で あ る ,A K Oppenheim の グ ル ー プ に よ り 提 案 さ れ た も の で あ り,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 の 電 極 の 欠 点 を 補 お う と し た も の と 思 わ れ る .こ れ も 小 さ な 副 室 を 用 い た も の で あ る が ,そ こ に 主 燃 焼 室 と 同 じ 燃 料 の 過 濃 混 合 気 を 使 用 し て い る .副 室 内 で の 過 濃 混 合 気 を 燃 焼 さ せ る こ と に よ り,主 燃 焼 室 内 に 化 学 的 に 活 性 な 不 完 全 燃 焼 生 成 物 を 含 む ジェット が 噴 出 し 燃 焼 を 促 進 す る も の で あ る .副 室 法 と の 違 い は ,副 室 法 が 3 弁 式

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で 完 全 に 副 室 へ の 混 合 気 の 流 入 を 制 御 し て い た の に 対 し ,こ の 方 法 は 単 に チェック バ ル ブ が 副 室 に あ た る キャビ ティー に 向 け て 備 え ら れ て い る の み で ,キャビ ティー 用 予 混 合 気 を 形 成 す る 側 へ の 逆 流 は 防 い で い る も の の ,シ リ ン ダ ー 内 が 低 圧 時 に は 流 れ 続 け る た め ,吸 気 絞 り エ ン ジ ン を 用 い る と き は 低 負 荷 時 ほ ど 大 量 の ガ ス が キャビ ティー へ 流 れ る こ と と な る し ,も ち ろ ん 排 気 過 程 で も 流 れ つ づ け る .こ の た め キャビ ティー は 非 常 に 小 さ く 作 ら れ て お り,CVCC や TGP の 体 積 の 2 桁 程 小 さ い .こ れ は , そ れ ら 旧 型 副 室 法 の 欠 点 で あ る ジェット 効 果 の 長 大 化 に 伴 う 壁 面 へ の ヒ ー ト ロ ス を 避 け る こ と を 目 論 ん だ と も 考 え ら れ る が 真 意 は わ か ら な い .こ の キャビ ティー サ イ ズ は プ ラ ズ マ ジェット 点 火 の キャビ ティー よ り は 1 桁 程 大 き い .こ の 方 法 で は ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 と よ く 似 た 燃 焼 過 程 を 示 し て い る .放 電 エ ネ ル ギ ー は 通 常 の 点 火 に 用 い る も の と 同 程 度 で あ り,電 極 の 耐 久 性 に つ い て は 問 題 な い . パ ル ス ジェット 点 火 法 は プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 と の 比 較 で 研 究 さ れ て き た .Op-penheimら(41),村 瀬 ら(11)は こ の 方 法 に よ る 燃 焼 促 進 効 果 を 調 べ て お り,通 常 の 点 火 と 比 べ て 燃 焼 時 間 が 短 く な る こ と を 示 し て い る .ま た 実 際 の エ ン ジ ン の 条 件 に 近 い 高 温 高 圧 場 で の 実 験 も 行 わ れ て お り(42)(43) ,こ の 場 合 に は 放 電 か ら ジェット の 噴 出 ま で の 時 間 遅 れ が あ る こ と が 明 ら か に なって い る .こ の 遅 れ は キャビ ティー 内 で の 放 電 位 置 か ら ,オ リ フィス ま で の 過 濃 混 合 気 の 火 炎 伝 播 に か か る 時 間 で あ り,そ の た め 点 火 位 置 を 検 討 す る 必 要 が あ る と し て い る .ま た 炭 化 水 素 系 燃 料 の 燃 焼 で 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る OH,CH,C2な ど の ラ ジ カ ル に 注 目 し ,そ の 発 光 ,蛍 光 強 度 に つ い て 調 べ ,パ ル ス ジェット の 点 火 機 構 に つ い て 調 べ て い る 例 も あ る(10)(11) .こ れ ら の ラ ジ カ ル の 測 定 か ら ,噴 出 す る ジェット に は 多 く の ラ ジ カ ル が 含 ま れ て い る こ と が 示 さ れ て い る .ま た パ ル ス ジェット 点 火 法 で は ,オ リ フィス か ら 噴 出 し た ジェット は 一 旦 そ の 活 性 を 失った 後 ,燃 焼 が 行 わ れ ,ま た キャビ ティー に 用 い る 混 合 気 が 濃 い ほ ど ジェット 内 に OH ラ ジ カ ル が 多 く 存 在 す る こ と を 示 し て い る .し か し こ れ ら の ラ ジ カ ル が 燃 焼 促 進 に 大 き な 役 割 を 果 た す と い う 結 論 に は 至って い な い .パ ル ス ジェッ ト 点 火 法 を 実 機 に 適 用 し た 実 験 も 多 く 見 ら れ る .し か し そ れ ら の 実 験 で は ,基 本 的 な 性 質 を 把 握 す る た め の 定 容 燃 焼 器 を 用 い た 研 究 に お い て す ら ,給 気 す る 際 に 主 燃 焼 室 と 副 室 を 区 切って い な い た め ,副 室 に 使 用 し た 混 合 気 の 量 が はっき り せ ず,定 量 的 な 評 価 が 難 し い . 一 方 ,パ ル ス ジェット 点 火 に お け る 着 火 機 構 に つ い て の 数 値 解 析 も 行 わ れ て い る . 林 ら は ,副 室 の 混 合 気 が 水 素‐空 気 の 場 合 の 着 火 機 構 ,主 燃 焼 室 へ 噴 出 す る ジェット の 挙 動 に つ い て 調 べ て い る(44)(45) .し か し こ れ ら の 解 析 は ,着 火 機 構 の 解 明 と い う よ り も ,数 値 計 算 の 手 法 に つ い て の 検 討 に 重 点 が 置 か れ て お り,火 炎 伝 播 の 初 期 の 段 階 に 議 論 が 終 始 し て い る .

Higelin ら は APIR (フ ラ ン ス 語 で Auto-inflammation Pilot´ee par Injection de Radicaux, ラ ジ カ ル の 噴 射 に よ り 引 き 起 こ さ れ る 自 着 火) と 呼 ば れ る 燃 焼 法 の 研 究 を 行って い る .こ れ は パ ル ス ジェット 点 火 法 と 同 じ よ う な 副 室 を 用 い て い る が ,ノ ズ ル の 直 径 は 1mm と 小 さ く,複 数 の ノ ズ ル を 有 し て い る .こ の APIR に よ り 通 常 の 点 火 に 比 べ て ,燃 焼 時 間 が 短 く,再 現 性 が 高 く な り,サ イ ク ル 変 動 が 小 さ く な る と い う 結 果 を 得 て い る(46)(47).

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1.3.6 そ の 他 の 点 火 法 以 上 に 述 べ た 点 火 法 以 外 に ,燃 焼 ガ ス ジェット 点 火 法 ,パ フ ジェット 点 火 法 な ど が あ る .燃 焼 ガ ス ジェット 点 火 法 は 完 全 な 燃 焼 生 成 物 を 点 火 源 と し て 主 室 混 合 気 に 噴 出 す る も の で あ る .パ フ ジェット 点 火 法 は キャビ ティー を 用 い た 点 火 で は な い が ,成 層 給 気 と 似 て い る .パ フ (Puff) と は ひ と 吹 き と い う 意 味 で あ る .エ ン ジ ン 回 転 中 に タ イ ミ ン グ よ く ノ ズ ル か ら 燃 料 を 噴 射 し て ,そ の 噴 流 が 燃 焼 室 の 希 薄 混 合 気 と 適 当 に 混 合 し た と 思 わ れ る 位 置 ま で 電 極 の 足 を 引 き 伸 ば し た 通 常 の ス パ ー ク に よ り 点 火 す る . 1.3.7 水 素 火 炎 ジェット 点 火 こ の 方 法 は 本 研 究 で の 方 法 で あ る .基 本 的 に は パ ル ス ジェット 点 火 法 と 同 じ で あ る が ,キャビ ティー の 燃 料 と し て ,水 素 を 用 い る 点 が 異 なって い る .燃 焼 促 進 に 対 し て は 流 体 的 効 果 が 大 き く 寄 与 す る と い う 考 え の も と に ,主 燃 焼 室 に 大 き な 乱 れ を 与 え る た め に ,燃 焼 速 度 が 通 常 の 燃 料 と 比 べ て 比 較 的 速 い 水 素 を 使 用 し て い る .キャ ビ ティー の 体 積 は 主 燃 焼 室 に 対 し て 1%以 下 と 非 常 に 小 さ く なって い る .こ の 研 究 に は 2 つ の 流 れ が あ り,ひ と つ は 著 者 の 属 す る 岐 阜 大 学 の グ ル ー プ の 定 容 燃 焼 室 を 用 い た 基 礎 的 研 究 ,も う ひ と つ は 実 機 を 用 い た オ ー ス ト ラ リ ア,メ ル ボ ル ン 大 学 の グ ル ー プ の も の で あ る .岐 阜 大 学 の 基 礎 的 な 研 究 で は ,主 燃 焼 室 と キャビ ティー と で は 異 な る 混 合 気 を 用 い る た め ,混 合 気 が 互 い に 混 ざ ら な い よ う に ,燃 料 を 供 給 す る 際 に は 主 燃 焼 室 と キャビ ティー を 完 全 に 区 切って い る .こ れ に よ り,燃 焼 特 性 を 調 べ る 上 で 定 量 的 な 検 討 が 可 能 で あ る .火 炎 ジェット の 速 度 は 数 10∼100 m/s に な り,パ ル ス ジェット 点 火 法 に 比 べ て 速 い . 乱 れ に よ る 燃 焼 促 進 効 果 は ,火 炎 面 が 乱 れ に よ り 変 形 さ れ 実 質 的 な 火 炎 面 積 の 増 大 に よ り 燃 焼 が 促 進 さ れ る と 考 え ら れ る .こ の よ う な 状 態 で の 火 炎 伝 播 速 度 は 次 の よ う に な る . ST = SL+ Uこ こ で ,ST : 乱 流 火 炎 速 度 ,SL : 層 流 火 炎 速 度 ,U : 乱 れ 強 度 で あ る .こ の 式 か ら わ か る よ う に 乱 流 火 炎 速 度 は 乱 れ 強 度 が 大 き い ほ ど 大 き く な る . 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 が 大 き な 効 果 を 発 揮 す る の は ど ん な 条 件 で あ る か 考 え て み る と ,理 論 混 合 比 の 混 合 気 に お い て 燃 焼 時 間 短 縮 効 果 が あ る の は 当 然 と し て ,そ れ 以 上 に ,プ ラ ズ マ ジェット 点 火 法 ,パ ル ス ジェット 点 火 法 と 同 様 に ,希 薄 混 合 気 に 対 し て 大 き な 効 果 を 発 揮 し ,希 薄 燃 焼 に よ る 高 効 率 化 が 期 待 さ れ る . ジェット の 存 在 が 燃 焼 促 進 に 効 果 が あ る 反 面 ,ジェット に よ り 壁 面 で の 熱 損 失 が 大 き く な る 可 能 性 が あ る .こ れ は 実 際 の エ ン ジ ン で は 熱 効 率 の 低 下 に 結 び つ く も の で あ る .ま た ジェット が 非 常 に 強 い 場 合 に は 圧 力 振 動 が 生 じ る 場 合 が あ り,こ れ が ノッキ ン グ と 同 じ よ う な 作 用 を し て ,熱 損 失 が 大 き く な る こ と も 考 え ら れ る .ま た ジェット が 直 接 衝 突 す る 場 所 で は 局 所 的 に 高 温 に な り 熱 負 荷 が 高 く な る 可 能 性 も あ る .し た がって ジェット 点 火 法 に お い て 壁 面 で の 熱 損 失 に つ い て 調 べ る こ と は 重 要

(21)

で あ る と 考 え ら れ る .特 に 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 で は ジェット 速 度 が 非 常 に 速 い た め ,他 の ジェット 点 火 法 と 比 べ て よ り 大 き な 影 響 が 予 想 さ れ ,そ の 熱 損 失 を 調 べ る こ と が 重 要 だ と 思 わ れ る . 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 実 際 の エ ン ジ ン に 用 い る 場 合 に は ,キャビ ティー の 燃 料 で あ る 水 素 の 供 給 方 法 を ど う す る の か が 問 題 と な る .主 燃 料 と は 別 に 水 素 を 用 意 す る の は 不 便 で あ る .ま た 実 際 に キャビ ティー に 用 い る 水 素 の 量 は 非 常 に 微 量 で あ る の で ,発 電 用 の 定 置 式 ガ ス エ ン ジ ン の 場 合 に は ,一 般 的 に 供 給 さ れ て い る 都 市 ガ ス 等 を 改 質 し て 水 素 を 主 成 分 と す る 燃 料 を 得 る 方 法 が 考 え ら れ る .

水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 を 実 機 に 応 用 し た HAJI (Hydrogen Assisted Jet Ignition) と い う 方 式 の 研 究 が ,上 述 の よ う に メ ル ボ ル ン 大 学 で 進 め ら れ(48)(49) ,そ の 運 転 特 性 や エ ミッション に つ い て 調 べ ら れ て い る .こ の 研 究 の 開 始 は 岐 阜 大 学 で 着 手 し た と ほ ぼ 同 時 期 の 1990 年 直 前 で あ る .し か し ,供 給 さ れ る 水 素 の 量 や 水 素 火 炎 ジェット の 供 給 の タ イ ミ ン グ が 不 明 で あ り,本 質 的 な 燃 焼 機 構 の 議 論 に は 向 い て い な い . 水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 の 目 的 と す る と こ ろ は ,燃 焼 時 間 を 短 縮 す る こ と か ,あ る い は 希 薄 混 合 気 の 点 火 限 界 を 向 上 さ せ る こ と か ,ど ち ら に 重 点 を 置 い て い る の か が 興 味 の あ る と こ ろ で あ り,重 要 な ポ イ ン ト で も あ る .水 素 火 炎 ジェット 点 火 法 は 一 般 的 に 点 火 が 困 難 と さ れ る 希 薄 混 合 気 に 対 し て 安 定 し た 点 火 を 行 い ,な お か つ 点 火 後 の 燃 焼 時 間 を 短 縮 す る と い う 両 方 の 点 を 実 現 す る こ と を 目 的 と し て い る . 燃 焼 形 態 は 燃 焼 室 形 状 な ど の 影 響 を 受 け る .そ の 燃 焼 形 態 に 影 響 を 及 ぼ す パ ラ メ ー タ ー と し て は ,主 燃 焼 室 と キャビ ティー を つ な ぐ ノ ズ ル の 直 径 ,キャビ ティー の 形 状 ,体 積 な ど が 考 え ら れ ,こ れ ら と 燃 焼 過 程 と の 関 係 を 調 べ ,燃 焼 促 進 に 対 し て 最 適 な パ ラ メ ー タ ー を 見 出 す 必 要 が あ る .

1.4

燃 焼 室 壁 面 で の 熱 損 失 の 解 析

内 燃 機 関 に お い て ,燃 料 の 燃 焼 エ ネ ル ギ ー の う ち シ リ ン ダ ー 壁 へ 伝 わ り,最 終 的 に 冷 却 水 に 放 出 さ れ る 熱 量 は 約 30%で あ り,こ れ は 効 率 に 影 響 し て く る .ま た ,そ れ は 燃 焼 状 態 に よ り 大 き く 変 化 す る .従って ,燃 焼 状 態 と 熱 損 失 と の 関 係 に つ い て の 解 析 は 重 要 で あ り,理 論 ,実 験 の 両 面 で ガ ソ リ ン エ ン ジ ン や ディー ゼ ル エ ン ジ ン な ど で の 解 析 が 試 み ら れ て い る .こ こ で は ,熱 損 失 の 測 定 に 関 す る 研 究 の 動 向 ,そ し て ,熱 的 問 題 に つ い て 本 研 究 で 明 ら か に し よ う と す る こ と を 述 べ る .

内 燃 機 関 シ リ ン ダ ー 内 熱 伝 達 に 関 し て は ,古 く は Nusselt(50), Eichelberg(51), Woschni(52)(53) ら が 実 験 に も と づ い た 熱 伝 達 率 の 推 定 式 を 提 唱 し て い る .こ れ ら の 式 で は ピ ス ト ン 速 度 ,燃 焼 室 圧 力 な ど と の 関 係 を 表 し て い る .し か し こ れ ら の 式 は 平 均 的 な 熱 の 流 れ を 表 す も の で あ り,ま た 機 関 寸 法 ,運 転 条 件 な ど の 制 約 が あ り,適 用 範 囲 が 限 ら れ て い る .小 栗(54) は 内 燃 機 関 に お け る 熱 伝 達 に つ い て 調 べ ,ピ ス ト ン 表 面 の 温 度 振 動 を 測 定 し て ,得 ら れ た 流 入 熱 量 か ら 熱 伝 達 率 を 求 め て ,Eichelberg の 式 と 比 較 し て い る .そ し て ,燃 焼 か ら 膨 張 行 程 前 半 ま で の 区 間 で は Eichelberg の 式 と よ く 一 致 し て い る こ と を 示 し て い る .理 論 的 に 解 析 し て い る も の と し て ,一 色 ら ,西 脇 ら の 研 究 が あ る .一 色 ら は 理 論 解 析 に よ り 求 め た 熱 流 束 が ,実 験 と ほ ぼ 一 致 す る こ と を 示 し て い る(55) .ま た 火 花 点 火 機 関 の 熱 流 束 の 数 値 計 算 法 を 提 案 し て い る も の も あ る (56) .

図 3.4 ノ ズ ル 径 と 燃 焼 時 間 の 関 係
図 3.6 キャビ ティー 体 積 の 影 響 (条 件 (IV))
図 3.7 キャビ ティー 内 で の 火 炎 伝 播 の 様 子 (模 式 図)
図 3.8 燃 焼 過 程 に 及 ぼ す 点 火 位 置 の 影 響 (条 件 (II))
+7

参照

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九州大学工学部  学生会員 ○山下  健一  九州大学大学院   正会員  江崎  哲郎 九州大学大学院  正会員    三谷  泰浩  九州大学大学院