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「心の理論」指導可能性への挑戦

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Academic year: 2021

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(1)68発達心理臨床研究第9巻2003 【コメント】. 「心の理論」指導可能性への挑戦 '!'言.. (兵庫教育大学障害児教育講座). 高橋・井上・奥田論文は、近年、強調されている自閉症における「心の理論」障害に対し、応用行動分 析の立場から、その指導可能性に挑戦している研究である。私自身、自閉症臨床に関わっている者として、 自閉症児・者における「自己」と「他者」の区別に関する能力を高めることの難しさを感じており、指導 の可能性を実証した価値ある研究であるといえる。かつ、奥田・井上・山口(2000)、奥田・井上(2002)、 奥田・井上(2000)等の一連の継続性のある研究であり、本研究では、 「心の理論」に関連する能力を高 めるために、奥田・井上(2002)における指導手続きの再検討することにより、目的に記されているよう な「より効率的な指導プログラム」に改善することができていることから、今後の展開が期待される論文 でもある。 以下では、筆者からみた本研究の今後の展開についてコメントすることとする。 まず第1に、論文における考察に記されているように、実際に対象児が他者の視線状況(「他者が実際 に情報を見て知識を得ているのか?」)を手がかりとして「知識の有無」状況を弁別しているのか、を明 らかにしなければならない。本研究では、相手には知識があるかどうか(相手がトランプの数字を知って いるかどうか)は、相手が「トランプを見ることができたのか」または「見ることができなかったのか」 に依存している。この「弁別刺激は何なのか?」という問いは、確実に明確しなければならないと考える。 第2に、このような「心の理論」獲得をめざした指導によって、日常生活における対象児のパフォーマ ンスにどのような影響をもたらすのか、ということがある。これは課題場面における刺激般化の問題(た とえば、トランプ以外の課題刺激を用いることや質問刺激を変更することなど)ということではなく、こ のような「心の理論」に関連する技能を獲得することが、日常における「人との関係」にどのようなイン パクトをもつのか(それは、本研究の目的とするところではないことは承知しているが)、興味のあると ころである。. 第3に、対象児の選定から生じる問題が考えられる。対象児は、 「他者感情理解」や「自己感情表出」 などの指導を受けてきたことが記されている。かつ、この課題手続きでは、カードに対する注目、相手に 対する注目、質問?応答スキルも前提として必要となる技能であると考えられる。どのような基本的なス キルがあることが、これらの指導可能性を生じさせるのか、といったことも検討を必要とするだろう。そ れはさらに発展させれば、 「心の理論」課題によって評価される能力には、さまざまな下位の認知能力と の関連が示唆されているが、全体としてどのような構造になっているのか、それによって全体としての 「心の理論」指導プログラムはどのような構造になるか、という将来的な課題があるだろう。その場合に、 自閉症特性を考慮すべきことは言うまでもない。 応用行動分析によるこの挑戦が、今後も徹底的にすすめられていくことを希望する。.

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