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「子どもを位置づける授業」と学習支援アセスメントについて

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Academic year: 2021

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(1)80 【コメント】. 「子どもを位置づける授業」と学習支援アセスメントについて 井上雅彦 (兵庫教育大学学校教育学部附属発達心理臨床研究センター) 大久保論文は、クラスの中にいる、いわゆる「気になる子」に対して、教師が子どもの実態を理解し、 かつ支援方法を模索する過程において、 「学習支援アセスメント」を使用した実践成果について報告した ものである。実際の教育現場において応用された点、臨床心理学的な視点を授業実践での子ども理解に適 用した点において価値あるものと言える。 大久保らは、クラスの「気になる子」に対して、その子どものマイナス要素をプラス方向に生かし、そ の良さを他の子どもたちにも拡大していく働きかけを「子どもを位置づける授業」と定義している。この ような視点は、障害を持つ子どもの交流教育における視点と共通するものである。教師は対象生徒自身の 心理や行動特徴について理解すると同時にクラスの他の生徒と対象生徒の相互的関係をもアセスメントす る必要がある。また、授業場面での介入については、対象生徒に対してだけでなく他の生徒にどう働きか けるかが重要なポイントとなろう。この際に問題となるのがアセスメントの方法である。大久保論文では この点について「学習支援アセスメント」を提案し、担任以外のスタッフが授業者を交えてコンサルテー ションを行うという方略をとっている。教師の主観的な理解に加えて第3者的視点、専門家的視点が加わ ることによってより柔軟性のある実践が展開されている過程が論文中に記されており、また前半部と後半 部において授業者自身の主観的理解も変化してきている。これら対象生徒や他の生徒、教師、スタッフと いった各々の行動が互いに影響しあい変化していく様は、臨床心理学的視点おいても、またチームアプロー チの実践として非常に興味深いものである。 筆者の考える大久保論文の課題としては、論文の主題となっているアセスメントの具体的内容を明確に 示すこと、どこでどのようなアセスメントが誰によって行われ、コンサルテーションがどのようなメンバー で何回くらい開催され、そこで授業者が行ったアセスメントに新たな視点がどの程度付加され、いかに変 化したか。また、その結果、授業者の実践がどのように変容したか。これらの視点は大久保論文を通じて 展開されているメインテーマであるが、事例研究の手法でこれらの経緯が揮然一体と記述されているため に事例の方が目立ってしまい「学習支援アセスメント」やコンサルテーションという変数が薄れてしまっ ているように思える。これは実践の追試や発展にとっても重要である.コンサルテーションの効果、実践 記録の効果などどのような支援体制があれば他校でもこのような実践が可能になるのか、実践研究として 大きな期待が向けられる。.

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