IRUCAA@TDC : 局所麻酔による循環動態に関する研究 : パルスドップラー心エコー法とレーザードップラー血流計による観察
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(2) 原 著. 局所麻酔による循環動態に関する研究* -パルスドップラーjhエコー法とレーザー ドップラー血流計による観察須 藤 剛 東京歯科大学大学院歯学研究科 オーラルメディシン講座 (指導:川島 康教授). 年9月25日受付) 年10月12日受理). A Study on Hemodynamic Effects accompanied with Local Anesthesia -Applications of the pulsed doppler echocardiography and laser doppler blood flowmetryTakeshi SUDOU Department of OralMedicine, Tokyo DentalCollege (Director : Prof. Yasushi Kawashima). は多く 当教室においても,歯科処置時の循環動態. 緒 言 近年,高麻化社会に伴い高歯者や各種疾患を合併する. を心電図,血圧,心拍数,呼吸数,末梢容積脈波,血栗. 患者の歯科受診や在宅歯科診療の普及につれ,リスクの. カテコールアミン漉度,超音波ドップラー血流波,心電. 高い患者を診療する機会が増加している。なかでも高血. 図RIR間隔変動,ホルター心電図などを指標に分析を. 圧症患者はとくに多く,歯科処置を行うにあたり種々の. 行ってきた5) 。 歯科処置時の循環動態には,交感神経系が大きく開与. 角度から注意をする必要があるo 歯科処置に伴い,不快症状が発窮した場合,歯科処置. しており,その原因もしくは誘因として,精神的ストレ. を中断または中止せざるをえないことがある。とくに生. スや局所麻酔薬に添加されているエビネフリンなどの彩. 体の予備力や順応性の低下している高歯者や合併症を有. 響が考えられる。エビネフリンの生体への影響について. する患者では,ひとたび自律神経系の平衡状態に異常を. は多数の報吾があり,その結果,血圧,心拍数の変動が. きたした場合,回復が遅延することなどが持摘されてい. ない場合でもJL、拍出量や全末梢血管抵抗などは変動して. る1)。局所麻酔に関連した偶発症の報吾2)や不快症状発. いることが明かとなった しかし,歯科処置中,局. 現時の救急処着や予防対策などの患者管聾に関する報告. 所麻酔薬に添加されているエビネフリンの影響とは考え. *本論文の要旨は,第241回東京歯科大学学会総会(平成 2年10月11日,千葉),第45回日本口腔科学会総会(平成 3年5月17日,京都),第5回日本口腔診断学会総会(辛 成4年5月16日,仙台)において発表した。. 現を経験することがあり,その原図は歯科処置時の精神. にくい著明な殖環の変動や,それに基づく不快症状の発. -. 的ストレスや局所麻酔に伴う捧痛などが関与すると指摘 されている 。 1. -.
(3) 宴藤:局所麻酔による番環動態に関する研究. 2. 表1症例分幾と年麻分布 年 斬 (歳) 分幾 . 平均年麻 P健常者群 ±. 歳. (m ea n j= S D ). ∼29. 30 ∼ 39. 40 ∼ 49. 50 ∼ 59. 60 ∼ 69. 70 ∼. 小. 計. 男. 14 (14). 2 ( 2). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 16 (16). 女. 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 小 計.. 14 (14). 2 ( 2). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 16 (16). 高血圧症群. 男. 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 0 ( 0). 5 (12). 2 ( 4). 7 (16). ±. 女. 0 ( 0). 0 ( 0). 1 ( 1). 2 ( 7十. 3 ( 6). 2 ( 8). 8 (22). 小 計. 0 ( 0). 0 ( 0). 1 ( 1). 2 ( 7). 8 (18). 4 (12). 15 (38). 14 (14). 2 ( 2). 1 ( 1). 2 ( 7). 8 (18). 4 (12). 31 (54). 歳 ±SD ). 合. 計. ( )内は処置回数 著者は,歯科処置時の精神的ストレス,産痛などが,. 表2 症例分数と体格. 循環動態に与える影響は大きいと考え,とくに高血圧症. 身長. 患者では,歯科処置時の循環変動が大きいことから高血. 体重. 体表面 積. 圧症患者を対象に精神的ストレスが大きく,捧痛刺激が. 健 常 者 群. ± 3.4. ± 8.4. ±. 加わる局所麻酔時の循環動態について血圧,心拍数とと. 高血圧症群. ± 7. 7. ± 6. 7. ±. もに循環を変動させる因子である1回拍出量,全末梢血. ± SD 健常者群 高血圧症群. 管抵抗などを観察した。さらに交感神経活動の指標とさ れている指尖部組織血流量を同時に計測し,局所麻酔に 伴う交感神経活動の循環への影響を観察した.計測法 は,患者に負担の少ない非侵嚢的な方法を選択し, 1回 拍出皇の計測にはパルスドップラ-JL、エコ-演,指尖部 組織血流量の計測にはレーザードップラー血流計を用い 計測した.本研究では,健常者群と高血圧症欝を対象に 循環動態について観察し,また両群における比較を合わ せて行ったところ興味ある知見を得たので報告する。. 均年麻 歳,平均身長 平均体重 平均体表面積 であり(表2),健常者群との体重 の比較では,統計学的に有意差を認めなかった。なおW HOの病親分華では,全例第I期であり,降圧剤の服用 は,無投薬6名(同14回), β速断剤服用4名(同8回), カルシウム括抗剤服用5名(同11回). β速断剤とカルシ ウム浩抗剤の併用2名(同5回)であった。 2.術前検査 高血圧症群に対して施行した臨床検査は下記のとおり である。. 研 究 方 法. 1.研究対象 本研究の対象は,東京歯科大学市川総合病院歯科を受 診した患者で,局所麻酔下の歯科処 を必要とする,男 性23名,女性8名,合計31名を対象とし,健常者群およ び高血圧症群の2群に大別し,比較検討を行った(義 1)。. 1 )健常者群:循環審系疾患の既往,合併症がないボ ランティア,男性16名(処置回数16回),平均年齢 歳,平均身長 平均体重 平均体表面 積 である(表2)。なお計測時,心エコープロー ブを前胸部にあてるため,健常者群は男性のみとした。 2 )高血圧症群 の分類に従い,高血圧症と診 断された者,男性7名・女性8名言十15名(固38回),辛. 1 )安静時心電図(痩準12誘導) 2 )胸部Ⅹ線写真(背腹位) 3)血圧測定 法) 4)体位変換試験 ・エコー図. 6 )眼底検査 分幾 分幾) 7)末梢血検査 8)生化学検査 9)尿検査(試験紙法,沈連) 10)局所麻酔薬皮内反応 以上の検査結果,既往歴,および担当内科医からの意 見を聴取し,患者の術前評価を行った。また,必要に応 じて当院内科へ受診依頼し,精査の後,十分な患者管理. - 2 -.
(4) 歯科学報. 3. 下において歯科処置を施行した。. 心臓各部の観察. 3.観察方法. 被験者は,仰臥位となり心電計・心音計を装着し,心. 1)心エコー図による観察. エコープローブを前胸部にあて(図2),断層心エコー図. 本研究では,心エコー装置(日立メディコ社製EUB. による画像診断を行い,心臓各部の状態を観察した(図. を用いて(図1),断層JL、エコー図, MモードJL、エ コー図について検査検索を行った。. モード心エコー図では,心臓各部を計測した(義 3,図 。パルスドップラー心エコー図 では,大動脈弁部と僧帽弁部の血流の状態を調べた.な お,超音波の入射が困難で測定値の信東性が失われると 判断したものは除外した。 2 )番環動態の観察項目 ・電図第H誘導(ただし第H誘導が の場合は第I誘導を用いた) ・拍数 (3)血圧(オシレーション法) 回拍出係数(パルスドップラー売、エコー法) (5)左室馬区出血流速(パルスドップラーJL、エコ一法) (6)左手第3≠封旨尖部組織血流量(レーザ-ドップ ラー法) ・音図. 図1 JL、エコー装置およびプローブ,心音計. 図2 計測時の患者の体位および心音計,プロー ブの位置 - 3 -.
(5) 豪藤:局所麻酔による循環動態に関する研究. 4. (SV : 1回拍出室 体表面積. 表3 Mモ-ド心エコー図検査項目 検. 査. 項. 目. 大動脈径. 16 ∼. 大動脈弁径. 17. 左房径. 18 ∼. 40. 僧帽弁径. 20 ∼. 30. 僧帽弁前尖後退速度. 17 ∼ 150. 30. <. 右室流出露拡張後期内径. 5 ∼. JL、室中隔. 8. 局される.そのため,大動脈弁蓋部において超音波の入 射方向と血流の方向が一致しない場合は,角度補正を行 い測定言己録した. b.大動脈弁基部の直径の刺定 超音波を胸骨左縁より入射し,左室長軸断面図及び左 室短軸断面図から大動脈弁蓋郭の直径を計測した. (4)心係数 の測定 CI-CO/S. 20. ∼ 12. 左室拡張終期径. 4 0 ∼ 55. 左室収縮輝親径. 30 ′ ∼ 45. 左室後壁. 体重 身長 a.計測部位の決定 部位は,超音波を心尖部より入射し,四腔断面図上の 大動脈弁基部で,パルスドップラー心エコー図で血流波 形が重大となりアーチファクトが入らない部位とした。 麗音波の入射部位は,肺や肋骨を避けて入射するため限. 正常値. 8 ∼. 12. 以上の項目を心エコー装置,レーザードップラー血流 計,自動血圧計にて測定し,ビデオテープレコーダー (松下竃審社製 に記録したo また,以上の結果 より計算式で待られる以下の項目についても検討を行っ たo ・係数 (9)全末梢血管抵抗 左室仕事係数 (ll) Rate-Pressure-Product. 3)測定方法 (1)心拍数 の測定 心電図上から1拍毎に分時換算された数値の5秒間の 平均値を心拍数とした。 (2)血圧の測定 血圧は,自動血圧計(日本コ-リン社製 を用いて達耗モードで右手上腕より測定したO 平均血圧は で算出した。 平均血圧 収縮親血圧 拡 張期血圧) 回拍出係数 の測定 パルスドップラー心エコー法で四腔断面図上の大動脈 弁基部における左室願出血流速を計測し,その5拍の平 均血流速の積分値と大動脈弁蓋部の血管断面積から1回 拍出量を計測し, 1回抽出係数を算出した(図7)o SVI-SV/S x. ・拍出室 (5)左室耳区出血流速の測定 大動脈弁基部で測定した血流遠の重大値を左室躯出血 流速とした。 (6)指尖部組織血流室の測定 本研究では,レーザードップラー血流計(アドバンス 社製 を用い,左手第3指捜尖部組織血流量を 測定した(図8)O プローブは,左手第3指指尖部の皮膚 面を圧迫しないように両面テープで固定し,時定数 で測定した。 (7)全末梢血管拡抗 の測定 × で算出した。 (8)左室仕事係数 の測定 ×CIで算出した。 なお,全末梢血管抵抗と左室仕事係数に関しては,血 圧測定が,間欠的測定であるため,平均血圧と1回拍出 量の計測時親が一致しない場合は,カフ加圧時の1回拍 出量とその時の平均血圧を代入したo (9) Rate-Pressure-Product(R P P) ×HRで算出した。 4.操作時点の設定 局所麻酔に伴う処置経過を4時点に区分したoすなわ ち,被験者はベッド上で30分以上安静をとり各パラメー ターが安定しているのを確認した後,処置直前の任意の 一時点(以下,処置直前値),局所麻酔針刺入直後の時点 (以下,刺入直後),局所麻酔終了後3分の時点(以下, 局所麻酔後3分),局所麻酔終了後10分の時点(以下,局 所麻酔後10分)の計4時点とした(表4)。. x. - 4 -.
(6) 歯科学報. 5. 断層心エコー図. ①S. 収縮終期. 拡 張終期 Mモード心エコー図. 大動脈弁部. d. ①d ①S. ∫ ⑧. 心電図 心音図. ②S. 僧帽弁部. =二言=二二 ③d ③S 左心室部. 図3 拡張終親および収縮終期の断層JL、エコー図と各部のMモード心エコー図. - 5 -.
(7) 6. 須藤:局所麻酔による循環動態に関する研究. 貫=二「〕 「「 図4 Mモ-ド心エコー図(大動脈弁基部)の記録および計測部位 大動脈径 大動脈弁径 L AD :左房径. 図5 Mモ-ド心エコ-図(僧帽弁部)の記録および計測部位 AM P :僧帽弁径 イ別冒弁前尖後退速度. 図6 Mモード心およびエコー図(左心室部)の言己録および計測部位 右室流出路拡張終親内径 心室中隔 左室拡張終期内径 左室収縮終期内径 左室後壁 - 6 -.
(8) 歯科学報. 図7 パルスドッ′プラ当L、エコー図(大動脈弁基位における血流波径). 歯科外来にて処置. 局所麻酔後1 0分. 局所麻酔後3分. 刺入直後. 処置直前値. i I I 5 分 間 1∼ 2 分間 3 分間. 各計測器除去. 計測終了. ,. 局所麻酔終了. 局所麻酔開始. 各パラメーター安定. -心エコー図記録. -各計測器装着 -心エコ-室入室. 表4 操作時点の設定. 5.使用局所麻酔薬 局所麻酔薬は,市厳の エビネフリン添加2% 塩酸リドカインを 使用し,可及的に無病となるよ う浸潤麻酔を行った. 6.統計処理 各データの統計処理は にて検定 を行い,危険率をPく で表した。. 図8 レ-ザ-ドップラー血流計およびプローブ の装着状態. 研 裏 威 韻 1.術前検査所見 1)高血圧症群に対し行った安静時心電図,胸部Ⅹ 線,血液検査などに異常所見は認めなかった。 ・エコー図による検査所見 (1)断層心エコー図にて心臓各部をモニター上で診断. した結果,両群とも心筋梗塞, JL、肥大,弁の肥厚,狭 - 7 -.
(9) 蛮藤:局所麻酔による循環動態に関する研究. 8. 表5 Mモード心エコー図 計測値 検査項 目. @ g B # (m m ). 高血圧 症群. 大 動脈 径. ± 2.2. ± 3.6. 大 動脈 弁 径. ±. 1. 1. ± 2.5. 左 房径. ± 4. 1. ± 2.5. 僧 帽弁径. ± 8. 2. ± 4.5. 僧 帽弁前尖後退速度. ±. ±. 右 室流 出捧拡張終 親径. ± 3. 3. ± 3.2. 9. 1 ± 0. 9. ± 1. 7. 左 室拡 張 終 期 径. ± 6. 9. ± 4. 8. 左 室収縮終期径. ± 4.8. ± 5. 0. 9. 0 ± 1. 0. ± 1. 7. 心 室中隔. 左 室後 壁. ± SD 健常者群 高血圧症群. 翠,閉亀不全などの異常所見は認められなかったo モ-ドJL、エコー図上にて心臓各部の計測を行っ た結果,両群とも異常値は認められなかった(表5)。 2.局所麻酔に伴う各パラメーターの変動 1)健常者群 16例16回の局所麻酔に伴う各パラメーターの平均値の 変動は以下のごとくであった(表6). ・拍数 は,処置直前値 に対し刺入直後はほとんど変動せず,局所麻酔後3分の 時点で と上昇し,処 直前値に対し5 %の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所麻酔 後10分ではほぼ処置直前値に戻った。 (2)収縮親血圧 は.処置直前値 に対し刺入直後の時点で と上昇し,処置 直前値に対し5 %の危険率で統計学的に有意差が認めら. 表6 局所麻酔に伴うパラメーターの変動(健常者群) (n-16). 時 点 パラメI 夕I 心拍数 ′. ±SI〕. 収縮期血圧 ±SD 拡張期血圧. 処置 直前 値 66.9 ± 108.9 ± 58.5. ±SD 平均血圧. 75.3. 1 回抽出 係数. ±SI ). 左室馬 区 出 血流速 ±SD 指尖部組織血流量 (m ∼ ′. ±SD. 全末櫓血管抵抗 ′ 左室仕事係数 ±SD. R P P. m ean ±J SD. ± 7.9 37.9. 70.7 ±. 108.1 ± 9.6. 107.4. 55.1 ± 8.3. 53.0. 72.9 ± 8.5. 71.1 ≠ 亨. ♯. ± 8.1. ± 7.3. 2.49. 塞. ± 8.7. ±. 41.4 . .± 9∴ 9 2.85 ±. ±. ±. 73.5 ±. 70.7 ±. 79.4I L ±. ±. 34.1. 16.1両. 31.9 ±. 31.8 ±. ±. ± 199.9. (m m ロ. ± 7.4. 局所麻酔後10分. ±. 1409.8 ±S] 〕. 59.6. ± 7.9 2.60. (∼ ′ m in′ m 2). ±. 78.6. 40.1. 局所麻酔後 3 分 74.4●. 116.6* ± 9.6. ± 9.9. ±SD. J L、 係数. 67.0 ±. ±. ±SD. (m ∼ ′ m 2). 刺 入 直 後. ± 7347.8 .±. 、± 1575.8 ± 269↓ 6 195.6 ± 7855.6 ±. 1065.0出 ± ♯ ± 8134.3 ±. 78.1. 1230.4 ± 205.5 ± 763工 8 ±. 平均麻酔時間 ± ± SD) ♯ 処置直前値 - 8 -.
(10) 歯科学報. 94, No. 1 (1994). 9. (2)収縮期血圧 は,処養直前値. れ,局所麻酔後3分ではほぼ処置直前値に戻った。 (3)拡張期血圧 は,処置直前値に対し各時点 において統計学的に有意差は認められなかった。 (4)平均血圧 は,処置直前値に対し各時点に. に対し刺入直後の時点で と上昇し,処養 直前値に対し1 %の危険.*で統計学的に有意差が認めら れ,局所麻酔後3分の時点ではほぼ処置直前値に戻っ た。 (3)拡張期血圧 は,処置直前値 に対し刺入直後の時点で と上昇し,処置直. おいて統計学的に有意差は認められなかった。 回抽出係数 は,処置直前値 m2に対し刺入直後はほとんど変動せず,局所麻酔後3 分の時点で と上昇し,処置直前値に対し5 %の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所麻酔 後10分ではほぼ処置直前値に戻った。 (6)心係数 は,処 直前値 に 対し刺入直後はほとんど変動せず,局所麻酔後3分の時 点で と上昇し,処置直前値に対し1% の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所麻酔後 10分ではほぼ処 直前値に戻ったO (7)左室駐出血流速は,処置直前値に対し各時点にお いて統計学的に有意差は認められなかったが,局所麻酔 後3分の時点では処置直前値に対し高値を示していた。 (8)指尖部組織血流量は,処置直前値 に対し刺入直後の時点で gと下降し,処置直前値に対し1 %の危険率で統計学的 に有意差が認められた。局所麻酔後3分の時点ではほぼ 処置直前値に戻った。 (9)全末梢血管抵抗 は,処置直前値 に対し局所麻酔後3分の時点で と下降し,処置直前値に対し1%の危 険率で統計学的に有意差が認められた。局所麻酔後10分 ではほば処置直前値に戻った。 左室仕事係数 は,処置直前値 に対し局所麻酔後3分の時点で と上昇し,処置直前値に対 し5 %の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所 麻酔後10分ではほぼ処置直前値に戻ったO は,処置直 前値に対し各時点において統計学的に有意差は認められ なかった。 2)高血圧症群 15例3柏の局所麻師こ伴う各パラメーターの平均値の 変動は以下のごとくであった. (表7) 、拍数 は,処置直前値 に 対し局所麻酔後3分の時点で と上昇 し,処置直前値に対し5 %の危険率で統計学的に有意差 が認められた。局所麻酔後10分ではほぼ処置直前値に 戻った。. 前値に対し1 %の危険率で統計学的に有意差が認めら れ,局所麻酔後3分の時点ではほぼ処置直前値に戻っ た。 (4)平均血圧 は,処置直前値 に 対し刺入直後の時点で と上昇し,処置直 前値に対し1 %の危険率で統計学的に有意差が認めら れ,局所麻酔後3分の時点ではほぼ処置直前値に戻っ た。 回拍出係数 は,処置直前値 m2に対し刺入直後はほとんど変動せず,局所麻酔後3 分の時点で と上昇し,処 直前値に対し1 %の危険率で統計学的に有意差が認めらた。局所麻酔後 10分ではほぼ処置直前値に戻ったO (6)心係数 は,処置直前値 に 対し刺入直後はほとんど変動せず,局所麻酔後3分の時 点で と上昇し,処置直前値に対し1% の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所麻酔後 10分でははぼ処置直前値に戻った。 (7)左室枢出血流速は,各時点において統計学的に有 意差は認められなかったが,局所麻酔後3分の時点では 処置直前値に対し高値を示していた。 (8)指尖部組織血流量は,処FLR直前値 に対し刺入直後の時点で と下降し,処置直前値に対し1%の危険率で統計 学的に有意差が認められ,局所麻酔後3分の時点ではは ば処置直前値に戻った。 (9)全末梢血管抵抗 は,処PLR直前値 に対し刺入直後の時点で と上昇し,処置直前値に対し5%の危険率 で統計学的に有意差が認められ,局所麻酔後3分の時点 では と下降し,処立直前値に対 し1 %の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所 麻酔後10分ではほぼ処看直前値に戻ったO 左室仕事係数 は,処置直前値 に対し局所麻酔後3分の時点で と上昇し,処置直前値に対 し1 %の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所. 1 9 --.
(11) 蛮藤:局所麻酔による循環動態に関する研究. 10. 表7 局所麻酔に伴うパラメーターの変動(高血圧症群) (n-38). 時 点 パラメI クー 心拍数. 処. 直前 値. 66.9 ±SD. 収縮期血圧. 71.9. ±. 拡張親血圧. 平均血圧. 1匡 廿 日 出係数. 109.8**. ±. ±. 46.5 ±SD. JL、 係数 ±. 左室 耳 区 出血流速 (cm ′. ±SD. 指尖 部組織血流量 (m ∼ ′ m in′. う. 全末滑血管抵抗. 左室仕事係数. 9094.2. ±SD. ±. ± 46.0 ± 9.4 3.22 ± 100.8 ± 25.3. 柄. ± 1583.3. ±. 330.4. 402.3出. ±. ± 288l3. ±. 11592.2出 ±. 88.2. ±. 塞. ±. m ean. 26.1. ±. 302.1. ± 7.8. ±. ±. ±. ±SD. 109.6. 16.3". 1768.7. 67.2. ±. ±. ±. ±S] 〕. 4.13出. 95.5. 29.2 ±SI〕. 96.2. 出. ±. ±. ±. ±. 3.03. 97.0. 130.2. ±. ±. ±. ±. ± 7.5. 42.1. ± 3.12. (∼ ′ m in′ m 2). 73.5. ± 9.8. 93.8. 69.8. ±. 83.5叫. ±7.5. ±SD. 141.0. ±. 72.3 ±SD. 局所麻酔後10分. ±. 162.6出. ±. 局所麻酔後 3 分. 73.5●. ±. 136.8 ±SD. R P P. 刺 入 直 後. 出. ± 9070.7. ±. ±. 平均麻酔時間 ± ± SD) 出 処置直前値. 麻酔後10分ではほぼ処置直前値に戻った。. あり高血圧症啓の変動室が大きく1 %の危険率で統計学. は,処置直. 的に有意差が認められた。. 前値 に対し刺入直後の時点で 局所麻酔. 2 )収縮期血圧の変動量について(図10). 後3分の時点でも と上昇し,処置直前値に対し. 処置直前値では,健常者群 高血圧症群. 1 %の危険率で統計学的に有意差が認められた。局所麻 酔後10分ではほぼ処置直前値に戻った。. であり高血圧症群が高値を示し, 1%の危 険率で統計学的に有意差が認められるとともに,刺入直. 3.健常者群と高血圧症群の平均値の処置直前値と各時. 後の時点における変動量では,健常者群 高. 点の変動量の比較(表8 ) 両群の処置直前値と各時点の数値より処置直前値を差 し引いた数値を変動室とし,その数値を健常者群と高血 圧症薪で比較,検索を行った。 ・拍数の変動量について(図9 ) 両群間において処置直前値では統計学的に有意差を認. 血圧症群 であり高血圧症群の変動量が大き く1%の危険率で統計学的に有意差が認められ,さらに 局所麻酔後3分の時点における変動量でも健常者群 高血圧症群 であり高血圧症群 の変動量が大きく5 %の危険率で統計学的に有意差が認 められた。. めなかったが,刺入直後の時点における変動量では,健. 3) 1回拍出係数の変動量について(図11). 常者群 高血圧症群 で. 処置直前値では,健常者群 高血圧症群. -. 10-.
(12) 歯科学報. ll. 表8 局所麻酔に伴うパラメーターの変動量の比較 (健常者群 高血圧症群 時. 点. 処. 置. 直. 前. 値. 刺. 入. 直. 健. 常. 者. 群. 心 拍 数 高 血 圧 症 群. . 0.1. 66. 9 ±. 局 所 麻 酔 後. 健. 常. 着. 高 血 圧 症 群. 常. 者. 群. 1 0 8. 9. 25.8 **. 高 血 圧 症 群. - 4.4. ± 健. 常. 者. 群. JL 、係 数 高 血 圧 症. 群. 3.12 **. 健. 常. 者. 群. 73.5. - 2. 8. ±. 左 室 馬区出 血 流 速 (cm ′. ±. 高 血 圧 症 群. 9 7. 0 * *. - 1.5. 健. 常. 者. 群. 3 4. 1. 高 血 圧 症 群. l 12.9*. ± 健. 常. 者. 群. 1409.8. 高 血 圧 症 群. 17 6 8 . 7 * *. ± 4.6. ±. ± 3.8. ±. ± - 2.4. ±4.2 l 3.1. ±8. 9. ±. 全 末 櫓血 管抵 抗. ± 0. 1 0. ±. ±7.5. 29.2. ±8.1 0. 2 6. ±. l 2. 2. - 18.1. ±. 指 尖 部 組 織 血 流 量. l 0. 5. 12 . 6. ±. ±. ±3.7. ±7.7. 5.9. ±. ±9.0 1. 2. 1.0 1. l 0.9 9. ± 工0 1. l 6.6. ±5.2. 0.77. ±. ±5.9. ±9.8. 9.7. T 0L ll. ±. - 1. 5. 4.2*. ± 4. 7. 2.60. ±4. 5. ±6.3. ±4. 5. 46.5*. 2.9. 6.6. - 2.3. ±5. 0. ±5.6. ±9.8. ±7.9. 2). 6.6. ≠3.9. 40.1. 3.8 ±4.7. - 0.8. 7.8. 136.8**. 1 回 拍 出係 数. l 処 置 直 前 値. ±4.8. ± 健. 局 所 麻 酔 後 10分. 7.5. 4.9**. 66. 9. ±. 収 縮 期 血 圧. 3 分. J 処 FLR 直 前 値. ±3.6. ±. (m ∼′m. 後. - 処 置 直 前 値. パ ラ メ 】 夕 }. ±4.0 - 3.9 ± 6. 3. ≠5.4. 16 6 . 1 ± 14 工 2. - 344.8. - 1 7 9. 3. ±. ±. 34 5. 8 * *. l 4 2 1. 2. - 18 5 . 3. ±. ±. ±. ±. 平均麻酔時間 健常者群 ± 高血圧症群 ± ± 出 健常者群 間における各時点での変動量は統計学的に有意差を認め. であり高血圧症群が高値を示し, 5%の危. なかった。. 険率で統計学的に有意差が認められたが,両群間におけ る各時点での変動量は統計学的に有意差を認めなかっ. 5 )左室塵区出血流速の変動量について(図13). た。. 処置直前値では,健常者群 高血圧症群 であり高血圧症群が高値を示し, 1%の. 4 )心係数の変動量について(図12) 処置直前値では,健常者群 高血圧. 危険率で統計学的に有意差が認められたが,両再間にお. 症群 であり高血圧症群が高値を示し, 1 %の危険率で統計学的に有意差が認められたが,両群. ける各時点での変動量は統計学的に有意差を認めなかっ. -. た。 ll. -.
(13) 蛮藤:局所麻酔による循環動態に関する研究 (ml/m2). 刺入直後 局所麻酔後3分 局所麻酔勧0分 一処竃産前値 一処置産前値 一処義直前値. 刺入直後 局所麻酔後3分 局所麻酔衡0分 一処義直前値 一処甚直前値 一処置直前値. [コ健常者群 包高血圧症詳. ⊂コ健常者 高血庄症群. 図9 心拍数の変動量. 図11 1回拍出係数の変動量. 刺入直後 局所麻酔後3分 局所麻酔後10分 一処置直前値 一処竃直前値 -些置瓦前値. 刺入恵後 局所麻酔後3分 局所麻酔射09 -処置直前値 -処置直前値 一処置直前値. [コ健常者群 闇高血圧症群 図10 収縮斯血圧の変動量. □健常者 圏高血庄症茸 図12 心係数の変動量 -. 12-.
(14) 歯科学報 (dyne ・ see/cmS). 刺入直後 局所麻酔後3分 局所麻酔酎0分 一処置直前値 一処甚直前健 一処置直前値 ⊂コ健常者群 圏高血庄症茸. 刺入直後 局所麻酔酎分 局所麻酔後10分 -処置直前値 一処竃直前値 一処置直前値. [コ健常者群 医ヨ高血庄症. 図15 全末櫓血管抵抗の変動量. 図13 左室馬区出血流速の変動量. 6 )持尖部組織血流室の変動量について(図14) (m I/min/100g). 両群問において処置直前値では統計学的に有意差は 認められなかったが,刺入直後の時点における変動量 では,健常者群 高血圧症群 であり高血圧症群の変動室が小 さく5 %の危険率で統計学的に有意差が認められた0 7 )全末梢血管抵抗の変動量について(図15) 処置直前値では,健常者群 高血圧症群 であり高血圧症群が 高値を示し, 1 %の危険率で統計学的に有意差が認めら れるとともに,刺入直後の時点における変動量では,健 常者群 高血圧症群 であり高血圧症群の変動室が大きく1 %の 危険率で統計学的に有意差が認められた。 4.代表例 1 )健常者群(図16) 症例は, 24歳,男性。処置前5分より局所麻酔後10分. 刺入直後 局所麻酔後3分 局所麻酔後10分 一処置直前値 -処竃立前値 一処置直前値. までの経過を図16に示したO 心拍数は,処置直前60. [コ健常者 圏高血庄症群 図14 指尖部組織血流室の変動室. 終了後より上昇し,局所麻酔後3分で と. 刺入直後はほとんど変化せず,局所麻酔 なり,局所麻酔後10分でほぼ処置直前値に戻った。収縮 - 13 -.
(15) 局所麻酔 分) 回抽出係数) ○ 可CI (心係数) 0.- ◇FV (左室頻出血流速) 心拍数)くくで 収廉斯血圧) Z∠∠ 拡張斯血圧) 可 音尖都繍血流量 全末梢血管抵抗 可 左室仕事係数). 図16 代表例 24歳男性. beats/min. 慧廼. cm/see nWmin/I COS I/mirVm2. 局所麻酔 分) 回重出係数) 0-。cI (心係数 左室塵出血流速) 心拍数 収始期血圧) zz∠ 拡張期血圧) 指尖郭勉強血流量 全末梢血管抵抗 一 左室仕事係数). 図17 代表例 66歳女性. -. 14-.
(16) 歯科学報. 94, No. 1 (1994). 期血圧,拡張期血圧は,処置直前から局所麻酔後10分ま でほとんど変化しなかった0 1回拍出係数は,処FLR直前 刺入直後はほとんど変化せず,局所麻酔 後3分で と上昇し,局所麻酔後10分でほぼ 処置直前値に戻った。心係数は,処置直前 刺入直後はほとんど変化せず,局所麻酔後 3分で と上昇し,局所麻酔後10分でほ ぼ処置直前値に戻った。左室馬区出血流速は,処置直前6 刺入直後はほとんど変化せず,局所麻酔 後3分で と上昇し,局所麻酔後10分でほぼ 処置産前値に戻った。指尖部組織血流量は,処置直前36 刺入直後に一過性に下降し となり,局所麻酔後3分 g,局所麻酔後10分 であったO全末 梢血管抵抗は,処置直前 刺入 直後で と上昇し,逆に局所麻酔 後3分では と下降し.局所麻酔 後10分でほぼ処置直前値に戻った。左室仕事係数は,処 置直前 刺入直後はほとん ど変化せず,局所麻酔後3分 m2と上昇し,局所麻酔後10分でほぼ処置直前値に戻っ た。 本症例において,刺入直後の時点で指尖部組織血流量 は下降し,全末梢血管抵抗は上昇した。局所麻酔後3分 の時点では,全末梢血管抵抗が下降したため,左室躯出 血流速は上昇し, 1回拍出係数,心係数も上昇したと考 えられた。 2 )高血圧症群(図17) 症例は, 66歳,女性。 4年前,内科にて高血圧症と診 断されたが,現在薬剤の投与はされていない。処置前5 分より局所麻酔後10分までの経過を図17に示した。心拍 数は,処置直前 刺入直後はほとんど変 化せず,局所麻酔終了後より上昇し,局所麻酔後3分で となり,局所麻酔後10分で minであったo収縮期血圧は,処置直前 刺 入直後一過性に上昇し となり,局所麻酔後3 分 局所麻酔後10分で であったo 拡張期血圧は,処置直前 刺入直後94 局所麻酔後3分 局所麻酔後10分72 であった。 1回拍出係数は,処置直前 m2,刺入直後はほとんど変化せず,局所麻酔後3分で と上昇し,局所麻酔後10分ではば処置直前 値に戻った.心係数は,処置直前 刺 入直後はほとんど変化せず,局所麻酔後3分で. 15. と上昇し,局所麻酔後10分ではぼ処置直前値 に戻ったo左室馬区出血流速は,処置直前 刺入直後はほとんど変化せず,局所麻酔後3分で と上昇し,局所麻酔後10分でほぼ処置直前値に 戻った。指尖部組織血流量は,処置直前 刺入直後一過性に下降し と なり,局所麻酔後3分で 局所麻酔 後10分で であったO全末梢血管抵抗 は,処置直前 刺入直後 と上昇し,逆に局所麻酔後3分では と低下し,局所麻酔後10分では ぼ処 直前値に戻ったO左室仕事係数は,処置直前 刺入直後 局所麻酔後3分で m2と上昇し,局所麻酔後10分で とほぼ処置直前値に戻った。 本症例においても,刺入直後の時点で指尖部組織血流 量は下降し,全末梢血管抵抗は上昇したO局所麻酔後3 分の時点では,全末梢血管抵抗が下降し,左室駐出血流 速は上昇し, 1回拍出係数,心係数も上昇した。健常者 に対し高血圧症患者での変動量は大きく,とくに血圧値 の差は著明であり,このことは動脈硬化による全末梢血 管抵抗の増大によるものと患われ,そのため処置直前値 から左室躯出血流速や左室仕事係数が高値を示している と考えられた。 練 括 術前検査所見では両群とも其常所見を認めなかった. 局所麻酔に伴う循環動態は,健常者群では,血圧,心 拍数の変動は僅かであるのに対し,刺入直後に指尖部組 織血流室が滅少し,局所麻酔後3分では,心係数の上 罪,全末梢血管抵抗が減少した。高血圧症群では,刺入 直後に血圧の上昇を認めるとともに全末梢血管抵抗の上 罪,指尖部組織血流量の減少を認めた。また,局所麻酔 後3分では,血圧は処立直前値に回復したが,心係数の 上昇,全末梢血管抵抗の減少を認めたO これらのことか ら,血圧,心拍数より心係数,全末梢血管抵抗の変動が 著明であり,局所麻酔終了後も持続していた。指尖部組 織血流量は,両群とも局所麻酔に伴い著明な減少を認め たが,他のパラメーターと同様な変動をしないことから 自律神経系の関与が大きいものと考えられた。. ∼ 15-. 考 案 今日の歯科臨床では,全身疾患を有する患者を診療す.
(17) 16. 須藤:局所麻酔による循環動態に関する研究. る機会が増加しているo とくに循環器系疾患を有する患. たパルスドップラーJL、エコー法が臨床で用いられてい. 者では,循環動態の変動をきたしやすい。そのため歯科. る.これにより非侵襲的にJL、廉の任意の一点の血流状態が. 処置に伴う俊嚢は最小限にとどめなければならないとと. 観察可能となり,さらにその血流速から1回拍出室の測定. もに術前,術中,術後の循環動態を安定させることが重. が可能となった。. 要であるO術前においては,問診から全身状態の把産,. 歯科磯城における心エコー法の応用は,椙山ら24)が,. 予備力を推測することの他,一般臨床検査,内科主治医. 心疾患患者の抜歯時の心エコー図を観察し,一戸ら18). への問い合わせなども重要である。当教室では,術前検 査として従来より安静時L、電図,胸部Ⅹ線,血圧測定,. が,健常者に対してエビネフリン静脈内持続投与時の1. 血液検査を行ってきたが,これらの結果から必要と判断. エコー法による観察であるo Mモード心エコー法は,左. した場合には.ホルター心電図,運動負荷心電図により. 心室を楕円とみなし左心室の収縮終期径と拡張終期径の. 患者の日常生活や運動負荷時の心電図変化について検討. 差から求める方法であるため,断層心エコー図上で超音. を行っているO術中は,処置に伴う循環動態を把渥する. 波が左心室の各壁と直行しないと計測値は不正確となる. 回抽出室の変動を観察しているが,いずれもMモード心. ことが,不快症状をはじめとする種々な変化が生じた. ため適応症例は少ないO これに対してパルスドップラー. 樵.適切な処置を行うために極めて重要となる.稲垣8). 心エコー法は,耳区出血流速と大動脈弁基部の断面稜から. は,局所麻酔に伴う不快症状の発現が多いと報害し,ま. 求める方法であり,超音波の方向と血流の方向が一致し. た麻9)は,高血圧症患者の収縮親血圧は,局所麻酔時に. ない場合でも.角度捕正することによって血流室が正確. 最高値を示すものが多いと報告している。これらのこと. に測定できるため適応症例は広がる。. から局所麻酔が循環系に与える影響は大きいと考えられ. 1回拍出量は,呼吸などの影響により各心拍毎に計測. る。そのため本研究では,循環動態の変動が大きい高血. 値が変動するため5心拍以上の平均値として求めること. 圧症患者および対照として健常者に対して歯科処置時の. がよいとされている 以上のことを参照とし本研究で. 局所麻酔に伴う循環動態を観察し,比較検討を行った.. は,局所麻酔に伴う循環動態をパルスドップラー心、エ. 歯科処置時における循環動態の監視は,主に血圧,心. コー法を用いて橿出血流速および1回拍出量を観察し,. 拍数および呼吸によってなされてきたが,血圧は,全末. 1回拍出量は, 5心拍の平均値とした。. 梢血管抵抗,循環血流量,心拍出量などの園子が関与し. 2.体循環の変動について. ているoそのため1回抽出室を計測することで血圧の規. 通常,循環動態の観察は,血圧,心拍数を指標として. 定因子である心拍出量.全末梢血管抵抗が算出でき患者. いるが, 1回拍出量を計測することによって全末梢血管. の循環動態を詳糸鋸こ評価するために憂要であると考え. 抵抗,左室仕事係数が算出でき局所麻酔に伴う循環動態. た. 1回拍出室の計測法には種々の方法があり. を詳系酎こ把産できるものと考えた.また, 1回拍出量は. 演,色素希釈法.熱希釈法などがあるが,いずれも俊襲. 体格に影響を受けるため係数化し1匡廿日出係数として比. 的な計測法であるのに対し, JL、エコー法は,非侵襲的で. 較した。. ある.このJL、エコー法を用いた計測法には, MモードJL、. 心拍出量を増加させる園子として運動,あるいは不. エコー法によるものと,パルスドップラー心エコー法によ. 安,興奮などの情動の変化がある。安静時では, 1回拍. るものがあるが.本研究では.パルスドップラー心エコー. 出量は 、拍出量は である. 法を選択したo また,同時に末梢循環を観褒するため,. が,不安興奮時には の増加,運動時には. レーザードップラー血流計を使用し指尖部組織血流室を 計測した。. 程度まで増加する26)。歯科処劃寺の循環動態は,不安, 恐怖感,産痛などの情動負荷による影響が大きいと思わ. 1.心エコー法について. れ,運動時のような著明な増加はないと考えられる。. JL、エコー法は 年に ら21)により開. 本研究での刺入直後の時点では,健常者群では,心拍. 発され,心臓の形態や動きから疾患の診断.予後の判. 数,血圧, 1回拍出係数,全末梢血管抵抗の変動は僅か. 定,心機能の評価に広く用いられている。また,起音波. であった。これに対して高血圧症群では,心拍数, 1回. ドップラー法は 年に ら22)が開発し,. 拍出係数の変動は僅かであるが,収縮親血圧,拡張期血. 改良が加えられ 年に ら23)が一定間隔で超. 圧,平均血圧,全末梢血管抵抗は上昇し,統計学的に有. 音波を入射するパルスドップラー法を実用化した。そし. 意差を認めた。このことから血圧上昇は,全末梢血管抵. て現在では, JL、エコー法と超音波ドップラー法を併用し. 抗が大きく関与していたと考えられ,さらに,全末梢血. -. 16-.
(18) 歯科学報. 17. 管抵抗の上昇が著明であったのは,動脈硬化の進行によ. 響が小さく,最大速度は,後負荷の影響を受けることか. る血管の弾性低下が関与していたと考えた。. ら一般的には最大加速度を指標としている しかし本 研究では,局所麻酔中の後負荷の変動を観察すると同時 に,安静時には左室収縮機能の指橡にもなることから, 大動脈弁基部における血流遠の最大速度を左室躯出血流 速とし,経時的に観察した.その結果,処置直前値にお いて高血圧症群が高値を示し,統計学的に有意差を認め. 局所麻酔後3分の時点では,両群とも心拍数, 1回拍 出係数,心係数の変動は,処置直前値に対して上昇し, 統計学的に有意差を認めた。血圧は,両群とも処置直前 値に回復している。全末梢血管抵抗は,両群とも低下し 統計学的に有意差を認めた。これらの結果については, 局所麻酔注射針刺人や麻酔薬注入による捧痛刺激から解 放され,交感神経緊張の低下による末梢血管の弛緩,局 所麻酔薬中のエビネフリンや内因性のカテコ-ルアミン のβ 2-受容体刺激作用による血管拡張作用などによって 全末梢血管抵抗の低下が生じたと思われるo心拍数は, 外因性または内因性のカテコールアミンが, β1-受容体 に作用することにより増加する. 1回拍出量は,全末梢 血管抵抗の減少と静脈還流室の増加により増加するO さ らに1回拍出量の増加と心拍数の増加によって心拍出量 が増加することから,全末梢血管抵抗の減少に対し1回 拍出茎,心拍数が上昇し,血圧はほぼ処置直前値に保た れたものと考えた.赤堀ら27)は,エビネフリン口腔内達 射直後,一過性の血圧下降を認めるが, β速断剤投与時 には,血圧下降が認められないと報告している。また, ら2S)は,非選択性β遮断剤投与後エビネフリ ンを投与すると血乗エビネフリン漠度は,エビネフリン のみを投与したときより高漠度であり,血圧,全末梢血 管抵抗の増加を認め, β遮断作用による相対的a作用優 位状態を示唆している.以上のことから,高血圧症治療 薬であるβ遮断剤が循環へ悪彰響を及ぼすことがあり常 用薬についても十分達意をする必要がある0 本研究では,降圧剤の投与は, β遮断剤,カルシウム 浩抗剤および無投与に大別されるが,投与薬剤による特 徴的な所見は認められなかった。このことは,降圧剤に 対する反応性が,投与親間や薬剤に対する感受性によっ て画一的でなく,また内科での患者管理が,個々の患者 にあわせて治療および処方するためと考えられるO平井 13)は,降圧剤服用患者と無投薬患者での比較において血 圧,心拍数,血乗カテコールアミン濃度に明確な差異は 認められないが,循環動態への影響を一部示唆してお り,降圧剤による影響については,今後詳純な検討が必 要であると考えられた。 3.左室耳区出血流速について 左室枢出血流速は, 1匡廿日出室と異なり体格にあまり 影響を受けないといわれている 左室枢出血流速は, 左室収縮機能の指標となり,最大加速度,最大速度など を計測する方法がある 重大加速度は,後負荷の影 -. た。処置経過中の変動は,両群とも統計学的に有意差を 認められなかったが,刺入直後の時点で僅かな低下,局 所麻酔後3分での軽度上昇を認めた。この変動は,後負 荷の影響を受けていると考えられたo以上のことから両 群間に局所麻酔に伴う反応性に著明な差は認められな かったo また,処置直前値において高血圧症群が高値を 示したのは,動脈硬化などの後負荷の増加を左室収縮機 能によって代償しているためと考えた0 4.末梢循環の測定について 末梢循環の血流計測は,末梢循環の生理的,病理的変 化を把擾するための重要な指標となっている。従って, 病態の診断,重症度の判定,治療効果の判定など臨床お よび基礎研究に応用されている.レーザードップラー法 は 年に が,末梢循環の計測に応用し,そ の後 ら ら35)により改良され た。窮在では,非侵嚢的,連続的,簡便に使用できるこ とから糖尿病患者の皮膚血流量 移植皮弁手術後の血 行動態 皮膚疾患の血行動態 治療薬剤の効果判定 など多くの分野で応用されている。また,循環の変動に 対し鋭敏に反応するなどの利点から,交感神経活動の指 標39)や波形の解析法40)などが考案されている.歯科磯城 においても歯敵 口腔粘廉,顔面皮膚42)などの血流量 の測定に応用されている。 本研究に使用したレーザードップラー血流計(アドバ ンス社製 は,波長 の半導体レーザー光 を約280の閃光角を持った石英光ファイバーを通して生 体組織に入射し,血流計測を行うo血流中の赤血球に入 射されたレーザー光は,赤血球の速度に応じてドップ ラーシフトを受け波長が変化し,反射されたレーザー光 の波長の変化が血流速,レーザー光の強度は血液量に相 当し,この二つの稜が組織血流量として表示される0本 研究では,指尖部の組織血流量を計測した。その結果, 安静時血流量が,健常者薪で高値を示したことは,皮膚 血流量は加麻とともに減少するという報告38)と一致す る。また,局所麻酔に伴う血流量の低下が,健常者群で 大きいのは,血管の収縮性に富むためと考えられた。局 所麻酔後3分の時点において,心拍出量は増加し,全末 17-.
(19) 18. 豪藤:局所麻華酎こよる番環動態に関する研究. 梢血管抵抗が減少しているにもかかわらず指尖部組織血. し,循環系の変動においても持続する傾向があると報吾. 流室が処置直前値よりも低値を示したo これは,レー. している。また,平井13)は,歯科処置時の循環動態の観. ザードップラー血流計の原聖がプローブより出たレー. 察と血柴カテコールアミン漢度の測定を行い,局所麻酔. ザー光が約1 mm半球の小さな範囲を通過する赤血球の. 薬に含まれるエビネフリンは処置後10分(局所麻酔注射. 血流遠を計刺しているため,左心室から出た血流が末梢 組織に到達するまでの間に血管抵抗の減少により血流速. 針刺人後約25分)の時点においても有意な上昇を示した. が遅くなれば全体としては血流室は増加していても測定. 麻酔後10分の時点で心拍数が高値を示したのは,血共カ. 値は小さくなるoまた,末梢組織の血流は,多くの関節. テコールアミン漢度に依存していたと考えられた。. と報告しているo以上のことから,本研究における局所. 機構によって制蘭されているため局所麻酔後3分の測定値 が処置直前値より低値を示したものと考えられた。. 持尖部組織血流至の変動は,血管運動反応として自律 神経機能の指棟になっているo竹上ら44)は,レーザー. 尾崎は 歯科処置時の末梢血行動態を超音波ドップ. ドップラー血流計を用い,電気刺激による手掌の血管運. ラー血流計を用い擁骨動脈波を観察し,収縮親血圧,心. 動反応を言己録し,電気刺激による皮膚血流の減少を電気. 拍数,指尖部容積脈波との比較検討を行っている。その. 的痛覚刺激による体性一交感神経反射であると報害して. 結果は,局所麻酔または処置に伴い血流波波高の減少す. いる。本研究においても,局所麻酔に伴い一過性の血流. るものが多く,増大したものは少ないと報害している.. 量の低下が認められ.各パラメーターのうち豪も早く最. また減少例では,末梢血管の収縮が関与し,増大例では. も著明に変化した.このことから体性-交感神経反射に. 心拍出蓋が開与していることを示唆している.本研究で. よる血管運動反応により末梢血管が収縮し,血流量が低. は,全症例で局所麻酔に伴い血圧上昇,心拍出皇禾変,. 下したと考えられた.本研究における指尖部組織血流量. 拍尖部組織血流皇低下,全末梢血管抵抗上昇を示してお. の変動は.刺入直後の時点で両群とも一過性に著明な減. り.血圧上昇は,全末梢血管抵抗の影響が大きく関与し. 少を認め,交感神経優位と考えられるo これは,庄射針. ていた.この結果は,処署に伴う廃骨動脈波波高減少例で. 刺人による捧痛刺激による体性一交感神経反射によって. は,末梢血管の収縮が関与しているという尾崎の報吾と一 致する。. 末梢血管が収縮した結果,毛細血管への血流が減少し,. 5.自律神経機能について. 経終末から放出されたカテコールアミンがα受容体と結. 生体は常に外部環境から刺激を受けておりその刺激に 対し生体は内部環境の恒常性を保つような磯序が働く。. また患者の緊張や恐怖感などの精神的ストレスにより神 合し動脈系を収縮させたものと考えた。さらに高血圧症 群では血圧,全末梢血管抵抗の上昇は著明であったの. この機序は,自律神経系および自律神経系を介した内分. は,血圧上昇に対する減圧反射が働かなかったことと動. 泌系が大きく関与し,交感神経,副交感神経の相互作用. 脈硬化の進行による血管の弾性低下により.血圧値に著 明に寛れたと考えた.. によって血圧,心拍数の変動として観察されるO二宮ら 43)は,有意識下における体位変換時において,体櫨変換. 健常成人の脳循環は,強力な自律調節機構に支配され. 直前にすでに交感神経活動が増加していることを示し,. ているため,日常生活における通常の血圧変動では変動. 体位変換を予期した一種の条件反射性の応答としてとら. しないといわれている45)。しかし,脳循環における自律. え,高位中枢神経系が関与した一種の「見込み制御」あ. 調節機構は,重症高血圧症患者ほど低下していることが. るいは「予測制御」が起きていると考察している。本研. 臨床例から報吾されているため 合併症をもつ患者に. 究においても血圧,全末梢血管抵抗が,局所麻酔後10分. 対しては検査値に異常が認められなくても十分な達意が. の時点より処置直前値で高値を示したことからこの「予. 必要であり,歯科処置時,患者の自他覚症状に達意する. 測制御」と同様の磯序が働いていることが考えられるo. ことは重要である。. Lかし心拍数は,処置直前値より局所麻酔後10分の時点. 以上のことから,刺入直後はもとより,局所麻酔後3. で高値を示した。桜井17)は,健常男性に対し,エビネフ. 分においても交感神経,副交感神経,局所麻酔薬中のエ. リン エビネフリン添加2%塩酸リドカ. ビネフリンの効果が複雑に影響していると思われ,全末. イン を口腔内達射し,循環動態,血乗カテコー. 梢血管抵抗の減少,心抽出量の上昇などが認められた。. ルアミン濃度を経時的に測定した結果,血乗エビネフリ. そのため局所麻酔後3分において血圧,心拍数に著変が. ン濃度は,庄射後3-5分後に最高値を示し,その後経. 認められなくても処置によるストレスによって全末梢血. 時的に低下したが30分後においても最高時の50%を維持. 管抵抗を急激に上昇させることは好ましくなく,局所麻. -. 18-.
(20) 歯科学報. 94, No. 1 (1994) 19. 酔終了後5分以上の安静を保つことは豪要であると考え られた.通常循環動態の指稜は,血圧,心拍数である が,さらに,心拍出室,指尖部組織血流量などを観察す ることにより,自律神経活動も含めた循環動態を詳細に 把擾するうえで重要であると考えられたO 轄 翰 本研究では,歯科処置時の精神的ストレス,産盾など が循環動態に与える影響が大きいと考え,詳細な循環動 態変動を観察するため以下の研究を行ったo 局所麻酔下の歯科処置を要する患者,健常者群16例16 回,高血圧症群15例38回に対し エビネフリン添 加2%塩酸リドカインを用い,局所麻酔時の番環動態を 非侵襲的に計測したo計測法は,心電図,血圧のほか左 室血流速, 1回拍出量をパルスドップラー心エコー法. 指尖部組織血流量をレーザードップラー血流計により計 測したo これらの数値より算出した1回抽出係数, JL、係 数,全末梢血管抵抗,左室仕事係数 の変動の観 察を行った結果,以下の結論を待た。 1.術前心エコー図では,両群とも断層心エコー図, M モード心エコー図,ドップラー心エコー図に其常を認め なかった。 2.局所麻酔針刺入直後.心拍数,血圧の上昇は高血圧 症群が著明であった。局所麻酔後3分で,心拍数は両群 とも最高値を示したが,血圧は両群とも処置直前値に回 復していた。 3. 1回拍出係数, JL、係数の変動は,両群とも局所麻酔 針刺入直後は僅かであり,局所麻酔後3分に最高値を示し た0 4.左室耳区出血流速は,処置直前値では,高血圧症群が 高値を示したo しかしながら,両群とも局所麻酔針刺入 直後の僅かな低下と局所麻酔後の重度の上昇が認めら れ,このことは,全末梢血管抵抗が影響していると考え られた。 5.指尖部組織血流量の変動は,両群とも局所麻酔針刺 入直後に豪低値を示したO屠所麻酔後3分ではほぼ処老 直前値に回復したが, JL、拍出量の増加に比べ著明に増加 することはなかった。 6.全末梢血管抵抗は,処置直前値で高血圧症群が高 く,局所麻酔針刺入直後の上昇室も大きかったo局所麻 酔後3分では両群とも低下を認めた。 7.局所麻酔針刺入直後の血圧上昇は,全末梢血管抵抗 の上昇が大きく関与していた。局所麻酔後3分で血圧 は,処FLR直前値に回復したが, 1回拍出量,全末梢血管. 抵抗は変動していた.そのため詳純な循環動態を把座す るうえで1回拍出室を計測することは重要である。また 同時に指尖部組織血流量を計測することは自律神経活動 の循環への影響を観察できるものと考えた。 舗 ♯ 稿を終えるに臨み,終始伽懇篤なる伽指導,伽校閲を賜った本 学オーラルメディシン講座主任川島 康教授に感謝の意を捧げる とともに,直接御指導戴いた山崎博嗣講師に深謝いたしますO また, JL、エコー法に関して伽指導戴いた東嘉薬業健康保険組 合健康開発センター所長住野活-先生(元本学内科学講座助教 授)に感謝の意を表します。 さらに,本研究に種々櫛協力戴いた内科学講座主任水野嘉夫教 授およびオ-ラルメディシン講座教室貢諸兄に感謝いたしますO 文 献. 1)寺本信嗣,福地義之助,折茂 肇 加`齢と老 化の生理,外科診療 2)新家 昇 歯科麻酔に関連した偶発症につい て,郡市区歯科医師会偶発症調査報告(昭和60年1月 ∼平成2年12月)臼歯医誌 3)金子 譲 有病者の歯科治療に伴う全身の変 化とその対策,臼歯医誌 4)牽田 博 :高血圧症患者に対する歯科治療の 対応一病院歯科口腔外科医の立場から-,日有病歯 誌. 5)山崎博嗣,佐藤広一,須藤 剛,遠脇健一,河野孝 栄,平井基之,尾崎卓弘,佐野 浩,千葉光行.川島 康,住野清一,水野嘉夫 循環器系疾患を有す る高齢者(75歳以上)の歯科処置時の管理について,老 年歯学 6)佐野 浩,山崎博嗣,菊池章宏,頒藤 剛,佐藤広 -,遺脇健一,河野孝栄,平井基之,尾崎卓弘,川島 康,住野清-,水野嘉夫 、臓ペースメーカー を植え込んだ高麻者4症例の歯科治療経験.老年歯 学 7)吉摩信夫 :局所麻酔下口腔内観血処置時に発 現する不快症状の病態生理学的研究,歯科学報 869-911.. 8)稲垣一臣 いわゆる脳宜血様発作の発現要図 ならびに生体反応に関する研究,歯科学報 ∼1770.. 9)嚇 信哉 高血圧症患者の口腔内観血処 時 における生体反応に関する病態生理学的研究,歯科学 報. 10)吉葎信夫.大川 進,野木 活,揚井 孝,山崎博 嗣,川島 康,和田知雄,鈴木弘造 局所麻酔 下口腔内観血処置の自律神経系に及ぼす影響一分時心 拍数について「 自律神経 11)山崎博嗣 高血圧症患者に対する 静脈内鋳静法による口腔内観血処置時の循環動態に関 する研究,歯科学報 12)楊井 孝 いわゆる脳裏血患者に対する. -19-.
(21) 20 賓藤:局所麻酔による循環動態に開する研究 静脈内鎮静法による口腔内観血処置時の循 環動態に関する研究,歯科学報 13)平井基之 高血圧症患者歯科処置時の循環動 態と血柴カテコールアミン漉度に関する研究,歯科学 報 14)尾崎卓弘 局所麻酔下の歯科処置時における 末梢血行動態に関する研究一容積脈波と超音波ドップ ラ-血流波の比較-「歯科学報 15)河野孝栄 局所麻酔下歯科処置時の循環勤態 に関する研究一つL、電図R - R間隔変動を指稜とした副 交感神経活動の観察 歯科学報 16)遺脇健一 局所麻酔下歯科処置時の番環動態 に関する研発一24時間ホルター心電計を用いたJL寸自数 日内変動と歯科処置時の心拍数変動の比較一三 歯科学 報 17)桜井 誠 :歯科用局所麻酔薬に添加のエビネ フリンが血乗カテコールアミン漠度と循環とに及ぼす 影響,臼歯麻誌 18)一戸達也,金子 譲,中久喜 喬 :エビネフ リンが循環および呼吸に及ぼす影響-エビネフリン持 続静注法による検討一二 日歯麻誌 19)南波 正 局所麻酔時の痛みに伴う心身反応 に開する臨床的研究,口外誌 20)小港利男 高麻者循環機能調節と自律神経, 呼と循. 28) Ichinohe, T., Igarashi, 0. and Kaneko, Y. (1992) : The influence of propranolol on the cardiovascular effects and plasma clearance of eplnePhrine, Anesth. Pro首., 38 : 217-220.. 29)坂本二我.竹中 克 血流速度と血流室の関 係,ドップラーJL、エコー図テキスト(坂本二我 編), 1版 文光堂,東京. 30) Noble, M. I. M., Trenchard, D. and Guz, A. (1966) : Left ventricular ejection in conscio?s dogs : I. Measurement and significance of th6 maximum acceleration of blood from the left ventricle, eire. Res., 19 : 139-147. 31) Nutter, D. 0., Noble, R. I. and Hurst, Ⅴ. W. (1971) : Peak aortic flow and acceleration as indices of ventricular performance in the dog, J. IJab. Clin. Med., 77 ・. 307-318. 32) EIzinga, G. and Westerhof, N. (1973) : Pressure and flow generated by the left ventricle agalnSt different impedances, Circ. Res., 32 : 178-186.. 33) Stern, M. D. (1975) : In vivo evaluation of microcirculation by coherent light scattering, Nature, 254 : 56-58. 34) Holloway, G. A. and Watkins, D. W (1977) : Laser doppler measurement of cutaneous blood flow ,J. Invest. Derm., 69 : 306-309.. 21) Edler,I. and Hertz,C.H. (1954) : The use of ultrasonic reflectoscope for the continuous recording of the movements of heart walls,. 35) Nilsson, G. E., Tenland, T. and Oberg. P. A. (1980) I. A new instrument for continuous. Kungl Fysiogr Sallsk i Lund Forhandl, 24 : 40-. measurement of tissue blood flow by light. 58.. beating spectroscopy, IEEE transactions on. 22) Satomura, S., Matsubara, S. and Yoshioka, M. (1956) : A new method of mechanical vibration measurement and its application, Memoirs of the institute of scientific and industrial research Osaka university, 13 ・. 125133.. 23) Baker・, D. W. (1970) I. Pulsed ultrasonic doppler blood flow sensing, IEEE transactions. on sonics and ultrasonics, S U 17 : 170-185 24)椙山加綱,広瀬伊佐夫,小谷芳人,城 茂治,新家 信行,松浦英夫,藤田訓也,作田正義 心疾患 患者の抜歯時のJL、エコー図的変化-アドレナリン添加 リドカインとオクタプレッシン添加プリロカインとの 比較「 臼歯麻誌 25)北畠 顕 心拍出量,超音波心臓ドプラ一法 (北畠 顔,井上通敏 編), 1版 丸善, 東京. 26)林 秀生 ポンプとしての心臓,医科生理学 展望(松田幸次郎,市岡正遺,東 健彦,林 秀生, 菅野富夫,中村嘉男,佐藤昭夫 版 丸 善,東京. 27)赤堀芳正,金子 譲,一戸達也,桜井 学,桜井 誠,中久喜喬 エビネフリン口腔内注射直後の 一過性血圧下降について.臼歯麻誌. 16 :. biomedical engineering,BME- 27 : 12-19.. 36)畑中裕司,石川和夫, Jll崎官泰,窪田伸三,高木 潔,丹家元険,吉村幸男.老籾宗忠,馬場蔑明 糖尿病患者におけるレーザー皮膚血流量測定 とその臨床的意義,医学のあゆみ 37)野平久仁彦,新冨芳尚,大浦武彦 :レーザー ドップラー血流計 の使用経験,形成外 科 仕 38)大淫幸一郎 皮膚血流の研究,東邦医会誌, 33:. 39)菅谷潤豪,岩瀬 敏 :循環器機能-血管運動 反応レーザードップラー血流計を用いる検査法,日本 臨麻, 50: 40)加納龍彦,志茂田治,安元正信,塊 隆治 レーザードップラ皮膚血流波形の分析,医学のあゆ み. 41)山倉久史,岡田菜穂子,戸塚明美,大竹 徹,宮下 元,長谷川紘司 :レーザー・ドップラー血流計 を用いた歯肉毛細血管血流量の基礎的研究,臼歯周 誌. 42)島崎貴弘,嶋田 淳,沖津光久,平沼康彦,江場光 芳,阪本栄-,山本美朗 レーザ-ドップラー 血流計を用いた顔面および口腔の血流計測について 第2報 体位変化による顔面血流変化,日口外誌,. -20-.
(22) 歯科学報. 45)後藤文男 脳循環の神経性調節,脳卒中,. 35 : 2848-2853.. 43)二宮石雄,久次米健市 循環と自律神経調節 -特に意識下動物の交感性制衝機構-,自律神経,. 1 : 303-312.. 46) Strandgaard, S. (1976) : Autoregulation of. 20 ・. 277-282.. cerebral blood flow in hypertensive patients,. 44)竹上 通,原島 裕,本永貴郎,島村 修,湯屋博 通,高梨芳彰 電気刺激を用いた皮膚血管運動 反応誘発法 レーザードプラ血流計による記録,医学 のあゆみ. the modifying influence of prolonged antihypertensive treatment on the tolerance to acute, druginduced hypotension, Circulation, 53 : 720727.. Takeshi SUDOU : A Study on Hemodynamic Effects accompanied with IJOCal Anesthesia-Applications of the pulsed doppler echocardiography and laser doppler blood flowmetry-, Shihwa Gahuho, 94 : 1 -22, 1994・ (Department of Oral Medicine, Tokyo Dental College, Chiba 261, Japan) 、 - 恒 亘、・一 namic effects.. In this study, hemodynamic effects during local anesthesia were observed systemic and peripheral circulation, because of hemodynamic changes may have a influence significantly on mental stress and pa_in during the dental treatment・ Methods In patients requiring dental treatment under localanesthesia, 16 normal subjects for 16 cases, and 15 hyperetension patients for 38 cases, were examined using 2% lidocaine with 1 : 80000 eplnePhrine・ The applications were used for pulsed doppler echocardiography and laser doppler blood flowmetr・y・ The observation was made by heart rate, blood pressure, stroke volume in°_ex. cardiac index, left ventricle outflow, digital blood flow volume, total peripheral resistance, left ventricar work index and rate-pressure-product・ Results and Conclusions l. Preoperative echocardiograms in both groups indicated no abnormalities・ 2. At the start of local anesthesia, heart rate and blood pressure were remarkably incresed in the hypertensive group・ In 3 minutes following local anethesia, heart rate showed maximum values for both groups, but blood pressure was recovered preoperative level for both groups・ 3. Stroke volume index and cardiac index for both g・roups changed slightly at the start of local anesthesia, and maximum values were observed・ in 3 minutes following local anethesia・. 4. Left ventricle outflow showed highvalue preoprative level for the hypertensive group. 、 , ・ and increased following local anesthesia, and these changes were thought to be affected total peripheral resistance. 5・ Digital blood flow volume showed minimum value at the start of local anesthesia for both groups and 3 minutes following local anesthesia was recovered preoperative level・. 6. Total peripheral resistance showed highvalue preoperative level for the hypertensive - 21 -.
(23) 賓藤:局所麻酔による循環動態に関する研究. 22. group and more increased at the startal anesthesia. For both groups showed decreased 3 minutes followlng・ local anethesia. 7・ At the start of local anesthesia, blood pressure increased was affected with total peripheral resistance・ In 3 minutes following local anethesia, blood pressure recovered preopertive level, but stroke volume and totalperipheralresistance were changlng・ Thus it was. thought that measurement of stroke volume grasped of detailed hemodynamic effects, and measurement of digital blood flow volume observed the involvement of the autonomic nervous activity in the circuhtion.. - 22 -.
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