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スライディングモード制御を用いたControl Moment Gyroscopeの目標値追従制御

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Academic year: 2021

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スライディングモード制御を用いた

Control Moment

Gyroscope

の目標値追従制御

2014SC031河瀬慎太朗 指導教員:高見勲

1

はじめに

Control Moment Gyroscope(以下,CMG)は,入力より

も出力の数が多い劣駆動システムである.CMGの中でも, 中心に取り付けられた回転速度が可変のホイールと,ホ イールの外側に取り付けられた2つのジンバルで構成さ れるCMGを可変速2軸ジンバルCMG(VSDGCMG)と いい,1台用いることで宇宙機を3軸制御できる[1].しか し,VSDGCMGの制御は,非線形システムが複雑であり, 特異点が存在するなどの問題がある.このようなシステ ムに対し,先行研究ではスライディングモード制御を用

い,Gimbal3を固定した状態でGimbal2とGimbal4の制

御をおこなっている[2]. 本研究では,VSDGCMGの制御 で問題となる,複雑な非線形システムにスライディング モード制御を用いて制御器の設計をおこない,Gimbal2を 可動域で回転させ,Gimbal3とGimbal4を制御する.そし て,実験により理論の有用性を検証する.

2

モデリング

図1にCMGの概略図を示す. 'ŝŵďĂůϰ ZŽƚŽƌϭ 'ŝŵďĂůϮ 'ŝŵďĂůϯ 図1 CMG概略図 Rotor1 の モ ー タ の ト ル ク を T1[Nm], Gimbal2 の モ ー タ の ト ル ク を T2[Nm], Gimbal2 に 対 す る Rotor1 の 角 度 を q1(t)[rad], Gimbal3 に 対 す る Gimbal2 の 角 度 を q2(t)[rad], Gimbal4 に 対 す る Gimbal3 の 角 度 を

q3(t)[rad], CMG の 土 台 に 対 す る Gimbal4 の 角 度 を

q4(t)[rad]とする1(t)[rad/s], ω2(t)[rad/s], ω3(t)[rad/s],

ω4(t)[rad/s]をそれぞれRotor1からGimbal4の角速度と する.ここで,仮想の入力u1= ˙ω1, u2= ˙ω2, u01= ˙ω3, u02= ˙ ω4 を定義し,以下に制御対象システムを示す.  u1= ˙ω1 u2= ˙ω2,      ˙ q3 = ω3 ˙ ω3 = u01 ˙ q4 = ω4 ˙ ω4 = u02 (1) 本研究では,ラグランジュの運動方程式によりCMGのモ デルを導出する. 式(2)-(5)にRotor1からGimbal4の運動方程式を示す.

IR1y(u1+ u01cos q2− ω2ω3sin q2+ u02sin q2cos q3

+ ω2ω4cos q2cos q3− ω3ω4sin q2sin q3) = T1 (2)

I1(u2− u02sin q3− ω3ω4cos q3) + (I2− I3)(ω23sin q2cos q2

− ω3ω4cos 2q2cos q3− ω42sin q2cos q2cos2q3)

+ IR1yω13sin q2− ω4cos q2cos q3) = T2 (3)

IG3yu01+ IR1y(u1cos q2− ω1ω2sin q2

+ ω1ω4sin q2sin q3) + I2(u01cos 2q

2

+ ω24sin2q2sin q3cos q3) + I3(u01sin 2q

2

+ ω24cos2q2sin q3cos q3)

− I4ω42sin q3cos q3− I142sin q3cos q3

− ω2ω4cos q3) + (I2− I3)(−ω2ω3sin 2q2

+ u02sin q2cos q2cos q3+ ω2ω4cos 2q2cos q3) = 0 (4)

IG4zu02+ IG3xu02sin 2q

3+ IG3zu02cos 2q

3

− I1(u2sin q3+ ω2ω3cos q3− u02sin 2

q3)

+ (I4+ I13ω4sin 2q3+ I2(u02sin 2q

2cos2q3

− ω3ω4sin2q2sin 2q3) + IR1y(u1sin q2cos q3

+ ω1ω2cos q2cos q3− ω1ω3sin q2sin q3)

+ I3(u02cos 2q

2cos2q3− ω3ω4cos2q2sin 2q3)

+ (I2− I3)(ω2ω4sin 2q2cos2q3+ u01cos q2

sin q2cos q3+ ω2ω3cos 2q2cos q3

− ω2

3sin q2cos q2sin q3) = 0 (5) ただし,I1, I2, I3, I4は次のように与えられる. I1= IG2x+ IR1x, I2= IG2y+ IR1y, I3= IG2z+ IR1z, I4= IG3x− IG3z

3

制御器設計

本 研 究 で は,Rotor1 と Gimbal2 の 制 御 を 考 え な い た め,2 入 力 4 出 力 の シ ス テ ム を 2 入 力 2 出 力 の シ ス テ ム と し て 扱 う. ま た,u1, u2, u10, u02 を 定 義 す る.u1, u2 は Rotor1,Gimbal2の 仮 想 的 な 駆 動 ト ル ク,u01, u02 は Gim-bal3,Gimbal4の仮想的な駆動トルクであり,実際の駆動ト ルクT1, T2をu1, u2及びu01, u02の関係式から求める.まず スライディングモード制御を用いてu01, u02がリアプノフ安 定となるように求め,次にu1, u2,最後にT1, T2を求める. スライディングモードの到達条件は切換面Si(x) (i = 1, 2) に対してリアプノフ関数Vi(x) = 12Si(x)2を定義したとき ˙ Vi(x) = Si(x) ˙Si(x) < 0を満たす時である.これを満たす 到達則S˙1, ˙S2を定義し,切換面S1,S2を一階微分したもの と比較し,u01,u02を導出する.偏差と切換面を以下のように 定義する.ただしC1> 0, C2> 0である.  e1= q3− q3d S1= C1e1+ ˙e1,  e2= q4− q4d S2= C2e2+ ˙e2 (6) 1

(2)

˙ Vi(x) < 0 (i = 1, 2)を満たす到達則S˙1, ˙S2は以下に定義 する. ˙ S1=−k1S1− η1sgn(S1) (k1> 0, η1> 0) ˙ S2=−k2S2− η2sgn(S2) (k2> 0, η2> 0) 到達則をこのように定義することにより, ˙ Vi(x) = Si(x) ˙Si(x) =−kiSi(x)2− ηisgn(Si(x))2|Si(x)| =−kiSi(x)2− ηi|Si(x)| < 0 (ki> 0, ηi> 0, i = 1, 2) となる. S1,S2の一階微分と到達則を比較し,u01,u02を求め る.よって, u01= ¨q3d− C1˙e1− k1S1− η1sgn(S1) (7) u02= ¨q4d− C2˙e2− k2S2− η2sgn(S2) (8) である.また,チャタリング防止策として以下の変換をおこ なう. sgn(S1) S1 |S1| + δ1 , sgn(S2) S2 |S2| + δ2 1, δ2> 0) 式(4),(5)より下式(9)を得る.  u1 u2  = F−1  E  u01 u02  − G  (9) ただし,E2×2, F2×2, G2×1q1 ∼ q41 ∼ ω4の関数とし て与えられる. 次に,式(2),(3)より下式(10)を得る.  T1 T2  = H  u1 u2  + J  u01 u02  + L (10) ただし,H2×2, J2×2, L2×1q1 ∼ q41 ∼ ω4の関数とし て与えられる. 式(6),(7),(8),(9),(10)よりトルクT1,T2が求められる.

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実験結果

以下にGimbal3とGimbal4の指令軌道を示す. q3d= π 6(1 + e−t)+ π 12 (11) q4d=          0 (t < 2) 1 10sin( π 2t− π 2) + 1 10 (t < 8) 1 5 (otherwise) (12) 図 2, 図 3-5 に Rotor1 の 角 速 度 の 時 間 応 答 ,Gim-bal2,Gimbal3,Gimbal4 の 角 度 の 時 間 応 答 を 示 し, 図6, 図7にRotor1とGimbal2のモータのトルクの時間応答 を示す.図4,5よりGimbal3,4の角度が目標値に追従して いることが分かる. 図6でRotor1のトルクがずれている 原因としては,Rotor1が時間が経過するにつれ加速してい るためだと考えられる.またRotor1が加速する原因とし て,Gimbal3とGimbal4の角度の誤差が0になっていない ことで,切換面が0に収束せず,そのため入力が0に収束し ないことにより,Rotor1が加速してしまうと考えられる. 0 5 10 Time[s] -20 -15 -10 -5 0 angler velocity[rad/s] R1(sim) R1(exp) 図2 ω1の時間応答 0 5 10 Time[s] -2 0 2 Gimbal2 angle[rad] G2(Sim) G2(Exp) Range 図3 q2の時間応答 0 5 10 Time[s] 0.5 0.6 0.7 0.8 Gimbal3 angle[rad] Ref G3(Sim) G3(Exp) 図4 q3の時間応答 0 5 10 Time[s] 0 0.1 0.2 0.3 Gimbal4 angle[rad] Ref G4(Sim) G4(Exp) 図5 q4の時間応答 0 5 10 Time[s] -0.15 -0.1 -0.05 0 0.05 0.1 Rotor1 torque[Nm] T1(Sim) T1(Exp) 図6 トルクT1の時間応答 0 5 10 Time[s] -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 Gimbal2 torque[Nm] T2(Sim) T2(Exp) 図7 トルクT2の時間応答

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おわりに

CMGに対して4つの仮想の駆動トルクu1, u2, u01, u02を 定義し,2段階の入力変換により駆動トルクT1, T2を求め, スライディングモード制御を適用し,実験をおこない理論 の有用性を検証した.

参考文献

[1] 塚原拓矢, 山田克彦,莊司泰弘,可変速 2 軸ジンバル CMGの特異点の回避/通過則について,日本航空宇宙 学会,航空宇宙技術,Vol.15,pp.53-61,(2016)

[2] 神谷直樹,Control Moment Gyroscopeの適応追従型ス

ライディングモード制御, 南山大学情報理工学部シス

テム創成工学科,(2017).

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