Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№33:歯周病学講座ポストグラデュエートコース第
15期生による症例提示 : 広汎型中等度慢性歯周炎患者
の2壁性骨欠損に歯周組織再生誘導法を行った一症例
Author(s)
石塚, 洋一; 江川, 昌宏; 野田, 克哉; 衣松, 高志; 太
田, 幹夫; 稲垣, 覚; 小川, 貴也; 松久保, 隆; 齋藤,
淳
Journal
歯科学報, 113(4): 439-439
URL
http://hdl.handle.net/10130/3161
Right
目的:歯周病学講座におけるポストグラデュエート コースは平成6年度に発足し,歯周病学の臨床的経 験を通してその専門的知識と臨床技術を習得するこ とを目的としている。今回,第15期生修了者の代表 症例を提示する。 症例:1.初診時データ 患者:68歳,男性 初診日:2010年3月31日 主訴:右上の奥歯が痛い。左側でうまく嚙めない。 既往歴:特記事項なし。 現病歴:2010年3月28日の入浴中に上顎右側大臼歯 部の疼痛を自覚したため,本学千葉病院保存科に来 院。 喫煙歴:1日40本程度であったが,現在は吸ってい ない。 2.診査・検査所見 1)口腔内所見 全顎的に辺縁歯肉に著明な炎症は認めなかった が,プラークコントロールレコード(PCR)は84% で4∼7mm の プ ロ ー ビ ン グ デ プ ス(PD)を 認 め,76%の部位にプロービング時の出血(BOP) が認められた。 2)エックス線所見 全顎的に軽度の水平性骨吸収,#21にセメント質 剥離が認められた。 3.診断:広汎型中等度慢性歯周炎 4.治療計画 1)歯周基本治療:口腔清掃指導,抜歯,齲蝕処 置,抜髄,感染根管治療,スケーリング・ルート プレーニング,治療用義歯装着 2)再評価 3)歯周外科治療:フラップ手術,歯周組織再生誘 導法(GTR 法) 4)再評価 5)口腔機能回復治療:上顎前歯部ブリッジ,全部 被覆冠(#16,17),下顎可撤性部分床義歯 6)再評価 7)サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT) 成績:歯周基本治療では,炎症性因子の除去のため にプラークコントロールを徹底し,外傷性因子の除 去のために下顎に治療用義歯を装着した。再評価 後,PCR は14%となり,PD が4mm 以上の部位に 歯周外科治療を行った。幅広い2壁性骨欠損を有す る#21には GTR 法を行った。再評価後,口腔機能 回復治療を行っ た。#21に5mm の PD と BOP が 残存したが,その他の歯周組織は健康を回復し,病 状安定と判定し SPT に移行した。 考察:本症例はプラーク,歯石,外傷性咬合により 歯周組織が破壊されていたと考えられる。歯周治療 全体を通じてプラークコントロールは良好で,治療 用義歯により咬合が安定していたため,再生療法を 含む歯周外科治療では望ましい臨床結果が得られ た。SPT に移行後,6か月経過した現在も病状は 安定している。SPT 時のリスク評価では低リスク であったが,今後も注意深い SPT が必要である。