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太陽電池モジュールの劣化現象と信頼性向上の指針

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太陽電池モジュールの劣化現象と信頼性向上の指針

増 田 淳

屋外で曝ばく露ろされる太陽電池モジュールにはさまざまな負荷が複合 して与えられ,その結果,発電性能低下が生じる.劣化現象は複 雑であるものの,劣化要因は遮光,集電能力低下,光起電力低 下の 3 つに大別可能である.本稿では,さまざまな太陽電池モ ジュールの劣化現象をこれら 3 つの劣化要因に整理して紹介す る.とりわけ,電圧誘起劣化については,最新の研究成果も含 めて詳細に説明する.また,さまざまな負荷のうち,屋外で使用 する太陽電池にとって避けることのできない紫外光照射が劣化現 象に及ぼす影響についても紹介する. 1. まえがき 世界的に見れば太陽光発電の普及加速はとどまるところを 知らず,2019 年の太陽光発電累積導入量は,10 年前に比 べて 27 倍の 623.2 GW と報告されている1).世界的な脱炭素 化の流れに伴い,太陽光発電をはじめとする再生可能エネル ギーが,電源としてはもちろんのこと,エネルギー源として主 要な地位を確立しつつあるといっても過言ではない. 太陽光発電の主役は半導体デバイスである太陽電池セル であるが,太陽電池セルをカバーガラス,封止材,裏面材, 配線材などと組み合わせてラミネートし,さらに,Al フレーム, シール材,端子箱,ポッティング材などを用いて一体化したも のが太陽電池モジュールである.マスコミなどでは太陽電池 モジュールを太陽電池パネルと呼ぶことが多い.封止材には 長年にわたりエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate: EVA)が用いられてきたが,最近ではポリオレ フィンやアイオノマーなどが用いられることもある.裏面材には ポリエチレンテレフタレートやポリフッ化ビニルなどのフィルムを 積層したバックシートが使われることが多いが,両面受光型の 太陽電池セルを用いる場合には裏面材としてもガラスが用いら れる.配線材にはインタコネクタリボンと呼ばれるはんだ被覆銅 線が用いられるのが一般的である.カバーガラス,封止材, 太陽電池セル,封止材,裏面材の順に積層しラミネートした あと,Al フレームを取り付けるが,積層体と Al フレームの間 に充じゆう填てんされるシール材にはシリコーンやブチルゴムが用いられ る.また,配線材とケーブルを接続する端子箱にはバイパス ダイオードも組み込まれているのが一般的であるが,ダイオー ドの熱暴走を防ぐために端子箱内を充填するポッティング材に はシリコーンが用いられる.このように,太陽電池セルの主要 部分は半導体であるが,配線材と太陽電池セルの電極は金 属であり,封止材,バックシート,シール材,ポッティング材 は高分子,カバーガラスはセラミックスである.つまり,太陽 電池モジュールは複合材料で構成されているといえる. 太陽電池モジュールは一部の屋内用途を除けば,屋外の 日射により発電するため,温度,温度変動,湿度,紫外光 照射,風などによる振動,積雪による荷重などのさまざまな負 荷に晒さらされる.これらの負荷が太陽電池モジュールの劣化要 因となる.さらに,発電時には起電力が発生し,電流が流れ るため,電圧や電流も劣化要因となりうる.もちろん,これら の負荷は単独で劣化要因となるばかりでなく,組み合わさるこ とで複合的に劣化要因となりうるし,負荷の組み合わせによる 劣化は,単独負荷による劣化の単純な足し合わせになるわけ でもない.一般に太陽電池モジュールは 20 年以上にわたり屋 外で使用されるため,長期にわたり複合材料がこれらの複雑 な組み合わせの負荷に晒された結果,各材料の内部だけで なく,材料間の界面でも反応が生じる.つまり,太陽電池モ ジュールの劣化を考えるには,多様な負荷の組み合わせによ る劣化要因が,さまざまな界面を有する多様な材料にどのよう な現象を発現させるかを検証しなければならない.太陽電池 モジュールの信頼性を向上させるには,太陽電池モジュール の劣化要因を知ることが必須であるが,これらの知見を得る ためには,半導体や電子デバイスの知識のみならず,セラ ミックス,高分子,金属といったさまざまな材料科学の知識が 必要であり,さらには材料間の相互反応も含めた学際的な知 識も必要となる.筆者は,対象を太陽電池に限定することな く,これらの知見を基盤とした「モジュール科学」と名付けた 新しい学理の構築に挑戦したいと近年考えている.図 1 には 結晶 Si 太陽電池モジュールの断面構造図と使用されている 材料に起因する主要な劣化要因を示す. 2. 太陽電池モジュールの発電性能低下要因 前章で述べたように,太陽電池モジュールの劣化要因や劣 化現象は複雑であるが,議論を整理するために,多少単純 化して考える.ここでは,太陽電池モジュールの劣化を発電 性能の低下と定義する.その結果,発電性能低下の要因は 新潟大学 自然科学系 〒 950-2181 新潟市西区五十嵐 2 の町 8050. e-mail: a-masuda@eng.niigata-u.ac.jp 分類番号 6.3,12.6 Degradation phenomena and a guiding principle for improved reliability of photovoltaic modules. Atsushi MASUDA.

Graduate School of Science and Technology, Niigata University (8050 Ikarashi 2-no-cho, Nishi-ku, Niigata 950-2181)

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以下の 3 つに大別できる.つまり,①セルに届く光量が低下 する,②光生成したキャリヤを収集できない,③光起電力が 低下する,の 3 つである.したがって,太陽電池モジュール の劣化要因を知るためには,まずは上記①~③のいずれの要 因で発電性能が低下しているかを見極め,次に①~③のい ずれかの要因がなぜ生じるのかを究明すべきである.図 2 に,発電性能低下の要因を図示するとともに,それぞれの現 象について,最近明らかになった事例を挙げて以下に説明す る.なお,③については,章を改めて第 3 章で詳説する. 2.1 遮光による発電性能低下 遮光により太陽電池セルに届く光量が低下する原因の大半 は,砂漠の砂などによるカバーガラスの汚損であり,ソイリン グと呼ばれる.しかし,大半の場合は,洗浄により発電性能 は回復するため,不可逆な劣化ではない.不可逆な遮光の 要因としては,封止材や太陽電池セル表面の透明導電膜が 着色して光を吸収し電流値が低下することが挙げられるが, 透明導電膜が着色する例2,3)はさほど多くない. 2.2 集電能力の低下による発電性能低下 発電性能低下の要因として大半を占めるのは,集電能力の 低下である.特にインタコネクタリボンとセルのバスバー電極の 接続部に生じる応力により,バスバー電極とフィンガー電極の 交点近傍でフィンガー電極が破断することや,インタコネクタリ ボンそのものが破断する場合がある.ただし,ある箇所でフィ ンガー電極が破断したとしても,そのフィンガー電極が別の箇 所でバスバー電極と接続していれば集電特性への影響は小さ い.実際には多くの場合,フィンガー電極は複数のルートでバ スバー電極と接続するように設計されており,1 カ所が破断し ても,直ちに集電できなくなるわけではない.したがって,電 極の破断は屋外でもしばしば観測される現象であり,特に設 置から 10~15 年程度以内の発電性能低下の主たる要因とな るものの,劣化率としても0.5 %/年程度である. 集電能力が低下する他の要因としては,紫外光照射や太 陽電池モジュール内に浸入した水分により,封止材に使用さ れている EVA が分解して生成する酢酸が,フィンガー電極で ある Ag とSi エミッタ界面のガラス層を腐食して直列抵抗が上 昇すること4~6)が挙げられる.太陽電池モジュールの裏面材 であるバックシートから浸透した水分により発生した酢酸は, モジュール外に放出されやすいため,太陽電池セル裏面の酢 酸滞留量は少ない.一方,太陽電池モジュール内に浸透した 水分が太陽電池セル表面に達し酢酸を発生させた場合,酢 酸が太陽電池モジュール外に放出されることは困難であり, 酢酸は蓄積する一方である.特に酢酸の逃げ道のない太陽 電池セル中心部の酢酸濃度は極めて高くなる.さらに,太陽

図 1 結晶 Si 太陽電池モジュールの断面構造図と使用されている材料に起因する主要な劣化要因. 図 2 太陽電池モジュールの発電性能低下要因の分類. 緑 矢 印 で 示 す バスバー電極に インタコネクタリ ボンを半田付け して,隣接する セ ル と 接 続 す る.バスバー電 極と直交するフ ィンガー電極は 集電のため,セ ル 全 面 に 存 在 する. バックシート 白板強化ガラス 封止材 Alフレーム シール材 端子箱,ポッティング材 太陽電池セル インタコネクタリボン 結晶Si太陽電池 モジュール 反射紫外光 による着色 化学的腐食劣化 物理的・機械的劣化 化学的腐食劣化 紫外光による着色 に伴う入射光遮蔽 電圧誘起劣化 酸による電極の腐食に 伴う電極/セル界面で のコンタクト抵抗の上昇 温度サイクル, 風圧,積雪によ る破断,剝離 高システム電圧に起 因するガラスからの Na移動 バックシートからの微量 水分浸入による封止材 からの酸発生 化学的腐食劣化(封止材・透 明導電膜の着色) カバーガラスの汚損 物理的・機械的劣化(封止材 界面の剝離による白濁) 大半の電圧誘起劣化(PID) 長期曝露に伴う環境 要因による発電性能 低下 pn接合は劣化せず ①遮光 ②集電能力の低下 太陽電池 モジュールの 発電性能低下 セルとフレームの電 位差に起因する劣化 pn接合の劣化を伴う 場合もある ③光起電力の低下 物理的・機械的劣化(インタ コネクタリボンの剝離,フィンガ ー電極の破断) 化学的腐食劣化(フィンガー 電極/セル界面の腐食による 高抵抗化)

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電池セル表面側の電極は,受光を妨げないように細線のフィ ンガー電極から構成されており,全面電極が形成されること が多い裏面側よりも,酢酸に対して一層脆ぜいじやく弱であると考えら れる.このように,太陽電池モジュール内,とりわけ太陽電池 セル表面中央の酢酸量と発電性能の低下はよい相関を示 す7).この場合,発電性能は初期値の数十 % 程度まで急激 に低下するが,一方でこの現象が発現するのは,屋外曝露 開始からおおむね 20 年程度を経てからであり,それまでは発 電性能に影響を与えることはない.なお,紫外光照射により 酢酸発生が早まるため8,9),暗中での高温高湿(Damp Heat: DH)試験により,屋外曝露環境におけるこの要因の発電性 能低下を予測することには限界があるものの,酢酸量を指標 とすれば暗中での温度 85 ℃,相対湿度 85 % での DH 試験 4000 時間が日本の環境での屋外曝露 30 年程度に相当する ことが見いだされている10) このように,封止材から発生する酢酸が Ag 電極を劣化さ せることが明らかになったので,劣化を抑止し,信頼性を向 上させるには,酢酸発生を抑止するか,酢酸耐性の高い Ag 電極を用いるかのいずれか,またはその双方の対策が必要に なる.近年では,酢酸を発生しにくい EVA も開発されており, 温度 85 ℃,相対湿度 85 % での DH 試験で 1500 時間程度 の劣化の遅延が観測される7).しかし,一定の試験時間経過 後に急激な性能低下が観測されることは,従来の EVA を用 いた場合と同じである.一方,最終的に性能低下を招くのは Ag 電極の劣化であるため,Ag 電極の改良事例も報告されて いる.モジュール化せずに太陽電池セルを直接酢酸蒸気に曝 露することで,Ag 電極の酢酸耐性を短期間で評価する手法 も開発され,信頼性に優れる Ag 電極の開発に適用されてい る5,11).この手法を用いて Ag 電極の酢酸耐性を検証した結 果を図 3 に示す.Ag 電極は Ag ペーストの焼成により形成す るが,Ag ペースト組成の違いにより,性能低下までの振る舞 いに大きな差異が見いだされた.このような結果は太陽電池 モジュールに対する温度 85 ℃,相対湿度 85 % での DH 試 験でも報告されている.従来は DH 試験 3000 時間程度で性 能が急激に低下していたのに対して,2010 年代半ば以降に 改良された Ag 電極を用いることにより,性能低下開始が遅延 するのみならず,性能低下の振る舞いが緩やかになり,DH 試験 6000 時間後においても初期の 9 割程度,10,000 時間 後においても初期の 8 割近い性能を維持している7).このよう に,EVA ならびに Ag ペーストの改良により,太陽電池モ ジュールの屋外での発電性能低下発現を遅らせるめどが得ら れている.また,酢酸を太陽電池モジュール内に滞留させな いことが重要であり,そのことを実現可能な太陽電池モジュー ル構造や材料を設計すべきである.長期の使用を考えれば, 水蒸気の浸入を完全に遮断することは現実的ではない.水蒸 気透過率が低いバックシートは発生した酢酸が太陽電池モ ジュール外に脱離しにくく,かえって発電性能低下を促進する ことが知られている12) 3. PID のメカニズムと抑止法 本章では,第 2 章冒頭に述べた 3 番めの発電性能低下要 因である光起電力の低下について詳述する.大半の結晶 Si 太陽電池モジュールでは,応力,水分浸入,紫外光照射に より,光起電力が低下することはほとんどない.Si ヘテロ接合 太陽電池を除き,これらの負荷を与える加速試験により,開 放電圧の低下がほとんど観測されないことがその証拠である. 結晶 Si 太陽電池モジュールで光起電力が低下するのは電圧 による負荷が与えられた場合である.結晶 Si 以外の太陽電 池も含め,太陽電池モジュールの接地されたフレームとセル間 の電位差に起因する発電性能低下を含む劣化現象の総称を 電 圧 誘 起 劣 化(Potential-Induced Degradation: PID)と呼 ぶ.システム電圧の高いメガワット級発電所では,高電位側 の太陽電池モジュールの Al フレームと太陽電池セル間の電位 差が数百~1000 V 近くになることもある.特に雨上がりや朝 露,あるいは沿岸地域の潮風などにより,日照があるにもか かわらずカバーガラス表面が湿潤状態で Al フレームと同電位 になると,カバーガラスから太陽電池セルに対して,光起電 力による電位差に基づく電界が発生する.また,雨天時で日 照が少ない場合でも,電流は減るものの電圧はさほど低下し ないので,このような電界は生じうる.PID はセルの種類でそ の振る舞いが大きく異なるが,特に注目されるのは,2005 年 に発見された n 型結晶 Si 太陽電池モジュールで起きる電荷 蓄積を主要因とする発電性能低下13)と,2010 年以降数多く 報告されてきた p 型結晶 Si 太陽電池モジュールで起きるシャ ント抵抗の低下を主要因とする発電性能低下14,15)である.図 4 に示すように,前者は漏れ電流に起因するセル表面の反射 防止膜内への正電荷蓄積に基づくエミッタ層での少数キャリヤ の表面再結合に起因し16~18),後者はカバーガラス中の Na が電界により封止材を介して太陽電池セルに到達することに 起因する14,15,19)と報告されている.本章では,筆者らの最

図 3 Ag 電極ペースト組成を変えた 7 種類の結晶 Si 太陽電池セル出力の酢 酸蒸気曝露試験時間依存性.

Test time for exposure to acetic acid vapor (h)

Change in maximum power (%)

0 100 200 300 400 500 600 −90 −80 −70 −60 −50 −40 −30 −20 −10 −100 0

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近数年間での PID に関する詳細な検証から得られた知見に ついて紹介する. 3.1 電荷蓄積型と元素侵入型の PID 前述のように,結晶 Si 太陽電池モジュールにおける PID の 主要因は,反射防止膜への電荷蓄積と Na 移動を伴う太陽 電池セル内への元素侵入に大別できるが,前者が n 型結晶 Si 太陽電池モジュールで観測され,後者が p 型結晶 Si 太陽 電池モジュールで観測されることから,電荷蓄積型と元素侵 入型のいずれの PID が起きるかは,結晶 Si 太陽電池セルの ベース層の伝導型により決まると考えられてきた.これに対し て,Komatsu らは n 型結晶 Si 太陽電池モジュールにおいて も,Na 移動に起因する PID が生じることを見いだした20).n 型結晶 Si 太陽電池モジュールで観測される電荷蓄積型の PID は,ごく短時間(例えば,Komatsu らの実験条件では 120 s 以内)で飽和するため,これまでの研究では飽和後の 特性を観測していなかった.これに対して,Komatsu らは 20 日間の PID 試験を実施することにより,1 h 後以降に Na 移動 に起因する元素侵入型の PID が段階的に発生することを見い だした.このことは元素侵入型の PID がベース層の伝導型に よらず生じることを示す重要な知見である.ただし,p 型結晶 Si 太陽電池モジュールにおける Na 移動に伴うPID がシャント 抵抗の低下と再結合に起因し,主には前者が支配的であるの に対して,n 型結晶 Si 太陽電池モジュールにおける Na 移動 に伴う PID は再結合に起因し,シャント抵抗の低下を伴わな いこと20)の原因は明らかにされていない. これらの知見を基に,筆者らは,p 型結晶 Si 太陽電池モ ジュールで電荷蓄積型の PID が報告されていないことについ て再考した.n 型結晶 Si 太陽電池モジュールにおける電荷蓄 積型の PID は,フロントエミッタ構造を有する太陽電池モ ジュールの場合,接地された Al フレームに対して太陽電池セ ルに負電圧を印加することにより生じる.この際,太陽電池セ ルから封止材,ガラスを経て Al フレームに電子が流れ,SiNx 反射防止膜中に正電荷が蓄積される.その結果,エミッタ層 (p 層)内の少数キャリヤである電子が引き寄せられ,エミッタ 層でのキャリヤ再結合が促進されるためと説明される16~18) 正電荷の起源は SiNx中の正に荷電した K センタである21).n 型結晶 Si 太陽電池セルの場合は SiNx/SiO2の 2 層反射防止 膜を用いるのが表面再結合の低減に有効であり,SiNxとエ ミッタ層間の SiO2層が両者間の電荷移動を妨げることで電荷 の蓄積状態を保持すると考えられる18,21).一方,p 型結晶 Si 太陽電池セルの場合は,一般的には SiNx単層の反射防止膜 が用いられているため,電荷蓄積自体が生じにくいのではな いかと推察される.さらに,フロントエミッタ構造を有する p 型 結晶 Si 太陽電池セルの場合,エミッタ層(n 層)の少数キャ リヤは正孔であり,キャリヤ再結合を促進するためには,反射 防止膜内に負電荷を蓄積しないといけない.つまり,接地さ れた Al フレームに対して太陽電池セルに正電圧を印加した場 合に,電荷蓄積型の PID が生じると考えられる.一方,Na 移動を伴う元素侵入型の PID が生じるのは,接地された Al フレームに対して太陽電池セルに負電圧を印加する場合であ る.フロントエミッタ構造の n 型結晶 Si 太陽電池モジュールの 場合は,第 1 段階の電荷蓄積型の PID と第 2 段階の元素侵 入型の PID は,いずれも太陽電池セルに負電圧を印加した 場合に発生し,Komatsu らは PID 試験時間をこれまでの報 告よりも延長することで,第 2 段階の元素侵入型の PID を発 見することができた20).これに対して p 型結晶 Si 太陽電池モ ジュールの場合は,これまでに報告されている元素侵入型の PID を発現させる電圧と逆方向の電圧を印加した際に,第 1 段階の電荷蓄積型の PID が発生する可能性があり,n 型結 晶 Si 太陽電池モジュールの場合と比較して,電荷蓄積型の PID の発見はより困難であると考えられる. これらの考察の下に,筆者らは SiNx/SiO2の 2 層反射防止 膜を有するフロントエミッタ構造の p 型結晶 Si 太陽電池モ ジュールを作製し,接地された Al フレームに対して太陽電池 セルに正電圧を印加した.その結果,温度 85 ℃,相対湿度 2 % 未満,印加電圧 1000 V における 10 min の短時間 PID 試験で短絡電流密度と開放電圧の低下が飽和する典型 的な電荷蓄積型の PID が観測された22).さらに,PID 試験 後の外部量子効率スペクトルでは,短波長領域の顕著な低下 が観測され,発生した PID が表面再結合に起因することが示 されるが,このことも電荷蓄積型の PID の発生を裏付けるもの である22) 結晶 Si 太陽電池モジュールで観測される電荷蓄積型と元 素侵入型の PID の差異は,ベース層の伝導型に起因するとこ れまで信じられてきたが,筆者らの実験結果は,ベース層の 伝導型によらず,p 型とn 型の結晶 Si 太陽電池モジュールで の PID の発生原因を普遍的に説明可能である.いずれも初 期に第 1 段階の電荷蓄積型の PID が発生し,その後,電圧 印加を継続することにより,元素侵入型の PID が発生するこ とを示している.ただし,p 型結晶 Si 太陽電池セルの場合 は,一般には電荷蓄積の生じにくい反射防止膜を有している ことと,フロントエミッタ構造の場合は電荷蓄積型と元素侵入 型の PID が発生する電圧の向きが逆であるため,これまでは

図 4 (a)電荷蓄積型と(b)元素侵入型の PID のメカニズムを示す模式図.屋 外ではカバーガラス表面が湿潤な状態で Al フレームと同電位になるが,加速 試験を容易にするためにカバーガラス上に Al 板を直接設置することで,ガラ ス表面が湿潤な状態を模擬している. Na+Na+ Na+Na+ 封止材 カバー ガラス SiN 反射防止膜 Na+ Na+ Na+ Na+ Na+ Na+ p型結晶Si 太陽電池 封止材 n型結晶Si 太陽電池 カバー ガラス SiN 反射防止膜 SiO2層 漏 れ 電 流 + + + + + + + + + + + − − − − − − − − − − − 電 界 (b) (a) n型エミッタ層 Al板 p型エミッタ層 n型ベース層 Al板 p型ベース層 バックシート バックシート

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電荷蓄積型の PID の存在を見つけることができなかった.例 えば,p 型結晶 Si 太陽電池セルにおいても,リアエミッタ構 造にして表面側に SiNx/SiO2の 2 層反射防止膜を用いれば, 第 1 段階の電荷蓄積型の PID と第 2 段階の元素侵入型の PID が同じ電圧の向きで連続的に発生するため,PID の発生 メカニズムの理解が容易に深まったと思われる.ただし,リア エミッタ構造では pn 接合をシャントする Na の移動には相当の 時間を要することが予想されるなど,フロントエミッタ構造と完 全に同じことが起きるか否かは検証が必要である.なお, SiNx/SiO2の 2 層反射防止膜は p 型結晶 Si 太陽電池モ ジュール22),n 型結晶 Si 太陽電池モジュール23)のいずれに おいても,第 2 段階の元素侵入型の PID を遅延させる効果 がある.また,これまでのところ,p 型,n 型のいずれの結晶 Si 太陽電池モジュールにおいても,陰イオンの侵入を原因と する PID の発現は観測されていない. 筆者らはこのほかにも,カバーガラス中の Na に限らず,セ ル表面や封止材の汚染として存在する Na も,Na 移動を伴う 元素侵入型の PID を発生させること24)を,Naumann ら25) 先行研究を基に明らかにした.さらには,Na のみならず Ag ペースト中に含まれる Li などの元素によるセル表面汚染も, 元素侵入型の PID の原因となることを明らかにした26).つま り元素侵入型の PID は,Na に限らず,ほかの陽イオンでも 生じると理解できる.また,元素侵入型の PID は軽度の場合 には可逆であるものの14),重度になれば SiN x反射防止膜の 破壊などを伴い不可逆になる27).これら一連の PID の進行 過程を,3.4 節で簡単に紹介するほかの原因による PID も含 め,模式的に図 5 に示す.ただし,第 3 段階の不可逆の PID は非常に厳しい加速試験でのみ観測されており,太陽電 池モジュールが設置される一般的な屋外条件で観測されるこ とはないと考えられる. 3.2 紫外光照射が PID に及ぼす影響 屋外では複合的な負荷が発生するため,湿熱負荷や紫外 光照射が PID に及ぼす影響についても検証してきた.その結 果,湿熱負荷は PID を加速することが明らかとなった28).こ の原因は,吸水による封止材の体積抵抗低下に伴い,相対 的に SiNx反射防止膜にかかる電界が強まるためであると考え られる.一方,p 型結晶 Si 太陽電池モジュールにおいて,紫 外光照射により PID の発現を遅延させる効果も見いだされ た29).この原因は,遅延効果のある紫外光の波長が SiN x反 射防止膜のバンドギャップと対応することから,紫外光照射に よりSiNx膜中のキャリヤ濃度が増加し,導電率が向上するこ とにより,反射防止膜にかかる電界が弱まり,Na 侵入が抑止 されるためと考えられる30).前述のように,紫外光照射は酢 酸による発電性能低下を加速するが,PID を遅延させる. バックコンタクト型結晶 Si 太陽電池モジュールでは,同様に, Na 侵入に伴うキャリヤ再結合に起因する PID が光照射により 緩和するが,このことは,p 型結晶 Si 太陽電池モジュールの 場合と同様のメカニズムで説明されている31).一方,フロント エミッタ型の n 型結晶 Si 太陽電池モジュールの電荷蓄積型の PID では,光照射の有無による大きな差異は観測されな い32).このように,酢酸による劣化のみならず,PID にも紫外 光照射は重要な影響を及ぼすため,モジュールの寿命予測に は,紫外光照射と組み合わせた加速試験が必須となる. 3.3 PID の抑止法 3.1 節および 3.2 節で紹介した実験事実から,元素侵入型 の PID の発現には,反射防止膜にかかる電界が極めて重要 な役割を果たしていることが示唆される.例えば,SiNx反射 防止膜のない p 型結晶 Si 太陽電池セルを用いた場合は,元

図 5 p 型結晶 Si 太陽電池および n 型結晶 Si 太陽電池における PID の進行過程の模式図.図 中の〇は PID が生じることを,×は PID が生じないことを,―は原理的に PID が生じえないこと を,赤の実線の矢印は陽イオンで元素侵入型の PID が生じることを,赤の点線の矢印は陰イオン では元素侵入型の PID が生じないことを示す.電荷蓄積型と元素侵入型以外の原因で生じる PID を青の点線より下に示す. 枠の点線は,屋外曝露ではほぼ観測 されないであろう現象を示す. 最近までは,第 1 段階だけが起きる と考えられていた. これまでは,第 2 段階だけが起きる と考えられていた. pベース フロントエミッタ nベース フロントエミッタ 正電圧印加 負電圧印加 負電圧印加 正電圧印加 ○ × ― ○ ○ ― ○ × (陰イオン) (陽イオン) (陽イオン) (陰イオン) 元素侵入型 (軽度) 可逆 電荷蓄積型 可逆 元素侵入型 (重度) 不可逆 第 1 段階 第 2 段階 第 3 段階 p型,n型結晶シリコン太陽電池共通 第 1 段階 第 2 段階 電極腐食 透明導電膜の還元 剝離

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素侵入型の PID そのものが発現しない33).また,かねてより, SiNx反射防止膜の組成を Si リッチにして抵抗率を下げるこ と34),あるいはポリオレフィン35)やアイオノマー36)などの EVA よりも体積抵抗率の高い封止材を用いること,さらにはカバー ガラスに抵抗率の高い化学強化ガラスを用いること37)により, PID が軽減されることが報告されているが,この原因も相対的 に SiNx反射防止膜にかかる電界が弱まるためであると考えら れる.カバーガラスに石英ガラス15)やホウケイ酸ガラス38) 用いた場合に PID が抑制されることについては,ガラス中に Na が含まれないあるいは含まれても少量であるため当然のこ とのように説明されているが,前述のように太陽電池セル表面 の Na 汚染も PID を引き起こすため,真の原因は SiNx反射 防止膜にかかる電界が相対的に弱まるためと考えるのが妥当 である.しかし,EVA に代わる封止材は比較的コストが高く, また,Siリッチ組成の SiNx反射防止膜は最適組成からずれ ており,光の吸収や反射の観点で不利である.最近では, SiNxにかかる電界を完全に遮蔽するセル構造も考案されてお り,この場合は PID の発生を大幅に抑止できる39) 3.4 その他の太陽電池モジュールでの PID 誌面の関係で詳細は省くが,裏面パッシベーション型結晶 Si 太陽電池モジュールでは裏面電極の腐食を伴うPID40)が, Si ヘテロ接合太陽電池モジュールでは透明導電膜の還元によ る光吸収の低下を伴うPID2,3)が,Cu(In,Ga)Se 2太陽電池モ ジュールではカバーガラスからの Na 移動を伴う元素侵入型の PID41)が観測されている.スーパーストレート型薄膜太陽電 池モジュールでは太陽電池セル材料に Si とCdTe のいずれを 用いた場合においても透明導電膜の剝離を伴う PID42,43) 観測されるが,結晶 Si 太陽電池モジュールで観測されるカ バーガラス/封止材/太陽電池セル界面での剝離も,剝離 箇所に大量の Na が観測される場合44)には,同様に剝離型 の PID の可能性もある.従来構造の結晶 Si 太陽電池モ ジュールの PID については,ベース層の伝導型を問わず,同 様のメカニズムで説明できることを見いだしたが,PID は電圧 印加に伴い生じる発電性能低下を含む劣化現象の総称にす ぎず,さまざまな新型太陽電池セルで発現する PID に関して は,個別にメカニズムの明確化が必要である. 4. むすび 太陽電池モジュールの研究は屋外での出力特性の変化や, 長期間の屋外曝露後の外観調査,あるいは劣化要因の検証 といえども,せいぜいエレクトロルミネセンス観察などが大半で あった.本稿で紹介したように,太陽電池セルをはじめとした 太陽電池モジュールを構成するさまざまな材料に対して,光, 水分,温度,電圧などのさまざまな負荷が与えられることで, 材料単体の内部のみならず,それらの界面で複雑な反応が 生じ,結果的に太陽電池モジュールの劣化現象が発生する. したがって,太陽電池モジュールの研究は,デバイス物理と 材料科学に基づく,まさに応用物理学的研究にほかならない. これまで,太陽電池の分野では,セルとモジュールの研究に 乖 かい 離りが生じていた感が否めないが,信頼性向上のみならず, 高効率化,低コスト化のためにも,両者は一体として推進す べきものであると主張したい. 謝 辞 本稿で紹介した研究の一部は,(国研)新エネルギー・産 業技術総合開発機構から(国研)産業技術総合研究所に委託 されたものであり,新潟大学の城内紗千子准教授,山口世 力特任助教,産業技術総合研究所の原由希子氏,棚橋紀 悟招聘研究員,山本千津子氏,北陸先端科学技術大学院 大学の大平圭介教授,小松豊氏,石川県工業試験場の橘 泰至専門研究員,豊田工業大学の中村京太郎招聘研究員, 青山学院大学の石河泰明准教授,Dong Chung Nguyen 博 士をはじめとする多数のメンバーとの共同プロジェクトで実施し た.関係各位に深く感謝する.

文 献

1)Trends in Photovoltaic Applications 2020, Report IEA-PVPS T1-38 (2020).

2)S. Yamaguchi, C. Yamamoto, K. Ohdaira, and A. Masuda: Sol. Energy Mater. Sol. Cells 161, 439 (2017).

3)S. Yamaguchi, C. Yamamoto, K. Ohdaira, and A. Masuda: Prog. Photovolt.: Res. Appl. 26, 697 (2018).

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Shibata, S. Niki, Y. Kawakami, and A. Masuda: Jpn. J. Appl. Phys. 54, 08KC13 (2015).

42)A. Masuda and Y. Hara: Jpn. J. Appl. Phys. 56, 04CS04 (2017). 43)A. Masuda, Y. Hara, Y. Shiina, S. Okamoto, and T. Okamoto: Jpn. J. Appl.

Phys. 58, SBBF07 (2019).

44)K. Matsuda, T. Watanabe, K. Sakaguchi, M. Yoshikawa, T. Doi, and A. Masuda: Jpn. J. Appl. Phys. 51, 10NF07 (2012).

(2021 年 1 月 14 日 受理)

P r o f i l e 増 田 淳(ますだ あつし) 1996 年金沢大学大学院自然科学研究科博士課程修了.同年, 北陸先端科学技術大学院大学助手.05 年独立行政法人産業 技術総合研究所太陽光発電研究センター研究チーム長.15 年 同副研究センター長.18 年金沢大学特任教授(兼務).20 年 新潟大学自然科学系教授(現職).20 年本稿記載の研究に関 して,令和 2 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術 賞研究部門受賞.日本太陽光発電学会副会長.応用物理学会 では,北陸・信越支部役員,代議員,講演会企画・運営委員, 機関誌企画・編集委員,男女共同参画委員長などを歴任.春 秋の講演会には 90 年秋季から欠かさず参加しており,波多野 睦子会長の提唱する応物愛に溢あふれる.専門は,太陽光発電, 薄膜電子材料.

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