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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ

著者名(日)

浅野 裕司

雑誌名

東洋法学

46

1

ページ

1-25

発行年

2002-09-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000757/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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︻論 説︼

中高年の財産管理とリバース・モーゲージ

一 二 三 四 五 目 次 はじめに 米国におけるリバース・モーゲージ 竃o旨鴉鴨の基本概念 わが国におけるリバース・モーゲージ制度の実情 おわりに

東洋法学

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ

   一 はじめに

 高齢期を豊かにする中高年のための持家担保年金制度が再び注目されている。米国では、所得は少ないが資産 がある中高年者が資産を担保に高齢期の生活資金を得る仕組みとして、リバース・モーゲージ︵勾Φ<R器困o辱 ひQ甜8︶の制度がある。  わが国では、リバース・モーゲージはこれまで地方自治体が在宅福祉政策の一環として採用してきた。ところ が、バブル経済崩壊後の資産価値の下落で利用は激減した。政府の二〇〇一年度の社会保障改革大綱には、制度 の活性化が盛り込まれているが、この持家担保年金ともいうべきものが何であるか、制度の現状と課題を見直す 必要がある。  ただし、高齢者のみを対象とするか、その対象年齢の間題がある。国連宣言などの高齢者は六五歳以上である が、このリバース・モーゲージの観念の対象年齢は理論発生国の米国では六〇歳からである。しかし、わが国で 高齢者という一般観念は、長寿国である関係で七〇歳以上であり、年々上昇している。このリバース・モーゲー ジを実施している主な自治体の年齢は、六五歳と七〇歳以上である。従って、わが国では、観念上、五〇歳以上 は中年齢者となる。  なお、フランスでは、﹁ビアジェ﹂というリバース・モーゲージに似た制度が古くから行われているが、法理論 的には異質のものである。

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 わが国における今後の少子・高齢化の進行に伴い、公的年金の給付額の減額は避けることはできない。また、 各種年金には破綻が予想されるものもある。その結果、立派な家屋を所有しているが現金収入の少ない﹁キャッ シュプアー・ハウスリッチ﹂といわれる中高年層が出現することになる。そうした人々に対する公的年金を補完 する制度として、リバース・モーゲージを再検討する必要性がある。介護・医療サービス付のリバース・モーゲ ージの間題、老朽化マンションの建替え促進とリバース・モーゲージの利用に関する間題もある。  そこで、米国におけるリバース・モーゲージの理論と実際、および、わが国における間題点の若干に触れ、大 方の御叱正を仰ぎたいと思う。 二 米国におけるリバース・モーゲージ

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 米国で初めてリバース・モーゲージが登場したのは一九六一年とされている。当初は、民間金融機関が主に富       ︵−︶ 裕層を対象にした金融商品を販売してきたが、リバース・モーゲージを本当に必要とする低所得者向けの金融商       ︵2︶ 品は少なかった。それは、リバース・モーゲージには、貸手側に﹁担保割れ﹂のリスクがつきまとうからである。 例えば、借り手が予想以上に長生きする、金利が上昇する、住宅価格が下落する、といった理由で、担保の住宅 を売却しても債権を十分に回収できなくなる危険性がある。        ︵3︶  そこで、連邦住宅局︵男&R巴=o霧一轟>血且巳ωq蝕o巳略称FHA︶は一九八八年、これらのリスクを回避 するための公的保険制度を発足させた。同年、連邦抵当金庫︵FNMA︶が、リバース・モーゲージ債権を融資

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ 機関から買取り、資金繰りの面でも援助することを決定した。国が自ら融資事業に進出するのではなく、民間金 融機関にインセンティブを与えて普及を図るという方法である。米国では、長寿リスクだけは、ある程度の母集 団が結合すれば保険の論理で回避していけるため、これを民間の保険会社に引受けさせている。不動産下落リス クと金利リスクは、民間では無理な部分があるため、半官半民的なFNMAが負う仕組みをとっている。        ︵4︶  一九八九年に開始された﹁住宅持分転換モーゲージ︵=○ヨ①国∈一け蔓09<Rω一9霞o旨鴇鴨”略称HECM︶﹂ は、一九九七年一〇月期には約二万三千件の融資実績を積んでいる。この制度を運用する米国住宅および都市開 発省︵qψ∪8m暮ヨ①再9=o拐一轟碧αd同げ碧U①<Φ一8目9就略称HUD︶は、HECMローンを保証する機 関であるが、その統計によると、一九九五年春期には借用者の年齢︵中央値︶は七六歳、年収︵同︶は一万四百 ドル、住宅の資産価値︵同︶は一〇万二千ドルであった。高齢者全体と比較した場合、年収は四四パーセント少 なかったが、住宅の資産価値は逆に四五パーセント高かった。また借用者の約六割が独居女性、四分の三は子供 がいないと答えているといわれる。  こうした状況は、まさに、ゴOq器−﹃一〇プ8昏もoo﹃、.を物語っている。HECMは、借用側の条件として居住者が 全て六二歳以上であること、二部屋から四部屋で一家族だけが居住する家屋であることなどを決めている。基本 的に住宅ローンは完済していなければならないが、残高が少なければ、リバース・モーゲージから一時金を受取        ︵5︶ り、返済に充てることも可能である。  理論的な間題は後述するが、実際にどの程度の金銭借用ができるかということである。借用者の年齢、住宅の

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資産価値、金利によって額は変わるが、HUDによると、近年の年利九パーセントのもとで、資産価値一〇万ド ルの住宅を担保に借用する場合、六五歳の者なら約二万六千ドル、七五歳の者なら約三万九千ドル、八五歳の者 なら約五万六千ドルが上限となっている。高齢者ほど長寿リスクは低く、支払う利息も少なくて済むため、多額 が借用できる計算となる。受取方法も選択できる。年金のように一定額を毎月受取る形式として、①受取期間が 決まっている﹁定期方式﹂、②死亡するまで受取れる﹁終身方式﹂の二種類である。また、③利用者の信用枠内で 必要な額だけ受取る﹁極度方式﹂もあり、これに①ないし②を組合せた複合型も含めると、合計五種類になる。 HUDのデータでは、五七パーセントの者が③を選択しているとされる。このHECMのほかに、従来、リバー ス・モーゲージ債権の買取りを行ってきたFNMAもホームキーパーなる方式を取扱い、官民の選択肢はかなり 広がった。それに伴い、利用者のカウンセリングがそれ以来、重要視されている。  HUDプランは最も広範な地域で利用されているリバース・モーゲージ・プログラムである。HECMローン を借用できる資格には、①利用者と、本人以外の家屋所有者が六二歳以上であること、②少なくとも所有者のう ち一人が、利用者の家屋の主たる居住者であること、③利用者の家屋が、一戸建て、またはHUDが承認したマ ンションの一部か、HUDの計画により開発された住宅︵国鋤目8d包けU①<巴8ヨΦ導︶であること、④利用者の 家屋品質が、HUDが規定する最低水準に達していること︵建築基準に違反していない︶、⑤HUDが認可したカ ウンセラー代理人が主催する、リバース・モーゲージの説明会に必ず出席すること、などである。③については、 数戸建て住宅が考慮されている。

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中高年の財産管理とリバース・モーケージ  HECMプランは、さまざまな方式で、現金支給がなされている。利用者は、ローンの総額を、①一時金で受 領する方式、②徐々に増加する借入枠を設定する方式、③特定期間、または利用者がその家屋に居住を継続する 間、毎月受領していく方式、などで受取りが可能である。さらに、④上記のうちのいくつかを組合せること、⑤ 将来その組合せを変更すること、も可能である。HECMプログラムで借入できる金額は、利用者の年齢、ロー ンの予想金利、持家の価値、の三要素により決定される。年齢と金利については、家屋の所有者が複数の場合は 借入人のうち、一番年齢が若い者を基準として、借入金額の算定に適用される。予想金利は、当初適用される金 利とは、ほとんどのHECMローンにおいて異なる。そして、毎週発表される一〇年物国債金利に連動する。  家屋の価値に対する国家住宅法︵Z簿一8巴=2巴鑛︾9︶の二〇三条b項が限度額として規定されている。す なわち、借入できるHECMローンの金額の算定には、家屋の鑑定評価額が使われるが、この評価額については、 地域ごとに限度が定められており、米国大陸部においては七七、一九七ドルから一五二、三六ニドル五〇セントと なっている。当該の家屋の評価額が家屋所在地域の二〇三条b項の限度額を上回っている場合、HECMの適用 対象となる。しかし、借入できる金額は、実際の当該家屋の評価額ではなく、二〇三条b項の限度額に即した金    ︵6︶ 額となる。  HECMプランの費用には、当初取扱手数料、契約締結費用、抵当保証料、ローン管理費、金利の五項目があ る。このうち、契約締結費用については、モーゲージは全て契約を締結するために、さまざまな第三者に対して 支払う費用が生じることはもちろんである。これらの費用に含まれるものとしては、鑑定評価を受けるための費

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用、所有権登記の確認をするための費用、モーゲージ保証料、測量、家屋の物理的状況の検査費、抵当権の登記 に関する費用、抵当権設定税、信用調査費などである。モーゲージ保証は、借入金で賄うことができるが、こ の保証料には二つの部分がある。①家屋の価値、または利用者が居住している地域の二〇三条b項の限度額のい ずれか小さい方のニパーセントを契約締結時点で支払うもの、②借入金額のうち、金利分として増加していく部 分に対して金利への上乗せとして○・五パーセント、の二つである。  HUD−HECMプランの貸出側の債務不履行については、HECMプランは米国連邦政府が保証する唯一の リバース・モーゲージであるので、連邦政府がHECMローンの全てを支援し保証している。もし貸出側が倒産 するとか、または他の理由で約束した現金を借入者に支払うことができなくなった場合、米国住宅および都市開 発省︵HUD︶が貸出人の義務を全て肩代わりすることになる。返済については、最後に残った借入者が死亡し た場合、もしくは家屋を売却した場合には、HECMローンは返済されなければならない。さらに次の事項に該 当することが起った場合、ローンは期日をむかえ、返済されなければならなくなる。①家屋が損傷し、利用者が 修理を怠った場合、②借入者全員が、主たる住居を他の場所に移した場合、③借入者が身体的または精神的に病 を得、一ニカ月継続して主たる住居として住まわなかった場合、④固定資産税、損害保険料の支払いを怠ったか、       ︵7︶ または他の借入者としての義務を果たさなかった場合、などである。  HECMの間題点と課題は、きわめて多いが、長所として考えられる諸点としてはローンが連邦住宅局︵FHA︶  ︵8︶ 保険によって公的にバックアップされていること、死亡、住宅売却、転居以外は返済義務が生じないこと、利用

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ 者が長生きし、住宅価格の値上がりが小さい場合には、ローンコストはトータルではきわめて小さくなる、利 用者向けの総合的なカウンセリングがある、などが指摘できる。なかでも利用者のカウンセリングが重要視さ れており、そこで一役かっているのが、全米退職者協会︵>ヨΦユ85>ωω○ユ畳99園Φ旨8勺Rω9巴略称 AARP︶などの非営利団体である。AARPは、HUDないしFHAに承認された機関のカウンセラーに対し 定期的なセミナーなどにより啓蒙・養成活動を、利用者に対し情報提供などをする。三千三百万人の加入者を抱 えるAARPは、ビデオ、ガイドブックによる消費者教育のほか、リバース・モーゲージの導入に必要な州法改 正のモデル案を作成するなど、政治的な働きかけも行ってきた。この結果、AARPが開発したリバース・モー ゲージに関するモデル州法に従っていくつかの州では融資を規制する州法が改められたため、テキサス州を除く       ︵9︶ 四九州でリバース・モーゲージが利用可能になっている。  一方、課題としては、融資限度算出のべースとなる不動産評価額には最高一六万九五〇ドルまでの地域別上限 額が設定されているため、高額住宅資産を保有する高齢者にとっては不向きである。また、申込から契約までの        ︵−o︶ 手続が煩雑とみられ、三カ月程度期日を要する。融資上、末端の営業所で契約できる商品になっていない。  HECMを想定していない各種連邦法、州法が阻害要因となるケースがある。融資条件開示義務法︵↓益夢営 一9蝕轟>9︶に定められた返済条項は、リバース・モーゲージに適していない。テキサス州のホームエクイティ        ︵n︶ 融資禁止条項も、同州でのリバース・モーゲージ起債の阻害要因となっている。  HECMでは、その機能の一つにFHAによる保険制度がある。この保険は、リバース・モーゲージで融資機

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関側の間題となる担保割れの三大リスクに加え、融資機関の倒産、融資金の不払いなど利用者側のリスクもカ バーしている。保険料は、HECMの契約締結時に払い込む前払い方式と、月払い方式の二本立てで支払うこと になる。実務上の詳細は省略するが、保険料率は商品設計時に契約者全体の年齢分布、五種類の融資方式の選択 率などを想定して保険数理的に決められるので、利用者にとって有利に設定されている。利用者が債務不履行を 起した場合、保険は最高クレーム金額までカバーするが、実際には融資総額のうち住宅価格を超える部分が融資        ︵12︶ 機関に支払われる。  リバース・モーゲージからいくらお金を受取ることができるか、という最も関心のある問題がある。受領方式 の基本的な種類は、一時金受領方式、借入枠方式、月次受領方式がある。このうち、月次受領方式とは、一定の 金額を毎月受領していく方法で、毎月小切手が送られてくるものと、利用者の預金口座に自動振込みされる場合 とがある。貸出側がどの程度の期間、現金を送り続けることに合意するかという点で、いくつかの方式に分かれ る。①確定期間受領方式は、利用者が契約締結時に選択した期間だけ現金を送る方式である。②居住期間受領方 式は、利用者がその家屋の居住し続ける限り現金を受領できる方式である。③終身受領方式は、どこに居住しよ うとも生存している限り現金を受領できる方式である。  終身受領というのは、リバース・モーゲージにアニュイティー︵終身月次保険︶を組合せることにより保証さ れるものである。典型的には、一時金として受領した金額から、利用者の名義でのアニュイティーが購入される。 アニュイティーとは、生命保険会社との契約で、多用者の生存期間、毎月一定の金額を受取ることができるもの

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ である。しかし、これらは、アニュイティー、すなわち、生命保険からの支払いになる。従って、融資からの支 払いではないので、受取り金額の一部が課税対象になる。また、これらは、利用者が有するさまざまな他の政府 のプログラムの適格性を失わせる、あるいはその受取り額が、大幅に削減される可能性がある。例えば、補完的 所得保証︵ω后巳①B①旨巴器2ユ蔓営8ヨの︶プログラムでは、アニュイティーから一ドル受領すれば一ドル削減 される。しかし、このプログラムでは、受益者の流動資産の一定額︵単身二千ドル、夫婦三千ドル︶以下に抑え ることになっているので、影響がどうなるかという間題がある。補完的所得保証を受給している場合は、リバー ス・モーゲージでは実際に使う必要がある金額以上を月々受取ることはできないとされている。補完的所得保証 の受益者はHECMを利用して月々受取る融資金を使い切っていないと、これらの融資金を流動資産の一部とみ       ︵13︶ なされ、補完的所得保証自体の受給に影響がでる可能性もある。 10 ((

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)) ︵3︶ ︵4︶  囚①bω魯o一ΦpKOξ器毒寄酵Φ日①導器ωけ国肉鵬苗Oo拐ロBRO三血Φ8匪Φ器≦寄<Rωo竃oほ鴇晦。ρ一8㎝●  Z&g巴幻o<RωΦζ○詳鴇鴨い。区Rω>ωωo。壁江opZ勾冒一>ω魯a巳ΦωN。。一彗目巴8鼓段窪8g 園Φ<RωΦ竃o#盤鴨︷oHωΦ讐①BげRN。−N⑲ぎZ①毛○ユ8昌ω.  ↓げo閃国>頃oヨΦ国ρ鼠蔓Oo昌く震ω一〇昌鼠○目眞”閃Φ一霧仁声昌8UΦBoづω霞魯一〇昌“︾冨oq①一80巴o巳讐Φωo雫 8毛R評くBΦ暮ω四&ヨωξき8田ω更菖臣類鋤巳ω昌ヨき・ω貫=2ωぎひQ固墨蓉Φ︾冨一琶ωU三ω一〇pO旨8 。︷勺。一一昌Uの<。一8ヨΦ旨僧旨α園①ω$3FdφUΦ冨詳目Φ旨9国。琶轟きα9σきU①<Φ一8BΦ鼻09。び段 一〇8︶。  勺邑一巨g曙国く巴惹け一go︷浮Φ=oヨΦ国ε一蔓Og<①邑g寓○耳鴇鴨目ω貫き8uoヨ・諺辞毘o目閑80辞8

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︵5︶ ︵6︶ ︵7︶ ︵8︶ ︵9︶ ︵10︶ ︵n︶ ︵12︶ ︵13︶ Oo躍おωω︵○窪8・噛℃・一凶昌UΦ<巴8BΦ再きα国ΦωΦゆ賊。戸qψU8巽冒①旨○胤缶8ω腕躍きα9びきU①くΦ一〇〇− 旨①鼻U8Φ日びR一。旨︶一  ケン・ショーレン著・筒井豊春・宮本巌・神谷秀樹︵訳︶﹁リバース・モーゲージの手引﹂︵東洋経済新報社一九九 五年︶八八頁以下。  ω30一①戸因Φp肉§ミ§鳴ミ㌧ミ◎ミ鳴O§S詳寅§器、O禽ミ鑓§O§さミ歳◎ミ恥§導﹄..謁ミミ砺筏、 ミミ 斜轟魯Z蝕o尽一 〇〇昌R8目=o日①国2芽Oo嚢Φ邑op>薯一Φく毘Φざ困7一8F qωbΦ冨﹃冒Φ日o︷国○拐一鵡きαd吾磐U①<Φ一8旨窪け嵐oミ鳴肉命ミ骨O§ミ鳶§ミミ尉薦8、爵§き。審 心い 06動﹄肉肉勺ート薯鋤ω匿昌讐○昌Uρ一〇漣。 ω蜜Nヨ餌poω犀一”冒‘国α≦舘血9S壽憩嵐oミ鳴駒qミ曼Oo§ミ房ご§ミo\尉貸晦鳴㌧§簑ミミ驚b馬ミo§oっ誉蕊軌O§㍉﹄ ミo駄災むGミミN慰鳴切oミOミミ、ミミ鳴ミ冴貸§織∼§簑ミミ題肉蹄鳶d。ω●UΦO僧旨BΦ艮o︷国o仁ωぎαQ鋤昌qdHび曽β U①︿Φ一8BΦ鼻≦餌ω圧轟8pUρ一。。。。 ︾BΦ誉き>ωωo。一匿80︷寄費8℃Rωo拐︵︾︾園b︶’ミミ職盟翼鳴卜§§ざミ蕊鳴ミミ磁亮塁ミ駐ミ苓 賢O郵Uρ一80● 住信基礎研究所・村林正次・山田ちづ子編著﹁超高齢社会の常識リバース・モーゲージ﹂︵日経BP社一九九七年︶ 二二六頁以下。 ︾B98昌︼W巽︾ωωo。蛋一8・毎母◎ミ趣、吻Oミ魯む嵐。ミ鴨肉命ミ愚O§ミ這§”OOBヨ一ωω一90⇒びΦ磯巴零oび− 一Φヨωo︷浮o国α①ユざ≦曽ω匡廊8PUρ一8㌣ OO霧二日R、ω〇三αΦ8缶o旨Φ国εぞOo薯Φ邑g−=oヨΦ−ζaΦ竃○器矯︵︾日Φユ8昌︾ωωo。舜一go暁寄費8 ℃Rωoβ“跨8庄op一8ω︶。  dω。UΦ唱四旨ヨ①算○噛=o¢ωぎ磯曽昌αd﹃σ餌づUΦ<Φ一〇℃日①づけ肉魁ミミ&ご§鳥\咋醤鳴震oミ鴨肉qミ曼Oo§ミ蕊ごミ ミ◎\ 曜薦鳴㌧ミ 簑ミミ愚b鳴ミo§の妹ミ職o斧譲霧霞昌讐oPUρ一〇謹・ 国く巴轟什一g9浮Φ国oBΦ国2凶蔓08<①邑8寓o#ひQ﹃謎ΦH昌ωξき8UΦ日o霧霞曽こo昌勇80旨800昌ひQH①ωω ︵○窪89勺o一凶身UΦ︿Φ一〇唱ヨo耳曽&勾①ω①巽o戸qo D●U①冨旨日Φ旨o眺麟2ω一轟曽づαd&きUΦ<巴8ヨΦ鼻 冨貰oび一〇3︶旧 11

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ =・幕国2一蔓08<Φ邑。昌寓・昌題鵯H霧員き8∪昏。⇒ω5叶一gO。琶ωΦ目↓邑乱轟鋤&園Φ脇Φ目窪8匡き仁巴 霊づ巴U轟坤︵︾目9。き︾ωω8蜂一39閃Φ爵8勺Φ同ω8ωOgω二BR︾庸巴おωΦ。江Op男Φぼ轟員一8。︶●  なお、これまで、リバース・モーゲージに触れた文献は多いが、直接的なものとして、山田ちづ子﹁アメリカに おけるリバース・モーゲージ最新事情﹂︵年金住宅福祉協会﹁年金と住宅=九九七年二月号所収︶、同﹁リバース・ モーゲージとは何か1資産価値の個人と社会への還流1﹂︵全国社会保険共済会﹁社会保険共済﹂一九九七年 春号所収︶、同﹁リバース・モーゲージ新時代の胎動ー”加齢社会”における生活保障システムの再構築1﹂ ︵住信基礎研究所季報コ践菖﹂恥25所収一九九七年七月︶。  松永明﹁リバース・モーゲージ制度の間題点と解決方法﹂︵社団法人日本住宅協会﹁住宅﹂祠四八、一九九九年 三月︶。  飛田英子﹁リバース・モーゲージの普及促進に向けた課題﹂︵冒冨昌勾888げ勾Φ≦Φ名二〇〇〇年五月号︶。  高浜市情報公開﹁リバース・モーゲージ条例について﹂平成二二年四月一日施行、などが注目される。 12 三 三〇30q品Φの基本概念 勾Φ<R器竃e眞囲8は、基本的に竃自薦詔①︵譲渡抵当︶理論の発展であるから、寓o辞脇鴨を概観しておく 必要がある。 英米法上、匡o旨鴇鴨は、債務の履行を担保するため、不動産または動産を債権者︵譲渡抵当権者竃自眞囲8︶ に移転することをいう。  譲渡抵当の設定は、証書︵≦簿9昌ぎ馨匿ヨΦ旨︶を用いてなされるが、 その法的形式はさまざまであり、一般に

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は、不動産に対する長期の一雷8やコモン・ロー的な法的負担︵一農巴o冨茜Φ︶の設定などによる。また、譲渡抵 当となりうる動産︵ヨ自鼠諾窪亘Φ魯讐琶ω︶は法律上、特定の種類の財産に限定されている。これに対して、債 務の履行があれば、その財産は債務者︵譲渡抵当権設定者ヨo吋邸畠雲︶に返還される。また、債務者保護の見地 から、エクイティ法理により、所定の期日までに債務の履行がなくても、すなわち担保物に対し、コモン・ロー 上、失権していても、債務者は、受戻権︵8鼠蔓9お8目旨9︶を有し、債権者が受戻権喪失手続︵8お巳o雲お︶       ︵−︶ をとるまでは、元本・利息・費用などの支払によって担保物を取戻すことができる。  米国においては、英国のように譲渡抵当を一つの不動産譲渡︵8ミ亀き8︶とみなし、これによって抵当物に 対する権原︵葺一Φ︶が譲渡抵当権者に移転するとする州もあるが、こうした権原移転理論︵鼻一Φ跨8蔓︶による 州以外に多くの州では、譲渡抵当は、法的にどのような形式で行われようとも、単なる先取特権︵一一窪︶の設定 にすぎず、譲渡抵当権者に抵当物に対する権原を取得せしめるものではない、とするリーエン理論︵一一窪浮8曙︶ をとっている。このリーエン理論によれば、譲渡抵当権者は単なる先取特権のみを取得し、受戻権喪失手続がと られない限り、占有などを有しないものと解される。米国では、受戻権喪失手続︵8890霊お︶は譲渡抵当の 各種の実行手続の総称に用いられることが多い。また、権原移転理論とリーエン理論の混合的・中間的な理論        ︵2︶ ︵専ぼ箆浮8曙Vも有力である。  英国におけるヨ9薦甜①の基礎となるべく観念は、﹁目9眞禮①は金銭の支払やその他の債務負担の弁済を担保 とするためになす土地の移転︵蝉8薯昌嘗89冨且︶もしくは動産の譲渡︵き霧巴讐ヨΦ旨魚o富辞①芭であ 13

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ る﹂とするのが、もっとも有名︵留旨一昌ダ≦ま①︵一。 。8這07ミ“事件においてリンドレイ判事︵霊且一①ざ竃勇●︶ によって論述された︶である。従ってヨo昌懸鴨は、ω譲渡の目的財産は債務の履行を担保するために提供された ものであること、@目的財産はその権利を債権者に譲渡することによって得られたものであること、の二つの要          ︵3︶ 素からなりたっている。こうして、譲渡抵当として財産権を移転する者を目R眞摺9︵譲渡抵当︵権︶設定者︶と よび、この財産上に譲渡抵当として権利を取得する債権者をヨ9眞品8︵譲渡抵当︵権︶債権者︶といい、このよ        ︵4︶ うに担保された債務をヨo誹鴉鴨8耳︵譲渡抵当債務︶という。  ヨo昌ひQ餌ひq①の変遷については、省略するが、英国一九二五年法は普通法上の譲渡抵当︵一Φ鴇一日o昌鴇鴨︶の設定 方法につき、債権者に一①鴇=8ω魯o匡を付与する方法と一畠巴o冨茜①を設定する方法とを採択した︵一〇毒9 即8震な診9一89ψ。 。㎝︶。譲渡抵当には、コモン・ロー上のもの︵一Φ鴨一Bo旨隠鴨︶とエクイティ上のもの ︵8岳富巨Φ旨○旨鵯鴨︶とがあるが、英国ではコモン・ロー上の譲渡抵当は土地については一〇類9質8R蔓8け ︵財産権法︶および一き匙9畦鴨ω碧併︵土地負担法︶以来、その土地に対し︵一番抵当の場合︶、長期のときは例 えば三〇〇〇年のけR琶9巻貰ω︵定期不動産権︶を与える一8器︵不動産貸借︶の形をとり、または、土地に対 するコモン・ロー的負担︵一畠巴魯舘鷺︶を設定することによってなされる。すなわち、一畠巴日o辞鴉鴨の設定 の合意は、AがBから金銭を貸してもらうことを8拐こ震呂9としてBのために一畠巴日o旨窓鴨を設定するこ とに同意するときは、ここにBのために8三$配①ヨoほ窓鴨が成立する。そして、Bが現実にAに金銭を貸与す るならばBはAに対して特定履行︵89強o冨珠自ヨ碧8︶を訴求することによって一罐巴ヨo昌鴉鴨の設定を強 14

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        ︵5︶ 行することができる。なお、この合意は、ご口︾這謡あ●きの要求する覚書︵日Φヨo轟巳仁ヨか、       ︵6︶ 行為︵碧什9冨旨冨塊9目碧oΦ︶の要件を備えているものでなければならない。前述のように、 て取得できる一β巴ヨ自眞轟のの一Φ覧=RヨΦは三〇〇〇年である。 または一部履行 特定履行によっ パパ

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 O.ρOプΦω匡﹃ρ↓げ①]≦○αo旨一㊤巧o賄幻Φ巴閲﹃o℃R蔓”一〇お。唱6①o  O.国.三。≦巴α8F↓げΦU四≦o賄竃○誹閃鎚鵬Φρ一30.サピ 頁∼五六七頁。  前掲﹁英米信託法辞典﹂一五一頁。田中英夫編集代表﹁英米法辞典﹂︵東京大学出版会・一九九一年五月︶五五六  ﹁英米信託法辞典﹂︵海原文雄・砂田卓士編・金融財政事情研究会・平成八年四月︶一五〇頁ー一五一頁。 o●  水島廣雄﹁イギリス譲渡抵当の変遷とその内容﹂法律時報第二八巻第一一号三〇頁以下。  水島廣雄﹁イギリス譲渡抵当の変遷とその内容︵二・完︶﹂法律時報第二九巻第三号一一一頁以下。 四 わが国におけるリバース・モーゲージ制度の実情

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 わが国でいうリバース・モーゲージとは、高齢者などが自己所有の家屋を担保に、金融機関や自治体などから、 自宅に居住しながら、毎月、金銭を借入して生活費に充当し、死亡もしくは契約終了時に、その所有家屋を売却、 処分するなどして借入金を一括返済する方法である。最大の特徴は、年金のように毎月一定額を融資することで あり、死亡時、あるいは契約期間満了時まで、返済は猶予されるという点である。返済資金も自宅売却によって 15

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ 賄うということであり、借入金残高が時間とともに減少する通常融資とは反対に借入金残高が時間とともに増加 する。この意味でリバース︵逆︶モーゲージ︵抵当融資︶といわれている。中高齢の家屋所有者が﹁ゆとりある生 活﹂をしていく上での自助努力方法の一つで、年金を補完するという面もある。  自己所有の家屋に居住し続けることは、生活環境を変えることなく、その資産価値︵ストック︶を少しずつ現 金︵フロi︶化していく方法である。  年齢の間題は、わが国の一般的概念で高齢者という場合、七〇歳から七五歳以上を想定するであろう。それは 長寿国として観念は上昇している。自治体と利用条件の対象者の年齢は、六五歳と七〇歳以上というのがほとん どである。  リバース・モーゲージ制度実施自治体と利用条件の実際をみてみると、一九八一年に武蔵野市を皮切りに、 二〇〇〇年末には一七の自治体が導入している。  武蔵野市の場合は、同市福祉公社が窓口となり二〇〇一年七月、現在、二〇世帯が利用し、累積利用件数は約 九〇世帯、貸付総額は二二億五千九百万円となっている。利用が少ない印象を受けるが制度導入自治体の中では 突出して多い。土地付一戸建住宅やマンションを担保に、生活費︵一人月額八万円︶、医療費︵一人月額七〇万円︶、 住宅改修費︵一件当り一〇〇万円︶などを借入することができる。融資期間は原則三年で、その後は一年ごとに 更新する。借入限度額は、住宅担保で土地評価額の八○パーセント、マンションでは五〇パーセントという条件 が付く。借入金は契約者の死亡時に元利一括返済するが、それまでに担保物件の評価で決まる借入限度額になれ 16

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ば、その時点で契約終了となる。  一般に利用が伸びない最大の要因は、自治体の多くが担保評価額に最低ラインを設定していることである。武 蔵野市は、担保評価額下限なしであるが、東京都内ではおおむね五千万円︵土地︶、大阪市は一億円︵土地︶とな っている。担保は、土地に限っているところや、マンションを含めないところも多い。また、マンションの築年 数や床面積などに条件がある場合や年齢によって融資限度額が変わる場合がある。民間の信託銀行がディリバ ティブとして販売してきたケースでは、信託銀行の担保は土地に限り評価最低額は、おおむね二億円以上である。 これは一定額以上の資産がないと利用できず、土地価額の下落により利用が困難となる傾向にある。自治体のほ とんどが相続人全員の同意を必要としており遺産間題も要因になっている。  住宅・土地を担保とする制度には、担保割れリスクの間題がある。﹁不動産評価額︵地価︶下落﹂、﹁金利の変動﹂、 ﹁契約者の長生き﹂が三大リスクとされている。これまで、公的プランは自治体が直接貸付ける融資方式と、自治 体が窓口になり金融機関に斡旋する形式がある。この直接融資の場合、金利は年利五パーセント程度、融資額は 評価額の七〇パーセント以内︵マンションの場合は五〇パーセント以内︶を条件としている。金利の大幅上昇や 地価の下落が担保割れのリスクとなる。また当初は修身︵一〇〇歳を想定︶にわたり融資が受けられることが前 提であったが、バブル経済崩壊後の地価の大幅ダウンで融資総額が限度に達し、その後の融資が停止される例も あった。担保割れしたらその時点で契約は終了し、利用者は融資金と利息を返還しなければならない。利用者が 現金を調達するかして一括返済するか、融資した側が担保の家屋を売却することになる。二〇〇一年後半になり 17

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ 地価の下落は、信託銀行にとって全く割の合わないディリバティブになってしまった。最も実績が多いとされた 信託銀行は、九一年頃は、二二〇件程度の契約を締結していたが、二〇〇一年七月期は約七〇件に減り、新規契 約はない状態となった。市民への選択肢の一つとして制度を存続させる意向の武蔵野市でも、これまでトータル では大きな損失にはなっていないが、それは利用者が死亡後、残存財産を市側に寄付するケースがあるからであ る。いずれにしても今後の担保割れを懸念はしている。土地偏重脱却も必要なところであるが、他に何をもって するかという大きな間題もある。  リバース・モーゲージの利用について、わが国では契約当事者双方にとっての問題があることは触れてきたと ころである。それをまとめる意味で融資者側と利用者側に分けて指摘しておきたい。  融資者側の問題点 ①﹁長命リスク﹂利用できる者は六五歳以上を対象とし、平均余命を前提に終身定額の 給付を受けるが、長生きした場合に給付打切りをしなければ債務超過となり担保割れを生じる。②﹁金利上昇リ スク﹂採用される金利は経済情勢の変化とともに常に変動する傾向をもっており、契約後、金利上昇すれば担保 割れを生じる。③﹁不動産価格下落リスク﹂バブル経済崩壊後、不動産価格は約一〇年にわたり下落を続け、や っととまる傾向を示しているが、金融システムの崩壊など予断を許さない状況であり、余命二〇年を前提とした 二〇年後の不動産価格がいかに推移するかは推定が難しいため担保割れを生じる可能性がある。④﹁資金調達の 困難性﹂利用者が死亡するまで長期間にわたり融資するため、急激に普及した場合、融資機関は資金調達をどう するのか、一つの地方自治体では今後対応できないことも考えられる。 18

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 利用者側の問題点 ①﹁融資打切りのケース﹂担保割れが生じた場合、利用者は融資を打ち切られる懸念が ある。②﹁建物価値なし﹂二〇年後の建物価値は一般不動産市場ではおよそ価値なしと判定されるため、土地の 価値のみで利用者はわりきれないものを感じる。③﹁最低担保額三千万円以上﹂利用する担保提供不動産が三千 万円以上とハードルが高く、さらに評価額の五〇パーセント程度の掛目で融資限度額が決まり、マンションは適 用外となっており利用できる範囲が限定される。④﹁早死リスク﹂契約後、病気・事故などで早く死亡すれば相 続人への清算が間題となる。⑤﹁利用者の相続人との関係など﹂物件の所有権移転や資金受領権の相続性がない。 ⑥さらに遺留分減殺請求との関係、利用者の身分関係︵離婚、婚姻の発生︶、利用者の行為能力、利用者の破産、 などは相続について間題となってくる。  しかしながら、これらの諸点は、精神論は別として、今後の相続法上の改正、税法上の措置により解決策は多 岐にわたる。また、国家プロジェクトとしてリバース・モーゲージを推進する要因として、年金間題、担保不動 産の流動化、中高年の自立型生涯設計の確立、介護制度の充実、不動産の適正評価システム、成年後見制度の拡 充、リスク保険の設置などにより、従来型のものからより普及させることも必要である。  信託とリバース・モーゲージの間題は、今後、介護や医療サービスに関係して重視することが考えられる。中 高年が生涯所得と所有財産を信託して、生活費、介護・医療費の発生に備え、設計・運用してもらう、単純に死 亡時に所有資産を換価することを担保に、一定期間一定額の融資を保証するのではなく、より弾力性に富んだリ バース・モーゲージを実現する必要がある。現在の民間方式では、信託銀行が遺言信託との組合せで行っている。 19

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ 現在でも公的な医療保険や介護保険、そして年金制度が存在するし、私的にも各種の保険や貯蓄制度が存在する。 それらを有機的に組合せた上、必要最低限のサービスをある時点から生涯にわたって保証することができれば理 想である。一般に利用者は、根抵当方式か信託方式のどちらかを選択することになる。信託方式を選択すると、 期間中の所有権の移転、信託受益権証書の発行、信託受益権への根質権の設定、遺言信託の締結などの手続きは、 資産の管理・保全や契約終了後の清算をしやすくするためには本来有効な手法である。今後は居住用不動産の活 用によるリバース・モーゲージだけでなく、全ての資産の管理・運用・処分などを包括的に委託される安全性の       ︵−︶ 高い仕組みとして信託方式を活用し、信託そのものの一般的理解と普及が望まれる。  なお、フランスには、古くから﹁ビアジェ﹂︵≦罐R︶という持ち家を活用して老後の生活を保障する制度があ る。これが一般に、米国のリバース・モーゲージに類似の制度として対比されるが、法体系も全く違い法的構成 も異なっている。ビアジェが米国のリバース・モーゲージやわが国のリバース・モーゲージと最も異なる点は、 公的機関や民問金融機関を通さず、売り手である持ち家所有者と買い手︵個人︶の間で一対一の相対契約として 成立することである。家屋物件の所有者と投資家による直接的な不動産売買契約を設定し、通常は売買代金の支 払いは二〇パーセント程度の一時金︵頭金︶と残金の分割払いとなる。ただし、売買代金の総額と売買契約によ る物件引渡時期が不確定となる。売り主が終身︵死亡まで︶居住を続けることを希望した場合は、平均余命表に 従い、賃料相当額を差し引いて売買代金の総額を計算する。終身︵生存する限り︶、当初に定めた一定額を計算上 の予定額をオーバーしても支払い続ける義務が買い主側に発生する。また、買い主は、生命保険への加入が義務 20

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付けられており、買い主が死亡の場合は保険金で支払いが継続され、権利の譲渡や相続も可能である。フランス 民法では、契約法上、射倖契約とされ︵一九六八条∼一九八三条︶ている。これまでは、一般的な制度として認知 はされてきたが、住宅ローンや公的年金が普及し、平均寿命が伸びていることもあり、今日では必ずしも有利な 住宅取得方法ではなくなりつつある。高齢者の死期を賭けるという射倖的な感覚が間題でもある。年金制度の充 実や生命保険さらには金融商品で代替可能になりつつあることが、ビアジェ契約の盛衰とも関連しているともい     ︵2︶ われている。スペインでも、ビアジェと類似した﹁レンタビタリシア﹂という制度があり、不動産の売買に関し て締結する終身定期年金契約の形式をとっている。しかし、買い手が個人ではなく保険会社である特徴をもって いる。売り手は、不動産を現物のまま一括払いの保険料として保険会社に納入し、保険会社は物件の市場価格を 基本に定められた金額を保険金の給付として年金式で支払う仕組みである。この契約では、売り手は一定の年金 を受取りながら、終身にわたって継続して居住できることが保証されている。もしも、わが国でこれに類似した ことをしようとするならば、買い手である保険会社が不動産を現物のまま保険料と見立てて終身年金化できるか が、検討課題となる。フランスのビアジェは、わが国の現行法の下でも、不動産売買契約、終身定期契約、使用 貸借契約の三つを包括した契約として構成することも可能である。しかしながら、わが国の現行のリバース・ モーゲージを普及促進するための施策を考えなければならないので、将来における参考課題とすべきであろう。  わが国でも、既に、リバース・モーゲージシステムの利活用による老朽化マンションなどの建替え促進と財政     ︵3︶ 効果の研究が進められている。リバース・モーゲージシステムを利用することによって老朽化マンションの建替 21

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中高年の財産管理とリバース・モーケージ えの阻害要因となっている高齢者世帯に対して一定の解決策を解明しようとするものである。  リバース・モーゲージを総合的な検討課題のなかで、公的年金の積立金を運用する特殊法人﹁年金資金運用基 金﹂の住宅ローン事業が焦げ付いている間題が浮上した。こうしたことも米国の実例を参考により研究する必要   ︹4︶ がある。 ︵1︶ ((

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)) ︵4︶  現行のリバース・モーゲージに関する研究の一端については、拙稿﹁高齢者福祉政策と信託法理の活用﹂︵昭和六 一年三月︶国学院大学紀要二四巻、﹁信託財産の意義と財産管理間題について﹂︵平成七年九月︶東洋法学第三九巻 第一号、﹁高齢者の財産管理と信託法理の活用﹂︵平成八年二一月︶小野幸二教授還暦記念論集・二一世紀の民法、 所収。  佐藤一雄﹁不動産証券化の実践﹂︵ダイヤモンド社・二〇〇二年一月︶二七三頁以下。  田中正秀・田中啓一﹁リバース・モーゲージシステムの利活用による老朽化マンションの建替え促進と財政効果﹂ 会計検査研究輪24・二〇〇一年九月号、八七頁以下。  内Φ目Φ島コ=餌一ご目○旨ひQ諾ΦOo霧仁BR8墜9ω。一・ω霞Φ=ききooFN。。。−N。。一Φ創<o一、一 22 五 おわりに  わが国でリバース・モーゲージ間題を取り上げるとき、高齢者の財産管理問題として一般にとられがちである が年齢に直接関係はない。ただし、生涯設計として考えた場合、老後の生活の心配は六五歳以上の自分が経済的 にどうなっているかであろう。わが国は、長寿国になっているので、七〇歳を高齢者とするか、七五歳以上を充

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当させるかの間題であって、六〇歳は中年と考えるべきであろう。  年齢になぜこだわるかというと、現代社会では自分が五〇歳になった時点で、収入や家族の生活がどうなって いるか、遅くとも四〇代初めに考えるのが普通であろう。将来に対する不透明感が強まるなかで、生涯にわたっ て安定した収入を得ることができるリバース・モーゲージに注目が集まるのは当然である。近年停滞状態にある といわれる要因として、超長期にわたる融資制度にとって不可避な担保割れリスク、土地を金融資産に比べて優 遇している相続、融資条件の厳しさ、などの制度的要因に加えて、精神論として問題にされている子孫に財産を 残そうとする日本人の遺産動機の強さという心理的要因が挙げられる。リバース・モーゲージシステムを採用す ることが資産活用上不利という経済的要因も指摘される。高齢者にとっては、生涯安定した融資を受けられるの でメリットが大きいものの、遺族にとっては清算のコストを全て負担するというデメリットが発生する。すなわ ち、担保不動産の売却によって返済が行われる場合、遺族は不動産を相続できないにもかかわらず、不動産に係 る相続税と、売却益に係る所得税を払う義務が生じる。しかし、リバース・モーゲージは、老後の所得保障や世 代間不公平の是正などを通じて、わが国の中高年社会に融合するのは必要不可欠である。従って、遺族の経済的 コストを軽減するための税制面での配慮、担保割れリスクをヘッジするための保険機構の創設、選択肢の多様化、 などの思い切った政策実施により、この制度が早急に普及されることが求められる。一九八一年に武蔵野方式と して導入されて以降、自治体や信託銀行などで採用されてきたが、平成二二年三月二六日、高浜市リバースモー ゲージ条例が本会議において全会一致で可決され、同年四月一日から施行された。同条例の概要は、この制度は、 23

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中高年の財産管理とリバース・モーゲージ 高浜市内に土地・建物︵一戸建て︶を持ち、そこに住んでいる高齢者に、その土地・建物を担保にして、在宅生 活に必要な資金︵いきいき資金︶の融資を協力金融機関︵JAあいち中央︶に斡旋するとともに、融資に伴って 生じる利子相当額を市が無利子で貸出するものである。土地・建物はあるけれども、年金など現在の収入だけで は生活に不安のある者に、在宅生活に必要な資金︵いきいき資金︶を協力金融機関︵JAあいち中央︶と提携し て融資をする。融資を受けられる者は、①市内に一年以上居住のおおむね六五歳以上の者、②一人暮らし、また は配偶者と二人暮らしの者で同居人のいない者、③現に居住している本人または配偶者名義の土地・建物を担保 に提供できる者、④法定相続人全員の同意を得られる者、⑤法定相続人のうちから連帯保証人を選任できる者、 である。  担保対象不動産は、①本人または配偶者名義の土地付き一戸建て住宅︵マンション、借地は不可︶、②抵当権な どの所有権を阻害する権利が付着していないもの、③土地の評価額が二〇〇〇万円以上のもの、である。  融資する金額などは、①協力金融機関から月額六万円を限度に融資する。ほかに、臨時の医療費、住宅改修費 などの申込みもできる、②融資限度額︵利息を含む︶は、担保不動産評価額の七〇パーセント以内とする。なお 必要に応じ担保不動産評価額を見直し、融資限度額を改定する、③融資利率は、長期プライムレートの変動型と する。融資に伴う利息の金額を、清算時まで市が無利子で立替える、④融資期間は、一〇年を基準にし、必要に 応じ短縮、延長の相談に応じる、としている。  返済については、融資契約終了後、原則として担保不動産を処分し、利息を含む融資合計額を返済してもらう 24

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︵連帯保証人など相続人による一括返済もできる︶、となっている。  わが国は、世界で最も高いといわれる住宅の持家率は、六五歳以上では八割近くに達している。このような居 住資産を利用ないし活用していくことが高齢期の豊かな生活の一助となるとともに社会保障関係費を低減するこ とにも直結する。このため、資産価値の高い自己居住資産をリバース・モーゲージによって有効活用することが、 高齢期の豊かさを相当程度に維持できる。その前提としては、これを促進する公的機関の積極的な関与が必要で ある。都市部におけるマンションの建替えにリバース・モーゲージを制度的に活用できるならば再開発にも有効 な手段となりうる。わが国においてリバース・モーゲージが相当程度普及し、なおかつ安定するまで、米国の HUD−HECMが採用しているような公的保険制度を導入する必要がある。  信託方式の普及についても、まず、信託法理論の理解が一般にできるような努力をしていく必要がある。これ がまたわが国における信託法の発展につながることになるであろう。  蜜o旨題鴨の基本原理は重要であり、その進展が今日の米国における豊かさを支えている一部でもある。この 冨○旨鳴鴨に関し、大学院において、水島廣雄博士から﹁イギリス譲渡抵当の変遷とその内容﹂を中心として、御 懇切に御指導いただいたことを心から感謝申し上げたい。  このリバース・モーゲージは、今後、社会福祉政策のなかで重要な役目を果たし、普及もし期待もされること になろう。 25

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