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フレイル・サルコペニアの最前線

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Academic year: 2021

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基調講演

KL 睡眠覚醒の謎に挑む―『眠気』の正体を求めて― 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 ○柳沢正史 睡眠覚醒は中枢神経系を持つ動物種に普遍的な現象であるが, その機能と制御メカニズムは,いまだ謎に包まれている.覚 醒系を司る神経ペプチド「オレキシン」の発見をひとつの契 機として新しい睡眠学が展開され,近年では睡眠覚醒のス イッチングを実行する神経回路や伝達物質が解明されつつあ る.₂₀₁₄ 年には,内因性覚醒系を特異的に抑える新しいタイ プの不眠症治療薬として,オレキシン受容体拮抗薬が上市さ れた.また,覚醒障害ナルコレプシーの根本病因がオレキシ ンの欠乏であることが判明しており,オレキシン受容体作動 薬はナルコレプシーの病因治療薬,さらには種々の原因によ る過剰な眠気を抑制する医薬となることが期待されている. 一方,睡眠覚醒調節の根本的な原理,つまり「眠気」(睡眠 圧)の脳内での実体とはいったい何なのか,またそもそもな ぜ睡眠が必要なのか等,睡眠学の基本課題は全く明らかに なっていない.私たちはこのブラックボックスの本質に迫る べく,ランダムな突然変異を誘発したマウスを ₈,₀₀₀ 匹以上 作成し,脳波測定により睡眠覚醒異常を示す少数のマウスを 選別して原因遺伝子変異を同定するという探索的な研究を行 なってきた.このフォワード・ジェネティクス研究の進展に より,睡眠覚醒制御メカニズムの中核を担うと考えられる複 数の遺伝子の同定に成功し,現在その機能解析を進めている. 最近,フォワード・ジェネティクスによって同定された Sleepy変異マウスと断眠マウスの解析から,シナプス蛋白質 の累積的リン酸化状態が睡眠圧の本態の一部である可能性が 提示された.本講演では,筑波大学 WPI-IIIS の私どものラボ における睡眠覚醒の謎への探索的アプローチを紹介する.

特別講演 1

SL1 フレイル・サルコペニアの最前線 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター ○荒井秀典 わが国の高齢化率は ₃₀%を超えようとしているが,同時に患 者の高齢化も進んでおり,呼吸器疾患患者も例外ではない. COPDなどの疾患は高齢者に多く認められるが,息切れなど の症状により,日常生活活動が低下し,サルコペニア,フレ イルの出現とこれらの予後・QOL への影響が問題となってく る.フレイルとは加齢に伴う予備能力低下によって外的なス トレス(感染症,事故,手術など)に対する抵抗性が低下し た状態であり,要介護状態の前段階である.フレイル高齢者 では,転倒・骨折,入院,認知症,死亡などのリスクが高く なる.また,フレイルには身体的な要因だけではなく,精 神・心理的な要因,社会的な要因があり,これら ₃ つの要因 が負のスパイラルを形成して,生活機能の低下をもたらす. しかし,フレイルの予防や介入であり,早期発見・早期介入 が重要である.フレイルの要因として重要なサルコペニアに ついても,診断,治療が有用である.サルコペニアは加齢に 伴う骨格筋量,筋力,歩行速度が低下する疾患であり,フレ イルとともに転倒・骨折や QOL の低下などの転帰と関連す る.従って,呼吸器疾患患者において,フレイル,サルコペ ニアを合併することにより予後不良となる.フレイル,サル コペニアの予防・介入に関して重要なのは,運動療法と食事 療法である.本講演では,呼吸器疾患におけるフレイル,サ ルコペニアの意義を概説し,最新のガイドラインやサルコペ ニアの診断基準の改訂を含めて,フレイル,サルコペニアに 関する今後の展望を述べたい.

参照

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