77 1型:臥位から立位で胆嚢下垂が小さく,肝胆嚢接面 が3cm以上ある.1型に対しては第1法(PTGBD)を 行う.II型:臥位から立位で下垂変化が大きく肝胆嚢 接面が3cm未満で胆嚢底部が肋骨弓下にある. II型に 対しては第2法を行う. 51例全て結石除去が行われた. 53.抗トリプシン剤腹腔内投与が著効を示した二二 腹水の1例 (谷津保健病院消化器内科) 新井 信・清水 京子・ 三橋 容子・藤野 信之 症例は49歳,大酒家の男性.意識昏迷で入院した. 血中膵酵素の上昇があり,また大量の腹水は血性で TP 3.4g/dl, amylase 20,3701U/1, lipase 57,8001U/ 1,CTでは嚢胞形成を伴う慢性膵炎像を認めた.以上 より,慢性膵炎の急性増悪に伴う二二腹水と診断した. 通常の急性膵炎治療に加え,腹水穿刺および抗トリプ シン剤腹腔内投与したところ,速やかに腹水中山酵素 活性は低下し,腹水も消失した.ERCPでは造影剤の 腹腔内への漏出は明らかではなかった. 本邦では稀な膵性腹水に対し,現在までに抗トリプ シン剤の腹腔内投与を施行した報告はなく,今後,増 加の予想される膵性腹水の新しい治療法を示唆する症 例と考えた. 54.当院における胆嚢癌切除症例の検討 (防府胃腸病院・防府消化器病センター) 吉田 勝俊・三浦 修・小形 滋彦・ 戸田 智博・南山 義一・長崎 進 1990年目での23年間に,当院で経験した胆嚢癌手術 例36例中,切除例は16例(44%),治癒切除例は11例 (30%)である.切除例16例のstageは, stage III, IV の高度進行例が56%を占めている.stage別術式では, 1985年までは進行度にかかわらず,単純胆摘を施行す ることが多かったが,1989年以降は高度進行例にも PD,肝床切除,他臓器合併切除といった.進展様式に 応じた拡大手術を施行するようになり,その結果, stage IIIに術後1年8ヵ月, stage lVに術後4ヵ月と
5ヵ月,それぞれ再発所見無く生存中の症例を認めて きており,遠隔成績の向上が期待できるようになった. 今回,我々は胆嚢癌切除例16例を検討するとともに, 拡大手術を施行し治癒切除なしえた興味ある2症例を 供覧する. 55.全二二二輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した 巨大膵嚢胞の1例 (東部地域病院外科,*同病理) 吉井 克己・重松 恭祐・森脇 稔・ 落合 匠・木下 祐宏・岡野 匡雄* 症例は44歳男性,黄疸を主訴に来院,超音波,CT検 査にて膵頭部に直径10cm大の巨大なi嚢胞を認めた. 嚢胞内には隆起や隔壁等の悪性を示唆する所見は認め られなかった.血管造影では動脈系,門脈系とも圧排 所見のみであった.ERCPでこの嚢胞は膵管の分枝と 交通しており,胆管はこの嚢胞により高度に圧排され 胆汁の流出障害を来していた.術中の膵液細胞診にて も悪性所見は認められず,膵嚢胞の診断にて全胃幽門 輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)(胃膵胆配列)を 施行した.術後一過性の胃内容停滞を認めたが,順調 に経過退院し,食事量も術前と変わりなく現在完全に 社会復帰している. 膵嚢胞ならびにその術式について,文献的考察を加 え報告する. 56.膵管非癒合に対し全胃幽門輪温存膵頭十二指腸 切除術を施行した1症例について (筑波胃腸病院) 大橋 正樹・戸田 一寿・ 塚原 裕二・日高 真 17歳の女性である.他院にて胃炎の治療を受けてい たが嘔気,ロ区吐,腹痛,背部痛など軽快せず,さらに 体重減少(13kg)も出現し当院受診する. ERCP等に て膵管非癒合,膵炎と診断し以後6ヵ月にわたり内科 的治療を行うも症状改善せず手術に踏み切った.副乳 頭は非常に狭小で背側膵管の拡張も全くないため,全 胃幽門二二二三頭十二指腸切除術を施行した,膵管非 癒合の膵切除例の報告は少ない.組織標本では背側膵 管領域のみにmultiple cystic lesionを認めたが,膵組 織は飾rosis等は認められず腺細胞も良く保たれてい た.膵管非癒合における膵炎発生機序を考える上で興 味深いと思われる.なお,症例は術前に比し現在18kg の体重増加をみ食欲も旺盛である. 57.Tチューブに代わる総胆管ドレナージ法の工夫 (至誠会第二病院消化器外科) 新井 俊男・梁 英樹・鈴木 寧・ 清水