言語資料としての『氷川清話』の研究(二〇〇四年度卒業論文要旨集)
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(2) 言語資料としての. ﹃氷川清話﹄. の研究. 国語学研究室一一二三. 真木. 育子. 本研究は、江戸生まれの武士であった勝海舟の回顧録﹃氷川 清話﹄と海舟の父、勝小善が書いた自叙伝﹃夢酔独言﹄を言語 資料として使用した。父である勝小吉の話しことばと、子であ る勝海舟の話しことばを比較して、位相と世代の差異から武士 ことばの口頭表現の実態を明らかにしたいと考え研究を進め た。 父、小吉は天保期の下級武士であったが、子である海舟は江 戸最後の将軍・徳川慶喜の重臣になり、新政府の高官も勤めた。 親子の武士ことばを、中村通夫の﹁夢酔独言の語学的価値﹂の 研究を考慮して、文章語的な表現・られ敬語・否定推理の助動 詞・音靴・合拗音・否定過去・終助詞・待遇表現などから調査 を進めた。上方語と江戸語の対立、語嚢の衰退や継続などの実 態から、幕末期・明治期の話しことばの特徴や共通語の基盤で ある東京語の山の手ことばへの継続の有無を捉えて考察した。 江戸の士農工商の身分制度は、武士においても上磯・下級の区 分があったが、親子であるため資料に共通する部分を武士こと ばと考え、相違する部分を位相や時代による差異と考えた。 江戸語が独自性を確立して、東京語に継続してゆく間に、武 士ことばも時代の経過とともに変化している。その根源は、互 いの関係を尊重し、聞き手や話題の人物などに、話し手の敬意 を表わし伝える待遇表現の形で引き継がれていると考える。.
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