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ウシ小型ピロプラズマ病の赤血球酸化障害と貧血機構に関する研究

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Academic year: 2021

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Title ウシ小型ピロプラズマ病の赤血球酸化障害と貧血機構に関する研究( 内容の要旨 ) Author(s) 塩野, 浩紀 Report No.(Doctoral Degree) 博士(獣医学) 乙第064号 Issue Date 2004-09-17 Type 博士論文 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/2048 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 塩 野 浩 紀(京都府) 博士(獣医) 獣医博乙第64号 平成16年9月17日 学位規則第4条第2項該当 ウシ小型ピロブラズマ病の赤血球酸化障害と貧血機構に 関する研究 主査 帯広畜産大学 教 授 杉 本 副査 帯広畜産大学 教 授 藤 崎 副査 岩 手 大 学 教 授 安 田 副査 東京農工大学 教 授 加茂前 副査 岐 阜 大 学 教 授 福 士 尋 蔵準 夫 人 千 幸 秀 秀 論 文 の 内 容 の 要 旨 牛の小型ピロブラズマ病は,貧血を主要な臨床症状とするダニ媒介性の住血原虫病であ り,赤血球内寄生性のタイレリア原虫(乃ぞ〃〝ね○血相揖)の感染によって庖こる。本病 は,北海道から沖縄まで広く生息しているフタトゲチマダニによって伝播され,全国各地 の放牧牛に大きな被害を与えている。本病では,原虫の生活環のなかで赤血球内の増殖ス テージが病態上重要であり,この時期の原虫が赤血球に寄生することで,貧血が引き起こ されると考えられているが,貧血の発生機構については十分に解明されていない。本研究 では,活性酸素による赤血球細胞の酸化障害に着目し,「小型ビロブラズマ病の感染牛で は,赤血球の酸化が貧血の病態と密接に関連する」という仮説を実証することから,本病 における貧血の発生機構を考察したものである。 第1章では,実際に本痛の貧血発生時には赤血球の酸化障害が起こるのかについて調べ た。実験感染牛の貧血発生時には,赤血球に著しい酸化博奮と抗酸化防御能の低下が起こ ることを明らかにし,赤血球に対する酸化障害の増加が,貧血の発生や病態の悪化に深く 関与していることを示した。 第2章では,本病の貧血発生時にみられる赤血球の酸化障害を起こす可能性因子を調べ た。ノ実験感染牛の感染経過において,貧血発生時には末梢血貴食細胞の活性酸素産生量の 増加が赤血球の酸化障害の程度と良く相関することを明らかにし,赤血球の酸化博嘗は, 食食細胞由来の活性酸素によってもたらされている可能性が大きいことが示された。さら に,貧血の発生時には酸化障害を増恵化させる因子として,鉄代謝が破綻することも示さ れ,貧血の病態悪化に影響を及ぼしている可能性が示された。 第3章では,本病の貧血発生時に赤血球が血流中から除去される現象を明らかにするた めに,食食細胞による認識・食食の指標となる赤血球疲表面の変化を調′くた。実験感染牛

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の発病経過において,貧血発生時には赤血球に対する自己抗体の付着や食食目印分子が赤 血球表面へ発現することが明らかにさjl,本痛の貧血発生はこれらの赤血球膜表面の変化 によって導かれる可能性が示された。 本研究における赤血球の細胞生化学的な解析から,酸化ストレスすなわち赤血球に対す る酸化障害の増加が,′ト型ビロブラ.ズマ病の貧血発生や病態悪化に重要な役割を演じてい ることが初めて明らかにされた.本研究で得られた成績は,東アフリカ海岸熱や熱帯タイ レリア病など他の悪性タイレリア病Iあるいは牛のバべシア病における貧血の病態解明に も大きく貢献すると思われる。さらに,動物の感染症分野においても,今後普及していく ことが予想される抗酸化物質による病態制御や治療法などの開発にも役立つことが期待さ れる。, 審 査 結 果 の 要 旨 牛の/j、型ピロブラズマ病は,貧血を主要な臨床症状とするダニ媒介性の住血原虫病 であり,赤血球内寄生性のタイレリア原虫(乃e肋由αお〃ぬ鮎)の感染によって起こ る。本病は,北海道から沖縄まで広く生息しているフタトゲチマダニによって伝播さ れ,全国各地の放牧牛に大きな被害を与えている。本病では,原虫の生活環のなかで 赤血球内の増殖ステージが病態上重要であり,この時期の原虫が赤血球に寄生するこ

とで,貧叫が引き起こされると考えられているが,貧血の発生機構については十分に

解明されていない。本研究では,活性酸素による赤血球細胞の酸化障害に着目し,「小 型ピロプラズマ病の感染牛では,赤血球の酸化が貧血の病態と密接に関連する」とい う仮説を実証することから,本病における貧血の発生機構を考察したものである。

第l章では,実際に本病の貧血発生時には赤血球の酸化嘩轟が起こるのかについて

調べた。実験感染牛の貧血発生時には赤血球に著しい酸化車重と抗酸化防御能の低

下が起こることを明らかにし,赤血球に対する酸化障膏の増加が,貧血の発生や病態 の悪化に深く関与していることを示した。

第2章では,本病の貧血発生時にみられる赤血球の酸化障害を起こす可能性因子を

調べた。実験感染牛の感染経過において,貧血発生時には末梢血食食細胞の活性酸素 産生量の増加が赤血球の酸化障害の程度と良く相関することを明らかにし,赤血球の 酸化障害は,食食細胞由来の活性酸素によってもたらされている可能性が大きいこと

が示された。さらに,貧血の発生時には酸化障奮を増悪化させる因子として,鉄代謝

が破綻することも示・され,貧血の病態悪化に影響を及ぼしている可能性が示された。 第3章では,本病の貧血発生時に赤血球が血流中から除去される現象を明らかにす るために,食食細胞による認識・食食の指標となる赤血球膜表面の変化を調べた。実 験感染牛の発病経過において,貧血発生時には赤血球に対する自己抗体の付着や貪食 目印分子が赤血球表面へ発現することが明らかにされ,本病の貧血発生はこれらの赤 血球膜表面の変化によって導かれる可能性が示された。 本研究における赤血球の細胞生化学的な解析から,酸化ストレスすなわち赤血球に 対する酸化障害の増加が,小型ピロプラズマ病の貧血発生や病態悪化に重要な役割を 演じていることが初めて明らかにされた。本研究で得られた成績は,東アフリカ海岸

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熱や熱帯タイレリア病など他の悪性タイレリア病,あるいは牛のバべシア病における 貧血の病態解明にも大きく貢献すると思われる。さらに,動物の感染症分野において も,今後普及していくことが予想される抗酸化物質による病態制御や治療法などの開 発にも役立つことが期待される。 以上について,審査委員全員「致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学 位論文として十分価値があると認めた。 基礎となる学術論文 1)題 目:Acquiredmethemoglobinemiainanemiccattleinfectedwith乃eiklね ∬J苫ど〝〟 著 者 名:Shiono,H.,Yagi,Y.,Thongrmn,P.,Rurabayashi,N.,Chikayama,Y., Miyazaki,S.andNakamura,Ⅰ・ 学術雑誌名:Ⅴ蝕衰nむγP訂aSitolo訂 巻・号・貢・発行年:1d2(l-2):45づl,2001 2)題 目:Oxidativedamageandphosphatidylserineexpressionofredbloodcells incattleexperimentallyinfectedwith 著 者 名:Shono,H.,Yagi,Y.,Chikayama,Y.,Miyazaki,S.andNakamura,Ⅰ. 学術雑誌名:P訂aSitolo訂Rese訂Cb 巻・号・頁・発行年:89(3):22S-234,2003 3)題 目:Theinfluenceofoxidativeburstsofphagocytesonredbloodce1l OXidationinanemiccattleinfectedwithmeikllaselgend 著 者 名:S昆ono,H.,Yagi,Y.,Chkayama,Y.,Miyazaki,S.andNakamura,Ⅰ・ 学術雑誌名:ReeRadidRese訂Ch 巻・号・頁・発行年:37(ll):1柑l-1189,2003 4)題 目:A∝eleratedbindingofautoantibodytoredbloodcellswithincreasing anaemiaincattleexperimentallyinfktedwithmeiklbselgellli 著 者 名:Shiono,H.,Yagi,Y.,馳mar,A,Yamanaka,M・andChikayama,Y・ 学術雑誌名:JcmalofVetdnaryMedicine岳eriesB 巻・号・頁・発行年:51(l):39-42,2004

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既発表学術論文 1)題 目:OccurrenceofD)坤ek)血血血血坪肋k7ein・retailrawpork 著 者 名:Shiono,H.,Hayashidani,H.,Kaneko,K.,Ogawa,M. andMuramatSu,M. 学術雑誌名:JoumalofFoodProtection 巻・■号・貢・発行年:53(10):$56-$5S,1990・ 2)題 目:hll加須クSuSCePtibilityofゆ甲kma勿収卵70Vk7eandM和明力血sto antimicrobialagents 一 著 者 名:Kobayashi,H.,Sonmez,N.,Morozumi,T.ぅ叫tani,K.,ho,N., Shiono,且andYamamoto,K. 学術雑誌名:TheJouhlalofVeterinaryMedicalScience 巻・号・頁・発行年:5$(ll):1107-1111,1卵6 3)題 目:Flowcytometrytoevaluate伽肋ぬ3el脚dparaSitemiausingthe 幻uorescentnucleicacidstain,SYTO16 著 者 名:Yhgi,Y.,Shiono,H.,Kurabayashi;N.,Yoshihara,K.andChikayama,Y. 学術雑誌名:C舛Om叫 巻・号・貢「発行年‥41(3):223-225,2000 4)題 目:Increaseinoxidizedproteinsin乃eile1血selgeJ妨infected叫hroqyte membrane 著 者 名:Ybgi,Y.,Thongnoon,P.,Shiono,H.andChikayama,Y. 学術雑誌名:TheJoumalofVeterinaryMedicalScience 巻・号・′頁・発行年:糾(7):623-625,2002 5)題 目:lmcreaseinapoptdicpolymOrPhonudearneuqhilsinperipheralblood aAerintramammaryinfusionQfEkchel庇カh7COHlipopolysaccharide 著 者 名:Yagi,Y.,Shiono,H.,Shibahara,T.,・Chikayama,Y.Nakamura,Ⅰ. andOhnuma,A. 学術雑誌名:VeterinarylmmunoIogyandITrmnOPathology 巻・号・貢,発行年:$9(3-4):115-125,2002

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