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各種合成ゴムに及ぼす油・冷媒混合溶液の影響

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U.D.C.d78.7

各種合成ゴムに及ぼす油・冷媒混合溶液の影響

Effect

ofOil-Refrigerant

MixturesonSynthetic

Rubbers

宏*

毅*

男*

Hiromu Amari Y丘kiSuzuki Yoshio Asahino

の合成ゴムに及ぼす油・冷媒混合溶液の影響について実験検討し,冷凍機用部品として万能な合成ゴム 材料というものは現状では望めないが,耐(抽・R-12)性の合成ゴム材料としてはニトリルゴム系のものが, また耐(油・R-22)性の合成ゴム材料としてはクロロブレンゴム系のものが比 した。

1.緒

言 合成ゴム材料がガスケット材,防振材あるいは接続ホースなどと して他の材料では得られないすぐれた特性を有することほ論をまた ないところである。しかしながらこれが冷凍機用部品として油と冷 媒との混合溶液に直接接触するような状態で使用される場合iこは, 不適切なゴム質材料を用いると意外な事故を招く恐れがある。たと えばニトリルゴムが冷媒R-12には比 的良く耐えるから,同様に 冷媒R-22にも良く耐えるであろうと推定することは非常に誤った 判断であり,R-22に対してはニトリルゴムは著い、膨潤性を示す。 このように各種の合成ゴム材料は使用する冷媒の種類あるいほ潤滑 油の種掛こよって,その抵抗力が著しく異なるので,目的に応じて ゴム質材料を選択することが重要である。 合成ゴムの各種の冷媒に対する抵抗性について研究したデーター としてはEiseman氏(1)および長岡氏(2)のものが見受けられるが, 油と冷媒との混合状態下における抵抗力について はほとんど見受けられない。 冷凍サイクル内で使われるゴム質材料は ≧述している文献 (1)油・冷媒混合溶液中でもゴムとしての特性を失なわない。 (2)油および冷媒のふん囲気下において長期間の使用に耐え る。 という二つの要求を満足するものでなければならない。(1)の要求 を 足できないようなゴム質材料について(2)の老化現象を究明し ても意味がないので,本研究ではまず第1段階として,合成ゴム材 料の性質に及ぼす油・冷媒混合溶液の影響を調べるために,国内数 社のゴムメーカーから集めた種々の合成ゴム材料が油・冷媒混合溶 液の影響によってどの程度物理的性質の変化を生ずるかという点に 重点をおいた実験を行い,合成ゴム材料におよぼす油・冷媒混合添 液の影響について一応の傾向をつかむことができたので,その結果 を取りまとめてここに報告する。

2.実

方 法 2.1実験装置および実験方法

実験装置としてほ弟l図に示すような耐圧容器を使用した。,この

容器の中に50mヱの冷凍機油と供試試料を入れ,真空ポンプを用い て十分に脱気したのち,60gの冷媒を封入し室温に3日間放置した。 冷凍機油としては代表的な特2号冷凍機油(150電気冷蔵庫油)を用 い,冷媒は現在最も一般的に用いられているR-12およびR-22の 2種類を使用した。常温放置時間を3日間としたのは予備実験の結 果,油・冷媒混合溶液中のゴムは大体において1∼2日の間に物理 的な変化が最大に することを確かめたためである。ただし油甲独 の場合のゴムの変化はかなり緩慢であるといわれているので,耐油 * 日立製作所栃木工場 的すぐれるということを確認 第1国 耐 山三 器 性試験の場合は特に試験日数を7日間としたn 2.2 試料の形状 l玉=勺数社のゴムメーカーから集めた12種類の合成ゴムを試験の 対称とし,試験片の形状は幅3∼4mm,厚さ2∼3mm,長さ100mm の板状 験片を使用した。この試験Jぅーは硬度測定および引張 験用 としては必ずしも満足すべき形状ではないが,耐圧容器の内容掛こ 制限があるため,このような試験片を用いることにした。 2.3 測 定 項 目 耐圧容器から試料を取出した後,10分以内に試験片の長さ,かた さ,重量および機械的強度を測定し,長さの変化率,かたさ変化率, 重量変化率,伸びおよび引張強さの変化率を算出した。また同時に 取出L直後の発泡状況せ ベ,さらに 料の表面上に結晶状の析出 物を生ずるかどうかも調べた。試料取出し後10分以内に全測定を 行ったのほ,時間の経過とともに試料から冷媒が放出され,試験前 l

(2)

各種合成ゴ

に及ぼす油・冷媒混合溶液の影響

第1表 各合成ゴムの物理的性質に及ばす冷凍機油の影響(室温,7日) 合成 ゴ ム の 種類 シ リ コ ー ン ゴ ム プ チ ル ゴ ム ハ イ 多 硫 7 化 系 パ 物素 タ ロ ロ ブ レ ソ ゴ ム ポ リ エ テ ル ゴ ム ニ ト リ ル ゴ ム ニトリル(+)多硫化物系ゴム クロロプレソ(十)多硫化物系ゴム ア ク リ ル エ ル ゴ ム 多硫化物系ゴム(+)プチルゴム 重量変化 (%) + 9.6 +19.4 + 5.1 + 0.04 0 + 2.7 +14.9 + 0.01 -0.7 十1.4 - 0.1 +12.4 長さの変化 (%) +4.0 +1.7 +2.5 +0.3 0 +0.8 0 +0.2 0 0 0 +1.0 涼JISスプリング式かたさ(Hs) 合成 ゴ ム の種頸 シ リ コ ー ン ゴ ム プ チ イ 多 硫 フ ヅ 化 ル バ 物素 系ゴ ム ロ ン ゴ ム ゴ ム タ ロ ロ フ レ ソ ゴ ム ポ リ ニ[ ス テ ル ゴ ム ト リ ル ゴ ム ニトリル(+)多硫化物系ゴム タロロブレン(+)多硫化物系ニー ム ア ク リ ル ニL ス テ ル ゴ ム 多硫化物系ゴム(+)プチルゴム 第2表 重量変化 (%) 十65.7 +97.3 +18.1 +仇9 + 5.8 +13.4 +22.7 + 5.1 + 0.8 + 6.4 +17.6 十81.0 ※JISスプリング式かたさ(Hs) 合成 ゴ ム の種頬 ご/ リ コ ー ソ ゴ ム ブ ナ ハ イ 多 硫 フ グ p ル パ 物素 系ゴ ム ロ ン′ ゴ ゴ ム レ '/ ゴ ポ リ エ ニ ト リ ル ゴ ム ニトリル(+)多硫化物系ゴム クロロブレン(+)多硫化物系ゴム ア ク ル エ ス テ ル ゴ ム 多硫化物系ゴム(+)プチルゴム ぴ (%) 変化率(%) +0.05 -15.9 -3.8 ← 3.7 -1.9 -5.2 -5.1 -1.9 -5.0 -1.0 -11.7 -13.9 引張強さ (kg/cm2) 試 験 前 試 験 後1変化率(%) -14.3 -15.6 -41.8 -3.5 -10.4 -21.2 -42.5 十2.2 -6.9 -24.8 -11.1 -30.8 各合成ゴムの物理的性質に及ばす油・R-12混合溶液の影響(室温,3日) 長さの変化 (%) +21.0 +27.0 + 5.0 + 0.2 +1.0 + 4.2 + 4.0 + 0.8 + 0.5 + 2.0 + 4.0 +21.0 第3表 重量変化 (%) +36.1 +75.5 +48.5 +24.6 +24.6 +27.8 +60.3 +57.2 +34.1 +17.1 +90.2 +57.0 ※JISスプリング式かたさ(Hs) 試 験 か た 66.3 78.1 83.6 71.7 81.0 76.1 84.4 .\.: 73.9 83.6 82.0 71.8 伸 び (%) 試 験 -1.7 -34.3 -15.9 -6.5 -14.6 -11.5 -22.0 - 6.9 -3.7 -6.7 -21.0 -20.1 各合成ゴムの物理的性質に及ぼす油・R 長さの変化 (%) か ナニ 試 験 前 の状態に復元しようとする性質があるためである。)

3.実

果 第1∼3表に各合成ゴムの耐油性試験結果,耐(油・R-12)性試験 結果および耐(油・R-22)性 験結果を掲げる。表中の数値は各合 成ゴムについていずれも数個の試料の平均値を表わす。 同一材質の試料でもデーターのバラツキがかなり大きいので,直 ちに結論を下し難い点もあるが一応の傾向を示すので,以ド合成ゴ ムの材質と各性質の変化との関係について述べる。 3.1合成ゴムの材質と物葦聖的性質の変化について 弟2∼る図に各種合成ゴムの油および油・冷媒混合溶液中におけ る物理的性質の変化を示す。また第7図には油・冷媒混合溶液iこよ るゴムの膨潤ならびに発泡現象の一例を写真で示した。弟2∼る図 に明らかなように合成ゴムの物理的性質に及ばす影響は概して油単 独の場合は非常に少ないが,池・R-12の場合ほかなり大きな影響 を与え,油・R-22の場合となるとその影響は著しく増大すること が判明した。また個々の材質については,たとえば油・R-12 変化率(%) -13.8 -38.5 -・18.5 -22.7 -15.6 -16.3 -15.3 -24.2 -19.7 -10.0 -17.9 -31.6 前 試 験 後;変化率(%) 138 308 225 275 200 287 250 410 363 175 50 75 一50.0 -32.0 -18.8 -17.8 -27.2 -12.6 -16.7 〝10.7 【11.3 -12.5 -83.4 -62.5 引張強さ (kg/cm2) 試 験 前 試 験 後 22混合溶液の影響(室温,3日) 試 験 250 433 263 337 275 317 300 452 413 200 300 200 (%) 変化率(%) 一66.7 -55.1 -59.2 -52.6 -72.8 -31.4 -50.0 ---50.2 -72.1 -37.5 -66.7 -62.5 変化率(%) 一36.2 -57.9 -34.4 +13.1 -26.9 -28.1 -10.4 -8.2 -9.1 -20.5 -85.5 -75.7 引張強さ (kg/cm2)

試験前†試験後

変化率(%) -12.3 -60,2 -69.0 -49.4 -80.8 -49.3 -65.2 【65.3 -81.1 -49.6 -76.9 -87.2 液中の長さの変イヒ率はタロロブレンゴムよりもニトリルゴムのほう が少ないが,これが油・R-22混合溶液叶-の場合となると逆にクロ ロブレンゴムの長さの変化率のほうがニトリルゴムよりも少ないと いうように条件によって著しく相反した結果になっており,耐(油 ・R-12)件のすぐれる合成ゴムが必ずしも耐(油・R-22)性もすぐ れるということにならないことが明らかになった。 3.2 各変化率間の相互関係について 以上各種合成ゴムの物理的性質に及ぼす油・冷媒 合溶液の影響 i・こついて述べたが,さらに各性質の変化率の間にはどのような関係 が成りたつか非常に興味ある問題である。これらの関係を検討した ところ弟8図のように重量変化率と長さの変化 の間に最も大きな 相関関係が認められた結果,長さの変化率の大きいものほど重量変 化率も大きいことが明らかとなり,比較的簡単な長さの変化率の測 定を行えば重量変化率もおよそ推定できることが確認された。 その他の性質の変化率の間iこほ特にすぐれた相関関係を示したも のはなかったれ 全般的iこは長さの変化率の大きいものはやはり他 の性質の変化も大きいという傾向が見られている。

(3)

2060 昭和36年11月 へ註) 樹ご属6相通 立 シリコー、ノ「」ム プチルコム ハイパロン 多硫化物系コム フッ素コム プロ[]プレ、∴]ム ポリエステルコム 二トリルコム ニトリルり多 吻系コム 土仙レし クロロプレ、ノ什多 兢 化功系コム ルゴム 多硫化物系…7チ 「」ム アクリル工て二丁ル 第2図 各種合成ゴムの油および油・冷媒混合溶液中 における長さの変化 なお伸びの変化率と引張強さの変化率との間にほかなりの相関関 係が見られるが,実際の測定上は引 強さと伸びは同時に測定でき るので,どちらか一方を測是して他力を推定する必要はない。

4.冷凍機用としての合成ゴムの評価

以上各種合成ゴムの耐(油・冷媒)性試験結果について述べたが, しからばその 劣はどのように判定したら良いかということが最も 大きな問題となる。本研究では油・冷媒混合溶液と直接接触するよ うな条件下で使用されるゴム質材料ということに限定したが,この 条件内でもたとえば防振ゴムのように機械的負荷の著しく人きな状 態,接続ホースなどのような比較的負荷のかからない状態,熱の影 響の非常に大きな状態あるいはある程度の膨潤ほ許されるというよ うな比較的安易な状態で使われるというように,用途によって著し く使用条件が異なるので一概にゴム質材料の優劣を判定することは 非常に困難である。 前述の実験結果にも・明らかなように 実験で検討した合成ゴムの 中では,油と冷媒のいかなる組合せに対しても万能なゴム質材料と いうものは見当らない。また本実験に供した合成ゴムは現在市販さ れているほとんどすべての種類のものを包含していることから,現 状では万能な合成ゴムの出現ということはあまり期待できないであ ろう。したがって使用者はまずその用途に応じて最も重要と思われ る性質を的確につかみ,その要求に沿ってゴム質材料を選定するこ とが望ましい。個々の使用条件については使用者の判断に待つほか l

へポ) 樹〕t壌曲潮 へ景〕 柳〕†機軸麿 第43巻 第11ぢ・ 3図 各種合成ゴムの油および油・冷媒混合溶液中 における重量変化 シリ]-ンコム プチ臣コム ハイパロン 奇沌化物釆ゴム フッ素コム プロロプレ、ノユム ポリエステルコム ニトリル」ム ニトリル吊多続化 物系コム プロロブレンり多 硫化物系コム アクリルエステル コム 第4図 各種合成ゴムの油および油・冷媒混合溶液中 におけるかたさ変化 はないが,冷凍機用部品としての ル]ム 多硫化物糸 什 プチ 合的な見地から一応の判定を試 みると以下のようなことがいえる。 4.】析出物および発泡の有無 析出物を生ずるようなゴム質材料では,それらが機械部分に付着 してしゆう動部を

若したり,キヤピラリーチューブを閉塞したり

する危険性があるので,その使用は絶対に避けなければならない。ま たこのようなものは金属材料の腐食という点からも好ましくない。 発泡性を有するゴム質材料も圧縮機の起動時に生ずる急激な圧力 差によって舞7図に示したような状態になることが予測され,この ような状態になったゴム質材料ほその組織が破壊され,ゴム質とし

(4)

各 種合

ばす

抽・冷

溶液

影 響

+す♂ 、 ヽ +∼β 十/か ハ〃 -L + 二c) 樹」r壌e■b菅 ㌧リコーンコム リ「†/小「ム ハイパ〓ン 峯統什物系コム フッ素コム ク〓ロノレン」ム ポリ丁∴人■丁ルコム 二 二物ク締 トlし糸 ‖ lJリコU ル、_ ルムブ 」l十) ム ー$ ン 云允 =り 化 多 化物系」ム アクリル工人■丁ル 第51ヌl省種.′=武ゴムの伸び*に牧ほす油および 油・冷媒混作溶液の揖響 ム ルーム 多油化物東川ブチ 第7図 抽・R-12混合溶液(上)および油・R-22混合 溶液(下)に浸漬した場合の膨潤ならびに発泡現象を 示す代表的写真(ニトリルゴム) ての性質を保つことは不可能である。したがってこのようなゴム質 材料も冷凍機用部品としては不適当である。 各種合成ゴムの試料数に対する析出および発泡の発生率は第4表 のように油単独の場合には,どの合成ゴムも問題ないが,油・R-12 合はプチルゴムが非常に悪く,さらに油・R-22の場合となる とプチルゴム,フッ素ゴム,ニトリルゴム,ニトリル(+)多硫化物 系ゴム,アクリルエステルゴムおよび多硫化物系ゴム(-ト)プチルゴ ムなどが非常に悪い状態となっている。油・R-22の場合まったく 変化のないものはシリコーンゴム,ハイパロンおよびクロロブレン (+)多硫化物系ゴムのみであり,これについで多硫化物系ゴムとク ロロブレンゴムが比較的良好であるといえる。 ん2 変化率の比較 油・冷媒の影響による各変化率について,最も変化の少なかった ものから順位番号をつけてその優劣を比較してみると第5表のよう になる。すなわち耐油性は ㊤ ニトリルゴム,フッ素ゴムニトリル(+)多硫化物系ゴム (釘 多硫化物系ゴム (ぢ クロ・ロプレソ(+)多硫化物系ゴム,アクリルエステルゴム の順にすぐれ,耐(拙いfト12)性は (カ ニトリル(十)多硫化物系ゴム (ボ) 樹〕-壌e仲欄叶岬竺m 十ク♂ -、 〃U ハ〃 + シリ「」-ンコム 7テル」ム ハイパロン ウで■硝化物糸「」ム フッ素]ム クロnフレ∵.」ム 。ホリエステルコム ニトリルコム ニトリル刃隼 物糸コム 大凡卜し 7¶ロノ「 ルコム 多硫化物栄…ナチ ゴム アクリルエステル 硫化綿糸コム タロロブレ㌧十多 第6図 各種合成ゴムの抽および油・冷媒渥合溶液中 における引張威さの変化 随 Jフ ⊥」 ヽ丁 ・ ∴、 瑚 刷 ブタ ノり ノ汐 ∠♂ J♂ 長さの変化率 (シり 第8図 重量変化と長さの変化とのl乳係 桓)ニトリルゴム (可 多硫化物系ゴム (わ クロロブレン(+)多硫化物系ゴム (可 フッ ゴム 、 の順になる。これに対して耐(油・Ⅰし22)性の場合ほ大分ダ主なり ① グロロブレン(十)多硫化物系ゴム ㊥ クドロプレソゴム ④ 多硫化物系ゴム

(5)

2062 昭和36年11月 第4表 明出物および発泡の発生率の比較 第5表 シ リ コ ー ン ゴ ム チ イ レ 。ヽ 系 物議 レし ツ 硫 ゴ ロ ン′ ゴ ム ゴ ク P ロ ブ レ ポ リ エ ス テ ル ゴ ム ニ ム ニトリル(+)多硫化物系ゴム タロロブレン(十)多硫化物系ゴム アクリ ルエ ス テル ゴ ム 多硫化物系ゴム(+)プチルゴム 合成 ゴ ム の種類 シ′ リ コ ー ソ ゴ ム プ チ イ 多 硫 フ ッ 化 ル パ 物素 系コ ム ロ ン′ ゴ ム ゴ ム タ ロ ロ 'ブ レ ン ゴ ム ポ リ エ ス テ ル ゴ ニトリル(+)多硫化物系ゴム クロ■ロブレン(十)多硫化物系ゴム ア ク リ ル ヱ ス チ ル ゴ ム 多硫化物系ゴム(+〕ゾチルゴム 重量変化率 第43巻 第11号 第6表 機械的強度の比較 池および油・冷媒ふん田気下における合成ゴムの優劣の比較 長さの変化率

油l恕12∼懲:22

12 10 11 7 10 12 9 1 11 4 8i 8 8 12 6 2 4 3 10 7 5 1 11 10 巨 9 かたさ変化率

㌔二121恕22

(弟 シリコーンゴム (可 フッ素ゴム,ポリエステルゴム の順となる。 4.3 機械的強度の比較 前節では機械的強度についてはその変化率のみで比較を行ってい るが,各合成ゴムの本質的な機械的強度を考慮しないで優劣を判定 すると著しく強度の弱い材料を選定するという結果を招く恐れがあ る。本実験に供した各合成ゴムの伸びと弓 示し,その順位は次のとおりである。 G) ニトリルゴム 亘)クロロブレンゴム (可 アクリルエステルゴム さの比較を葬る表に (釘 ニトリル(+)多硫化物系ゴム,プチルゴム そこで析出物および発泡の有無,変化率ならびに機械的強度の比 較順位を総合してゴム質材料の優劣を判定すると,耐油性,耐(油 ・R-12)性の合成ゴムはニトリルゴム,耐(油・R-22)性の合成ゴム はクロロプレソゴムが現状では最もすぐれているといえる。 なお多硫化物系ゴムは強度的にはあまり良くないという結果にな っているが,ここで注目すべき点は多硫化物系ゴムとニトリルゴム およびクロ:ロブレンゴムとの混合物はいずれもその機械的強度が増 加していることであり,多硫化物系ゴムは弟2図に見られるようi・こ 油・R-12および油・R-22のいずれに対しても,その長さの変化率は ニトリルゴムあるいはクPロブレンゴムのそれよりも少ないので, ある程度の機械的強度も持ち,さらに膨潤の程度も少ない合成ゴム とLてはニトリルゴムあるいはクロロブレソゴムと多硫化物系ゴム の混合物が非常に有望であるということがいえ,その配合割合など について検討すればさらにすぐれた材料が得られるかも知れない。 4.4 その他の性質について 冷凍機用ののゴム質材料としては以上述べたような性質以外に耐 熱性や電気的性質などのすぐれることが要求される場合が多いの で, 際にゴム質材料を選定する場合にほこれらの性質に関しても 伸びの変化率

油性二1撒二22

引張強さの変化率 十分留意する必要がある。

5.結

言 以上の結果を要約するとつぎのようになる。 (1)耐(油・冷媒)性試験後の長さの変化および棟械的強度の 変化を調べれば,およそゴム質材料の油・冷媒に対する抵抗力の目 安が得られることを確認した。 (2)一般的にゴム質材料に及ばす油・冷媒の影矧も 油単独の 場合は比較的少ないれ 油・R-12混合溶液の場合になるとその影 響はかなり増大し,さらに油・R-22の場合となると著しく大きな 影響を及ぼすことが明らかとなった。 (3)油・冷媒のいかなる組合せに対しても万能なゴム質材料と いうものは,現状では見当らないということを確認した。したがっ て冷凍機用部■∇lとしてゴム質材料を用いる場合ほ,その用途に応じ てもっとも適切な材料を選定する必要がある。 (4)用途こよって要求される特性の萌要度が著しく異なるの で,一概に論ずることほ危険で烏るが,耐膨潤性,機械的強度など を含めた総合的な見地から,冷凍機用のゴム質材料を選定すれば現 状でほ耐油性および耐(油・R-12)性の合成ゴム材料としてはニト リルゴム,耐(油・R-22)性の合成ゴム材料としてほクロロブレン ゴムがもっともすぐれているといえる。 (5)多硫化物系ゴムは機械的強度および耐熱性は劣るが,油・ R-12および油・R-22に対する耐膨潤性が非常にすぐれているので, これと機械的強度が非常にすぐれ耐膨潤性も比較的すぐれているニ トリルゴムおよぴクロロブレンゴムとの混合物についてはさらに検 の 討 地力;あろうと考える。 終りに,本研究に対し種々の資料をいただいた日立電線工場久本 研究部長,吉川課長,渡辺主任に厚くお礼を申しあげる。 参 諸 文 献 (1)B・J・EisemanJr.:Refrig.Eng.,57,1171(Dec.1949) (2)長岡:冷凍,31,3(昭和31-3)

参照

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