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ゴマの焙煎工程における付着現象の化学的解析及び工程制御によるゴマ製品の高付加価値化

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Academic year: 2021

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Title

ゴマの焙煎工程における付着現象の化学的解析及び工程制

御によるゴマ製品の高付加価値化( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

竹中, 那嘉子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第440号

Issue Date

2007-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/21372

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 竹 中 那嘉子 (岐阜県) 博士(農学) 農博甲第440号 平成19年3月13日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 ゴマの焙煎工程における付着現象の化学的解析及び 工程制御によるゴマ製品の高付加価値化 主査 岐阜大学 教 授 加 副査 岐阜大学 教 授 山 副査 静岡大学 教 授 碓 副査 信州大学 教 授 康 治 亮 市 満 宏 泰 藤 内 氷 田 論 文 の 内 の 要 旨 ゴマの加工において焙煎は、香気成分生成などの成分変化や物性変化をもた らすため最も重要な工程である。焙煎に伴う成分や物性の変化を明らかにする ことは、製造工程の改善や新しいゴマ加工品の開発につながる。本研究は、焙 煎中に生じる皮むき煎りゴマの付着とゴマの成分変化の2つの現象から、熔煎 に関するゴマの理化学的特性を明らかにしたものである。 ゴマの付着はゴマを脱皮し、熔煎したときに生じる。この付着はゴマ全体を 凝集させ、ゴマの流動性を悪化させる。さらに、加工工程において必須の異物 除去の効率を低下させる。しかし、この付着の原因とメカニズムはまだ明らか になっていないので、付着の原因について検討した。 付着性の高いEscobaと付着性の低いYuzhi4の2種類のゴマを脱皮・熔煎し、 皮むき煎りゴマの表面に存在する成分を比較し、付着の原因となっている成分 を予測、調べた結果、Escobaの表面には油脂と単糖から四糖の糖がYuzhi4よ り多く存在していることが分かった。 次に、付着部位における表面の油脂の存在状態を明らかにするために、油脂 を蛍光染色し、共焦点レーザー顕微鏡でゴマどうしの付着部分を観察した。そ の結果、ゴマの間に表面の油脂による液架橋が葡.察され、これが付着の原因に

なっていることを明らかにした。さらに、得られた液架橋の画像から付着力を

求めたところ、1つの液架橋に働いている付着力は平均127〃Nと算出された。 この値はゴマが付着するのに必要な力(ゴマ1粒の重量)より約5倍大きく、 液架橋はゴマを付着させるのに十分な力を持っていることが明らかとなった。

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ー73-続いて、皮むき煎りゴマの表面油脂量を変え、付着度、付着力、液架橋形成率 の変化を調べた。その結果、表面の油脂量がゴマの重量に対して0.63%を超え るまで、付着度と液架橋形成率は増加しなかったが、0.63%を超すと急激に増 加することが明らかとなった。また、付着力は表面の油脂量に比例して高くな ることが明らかとなった。次に、表面の糖と油脂量の両方を増加させ、ゴマの 付着特性を調べると、表面の油脂量のみを増加させたときより、糖が存在する と有意に付着度と液架橋形成率が高くなった。この結果から、表面に糖が多く 存在するとゴマの付着性が高くなることが明らかとなった。 さらに、表面の形状も付着現象に影響を与えることが予想されたため、表面 の油脂を除去したEscobaとYuzhi4を形状測定顕微鏡によって観察した。Yuzhi 4の表面には細胞間隙に沿って谷間が存在していたが、Escobaの表面には谷間 は観察されず、表面の成分によって谷間部分が埋められていると推定されたQ Escobaの表面には糖が多く存在していたことから、表面の谷間部分を埋めてい る主な成分は糖であると考えられる。表面の油脂は毛管現象によって表面に存 在する凹部などの狭い部分に入り込んでいると考えられるが、表面に糖が多く 存在すると、糖が表面の谷間のような凹部を埋めるため、油脂の入り込む場所 が少なくなり、他の表面と接触する凸部に油脂が多く存在するようになる。そ の結果、Escobaに於いてはより一層、液架橋形成が促進されると考えられた。 ・ゴマの焙煎中に生じるもう一つの現象である糖や遊離アミノ酸などの成分変 化について検討した。また、それらの成分変化を応用し、ゴマ製品の高付加価 値化を試みた。 初めに、焙煎中の遊離アミノ酸や糖量の変化について検討した結果、ゴマに 含まれているほとんどの遊離アミノ酸と還元糖は、熔煎開始から3分間で急激 に減少していた。ゴマの水分含量が少なくなると還元糖や遊離アミノ酸の減少 が顕著に遅くなったことから、水分含量の高い熔煎開始から 3分間のゴマの温 度と水分蒸発量の制御がゴマの風味発現に重要であることが示唆された。また、 これらの糖や遊離アミノ酸は熔煎開始直後に一時的に増加しており、ゴマの温 度が十分に上昇していない熔煎開始直後に内在性の酵素が働き、遊離アミノ酸 や糖が増加することが示唆された。熔煎後のゴマに残存する糖や遊離アミノ酸 量と官能評価値とを相関分析したところ、オリゴ糖含量とコクや甘味の評価に は良い正の相関がみられ、ゴマに含まれるオリゴ糖は重要なゴマの呈味成分の 1つであることが示唆された。 ゴマに少量含まれるγ-アミノ酪酸(GABA)は他の遊離アミノ酸とは異なり、熔 煎によって増加していた。そこで、ゴマの加熱条件を変え、ゴマのGABA含量の 変化について検討し、GABAを豊富化したゴマ製品を作製することを試みた。そ の結果、加水したゴマをある温度範囲で加熱することで、ゴマのGABA含量は短 時間に40倍以上増加することが明らかとなり、これから、GABAを豊富化した、 即ち、付加価値を高めたゴマ製品の製造が期待される。 審 査 結 果 の 要 旨 ゴマの加工において焙煎は、香気成分生成などの成分変化や物性変化をもたらすため最も重 要な工程である。そのため、焙煎に伴う成分や物性の変化を明らかにすることは、製造工程の

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-74-改善や新しいゴマ加工品の開発につながる。本論文は、熔煎中に生じる皮むき煎りゴマの付着 とゴマの成分変化の2つの現象から、熔煎に関するゴマの理化学的特性を明らかにしたもので ある。すなわち、付着性の高いEscobaと付着性の低いYuzhi4の2種類のゴマ表面に存在する成 分を比較し、それらの挙動から付着の原因は油脂によるゴマ粒子間の液架橋に基づくものであ り、液架橋の形成には表面に存在する糖類が大きく影響していることを明らかにした。また、 焙煎中の遊離アミノ酸および糖量の変化については、ほとんどの遊離アミノ酸と還元糖は、焙 煎開始から3分間で急激に減少し、ゴマの水分含量が少なくなるとこれらの減少が顕著に遅くな るのが認められた。このことから、熔煎開始から3分間のゴマの温度と水分蒸発量の制御がゴマ の風味発現に重要であると述べている。また、ゴマに少量含まれるγ-アミノ酪酸(GABA)は他 の遊離アミノ酸とは異なり、熔掛こよって増加しているのが認められたことから、これを利用 してGABAに富んだ(高付加価値)ゴマ製品の開発を試みている。 以上について、審査委鼻全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文として十 分価値あるものと認めた。 基礎となる学術論文 *N・Takenaka,K・Ogata,T.Yabe,R.Yamauchi,K.Kato:EfFectofOilandSugarContentsontheSurface OfDehu"ed-RoastedSesameSeedsonAdhesionbetweentheSeeds.JournaIofFoodScience71(6), E303-E307(2006). *N.Takenaka,S.Iwamoto,T.Yabe.R.Yamauchi.K.Ogata,K.Kato:Microscopicobservationand Characterizationoftheoilbridgebetweendehu"ed-rOaStedsesameseeds.Co"oidsandSurfacesB: Biointeriaces,(inpress).

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