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楽しい研究者生活

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Academic year: 2021

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!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 私も若い若いと思っていたのだが,生化学会のポスター会場で自分より上の方に会うことはほとんどなく なった.ところが懇親会に出ると,ほぼ30年前の出来事が再現されたように懐かしいメンバーに出会う. 「おい,石浦君そのワイン取ってくれ」「ハイ,先生」という楽しい会話がずっと続いている.これはいった いどういうことなのだろう.生化学会は本当に発展しているのだろうか. 現実を見ると,50歳を過ぎると研究費の偏りは激しくなり,必然的に,良い仕事(と言われるNature な ど)の論文がないと,大きな研究費が来なくなる.審査員が研究費をたらい回しにしているというのは負け 犬の遠吠えだが,本当に無意味なことだがインパクトファクターを足し算したものを基準に比例配分してく れたらなあ(それに院生の数をかけてちょうだい),というのはある意味では本音である.45歳以下の人だ け可能,という研究費の応募基準を見ると,私たち熟年を差別していると言いたくなるが,私も声を大にし て「定年になった研究者は大学で現役と同様な資格で研究すべきでない」と言っているので,どっちもどっ ちだ.しかし,海外の猿真似をして年齢(やその他の)制限をすべて取り払うと,きっと米国のように大学 教授は80歳を超え,若い人はテニュアをとるのに苦労し,正式な教員にほとんどなれないような時代がす ぐ来るような気がする. ではどうすればいいかというと,それは簡単である.定年は65歳,それ以降,大学に残りたければ,審 査を経てアドミニストレーションに専念するか,教育に専念するかを選ぶ.もちろんいろいろな審査員も, 学術会議会員も,政治家も,研究費配分も,すべて65歳まで,とすればいいのである.大体65歳にもなっ て「自分は若い者より良くできる」と言っているような者にはろくなのがおらず,弟子も育てられなかった, と自分で言っているようなものだからである.こんな人がいないか,皆さんの周りを見てくださいね.では 貧乏が困るかというと,そうでもない.少ないお金で工場のような大研究室の鼻を明かすほど,痛快なこと はないのである.「要するにアタマなんですよ」と言いたいために研究をやっているようなものである. 最近,若者の科学離れが激しい,ということが話題になっているが,もちろんその責任は教員である.役 人のせいにはしたくない.教員(と親)のレベルが低いからである.一般の若者だけではない,大学院生の レベルも確実に下がっている.「この研究室に来ると研究を手取り足取り教えてくれますか? この研究室 を出ると大学の先生になれますか?」という学生が訪問に来る時代であり,2チャンネルの掲示板には各研 究室のウワサが蔓延しており,私の場合は「教員が学生に自分で考えろと言って教えてくれない.学生が各 自で専門家のところに聞きに行かなければならない.」と書かれるくらいだから,推して知るべし,である. どんな人でも3―4年研究すれば例外なく一仕事できるものなので,「自分で論文を書かないとだめですよ, 論文があなたの将来を決めるんですから.研究するということ,博士に来るということは,そういうことな んです」と言っているのだが,今の院生たちはわかっているのだろうか.是非,わかってください.そもそ も,仕事も出ていないのに会社が社員に取ってくれるとでも思っているのだろうか.論文もない人が助教 に,博士出たての人が准教授選考に応募する時代である.バ〇〇ロー(バンガローではない),もっと常識 を勉強しろ,と言いたいような気分である.そんな人になってはいけません. でも何が楽しくて研究者をやっているのか,と聞かれると,やはり若い人との科学漬けの生活だろうか. 横で学生が論文をまじめに読んでいるのを見ると,横取りして見たくなる.時間がなくて読めないだろう と,学生が私に講釈に来てくれるのも嬉しい.この楽しみを大学1年生に教えることこそ,大学教員の醍醐 味である. 研究者生活って,楽しそうでしょ.

楽しい研究者生活

* 〔生化学 第80巻 第1号,p.1,2008〕

アトモスフィア

東京大学大学院総合文化研究科

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