インターネットにおける「教材・オン・デマンド」の研究
生活健康系教育講座(技術)中山茂
1.はじめに インターネットは,学内LANや遠隔地教育に有効と思われ,特に,インター ネットでのWebブラウザは,マルチメディアの利用が可能であり,学習過程に 効果的と思われるハイパーメディアがサポートされている。 さらにJavaScript やJavaアプレット,VRML,Realaudioの活用により,インタラクティブな教材 が開発できる。 そこで,中学校で行われる学習教材を提供するオンライン仮想中学校の wwwサーバを想定して,インタ-ネット教材を作成した。 従来のWebブラウザは静的な画面であり,完全な対話(インタラクティブ) 性に欠ける。 ここでは,JavaアプレットやJavaScript,VRML,Realaudioの最新 のインターネット技術を導入して,インターネットにおける学校教育用のイン タラクティブ教材を作成し,学校で教育するのに必要な教材があれば,すぐに 呼び出せる「教材・オン・デマンドσteachingMaterialsonDemand)」のあるweb サーバを構築したい。 2.インターネット技術 Webページの記述には,HTML言語 がありHTML3.0-と改良されてきてい るが,インターネットのオーディオ技 術として,Realaudioがある。 これは, ビデオをリアルタイムで聞くVide0-on demandと同じように音声をリアルタイ ムで開くAudi0-on-demandの技術であ り,音楽やニュースをAODで実現した ものである。 デジタル音声ファイルを ファイルとして取り込み,外部の再生 図1. 仮想中学校のwwwサーバ-104-アプリケーションで実行していた。 そのために,数分程度の音声ファイルでも ファイルサイズは大きくなり,取り込みに多くの時間と保存に大きな領域が必 要であった。 そこで,Realaudioを活用すればWebブラウザでマルチメディア を見ながら,学校での授業の音声を長時間にわたって聞くことができる。 VRML(VirtualRealityModelingLanguage)とは仮想現実モデリング言語で,仮 想現実の3次元空間をWebブラウザで記述する構造化言語で,静止画像は2次 元画像を表示しているが,VRML言語は3次元的な仮想現実画像を表示する。 たとえば,仮想中学校では,美術教室から技術教室-とあたかも歩いて授業を 受けることができる。 3次元的画像を介して,インターネット上の教室に通う ことが可能で,いろいろな仮想教材が作成できる。 Webブラウザは,ハイパージャンプのできるマルチメディア双方向通信を可 能にした閲覧ツールであるが,HTML言語で定義されたコードを扱う静的な Webブラウザである0 そこで,Webブラウザのインタラクティブ性を向上させ 功的なWebブラウザにするた桝こ,動的なブラウザが考案された。 つまり,こ れは,インタラクティブWebブラウザで,ドキュメントビュ-領域にアニメ シヨンのような動画が描画でき,マウスボタンで画像を回転させたり,文字を 移動表示するアニメーション文字が可能である。 動的ブラウザを利用すれば,従来のマルチメディアやハイパーメディアが利 用でき,さらにインタラクティブなインターネット教材が可能と思われる。 そ れは,Java言語を用いれば可能である。 そこで,動的なインターネット教材を開発するためには,Java言語で記述す る必要があり,このJava言語は,オブジェクト指向言語で文法構造的にはC++ に似ていて,アプレットと呼ばれるプログラムを作成する必要がある。 Javaアプレットをサポートした動的ブラウザでみれば,インタラクティブ Web教材が実現する。 これは,ドキュメントビュー領域に花の生長をアニメー ションのような動きで描画できたり,分子模型をマウスボタンで回転させたり, グラフの変化に動きを持たせることが可能で,JavaScriptやVRMLを組み合わせ て効果的なインターネット教材を開発できる。 3.インタラクティブ教材の開発 「教材・オン・デマンド」として,教科教育別にインターネットで活用でき るインタラクティブ教材の開発例を示めそう。
-105-3.1.国語科教育での開発例 国語科で活用できるインタラクティ ブ教材として,VRMLを用いて「回転 する立体文字」を図2のように作成した。 これは,Webブラウザのページに <embed>タグで埋め込むことが可能で ある。回転する立体文字を横から眺め て,その漢字が何であるかを推察する ゲーム感覚的教材である。 回転速度や 眺める傾斜角度を変えることが可能で, 難易度が付けられる。 正解は,回転す る立体文字をマウスでドラッグすれば 図2. インタラクティブ国語教材例 真上から見ることができて,正解を知 ることが可能である。 VRMLを知らなくても,VRMLのモデラーソフトを使用すれば,1つの立体 回転文字が2,3分で作れるO また,1つの漢字を3Ⅹ3程度のパズル(9個の正方形に分割)にしてパズル を移動しながら漢字を類推するという教材もJavaアプレットで作成中である。 3.2理科教育での開発例 理科で活用できるインタラクティブ 教材として,JavaScriptとVRMLとを組 み合わせて「惑星直列のシミュレーシ ョン」を図3のように作成した。 これは, Webブラウザのページを<frameset>タグ でフレ-ムに分割することが可能であ る。3つの回転運動する惑星の周期を任 意に指定し,惑星がどのような周期の ときに一直線になるかをシミュレーシ ョンするものである。 図3. インタラクティブ理科教材例
-106-3.3技術家庭科教育での開発例 技術家庭科で活用できるインタラクティブ教 材としてVRML2.0を用いて「木槌とヤスリと の使い方のシミュレーション」を図4のように作 成した。これは,VRML2.0対応のWebブラウザ のページに埋め込むことが可能である。 マウス で木槌やヤスリをドラッグすれば,設定された 方向と範囲でしか動かないために,そのときの 道具の使い方を疑似体験できる。 ヤスリには直 進法と斜進法などがそのときの用い方が異なり, 状況に応じて用具の使い方をインタ-ネットで 学習させるものである。 図4. インタラクティブ技術教材例 4おわりに 学内LANや遠隔地教育ために,従来のコンピュータ教材をインタ-ネットに対応した 教材に変えて,学校教育用のインタラクティブ教材を作成し,学校で教育するのに必要 な教材があれば,すぐに呼び出せる「教材・オン・デマンド」の研究を行い,そのWebサ ーバを構築した。 ここでは,従来のHTMLによる静的な教材からJavaScriptやJavaアプレット,VRMLを活 用した,インタラクティブな教材を開発した。 今後,このようなインターネット技術を用いて,各教科教育の担当者とともにインタ ーネット教材を充実させて,効果的な「教材・オン・デマンド」のあるwebサーバを構築 したい0 参考文献 (1)S. Nakayama:ProceedingsofInternationalConferenceonTechnologyEducationinSchool aroundAsianCountries(Sept.,1995)241-244. (2)和田正美,中山茂,「文字型CAIプログラム開発」,教育システム情報学会誌,Vol. 13,No. 2 (1996)99-116. (3)中山茂:,「Javaアプレットの学校教育-の応用研究」,情報文化学会誌,Vol. 3,No. 1 (1996)63-68.