第5学年 理科学習指導案
1 単元 「振り子の運動」 2 指導観 本単元では、振り子が1往復する時間に着目して、おもりの重さ、振り子の長さ、振れ幅などの条 件を制御しながら、振り子が1往復する時間を変化させる条件を調べる。そして、振り子が1往復す る時間は、おもりの重さや振れ幅などによっては変わらないが、振り子の長さによって変わることを 捉えられるようにする。また、これらの活動を通して、振り子の運動の規則性についての予想や仮説 を基に、解決の方法を発想し、表現する力や、主体的に問題解決しようとする態度を育成することを ねらいとしている。なお、本内容は、第3学年「A(2)風とゴムの力の働き」の学習を踏まえて、 「エネルギー」についての基本的な概念等を柱とした内容のうちの「エネルギーの捉え方」に関わる ものであり、第6学年「A(3)てこの規則性」の学習につながるものである。 本学年の児童(男子 35 名、女子 33 名、計 68 名)は、ブランコや鉄棒運動など、支点を軸として揺 れる体験をしたことは全員がある。また、支点を軸にして一定間隔で振れるメトロノームに合わせて 楽器を演奏したり、歌ったりする経験がある子も少なくない。しかしながら、身近なところでの振り 子の活用は少なくなっており、振り子の運動の規則性を意識することはほとんどない。そこで、振り 子の1往復する時間を変化させる要因についてどのように認識しているか、事前調査を行った。 おもりの重さに関する項目 選択率 振り子の長さに関する項目 選択率 振れ幅に関する項目 選択率 おもりが重いほど、 1往復する時間が長い。 52% ひもの長さが長いほど、 1往復する時間が長い。 73% 大きく振るほど、 1往復する時間が長い。 64% おもりが軽いほど、 1往復する時間が長い。 33% ひもの長さが短いほど、 1往復する時間が長い。 15% 小さく振るほど、 1往復する時間が長い。 23% どちらも変わらない。 15% どちらも変わらない。 12% どちらも変わらない。 13% この結果から、振り子の1往復する時間を変化させる要因として、おもりの重さ、振り子の長さ、振 れ幅の三つ全てが関係していると捉えている子どもが多いことがわかる。また、おもりの重さが重く、 振れ幅が大きいほど1往復する時間が長くなると誤解している子どもも多い。さらに、振り子の長さ が長いほど1往復する時間が長くなるという規則性について、直感的に理解している子どもは多いが、 明確な根拠をもっているわけではない。そこで、振り子の運動の規則性について、根拠を基に仮説を 設定し、条件を制御しながら目的意識をもって主体的に仮説検証することができるようにする。 本単元の指導にあたっては、振り子の1往復する時間とおもりの重さや振り子の長さ、振れ幅との 関係について仮説を設定し、それを検証する過程を見通すための「たてる」活動を行う。そして、「つ かう」活動を行って科学的な解決過程を経ることで、振り子の運動の規則性について導き出せるよう にする。第一次では、「おもりの重さ」や「振り子の長さ」、「振れ幅」が異なる2つの振り子を比較さ せ、振り子の1往復する時間を変化させる要因について話し合い、『振り子の1往復する時間と、「お もりの重さ」「振り子の長さ」「振れ幅」との関係を調べよう。』という学習問題を設定させる。第二次 では、提示された事象の様子や生活体験を根拠にして仮説を設定させ、その仮説を検証するための方 法や結果の見通しについて検討させる。その際、振り子の1往復する時間の計測を試行することで結 果データに誤差が生じることに気付かせ、くり返しや平均などの結果の処理についても見通しをもた せる。仮説を検証する際には、まずは「おもりの重さ」によって「振り子の1往復する時間」が変化 するかを調べる実験を実施しながら、構想の妥当性についても検討させる。次に、「振り子の長さ」や 「振れ幅」によって「振り子の1往復する時間」が変化するかを調べる実験を実施し、結果を基に仮 説と関係付けながら考察させることで、振り子の運動の規則性について導き出せるようにする。第三 次では、1往復する時間が1秒の振り子を作成し、振り子の運動の規則性を活用することを通して、 本単元における学習内容や仮説検証の手続きについて理解できるようにする。 ※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修」における主題研究に基づき作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。3 単元の目標 ○ 振り子の運動の規則性について、変化とその要因を関係付けて仮説を設定し、条件を制御して 実験方法を発想したり、正確な結果を得るための処理方法を見通したりすることができる。 ○ 「振り子の1往復する時間」と「振り子の長さ」や「おもりの重さ」、「振れ幅」とを関係付け ながら考え、振り子の1往復する時間が変化する要因について、実験結果を仮説と関係付けて抽 象化し、論理的に表現することができる。 ○ 「振り子の1往復する時間」は、「おもりの重さ」や「振れ幅」には関係なく、「振り子の長さ」 によって変わることを理解することができる。 4 単元計画(9時間) 次 学 習 活 動 具体的な手立て 配時 第 一 次 1 2種類の振り子の動きを比較して振り子の1往復する 時間が異なる要因を話し合い、学習問題をつくる。 (1) 「おもりの重さ」や「振り子の長さ」、「振れ幅」が異 なる2つの振り子の動きを比較し、1往復する時間が異 なる要因について話し合う。 ○ 目的意識を高めるために、 事前調査からわかった児童の 認識とのずれを生じさせる事 象を提示する。 ○ 振り子の1往復する時間を 変化させる要因として、児童 の認識に誤解がある「おもり の重さ」や「振れ幅」の影響 に焦点化させるために、振り 子の上部を隠した状態にして 提示する。 ○ 1往復する時間が異なる要 因について根拠をもって話し 合えるように、ガラスの玉や 金属の玉をおもりにして振り 子を作り、動かす活動を位置 付ける。 ○ 「振り子の長さ」に焦点化 させるために、隠した部分を 取り除いて全体を見せ、1往 復する時間を変化させる要因 として、新たに考えられるも のを問う。 ○ 「振れ幅」は、中心からの 距離ではなく支点からの角度 で決まることを捉えさせるた めに、分度器に注視させる。 ○ 「振り子」「おもりの重さ」 「振り子の長さ」「振れ幅」と いう科学用語を説明し、それ らの用語を使って学習問題を 設定させる。 2 ② 2/9 上部が 見えない 状態 ・おもりが重い方が1往復する時間が短いみたいだ。 おもりの重さは関係しているのかな。 ・大きく振った方が1往復する時間が短いのが不思議。 大きく振ると勢いがついて速く動くのではないか。 ・ひもの長さは同じなのだろうか。 振り子の支点の位置が違うのではないか。 全体が 見える 状態 A B おもり 1個 おもり 2個 振れ幅小 振れ幅大 A B おもり 1個 おもり 2個 振れ幅小 振れ幅大 振り子の 長さ長い 振り子の 長さ短い ・ひもの長さが短くなると、1往復の時間が短くなる。 ・支点からひもを伸ばしている角度が違う。 ・おもりの重さや振る大きさは関係あるのだろうか。 ・条件を一つだけ変えて調べてみないとわからない。 【学習問題】 振り子の1往復する時間と、「おもりの重さ」「振り子の 長さ」「振れ幅」との関係を調べよう。
第 二 次 2 振り子の運動の変化とその要因を関係付けて考え、振 り子の1往復する時間と「振り子の長さ」や「おもりの 重さ」、「振れ幅」との関係を調べる。 (1) 振り子の1往復する時間が変化する要因について考 え、仮説を設定する。【たてる活動】 (2)おもりの重さや振り子の長さ、振れ幅と、振り子の1往 復する時間との関係を調べる実験方法を発想する。 【たてる活動】 ○ 「おもりの重さ」、「振り子 の長さ」、「振れ幅」のそれぞ れをどのように変化させると 振り子の1往復する時間が短 くなるか、あるいは関係しな いかについて、立場をはっき りさせる。 ○ 名前カードを板書させる。 ○ それぞれの立場から、第一 次で提示した事象や生活経験 を根拠にして自分の考えを説 明させる。 ○ 他の意見を聞いて、立場が 変わった場合は名前カードを 動かし、視覚的にわかるよう にする。 ○ 話し合ったことをもとに、 振り子が1往復する時間を短 くするにはどうすればよい か、三つの要因それぞれから 考えさせる。 ○ 振り子を正面から見て、振 れ幅を正確に設定し、振り子 に合わせて手を動かしなが ら、元の場所に戻るまでを計 測する手順を提示する。 ※ 同じ条件で、同時に全員が 計測の試行を行い、計測値に は誤差があることに気付かせ る。 ○ 正確に計測する方法を自由 に発想させ、キーワード化し て板書する。 6 ① 3/9 ① 4/9 2振り子の長さ ・振れ幅が大きく て も ひ も が 短 い と 速 く 動 い た の で、振り子の長さ は短い方がよい。 ・ブランコの鎖を 短 く し た ら 速 く なったので、振り 子 の 長 さ は 短 い 方がよい。 1おもりの重さ ・おもりが軽い方 が、スムーズに動 くので、1往復す る 時 間 が 短 く な ると思う。 ・ブランコでは体 重 が 違 っ て も 1 往 復 す る 時 間 は 変わらなかった。 3振れ幅 ・角度が小さいと 遅くなり、角度が 大 き い と 速 く な るので、振れ幅は 関係ない。 ・ブランコを高く ま で こ ぐ と 距 離 が長くなるので、 振 れ 幅 は 小 さ い 方がよい。 【仮説】・おもりの重さを~すれば、 ・振り子の長さを~すれば、 ・振れ幅を~すれば、 振り子の1往復する時間は短くなるだろう。 おもりの数1個(重さ)、振り子の長さ 50cm、振れ幅 20°の条件で、振り子が 1往復する時間をストップウォッチで 計測する。 ・複数回の記録の比較 ・全員の最大値と最小値の比較 50cm 20° おもり1個 ・同じ条件で2回計ったのに、違う記録になった。 ・他の人の記録と比べると、けっこう違うみたいだ。 もっと正確に計るためには、どうすればよいだろうか。 「くり返し」「平均」「分担」 振り子の1往復する時間を短くするには、「おもりの重 さ」、「振り子の長さ」、「振れ幅」をそれぞれどう変化さ せればよいか考える。
第 二 次 (3) 個人で発想した実験方法を基に、計画ボードを活用し て交流し、個人で実験計画を立案する。【たてる活動】 【方法】 【結果の見通し】 ※ 検証可能な実験方法を発想 させるために、以下の視点を 提示する。 ○ 実験の手順を具体化するた めに、実際の実験で使用でき る道具を提示する。 ○ 「自分の仮説を立証するた めの計画を考える」との目的 意識を高めるために、仮説が 同じ児童でグループを作る。 ○ 仮説を基にして、実験方法 と結果の見通しを関係付けて 構造化し、実験計画を可視化 するために、計画ボードを活 用させる。 ※ 変えない条件は赤で、変え る条件はどのように変えるか を黒で計画ボードに記載し、 それをもとに個人の実験計画 を改善させる。 ○ 仮説を検証できる条件や手 順について具体的に検討させ るために、提示した実験道具 を操作しながら交流させる。 ○ 発想した条件で実験を実施 するとどのような結果を得ら れるのかを想定し、仮説を検 証するための順序について考 えさせる。 ① 本時 Ⅰ 5/9 ・条件(条件制御) ・順序(手順) ・道具 ・正確 ・くり返し(再現性) 振り子の1往復する時間を短くしていくには… 仮説を検証するための方法を、個人で発想する。 2振り子の長さ 1おもりの重さ 3振れ幅 2振り子の長さ ①振り子の長さを 30cm にして、10 往復する時間を 3回計る。 ②振り子の長さを 60cm にして、同 様に計る。 ③振り子の長さを 90cm にして、同 様に計る。 ④平均して1往復 の時間を出す。 1おもりの重さ ① お も り を 1 個 にして、10 往 復 す る 時 間 を 3回計る。 ② お も り を 2 個 にして、同様に 計る。 ③ お も り を 3 個 にして、同様に 計る。 ④平均して1往復 の時間を出す。 3振れ幅 ①振れ幅を 10° にして、10 往 復 す る 時 間 を 3回計る。 ②振れ幅を 20° にして、同様に 計る。 ③振れ幅を 30° にして、同様に 計る。 ④平均して1往復 の時間を出す。 【振り子の長さ】60cm 【 振 れ 幅 】20° おもり 1個 おもり 2個 おもり 3個 30cm 60cm 90cm 【おもりの重さ】おもり1個 【 振 れ 幅 】20° 10° 20° 30° 【振り子の長さ】60cm 【おもりの重さ】1個 2振り子の長さ ・振り子の長さを 長くしていけば よい。 ・振り子の長さを 短くしていけばよ い。 ・関係ない。 1おもりの重さ ・おもりの重さを 重くしていけば よい。 ・おもりの重さを 軽くしていけば よい。 ・関係ない。 3振れ幅 ・振れ幅を大きく し て い け ば よ い。 ・振れ幅を小さく し て い け ば よ い。 ・関係ない。
第 二 次 (4) 構想をもとに、「おもりの重さ」と「振り子の1往復す る時間」との関係を調べる。【つかう活動】 ※ 具体的な変数の数値は一人 一人が決定して客観性をもた せるために、計画ボード上で は数値の幅や順序の傾向だけ を決定させる。 ○ 計画した実験方法で仮説検 証ができるか検討するため に、まずは最も簡単に実施で きる「おもりの重さ」の条件 について扱う。 ○ 仮説を検証するという目的 意識をもって実験を進めるこ とができるように、計画ボー ドを提示して実験方法や結果 を見通した処理方法について 確認させる。 ○ 1往復する時間に、おもり の重さが関係しているかにつ いて意見が分かれた場合は、 実験の回数を増やしたり、お もりの重さをさらに重くした りすると正確性が高まること に気付かせる。 ○ 本時学習において不十分で あった実験方法や結果の処理 方法について、計画ボードを 基に振り返ると共に、付加・ 修正を行って次時への見通し をもたせる。 ① 6/9 ・時間が少し違う結果があるので、 もう一度実験してみよう。 ・実験結果を平均すると、おもり の重さを変えても結果はあまり 変わらないことがわかる。 1おもりの重さ 【振り子の長さ】60cm 【 振 れ 幅 】20° おもり 1個 おもり 2個 おもり 3個 ・グラフにすると、おもりを重く しても1往復する時間はあまり 変わっていないことがわかる。 ・少しずつ時間が長くなっている ようにも見えるので、おもりを もっと重くしてみよう。 おもりの重さ 1個 2個 3個 10往復する 時間(秒) 1回目 2回目 3回目 合計 10往復する時間の平均 1往復する時間の平均 0 20 40 60 (g) (秒) 3 2 1 0 振り子の1往復する時間は、おもりの重さによっては変 わらない。 【仮説】おもりの重さを~すれば… ・結果はグラフに整理すると、 どのように変わっているかが わかりやすくなる。 ・データが三つ以上ないと、ど のように変化しているのかわ かりにくい。 0 30 60 90 (cm) (秒) 3 2 1 0 ・振り子が斜めに振れてしまったので、役割分担をして まっすぐ振ることができるように工夫する。 ・仮説が正しいかはっきりさせるためには、おもりの重 さをもっと大きく変化させてみることが必要。 ・1往復する時間が計測する度に変わってしまうので、 おもりの重さが影響しているかはっきりしなかった。 ・くり返しの回数を増やして、さらに正確にする。
第 二 次 (5) 構想を基に「振り子の長さ」や「振れ幅」と「振り子 の1往復する時間」の関係を調べる。【つかう活動】 ○ 実験を通して仮説を検証す る目的意識を高めるために、 計画ボードを提示して前時学 習で付加・修正された点を確 認させる。 ○ 結果を見通した処理方法を 意識して実験を進めるため に、計測した結果はその度に 表に記録させる。 ※ 「振り子の長さを長くする と1往復する時間が長くな る」という捉えだけでなく、 「振り子の長さと振り子の1 往復する時間がどのような関 係になっているのか」という 量的な関係の視点を常にもっ て実験を行わせるために、結 果のデータはその都度グラフ にプロットさせる。 ○ 各条件を正確に制御するた めに、ひもをしっかりはった 状態で角度を決めたり、おも りを持つ人と角度を確認する 人を分担したりできている か、確認する。 ○ 実験に手間取っているグル ープには、1や2の実験で計 測済みのデータは転用してよ いことを伝える。 ○ 振れ幅が大きすぎると、振 り子の等時性が保たれにくく なるため、振れ幅は 30°以下 にするように留意する。 ② 本時 Ⅱ 7,8 /9 2振り子の長さ ・振り子が長くなるほど、振り子 が速く動いている。 ・もっと振り子を長くすると、さ らに速くなるはずだ。 ・グラフにすると、振り子の長さ が長いほど、1往復する時間が 長くなっていることがわかる。 ・比例しているかはっきりしない ので、さらに長くしてみよう。 振り子の1往復する時間は、振り子の長さが長い時ほど 長くなる。 【仮説】振り子の長さを~すれば… 30cm 60cm 90cm 【おもりの重さ】おもり1個 【 振 れ 幅 】20° ふりこの長さ 30cm 60cm 3個 10往復する 時間(秒) 1回目 2回目 3回目 合計 10往復する時間の平均 1往復する時間の平均 0 30 60 90 (cm) (秒) 3 2 1 0 3振れ幅 ・振れ幅を変えても、1往復する 時間はあまり変わらない。 ・振れ幅を大きくするほど、振り 子がゆっくり動いている。 ・グラフにすると、振れ幅を変え ても、1往復する時間はあまり 変わっていないことがわかる。 ・他の班の結果と同じか確かめて みよう。 振り子の1往復する時間は、振れ幅によっては変わらない。 【仮説】振れ幅を~すれば… 10° 20° 30° 【振り子の長さ】60cm 【おもりの重さ】1個 0 10 20 30 (°) (秒) 3 2 1 0 ふれはば 10° 20° 3個 10往復する 時間(秒) 1回目 2回目 3回目 合計 10往復する時間の平均 1往復する時間の平均
第 三 次 3 振り子の運動の規則性を活用して、振り子時計と同じ 動きの振り子を作る。 (1) 振り子時計の振り子と同じような、1往復する時間が 1秒の振り子を作る。 ○ 目的のあるものづくりを行 わせるために、振り子時計を 提示する。 ○ 「くり返し」や「平均」の 視点を活用するために、1往 復を計測すると誤差が大きい ことに気付かせる。 ○ 「振り子の長さ」に着目さ せるために、振り子時計が遅 れた場合、どうやって調整す るかを考えさせる。 ○ 振り子の1往復する時間を 調整したり、平均化して正確 な振り子を作ったりできるよ うに、ストップウォッチを準 備する。 ○ 振り子の周期を比較できる ように、全員で一斉に振り子 を動かす。 ○ 振り子の運動の規則性や、 平均化してデータを処理する 手続きの良さについて確認す るために、内容面と方法面か ら振り返らせる。 1 ① 9/9 ・だいたい1秒ぐらいではないか。 ・振り子で時間を決めるから、ちょうど1秒だと思う。 振り子時計の振り子が、1往復するのにかかる時間を予 想する。 振り子時計の振り子が、1往復するのにかかる時間を計 測する。 ・1往復だけでは、正確な時間はわからない。 ・10 往復させて平均すればよい。 ・くり返し計ってみて、平均すればよい。 ・予想通り、1往復する時間は1秒ちょうどだ。 1往復する時間がちょうど1秒になる振り子を作る。 ・1往復に1秒以上かかるから 磁石を少し上にずらそう。 ・他の人と同時に動かしてみる と、少しずれている。 ・1往復では、正確かどうかが はっきりしない。 ・もっと長い時間で比べれば、 もっと正確になるだろう。 ・10 秒間で、ちょうど 10 往復 になった。 竹ひご 目玉クリップ 工作用紙 磁石 (表裏につける) 10 秒間で 10 往復する振り子になっているか確認する。 ものづくりを通して学んだことを振り返る。 ・振り子時計のつくりが分かった。 ・振り子時計の時間を合わせる時は、おもりの位置を上 下に調整して、振り子の長さを変えればよい。 ・振り子の動きを正確に計る時は、長い時間で振り子が 往復する回数を増やして計り、平均するとよい。
5 本時Ⅰ 【5/9】「たてる活動」 平成30年11月1日(木曜日) 第3校時 理科室において ○主眼 「振り子の1往復する時間」と「おもりの重さ」、「振り子の長さ」、「振れ幅」とを関係付けて 設定した仮説をもとに、それを検証するための実験方法や結果の見通しを交流して、仮説を検証 する過程を見通すことができる。 ○学習過程 学 習 活 動 具体的な手立て【評価規準】 導 入 1 各々の仮説や個人で立案した実験計画を想起し、本時 のめあてを設定する。 ※ 追究する視点を確認するため に、検証計画の例を提示して、不 十分さについて考えさせる。 展 開 2 追究する視点を基にして、仮説を検証するための実験 方法や結果の処理方法を見通し、検証計画を立案する。 (1) 個人で発想した実験方法や結果の処理方法を基に、グ ループで検証計画を話し合う。 【方法】 ○ 「自分の仮説を立証するための 計画を考える」という目的意識を 高めるために、仮説が同じ児童で グループを作る。 ○ 仮説を基にして、実験方法と結 果の見通しを関係付けて構造化 し、実験計画を可視化するために、 計画ボードを活用させる。 ※ 変えない条件は赤で、変える条 件はどのように変えるかを黒で計 画ボードに記載し、それをもとに 個人の実験計画を改善させる。 ○ 仮説を検証できる条件や手順に ついて具体的に検討させるため に、提示した実験道具を操作しな がら交流させる。 2振り子の長さ 1おもりの重さ 3振れ幅 【振り子の長さ】60cm 【 振 れ 幅 】20° おもり 1個 おもり 2個 おもり 3個 30cm 60cm 90cm 【おもりの重さ】おもり1個 【 振 れ 幅 】20° ・条件(条件制御) ・道具 ・順序(手順) ・明確 10° 20° 30° 【振り子の長さ】60cm 【おもりの重さ】1個 ・おもりが重すぎて、正確に計れないのではないか。 ・振れ幅が小さすぎて、時間を計る時に1往復のタイミ ングがずれるのではないか。 ・振り子の長さを変える実験では、もっと大きく条件を 変えないと仮説がはっきりしないのではないか。 ・仮説と比べたときに、1往復する時間を短くするため の順序にした方がよいのではないか。 めあて 計画ボードを使って、仮説をはっきり正確に確かめられる実験計画を立てよう。 振り子の長さとは 糸 の 長 さ で は な く、糸の端からお もりの中心までの 長さであることに 気を付ける。 おもりの重さを2 倍、3倍にしてい くためには、おも りの数を2倍、3 倍にしていけばよ い。 振れ幅は糸の角度 で考え、糸を伸ば して角度を合わせ るために、糸を持 つ人と角度を測る 人の分担をする。 【思考・判断・表現】(学習プリント) 個人で発想した実験方法を基に、 以下の点において付加・修正しな がら条件設定をしている。 ・仮説と関係付けて、変える条件 と変えない条件を区別する。 ・変えない条件を、仮説の検証が 可能な数値にしている。
展 開 【結果の見通し】 (2) 検証計画を全体で発表し合い、他のグループの検証計 画について質問したり、良さを取り入れたりする。 ○ 発想した条件で実験を実施する とどのような結果を得られるのか を想定し、仮説を検証するための 順序について考えさせる。 ※ 具体的な変数の数値は一人一人 が決定して客観性をもたせるため に、計画ボード上では数値の幅や 順序の傾向だけを決定させる。 ○ 計画ボードで検討したことを基 に、個人の実験計画を見直し、赤 字で付加・修正させる。 〇 仮説、変化させない条件、順序 と結果の見通しを発表させる。 〇 「検証計画を最適なものにする」 という目的で意見交流させるため に、質問や意見だけでなく、代案 も伝えるように促す。 〇 各々の検証計画の良さを共有で きるように、自分の班の検証計画 と比較させる。 ま と め 3 本時学習を振り返り、計画ボードを活用して交流した ことで、個人の実験計画が改善されたことを再確認する。 〇 自分の実験計画が改善されたこ とを自覚させるために、追究する 視点を振り返ると共に、赤字で付 加・修正した部分を確認させる。 ・結果はグラフに整理すると、 どのように変わっているかが わかりやすくなる。 ・データが三つ以上ないと、ど のように変化しているのかがわ かりにくい。 0 30 60 90 (cm) (秒) 3 2 1 0 ・細かく条件を変えることで、振り子の1往復する時間 との関係がはっきりする。 ・仮説が違うので、条件は同じでも実験の順序が違うこ とがわかる。 ・班のメンバーが一人一人違う条件で実験することで、 さらに細かく関係を見ることができる。 ・変えない条件が自分の班と違うので、変えない条件を 変えても同じことが言えるか調べることができる。 ・目的をはっきりしてから、計画を立てること。 ・実際に実験する時のことを想像しながら、どんなこと に気を付ければよいかを考えること。 ・役割分担をしておくと実験がスムーズで正確になる。 ・結果をどのようにまとめればよいかまで計画しておく と、実験する時に仮説と比べながら実験しやすい。 ・結果を正確するためには、何度も実験して平均にする とよい。 【思考・判断・表現】(学習プリント) 計画ボードで検討したことを基に 以下のように付加・修正しながら 個人の実験計画を立案している。 ・仮説をはっきりさせるために、 条件を大きく変えて調べる。 ・仮説対応した順序で条件を変え て、量的な関係を調べる。 【知識・技能】(学習プリント) 自分の実験計画を振り返り、以下 の視点を再確認している。 ・仮説の検証することが可能な条 件設定になっていること。 ・仮説に対応した順序で条件を変 化させる実験になっている。 振り子の1往復する時間を短くしていくには… 2振り子の長さ ・振り子の長さを 長くしていけば よい。 ・振り子の長さを 短くしていけばよ い。 ・関係ない。 1おもりの重さ ・おもりの重さを 重くしていけば よい。 ・おもりの重さを 軽くしていけば よい。 ・関係ない。 3振れ幅 ・振れ幅を大きく し て い け ば よ い。 ・振れ幅を小さく し て い け ば よ い。 ・関係ない。
○計画ボードを活用した児童の思考や実験計画の変容(振り子の長さに関する実験) 【「たてる」活動前】 【「たてる」活動後】 仮説 ふりこの1往復する時間を短くしていくには、 ふりこの長さをどんどん短くしていけばよい。 変えない条件(おもりの重さ 10個 ) ( ふれはば 5° ) ①ふりこの長さを10cmにして実験する。 ②ふりこの長さを15cmにして実験する。 ③ふりこの長さを20cmにして実験する。 ④ <ふりこの長さとの関係> <仮説> ふりこの1往復する時間を短くして いくには、ふりこの長さをどんどん 短くしていけばよい。 ○ふりこの長さは10~100cm の間で30cmずつ変えて、仮説 が正しいかはっきりさせる。 ○仮説を確かめるために、ふりこの 長さはどんどん短くしていく。 ?cm 20° 2個 仮説 ふりこの1往復する時間を短くしていくには、 ふりこの長さをどんどん短くしていけばよい。 変えない条件(おもりの重さ 10個 2個) ( ふれはば 5° 20°) ①ふりこの長さを10cmにして実験する。 100cm 1往復する時間を短くしていく順序で調べる。 ②ふりこの長さを15cmにして実験する。 70cm 仮説をはっきりさせるために30cmずつ短く。 ③ふりこの長さを20cmにして実験する。 40cm ④ふりこの長さを10cmにして実験する。 もっとはっきりさせるために四つ条件を変える。 <ふりこの長さとの関係> ○児童の思考 計画ボードを活用して検討し、 実験計画に付加・修正した箇所 個人の実験計画 □児童の活動 1道具の図カードを操 作して、実験方法を 可視化する。 2変えない条件である 「おもりの重さ」や 「振れ幅」を検討し、 赤字で書き込む。 3変える条件である、 「振り子の長さ」の 変え方を検討し、共 通項目を黒字で箇条 書きする。 ①結果を正確に出すた めには、どのような 方法で実験すればよ いだろうか。 ②変えない条件の設定 は、仮説を明確に検 証することができる ものになっているだ ろうか。 ③仮説を立証するため には、条件の変数を どのぐらいの幅で、 どの順序で変えれば よいだろうか。 計画ボード
改善
6 本時Ⅱ 【7、8/9】「つかう活動」 平成30年11月7日(水曜日) 第3、4校時 理科室において ○主眼 「振り子の1往復する時間」を変化させる要因についての仮説を、実験を通して科学的に検証 し、「振り子の1往復する時間」は「おもりの重さ」や「振れ幅」には関係なく、「振り子の長さ」 によって変わることを導き出すことができる。 ○学習過程 学習活動 具体的な手立て【評価規準】 導 入 1 自分の仮説や立案した検証計画を振り返り、本時のめ あてを設定する。 ○ 前時に調べた「おもりの重さ」 に関する検証過程を想起させ、計 画ボードに立案した実験方法や結 果の見通し、処理方法について確 認することで、内容面と方法面か ら本時学習の見通しをもたせる。 展 開 2 検証計画を基にして実験を実施し、得られた結果を仮 説と関係付けて考察する。 (1) 「振り子の1往復する時間」と、「振り子の長さ」の関 係について調べる。 〇 くり返しや平均化の手続きを促 すために、ストップウォッチや電 卓を各グループに準備する。 ○ 検証過程を意識し、結果を見通 した処理方法を意識して実験を進 めるために、計測した結果はその 度に表に記録させる。 ※ 「振り子の長さを長くすると1 往復する時間が長くなる」という 捉えだけでなく、「振り子の長さと 振り子の1往復する時間がどのよ うな関係になっているのか」とい う量的な関係の視点を常にもって 実験を行わせるために、結果のデ ータはその度にグラフにプロット させる。 めあて 振り子の1往復する時間と、振り子の長さや振れ幅との関係を調べよう。 2振り子の長さ ・振り子が長くなるほど、振り子 が速く動いている。 ・もっと振り子を長くすると、さ らに速くなるはずだ。 ・計るたびに結果が少し違うので やはり平均を出す必要がある。 ・グラフにすると、振り子の長さ が長いほど、1往復する時間が 長くなっていることがわかる。 ・比例しているかはっきりしない ので、さらに長くしてみよう。 【仮説】振り子の長さを~すれば… 30cm 60cm 90cm 【おもりの重さ】おもり1個 【 振 れ 幅 】20° ふりこの長さ 30cm 60cm 3個 10往復する 時間(秒) 1回目 2回目 3回目 合計 10往復する時間の平均 1往復する時間の平均 0 30 60 90 (cm) (秒) 3 2 1 0 ・おもりの重さは関係ないなら、「振り子の長さ」か「振 れ幅」のどちらかは必ず関係しているはず。 ・おもりの重さの時と同じように、仮説を確かめるには くり返し実験して正確に結果を出さないといけない。 ・仮説のとおりに、振り子が短いほど動きが速くなり、 1往復する時間が短くなることがわかった。 ・ブランコに立って乗っても1往復する時間が変わらな かったのは、乗っている場所が同じだからだろう。 【思考・判断・表現】(学習プリント) 検証計画を基に、以下の視点で実 験や結果の処理をしている。 ・自分が設定した仮説を、実験結 果と比較して検証する。 ・正しい結果を得るために、くり 返し実験して比較したり、平均 化したりする。 ・量的な関係を調べるために、複 数のデータをグラフ化する。
展 開 (2) 「振り子の1往復する時間」と、「振れ幅」との関係に ついて調べる。 (3) 「振り子の1往復する時間」を変化させる要因につい て整理し、振り子の運動の規則性についてまとめる。 ※ 1往復する時間に、振れ幅が関 係しているかについて意見が分か れた場合は、実験の回数を増やし たり、振れ幅をさらに細かく変化 させて調べたりすると、正確性が 高まることに気付かせる。 ○ 各条件を正確に制御するため に、ひもをしっかりはった状態で 角度を決めたり、おもりを持つ人 と角度を確認する人を分担したり できているか、確認する。 ○ 実験に手間取っているグループ には、1や2の実験で計測済みの データは転用してよいことを伝え る。 ○ 振れ幅を大きくしすぎると、振 り子の等時性が保たれにくくなる ため、振れ幅は 30°以下にするよ うに留意させる。 ま と め 3 本時学習を振り返り、検証計画を立案することの良さ を捉えると共に、次時への見通しをもつ。 (1) 検証計画を立案する時に必要な要素を振り返る。 (2) 次時ではものづくりをすることを伝え、本時で導出し たきまりを活用する見通しをもつ。 〇 仮説検証に向けて有効な実験や 結果の処理を行うためには、検証 計画のどの要素が効果的であった か振り返らせる。 まとめ 振り子の1往復する時間は、おもりの重さや振れ幅には関係なく、振り子の長さに よって変わる。振り子の長さが長い時ほど、1往復する時間が長くなる。 3振れ幅 ・振れ幅の影響があるかはっきり しないから、実験の回数を増や して正確に調べよう。 ・振れ幅を変えても、1往復する 時間はあまり変わらない。 ・振れ幅を大きくするほど、振り 子がゆっくり動いている。 ・グラフにすると、振れ幅を変え ても、1往復する時間はあまり 変わっていないことがわかる。 ・他の班の結果と同じか確かめて みよう。 【仮説】振れ幅を~すれば… 10° 20° 30° 【振り子の長さ】60cm 【おもりの重さ】1個 0 10 20 30 (°) (秒) 3 2 1 0 ふれはば 10° 20° 3個 10往復する 時間(秒) 1回目 2回目 3回目 合計 10往復する時間の平均 1往復する時間の平均 ・ブランコをした時、大きくこいでも1往復の時間は変 わらなかったことと、実験結果も同じようになった。 ・振れ幅によって1往復する時間が少しは変わると思っ ていたが、ほとんど変わらないことがわかった。 ・目的を書いておくと調べていることがはっきりする。 ・手順と変えない条件を書いておくと、間違えることな く、スムーズに実験を進めることができる。 ・結果をどのように整理するか書いておくと、正確でわ かりやすくまとめることを見通して実験できる。 【思考・判断・表現】(学習プリント) 平均して得られた正確なデータを グラフ化し、仮説と関係付けて量 的な関係の視点で考察している。 【知識・技能】(学習プリント) 振り子が1往復する時間は、おも りの重さや振れ幅には関係なく、 振り子の長さで変わることを、結 果と関係付けて理解している。 【思考・判断・表現】(学習プリント) 仮説、方法、結果の見通しの三つ の要素から、検証計画を立案する ことの良さを捉えている。